JP4314803B2 - 減反射フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は干渉による外観の悪化を抑制した減反射フィルム、並びに電子画像表示装置等に貼合する際に使用する接着層と基材フィルムとの間に生じる界面反射を低減させた減反射フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、透明基材の最外層に、基材よりも低屈折率の物質からなる低屈折率層(減反射層)を可視光波長の1/4の膜厚(約100nm)で形成すると、干渉効果により表面反射が低減し、透過率が向上することが知られている。この原理を用いたフィルムは、電気製品、光学製品、建材等の透明基材部分における表面反射の低減が必要とされる分野において、減反射材として応用されている。
【0003】
減反射層の形成方法としては、フッ化マグネシウム等を蒸着又はスパッタリングするいわゆるドライコーティング法(例えば特許文献1参照)、及び低屈折率材料を溶液や分散液などの液状で基材に塗布し、乾燥させ、必要に応じて硬化させるウェットコーティング法(例えば特許文献2参照)などが知られている。
【0004】
減反射材料の中で、基材樹脂として透明樹脂フィルムを用いた、いわゆる減反射フィルムではフィルム自体の硬度が低いためにキズが付きやすいといった問題が生じる。そのため、減反射フィルムでは一般的にアクリレートや珪素化合物からなる厚さ5〜20μm程度のハードコート層を形成した上に減反射層を形成して表面硬度を向上させている。
【0005】
これらハードコート層は一般的に屈折率が1.5程度であり、ハードコート層に対して屈折率が大きく異なるようなポリエチレンテレフタレート(屈折率約1.65)などのフィルムに塗工した場合には、該フィルムとハードコート層との干渉により水上の油膜のような模様が生じ、外観を損なうといった問題があった。特に、ハードコート層の膜厚が10μm以下のときに重大な問題となる。
【0006】
その問題に対して、透明樹脂フィルムの表面に凹凸を付け、干渉を消す方法(例えば特許文献3参照)、ハードコートの屈折率を透明樹脂フィルムに合わせる方法(例えば特許文献4参照)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−261646号公報
【特許文献2】
特開平2−19801号公報
【特許文献3】
特開平08−197670号公報
【特許文献4】
特開平07−151902号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の場合には光の散乱を利用するためヘイズが発生して外観が悪化し、後者の場合には反射率が大きくなって光学性能に悪影響が生じるという問題があった。
【0009】
また、こうした減反射フィルムは、通常、接着層を介して電子画像表示装置等に接着した形態で使用されることが多い。これら接着層はアクリル樹脂系の接着層が利用されることが一般的であり、この場合、接着層の屈折率が1.45〜1.50程度である。そのため、基材にPETフィルムを用いた場合、上記と同じ理由で、PET層と接着層との間で干渉が生じる。但し、接着層は通常20〜50μm程度の厚みで塗工されるので、上記ハードコート層を塗工したときのような油膜模様は観測されないが、PET層と接着層間の界面反射の影響により、電子画像表示装置等に接着するときの反射率が上昇してしまうという問題があった。
【0010】
そこで本発明は、光の干渉による外観の悪化を抑制できるとともに、反射率を低下させることができる減反射フィルム及びそれを用いた電子画像表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題点に鑑み鋭意検討した結果、透明樹脂フィルム上に、屈折率の限定された第一の干渉層、ハードコート層を順次積層し、その上に減反射層を形成することにより、干渉ムラによる外観悪化が抑えられ、かつ反射率が低減できることを見出した。さらに、減反射層が形成されていない方の面に、屈折率の限定された第二の干渉層、接着層を順次積層することで、透明樹脂フィルムと接着層間に生じる界面反射を低減できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、第1の発明の減反射フィルムは、最外層から順に少なくとも低屈折率層と高屈折率層からなる減反射層、ハードコート層及び第一の干渉層からなる多層構造を透明樹脂フィルムの片面又は両面に設けるとともに、500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.0%以下であり、透明樹脂フィルムの屈折率が1.55〜1.70であり、第一の干渉層の屈折率が1.50〜1.65かつ光学膜厚が125〜160nmであり、ハードコート層の屈折率が1.45〜1.55かつ膜厚が2〜25μmであり、さらに各層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率>第一の干渉層の屈折率>ハードコート層の屈折率の関係にあり、さらに、第一の干渉層の屈折率が{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(ハードコート層の屈折率)} 1/2 ±0.03の範囲内であることを特徴とするものである。
【0018】
第2の発明の減反射フィルムは、第1の発明において、透明樹脂フィルムの減反射層が形成されていない片面に、さらに該透明樹脂フィルム側から順に、第二の干渉層及び接着層が形成され、第二の干渉層の屈折率が{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(接着層の屈折率)} 1/2 ±0.03の範囲内であり、かつ各層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率>第二の干渉層の屈折率>接着層の屈折率の関係にあるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の減反射フィルムは、最外層から順に少なくとも低屈折率層と高屈折率層からなる減反射層、ハードコート層及び第一の干渉層からなる多層構造を透明樹脂フィルムの片面又は両面に設けたものである。さらに減反射フィルムは、500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.0%以下である。
