JP2002120346A - 構造体の製造方法 - Google Patents

構造体の製造方法

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JP2002120346A
JP2002120346A JP2000314528A JP2000314528A JP2002120346A JP 2002120346 A JP2002120346 A JP 2002120346A JP 2000314528 A JP2000314528 A JP 2000314528A JP 2000314528 A JP2000314528 A JP 2000314528A JP 2002120346 A JP2002120346 A JP 2002120346A
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refractive index
film
forming
index film
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JP2000314528A
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Akira Nishikawa
昭 西川
Hiromi Shimomura
宏臣 下村
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Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦傷性や透明性に優れた構造体の製造方法
を提供する。 【解決手段】表面側の第1層と、これに下方で接する第
2層とを含む構造体において、表面粗さR2(JIS
B0601に準拠のRz)が0.01〜2μmの第2層
を形成する工程と、表面粗さR1(JIS B0601
に準拠のRz)が2μm以下であって、膜厚をD1とし
たときに、R1/D1の比率が0.01〜2である第1
層を形成する工程(ただし、R1≦R2)とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造体の製造方法
に関し、より詳細には、反射防止膜積層体等として適当
な耐擦傷性や透明性に優れた構造体が効率的に得られる
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネル、冷陰極線管パネル、プ
ラズマデスプレーなどの各種表示パネルにおいて、外光
の映りを防止し、画質を向上させるために、低反射率
性、低ヘイズ性、さらには、耐スチールウール性に代表
される耐擦傷性が良好な透明積層体が求められている。
かかる透明積層体において、低反射率とする方法として
は、古くからフレネルの式に基づき屈折率と膜厚を制御
した薄膜を気相法により積層する技術が実用化されてい
る。しかしながら、液状のコーティング剤を用いて、同
等の性能を生産性よく発現する技術については、いまだ
確立されていないのが実情である。このような従来の反
射防止膜用のコーティング剤として、例えば、熱硬化型
ポリシロキサン組成物が知られており、特開昭61−2
47743号公報、特開平6−25599号公報、特開
平7−331115号公報および特開平10−2323
01号公報等に開示されている。しかしながら、このよ
うな熱硬化型ポリシロキサン組成物を利用して得られる
反射防止膜は、耐擦傷性に乏しく、結果として、耐久性
に乏しいという問題が見られた。また、かかる反射防止
膜を製造するにあたり、高温で、長時間にわたって加熱
処理をする必要があり、生産性が低かったり、あるいは
適用可能な基材の種類が限定されるという問題が見られ
た。
【0003】そこで、特開平7−98401号公報や、
特開平9−249411号公報には、表面層(低屈折率
膜)に二酸化ケイ素等の微粒子を露出させた状態で添加
し、所定の表面凹凸を形成した反射防止膜の製造方法が
開示されている。しかしながら、いずれも表面層におけ
る表面凹凸と厚さとの関係を考慮して製造しておらず、
また、下地としての高屈折率膜の表面凹凸についても、
何ら着目していなかった。そのため、耐擦傷性、反射防
止性、透明性のそれぞれのバランスに優れた反射防止膜
を効率的に得ることができなかった。
【0004】そこで、特開平8−94806号公報に開
示されているように、基材上に、微粒子を高屈折率バイ
ンダー樹脂中に局在化させた高屈折率膜と、フッ素系共
重合体からなる低屈折率膜とを順次に積層した光学機能
性フィルムの製造方法が提案されている。より具体的に
は、高屈折率膜を形成するのに、200nm以下の金属
酸化物粒子等の微粒子層を工程紙上に予め形成してお
き、それを基材上の高屈折率バインダー樹脂に対して圧
接することにより、高屈折率バインダー樹脂中に微粒子
層を埋設して、局在化させている。また、低屈折率膜に
ついては、フッ化ビニリデン30〜90重量%およびヘ
キサフルオロプロピレン5〜50重量%を含有するモノ
マー組成物が共重合されてなるフッ素含有割合が60〜
70重量%であるフッ素含有共重合体100重量部と、
エチレン性不飽和基を有する重合性化合物30〜150
重量部と、これらの合計量を100重量部としたとき
に、0.5〜10重量部の重合開始剤とからなる樹脂組
成物を硬化して、膜厚200nm以下の薄膜としてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−94806号公報に開示された光学機能性フィルム
は、高屈折率膜の製造工程が複雑であり、結果として均
一な特性を示す光学機能性フィルムを作成することが困
難であった。また、かかる光学機能性フィルムは、低屈
折率膜における表面粗さと、膜厚の関係、および高屈折
率膜における表面粗さの値を考慮しておらず、低屈折率
膜の耐擦傷性が乏しいという問題が見られた。さらに、
かかる光学機能性フィルムは、低屈折率膜と、高屈折率
膜との相性が良好でなく、反射防止性や、透明性が不十
分であるという問題点が見られた。そこで、本発明の発
明者らは鋭意検討した結果、第1層と、これに下方で接
する第2層を含む構造体において、第1層の表面粗さ
(R1)と、膜厚(D1)との関係、および高屈折率膜
における表面粗さの値(R2)を考慮して形成すること
により、上述した問題を解決できることを見出した。す
なわち、本発明は、耐擦傷性や透明性に優れた構造体を
効率的に製造できる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、表面側
の第1層と、これに下方で接する第2層とを含む構造体
の製造方法において、第2層を形成する工程と、表面粗
さR1(JIS B0601に準拠のRzである。ただ
し、評価長さについてはJIS B0601に準拠しな
い場合がある。以下、同様である。)が2μm以下であ
って、膜厚をD1としたときに、R1/D1の比率が
0.01〜2である第1層を形成する工程(ただし、R
1≦R2)とを含むことにより、上述した問題を解決す
ることができる。すなわち、表面側に位置する第1層の
表面粗さ(R1)および膜厚(D1)との関係を考慮し
て形成することにより、第1層における耐擦傷性が向上
した構造体を効率良く提供することができる。また、第
1層の表面粗さ(R1)および膜厚(D1)との関係を
このように考慮して形成していることから、表面での光
の散乱を有効に防止でき、したがって、可視光域におけ
る光透過率(全光線透過率)を高く、透明性に優れた構
造体を効率良く提供することができる。
【0007】また、本発明の別の態様によれば、表面側
の第1層と、これに下方で接する第2層とを含む構造体
の製造方法において、表面粗さR2(JIS B060
1に準拠のRz)が0.01〜2μmの第2層を形成す
る工程と、表面粗さR1(JIS B0601に準拠の
Rz)が2μm以下であって、膜厚をD1としたとき
に、R1/D1の比率が0.01〜2である第1層を形
成する工程(ただし、R1≦R2)とを含むことによ
り、上述した問題を解決することができる。すなわち、
表面側に位置する第1層の表面粗さ(R1)および膜厚
(D1)との関係と、第2層の表面粗さの値(R2)を
このように考慮して形成することにより、第2層の表面
に設けられた凹凸が、第1層中に適度に侵入することに
なる。したがって、第1層における耐擦傷性を著しく向
上させることができる構造体を効率良く提供することが
できる。また、第1層の表面粗さ(R1)および膜厚
(D1)との関係をこのように考慮して形成しているこ
とから、表面での光の散乱を有効に防止でき、したがっ
て、可視光域における光透過率(全光線透過率)を高
く、透明性に優れた構造体を効率良く提供することがで
きる。
【0008】また、本発明の構造体の製造方法を実施す
るにあたり、第2層を形成する工程において、第2層を
紫外線硬化または電子線硬化して形成することが好まし
い。このように第2層を形成することにより、迅速に製
造することができ、また、第2層における表面粗さ(R
z)の制御が容易となる。
【0009】また、本発明の構造体の製造方法を実施す
るにあたり、第2層の下方に、ハードコート層を形成す
る工程を含むことが好ましい。このようにハードコート
層が形成してあると、第2層を強固に固定することがで
き、したがって、かかる第2層が内部に侵入した第1層
においても、耐擦傷性を向上させることができる。
【0010】また、本発明の構造体の製造方法を実施す
るにあたり、第1層を形成する工程において、第1層を
熱硬化して形成することが好ましい。このように第1層
を形成することにより、第2層との密着力を向上させる
ことができ、結果として、第1層における耐擦傷性を向
上させることができる。
【0011】また、本発明の構造体の製造方法を実施す
るにあたり、第2層を形成する工程において、第2層
に、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛
(ZnO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、お
よびアンチモン酸亜鉛(AZO)、および酸化アルミニ
ウム(Al23)からなる群から選択される少なくとも
一種の無機酸化物粒子を添加することが好ましい。この
