JP4089004B2 - 近赤外線遮蔽性減反射材、製造方法および用途 - Google Patents

近赤外線遮蔽性減反射材、製造方法および用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い表面硬度を有し、しかも低屈折率で、表示装置の構成部品等に利用可能な近赤外線遮蔽性減反射材、その製造方法および用途に関する。またさらに、近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマ表示装置(PDP)などの電子ディスプレイの研究が盛んに行われている。これらのディスプレイには発光体から発生する近赤外線による周辺機器の誤作動が問題として挙げられている。近赤外線遮蔽フィルターとしてはいくつか提案されているが、それらは冷暖房効率改善の熱線遮蔽材やセキュリティーインクとして利用されてきた。しかし、周辺機器の誤作動に着目した近赤外線遮蔽の利用はこれまで試みられてこなかった。
前記の近赤外線遮蔽フイルターとしては、例えば次の(1)〜(4)が挙げられる。
(1)特開昭60−43605号公報、
(2)特開平6−194517号公報、
(3)特開平5−42622号公報、
(4)特開平7−70482号公報。
特開昭60−43605号公報ではアントラキノン化合物やナフタロシアニン化合物を使用したものが提案されているが、遮蔽波長域が700〜900nmであり充分ではない。
近赤外線吸収色素を含んだ熱線遮断シートもいくつか提案されている。例えば、特開平6−194517号公報では極大遮蔽が波長650nm以上800nm未満であるため1000nm近辺の遮蔽が充分ではない。
特開平5−42622号公報では波長1100nmの透過率が40%以下になる光線選択透過性フィルムが提案されているが、波長800〜1000nmの透過率についての記載がない。
特開平7−70482号公報では赤外線遮蔽膜とその形成材が提案されているが、波長800nmにおける透過率が20%以上と高くさらにその用途も金券等の偽造に対する防止手段や冷暖房効率の改善である。
また、近赤外線遮蔽フイルターを単独で用いる従来の方法では、波長800〜1000nmの透過率20%以下、かつ可視光線透過率50%以上を達成するものは知られていない。
一方、近赤外線遮蔽材が周辺機器の誤作動に有用であることが近年知られている。しかし、これらの近赤外線遮蔽用に透明基板を用いると背景光、例えば蛍光灯の映り込みが生じて視認性が劣り、長時間使用した場合には目が疲れる等の問題がある。
【0003】
また一方、反射防止材や減反射材としては既に次のような技術が知られている。すなわち、フィルムの最外層に、基板よりも低屈折率の物質からなる反射防止膜を可視光波長の1/4の膜厚(約100nm)で形成すると、干渉効果により表面反射が低減し、透過率が向上することが知られている。このような原理は、液晶表示装置等の表面反射の低減が必要とされる分野において、減反射フィルム及び減反射シート等として応用されている。
【0004】
該減反射フィルム及び減反射シートを生産するには、例えば(i)フッ化マグネシウム等を蒸着、スパッタリングする方法、(ii)低屈折率の含フッ素重合体等の樹脂を溶解した溶液を塗布、乾燥させる方法等が行われている(特開平6−115023号公報)。しかしながら、前者の(i)の蒸着−スパッタリングの塗布−乾燥の方法は真空条件下で行われるため生産性が悪く、大面積化も困難であり、後者の(ii)の方法は生産性もよく大面積化も可能であるが、含フッ素重合体はいずれも硬度が低いため、耐摩耗性が劣るという欠点がある。
【0005】
また含フッ素単量体を必要に応じて溶液とし、フイルム上に塗布し、活性エネルギー線照射、加熱等により重合する方法が提案されている。この方法を行うための含フッ素単量体としては例えば、アクリル酸含フッ素アルキルエステルやメタクリル酸含フッ素アルキルエステル等が知られている。しかしこれらを重合硬化して得られる含フッ素重合体は、前記(ii)の方法に用いる樹脂と同様に、硬度が低く耐摩耗性が著しく悪いという欠点がある。
【0006】
そこで含フッ素多官能重合性単量体を塗布した後、電子線照射により重合硬化させる方法が提案されている(特開平8−48935号公報)。この方法を用いることで通常困難であった約100nmの膜厚の重合性単量体の硬化を行うことができ、硬度が高く、耐摩耗性に優れた含フッ素重合体による減反射材を提供することができる。しかし電子線照射装置を用いることにより、大型の製造設備が必要となり、また電子線照射による硬化は基板および塗膜への着色などの悪影響を与えることがある。
【0007】
また一方、最近では、大型のPDP、壁掛け型TVのように大型化や軽量化が進んでおり、前記のような近赤外線遮蔽材や反射防止材においても大型化、軽量化あるいは工業的に大量生産できるような生産性が求められてきている。
これらに対して従来は、事前に近赤外線遮蔽性の材料、減反射材料をそれぞれ個々に作成して、前記近赤外線遮蔽性の材料に減反射フイルムを貼り合わせる方法などが行われていた。
しかしこの方法では、基材部分のフイルムの張り合わせ等の密着性の問題や基材部分の二重性からくる軽量化がはかれない等の問題がある。
【0008】
さらにまた近年、TV、OA機器、陰極線管(CRT)ディスプレイ、PDP等の電子画像表示装置から発生する電磁波が人体や周辺の電子機器に及ぼす悪影響が問題となってきている。前記の電磁波の問題点を解決するために前記のような機器の前面に電磁波シールド用の基板を使用している。例えば、電磁波シールド機能を持たせる方法として次のような技術が知られている。
(1)ステンレススチールや銅のメッシュを透明基板(パネルともいう)の前面に貼り付ける方法(実開昭50−3687号公報)、
(2)ITO(インジュウムスズオキサイド)等の導電性物質をスパッタリング等で形成させる方法(特開平5−134102号公報)、
(3)繊維等に無電解メッキ方法で金属を形成させてメッシュを作成し、それを透明基板に組み込む方法(特開平8−183132号公報)。
一方これらの電磁波シールド用に透明基板を用いると前記と同様に背景光、例えば蛍光灯の映り込みが生じて視認性が劣り、長時間使用した場合には目が疲れる等の問題がある。
前記のような大型化、軽量化、生産性などから近赤外線遮蔽性の機能と電磁波シールド機能を有する材料と反射防止機能を有する材料の一体化が求められてきた。
この方法として例えば、特開平5−283889号公報には透明基板上に電磁波シールド機能を有する材料を無電解メッキにより形成させて、電磁波シールド材に、透明で屈折率の低い化合物からなる透明薄膜層を形成させて背景の映り込み等を少なくして表示の視認性を向上させる一体型の透光性電磁波シールド材が開示されている。
しかしながらこの電磁波シールド性の透明薄膜層を形成する方法は含フッ素重合体、例えばテフロン樹脂や非結晶性の含フッ素重合体をデップコートで塗布乾燥するものであり、基板との密着性や表面硬度に対する問題がある。
また、近赤外線遮蔽性の機能と電磁波シールド性の機能を有する材料と減反射機能を有する材料の生産性の優れた一体化の方法はこれまで知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、近赤外線遮蔽機能と、表面硬度が高く、しかも光透過性で低屈折率を示す減反射機能とを合わせ有する近赤外線遮蔽性減反射材を提供することにある。
本発明の第2の目的は、前記の近赤外線遮蔽性減反射材の生産性良い製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、前記の近赤外線遮蔽性減反射材の電子デイスプレイへの用途を提供することにある。
本発明の第4の目的は、前記の近赤外線遮蔽性に加えて電磁波シールド性をも有する減反射材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題点に鑑み鋭意検討した結果、波長800〜1000nmの近赤外線領域の透過率を特定にすることにより上記目的が達成できることの知見を得て、また、特定の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルと特定の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの重合体と光重合開始剤を配合した塗液を前記の近赤外線遮蔽性の基材に塗布した後、紫外線照射して硬化すると優れた近赤外線遮蔽性減反射材となることを見い出し、本発明を完成した。
また、前記の塗液を前記の近赤外線遮蔽性機能に加えて電磁波シールド機能をも有する基材に塗布した後、紫外線照射して硬化すると優れた減反射材となることを見い出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、次の(1)〜(12)である。
【0011】