【0022】
上記の透明樹脂フィルムを形成する透明樹脂基材は、屈折率が1.55〜1.70の範囲内である。この透明樹脂基材としては、具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン及びポリエーテルイミド等を好ましく挙げることができる。
【0023】
これらのうち、特に表面が平滑なPETが成形の容易性、入手の容易さ及びコストの点で好ましい。ここで、表面が平滑であるとは、JIS B0601で規定されている平均表面粗さ(Ra)が好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下であることを意味する。Raが0.2μmを超えると、フィルム表面が粗面となってヘイズ値が高くなるなど光学性能に悪影響を与えるため好ましくない。
【0024】
また、透明樹脂フィルムの厚みは、好ましくは25〜400μm、さらに好ましくは50〜200μmである。この厚みが25μm未満の場合、減反射フィルムの製造時及び使用時における取扱い性が低下して好ましくない。一方、400μmを超える場合、透明性並びに減反射フィルムの製造時及び使用時における取扱い性が低下して好ましくない。ここでいう透明とは光線透過率で30%以上を示し、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上である。また、この厚みは透明樹脂フィルム全体にわたってほぼ均一であることが、全体に光の干渉を抑制し、反射率を低下させる観点から望ましい。
【0025】
前記透明樹脂フィルム上に、第一の干渉層及びハードコート層を積層することにより、干渉ムラを低減させることが必要である。そのために透明樹脂フィルムに、屈折率1.50〜1.65かつ光学膜厚が125〜160nmである第一の干渉層、屈折率1.45〜1.55かつ膜厚が2〜25μmであるハードコート層を順次積層する。ここで光学膜厚とは層の屈折率(n)と層の厚み(d)の積(n×d)である。
【0026】
第一の干渉層の屈折率及び光学膜厚が上記範囲外である場合には、光の干渉ムラの低減効果が低くなるため好ましくない。また、ハードコート層の屈折率が1.45未満の場合には十分な硬度を得ることが難しくなるため好ましくない。一方、屈折率が1.55を超える場合には透明樹脂フィルムとの屈折率差が小さくなって減反射効果が弱くなり、好ましくない。ハードコート層の膜厚についても2〜25μmの範囲外の場合には同様の理由で好ましくない。
【0027】
この場合、500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.0%以下、すなわち、フィルム表面の反射スペクトルを測定した際の可視光線の範囲にある500〜650nmにおけるハードコート層と透明樹脂フィルム間の干渉光に起因する反射率の振幅の最大値が、1.0%以下の差にならなければならない。振幅の差の最大値は、さらに好ましくは0.5%以下である。反射率の振幅の最大値が1.0%を超えると干渉ムラが目立ってしまい本発明の目的に適さない。
【0028】
第一の干渉層の屈折率は、{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(ハードコート層の屈折率)}1/2±0.03の範囲内、好ましくは{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(ハードコート層の屈折率)}1/2±0.02の範囲内である。第一の干渉層の屈折率は、{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(ハードコート層の屈折率)}1/2であるときに最も干渉ムラを低減でき、さらにその±0.03の範囲内であれば、干渉ムラを効果的に低減させることができる。かつ、各層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率>第一の干渉層の屈折率>ハードコート層の屈折率の関係にあると、干渉ムラをさらに低減させることができる。
【0029】
第一の干渉層は屈折率、厚みが前記範囲内であれば良く、その材料、層の形成方法は特に限定されない。層を形成する材料は例えば有機物、無機物の単独又は混合物を用いることができ、有機物としては例えばアクリレートなどの反応性単量体やその重合体が、無機物としては例えば珪素化合物や金属、金属酸化物などが挙げられる。
【0030】
また層の形成方法は従来公知の方法を用いることができ、例えば蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などのドライコート法や、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法などのウェットコート法が挙げられる。特に厚みを正確に制御できる方法が好ましい。
【0031】
第一の干渉膜には本発明の効果を損なわない限り、他の機能を付与しても構わない。例えば透明樹脂フィルムとハードコート層の密着性の向上や、透過光の制御などが挙げられる。
【0032】
また、樹脂材料から透明樹脂フィルムを作製するとき、即ち延伸やキャストするとき、同時に表面に第一の干渉層を膜として形成させることが可能である。例えば、透明樹脂フィルムがPETフィルムの場合、その上に積層する層との密着性を向上させるために、PETフィルムの製造時にインラインでPETフィルム表面にポリエステル系樹脂等からなる接着剤を塗布して易接着層を形成する。この易接着層の屈折率及び膜厚を第一の干渉層の条件に合わせることにより易接着層が第一の干渉層を兼ねることができる。さらに、第一の干渉層の上に形成するハードコート層は屈折率、膜厚が前記範囲内であることが好ましく、その材料、層の形成方法は特に限定されない。
【0033】
具体的には、例えば、単官能(メタ)アクリレート(ここで(メタ)アクリレートとは、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルの両方を含んでいる。以下化合物が変わっても同様である。)、多官能(メタ)アクリレート、そしてテトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物等の硬化物が挙げられる。これらのうち、生産性及び硬度の両立の観点より、紫外線硬化性の多官能アクリレートを含む組成物の重合硬化物であることが特に好ましい。