ような粒子を含んで第2層を形成することにより、第2
層における表面粗さ(Rz)の値の制御が容易となり、
結果として、第1層における耐擦傷性を向上させること
ができる。
【0012】また、本発明の製造方法を実施するにあた
り、第2層における無機酸化物粒子の含有量を10〜9
0vol%の範囲内の値とすることが好ましい。このよ
うな量の無機酸化物粒子を含んで第2層を形成すること
により、第2層における表面粗さ(Rz)の値の制御が
容易となり、結果として、第1層における耐擦傷性を向
上させることができる。
【0013】また、本発明の製造方法を実施するにあた
り、無機酸化物粒子が、カップリング剤処理してあるこ
とが好ましい。このようなカップリング剤処理した無機
酸化物粒子を使用することにより、第2層における無機
酸化物粒子と、それ以外の部分との結合力を高めること
ができ、結果として、第1層における耐擦傷性を著しく
向上させることができる。
【0014】また、本発明の製造方法を実施するにあた
り、第2層を形成する工程において、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、n−
ブタノール、エチルセルソルブ、乳酸エチル、アセト酢
酸、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、アセチルアセトン、およびアセト酢酸
エチルからなる群から選択される少なくとも一種の有機
溶剤を使用することが好ましい。このような有機溶剤を
使用して第2層を形成することにより、第2層における
表面粗さ(Rz)の値の制御が容易となり、結果とし
て、第1層における耐擦傷性を向上させることができ
る。
【0015】また、本発明の製造方法を実施するにあた
り、反射防止膜積層体、防汚膜、撥水膜、電子部品、光
学部品、包装容器、または帯電防止膜の一部品として形
成することが好ましい。このような用途において、優れ
た耐擦傷性や透明性を発揮することができる。すなわ
ち、これらの用途においては、表面に耐擦傷性に乏しい
フッ素化合物や、シリコーン化合物からなる塗膜を設け
ることが多いが、本発明の製造方法によれば、優れた耐
擦傷性や透明性を有する構造体を提供することができる
ため、塗膜の耐擦傷性を著しく向上させることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の構造体の製造方法につ
き、反射防止膜積層体を例に採って、具体的に説明す
る。したがって、本発明の第1層が、反射防止膜積層体
における低屈折率膜に該当し、第2層が、反射防止膜積
層体における高屈折率膜に該当する。本発明の実施形態
は、例えば、図1または図2に示すような反射防止膜積
層体16、24を対象としたものであって、図1に示す
ように、ハードコート層を含まない反射防止膜積層体1
6を対象とすることもできるし、あるいは、図2に示す
ように、ハードコート層18を含む反射防止膜積層体2
4を対象とすることもできる。そして、本発明の反射防
止膜積層体の製造方法に関する実施形態によれば、表面
側の第1層と、これに下方で接する第2層とを含む構造
体の製造方法において、以下の工程(1)および(2)
を含むことを特徴としている。 (1)表面粗さR2(JIS B0601に準拠のR
z)が0.01〜2μmの高屈折率膜(第2層)を形成
する工程 (2)表面粗さR1(JIS B0601に準拠のR
z)が2μm以下であって、膜厚をD1としたときに、
R1/D1の比率が0.01〜2である低屈折率膜(第
1層)を形成する工程(ただし、R1≦R2)
【0017】1.高屈折率膜を形成する工程 (1)形成方法1 高屈折率膜を形成する工程において、高屈折率膜用硬化
性組成物を基材に対して塗布(コーティング)して、ま
ず塗膜を形成することが好ましい。このようなコーテイ
ング方法としては、特に制限されるものでないが、例え
ば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロー
ルコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラ
ビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェッ
ト法等のコーテイング方法を用いることができる。な
お、このようなコーテイング方法を適宜選択して採用す
ることにより、高屈折率膜表面に凹凸を形成することが
容易となる。
【0018】次いで、高屈折率膜を形成する工程におい
て、図11(b)等に示すように、高屈折率膜用硬化性
組成物を紫外線硬化または電子線硬化することが好まし
い。この場合、例えば、紫外線照射装置(メタルハライ
ドランプや高圧水銀ランプ等)を用い、0.001〜1
0J/cm2の光照射条件とすることが好ましい。この
理由は、このような照射条件であれば、十分硬化した高
屈折率膜が得られる一方、製造時間が過度に長くなるこ
とが無いためである。したがって、照射条件を、0.0
1〜5J/cm2とすることがより好ましく、0.1〜
3J/cm2とすることがさらに好ましい。なお、高屈
折率膜用硬化性組成物中の粒子の種類、平均粒子径、粒
子の添加量、溶剤種、あるいは高屈折率膜の膜厚等の条
件を変更することにより、光照射するだけで高屈折率膜
の表面に凹凸を設けることが可能である。
【0019】(2)形成方法2 高屈折率膜を形成する工程において、複数回塗りを実施
することが好ましい。この理由は、同じ膜厚の高屈折率
膜を形成することを想定した場合、一度で塗布形成する
と、無機酸化物粒子が膜内で沈降し、表面凹凸を形成す
ることが困難となる場合があるためである。すなわち、
複数回塗りを実施することにより、無機酸化物粒子を表
面に突出または露出させることが容易となるため、高屈
折率膜表面に精度良く凹凸を形成することができる。こ
の際、複数回塗りの最終回の膜厚を相対的に薄くするこ
とが好ましい。したがって、例えば、5.0μmの膜厚
の高屈折率膜を形成する場合、一度塗りで高屈折率膜を
形成するのではなく、一旦、4.9μmの膜厚の高屈折
率膜を形成したのち、さらにその上に0.1μmの高屈
折率膜を形成するごとく、複数回に分けて高屈折率膜を
形成することが好ましい。
【0020】(3)形成方法3 高屈折率膜を形成する工程において、離型性を有すると
ともに表面凹凸を有するフィルムあるいは穴開きフィル
ムを積層した状態で、高屈折率膜を紫外線硬化や電子線
硬化、あるいは熱硬化することが好ましい。図12に、
このようなフィルムを用いた製造工程の一例を示す。こ
のように高屈折率膜を硬化させることにより、高屈折率
膜の表面に、フィルムの表面凹凸を精度良く転写するこ
とが可能である。また、このように表面凹凸等を有する
フィルムを介して高屈折率膜を硬化させることにより、
高屈折率膜における単位面積当りの凹凸数を制御するこ
とも容易である。なお、フィルム上の表面凹凸を精度良
く転写するために、フィルムの表面粗さRz(JIS
B0601に準拠)をR3としたときに、当該R3の値
を0.01〜2μmの範囲内の値とすることが好まし
い。また、フィルムが離型性を有していれば、高屈折率
膜の硬化後に、容易に除去することが可能となる。した
がって、フィルムをフッ素樹脂や、シリコーン樹脂等の
離型性樹脂から構成することが好ましい。
【0021】(4)形成方法4 高屈折率膜を形成する工程において、高屈折率膜を紫外
線硬化や電子線硬化、あるいは熱硬化した後、あるい
は、硬化前や、さらには硬化中に、エンボス処理やマッ
ト処理することが好ましい。図13に、このようなエン
ボス処理を含む製造工程の一例を示す。このようにエン
ボス処理やマット処理を施すことにより、図13に示す
ように、平坦な高屈折率膜17の表面に、凹凸を精度良
く形成することが可能である。さらに、凹凸形状につい
ても、エンボス処理やマット処理を施すことにより、ピ
ラミッド状、台形状、ひし形状等の任意の形状に調節す
ることができる。
【0022】また、エンボス処理時に、図13に示すよ
うに、0.1〜100μmの突起高さを有するエンボス
ロール30を使用することが好ましい。この理由は、エ
ンボスロールの突起高さが0.1μm未満の値となる
と、転写圧力が過度に高くなったり、あるいは、高屈折
率膜の表面に均一にエンボス処理することが困難となる
場合があるためである。一方、エンボスロールの突起高
さが100μmを超えると、逆に精度良くエンボス処理
することが困難となったり、処理スピードが低下する場
合があるためである。したがって、エンボス処理時に、
0.2〜70μmの突起高さを有するエンボスロールを
使用することがより好ましく、0.5〜50μmの突起
高さを有するエンボスロールを使用することがさらに好
ましい。 (B)水酸基含有重合体 (C)水酸基と反応し得る官能基および光重合可能な官
能基を併有する化合物 (D)光重合開始剤 (E)アクリレート化合物 (F)熱酸発生剤 (G)有機溶剤
【0023】(A)無機酸化物粒子 (A)成分としての、無機酸化物粒子の平均粒子径(数
平均粒子径、以下、同様である。)を0.1μm以下の
値とすることが好ましい。この理由は、無機酸化物粒子
の平均粒子径が0.1μmを超えると、構造体において
無機酸化物粒子を均一に分散させることが困難となり、
また、製造時に、高屈折率膜用硬化性組成物において無
機酸化物粒子が沈降しやすくなり、保存安定性に欠ける
場合があるためである。また、無機酸化物粒子の平均粒
子径が0.1μmを超えると、得られる反射防止膜の透
明性が低下したり、濁度(ヘイズ値)が上昇する場合が
あるためである。したがって、無機酸化物粒子の平均粒
子径を0.08μm以下の値とするのがより好ましく、
0.05μm以下の値とするのがさらに好ましい。な
お、無機酸化物粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡によっ
て測定される粒径の数平均値である。
【0024】また、(A)成分である無機酸化物粒子の
種類は、屈折率の調整の容易さや透明性等を考慮して決
定することが好ましいが、より具体的には、酸化ケイ素
(SiO2、1.47)、酸化ジルコニウム(ZrO2
屈折率2.05)、酸化スズ(SnO2、屈折率2.0
0)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO、屈折率1.
