JPH08286001A - ディスプレー表面保護用ハードコートフイルム - Google Patents

ディスプレー表面保護用ハードコートフイルム

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JPH08286001A
JPH08286001A JP7114050A JP11405095A JPH08286001A JP H08286001 A JPH08286001 A JP H08286001A JP 7114050 A JP7114050 A JP 7114050A JP 11405095 A JP11405095 A JP 11405095A JP H08286001 A JPH08286001 A JP H08286001A
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JP
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hard coat
film
weight
coat film
parts
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JP7114050A
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Inventor
Toshiyuki Origasa
利幸 折笠
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ハードコートフィルムに滑り性を
付与して、ディスプレー表面保護用ハードコートフィル
ムを能率良く生産し、且つ光学特性、耐擦傷性、耐薬品
性に優れたハードコートフィルムを提供することを目的
とする。 【構成】 透明基材2に、電離放射線硬化性樹脂の固形
分100重量部に対して、平均粒径1±0.5μmであ
る無機質及び/又は有機質の粒子(ビーズ)4を0.1
〜0.7重量部含有した組成物を塗布し、電離放射線を
照射して樹脂を硬化させてビーズを含有するハードコー
ト層を形成し、透明基材2の両面にビーズ含有ハードコ
ート層3を有するハードコートフィルム1を作製する。
得られたハードコートフィルムのビーズ含有ハードコー
ト層3同士の静摩擦係数は0.1〜0.8となり、滑り
性のよいフィルムとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として偏光板を保護
する目的で積層される透明タイプの表面保護用ハードコ
ートフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、LCD、CRT、LED等の表示
装置に使用される通常の偏光フィルムは、延伸配向した
偏光膜基材フィルムにヨウ素や二色性染料を吸着させて
偏光膜を形成した後、その両面に保護膜を形成したもの
が一般的である。偏光膜基材としては、主としてポリビ
ニルアルコール(以下PVAとする)及びその誘導体フ
ィルムが使用され、保護膜としては、セルロースアセテ
ート系樹脂(主にトリアセチルセルロース)やアクリル
系樹脂が使用されている。このようにして得られた偏光
フィルムを液晶表示用部材として使用する場合には、更
に最上層にハードコート層を設けることが行われれい
る。また、ハードコート層として、透明なフィルムを偏
光フィルムにラミネートすることがある。例えば、アク
リルやポリカーボネート等の透明度の高いフィルムをラ
ミネートすることにより表面保護を行う。この場合のラ
ミネートは、通常粘着層を介して行う。最表面のハード
コート層は、一般的には表面物性の向上のために設けら
れるが、視認性向上のために設ける場合は、透明なハー
ドコート層を形成した後、蒸着等の手法で反射防止処理
を施すことがある。また、実際の生産工程において、高
品質の製品をより効率的に、即ち、高速性、量産性があ
り、歩留りよく、低コストで生産するために工程の順序
なども状況に応じて適宜設定しており、この点から前記
ハードコート層は、偏光膜にトリアセテートフイルム
(以下TACフィルムとする)を積層したものに塗布す
るのではなく、先にTACフィルムに塗布、形成してお
いて、これを偏光膜に積層する方法が行われている。ま
た、上記のハードコートフィルムの裏面には、粘着層と
の接着強度を向上させるために、ハードコートを設ける
場合がある。このように、ハードコート層をフィルムの
両面に設けることにより、偏光フィルムのカールを防止
することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、TAC
フィルムにハードコート層を設けた偏光フィルムは、用
途によっては、満足できる性能が得られているが、要求
される性能によっては未だ種々の問題点を残している。
例えば、実際の生産工程において、高品質の製品を効率
よく生産するためには、フィルムの滑り性は大きな問題
となる。フィルムにハードコート層を塗布する場合、作
業能率の点では両面コートより片面コートの方が優れて
いる。しかし、片面コートの場合、コート面が平滑であ
るため、ハードコート層の面とTACフィルムの面の滑
り性が悪く、加工適性の面では両面コートに劣る。この
問題を解決するため、片面のコート層に滑剤を添加して
滑り性をよくすると、光学特性(特にヘイズ)が悪くな
り、実用上問題が生じる。
【0004】本発明は、これらの問題を解決するため、
鋭意研究した結果、電離放射線硬化性樹脂100重量部
に対して、平均粒径1±0.5μmである無機質及び/
又は有機質の粒子を0.1〜0.7重量部添加した樹脂
をコーティングすることにより、偏光フィルムの滑り性
を改善し、且つ光学特性の低下もない液晶ディスプレー
用のハードコートフィルムを製造することができた。
【0005】
【課題を解決するための手段】透明基材の両面に透明な
ハードコート層を設けたディスプレー表面保護用ハード
コートフィルムにおいて、該ハードコートフィルムのハ
ードコート層のコート面同士の静摩擦係数が0.1〜
0.8の範囲であることを特徴とするハードコートフィ
ルムとした。また、前記ハードコート層が、電離放射線
硬化性樹脂100重量部に対して、平均粒径が1±0.