【0034】
紫外線硬化性の多官能アクリレートを含む組成物としては特に限定されるものでない。例えば、公知の紫外線硬化性の多官能アクリレートを一種類以上混合したもの、紫外線硬化性ハードコート材として市販されているもの、あるいはこれら以外に本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分をさらに添加したものを用いることができる。
【0035】
紫外線硬化性の多官能アクリレートとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン等の多官能アルコールのアクリル誘導体や、ポリエチレングリコールジアクリレート、そしてポリウレタンアクリレートなどが挙げられる。
【0036】
紫外線硬化性の多官能アクリレートを含む組成物に含まれるその他の成分とは特に限定されるものではない。例えば、無機又は有機の微粒子状充填剤、無機又は有機の微粒子状顔料及びそれ以外の無機又は有機微粒子;重合体、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤及びレベリング剤などの添加剤などが挙げられる。またウェットコーティング法において成膜後乾燥させる限りは、任意の量の溶媒を添加することができる。
【0037】
また、ハードコート層の形成方法は特に限定されず、有機材料を用いた場合には、ロールコート法やダイコート法等、一般的なウェットコート法により形成することができる。形成した層は必要に応じて加熱や紫外線、電子線などの活性エネルギー線照射により硬化反応を行うことができる。ハードコート層の厚みは2〜25μmである。厚みが2μm未満になると鉛筆硬度の低下など、十分な硬度を得ることが難しく、25μmを超えると耐屈曲性の低下などの問題が生じる。さらに、2層以上積層する場合には厚みの合計が前記範囲内であればよく、1層の厚みは特に限定されない。
【0038】
次に、減反射層はハードコート層上に少なくとも低屈折率層及び高屈折率層からなる多層構造として形成することができる。係る減反射層を形成することにより、反射率を下げることができる。減反射層は低屈折率層のみの場合に比べて高屈折率層を組合せることによってはじめて反射率を効果的に下げることができる。具体的には、例えば透明樹脂フィルムの側から順に高屈折率層及び低屈折率層からなる2層構造や、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層からなる3層構造や、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層からなる4層構造等が挙げられる。減反射効果の観点からは3層以上の構造が好ましく、生産性及び生産コストの観点からは2層構造のものが好ましい。
【0039】
減反射層の形成方法は特に限定されず、例えばドライコーティング法、ウェットコーティング法等の方法を採ることができる。生産性、コストの面より、特にウェットコート法が好ましい。ウェットコーティング法は公知のもので良く、例えばロールコート法、スピンコート法、そしてディップコート法などが代表的なものとして挙げられる。これらの中ではロールコート法等、連続的に形成できる方法が生産性の点より好ましい。
【0040】
減反射層の機能を発揮させるために、低屈折率層の屈折率としては、形成される層がその直下の層より低屈折率であることを要件とし、その屈折率は1.40〜1.55の範囲にあることが好ましい。1.55を超える場合はウェットコーティング法では十分な減反射効果を得ることが難しく、また1.40未満の場合は十分に硬い層を形成することが困難となる傾向にある。
【0041】
さらに、2層構造を有する場合には、高屈折率層は直上に形成される低屈折率層より屈折率を高くすることが必要であるので、その屈折率は1.60〜1.90の範囲内であることが好ましい。1.60未満では十分な減反射効果を得ることが難しく、またウェットコーティングで1.90を超える層を形成するのは困難となる傾向にある。また中屈折率層を設けた多層構造とする場合には、積層する高屈折率層より屈折率が低く、低屈折率層より屈折率が高くなるという要件を満たす限り、その屈折率は特に限定されない。
【0042】
減反射層の厚みは透明樹脂フィルムの種類、形状、減反射層の構造によって異なるが、一層あたり可視光波長と同じ厚み又はそれ以下の厚みが好ましい。例えば、可視光線に減反射効果を現す場合は、高屈折率層の光学膜厚nH・dは500≦4nH・d(nm)≦750、及び低屈折率層の光学膜厚nL・dは、400≦4nL・d(nm)≦650を満たすように設計される。ただしnH、nLはそれぞれ高屈折率層、低屈折率層の屈折率、dは層の厚みである。
【0043】
高屈折率層を構成する材料は特に限定されるものではなく、無機材料及び有機材料を用いることができる。無機材料として、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム錫(以後、ITOと略す。)等の微粒子が挙げられる。酸化インジウム錫等の導電性微粒子を用いた場合には表面抵抗を下げることができるため、帯電防止能もさらに付与することができる。
【0044】
特に導電性の面より酸化錫、酸化インジウム錫、屈折率の点より酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛が好ましく挙げられる。また有機材料としては、例えば屈折率が1.60〜1.80であるような重合性単量体を含む組成物を重合硬化したものなどを用いることができる。
【0045】
無機材料の微粒子を含む高屈折率層は、ウェットコーティング法により形成してもよい。その場合には、前記屈折率が1.60〜1.80であるような重合性単量体のみならず、それ以外の重合性単量体及びこれらの重合体を含む組成物をウェットコーティング時のバインダーとして用いることができる。無機材料の微粒子の平均粒径は層の厚みを大きく超えないことが好ましく、特に0.1μm以下であることが好ましい。平均粒径が大きくなると、散乱が生じるなど、高屈折率層の光学性能が低下するため好ましくない。