(1)(イ)近赤外線遮蔽機能と(ロ)減反射機能を有する複合材料であって、減反射機能が、A成分として含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル10〜100重量%とB成分として含フッ素重合体90〜0重量%とを含む硬化性塗液を硬化してなる減反射層によるものである近赤外線遮蔽性減反射材。
(2)近赤外線遮蔽機能を有する基板の片面または両面に減反射層を形成してなる近赤外線遮蔽性減反射材であって、
減反射層が、A成分の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルとB成分の含フッ素重合体とを含む硬化性塗液を硬化した層であり、前記のA成分が下記一般式[1]
【0012】
【化10】
Figure 0004089004
【0013】
[式中X1及びX2は、同一若しくは異なる基であって、水素原子又はメチル基を示し、Y1は、
(i)水酸基を0〜4個有する2価ないし8価のフッ素原子を2個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキレン基、
(ii)フッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキレン基、
(iii)−C(Y2)HCH2−基(但しY2は、フッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)、若しくは、
(iv)下記の一般式[2]
【0014】
【化11】
Figure 0004089004
【0015】
(ここでY3はフッ素原子3個以上を有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、Zは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
で示される基であり、m、nは1または2の数である。]
で表わされる2官能ないし4官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルであり、前記のB成分が、下記一般式[3]
【0016】
【化12】
Figure 0004089004
【0017】
(式中X3は、水素原子又はメチル基を示し、Y4はフッ素原子を3個以上有する炭素数2〜14のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)
で表わされる単官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルに基づく構成単位として50重量%以上含有する重合体である前記の近赤外線遮蔽性減反射材。
【0018】
(3)減反射層の屈折率が基板の屈折率より小さく、かつ減反射層の屈折率が1.5以下であり、その層の厚さが70〜150nmである前記の近赤外線遮蔽性減反射材。
(4)近赤外線遮蔽機能を有する層が、波長800〜1000nmの近赤外線領域の透過率が20%以下であり、かつ可視光線透過率が50%以上である材料からなる前記の近赤外線遮蔽性減反射材。
(5)近赤外線遮蔽機能を有する材料が波長800〜900nmに極大遮蔽があり当該波長の透過率が20%以下の近赤外線遮蔽基材と、波長900〜1000nmに極大遮蔽があり当該波長の透過率が20%以下の近赤外線遮蔽基材とを組合せてなる材料である前記の近赤外線遮蔽性減反射材。
【0019】
(6)近赤外線遮蔽機能を有する材料がフイルムであり、そのフィルムの片面または両面に減反材を付与した前記の近赤外線遮蔽性減反射材。
(7)前記の近赤外線遮蔽性減反射材の製造方法であって、
近赤外線遮蔽機能を有する基板の片面または両面に、下記の硬化性塗液を塗布し、紫外線硬化させて、減反射層を形成させる近赤外線遮蔽性減反射材の製造方法。
硬化性塗液;A成分として含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル10〜100重量%とB成分として含フッ素重合体90〜0重量%とC成分として必要量の光重合開始剤を含む硬化性塗液である。
【0020】
(8)A成分の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルが下記一般式[1]
【0021】
【化13】
Figure 0004089004
【0022】
[式中X1及びX2は、同一若しくは異なる基であって、水素原子又はメチル基を示し、Y1は、
(i)水酸基を0〜4個有する2価ないし8価のフッ素原子を2個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキレン基、
(ii)フッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキレン基、
(iii)−C(Y2)HCH2−基(但しY2は、フッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)、若しくは、
(iv)下記の一般式[2]
【0023】
【化14】
Figure 0004089004
【0024】
(ここでY3はフッ素原子3個以上を有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、Zは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
で示される基であり、m、nは1または2の数である。]
で表わされる2官能ないし4官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルであり、
B成分の含フッ素重合体が下記一般式[3]
【0025】
【化15】
Figure 0004089004
【0026】
(式中X3は、水素原子又はメチル基を示し、Y4はフッ素原子を3個以上有する炭素数2〜14のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)
で表わされる単官能含フッ素(メタ)アクリル酸エステルに基づく構成単位として50重量%以上含有する重合体であり、紫外線硬化が不活性ガス雰囲気下で行う紫外線による重合硬化である前記の近赤外線遮蔽性減反射材の製造方法。
【0027】
(9)前記の近赤外線遮蔽性減反射材を電子デイスプレイの前面に配置してなる近赤外線遮蔽性機能と減反射機能とを付与した電子デイスプレイ。
【0028】
(10)(イ)近赤外線遮蔽機能と(ロ)減反射機能と(ハ)電磁波シールド機能を有する複合材料であって、
減反射機能が、A成分として含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル10〜100重量%とB成分として含フッ素重合体90〜0重量%とを含む硬化性塗液を硬化してなる減反射層からなる近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材。
【0029】
(11)(イ)近赤外線遮蔽機能と(ロ)減反射機能と(ハ)電磁波シールド機能を有する複合材料であって、
A成分の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルが、下記一般式[1]
【0030】
【化16】
Figure 0004089004
【0031】
[式中X1及びX2は、同一若しくは異なる基であって、水素原子又はメチル基を示し、Y1は、
(i)水酸基を0〜4個有する2価ないし8価のフッ素原子を2個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキレン基、
(ii)フッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキレン基、
(iii)−C(Y2)HCH2−基(但しY2は、フッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)、若しくは、
(iv)下記の一般式[2]
【0032】
【化17】
Figure 0004089004
【0033】
(ここでY3はフッ素原子3個以上を有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、Zは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
で示される基であり、m、nは1または2の数である。]
で表わされる2官能ないし4官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルと、
B成分の含フッ素重合体が下記一般式[3]
【0034】
【化18】
Figure 0004089004
【0035】
(式中X3は、水素原子又はメチル基を示し、Y4はフッ素原子を3個以上有する炭素数2〜14のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)