5μmである無機質及び/又は有機質の粒子を0.1〜
0.7重量部含有させた組成物を塗布し、電離放射線を
照射して硬化させた塗膜層からなることを特徴とする請
求項1に記載のハードコートフィルムとした。
【0006】
【作用】本発明によれば、電離放射線硬化性樹脂100
重量部に対して、平均粒径1±0.5μmである無機質
及び/又は有機質の粒子を0.1〜0.7重量部添加し
た樹脂を、透明な基材の両面にコーティングすることに
より、製造工程における滑り性を改善し、且つ光学特性
の低下もない液晶ディスプレー用のハードコートフィル
ムを得ることができる。そのため、LCD、CRT、L
ED等の表示装置の偏光板に、本発明のハードコートフ
ィルムを使用すれば、耐擦傷性、耐薬品性に優れ、且つ
視認性の高い液晶表示体を作ることができる。
【0007】
【実施例】以下に、実施例に基づいて、図面を参照にし
て本発明を詳しく説明する。図1は本発明のビーズを含
有するハードコート層を両面に有するハードコートフィ
ルムの模式断面図である。図2はビーズを含有するハー
ドコート層を片面に設けたハードコートフィルムの模式
断面図であり。図3はビーズなしのハードコート層を両
面に有するハードコートフィルムの模式断面図であり、
図4は片面にビーズ含有ハードコート層を有し、その裏
面にはビーズなしのハードコート層を設けたハードコー
トフィルムの模式断面図である。
【0008】図1に示すように、本発明のハードコート
フィルムは基本的には、透明基材2とその両面に形成さ
れた、ビーズ4を含有するハードコート層3から構成さ
れる。そして、ハードコート層3は、平均粒径が1±
0.5μmの無機質又は有機質の粒子(以下ビーズとす
る)を添加した電離放射線硬化性樹脂を透明基材に塗布
し、電離放射線を照射して硬化させたものである。電離
放射線硬化性樹脂にビーズを添加するのは、ハードコー
トフィルムの滑り性を改善して、フィルム間の静摩擦係
数を0.1〜0.8にし、作業能率の向上を図ることを
目的としている。
【0009】電離放射線硬化性樹脂に添加するビーズは
無機質又は有機質のものを別々に使用する場合が多い
が、無機質及び有機質のビーズを適当な割合で混合して
使用する場合もある。ビーズの添加量は、電離放射線硬
化性樹脂の固形分100重量部に対して、0.1〜0.