【0046】
また、必要に応じて微粒子表面を各種カップリング剤等により修飾することができる。各種カップリング剤としては例えば、有機置換された珪素化合物、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン等の金属アルコキシド、有機酸塩等が挙げられる。
【0047】
低屈折率層を構成する材料としては、酸化珪素、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、フッ化セリウム等の無機物や、含フッ素有機化合物の単独若しくは混合物、又は含フッ素有機化合物の重合体を含む組成物を用いることができる。また、フッ素を含まない単量体(非フッ素系単量体と略記する)や重合体をバインダーとして用いることができる。
【0048】
含フッ素有機化合物は特に限定されるものではないが、例えば、含フッ素単官能(メタ)アクリレート、含フッ素多官能(メタ)アクリレート、含フッ素イタコン酸エステル、含フッ素マレイン酸エステル、含フッ素珪素化合物等の単量体及びそれらの重合体等が挙げられる。これらの中では、反応性の観点より含フッ素(メタ)アクリレートが好ましく、特に含フッ素多官能(メタ)アクリレートが、硬度、屈折率の点より最も好ましい。これら含フッ素有機化合物を硬化させることにより、低屈折率かつ高硬度の層を形成することができる。
【0049】
含フッ素単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1−(メタ)アクリロイロキシ−1−パーフルオロアルキルメタン、1−(メタ)アクリロイロキシ−2−パーフルオロアルキルエタン等が挙げられる。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜8の直鎖状、分枝状又は環状のものが挙げられる。
【0050】
含フッ素多官能(メタ)アクリレートとしては、含フッ素2官能(メタ)アクリレート、含フッ素3官能(メタ)アクリレート及び含フッ素4官能(メタ)アクリレートが好ましい。含フッ素2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,2−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロアルキルブタン、2−ヒドロキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2',2'−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、α,ω−ジ(メタ)アクリロイルオキシメチルパーフルオロアルカン等が好ましい。
【0051】
パーフルオロアルキル基は炭素数1〜11の直鎖状、分枝状、環状のものが、パーフルオロアルカン基は直鎖状のものが好ましい。これらの含フッ素2官能(メタ)アクリレートは、使用に際して単独又は混合物として用いることができる。
【0052】
含フッ素3官能(メタ)アクリレートの例としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2',2'−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート等が挙げられる。これらのうち、パーフルオロアルキル基は炭素数1〜11の直鎖状、分枝状又は環状のものが好ましい。
【0053】
また、含フッ素4官能(メタ)アクリレートの例としては、α,β,ψ,ω−テトラキス{(メタ)アクリロイルオキシ}−αH,αH,βH,γH,γH,χH,χH,ψH,ωH,ωH−パーフルオロアルカン等が好ましい。パーフルオロアルカン基は炭素数1〜14の直鎖状のものが好ましい。
【0054】
使用に際しては、含フッ素4官能(メタ)アクリレートは、単独又は混合物として用いることができる。含フッ素珪素化合物の具体的な例としては、(1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキル)トリメトキシシラン等が好ましい。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のものが好ましい。
【0055】
前記含フッ素有機化合物の重合体又はその他の含フッ素系単量体の重合体としては、前記含フッ素単量体の単独重合体、共重合体、又は非フッ素系単量体との共重合体等の直鎖状重合体、鎖中に炭素環や複素環を含む重合体、環状重合体、櫛型重合体などが挙げられる。前記非フッ素系単量体としては、従来公知のものを用いることができる。例えば単官能もしくは多官能(メタ)アクリレートやテトラエトキシシラン等の珪素化合物等が挙げられる。
【0056】
低屈折率層を構成する材料の有機又は無機微粒子としては、従来公知のものを用いることができる。例えば酸化珪素微粒子、有機樹脂微粒子などが挙げられる。微粒子の平均粒径は層の厚みを大きく超えないことが好ましく、特に0.1μm以下であることが好ましい。平均粒径が大きくなると、散乱が生じるなど、低屈折率層の光学性能が低下するため好ましくない。
【0057】
また、必要に応じて微粒子表面を各種カップリング剤等により修飾することができる。各種カップリング剤としては例えば、有機置換された珪素化合物、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン等の金属アルコキシド、有機酸塩等が挙げられる。特に表面を(メタ)アクリル等の反応性基で修飾することにより、硬度の高い膜を形成することができる。
【0058】
減反射層には前記の化合物以外に本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を含んでいても構わない。その他の成分とは特に限定されるものではなく、例えば無機又は有機顔料、重合体、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤、レベリング剤などの添加剤などが挙げられる。またウェットコーティング法において成膜後乾燥させる限りは、任意の量の溶媒を添加することができる。
【0059】