で表わされる単官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを構成単位として50重量%以上含有する重合体
とを含む含フッ素硬化性塗液を硬化して、近赤外線遮蔽機能と電磁波シールド機能を有する基板に、基板の片面または両面に反射防止層を形成してなる前記の近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材。
【0036】
(12)前記の近赤外線遮蔽機能を有する層が、波長800〜1000nmの近赤外線領域の透過率が20%以下であり、かつ可視光線透過率が50%以上である材料からなり、かつ、前記の電磁波シールド性機能が、導電性メッシュ層、ITO(インジュウムスズオキサイド)蒸着層およびAg蒸着層の群から選ばれる1種によるものである前記の近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明において近赤外線とは800〜1000nmの波長範囲を意味する。
また、「遮蔽」とは、吸収、反射の一方または両方で800〜1000nmの透過率が20%以下になることを意味する。
本発明でいう「電子ディスプレイ」とは、プラズマ表示装置(PDP)、陰極線管(CRT)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロ・ルミネセンス(EL)、発光ダイオード(LED)、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッション(FED)などを意味する。
「基材」とは、以下に示す(1)〜(3)を単体または組合せたものを意味する。
(1)厚さ1μm〜20mmの基板で、この表面に例えばアンチグレア加工等の特殊加工を施すことは一向に構わない。
(2)前記基板内に近赤外線遮蔽剤を含有したもの。
(3)前記基材の表面に近赤外線遮蔽層を設けたものである。
ここでいう近赤外線遮蔽層とは、近赤外線遮蔽剤を蒸着するか、あるいは前記の近赤外線遮蔽剤を有機バインダーに溶解又は混合して塗布したものである。
また、「電子ディスプレイの前面に配置」とは、前記のディスプレイの画像表示部前面に装着するフィルターとして用いることを意味する。
【0038】
本発明により製造される近赤外線遮蔽性減反射材は、特定の含フッ素硬化性塗液を重合硬化して得られる減反射膜を、近赤外線遮蔽性基板の片面又は両面に形成したものである。
また、本発明により製造される近赤外線遮蔽性電磁波シールド性減反射材は、特定の含フッ素硬化性塗液を重合硬化して得られる減反射膜を、近赤外線遮蔽性と電磁波シールド性を合わせ有する基板の片面又は両面に形成したものである。
【0039】
近赤外線遮蔽剤としては、例えば、インジウムスズオキサイド(ITO)、酸化インジウム、酸化錫、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン等の金属酸化物;フッ化アンチモン系有機化合物;フタロシアニン系、アントラキノン系、ナフトキノン系、シアニン系、ナフタロシアニン系、高分子縮合アゾ系、ピロール系、フェニレンジアミニウム系等の有機色素;ジチオール系、メルカプトナフトール系の有機金属錯体などが挙げられる。なお、インジウムスズオキサイド(ITO)は電磁波シールド性の機能も有している。
【0040】
有機バインダーとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)等のポリスチレン系化合物;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル系化合物;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のポリ(メタ)アクリル酸アルキル;ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル;ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;セルロース、デンプン、ゴム等の天然高分子;6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド;ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、これらのハロゲン変性体などが挙げられ、これらを単独で、あるいは2種以上混合して使用する。
【0041】
「基材」としては、例えば、ガラス、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアクリル(PMMA)、ポリウレタン(PU)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセテートセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテル、トリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。さらにこれらの基材に粘着加工、ハードコート加工等の公知の特殊加工を施してもよい。
【0042】
波長800〜900nmに極大遮蔽がある近赤外線遮蔽剤と900〜1000nmに極大遮蔽がある近赤外線遮蔽剤とは同一あるい別々の基材に含有または積層してよい。例えば、波長800〜900nmに極大遮蔽がある近赤外線遮蔽剤が基材内に含有し、波長900〜1000nmに極大遮蔽がある近赤外線遮蔽剤が基材上に積層していてもよい。
波長800〜1000nmの透過率が20%を超えると機械の誤作動を生じるので好ましくない。また、可視光線透過率が50%未満である場合にはディスプレイの映像が鮮明でなくなるため好ましくない。より好ましくは、可視光線透過率が60%以上である。
【0043】
減反射機能を有する層を形成させる塗液は、特定の含フッ素硬化性塗液であり、A成分として、含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル、B成分として含フッ素重合体を含有するものである。特に、A成分としては下記一般式[1]
【0044】
【化19】
Figure 0004089004
【0045】
で表わされる含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル(以下多官能(メタ)アクリル酸エステル1と称す)であり、
B成分の含フッ素重合体は、下記一般式[3]
【0046】
【化20】
Figure 0004089004
【0047】
で表わされる単官能(メタ)アクリル酸エステル(以下単官能(メタ)アクリル酸エステル2と称す)を構成成分として50重量%以上含有する重合体(以下重合体3と称す)とC成分として光重合開始剤とを含む塗液であって、硬化させた際には、三次元網目構造を呈し、硬化被膜を得ることができる。
ここで一般式[1]の式中X1及びX2は、同一若しくは異なる基であって、水素原子又はメチル基を示し、Y1
(i)水酸基を0〜4個有する2価ないし8価のフッ素原子を2個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキレン基、
(ii)フッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキレン基、
(iii)−C(Y2)HCH2−基(但しY2は、フッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)、若しくは、
(iv)下記の一般式[2]
【0048】
【化21】
Figure 0004089004
【0049】
(ここでY3はフッ素原子3個以上を有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、Zは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
で示される基であり、m、nは1または2の数である。
また、B成分の含フッ素重合体は、前記一般式[3]で表される単官能(メタ)アクリル酸エステル2を構成成分として50重量%以上含有する重合体である。
【0050】
ここで、一般式[3]の式中のX3は、水素原子又はメチル基を示し、Y4はフッ素原子を3個以上有する炭素数2〜14のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。
また、m、nは1または2の数である。
前記一般式[1]、[2]において、Y1及びY2の炭素数が15以上の場合には製造が困難である。
【0051】