7重量部にする必要があり、0.1重量部以下では偏光
フィルムの滑り性が悪く生産能率の向上が望めなくな
り、又、0.7重量部以上では所定の光学的特性が得ら
れなくなる。
【0010】本発明に使用される透明基材としては、透
明性がよく、寸法安定性、耐熱性を有し、電離放射線を
透過するものでフィルム化できる樹脂であればよい。こ
のような基材フィルムとしてはトリアセテート(トリア
セチルセルロース)フィルムが多く用いられる。トリア
セテートフイルムは光学特性と耐久性に優れており、偏
光板用には最適である。また、偏光板以外にハードコー
トフィルムとして使用する場合は、その用途に応じて、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート共
重合体等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸エチル ポリアクリル酸ブチル等の
アクリル系樹脂、三酢酸セルロース、セロハン等のセル
ロース系樹脂、或いはポリカーボネート樹脂等の公知の
樹脂が使用できる。
【0011】電離放射線として高圧水銀灯等の紫外線が
よく使用されるので、通常、基材フィルムとしては透明
なフィルムが多く用いられる。LCD、CRT、LED
等の表示装置の偏光板に使用される場合は、トリアセテ
ートフイルムが多く用いられる。厚みは10〜200μ
mのものが使用できるが、偏光板の構成材料として使用
される場合は、作業性、コスト等の点を考慮すると80
〜190μm程度が望ましい。しかし、電離放射線とし
て、電子線を使用する場合は、電子線を透過するフィル
ムであればよく、必ずしも透明である必要はない。
【0012】透明基材フイルムにハードコート層を設け
るための塗工液としては、通常、紫外線硬化性樹脂や電
子線硬化性樹脂等の電離放射線硬化性樹脂が使用され
る。塗工液の組成は、大きく二つに分けると固形分と溶
剤分に分けられるが、本発明における固形物とは、以下
に述べる電離放射線硬化性樹脂組成物であり、フィルム
に塗工液をコーティングして溶剤乾燥後、電離放射線を
照射して樹脂層を硬化させたとき、フィルム上に硬化樹
脂層として残るものである。
【0013】即ち、電離放射線硬化性樹脂組成物として
は、モノマーも含まれ、これらの成分は単独では揮散す
るので、蒸発物と考えられるが、電離放射線照射により
反応して、ポリマー又はオリゴマーとなり、フィルム上
に硬化樹脂層を形成して残るので、塗工液の固形分とし
て計算される。従って、電離放射線の照射によっても反
応しない溶剤分を除いた残りのものが全て固形分と見な
される。
【0014】本発明におけるビーズの含有量は、電離放
射線硬化性樹脂組成物の固形分100重量部に対する重
量部を示すものである。即ち、0.1〜0.7重量部の
ビーズを含有する電離放射線硬化性樹脂は、基材フィル
ムに電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、電離放射線
を照射して樹脂組成物を硬化させ、フィルム上に形成さ
れたハードコート層の樹脂固形分100重量部に対し
て、ビーズが0.1〜0.7重量部含有されていること
を示すものである。以下、単にビーズ含有量(0.7)
重量部と記した場合、電離放射線硬化性樹脂の固形分1
00重量部に対する重量部をを示すものとする。
【0015】ビーズを添加した電離放射線硬化性樹脂組
成物の塗布量は、乾燥後の固形物として、3.5〜20
g/m2 程度が好ましい。塗布量が3.5g/m2 以下
では、十分な滑り性が得られなくなり、20g/m2
上では光線透過率の低下をきたすと共に、ヘイズの上昇
が見られ、所定の光学特性が得られない。また、塗布量
を多くすることはコスト面でも不利で、20g/m2
上にするメリットがない。
【0016】電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に
(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ
基等の重合性不飽和結合、又はエポキシ基を有するプレ
ポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜混合し
た組成物が用いられる。但し、(メタ)アクリロイル基
とは、アクリロイル基又はメタアクリロイル基の意味で
用いたものであり、以下(メタ)は同様の意味を有する
ものとする。これらのプレポリマー、オリゴマーとして
は、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の
アクリレート、シロキサン等の珪素樹脂、不飽和ポリエ
ステル、エポキシ等が挙げられる。
【0017】単量体の例としては、スチレン、αーメチ
ルスチレン等のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸ー2ーエチルヘキシル、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び