95)、酸化チタン(TiO2、屈折率2.3〜2.
7)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率1.90)、スズドー
プ酸化インジウム(ITO、屈折率1.95)、酸化セ
リウム(CeO、屈折率2.2)、酸化セレン(Se
2、屈折率1.95)、酸化アンチモン(Sb25
屈折率1.71)、酸化アルミニウム(Al23、屈折
率1.63)、酸化イットリウム(Y23、屈折率1.
87)、およびアンチモン酸亜鉛(AZO、屈折率1.
90)等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げ
られる。ただし、これらの無機酸化物粒子のうち、比較
的少量の添加で硬化後の屈折率の値を1.5以上の値に
容易に調節することができ、しかも帯電防止機能を付与
できることから、屈折率が1.9以上の金属酸化物粒子
を使用することが好ましい。具体的には、酸化スズ、ア
ンチモンドープ酸化スズ、酸化亜鉛、スズドープ酸化イ
ンジウム等を使用することが好ましい。また、耐擦傷性
をより高めることから、アンチモンドープ酸化スズ、酸
化亜鉛、スズドープ酸化インジウム、アンチモン酸亜
鉛、および酸化アルミニウムからなる群から選択される
少なくとも一種の無機酸化物粒子を添加することが好ま
しい。
【0025】また、無機酸化物粒子に対して、カップリ
ング剤処理することが好ましい。したがって、無機酸化
物粒子に対して、カップリング剤処理する工程を含むこ
とが好ましい。この理由は、無機酸化物粒子がカップリ
ング剤処理してあることにより、高屈折率膜(第2層)
における無機酸化物粒子と、その周囲の樹脂との間の結
合力を高めることができ、結果として、低屈折率膜(第
1層)における耐擦傷性を著しく向上させることができ
るためである。また、このようにカップリング剤処理す
ることにより、無機酸化物粒子の分散性を向上させ、製
造時における高屈折率膜用硬化性組成物の保存安定性を
向上させることも可能である。ここで、カップリング剤
処理を実施するにあたり、好ましいカップリング剤とし
ては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、等の分子内に不飽和ニ重結合
を有する化合物群、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン等の分子内にエポキシ基を有する化合物群、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシランなどの分子内にアミノ基を有する化
合物群、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの分子
内にメルカプト基を有する化合物群、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン等のアルキルシラン類、テトラブトキシシ
チタン、テトラブトキシジルコニウム、テトライソプロ
ポキシアルミニウム等の一種単独または二種以上の組み
合わせが挙げられる。また、市販のカップリング剤とし
ては、例えば、日本ユニカー(株)製のA-1100、A-110
2、A-1110、A-1120、A-1122、Y-9669、A-1160、AZ-616
6、A-151、A-171、A-172、A-174、Y-9936、AZ-6167、AZ
-6134、A-186、A-187、A-189、AZ-6129、A-1310、AZ-61
89、A-162、A-163、AZ-6171、A-137、A-153、A-1230、A
-1170、A-1289、Y-5187、A-2171、Y-11597などや、東レ
ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH6020、SH602
3、SH6026、SZ6030、SZ6032、AY-43-038、SH-6040、SZ-
6050、SH6062、SH6076、SZ6083、SZ6300などを挙げるこ
とができる。これらの中で、好ましいカップリング剤
は、有機樹脂と共重合もしくは架橋反応する官能基を有
する組み合わせが選ばれる。また、これら市販のカップ
リング剤以外のカップリング剤を製造して用いることが
できる。そのような例としてはγ-メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、イソホロンジイソシアネート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレートをチオウレタンお
よびウレタン結合を介して結合させた3官能性アクリル
シラン化合物を用いてもよい。なお、カップリング剤処
理量を、無機酸化物粒子100重量部に対して、0.1
〜200重量部の割合とすることが好ましく、1〜10
0重量部の割合とすることがより好ましく、5〜50重
量部の割合とすることがさらに好ましい。
【0026】また、無機酸化物粒子の含有量を、全体量
に対して、10〜90vol%の範囲内の値とすること
が好ましい。この理由は、かかる無機酸化物粒子の含有
量が、10vol%未満の値となると、第2層の表面粗
さを調節することが困難となる場合があるためであり、
結果として、第1層の耐擦傷性が低下する場合があるた
めである。一方、無機酸化物粒子の含有量が、90vo
l%を超えた値となると、第2層の機械的強度が低下
し、結果として、第1層の耐擦傷性が低下する場合があ
るためである。したがって、無機酸化物粒子の含有量を
20〜70vol%の範囲内の値とすることがより好ま
しく、かかる無機酸化物粒子の含有量を30〜50vo
l%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0027】(B)水酸基含有重合体 (B)成分は、分子内に水酸基を有する重合体であれ
ば、好適に使用することができる。より具体的には、ポ
リビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール樹脂、
ポリビニルホルマール樹脂)、ポリビニルアルコール樹
脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、フェ
ノキシ樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが
挙げられる。また、(B)成分の添加量を、(A)成分
の無機酸化物粒子100重量部に対して、1〜100重
量部の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、
(B)成分の添加量が1重量部未満となると、得られる
高屈折率膜の基材に対する密着力が低下する場合がある
ためであり、一方、(B)成分の添加量が100重量部
を超えると、相対的に無機酸化物粒子量が減少し、硬化
後における反射防止膜の屈折率の調整が困難となる場合
があるためである。したがって、(A)成分100重量
部に対し、(B)成分の添加量を3〜70重量部の範囲
内の値とするのがより好ましく、5〜50重量部の範囲
内の値とするのがより好ましい。
【0028】(C)水酸基と反応し得る官能基および
光重合可能な官能基を併有する化合物 (C)成分(以下、併有化合物と称する場合がある。)
としては、水酸基と反応し得る官能基(水酸基反応性官
能基と称する場合がある。)と、光重合可能な官能基
(光重合性官能基と称する場合がある。)とをそれぞれ
有する化合物であることが好ましい。このような化合物
を添加することにより、光重合性官能基を利用して
(C)成分を光硬化させることもできるし、また、水酸
基反応性官能基を利用して、加熱することにより、
(C)成分と(B)成分とを同時に反応させて、より強
固な硬化膜とすることも可能である。ここで、(C)成
分が有する水酸基反応性官能基としては、例えば、アミ
ノ基、イソシアナート基、カルボキシル基、酸無水物
基、アルデヒド基、ハロゲン等が挙げられる。また、同
様に、(C)成分が有する光重合性官能基としては、例
えば、エポキシ基、オキセタン基、ビニル基等が挙げら
れる。なお、これらの両官能基は、化合物中にそれぞれ
一種単独または二種以上を組み合わせて含むことが好ま
しい。
【0029】また、(C)成分の具体例としては、t−
ブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルア
ミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ルアクリレート、N−メタクリロキシ−N,N−ジカル
ボキシメチル−p−フェニレンジアミン、メラミン・ホ
ルムアルデヒド・アルキルモノアルコール、2−[o−
(1’メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]
エチルアクリレート、2,3−ジブロモプロピルアクリ
レート、2,3−ジブロモプロピルメタクリレート、メ
タクリロキシエチルフタレート、N−メタクリロキシ−
N−カルボキシメチルピペリジン、4−メタクリロキシ
エチルトリメリット酸、アクリロキシエチルテレフタラ
ート、エチレンオキシド変性フタル酸アクリレート、エ
チレンオキシド変性コハク酸アクリレート、4−メタク
リロキシエチル無水トリメリット酸等の一種単独または
二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0030】また、(C)成分の添加量を、(A)成分
の無機酸化物粒子100重量部に対して、10〜300
重量部の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、