前記の多官能含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとしては、2官能ないし4官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルが好ましく挙げられる。その中で2官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘプタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロウンデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,−エイコサフルオロドデカンジオール等を好ましく挙げることができる。
【0052】
さらに、 前記のジエステル以外の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、3官能および4官能の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
該3官能の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば、3−ペルフルオロブチル−2−(メタ)アクロイルオキシプロピル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、3−ペルフルオロヘキシル−2−(メタ)アクロイルオキシプロピル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、3−ペルフルオロオクチル−2−(メタ)アクロイルオキシプロピル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、3−ペルフルオロシクロペンチルメチル−2−(メタ)アクロイルオキシプロピル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、3−ペルフルオロシクロヘキシルメチル−2−(メタ)アクロイルオキシプロピル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、3−ペルフルオロシクロブチルメチル−2−(メタ)アクロイルオキシプロピル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、さらに、2−ペルフルオロブチル−{1−(メタ)アクロイルオキシメチル}エチル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、2−ペルフルオロヘキシル−{1−(メタ)アクロイルオキシメチル}エチル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、2−ペルフルオロオクチル−{1−(メタ)アクロイルオキシメチル}エチル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、2−ペルフルオロシクロペンチルメチル−{1−(メタ)アクロイルオキシメチル}エチル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、2−ペルフルオロシクロヘキシルメチル−{1−(メタ)アクロイルオキシメチル}エチル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、2−ペルフルオロシクロブチルメチル−{1−(メタ)アクロイルオキシメチル}エチル−2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート等が挙げれる。
【0053】
また、4官能の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルの具体的な例としては、例えば、テトラ(メタ)アクリル酸−4,4,5,5−テトラフルオロオクタン−1,2,7,8−テトラオール、テトラ(メタ)アクリル酸−4,4,5,5,6,6−ヘキサフルオロノナン−1,2,8,9−テトラオール、テトラ(メタ)アクリル酸−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−デカフルオロウンデカン−1,2,10,11−テトラオール、テトラ(メタ)アクリル酸−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,−ドデカフルオロドデカン−1,2,11,12−テトラオール等を好ましく挙げることができる。
使用に際しては、前記の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルは、単独若しくは混合物として用いることができる。
【0054】
前記多官能(メタ)アクリル酸エステルを調製するには、例えば相当する含フッ素エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との通常の開環反応により容易に得ることができる。ヒドロキシ(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸とを通常のエステル化反応させる方法、相当する含フッ素1,2−ジオールと(メタ)アクリル酸とを通常のエステル化反応させる方法、あるいは相当する含フッ素ジオールと(メタ)アクリル酸とを通常のエステル化反応させる方法等により容易に得ることができる。
【0055】
前記重合体3は、前記(メタ)アクリル酸エステル2を構成単位として、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上含む重合体である。
また他の共重合可能なモノマーにより構成される構成単位を50重量%未満含んでいても良く、各構成単位の結合様式は、ランダム状でもブロック状でも良い。この際(メタ)アクリル酸エステル2で構成される構成単位が50重量%未満の場合には、ジ(メタ)アクリル酸エステル1との相溶性が悪くなり、均一な塗膜が得られないので好ましくない。
【0056】
前記重合体3の構成単位となりうる前記(メタ)アクリル酸エステル2としては、例えば(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル等を好ましく挙げることができ、使用に際しては単独若しくは混合物として用いることができる。
【0057】
更に前記重合体3において、必要に応じて構成単位となりうる前記の他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸及びそれらのアルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の脂肪酸のビニルエステル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;ビニルブチルエーテル等のビニルアルキルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン等のビニルアルキルケトン;イソブチレン、1,3−ブタジエン等の不飽和炭化水素類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;さらに、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽和多塩基酸及びそれらのアルキルエステル;ビニルカルバゾール、酢酸アリール等を好ましく挙げることができる。
より好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等を挙げることができる。
【0058】
前記重合体3を調製するには、一般に用いられるラジカル重合法等により容易に合成できる。具体的には、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系ラジラル重合開始剤;過酸化ベンゾイル、tert−ブチルヒドロパーオキシド、クメンパーオキシド、ジアシルパーオキシド等の有機過酸化物系ラジカル重合開始剤;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機系ラジカル重合開始剤;過酸化水素−水酸化ナトリウム系等のレドックス系開始剤等の各種ラジカル重合開始剤系を用いて、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合又は放射線重合等の公知のラジカル重合法等により得ることができる。この際反応温度は10〜100℃、反応時間は1〜100時間であるのが好ましい。このようにして得られる前記重合体3の数平均分子量は1000〜300000であるのが望ましい。
前記重合体3の数平均分子量が1000未満であるときれいな塗膜ができ難くなるので好ましくなく、前記重合体3の数平均分子量が300000を超えると配合品の粘度が高くなるので好ましくない。
【0059】