/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリオ
ール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオ
グリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピ
レート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等
がある。以上の化合物を必要に応じ、1種もしくは2種
以上混合して用いるが、樹脂組成物に通常の塗工適性を
付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを5
重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを95
重量%以下とすることが好ましい。
【0018】単量体の選定に際して、硬化物の可撓性が
要求される場合は、塗工適性上支障のない範囲で、単量
体の量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリレー
ト単量体を用い比較的低架橋密度の構造とする。また、
硬化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求される場合に
は、塗工適性上支障のない範囲で単量体の量を多めにし
たり、3官能以上のアクリレート系単量体を用い高架橋
密度の構造とするのが好ましい。1、2官能単量体と3
官能以上の単量体を混合し、塗工適性と硬化物の物性と
を調整することもできる。
【0019】以上のような1官能アクリレート系単量体
としては、2ーヒドロキシアクリレート、2ーヘキシル
アクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げ
られる。2官能アクリレート系単量体としては、エチレ
ングリコールジアクリレート、1,6ーヘキサンジオー
ルジアクリレート等、3官能アクリレート系単量体とし
ては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0020】電離放射線硬化性樹脂を紫外線で硬化させ
る場合は、透明な樹脂を使用する必要がある。また、前
記電離放射線硬化性樹脂組成物に光重合開始剤として、
アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾ
イルベンゾエート、αーアミロキシムエステル、テトラ
メチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類、
及び/又は光増感剤として、nーブチルアミン、トリエ
チルアミン、トリーnーブチルホスフィン等を混合して
用いることもできる。
【0021】本発明においては、フィルム基材に塗布さ
れた電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を完全に硬
化させる方法として、電離放射線を使用する。フィルム
基材上に形成された樹脂層の上に、紫外線、電子線等の
電離放射線を照射して樹脂層を完全に硬化する。
【0022】電離放射線照射装置としては、通常、紫外
線照射装置や電子線照射装置が使用される。例えば、
紫外線照射装置としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、
低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライト、メタル
ハライドランプ等の光源が使用される。電子線源として
は、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧
器型、絶縁コア変圧器型或いは直線型、ダイナミトロン
型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1
000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネ
ルギーを持つ電子を照射する。照射線量としては、通
常、5〜500KGy(キログレイ)程度である。
【0023】電離放射線硬化性樹脂に添加するビーズと
しては、ハードコート層の光学特性、特にヘイズを所定
の数値以下に抑え、且つ滑り性を良くするために、以下
のようなものが使用される。例えば、材質は、有機系と
して、アクリル樹脂系、ポリカーボネート樹脂系、ポリ
スチレン樹脂系等のプラスチックビーズ、また、無機系
として、シリカ、アルミナ、ガラス等のビーズが使用さ
れる。そして、ビーズの粒径は1±0.5μmにする必
要がある。ビーズの添加量は、電離放射線硬化性樹脂組
成物の固形分100重量部に対して、0.1〜0.7重