減反射層はウェットコーティング法により成膜した後、必要に応じて紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射や加熱により硬化反応を行って層を形成することができる。このうち、活性エネルギー線による硬化反応は窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下にて行うことが好ましい。
【0060】
本発明において、減反射フィルムの減反射層を形成していない面に接着層を設ける場合には、透明樹脂フィルム側から、第二の干渉層、接着層の順に形成させる。この構成にすることによって、透明樹脂フィルムと接着層との界面反射を低減できるので、減反射フィルムを電子画像表示装置等に接着した際の反射率の上昇を回避できる。
【0061】
第二の干渉層の屈折率は、好ましくは{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(接着層の屈折率)}1/2±0.03の範囲内、さらに好ましくは{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(接着層の屈折率)}1/2±0.02の範囲内である。第二の干渉層の屈折率をこのような範囲に設定することにより、第一の干渉層と同様に干渉ムラを効果的に低減させることができる。かつ、各層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率>第二の干渉層の屈折率>接着層の屈折率の関係にあると、透明樹脂フィルムと接着層間の界面反射を効果的に低減させることができる。このような条件に加えて、第二の干渉層の屈折率は、第1の干渉層の屈折率と同じく1.50〜1.65の範囲であることが好ましい。
【0062】
また、接着層の厚みは、光学膜厚nI・dが、500≦4nI・d(nm)≦700、さらに好ましくは550≦4nI・d(nm)≦650の関係を満たす値である。但し、nIは第二の干渉層の屈折率、dは層の厚みである。
【0063】
第二の干渉層は屈折率、厚みが前記範囲内であれば良く、その材料、層の形成方法は特に限定されない。層を形成する材料は例えば有機物、無機物の単独又は混合物を用いることができ、有機物としては例えばアクリレートなどの反応性単量体やその重合体が、無機物としては例えば珪素化合物や金属、金属酸化物などが挙げられる。
【0064】
また、層の形成方法は従来公知の方法を用いることができ、例えば蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などのドライコート法や、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法などのウェットコート法が挙げられる。特に厚みを正確に制御できる方法が好ましい。
【0065】
樹脂材料から透明樹脂フィルムを作製するとき、即ち、延伸やキャストするとき、同時に表面に第二の干渉層を膜として形成させることが可能である。具体的な作製方法は、第一の干渉層と同様である。
【0066】
接着層に用いられる材料としては特に限定されるものではないが、例えばアクリル系粘着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤等を挙げることができる。この接着層には特定波長域の光の遮断、コントラスト向上、色調補正等の機能を一種類以上付与することができる。例えば、減反射材の透過光色が黄色味を帯びている等、好ましくない場合は色素等を添加して色調補正することができる。
【0067】
本実施形態の減反射フィルムは、光の干渉抑制効果及び減反射効果を必要とする用途に用いることができる。特に、電子画像表示装置における画面の表面反射を抑えることができる。電子画像表示装置としては、例えば、ブラウン管(以後、CRTと略記する。)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置等を挙げることができる。そして、減反射フィルムをその画面表面に直接、又は画面の前面に配置される板(透明板)に接着層を介して密着させて用いることができる。
【0068】
さて、本実施形態の減反射フィルムを画像表示装置の画面表面に接着層を介して接着することにより目的とする電子画像表示装置が得られる。そして、得られた電子画像表示装置が動作されると、光は接着層、第二の干渉層、透明樹脂フィルム、第一の干渉層、ハードコート層、減反射層の高屈折率層、さらに低屈折率層へと進行する。
【0069】
このとき、透明樹脂フィルムとハードコート層との間には第一の干渉層が設けられていることから、透明樹脂フィルム/ハードコート層界面の反射とハードコート層/高屈折率層界面の反射の干渉(重なり)が低減される。つまり、第一の干渉層を設けることによって、透明樹脂フィルム/第一の干渉層界面の反射と、第一の干渉層/ハードコート層界面の反射と、ハードコート層/高屈折率層界面の反射との3つの反射光となり、前二者の反射光が後者の反射光に重ならないように設定される。その結果、光の干渉ムラが低減される。この関係は第二の干渉層についても同様である。
【0070】
加えて、ハードコート層の上に設けられた減反射層を高屈折率層と低屈折率層の2つの屈折率の異なる層を組合せたことによって、反射光の位相をずらすことができる。そのため、界面における反射を低減させることができる。
【0071】
以上詳述した実施形態によれば次のような効果を発揮することができる。
・ 本実施形態の減反射フィルムは、透明樹脂フィルムの片面又は両面に最外層から順に低屈折率層と高屈折率層からなる減反射層、ハードコート層及び第一の干渉層からなる多層構造の層が設けられている。かつ500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.0%以下である。このように、第一の干渉層を設け、反射率の振幅の差の最大値を1.0%以下に設定したことにより、光の干渉による減反射フィルムの外観の悪化を抑制することができる。しかも、減反射層として低屈折率層と高屈折率層を組合せて構成したことから、減反射フィルムの反射率を低下させることができる。
【0072】
・ また、各層の屈折率を適正な範囲に規定することにより、減反射フィルムを通る光の干渉を効果的に低減させることができる。