前記特定の含フッ素硬化性塗液に配合する光重合開始剤としては紫外線照射による重合開始能を有するものであれば良い。具体的には例えば、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン等のアセトフェノン系開始剤;ベンゾフェノン、ビス4−ジメチルアミノフェニルケトン、フェニルベンゾイルケトン等のベンゾフェノン系開始剤;2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系開始剤;チオ安息香酸S−フェニル系開始剤、オキシムケトン系開始剤、アシルホスフィンオキシド系開始剤、アシルホスフォナート系開始剤、チタノセン系開始剤等を挙げることができる。これらは単独もしくは混合物として用いることができる。また重合開始剤の種類によってはp−ジメチルアミノ安息香酸エステル等の三級アミンを添加するなどの反応促進剤を併用する方法でもよい。重合開始剤の配合割合は、含フッ素硬化性塗液中の硬化性成分全量に対し、0.001〜20重量部であることが望ましい。開始剤の配合割合が0.001重量部未満の場合には硬化後の表面硬度が低下し、20重量部を越えると重合硬化した際に屈折率が上昇し、所望の反射防止膜が形成できないので好ましくない。
【0060】
前記特定の含フッ素硬化性塗液において、塗液の粘度調整や塗布後の表面のレベリングのために、反応を阻害しない限り、溶媒を含有していても良い。該溶媒としては、具体的には例えば、トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ヘキサフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロジメチルシクロヘキサン、ペルフルオロメチルシクロヘキサン、オクタフルオロデカリン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロメチルエタン、「アサヒクリン(AK225)」(旭硝子(株)社製、商品名)等の市販品等の含フッ素溶媒;さらにイソプロパノール、2−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等の非フッ素系溶媒を挙げることができる。
前述の溶媒の選択においては(イ)塗布後の乾燥がしやすいこと、(ロ)紫外線硬化反応を阻害しないこと(ハ)環境汚染をしないことなどの観点から、特にトリフルオロメチルベンゼンが好ましく挙げられる。
【0061】
前記特定の含フッ素硬化性塗液において、前記ジ(メタ)アクリル酸エステル1と、前記重合体3との配合割合は、ジ(メタ)アクリル酸エステル1の10〜100重量%、好ましくは70〜99.9重量%、より好ましくは、80〜99重量%に対して、重合体3が90〜0重量%、好ましくは、30〜0.1重量%、より好ましくは、20〜1重量%であるのが望ましい。
重合体3が90重量%を越えると硬化後の表面硬度が低下するので好ましくない。また、前記重合体3の配合割合は、0.1重量%以上配合すると薄膜塗装性を改善することができるのでより望ましい。
前記含フッ素溶媒または非フッ素系溶媒の配合割合は、特に限定されないが、好ましくは含フッ素硬化性塗液中の硬化性成分全量に対し3〜100重量倍が望ましい。
【0062】
前記特定の含フッ素硬化性塗液においては、必要に応じて他の硬化性成分として通常用いられるエネルギー線硬化性樹脂等を配合することができる。例えば重合性不飽和基を2個以上有する多官能性単量体は、具体的には、ジ(メタ)アクリル酸ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジビニルベン、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等を好ましく挙げることができる。前記の多官能性単量体を添加配合すると表面硬度の改善等が図れる。
前記他の硬化性成分の配合割合は、前記多官能(メタ)アクリル酸エステル1の100重量部に対して100重量部以下、特に50重量部以下であるのが好ましい。硬化成分の配合割合が、100重量部を越える場合には、重合硬化した際に屈折率が上昇し、所望の減反射膜が形成できないので好ましくない。
【0063】
前記減反射膜は、前記含フッ素硬化性塗液を重合硬化して得られるものであって、屈折率が好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.45以下であり、膜厚は好ましくは70〜150nm、特に好ましくは90〜110nmである。
【0064】
本発明の近赤外線遮蔽性減反射材の製造方法は、前記含フッ素硬化性塗液を近赤外線遮蔽材基板に塗布し、不活性ガス雰囲気下で紫外線照射により重合硬化させて基板の片面又は両面に反射防止膜を形成する方法である。前記溶媒を含む塗液の場合は、塗付した後、乾燥等により溶媒を蒸発させてから、紫外線照射により重合硬化させて反射防止膜を成形させる。
【0065】
前記塗布は通常行われる塗布方法を用いることができる。具体的には例えばロールコート法、グラビアコート法、ディップコート法及びスピンコート法等がある。これらの方法により乾燥時の膜厚が好ましくはおよそ70〜150nmになるように塗布する。
【0066】
紫外線照射に用いられる紫外線灯の種類は一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が挙げられる。紫外線線照射の条件として、照射線量は10mJ以上が好ましく、100mJ以上がさらに好ましい。照射線量10mJより少ない場合は重合硬化後、十分な表面硬度が得られないため好ましくない。また重合硬化後に、紫外線照射による後硬化をさらに1回以上行ってもよい。紫外線照射時の酸素濃度は、重合硬化時および後硬化時とも窒素、アルゴンなどの不活性ガスを吹き込むことにより1000ppm以下に抑えることが好ましい。
【0067】
反射防止層は前述の物質を単層で形成しても多層で形成してもよく、膜厚は基材、膜の構成によって異なるが、一層あたり可視光波長と同じ厚さもしくはそれ以下の厚さが好ましい。
また、前記の含フッ素硬化性塗液の硬化物による減反射膜(層)と基板との間にもう一つ以上の層を設けてもよい。
この間の層は、無機物、有機物、若しくはこれらの混合物を用いることができる。減反射剤として、例えば無機物質として、酸化チタン、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化シラン、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、フッ化セリウム、酸化セリウム、フッ化ランタン等を用いて、基材上に蒸着することで減反射層を形成することができる。
また有機物質としては、フッ素系化合物、シラン化合物等を用いて薄膜として塗布後、そのまま用いるかあるいは電子線、紫外線、熱などで硬化し減反射層を形成する。
その層の厚さは、0.01〜20nmが好ましい。またその層の成形方法は、特に限定されないが、例えば、蒸着、スパッタリング、ウエットコーテイング等の方法を挙げることができる。また、この層には高屈折率層、帯電防止層、防曇性、防眩性、硬度の向上、特定波長の光の遮断等の機能を付与してもよい。
特に好ましくは、前記の含フッ素硬化性塗液の硬化物による減反射膜と基板との間にもう一つの高屈折率の層を設けて、減反射効果を向上させることができる。
その際の高屈折率の層の厚さは、おおよそ70〜150nmが好ましく挙げられる。より好ましくは、80〜120nmが挙げられる。
【0068】
また、前記の含フッ素多官能メタアクリレートと含フッ素重合体の組成物には、さらに必要に応じて前記の無機微粒子を前記含フッ素組成物に100重量部に対して90重量部未満含有することができる。無機微粒子としては特に限定されないが、好ましくは組成物の屈折率を増加させないためにフッ化マグネシウムやコロイダルシリカ等屈折率1.5以下のものが特に好ましい。微粒子の粒径については、低屈折率の透明性を確保するために可視光の波長に比べて十分小さいことが望ましい。
【0069】
上記の基材、近赤外線遮蔽層、減反射材を組み合わせて本発明の近赤外線遮蔽性減反射材を製造するがその組合せ順序は適宜選択されてよい。例えば、波長800〜900nmに極大遮蔽がある近赤外線遮蔽剤を含有した基板の片面に波長900〜1000nmに極大遮蔽がある近赤外線遮蔽剤を含有する近赤外線遮蔽層を有する基材を貼り合わせ、更にその上面に前記の硬化性の塗液を塗布し、紫外線照射して基材のもう一方の面に減反射層を形成させる形態の近赤外線遮蔽性減反射材でもよい。
【0070】
上記の方法により作製した近赤外線遮蔽性減反射材は画像表示部分の前面に装着が可能であり、装着方法は接着、はめ込み、ビス止めなどでできる。また、固定せずにつり下げなどで脱着が可能な状態でも使用可能である。画像表示装置との間隔は、完全に密着させてもよく、画像が視認できる範囲内なら無制限に離して配置することができる。また近赤外線遮蔽層や減反射材を設けている場合については、その層は視覚者の方を向いていても、画像表示部分の方を向いていても構わない。
【0071】