かかる(C)成分の添加量が10重量部未満となると、
(B)成分の水酸基含有重合体の硬化が不十分となる場
合があるためであり、一方、(C)成分の添加量が30
0重量部を超えると、得られる高屈折率膜の屈折率が低
下する場合があるためである。したがって、かかる
(C)成分の添加量を(A)成分100重量部に対し
て、20〜200重量部の範囲内の値とするのがより好
ましく、50〜150重量部の範囲内の値とするのがよ
り好ましい。
【0031】(D)光重合開始剤 (D)成分としては、光ラジカル発生剤や、光酸発生剤
が挙げられる。また、(D)成分は、それぞれ単独で使
用することもできるが、光ラジカル発生剤と、光酸発生
剤とを併用することがより好ましい。この理由は、光ラ
ジカル発生剤と、光酸発生剤とを併用することにより、
上述した(C)成分である併有化合物、例えば、メラミ
ン・ホルムアルデヒド・アルキルモノアルコールを使用
した場合における、当該併有化合物に含まれる官能基を
より反応させることができるためである。
【0032】また、(D)成分の使用量も特に制限され
るものではないが、例えば、(C)成分100重量部に
対して、0.1〜20重量部の範囲内の値とするのが好
ましい。この理由は、(D)成分の使用量が0.1重量
部未満となると、(C)成分の硬化が不十分となる場合
があるためである。一方、(D)成分の使用量が20重
量部を超えると、高屈折率膜用硬化性組成物の保存安定
性が低下する場合があるためである。したがって、
(D)成分の使用量を、(C)成分100重量部に対し
て、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることがより
好ましい。
【0033】(E)アクリレート化合物 (E)成分は、(C)成分中のアクリレート化合物以外
の(メタ)アクリレート化合物であって、分子内に少な
くとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有する化合物
である。したがって、その種類は特に制限されるもので
はないが、例えば、単官能(メタ)アクリレート化合物
および多官能(メタ)アクリレート化合物、あるいはい
ずれか一方の(メタ)アクリレート化合物である。特
に、多官能(メタ)アクリレート化合物を添加すること
により、高屈折率膜用硬化性組成物の反応性を向上させ
ることができる。
【0034】また、(E)成分の添加量についても特に
制限されるものではないが、例えば、(A)成分100
重量部あたり、0.01〜1,000重量部の範囲内の
値とすることが好ましい。この理由は、かかる(E)成
分の添加量が0.01重量部未満となると、高屈折率膜
用硬化性組成物の反応性が低下する場合があるためであ
り、かかる(E)成分の添加量が1,000重量部を超
えると、相対的に無機酸化物粒子量が減少し、硬化後に
おける反射防止膜の屈折率の調整が困難となる場合があ
るためである。したがって、(E)成分の添加量をこの
ような範囲に制限することにより、均一に反応させるこ
とができるため、得られる硬化物の耐擦傷性、耐溶剤
性、透明性等がさらに良好となる。よって、高屈折率膜
用硬化性組成物の反応性と硬化物の屈折率等とのバラン
スがより良好となるため、(E)成分の添加量を、
(A)成分100重量部あたり、0.1〜300重量部
の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜200重
量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0035】(F)硬化触媒 (F)成分は、脂肪族スルホン酸、脂肪族スルホン酸
塩、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸塩、芳香族ス
ルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、芳
香族カルボン酸塩、金属塩、リン酸エステル等の一種単
独または二種以上の組み合わせが挙げられる。また、
(F)成分の硬化触媒の添加量についても特に制限され
るものではないが、(B)成分と(C)成分の合計を1
00重量部としたときに、当該硬化触媒の添加量を0.
1〜30重量部の範囲内の値とするのが好ましい。この
理由は、かかる硬化触媒の添加量が0.1重量部未満と
なると、硬化触媒の添加効果が発現しない場合があるた
めであり、一方、硬化触媒の添加量が30重量部を超え
ると、高屈折率膜用硬化性組成物の保存安定性が低下す
る場合があるためである。したがって、かかる硬化触媒
の添加量を0.5〜20重量部の範囲内の値とするのが
より好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とするのが
より好ましい。
【0036】(G)有機溶剤 また、硬化性樹脂組成物において、メチルエチルケトン
(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シ
クロヘキサノン、n−ブタノール、エチルセルソルブ、
乳酸エチル(EL)、ジアセトンアルコール(DA
A)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PG
ME)、アセチルアセトン(AcAc)、およびアセト
酢酸エチル(EAcAc)からなる群から選択される少
なくとも一種の有機溶剤を使用することが好ましい。こ
の理由は、このような有機溶剤を使用することにより、
高屈折率膜用硬化性組成物から高屈折率膜を形成する際
に、高屈折率膜における表面粗さ(Rz)の制御が容易
となるためである。また、(G)成分として、アルコー
ル系溶剤と、ケトン系溶剤からなる混合溶剤を使用する
ことも好ましい。この理由は、高屈折率膜用硬化性組成
物の取り扱いが良好となり、しかも、得られる高屈折率
膜の反射防止性や透明性が優れたものとなるためであ
る。
【0037】また、(G)成分の添加量についても特に
制限されるものではないが、(A)成分の無機酸化物粒
子100重量部に対し、当該有機溶剤の添加量を50〜
50,000重量部の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、(G)成分の添加量が50重量部未満とな
ると、高屈折率膜用化性組成物の粘度調整が困難となる
場合があるためであり、一方、(F)成分の添加量が5
0,000重量部を超えると、高屈折率膜用硬化性組成
物の保存安定性が低下したり、あるいは粘度が低下しす
ぎて取り扱いが困難となる場合があるためである。した
がって、(A)成分100重量部に対し、(G)成分の
添加量を100〜20,000重量部の範囲内の値とす
るのがより好ましく、200〜10,000重量部の範
囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0038】添加剤 高屈折率膜用硬化性組成物には、本発明の目的や効果を
損なわない範囲において、光増感剤、重合禁止剤、重合
開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、
可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シラ
ンカップリング剤、無機充填剤、顔料、染料等の添加剤
をさらに含有させることも好ましい。
【0039】(7)高屈折率膜用硬化性組成物2 また、高屈折率膜を形成するための別な高屈折率膜用硬
化性組成物として、以下の(a−1)および(a−2)
を有機溶媒中で反応させて得られる硬化性組成物である
ことも好ましい。 (a−1)1次粒子径が0.1μm以下で、粉体抵抗が
100Ω・cm以下の導電性金属酸化物粒子 (a−2)分子内にウレタン結合[−O−C(=O)N
H−]およびチオウレタン結合[−S−C(=O)NH
−]、あるいはいずれか一方と、不飽和ニ重結合とを有
するアルコキシシラン化合物 このような高屈折率膜用硬化性組成物であれば、帯電防
止性、透明性、硬度、耐擦傷性、および密着性に優れる
とともに、高屈折率の塗膜(被膜)を形成することがで
きる。
【0040】(8)高屈折率膜 表面粗さ(R2) 高屈折率膜(第2層)を形成する工程において、表面粗
さR2(JIS B0601に準拠のRz)を0.01
〜2μmの範囲内の値とする理由は、かかるR2が、
0.01μm未満の値となると、低屈折率膜中に侵入す
る高屈折率膜が少なくなり、耐擦傷性が著しく低下する
ためである。一方、かかるR2が2μmを超えると、低
屈折率膜における表面粗さが相対的に大きくなり、光散
乱が生じやすくなり、結果として、反射率や、透明性が
低下するためである。したがって、R2を0.05〜1
μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.02〜
0.5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0041】屈折率 また、高屈折率膜における屈折率(Na−D線の屈折
率、測定温度25℃)を1.45〜2.1の範囲内の値
とするのが好ましい。この理由は、かかる屈折率が1.
45未満の値となると、低屈折率膜と組み合わせた場合
に、反射防止効果が著しく低下する場合があるためであ
り、一方、2.1を超えると、使用可能な材料が過度に
制限される場合があるためである。したがって、高屈折
率膜の屈折率を、より好ましくは1.55〜2.0の範
囲内の値とすることであり、1.6〜1.9の範囲内の
値とすることがさらに好ましい。
【0042】膜厚 高屈折率膜の膜厚(D2)は、特に制限されるものでは
ないが、0.01〜50μmの範囲内の値であることが
好ましい。この理由は、かかる高屈折率膜の膜厚が0.