・ 透明樹脂フィルムとして25〜400μmの膜厚を有するPETフィルムを使用することにより、減反射フィルムの製造時及び使用時における透明樹脂フィルムの取扱い性を良好にすることができる。
【0073】
・ 第一の干渉層又は第二の干渉層を透明樹脂フィルムの製膜時に同時に形成することによって、第一又は第二の干渉層を透明樹脂フィルムの製膜後に形成する必要がなく、製膜と同時に形成することができ、透明樹脂フィルムの製造効率が良い。
【0074】
・ ハードコート層を、多官能アクリレート又は反応性珪素化合物を含む組成物を塗布後、重合硬化して調製することにより、ハードコート層をより強固なものとすることができる。
【0075】
・ 減反射層の低屈折率層を、含フッ素多官能(メタ)アクリレートを含む組成物を塗布後、重合硬化して調製することによって、減反射フィルムの表面に撥水、撥油性を付与することができる。
【0076】
・ 透明樹脂フィルムの減反射層が形成されていない片面に、第二の干渉層を介して接着層を形成することにより、対象物に接着したとき、光の干渉による外観の悪化を抑制できる上に、反射率を低下させることができる。
【0077】
・ 上記の減反射フィルムを接着層を介して接着した電子画像表示装置によれば、光の干渉による干渉ムラが少なく外観に優れるとともに、接着層と透明樹脂フィルムとの間に生じる界面反射を低下させることができ、鮮明な画像を得ることができる。
【0078】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、製造例で調製した減反射層用塗液の硬化物の屈折率は以下のように測定した。
(1)屈折率1.49のアクリル板(商品名:「デラグラスA」、旭化成工業株式会社製)上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)により、減反射層用塗液をそれぞれ乾燥膜厚で光学膜厚が550nm程度になるように層の厚さを調整して塗布した。
(2)溶媒乾燥後、必要に応じて紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射し硬化した。
(3)アクリル板裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(「U−best 50」、日本分光株式会社製)により、400〜650nmにおける5°、−5°正反射率を測定し、その反射率極小値又は極大値を読み取った。
(4)反射率の極値より以下の式を用いて屈折率を計算した。
【0079】
【数1】
(製造例1−1、干渉層用塗液(IF−1)の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30重量部、テトラメチロールメタントリアクリレート20重量部、平均粒径0.05μmの酸化錫微粒子50重量部、光重合開始剤(製品名:「IRGACURE907」、チバスペシャルティケミカル製)2重量部を2−ブタノール1000重量部に溶解乃至分散して干渉層用塗液(IF−1)を調製した。硬化物の屈折率は1.58であった。
(製造例1−2、干渉層用塗液(IF−2)の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、テトラメチロールメタントリアクリレート20重量部、ポリp−ヒドロキシスチレン(製品名:「マルカリンカーM」、丸善石油化学(株)製)70重量部、光重合開始剤(製品名:「IRGACURE907」、チバスペシャルティケミカル製)2重量部をメチルエチルケトン1000重量部に溶解して干渉層用塗液(IF−2)を調製した。硬化物の屈折率は1.56であった。
(製造例1−3、干渉層用塗液(IF−3)の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20重量部、テトラメチロールメタントリアクリレート40重量部、ポリp−ヒドロキシスチレン(製品名:「マルカリンカーM」、丸善石油化学(株)製)40重量部、光重合開始剤(製品名:「IRGACURE907」、チバスペシャルティケミカル製)2重量部をメチルエチルケトン1000重量部に溶解して干渉層用塗液(IF−3)を調整した。硬化物の屈折率は1.54であった。
(製造例1−4、ハードコート層用塗液(HC−1)の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70重量部、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン30重量部、光重合開始剤(商品名:「IRGACURE184」、チバガイギー株式会社製)4重量部、イソプロパノール100重量部を混合してハードコート層用塗液(HC−1)を調製した。硬化物の屈折率は1.52であった。
(製造例1−5、ハードコート層用塗液(HC−2)の調製)
紫外線硬化塗料(製品名:「デソライトZ7503」、JSR(株)製)をそのまま用いてハードコート層用塗液(HC−2)とした。硬化物の屈折率は1.49であった。
(製造例1−6、低屈折率層用塗液(L−1)の調製)
1,10−ジアクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン70重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、シリカゲル微粒子分散液(商品名:「XBA−ST」、日産化学株式会社製)60重量部、光重合開始剤(商品名:「KAYACURE BMS」、日本化薬株式会社製)5重量部を混合して低屈折率層用塗液(L−1)を調製した。L−1の重合硬化物の屈折率は1.42であった。
(製造例1−7、高屈折率層用塗液(H−1)の調製)
平均粒径0.07μmのITO微粒子85重量部、テトラメチロールメタントリアクリレート15重量部、光重合開始剤(商品名:「KAYACURE BMS」、日本化薬株式会社製)5重量部、ブチルアルコール900重量部を混合し高屈折率層用塗液(H−1)を調製した。H−1の重合硬化物の屈折率は1.64であった。
(実施例1)
厚みが188μmのPETフィルム(商品名:「A4100」、東洋紡績株式会社製)上に第一の干渉層として、干渉層用塗液IF−1をスピンコーターにより、光学膜厚が110〜125nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJの紫外線により硬化した。