電磁波シールド性の機能を有する基板としては、特に限定されない。前記と同様な基材が使用できるが、例えば従来から使用されている次のものが挙げられる。
〔A〕透明樹脂表面に透明なITO膜を形成したもの。
〔B〕透明樹脂板中に金属メッシュを挟み込んだもの。
〔C〕透明樹脂板上に無機導電性物質をスパッタしたもの。
【0072】
前記の電磁波シールド用の基板の材質としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリオレフィン(PO)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等を好ましく挙げることができる。
またさらに、基板として、表面に防眩処理や透明な着色等を施したものも用いてもよい。
【0073】
また、前記含フッ素重合性塗液の硬化物による反射防止膜と基板との間にもう一つ以上の層を設けてもよい。この間の層は無機物、有機物、もしくはこれらの混合物を用いることができ、その厚みは0.01〜20μmが好ましい。また層の成形方法は特に限定されず、例えば蒸着、スパッタ、ウェットコーティング等の方法をとることができる。またこの層には高屈折率、帯電防止、防曇、防眩、硬度の向上、特定波長の光の遮断等の機能を一種類以上付与することができる。
【0074】
またさらに必要によっては、先に透明フイルムの片面に減反射層を形成させ、ついで基板フイルムの反対側に無機導電性の材料をスパッタリングすることによって電磁波シールド性を付与してもよい。
【0075】
本発明の近赤外線遮蔽性減反射材は通常の近赤外線遮蔽基板に直接減反射処理をしてあるので、TV、特に平面の大画面のPDPや液晶表示画面の前面に設置することなどによって背景からくる例えば蛍光灯等の映り込みを少なくすることができる。そのため視認性が著しく向上して、目の疲れ等を軽減することができる。
また、本発明の近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材は通常の近赤外線遮蔽性と電磁波シールド性基板に直接減反射処理をしてあるので、軽量で、生産性もよく、製造した近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材は、TVや、特に平面の大画面のPDPや液晶表示画面の前面に設置するとこなどによって背景からくる例えば蛍光灯等の映り込みを少なくすることができる。
【0076】
なお、図1は、近赤外線遮蔽性減反射材の例を断面図で示した。図2は、近赤外線遮蔽性減反射材の例を示した。図3は、近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材の例を示した。図4は近赤外線遮蔽性減反射材をLCDあるいはPDPに用いた場合の一例を断面図で示した。図5は近赤外線遮蔽性減反射材をCRTディスプレイに用いた場合の一例を示した。図6は近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材をLCDあるいはPDPに用いた場合の一例を断面図で示した。図7は近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材をCRTディスプレイに用いた場合の一例を示した。
【0077】
【発明の効果】
本発明の近赤外線遮蔽性減反射材は、近赤外線遮蔽性の機能と減反射機能を合わせ有するので、従来のものと比較して軽量性、生産性の向上、作業性の向上が見込まれる。
また、本発明の近赤外線遮蔽性減反射材の製造方法は、硬化成分として前記多官能(メタ)アクリル酸エステル1と重合体3および光重合開始剤とを含む含フッ素硬化性塗液を重合硬化させて得られる反射防止膜を片面又は両面に形成し、外光反射を低減し光透過率を向上させることができる。更に表面硬度が高いので耐摩耗性にも優れ、しかも低屈折率なので、表示装置の構成部品等に有用な減反射材を製造することができる。またこの減反射材の製造方法は電子線照射法に比べ、大型の設備を多く必要としないで、低コスト且つ基板および塗膜が着色することなく連続的に生産することができる。
特に本発明の近赤外線遮蔽性減反射材は、単独の近赤外線遮蔽剤では十分な効果が得られないものを適宜組み合わせ用いることにより波長800〜1000nmの広範囲で透過率が低く、また可視光線領域での透過率が優れたものが得られる。
また、さらにそれらの機能に減反射機能を付与して鮮明な映像が得られ見やすくしたものである。したがって、PDPやCRT等の電子デイスプレイの周辺機器の近赤外線による誤動作の可能性を低減することができる。
また、近赤外線遮蔽性および電磁波シールド性の減反射材は、近赤外線遮蔽性と電磁波シールド性とさらに減反射性の3つの機能を合わせ有する一体型のもので、前記のように電子デイスプレイの前面に用いて、近赤外線や電磁波による周辺機器の誤動作を可能性を軽減することができる。
【0078】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
次に用いた測定方法を示す。
(1)近赤外線分光透過率;紫外・可視分光光度計(日本分光社製、商品名「U−best 50」)により波長800〜1000nmにおいて測定した。
(2)可視光線部の透過率(%);日本電色工業(株)カラーアンドカラーディファレンスメーター(MODEL1001DP)を用いて測定した。
(3)可視光線部の分光反射率;5゜正反射測定装置のついた紫外・可視分光光度計(日本分光社製、商品名「U−best 50」)により測定した。
ただし、塗布面を測定面とし裏面は反射を遮るためサンドペーパーで荒らし測定した。波長550nmにおける減反射フィルム及び基材フィルムの反射率を測定した。
【0079】
(4)鉛筆硬度;JIS K 5400,8.4.2に従って測定した。
(5)密着性;碁盤目剥離試験をJIS K 5400,8.5.2に従って行った。
【0080】
(6)減反射層の屈折率;塗液を乾燥後の膜厚が約500μmになるようにガラス基板上に塗布し、紫外線照射により1Jの照射で硬化して得られた膜をガラスより剥離してその試料をアッベ屈折計{アタゴ(株)製}を用いて屈折率を測定した。
(7)耐候性試験;試料を温度80℃、湿度90%の恒温恒湿槽1000時間入れた時の状態を目視で観察した。評価は、○;変化なし、×;はがれまたは変色の変化あり、に基づいて行った。
【0081】
(8)電磁波シールド性の測定;作成した試料を用いて、装置としてアドバンテスト社製スペクトロアナライザー(TR−4173型)にアンリツ社製電磁波シールド性性試験機(MA8602B)を用い、周波数300MHzにおける電磁波の減衰率を求めた。
【0082】
〔実施例1〕;
〔製造例1−1〕;組成1の調製
カヤラッド DPHA{日本化薬(株)製 アクリル系モノマー、KAYARAD DPHA 以下「DPHA」と略す}30重量部とNKエステル A−400{新中村化学(株)社製、アクリル系モノマー、以下「A−400」と略す})70重量部を混合し樹脂成分を作製した。この樹脂成分100重量部に対して近赤外線吸収色素CY−10(日本化薬(株)製、シアニン系化合物、以下「CY−10」と略す)0.9重量部とIRG−022{日本化薬(株)製 フッ化アンチモン系化合物、以下「IRG−022」と略す}1.0重量部、滑り剤AO−704{日本油脂(株)製}0.2重量部、添加剤BYK−306(ビックケミー・ジャパン社製)0.5重量部、光重合開始剤イルガキュアー184{チバガイギー社製、商品名、IRGACURE184、以下「IRC−184」と略す}2重量部、イソプロピルアルコール30重量部を添加し混合して近赤外線遮蔽剤塗液を作製した(組成1とする)。
〔製造例1−2〕;IRCut−TACの製造
前記の組成1の近赤外線遮蔽剤塗液をマイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製)で120W高圧水銀灯を用いて400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化させて近赤外線遮蔽層付きTACフィルム(以下IRCut−TACと略す)
を作製した。
〔製造例1−3〕;組成2の調製
次に30%酸化亜鉛微粒子トルエン分散液(商品名「ZS−300、住友大阪セメント社製)240重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート 28重量部、硬化開始剤として「ダロキュアー1116」{メルク社製、商品名、DAROCUR 1116、アセトフェノン系化合物、以下「D−1116」と略す)1重量部、溶媒としてトルエン400重量部を混合し塗液を調製した(組成2とする)。
〔製造例1−4〕;HR−TAC(IRcut)の製造
次いでこの塗液を、マイクログラビアコーターを用いてIRCut−TACフィルムに塗布した。紫外線照射器により1000mJ/cm2の紫外線を照射し硬化を行って高屈折率材料が形成された高屈折率材料形成(ハードコート)TAC{以下HR−TAC(IRcut)と略す}フィルムを作製した。
