JPH11174971A - 反射防止ディスプレイ - Google Patents

反射防止ディスプレイ

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JPH11174971A
JPH11174971A JP9345228A JP34522897A JPH11174971A JP H11174971 A JPH11174971 A JP H11174971A JP 9345228 A JP9345228 A JP 9345228A JP 34522897 A JP34522897 A JP 34522897A JP H11174971 A JPH11174971 A JP H11174971A
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JP
Japan
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meth
film
display
antireflection
acrylic acid
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Application number
JP9345228A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Ikeda
智之 池田
Yoshihiro Morimoto
佳寛 森本
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NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反射防止機能に優れたディスプレイの提供。 【解決手段】表面に反射防止膜が形成されているプラス
チックフィルムをディスプレイの画面上に密着してなる
反射防止ディスプレイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射防止膜を有す
るディスプレイに関する。さらに詳しくは本発明は反射
防止機能を有する陰極線管(CRT)ディスプレイ、液
晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(P
DP)等のディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】最近は、電気製品や光学部品、建材の透
明基板部分に、フッ化マグネシウム薄膜を蒸着やスパッ
タリング法などによって付着させた反射防止透明基板を
用いることで、その視認性をはかるようになってきた
(特開昭63−261646号公報)。またシラン微粒
子や金属微粒子を透明基板上に直接スピンコート法(特
開平7−48543号公報)やスプレーコート法(特開
平1−195632号公報)で反射防止処理を行った透
明基板も用いられている。これらの方法はすべてディス
プレイ自体に直接反射防止処理を施すものであった。
【0003】昨今、家庭用カラーテレビ等が大型化の傾
向にある。また非常に軽量、薄型かつ大画面であるPD
Pの開発が進んでいる。このような大型ディスプレイに
対し直接反射防止処理をするためには大型の機械設備の
導入が必要となる。また前記の蒸着やスパッタリング法
などの処理方法では反射防止処理を連続的に行うことは
非常に困難である。さらに直接ディスプレイに対して蒸
着やコーティング処理を行うため歩留まりの悪さも問題
として挙られる。これらの問題のため反射防止処理した
ディスプレイを容易に歩留まりよく、工業的に量産製造
することは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、あら
かじめ反射防止膜を形成せしめて、反射防止機能を付与
したフィルムを作製し、それをディスプレイ表面に密着
させて用いることにより容易に歩留まりよく、工業的に
量産製造することができる反射防止ディスプレイを提供
することにある。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明者らは前記の問題
点に鑑み、鋭意検討した結果、あらかじめ反射防止層を
形成させたプラスチック基板をCRT、LCD、PDP
などのディスプレイに密着することで容易に歩留まりよ
く、反射防止機能付きディスプレイが製造できることを
見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は次の
(1)〜(4)である。 (1)表面に反射防止膜の層が形成されているプラスチ
ックフィルムをディスプレイの画面上に密着してなる反
射防止ディスプレイ。 (2)前記の反射防止膜は有機化合物を含み、この有機
化合物が固形分として10重量%〜100重量%含有さ
れた層を形成し、これを1層以上有することを特徴とす
る反射防止ディスプレイ。 (3)前記の反射防止膜の有機化合物が屈折率が1.4
9以下であるフッ素系化合物からなり、その層を1層以
上有することを特徴とする反射防止ディスプレイ。 (4)前記のフッ素系化合物が下記の一般式[1]
【0006】
【化2】 (ただし、式中、R1、R2、R3およびR4は(メタ)ア
クリル酸残基を示し、Rfは、炭素数2〜12の含フッ
素化合物残基で水酸基を含有していても、含有していな
くてもよい。また、a、b、cおよびdは0または1の
数で、かつ1≦a+b+c+d≦4を示す。)で表され
る含フッ素(メタ)アクリレートを硬化してなるもので
ある前記の反射防止ディスプレイ。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる語句について説明
する。本発明では、プラスチックフイルムは基材のフイ
ルムのみを意味し、また場合によっては、ハードコート
処理した基材のプラスチックフイルムを意味する。さら
に、反射防止フィルムは、基材のプラスチックの表面に
1層以上の反射防止膜の層を形成せしめて、さらにはそ
の上部にハードコート層を設けたフィルム全体を意味す