【0080】
その上にハードコート層用塗液HC−1をバーコーターを用いて乾燥膜厚5μm程度になるように塗布し、400mJの紫外線により硬化した。
次に、スピンコーターを用いてその上に高屈折率層用塗液H−1、低屈折率層塗液L−1を第一の干渉層と同様にして順次塗布、乾燥、硬化し、減反射フィルムを作製した。得られた減反射フィルムの概略図を図1(a)に示した。
【0081】
この図1(a)に示すように、透明樹脂フィルム11の表面には第一の干渉層12を介してハードコート層13が設けられ、ハードコート層13の表面には減反射層として高屈折率層14及び低屈折率層15が設けられている。
【0082】
また減反射フィルムの分光反射率、最小反射率、全光線透過率、ヘイズ、干渉の強度、及び外観を以下のように評価した結果をそれぞれ図2及び表1に示した。
【0083】
1.分光反射率: 減反射フィルムの裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計(「U−best 50」、日本分光株式会社製)により、400〜800nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。
【0084】
最小反射率: 分光反射率測定で得られた反射スペクトルより、最小反射率を読み取った。スペクトルにハードコートの干渉が見られる場合は上端と下端の中心値を読み取った。
【0085】
2.全光線透過率及びヘイズ: ヘイズメーター(「NDH2000」、日本電色工業株式会社製)を用いて全光線透過率及びヘイズを測定した。
干渉の強度: 分光反射率測定で得られた反射スペクトルより、500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値を測定した。
【0086】
3.外観: 三波長蛍光灯管の下でフィルムの外観を観察し、干渉ムラがはっきりと見える場合を×、殆ど観察されない場合と〇として評価した。
(実施例2)
第一の干渉層をIF−1に替えてIF−2を用いた以外は実施例1と同様にして減反射フィルムを作製した。最小反射率、全光線透過率、ヘイズ、干渉の強度及び外観を実施例1と同様にして測定、評価した。結果をそれぞれ表1に示した。
(実施例3)
ハードコート層をHC−1に替えてHC−2を用いた以外は実施例1と同様にして減反射フィルムを作製した。最小反射率、全光線透過率、ヘイズ、干渉の強度及び外観を実施例1と同様にして測定、評価した。結果をそれぞれ表1に示した。
(実施例4)
ハードコート層をHC−1に替えてHC−2を用いた以外は実施例2と同様にして減反射フィルムを作製した。最小反射率、全光線透過率、ヘイズ、干渉の強度及び外観を実施例1と同様にして測定、評価した。結果をそれぞれ表1に示した。
(実施例5)
透明樹脂フィルムとして厚さ130μmのポリカーボネートフィルム(製品名:「レキサン8010」、SPパシフィック製)を用いて、IF−3、HC−2、H−1、L−1を実施例1と同様にして順次塗工、硬化して減反射フィルムを作製した。最小反射率、全光線透過率、ヘイズ、干渉の強度及び外観を実施例1と同様にして測定、評価した。結果をそれぞれ表1に示した。
(比較例1)
干渉層を形成しない以外は実施例1と同様にして減反射フィルムを作製し、分光反射率、最小反射率、全光線透過率、ヘイズ、干渉の強度及び外観を実施例1と同様にして測定、評価した。結果をそれぞれ図3及び表1に示した。
(比較例2)
干渉層を形成しない以外は実施例3と同様にして減反射フィルムを作製し、分光反射率、最小反射率、全光線透過率、ヘイズ、干渉の強度及び外観を実施例1と同様にして測定、評価した。結果をそれぞれ表1に示した。
(比較例3)
干渉層を形成しない以外は実施例5と同様にして減反射フィルムを作製し、分光反射率、最小反射率、全光線透過率、ヘイズ、干渉の強度及び外観を実施例1と同様にして測定、評価した。結果をそれぞれ表1に示した。
(比較例4)
減反射層を形成しない以外は実施例1と同様にして減反射フィルムを作製し、分光反射率、最小反射率、全光線透過率、ヘイズ、干渉の強度及び外観を実施例1と同様にして測定、評価した。結果をそれぞれ表1に示した。
(比較例5)
減反射層のうち、高屈折率層を形成しない以外は実施例1と同様にして減反射フィルムを作製し、分光反射率、最小反射率、全光線透過率、ヘイズ、干渉の強度及び外観を実施例1と同様にして測定、評価した。結果をそれぞれ表1に示した。
【0087】
【表1】
表1に示した結果より実施例1〜5で作製した減反射フィルムは適切な屈折率の第一の干渉層を形成しており、干渉ムラを低減させて優れた外観を有している。しかも、最小反射率が小さく、反射が抑制されている。図2に示した結果より、実施例1では500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が0.3%であり、干渉ムラが低減された。
【0088】
それに対し、比較例1〜3では光学性能は実施例とほぼ同様であるが、干渉ムラが目立つ外観をしていることが分かった。また、減反射層を有しない比較例4及び減反射層のうち高屈折率層を有しない比較例5では、実施例1〜5に比べて最小反射率が大きく、反射が抑制されないことがわかった。また、図3に示した結果より、比較例1では500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.4%であり、干渉ムラが抑制されなかった。
(実施例6〜9)
実施例1〜4で作製した減反射フィルムの裏面に、第二の干渉層として、干渉層用塗液IF−2をスピンコーターにより、光学膜厚が110〜125 nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJの紫外線により硬化した。
【0089】
その上に接着層としてアクリル系粘着シート(製品名:「ノンキャリア」、リンテック株式会社製、屈折率1.48)をハンドローラーを用いてそれぞれ均一に貼り合わせて減反射フィルムを得た。得られた減反射フィルムの概略図を図1(b)に示した。この図1(b)に示すように、前記図1(a)の構成に加えて、透明樹脂フィルム11の裏面には第二の干渉層16を介して接着層17が設けられている。
【0090】