〔製造例1−5〕;HAR−TAC(IRcut)の製造
17(OH)DA(後述参照)、F8DTA(後述参照)、「XBA−ST シリカゾル」{日産化学(株)製、商品名、コロイダルシリカ30%:キシレン45%:n−ブタノール25%}及びD−1116を下記に示す配合割合で混合し、含フッ素単量体混合物を得た(組成3とする)。得られた組成物に溶媒としてトリフルオロメチルベンゼン400重量部を混合し、塗液を調製した。次いでマイクログラビアコーターを用いてHR−TAC上に乾燥膜厚が、およそ5μmになるように塗布した。紫外線照射器により1000mJ/cm2の紫外線を3回照射し、硬化を行って低屈折率材料、高屈折率材料が積層された近赤外線遮蔽性減反射TACフィルム{HAR−TAC(IRcut)}を作製した。
【0083】
なお、F17(OH)DAは、次の化合物の混合物である。
【0084】
【化22】
Figure 0004089004
【0085】
の混合物である。また、F8DTAは、テトラアクリル酸−4,4,5,5,−6,6,7,7−オクタフルオロデカン−1,2,9,10−テトラオールの略称である。
組成3;
F17(OH)DA ; 10重量部
F8DTA ; 50重量部
XBA−STシリカゾル;133重量部
硬化剤(D−1116); 1重量部
【0086】
〔比較例1〕;
前記の組成1と同様の配合組成で、近赤外線遮蔽剤塗液を作製した。
この塗液をマイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて厚さ100μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製)で120W高圧水銀灯を用いて400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化させて近赤外線遮蔽層付きTACフィルム(以下IRCut−TACと略す)を作製した。
【0087】
〔実施例2〕;
〔製造例2−1〕;組成4の調製
DPHA 30重量部とA−400 70重量部を混合し樹脂成分を作製した。この樹脂成分100重量部に対して近赤外線吸収色素CY−10 0.9重量部とN,N,N’,N’−テトラシス(p−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの過塩素酸塩 0.3重量部、滑り剤AO−7040.2重量部、添加剤BYK−306 0.5重量部、光重合開始剤IRC−184 2重量部、イソプロピルアルコール30重量部を添加し混合して近赤外線遮蔽剤塗液を作製した(組成4とする)。
〔製造例2−2〕;IRCut−PET
この塗液をマイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製)で120W高圧水銀灯を用いて400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化させて近赤外線遮蔽層付きPETフィルム(以下IRCut−PETと略す)を作製した。
〔製造例2−3〕;含フッ素硬化性塗液(組成5)
ジアクリル酸−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルエチレングリコール(以下F17EDAと略す)10重量部、ポリ(アクリル酸−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)1重量部、溶媒としてトリフルオロメチルベンゼン80重量部、光重合開始剤としてIRC−184 2重量部を混合し含フッ素硬化性塗液を調製した(組成5とする)。
〔製造例2−4〕;AR−PET(IRcut)の製造
次いで前記の含フッ素硬化性塗液を、マイクログラビアコーター(康井精機製)を用いて、前記で作製した近赤外線遮蔽基板(IRCut−PET)の片面に乾燥後の膜厚が100nmになるように塗布し、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製)で120W高圧水銀灯を用いて400mJ/cm2の紫外線を照射、硬化し減反射膜を調製して近赤外線遮蔽基板の片面減反射処理した材料を得た。
得られた近赤外線遮蔽基板の片面減反射処理した材料の分光反射率、両面分光反射率、分光透過率、鉛筆硬度及び密着性を前記の方法により測定した。
【0088】
〔比較例2〕;
〔比較製造例2−1〕
前記の組成4と同様の配合組成を用いて、近赤外線遮蔽剤塗液を作製した。
この塗液をマイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて厚さ80μmのPETフィルム上に乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製)で120W高圧水銀灯を用いて400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化させて近赤外線遮蔽層付きPETフィルム(以下IRCut−PETと略す)を作製した。
〔比較製造例2−2〕
前記の作製したIRCut−PETの両面に、屈折率が1.34のフッ素化合物{旭硝子(株)製、ディップコート用減反射剤組成物、商品名 サイトップ(組成6とする)}からなる透明薄膜層を乾燥膜厚が0.25λ(λ=550nm)になるように塗布して赤外線遮蔽性減反射PETを作製した。
【0089】
〔実施例3〕
〔製造例3−1〕;含フッ素硬化性塗液(組成5)の調製
前記の製造例2−3の組成5と同様な配合組成で混合して含フッ素硬化性塗液(組成5)を調製した。
〔製造例3−2〕;メッシュ型の電磁波シールド性基板の製造
一方、シリコーン処理PET離型フィルム(25μm厚)の離型面にアクリル型粘着剤(三協化学工業(株)製 AR−825)をグラビアコート法で塗布し80℃で乾燥を行い、約25μm厚の透明な粘着層を形成し粘着処理PETを作製した。このPETフィルムと別のPETフィルムの間にステンレス製メッシュ(アベル社製;φ30μm、150メッシュ)を挟みながらラミネートすることでメッシュ型の電磁波シールド性基板を得た。
〔製造例3−3〕;組成7の調製
DPHA 30重量部とA−400 70重量部を混合し樹脂成分を作製した。この樹脂成分100重量部に対して近赤外線吸収色素CY−10 0.9重量部とIRG−022 1.0重量部、滑り剤AO−704 0.2重量部、添加剤BYK−306 0.5重量部、光重合開始剤IRC−184 2重量部、イソプロピルアルコール30重量部を添加し混合して近赤外線遮蔽剤塗液を作製した(組成7とする)。
〔製造例3−4〕;AR−IR&EMI−PETの製造
前記の組成7の塗液をマイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて前記のメッシュ型の電磁波シールド性のPETフィルム上に乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製)で120W高圧水銀灯を用いて400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化させて近赤外線遮蔽層、電磁波シールド(EMI)付きPETフィルム(以下IR&EMI−PETと略す)を作製した。さらに、前記の組成5の含フッ素硬化性塗液を用いて、前記のIR&EMI−PETの片面に乾燥膜厚が、およそ5μmになるように塗布し、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製)で120W高圧水銀灯を用いて400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化させて近赤外線遮蔽層および電磁波シールド性のPETフィルム(以下AR−IR&EMI−PETと略す)を作製した。
【0090】
〔比較例3〕
〔比較製造例3−1〕;メッシュ型の電磁波シールド性基板の製造
前記の製造例3−2と同様にして、シリコーン処理PET離型フィルム(25μm厚)の離型面にアクリル型粘着剤(三協化学工業(株)製 AR−825)をグラビアコート法で塗布し80℃で乾燥を行い、約25μm厚の透明な粘着層を形成し粘着処理PETを作製した。このPETフィルムと別のPETフィルムの間にステンレス製メッシュを挟みながらラミネートすることでメッシュ型の電磁波シールド性基板を得た。
〔比較製造例3−2〕;組成7の調製
前記の製造例3−3と同様な配合組成で DPHA、A−400、近赤外線吸収色素CY−10、IRG−022、滑り剤AO−704、添加剤BYK−306、光重合開始剤IRC−184、イソプロピルアルコールを用いて添加し混合して近赤外線遮蔽剤塗液を作製した(組成7とする)。
〔比較製造例3−3〕;IR&EMI−PETの製造