る。反射防止膜は反射防止機能をプラスチックに付与す
る部分のみを意味する。本発明で用いる「密着」とは、
前記の反射防止フィルムをディスプレイの画面に、「接
着剤」を用いる接着、「粘着剤」を用いる粘着、さらに
直接接触させる狭義の「密着」をも含む。また、その
「密着」において、前記の反射防止フィルムの縁などを
テープ状のもので固定してもよいし、直接接触させる狭
義の「密着」の場合には、治具等を用いて密着させた前
記の反射防止フィルムの縁などを固定してもよい。本発
明に使用される反射防止処理を施す基材のプラスチック
フィルムとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリ
アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロー
ス(TAC)樹脂、ジアセチルセルロース樹脂、アセテ
ートブチレートセルロース樹脂、ポリエーテルサルホン
樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、トリメチ
ルペンテン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアクリ
ロニトリル樹脂等が挙げられる。好ましくは、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)樹脂、トリアセチルセル
ロース(TAC)樹脂、ポリアクリル酸系樹脂等が挙げ
られる。またこれらのフィルムは無色透明でもよくその
用途によっては防眩加工や着色されてもよく、また柄付
きでも良い。また物理特性の向上のためにあらかじめハ
ードコート処理を施していても構わない。
【0008】プラスチックフィルムの厚さは1μm〜1
mmであり、さらには10μm〜250μmのものがデ
ィスプレイへの貼り付けの際のハンドリング性やフィル
ム自体の強度や透明性の点から好ましい。
【0009】プラスチックフィルム上に形成される反射
防止層に用いられる物質は有機化合物としては屈折率の
低い含フッ素化合物が挙げられる。例えば、下記の一般
式[1]
【0010】
【化3】 で表される含フッ素(メタ)アクリレートである。ここ
で、式中、R1、R2、R3およびR4は(メタ)アクリル
酸残基を示し、Rfは、炭素数2〜12の含フッ素化合
物残基で水酸基を含有していても、含有していなくても
よい。また、a、b、cおよびdは0または1の数で、
かつ1≦a+b+c+d≦4を示す。
【0011】含フッ素(メタ)アクリレートの具体例と
しては、例えば、(メタ)アクリル酸−2,2,2−ト
リフルオロエチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸
−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチ
ル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,
5,5,5−ノナフルオロペンチル、(メタ)アクリル
酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウ
ンデカフルオロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ト
リデカフルオロヘプチル、(メタ)アクリル酸−2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,8−ペンタデカフルオロオクチル、(メタ)アクリ
ル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,8−トリデカフルオロオクチル、(メタ)アクリル
酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフル
オロデシル、(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,1
0,10−ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリ
ル酸−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トルフル
オロプロピル、(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロ
メチル−4,4,4−トリフルオロブチル、(メタ)ア
クリル酸−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−
2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル等
の含フッ素一官能(メタ)アクリル酸エステルが挙げら
れる。
【0012】また、2−ペルフルオロヘキシル−1−
(ヒドロキシメチル)エチル−2−ビス((メタ)アク
リロイルオキシメチル)プロピオナート、2−ペルフル
オロヘキシル−1−((メタ)アクリロイルオキシ)エ
チル−2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2
−(ヒドロキシメチル)プロピオナート、2−ペルフル
オロオクチル−1−(ヒドロキシメチル)エチル−2−
ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)プロピオナ
ート、2−ペルフルオロオクチル−1−((メタ)アク
リロイルオキシメチル)エチル−2−((メタ)アクリ
ロイルオキシメチル)−2−(ヒドロキシメチル)プロ
ピオナート、3−ペルフルオロヘキシル−2−ヒドロキ
シプロピル−2−ビス((メタ)アクリロイルオキシメ
チル)プロピオナート、3−ペルフルオロヘキシル−2
−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2−
((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−(ヒドロ