次いで、粘着シートを介して平面CRTディスプレイ表面に直接貼り合せ、最小反射率、干渉の強度、画像の見易さ及びCRT消灯時の干渉ムラの外観を評価し、表2に示した。
【0091】
ただし、画像の見易さは、〇:背景光の映り込みが少なく画像が鮮明に見える、□:背景光の反射が認められる、×:反射が多く画面が見づらい、として3段階で評価し、干渉ムラは〇:殆ど目立たない、×:はっきりと認められる、として2段階で評価した。
(実施例10)
実施例5で作製した減反射フィルムの裏面に、第二の干渉層として、干渉層用塗液IF−3をスピンコーターにより、光学膜厚が110〜125 nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJの紫外線により硬化した。
【0092】
その上にアクリル系粘着シート(製品名:「ノンキャリア」、リンテック株式会社製、屈折率1.48)をハンドローラーを用いてそれぞれ均一に貼り合わせた。次いで、粘着シートを介して平面CRTディスプレイ表面に直接貼り合せ、最小反射率、干渉の強度、画像の見易さ及びCRT消灯時の干渉ムラの外観を実施例6〜9と同様に評価し、表2に示した。
(比較例6〜8)
比較例1〜3で作製した減反射フィルムを第二の干渉層を形成しない以外は、実施例6〜10と同様に平面CRTディスプレイに貼り合わせ、最小反射率、干渉の強度、画像の見易さ及びCRT消灯時の干渉ムラの外観を評価し、表2に示した。
【0093】
【表2】
実施例6〜10では、フィルムを画面に貼り合わせても、画面表面の反射は充分に抑えられ、非常に鮮明で見やすい画像が得られた。また、CRT消灯時も干渉ムラが殆ど認められず、良好な外観を示した。一方、比較例6〜8では第二の干渉層を設けた場合と比較して、最小反射率が上昇した。また、CRT消灯時の干渉ムラが大きく目立った。
【0094】
加えて、反射率及び干渉の強度は画面の中央部でも周辺部でも差は見られず、画面全体にわたって均一に抑制されていた。
なお、本発明は前記実施形態を次のように変更して実施することもできる。
【0095】
・ 低屈折率層と高屈折率層からなる減反射層、ハードコート層及び第一の干渉層からなる多層構造を透明樹脂フィルムの両面に設けるように構成することもできる。この場合、得られる減反射フィルムのいずれの方向から光が入射しても光の干渉ムラ及び反射を抑制することができる。
【0096】
・ 第一干渉層と第二干渉層を同じ材料で形成して屈折率が同じになるようにし、ハードコート層と接着層を屈折率が同じになるように構成することもできる。この場合、光の干渉ムラを効果的に抑制することができるとともに、減反射フィルムを容易に製造することができる。
【0097】
さらに、実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
・ 前記透明樹脂フィルムの表面粗さは、JIS B0601で規定されている平均表面粗さ(Ra)で0.2μm以下である請求項1又は2に記載の減反射フィルム。このように構成した場合、減反射フィルム表面が粗面となってヘイズ値が高くなるなど光学性能の悪化を抑制することができる。
【0098】
・ 前記透明樹脂フィルムの厚みは全体にわたって均一である請求項1又は2に記載の減反射フィルム。このように構成した場合、減反射フィルムの全体に光の干渉を抑制でき、反射率を低下させることができる。
【0099】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば次のような効果を発揮することができる。
【0100】
第1の発明の減反射フィルムによれば、光の干渉による外観の悪化を抑制できるとともに、反射率を低下させることができる。さらに、屈折率を適正に規定することにより、光の干渉を効果的に低減させることができる。
【0103】
第2の発明の減反射フィルムによれば、第1の発明の効果に加え、対象物に接着したとき、光の干渉による外観の悪化を抑制できる上に、反射率を低下させることができる。さらに、屈折率を適正に規定することにより、光の干渉を効果的に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は実施例1による減反射フィルムを示す概略断面図、(b)は実施例6〜9による減反射フィルムを示す概略断面図である。
【図2】 図2は実施例1における光の波長と反射率との関係を示すグラフである。
【図3】 図3は比較例1における光の波長と反射率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11…透明樹脂フィルム、12…第一の干渉層、13…ハードコート層、14…高屈折率層、15…低屈折率層、16…第二の干渉層、17…接着層。
Claims (2)
- 最外層から順に少なくとも低屈折率層と高屈折率層からなる減反射層、ハードコート層及び第一の干渉層からなる多層構造を透明樹脂フィルムの片面又は両面に設けるとともに、500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.0%以下である減反射フィルムにおいて、透明樹脂フィルムの屈折率が1.55〜1.70であり、第一の干渉層の屈折率が1.50〜1.65かつ光学膜厚が125〜160nmであり、ハードコート層の屈折率が1.45〜1.55かつ膜厚が2〜25μmであり、さらに各層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率>第一の干渉層の屈折率>ハードコート層の屈折率の関係にあり、さらに、第一の干渉層の屈折率が{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(ハードコート層の屈折率)} 1/2 ±0.03の範囲内であることを特徴とする減反射フィルム。
- 透明樹脂フィルムの減反射層が形成されていない片面に、さらに該透明樹脂フィルム側から順に、第二の干渉層及び接着層が形成され、第二の干渉層の屈折率が{(透明樹脂フィルムの屈折率)×(接着層の屈折率)} 1/2 ±0.03の範囲内であり、かつ各層の屈折率が透明樹脂フィルムの屈折率>第二の干渉層の屈折率>接着層の屈折率の関係にある請求項1に記載の減反射フィルム。
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