前記の組成7の塗液をマイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて前記のメッシュ型の電磁波シールド性のPETフィルム上に乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製)で120W高圧水銀灯を用いて400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化させて近赤外線遮蔽層、電磁波シールド(EMI)付きPETフィルム(以下IR&EMI−PETと略す)を作製した。
【0091】
【表1】
Figure 0004089004
【0092】
【表2】
Figure 0004089004
【0093】
【表3】
Figure 0004089004
【0094】
以上の結果から表1および表2において、本発明の実施例1および2が比較例1および2に比べて近赤外線遮蔽性、減反射性(分光反射率)、鉛筆硬度、密着性および耐候性の各性能のバランスがとれていることが分かる。
また表3において、本発明の実施例3が比較例3に比べて近赤外線遮蔽性、減反射性(分光反射率)、鉛筆硬度、密着性、耐候性および電磁波シールド性の各性能のバランスがとれていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は近赤外線遮蔽性減反射材の一例を示す断面図である。
【図2】 図2は近赤外線遮蔽性減反射材の他の例を示す断面図である。
【図3】 図3は近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材の例を示す断面図である。
【図4】 図4は近赤外線遮蔽性減反射材を(PDP)ディスプレイに用いた場合の断面図である。
【図5】 図5は近赤外線遮蔽性減反射材をCRTディスプレイに用いた場合の断面図である。
【図6】 図6は近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材を(PDP)ディスプレイに用いた場合の一例を示す断面図である。
【図7】 図7は近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材をCRTディスプレイに用いた場合の例を示す断面図である。

Claims (7)

  1. 近赤外線遮蔽機能を有する基板の片面または両面に減反射層を形成してなる(イ)近赤外線遮蔽機能と(ロ)減反射機能を有する複合材料である近赤外線遮蔽性減反射材であって、
    減反射機能が、A成分として含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル10〜100重量%とB成分として含フッ素重合体90〜0重量%とを含む硬化性塗液を硬化してなる減反射層によるものであり、
    減反射層のA成分が下記一般式[1]
    Figure 0004089004
    [式中X1及びX2は、同一若しくは異なる基であって、水素原子又はメチル基を示し、Y1は、(i)水酸基を0〜4個有する2価ないし8価のフッ素原子を2個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキレン基、(ii)フッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキレン基、(iii)−C(Y2)HCH2−基(但しY2は、フッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)、若しくは、(iv)下記の一般式[2]
    Figure 0004089004
    (ここでY3はフッ素原子3個以上を有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、Zは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)で示される基であり、m、nは1または2の数である。]で表わされる2官能ないし4官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルであり、前記のB成分が、下記一般式[3]
    Figure 0004089004
    (式中X3は、水素原子又はメチル基を示し、Y4はフッ素原子を3個以上有する炭素数2〜14のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)で表わされる単官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルに基づく構成単位として50重量%以上含有する重合体である近赤外線遮蔽性減反射材。
  2. 減反射層の屈折率が基板の屈折率より小さく、かつ減反射層の屈折率が1.5以下であり、その層の厚さが70〜150nmである請求項1に記載の近赤外線遮蔽性減反射材。
  3. 近赤外線遮蔽機能を有する層が、波長800〜1000nmの近赤外線領域の透過率が20%以下であり、かつ可視光線透過率が50%以上である材料からなる請求項1又は2に記載の近赤外線遮蔽性減反射材。
  4. 近赤外線遮蔽機能を有する材料が波長800〜900nmに極大遮蔽があり当該波長の透過率が20%以下の近赤外線遮蔽基材と、波長900〜1000nmに極大遮蔽があり当該波長の透過率が20%以下の近赤外線遮蔽基材とを組合せてなる材料である請求項1ないしのいずれか1項に記載の近赤外線遮蔽性減反射材。
  5. 近赤外線遮蔽機能を有する材料がフイルムであり、そのフィルムの片面または両面に減反射材を付与した請求項3ないし4のいずれか1項記載の近赤外線遮蔽性減反射材。
  6. (イ)近赤外線遮蔽機能と(ロ)減反射機能と(ハ)電磁波シールド機能を有する複合材料であって、
    減反射機能が、A成分として含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル10〜100重量%とB成分として含フッ素重合体90〜0重量%とを含む硬化性塗液を硬化してなる減反射層によるものであり、
    A成分の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルが、下記一般式[1]
    Figure 0004089004
    [式中X1及びX2は、同一若しくは異なる基であって、水素原子又はメチル基を示し、Y1は、(i)水酸基を0〜4個有する2価ないし8価のフッ素原子を2個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキレン基、(ii)フッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキレン基、(iii)−C(Y2)HCH2−基(但しY2は、フッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数3〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)、若しくは、(iv)下記の一般式[2]
    Figure 0004089004
    (ここでY3はフッ素原子3個以上を有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、Zは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)で示される基であり、m、nは1または2の数である。]で表わされる2官能ないし4官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルであり、前記のB成分が、下記一般式[3]
    Figure 0004089004
    (式中X3は、水素原子又はメチル基を示し、Y4はフッ素原子を3個以上有する炭素数2〜14のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜14のフルオロシクロアルキル基を示す。)で表わされる単官能の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを構成単位として50重量%以上含有する重合体とを含む含フッ素硬化性塗液を硬化して、近赤外線遮蔽機能と電磁波シールド機能を有する基板に、基板の片面または両面に反射防止層を形成してなる近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材。
  7. 近赤外線遮蔽機能を有する層が、波長800〜1000nmの近赤外線領域の透過率が20%以下で、可視光線透過率が50%以上である材料からなり、かつ、電磁波シールド性機能が、導電性メッシュ層、ITO(インジュウムスズオキサイド)蒸着層およびAg蒸着層の群から選ばれる1種によるものである請求項項に記載の近赤外線遮蔽性、電磁波シールド性減反射材。
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