キシメチル)プロピオナート、3−ペルフルオロオクチ
ル−2−ヒドロキシプロピル−2−ビス((メタ)アク
リロイルオキシメチル)プロピオナート、3−ペルフル
オロオクチル−2−((メタ)アクリロイルオキシ)プ
ロピル−2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−
2−(ヒドロキシメチル)プロピオナート、ジ(メタ)
アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルエチレン
グリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,
3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ
(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,4−ヘ
プタフルオロブチルエチレングリコール、ジ(メタ)ア
クリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナ
フルオロペンチルエチレングリコール、ジ(メタ)アク
リル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6
−ウンデカフルオロヘキシルエチレングリコール、ジ
(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルエ
チレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8
−ペンタデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ
アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロ
ノニルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロ
デシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−
2,2,3,3−テトラフルオロブタンジオール、ジ
(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4−ヘキサ
フルオロペンタジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン
ジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘプタンジオー
ル、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタンジオ
ール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフル
オロノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9−ヘキサデカフルオロデカンジオール、ジ(メ
タ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタ
デカフルオロウンデカンジオール、ジ(メタ)アクリル
酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコ
サフルオロドデカンジオール等の含フッ素二官能(メ
タ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0013】さらに、1,2,8−トリス((メタ)ア
クリロイルオキシ)−7−ヒドロキシ−4,4,5,5
−テトラフルオロオクタン、1,2,7−トリス((メ
タ)アクリロイルオキシ)−8−ヒドロキシ−4,4,
5,5−テトラフルオロオクタン、1,2,9−トリス
((メタ)アクリロイルオキシ)−8−ヒドロキシ−
4,4,5,5,6,6−ヘキサフルオロノナン、1,
2,8−トリス((メタ)アクリロイルオキシ)−9−
ヒドロキシ−4,4,5,5,6,6−ヘキサフルオロ
ノナン、1,2,10−トリス((メタ)アクリロイル
オキシ)−9−ヒドロキシ−4,4,5,5,6,6,
7,7−オクタフルオロデカン等の三官能(メタ)アク
リル酸エステルが挙げられる。
【0014】さらに、テトラ(メタ)アクリル酸−4,
4,5,5−テトラフルオロオクタン−1,2,7,8
−テトラオール、テトラ(メタ)アクリル酸−4,4,
5,5,6,6−ヘキサフルオロノナン−1,2,8,
9−テトラオール、テトラ(メタ)アクリル酸−4,
4,5,5,6,6,7,7−オクタフルオロデカン−
1,2,9,10−テトラオール、テトラ(メタ)アク
リル酸−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−デ
カフルオロウンデカン−1,2,10,11−テトラオ
ール、テトラ(メタ)アクリル酸−4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,9,9−ドデカフルオロドデ
カン−1,2,11,12−テトラオール等の含フッ素
四官能(メタ)アクリル酸エステル等を好ましく挙げる
ことができる。
【0015】使用に際してはこれらを単独で用いるか、
若しくは通常の多官能重合性単量体との混合物、またこ
れらの重合体として用いることができる。また、前記の
単量体は、粘度調製などのために、予め重合してこれら
の重合体として用いることもできる。
【0016】前記の通常の多官能重合性単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
1,1,1−トリス(アクリロイルオキシエトキシエト
キシ)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロリルオキ
シエトキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボルニルジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙
げられる。
【0017】また屈折率の調整や、物性の向上のために
無機化合物を混合しても構わない。この場合反射防止層
内に含まれるフッ素化合物の量は100重量%〜10重
量%であることが望ましい。
【0018】また、前記の低屈折の物性の向上のための
無機化合物としては、フッ化マグネシウム、酸化珪素、
フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウ
ム、フッ化ナトリウム、フッ化トリウムの微粒子が挙げ
られる。好ましくは、フッ化マグネシウムである。微粒
子の大きさは、フイルムの透明性を確保するために可視
光線の波長に比べて十分に小さいことが望ましい。具体
的には、その大きさは、およそ100nm以下が好まし
く挙げられる。
【0019】本発明の反射防止膜の層を形成させる方法
は、前記の有機化合物、特に含フッ素(メタ)アクリル
酸エステル等の重合性の配合物を溶剤等で希釈した希薄
溶液を作成し、これを基材にグラビアコートやスピンコ
ート、ディップコート法などで塗布した後、乾燥して約
100nmの薄膜を形成する。その後、その薄膜に電子
線、紫外線、赤外線などを照射したり、加熱したりして
さらに硬化させて反射防止膜の層を形成させることがで
きる。その際必要に応じて、紫外線硬化用や熱硬化用に
ラジカル重合開始剤を用いることが望ましい。
【0020】前記の熱硬化用のラジカル重合開始剤とし
ては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
シクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ系開始剤;過酸
化ベンゾイル、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメン
パーオキシド、ジアシルパーオキシド等の有機化酸化物
が挙げられる。また、紫外線硬化用のラジカル重合開始
剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル等のベンゾイン系化合物、ベンゾ
フェノン、アセトベンゾフェノン、ミヒラーケトン等の
カルボニル系化合物、ジエチルチオキサントン等のチオ
キサントン系化合物を挙げることができる。これらのラ
ジカル重合開始剤の使用量は、単量体組成物中の重合性
の成分に対して0.01〜10重量%が好ましく挙げら
れる。
【0021】本発明の反射防止層の膜構成はフッ素系化
合物を主成分とした膜を基材上に1層だけの形成で反射
防止層としての機能を発現させることができる。またさ
らに光学性能を向上させるために屈折率の異なる物質と
組み合わせて多層で形成してもよい。この場合の層は有
機化合物でも無機化合物でもよい。本発明に用いる反射
防止フィルムには、フィルム上にフッ素系化合物の硬化
物である低屈折率層を設けたものであっても、前記のフ
ィルムと前記の低屈折率層との間に少なくとも1層以上
の他の材料層を設けたものであってよい。この材料層と
しては、反射防止効果を高めるために高屈折率層を設け
ることができる。高屈折率層は、屈折率が1.55以上
が好ましく、その膜の厚さは50〜500nmであるこ
とが好ましい。高屈折率層として用いる無機材料は、例
えば、酸化亜鉛粉末が挙げられる。
【0022】また物理性能を向上させるために反射防止
層を形成させる前に、基材にハードコート処理を施して
も良い。膜の厚さは基板、膜の構成、屈折率によっても
異なるが、反射防止フィルムの反射率の最小値が500
〜650nmの波長の範囲となるように膜の厚さに設定
するのが望ましい。その膜の厚さとしては、具体的に
は、50〜300nmが望ましい。
【0023】前記のようにして作成した反射防止フィル
ムとディスプレイとを密着させる手段は特に限定されな
い。接着層としては、従来公知の接着テープ自体や接着
シールに使用されているものでよく、例えば、ポリイソ
プレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレンブタジエ
ンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム等のゴム系樹
脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリビニルエ
ーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリ塩素化オレフィン系樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂な
どに適当な粘着付与剤例えばロジン、ダンマル、重合ロ
ジン、テルペン変性体、石油系樹脂、シクロペンタジエ
ン系樹脂を適宜添加したものが用いられる。
【0024】これらの接着剤の塗布方法は、従来公知の
方法で構わない。例えば粘着層転写法、グラビアコー
ト、ダイコート、スピンコート、ディップコート等が用
いられる。接着層の膜の厚さはそのフィルムの透明性を
損なわない程度であればどのような膜の厚さでも構わな
いが、1μm〜100μmが好ましい。
【0025】ディスプレイと反射防止フィルムとの密着
方法については、上記、密着処理を行った反射防止フィ
ルムをディスプレイ表面に対して気泡が入らないように
密着させ、圧着ローラーなどで貼り合わせを行う。
【0026】こうして作成した反射防止フイルムは、C
RT(陰極線管)ディスプレイ、LCD、PDPなど総
てのディスプレイ(画像表示部分)の前面に密着が可能
である。特に平面状のLCPやPDPあるいは円柱側面
状の、さらには、なだらかな曲面を有する曲面状のCR
Tディスプレイ等が対象として好ましく挙げられる。
【0027】
【発明の効果】本発明の反射防止ディスプレイは、反射
防止機能を有しているため背景の光、太陽光、蛍光灯な
どの光源、風景などが反射することなく視認性が著しく
向上するものである。また本発明の反射防止ディスプレ
イは、反射防止層の形成が容易でありまた歩留まりも高