量部にする必要がある。
【0024】以下に、具体的な実施例について述べる。 (実施例1)図2に示すように、透明基材2として、厚
さ230μmのアクリルフイルム(住友化学工業(株)
製)の片面に下記の組成の塗工液を用いてロールコート
法にて、塗布量を乾燥状態で6g/m2 になるように塗
布し、乾燥により溶剤を除去後、ラインスピード10m
/min.にて、160ワット(W)の高圧水銀灯4灯
で、紫外線照射を行って紫外線硬化型樹脂を硬化させ、
ビーズ含有ハードコート層3を形成した。次に、前記ハ
ードコート層を形成したアクリルフィルムの裏面に、上
記と同様にしてハードコート層を形成し、図1に示すよ
うな両面にビーズ含有ハードコート層3を有するハード
コートフィルム1を作製した。 ☆塗工液(1)の組成 ・紫外線硬化型樹脂 100重量部 (大日精化工業(株)製「セイカビームEXG40」) ・シリカビーズ(平均粒系1μm) 0.35重量部 ・トルエン(希釈溶剤) 100重量部
【0025】(実施例2)実施例1と同様にして、厚さ
230μmのアクリルフイルムの両面に下記組成の塗工
液(2)を用いて、ビーズ含有ハードコート層3を形成
して、ハードコートフィルム1を作製した。 ☆塗工液(2)の組成 ・紫外線硬化型樹脂 100重量部 (大日精化工業(株)製「セイカビームEXG40」) ・シリカビーズ(平均粒系1μm) 0.60重量部 ・トルエン(希釈溶剤) 100重量部
【0026】(実施例3)実施例1と同様にして、前記
厚さ230μmのアクリルフイルムの片面に下記組成の
塗工液(3)を用いて、ビーズ含有ハードコート層3を
形成し、 次に、前記ハードコート層を形成したアクリ
ルフィルムの裏面に、下記組成の塗工液(4)を用い
て、実施例1と同様にしてハードコート層を形成し、図
1に示すような両面にビーズ含有ハードコート層3を有
するハードコートフィルム1を作製した。 ☆塗工液(3)の組成 ・紫外線硬化型樹脂 100重量部 (大日精化工業(株)製「セイカビームEXG40」) ・シリカビーズ(平均粒系1μm) 0.25重量部 ・トルエン(希釈溶剤) 100重量部 ☆塗工液(4)の組成 ・紫外線硬化型樹脂 100重量部 (大日精化工業(株)製「セイカビームEXG40」) ・シリカビーズ(平均粒系1μm) 0.50重量部 ・トルエン(希釈溶剤) 100重量部
【0027】比較例として、以下の組成の塗工液を用い
てハードコートフィルムを作製し、実施例との物性の比
較を行った。 (比較例1)実施例1と同じ透明フィルム2に、ビーズ
を含有しない下記組成の塗工液(5)用いて、実施例1
と同様にして、フィルムの両面にビーズを含有しないハ
ードコート層3aを形成して、図3に示すようなハード
コートフィルムを作製した。 ☆塗工液(5)の組成 ・紫外線硬化型樹脂 100重量部 (大日精化工業(株)製「セイカビームEXG40」) ・トルエン(希釈溶剤) 100重量部 ・シリカビーズ なし
【0028】(比較例2)実施例1と同じ透明フィルム
2の片面に、下記組成の塗工液(6)用いて、実施例1
と同様にして、フィルムの片面にビーズ含有ハードコー
ト層3を形成し、次に、ビーズ含有ハードコート層3を
形成したアクリルフィルムの裏面に、ビーズを含有しな
い前記塗工液(5)を用いて、ビーズなしのハードコー
ト3a層を形成し、図4に示すようなハードコートフィ
ルムを作製した。 ☆塗工液(6)の組成 ・紫外線硬化型樹脂 100重量部 (大日精化工業(株)製「セイカビームEXG40」) ・シリカビーズ(平均粒系1μm) 0.35重量部 ・トルエン(希釈溶剤) 100重量部
【0029】(比較例3)比較例2と同様に、透明フィ
ルムの片面に、ビーズ含有量が規定外の0.9重量部を
含む下記組成の塗工液(7)用いて、ビーズ含有ハード
コート層3を形成し、次に、そのアクリルフィルムの裏
面に、ビーズを含有しない前記塗工液(5)を用いて、
比較例2と同様にしてハードコート層を形成し、図4に
示すように、片面にはビーズ含有ハードコート層3、そ
の裏面にはビーズなしのハードコート層3aを形成した
ハードコートフィルムを作製した。 ☆塗工液(7)の組成 ・紫外線硬化型樹脂 100重量部 (大日精化工業(株)製「セイカビームEXG40」) ・シリカビーズ(平均粒系1μm) 0.90重量部 ・トルエン(希釈溶剤) 100重量部
【0030】(比較例4)実施例1と同様に、透明フィ
ルムの両面に、ビーズ含有量が規定外の0.75重量部
を含む下記組成の塗工液(8)用いて、ハードコート層
を形成し、図1に示すように、ビーズ含有ハードコート
層3を両面に有するハードコートフィルムを作製した。 ☆塗工液(8)の組成 ・紫外線硬化型樹脂 100重量部 (大日精化工業(株)製「セイカビームEXG40」) ・シリカビーズ(平均粒系1μm) 0.75重量部 ・トルエン(希釈溶剤) 100重量部
【0031】(評価方法)上記の実施例1〜3及び比較