01μm未満となると、低屈折率膜と組み合わせた場合
に、反射防止効果や基材に対する密着力が低下して、低
屈折率膜における耐擦傷性についても低下する場合があ
るためである。一方、高屈折率膜の膜厚が50μmを超
えると、高屈折率膜における光吸収が大きくなり、光透
過率が低下する場合があるためである。したがって、高
屈折率膜の膜厚を0.02〜10μmの範囲内の値とす
るのがより好ましく、0.05〜2μmの範囲内の値と
するのがさらに好ましく、0.05〜0.2μmの範囲
内の値とするのが特に好ましい。また、このような関係
を容易に理解できるように、図7に、高屈折率膜の膜厚
(D2)と、高屈折率膜における耐擦傷性、および全光
線透過率との関係をそれぞれ示す。図7は、横軸にD2
の膜厚(μm)を採って示してあり、左縦軸に耐擦傷性
の評価点を採って示してあり、右縦軸に全光線透過率の
値(%、JIS K7105、測定法Aに準拠、以下、
同様である。)を採って示してある。図7中、曲線Aが
耐擦傷性の変化を示すが、D2の値が0.05〜1μm
の範囲では、安定して優れた耐擦傷性が得られることが
理解される。また、図7中、曲線Bが全光線透過率の変
化を示すが、D2の値が0.1μmから1μmへと増加
すると、全光線透過率の値が若干低下する傾向が見られ
る。この理由は、D2の値が増加したことにより、高屈
折率膜における光吸収が増加したためと理解される。な
お、高屈折率膜の膜厚は、低屈折率膜と同様に測定する
ことができる。例えば、図9〜図10に示す断面の顕微
鏡写真において、高屈折率膜におけるJISB0601
に規定される粗さ曲線の平均線と、下地としてのハード
コート層の粗さ曲線の平均線との距離から算出される値
である。
【0043】2.低屈折率膜(第1層)を形成する工程 (1)形成方法 低屈折率膜を形成する工程において、高屈折率膜と同様
に、低屈折率膜用硬化性組成物を塗工して、塗膜を形成
することが好ましい。次いで、高屈折率膜の一部と反応
させて、全体として強固な塗膜を形成できることから、
低屈折率膜用硬化性組成物からなる塗膜を熱硬化するこ
とが好ましい。この場合、30〜200℃、0.1〜1
80分間の条件で加熱するのが好ましい。この理由は、
このような加熱条件であれば、基材や形成される反射防
止膜を損傷することなく、より効率的に反射防止性に優
れた反射防止膜積層体を得ることができるためである。
したがって、低屈折率膜を形成する際の加熱条件として
は、50〜160℃、0.2〜120分間の条件で加熱
することがより好ましく、60〜140℃、0.5〜6
0分間の条件で加熱することがさらに好ましい。
【0044】(2)低屈折率膜用硬化性組成物 低屈折率膜を形成するための低屈折率膜用硬化性組成物
としては、特に制限されるものでないが、例えば、以下
の(a)〜(d)成分から構成してあることが好まし
い。 (a)水酸基を有する含フッ素共重合体 (b)水酸基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤 (c)硬化触媒 (d)有機溶剤
【0045】(a)水酸基を有する含フッ素共重合体 (a)成分としては、分子内に水酸基を有する含フッ素
共重合体であれば、好適に使用することができる。より
具体的には、フッ素原子を含有する単量体と、水酸基を
含有する単量体とを共重合して得ることができる。ま
た、必要に応じて、a成分およびb成分以外のエチレン
性不飽和単量体を添加することも好ましい。フッ素原子
を含有する単量体としては、テトラフルオロエチレン、
ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロ
トリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレン、(フルオロアルキル)ビニルエーテ
ル、(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル、
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオ
ロ(アルコキシビニルエーテル)、フッ素含有(メタ)
アクリル酸エステル等の一種単独または二種以上の組み
合わせが挙げられる。なお、水酸基を有する含フッ素共
重合体の配合量は特に制限されるものではないが、例え
ば、10〜99モル%の範囲内の値であることが好まし
く、より好ましくは、15〜97モル%の範囲内の値で
ある。
【0046】また、水酸基を含有する単量体としては、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピル
ビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒ
ドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシル
ビニルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒ
ドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリ
ルエーテル、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリル酸エステル等の一種単独または二種以上の
組み合わせが挙げられる。なお、水酸基を有する含フッ
素共重合体の配合量は特に制限されるものではないが、
例えば、1〜20モル%の範囲内の値であることが好ま
しく、より好ましくは、3〜15モル%の範囲内の値で
ある。
【0047】水酸基と反応し得る官能基を有する熱硬
化剤 水酸基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤(以下、単
に熱硬化剤と称する場合がある。)としては、分子内に
メチロール基およびアルコキシ化メチル基あるいはいず
れか一方を2個以上有するメラミン化合物を使用するこ
とが好ましい。より具体的には、ヘキサメチルエーテル
化メチロールメラミン化合物、ヘキサブチルエーテル化
メチロールメラミン化合物、メチルブチル混合エーテル
化メチロールメラミン化合物、メチルエーテル化メチロ
ールメラミン化合物、ブチルエーテル化メチロールメラ
ミン化合物等のメチル化メラミン化合物等がより好まし
い。また、熱硬化剤の添加量を、水酸基を有する含フッ
素共重合体100重量部に対して、1〜70重量部の範
囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる熱
硬化剤の添加量が、1重量部未満となると、水酸基を有
する含フッ素共重合体の硬化が不十分となる場合がある
ためであり、一方、70重量部を超えると、低屈折率膜
用硬化性組成物の保存安定性が低下する場合があるため
である。
【0048】硬化触媒 硬化触媒としては、水酸基含有重合体と硬化剤との間の
反応を促進するものであれば、好適に使用することがで
きるが、高屈折率膜用硬化性組成物における硬化触媒と
同様の硬化触媒を使用することが好ましい。また、硬化
触媒の添加量についても特に制限されるものでは無い
が、上述した水酸基を有する含フッ素共重合体と、水酸
基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤との合計量を1
00重量部としたときに、当該硬化触媒の添加量を0.
1〜30重量部の範囲内の値とするのが好ましい。この
理由は、かかる硬化触媒の添加量が0.1重量部未満と
なると、硬化触媒の添加効果が発現しない場合があるた
めであり、一方、硬化触媒の添加量が30重量部を超え
ると、低屈折率膜用硬化性組成物の保存安定性が低下す
る場合があるためである。
【0049】有機溶剤 低屈折率膜用硬化性組成物に使用する有機溶剤として
は、屈折率膜用硬化性組成物に使用する有機溶剤と同様
の種類を使用することが好ましい。また、有機溶剤の添
加量を、水酸基を有する含フッ素共重合体100重量部
に対して、500〜10,000重量部の範囲内の値と
することが好ましい。この理由は、かかる有機溶剤の添
加量が100重量部未満となると、均一な膜厚を有する
低屈折率膜を形成することが困難となる場合があるため
であり、一方、10,000重量部を超えると、低屈折
率膜用硬化性組成物の保存安定性が低下する場合がある
ためである。
【0050】(3)低屈折率膜 R1/D1 低屈折率膜を形成する工程において、R1/D1の比率
を0.01〜2の範囲内の値とすることが好ましい。こ
の理由は、かかるR1/D1の比率が、0.01未満の
値となると、低屈折率膜の膜厚が相対的に厚くなり、高
屈折率膜の表面粗さの影響が発揮されずに、耐擦傷性が
著しく低下する場合があるためである。また、かかるR
1/D1の比率が2を超えると、低屈折率膜における表
面粗さが相対的に大きくなり、光散乱が生じやすくな
り、結果として、反射率や、透明性が低下する場合があ
るためである。したがって、R1/D1の比率を0.1
〜1の範囲内の値とすることが好ましく、0.16〜
0.8の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0051】次ぎに、耐擦傷性および全光線透過率に対
するR1/D1の比率の影響について、図3を参照して
より詳細に説明する。図3は、実施例(第1層:低屈折
率膜、第2層:高屈折率膜、第3層:ハードコート層)
の表1に示す結果に基づいており、横軸にR1/D1の
比率を採ってあり、左縦軸に耐擦傷性の評価点を採って
示してあり、右縦軸に全光線透過率の値(%)を採って
示してある。図3中、曲線Aが耐擦傷性の変化を示す
が、R1/D1の比率が0〜0.16の範囲では、かか
る比率が大きいほど耐擦傷性の評価点が向上することが
理解される。また、R1/D1の比率が0.08以上で
あれば、許容範囲である評価点3以上の耐擦傷性が得ら
れることが理解される。一方、R1/D1の比率が0.