いため量産化に適している。
【0028】
【実施例】実施例1 ジアクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロ
ノニルエチレングリコール10重量部、ポリ(アクリル
酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデ
シル)1重量部、トリフルオロメチルベンゼン80重量
部を混合し反射防止層塗液を調整した。次いでマイクロ
グラビアコーター(康井精機社製)を用いて膜厚100
μm、幅1000mmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に乾燥膜厚が0.25λ(λ−5
50nm)になるように塗布し、電子線照射器(岩崎電
気社製)により加速器電圧174kV、ビーム電流5m
Aで吸収線量30Mradの電子線を照射し、硬化して
反射防止層を形成した。次にこのフィルムを600mm
×1000mmに切断し、次にこのフィルムをディスプ
レイに貼り合わせるために反射防止処理を施していない
面に粘着剤をアプリケーターを用いて塗布し、ゴムロー
ラーを用いて29インチTVブラウン管(陰極線管)の
フェースパネル(画像表示面)の前面に貼り付けた。こ
の反射防止処理ディスプレイ表面の反射率を0°正反射
測定装置を備えた瞬間マルチ測光システム(大塚電子製
IMUC−7000)を用いて測定した。550nmに
おける反射率処理前が5%であったのに対し0.7%に
低下した。結果を表1に示した。
【0029】実施例2 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPH
A:日本化薬社製)45重量部、ポリエチレングリコー
ルジアクリレート(A−400:新中村化学社製)30
重量部、光重合開始剤として「イルガキュアー184」
(商品名:チバガイギー社製)4重量部、溶媒としてイ
ソプロパノール20重量部を混合し、マイクログラビア
コーター(康井精機社製)を用いて膜厚80μm、幅7
50mmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム
上に膜厚が5μmになるように塗布した。紫外線照射器
(岩崎電気社製)により400mJ/cm2の紫外線を
照射し硬化を行った。このフィルムをTAC−Aとす
る。次に30%酸化亜鉛微粒子トルエン分散液(商品名
「ZS−300」:住友大阪セメント社製)240重量
部、トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名
「TMPTA」:新中村化学社製)28重量部、硬化開
始剤として「Darocur1116」(商品名:メル
ク社製)を1重量部、溶媒としてトルエン900重量部
を混合し、マイクログラビアコーターを用いてTAC−
Aに塗布した。この時の膜厚は100nmになるように
した。紫外線照射器により1J/cm2の紫外線を照射
し硬化した。このフィルムをTAC−Bとする。次にジ
アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロ
ノニルエチレングリコール10重量部、ポリ(アクリル
酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデ
シル)1重量部、トリフルオロメチルベンゼン80重量
部を混合し反射防止層塗液を調整した。次いでマイクロ
グラビアコーターを用いてTAC−Bに乾燥膜厚が10
0nmになるように塗布し、紫外線照射器により1J/
cm2の紫外線を照射し硬化した。これをTAC−Cと
した。次にTAC−Cを600mm×1000mmに切
断し、このフィルムをディスプレイに貼り合わせるため
に反射防止処理を施していない面に粘着剤をアプリケー
ターを用いて塗布し、ゴムローラーを用いて29インチ
TVブラウン管(CRT)のフェースパネル(画像表示
面)の前面に貼り付けた。この反射防止処理ディスプレ
イ表面の550nmにおける反射率は処理前が5%であ
ったのに対し0.3%に低下した。結果を表1に示し
た。
【0030】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止(CRT)ディスプレイの一
例を示す断面図である。
【図2】本発明の反射防止ディスプレイ(LDPまたは
PDP)の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の反射防止ディスプレイ(LDPまたは
PDP)の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1.接着層 2.プラスチックフィルム 3.反射防止層 4.ディスプレイ 5.押さえ治具

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に反射防止膜の層が形成されているプ
    ラスチックフィルムをディスプレイの画面上に密着して
    なる反射防止ディスプレイ。
  2. 【請求項2】反射防止膜は有機物を含み該有機化合物が
    固形分として10重量%〜100重量%含有された層を
    形成し、該層を1層以上有する請求項1記載の反射防止
    ディスプレイ。
  3. 【請求項3】有機化合物が屈折率1.49以下であるフ
    ッ素系化合物からなる請求項2記載の反射防止ディスプ
    レイ。
  4. 【請求項4】フッ素系化合物が下記の一般式[1] 【化1】 (ただし、式中、R1、R2、R3およびR4は(メタ)ア
    クリル酸残基を示し、Rfは、炭素数2〜12の含フッ
    素化合物残基で水酸基を含有していても、含有していな
    くてもよい。また、a、b、cおよびdは0または1の
    数で、かつ1≦a+b+c+d≦4を示す。)で表され
    る含フッ素(メタ)アクリレートを硬化してなるもので
    ある請求項3記載の反射防止ディスプレイ。
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