例1〜4で作製したハードコートフィルムについて、光
透過率(Ti)、ヘイズ(Hz)、入射角60°におけ
るグロス(G60)、静摩擦係数を測定した。また、前記
測定結果と基準値とを比較して、○、×の総合評価を行
った。 ○:測定項目全てが基準値をクリアした場合 ×:測定項目の中で基準値をクリアーしない項目が一つ
でもある場合
【0032】
【表1】 表中、ビーズ含有量の数値はハードコート層樹脂100
重量部に対する重量部である。また、表裏はハードコー
トフィルムの表裏を示すものである。
【0033】表1に示すように、実施例で作製したハー
ドコートフィルムは、光透過率及びグロスは基準値を上
まわっており、ヘイズ及び静摩擦係数は基準値を下まわ
っており、ディスプレー表面保護用ハードコートフィル
ムとしては満足できるものであった。これに対して比較
例で示されるように、ハードコート層にビーズが含まれ
ない比較例1及びハードコート層の片面だけにビーズが
含まれている比較例2では、静摩擦係数が大きすぎて、
滑り性が悪く加工適性の点で問題となった。
【0034】また、滑り性を良くするために、ビーズを
0.9重量部含有したハードコート層を片面に設けた比
較例3では、ヘイズが基準値を上まわり、又、静摩擦係
数でも基準値以下にはならなかった。更に、ビーズを含
むハードコート層を両面に設けるが、ビーズ含有量を
0.75重量部にした場合は、当然滑り性は改善された
が、ヘイズが基準値を超えてハードコートフィルムとし
ては不満足であった。尚、上記ビーズ含有量の重量部は
ハードコート層の樹脂100重量部に対する重量部を示
すものである。
【0035】従って、本発明によって、上記基準値を満
足するハードコートフイルムが得られ、ディスプレー表
面保護用ハードコートフィルムを効率よく生産するに
は、本発明が非常に効果的であることが実証された。即
ち、透明フィルムの両面に、粒径1±0.5μmのビー
ズを0.1〜0.7重量部含有する電離放射線硬化性樹
脂層を設けることによって、耐擦傷性、耐薬品性に優
れ、且つヘイズが小さくて視認性の高いハードコートフ
ィルムをえることができる。そして、ビーズの含有量が
0.7重量部を超えると当然滑り性は良くなるが、ヘイ
ズが大きくなり、ディスプレー用のハードコートフィル
ムとしては使用できなくなり、本発明がビーズの含有量
を0.1〜0.7重量部にしたことは、目的達成のため
には、非常に効果的であることを示すものである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して、平均粒径
1±0.5μmである無機質及び/又は有機質の粒子を
0.1〜0.7重量部含有した樹脂を、透明な基材の両
面にコーティングすることにより、生産工程における滑
り性を改善し、且つ光学特性の低下のない液晶ディスプ
レー用のハードコートフィルム得ることができる。その
ため、LCD、CRT、LED等の表示装置の偏光板
に、本発明のハードコート層を有する偏光フィルムを使
用すれば、耐擦傷性、耐薬品性に優れ、且つ視認性の高
い液晶表示体を作ることができる。また、光学適性を低
下させることなく、加工適性を向上させることができる
ので、作業能率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビーズ含有ハードコート層を両面に有
するハードコートフィルムの模式断面図である。
【図2】ビーズ含有ハードコート層を片面に設けたハー
ドコートフィルムの模式断面図である。
【図3】ビーズなしのハードコート層を両面に有するハ
ードコートフィルムの模式断面図である。
【図4】片面にビーズ含有ハードコート層を有し、その
裏面にはビーズなしのハードコート層を設けたハードコ
ートフィルムの模式断面図である。
【符号の説明】
1 ハードコートフィルム 2 透明基材 3 ビーズ含有ハードコート層 3a ビーズなしのハードコート層 4 ビーズ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材の両面に透明なハードコート層
    を設けたディスプレー表面体保護用ハードコートフィル
    ムにおいて、該ハードコートフィルムのハードコート層
    のコート面同士の静摩擦係数が0.1〜0.8の範囲で
    あることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 【請求項2】 前記ハードコートフィルムのハードコー
    ト層が、電離放射線硬化性樹脂の固形分100重量部に
    対して、平均粒径が1±0.5μmである無機質及び/
    又は有機質の粒子を0.1〜0.7重量部含有させた組
    成物を塗布し、電離放射線を照射して硬化させた塗膜層
    からなることを特徴とする請求項1に記載のハードコー
    トフィルム。
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