16〜0.8の範囲では、すべて耐擦傷性の評価点は5
である。したがって、R1/D1の比率を0.16以上
の値にすることにより、安定して優れた耐擦傷性が得ら
れることが理解される。
【0052】また、図3中、曲線Bが全光線透過率の変
化を示すが、耐擦傷性の評価とほぼ同様の傾向をもって
変化することが理解される。なお、図4に、R1/D1
の比率と、反射率との関係を曲線Bで示すが、R1/D
1の比率が0.16未満では、反射率の値が大きくな
り、一方、R1/D1の比率が0.8程度となると、再
び反射率の値が若干大きくなり、低屈折率膜表面での光
散乱の影響を示唆しているものと考えられる。したがっ
て、図4に示す結果は、図3における結果と一致するこ
とが理解される。
【0053】R1/R2 また、本発明の実施形態において、R1/R2の比率を
0.005〜1の範囲内の値とすることが好ましい。こ
の理由は、かかるR1/R2の比率が、0.005未満
の値となると、低屈折率膜に対する高屈折率膜の表面粗
さの影響が発揮されずに、耐擦傷性が著しく低下するた
めである。一方、かかるR1/R2の比率が、1を超え
ると、低屈折率膜における表面粗さが相対的に大きくな
り、光散乱が生じやすくなり、結果として、反射率や、
透明性が低下する場合があるためである。したがって、
R1/R2の比率を0.01〜1の範囲内の値とするこ
とが好ましく、0.2〜1の範囲内の値とすることがさ
らに好ましい。
【0054】この点、図5を参照してより詳細に説明す
る。図5は、横軸にR1/R2の比率を採ってあり、左
縦軸に耐擦傷性の評価点を採って示してあり、右縦軸に
全光線透過率の値(%)を採って示してある。図5中、
曲線Aが耐擦傷性の変化を示すが、R1/R2の比率が
0〜0.2の範囲では、かかる比率が大きいほど耐擦傷
性の評価点が向上することが理解される。一方、R1/
R2の比率が0.2〜1の範囲では、すべて耐擦傷性の
評価点は5である。したがって、R1/R2の比率を
0.2以上にすることにより、安定して優れた耐擦傷性
が得られることが理解される。また、図5中、曲線Bが
全光線透過率の変化を示すが、耐擦傷性の評価とほぼ同
様の傾向をもって変化することが理解される。ただし、
R1/R2の比率が0.2〜1の範囲では、R1/R2
の比率が0.2における全光線透過率と比較して、若干
低下している傾向が見られる。これは、R1/R2の比
率が大きくなるにつれて、低屈折率膜における表面粗さ
が相対的に大きくなり、光散乱が生じやすくなったため
と思われる。
【0055】R2/D1 また、本発明の実施形態において、R2/D1の比率を
0.06〜2の範囲内の値とすることが好ましい。この
理由は、かかるR2/D1の比率が、0.06未満の値
となると、低屈折率膜に対する高屈折率膜の表面粗さの
影響が発揮されずに、耐擦傷性が著しく低下する場合が
あるためである。一方、かかるR2/D1の比率が、2
を超えると、低屈折率膜における表面粗さが相対的に大
きくなり、光散乱が生じやすくなり、結果として、反射
率や、透明性が低下する場合があるためである。したが
って、R2/D1の比率を0.2〜2の範囲内の値とす
ることが好ましく、0.4〜1.5の範囲内の値とする
ことがさらに好ましい。
【0056】この点、図8を参照してより詳細に説明す
る。図8は、横軸にR2/D1の比率を採ってあり、左
縦軸に耐擦傷性の評価点を採って示してあり、右縦軸に
全光線透過率の値(%)を採って示してある。図8中、
曲線Aが耐擦傷性の変化を示すが、R2/D1の比率が
0.02〜0.2の範囲では、かかる比率が大きいほど
耐擦傷性の評価点が向上することが理解される。一方、
R2/D1の比率が0.2〜1.2の範囲では、すべて
耐擦傷性の評価点は5である。したがって、R2/D1
の比率を0.2以上にすることにより、安定して優れた
耐擦傷性が得られることが理解される。また、図8中、
曲線Bが全光線透過率の変化を示すが、耐擦傷性の評価
とほぼ同様の傾向をもって変化することが理解される。
【0057】表面粗さ 低屈折率膜における表面粗さ(R1)を2μm以下の値
とすることが好ましい。この理由は、かかる表面粗さ
(R1)が、2μmを超えると、耐擦傷性が著しく低下
する場合があるためである。したがって、表面粗さ(R
1)を1.4μm以下の値とすることがより好ましく、
0.02〜1μmの範囲内の値とすることがさらに好ま
しい。
【0058】屈折率 低屈折率膜における屈折率(Na−D線の屈折率、測定
温度25℃)を1.35〜1.50の範囲内の値とする
のがより好ましい。この理由は、かかる屈折率が1.3
5未満の値となると、使用可能な材料の種類が過度に制
限される場合があり、一方1.5を超えると、高屈折率
膜と組み合わせた場合に、反射防止効果が著しく低下す
る場合があるためである。したがって、低屈折率膜の屈
折率を、より好ましくは1.35〜1.45の範囲内の
値とすることであり、1.35〜1.42の範囲内の値
とすることがさらに好ましい。
【0059】また、低屈折率膜を設ける場合、より優れ
た反射防止効果が得られることから、高屈折率膜との間
の屈折率差を0.05以上の値とするのが好ましい。こ
の理由は、低屈折率膜と、高屈折率膜との間の屈折率差
が0.05未満の値となると、これらの反射防止膜層で
の相乗効果が得られず、却って反射防止効果が低下する
場合があるためである。したがって、低屈折率膜と、高
屈折率膜との間の屈折率差を0.1〜0.5の範囲内の
値とするのがより好ましく、0.15〜0.5の範囲内
の値とするのがさらに好ましい。
【0060】膜厚 また、低屈折率膜の膜厚(D1)についても特に制限さ
れるものではないが、2μm以下の値とすることが好ま
しい。この理由は、かかる低屈折率膜の膜厚が2μmを
超えると、高屈折率膜における表面粗さ(R2)を低屈
折率膜に反映する効果が低下する場合があるためであ
る。ただし、低屈折率膜の膜厚が過度に薄くなると、塗
膜強度や耐擦傷性が低下する場合がある。したがって、
低屈折率膜の膜厚を0.02〜1μmの範囲内の値とす
ることが好ましく、0.03〜0.5μmの範囲内の値
とすることがより好ましく、0.04〜0.3μmの範
囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0061】また、このような関係を容易に理解できる
ように、図6に、低屈折率膜の膜厚(D1)と、耐擦傷
性および反射率との関係を示す。図6は、横軸にD1の
膜厚(μm)を採って示してあり、左縦軸に耐擦傷性の
評価点を採って示してあり、右縦軸に反射率の値(%)
を採って示してある。図6中、曲線Aが耐擦傷性の変化
を示すが、D1の値が0.05〜0.15μmの範囲で
は、安定して優れた耐擦傷性が得られることが理解され
る。また、図6中、曲線Bが反射率の変化を示すが、D
1の値が0.05〜0.15μmの範囲では、安定して
優れた反射率の値が得られることが理解される。なお、
低屈折率膜の膜厚(D1)は、例えば、図9〜図10に
示す電子顕微鏡写真の断面におけるJIS B0601
に規定された低屈折率膜の粗さ曲線の平均線と、下地と
しての高屈折率膜の粗さ曲線の平均線との距離から算出
される値である。
【0062】3.ハードコート層の形成工程 反射防止膜積層体を製造するにあたり、ハードコート層
を形成する工程を含むことが好ましい。すなわち、反射
防止膜積層体を製造するにあたり、高屈折率膜(第2
層)の下方にハードコート層(第3層と称する場合があ
る。)を、コーティング法等により設けることが好まし
い。このようにハードコート層を設けることにより、高
屈折率膜(第2層)を強固に固定することができる。し
たがって、かかる高屈折率膜が内部に侵入した低屈折率
膜(第1層)においても、ハードコート層の働きによ
り、耐擦傷性をより向上させることができる。
【0063】また、ハードコート層を形成するにあた
り、主構成材料として、シロキサン樹脂、アクリル樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの一種単独または
二種以上の組み合わせを使用することが好ましい。これ
らの中で高い硬度を有する材料としては、例えば、特開
昭63−117074に示されるアルキルアルコキシシ
ランとコロイド状シリカとを親水性溶媒中で反応させて
得られる熱硬化型ハードコート組成物や、特開平9−1
00111に示される反応性シリカ粒子が分散された紫
外線硬化型のハードコート組成物やウレタンアクリレー
トと多官能性アクリレートとを主成分とする公知の紫外
線硬化型ハードコート組成物を挙げることができる。
【0064】また、ハードコート層を形成するにあた
り、膜厚を0.1〜50μmの範囲内の値とすることが
好ましい。この理由は、ハードコート層の膜厚が0.1
μm未満となると、低屈折率膜を強固に固定することが
困難となる場合があるためであり、一方、膜厚が50μ
mを超えると、製造が困難となったり、あるいは、フィ
ルム用途に用いた場合に屈曲性が低下する場合があるた
めである。したがって、ハードコート層の膜厚を0.5
〜30μmの範囲内の値とするのがより好ましく、1〜
20μmの範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0065】4.基材 次に、高屈折率膜、あるいは必要に応じてハードコート
層等を設けるための基材について説明する。かかる高屈
折率膜等を設ける基材の種類は特に制限されるものでは
ないが、例えば、ポリエステル樹脂、トリアセチルセル
ロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリルカーボネー
ト樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアクリレート
樹脂、ノルボルネン樹脂、アクリルスチレン樹脂、およ
びガラス等からなる基材を挙げることができる。例え
ば、これらの基材を含む反射防止膜積層体を形成するこ
とにより、カメラのレンズ部、テレビ(CRT)の画面
表示部、あるいは液晶表示装置におけるカラーフィルタ
ー等の広範な反射防止膜等の利用分野において、反射防
止効果はもちろんのこと、優れた耐擦傷性や透明性が得
られ、しかも優れた機械的強度や耐久性を得ることがで
きる。
【0066】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるもので
はない。また、実施例中、各成分の配合量は特に記載の
ない限り重量部を意味している。
【0067】[実施例1] (1)低屈折率膜用硬化性組成物の調製 水酸基を有する含フッ素重合体の調製 内容積1.5リットルの電磁攪拌機付きステンレス製オ
ートクレーブ内を窒素ガスで十分置換処理した後、酢酸
エチル500gと、エチルビニルエーテル(EVE)3
4.0gと、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEV
E)41.6gと、パーフルオロプロピルビニルエーテ
ル(FPVE)75.4gと、過酸化ラウロイル1.3
gと、シリコーン含有高分子アゾ開始剤(和光純薬工業
(株)製、商品名:VPS1001)7.5gと、反応
性乳化剤(旭電化工業(株)製、商品名:NE−30)
1gとを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃
まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去し
た。次いで、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)11
9.0gをさらに仕込み、昇温を開始した。オートクレ
ーブ内の温度が70℃に達した時点での圧力は、5.6
kgf/cm2を示した。その後、攪拌しながら、70
℃、20時間の条件で反応を継続し、圧力が2.3kg
f/cm2に低下した時点でオートクレーブを水冷し、
反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを
放出し、オートクレーブを開放し、固形分濃度30.0
重量%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液
を、メタノールに投入し、ポリマーを析出させた後、メ
タノールによりさらに洗浄し、50℃で真空乾燥を行
い、170gの水酸基を有する含フッ素重合体を得た。
得られた水酸基を有する含フッ素重合体について、固有
粘度(N,N−ジメチルアセトアミド溶剤使用、測定温
度25℃)を測定したところ、0.28dl/gであっ
た。また、かかる含フッ素重合体について、ガラス転移
温度を、DSCを用い、昇温速度5℃/分、窒素気流中
の条件で測定したところ、31℃であった。また、かか
る含フッ素重合体について、フッ素含量を、アリザリン
コンプレクソン法を用いて測定したところ、51.7%
であった。さらに、かかる含フッ素重合体について、水
酸基価を、無水酢酸を用いたアセチル法により測定した
ところ、102mgKOH/gであった。
【0068】低屈折率膜用硬化性組成物の調製 攪拌機付の容器内に、で得られた水酸基を有する含フ
ッ素共重合体100gと、サイメル303(三井サイテ
ック(株)製、アルコキシ化メチルメラミン化合物)1
1.1gと、メチルイソブチルケトン(以下、MIBK
と称する。)3736gとをそれぞれ添加し、110
℃、5時間の条件で攪拌し、水酸基を有する含フッ素共
重合体とサイメル303とを反応させた。次いで、キャ
タリスト4040(三井サイテック(株)製、固形分濃
度40重量%)11.1gをさらに添加し、10分間攪
拌して、粘度1mPa・s(測定温度25℃)の低屈折
率膜用硬化性組成物(以下、塗布液Aと称する場合があ
る。)を得た。
【0069】なお、得られた低屈折率膜用硬化性組成物
から得られる低屈折率膜の屈折率を測定した。すなわ
ち、低屈折率膜用硬化性組成物を、ワイヤーバーコータ
(#3)を用いて、シリコンウエファ(膜厚1μm)上
に塗工し、室温で5分間風乾して、塗膜を形成した。次
いで、オーブンを用いて、140℃、1分間の加熱条件
で塗膜を熱硬化させ、0.3μmの膜厚の低屈折率膜を
形成した。得られた低屈折率膜におけるNa−D線の屈
折率を、測定温度25℃の条件で、分光エリプソメータ
ーを用いて測定した。その結果、屈折率は1.40であ
った。
【0070】(2)高屈折率膜用硬化性組成物の調製 反応性アルコキシシランの製造 容器内のメルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8
gと、ジブチルスズジラウレート0.2gとからなる溶
液に対し、イソホロンジイソシアネート20.6gを、
乾燥空気中、50℃、1時間の条件で滴下した後、60
℃、3時間の条件で、さらに攪拌した。これにペンタエ
リスリトールトリアクリレート71.4gを、30℃、
1時間の条件で滴下した後、60℃、3時間の条件で、
さらに攪拌し、反応液とした。この反応液中の生成物、
すなわち反応性アルコキシシランにおける残存イソシア
ネート量をFT−IRで測定したところ、0.1重量%
以下であり、各反応がほぼ定量的に行われたことを確認
した。また、分子内に、チオウレタン結合と、ウレタン
結合と、アルコキシシリル基と、反応性不飽和結合とを
有することを確認した。
【0071】高屈折率膜用硬化性組成物の調製 攪拌機付きの容器内に、アンチモンドープ酸化スズ分散
液(石原テクノ(株)製、SNS−10M、分散溶媒メ
チルエチルケトン、アンチモンドープ酸化スズ含量2
7.4重量%、固形分30重量%、動的光散乱法による
重量平均粒子径40nm、数平均粒子径22nm、以
下、ATO微粒子分散液と称する場合がある。)260
gと、で製造した反応性アルコキシシラン25gと、
蒸留水0.3gと、p−ヒドロキシフェニルモノメチル
エーテル0.03gとを混合し、65℃で、加熱攪拌し
た。5時間後、オルト蟻酸メチルエステル8gを添加
し、さらに1時間加熱した。これに光重合開始剤とし
て、イルガキュア907(チバスペシャルティケミカル
ズ(株)製)6.1gと、MIBK1708gとを添加
して、高屈折率膜用硬化性組成物(固形分5重量%、固
形分中のATO微粒子量78重量%、以下、塗布液Bと
称する場合がある。)を得た。なお、得られた高屈折率
膜用硬化性組成物の屈折率を、低屈折率膜用硬化性組成
物と同様に測定した。その結果、屈折率は1.68であ
った。
【0072】(3)ハードコート層の作成 乾燥空気下、反応性アルコキシシラン8.7gと、メチ
ルエチルケトン分散シリカゾル(日産化学工業(株)
製、商品名:MEK−ST、平均粒径22nm、シリカ
濃度30重量%)91.3gと、イソプロピルアルコー
ル0.2gと、イオン交換水0.1gとからなる混合液
を、80℃、3時間の条件で攪拌後、オルト蟻酸メチル
エステル1.4gを添加し、さらに1時間同一温度で攪
拌した。室温まで冷却後、トリメチロールプロパントリ
アクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名:NK
エステルA−TMPT)21.9gと、トリメチロ−ル
プロパントリオキシエチルアクリレ−ト(新中村化学工
業(株)製、商品名NKエステルA−TMPT−3E
O)10.95gと、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン(チバスペシャルティケミカルズ(株)
製、商品名:イルガキュア184)3.27gを混合し
て、ハードコート組成物(以下、塗布液Cと称する場合
がある。)を調製した。
【0073】(4)反射防止膜積層体の作成 得られた塗布液Cを、ワイヤーバーコータ(#12)を
用いて、ポリエステルフィルムA4300(東洋紡績
(株)製、膜厚188μm、)上に塗工し、オーブン
中、80℃、1分間の条件で乾燥して、塗膜を形成し
た。次いで、大気中、メタルハライドランプを用いて、
0.3J/cm2の光照射条件で塗膜を紫外線硬化さ
せ、膜厚10μmであって、屈折率1.49のハードコ
ート層を形成した。次いで、得られた塗布液Bを、ワイ
ヤーバーコータ(#3)を用いて、ハードコート層上に
塗工し、オーブン中、80℃、1分間の条件で乾燥し
て、塗膜を形成した。次いで、大気中、メタルハライド
ランプを用いて、0.3J/cm2の光照射条件で塗膜
を紫外線硬化させ、膜厚0.05μmであって、屈折率
1.68の高屈折率膜を形成した。さらに、得られた塗
布液Aを、高屈折率膜上に、ワイヤーバーコータ(#
3)を用いて塗工し、室温で5分間風乾して、塗膜を形
成した。この塗膜を、オーブンを用いて140℃、1分
の条件で加熱し、膜厚0.05μmであって、屈折率
1.40の低屈折率膜とした。なお、低屈折率膜におけ
る表面粗さ(Rz)は、JIS B601に準拠して測
定した。すなわち、表面形状測定器Dektak303
0(日本真空技術(株)製)を用いて、低屈折率膜にお
ける表面粗さ(Rz)を測定した。得られた結果を表1
に示す。
【0074】(5)反射防止膜積層体の評価 得られた反射防止膜積層体にける耐擦傷性を以下の基準
で評価した。また、得られた反射防止膜積層体における
耐擦傷性、反射率、全光線透過率、および濁度(ヘイズ
値)を下記に示す測定法により測定した。
【0075】耐擦傷性 得られた反射防止膜積層体の表面を#0000スチール
ウールにより、荷重200g/cm2の条件で30回こ
すり、反射防止膜積層体の耐擦傷性を以下の基準から目
視にて評価した。得られた結果を表1に示す。 評価5:傷の発生が全く観察されなかった。 評価4:1〜5本の傷の発生が観察された。 評価3:6〜50本の傷の発生が観察された。 評価2:51〜100本の傷の発生が観察された。 評価1:塗膜剥離が観察された。 なお、評価3以上の耐擦傷性であれば、実用上許容範囲
であり、評価4以上の耐擦傷性であれば実用上の耐久性
が優れていることから好ましく、評価5の耐擦傷性であ
れば、実用上の耐久性が著しく向上することからさらに
好ましいといえる。
【0076】反射率および全光線透過率 得られた反射防止膜積層体における反射率(測定波長に
おける最低反射率)および全光線透過率を、分光反射率
測定装置(大型試料室積分球付属装置150−0909
0を組み込んだ磁気分光光度計U−3410、日立製作
所(株)製)により、JIS K7105(測定法A)
に準拠して、波長340〜700nmの範囲で測定し
た。すなわち、アルミの蒸着膜における反射率を基準
(100%)として、各波長における反射防止膜積層体
(反射防止膜)における最低反射率および全光線透過率
を測定した。結果を表1に示す。
【0077】濁度(ヘイズ値) 得られた反射防止膜積層体につき、カラーヘイズメータ
ー(須賀製作所(株)製)を用いて、ASTM D10
03に準拠してヘイズ値を測定した。得られた結果を表
1に示す。
【0078】[実施例2〜5]実施例2〜5では、表1
に示すように、R1、R2、およびR1/D1の比率を
変えた反射防止膜積層体について耐擦傷性等の評価を行
った。得られた結果を表1に示す。
【0079】[比較例1]比較例1では、表1に示すよ
うに、R1およびR1/D1の比率を本発明の範囲外の
値とした反射防止膜積層体について、耐擦傷性等の評価
を行った。得られた結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】本発明の構造体の製造方法によれば、少
なくとも第1層の表面粗さ(R1)と、第1層における
膜厚(D1)および表面粗さ(R1)の比率(R1/D
1)とを考慮して第1層を形成することにより、あるい
は、第1層の表面粗さ(R1)および第2層の表面粗さ
(R2)と、第1層における膜厚(D1)および表面粗
さ(R1)の比率(R1/D1)とを考慮して第1層お
よび第2層を形成することにより、耐擦傷性や透明性に
優れた構造体を効率的に提供できるようになった。した
がって、例えば反射防止膜積層体に適用した場合、屈折
率を低下させるために表面側にフッ素化合物や、ケイ素
化合物等の耐擦傷性に乏しい樹脂を使用したとしても、
本発明の簡易な構造を採ることにより、透明性を損なう
ことなく、優れた耐擦傷性を示す反射防止膜積層体を効
率的に提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜積層体例の断面図である。
【図2】本発明のハードコート層を含む反射防止膜積層
体例の断面図である。
【図3】反射防止膜積層体におけるR1/D1の影響を
説明するために供する図である(その1)。
【図4】反射防止膜積層体におけるR1/D1の影響を
説明するために供する図である(その2)。
【図5】反射防止膜積層体におけるR1/R2の影響を
説明するために供する図である。
【図6】反射防止膜積層体におけるD1の影響を説明す
るために供する図である(その1)。
【図7】反射防止膜積層体におけるD1の影響を説明す
るために供する図である(その2)。
【図8】反射防止膜積層体におけるR2/D1の影響を
説明するために供する図である。
【図9】本発明の反射防止膜積層体の断面写真である
(その1)。
【図10】本発明の反射防止膜積層体の断面写真である
(その2)。
【図11】本発明の反射防止膜積層体の製造例を説明す
るために供する図である(その1)。
【図12】本発明の反射防止膜積層体の製造例を説明す
るために供する図である(その2)。
【図13】本発明の反射防止膜積層体の製造例を説明す
るために供する図である(その3)。
【符号の説明】
10、20 高屈折率膜 11 凹凸フィルム 12 基材 13 第2層の侵入部分 14、22 低屈折率膜 15 紫外線または電子線 16、24 反射防止膜積層体 17 高屈折率膜用塗膜 18 ハードコート層 30 エンボスロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 AA02 AA12 AA15 CC03 CC09 CC24 CC26 CC42 DD02 DD05 EE03 EE05 4F100 AA19B AA25B AA28B AA29B AA33B AK17 AK25 AK41 AR00B BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA26 CC00C DA01 DD07A DE01B EH46 EH46B EH462 EJ08A EJ54 EJ64B GB16 GB41 JA20A JB06 JB13A JB14B JG03 JK12C JK14 JL06 JN01 JN06 JN18A JN18B YY00A YY00B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面側の第1層と、これに下方で接する
    第2層とを含む構造体の製造方法において、 第2層を形成する工程と、 表面粗さR1(JIS B0601に準拠のRz)が2
    μm以下であって、膜厚をD1としたときに、R1/D
    1の比率が0.01〜2である第1層を形成する工程
    と、 を含むことを特徴とする構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 表面側の第1層と、これに下方で接する
    第2層とを含む構造体の製造方法において、 表面粗さR2(JIS B0601に準拠のRz)が
    0.01〜2μmである第2層を形成する工程と、 表面粗さR1(JIS B0601に準拠のRz)が2
    μm以下であって、膜厚をD1としたときに、R1/D
    1の比率が0.01〜2である第1層を形成する工程
    (ただし、R1≦R2)と、 を含むことを特徴とする構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2層を形成する工程において、当
    該第2層を紫外線硬化または電子線硬化して形成するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の構造体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記第2層の下方に、ハードコート層を
    形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1層を形成する工程において、当
    該第1層を熱硬化して形成することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2層を形成する工程において、第
    2層に、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜
    鉛(ZnO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、
    およびアンチモン酸亜鉛(AZO)、および酸化アルミ
    ニウム(Al 23)からなる群から選択される少なくと
    も一種の無機酸化物粒子を添加することを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記無機酸化物粒子の含有量を10〜9
    0vol%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項
    6に記載の構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記無機酸化物粒子が、カップリング剤
    処理してあることを特徴とする請求項6または7に記載
    の構造体の製造方法。
  9. 【請求項9】 第2層を形成する工程において、メチル
    エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
    ノン、n−ブタノール、エチルセルソルブ、乳酸エチ
    ル、アセト酢酸、ジアセトンアルコール、プロピレング
    リコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、およ
    びアセト酢酸エチルからなる群から選択される少なくと
    も一種の有機溶剤を使用することを特徴とする請求項1
    〜8のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  10. 【請求項10】 反射防止膜積層体、防汚膜、撥水膜、
    電子部品、光学部品、包装容器、または帯電防止膜の一
    部品として形成することを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれか一項に記載の構造体の製造方法。
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