JP2013083824A - 光学フィルムの製造方法及び洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エア同伴不良と回り込み不良の両方を同時に解消することができる光学フィルムの製造方法及び洗浄装置を提供する。
【解決手段】フィルム12を鹸化する鹸化工程と、付着したアルカリ溶液13を除去する除去工程と、光学機能層を製膜する製膜工程とを備え、除去工程では、円筒状のバー30と、フィルムのアルカリ溶液塗布面に対向して配置されたリップ面39を有するリップ部38とを備えた洗浄装置を用い、第1洗浄液が形成するビードが切れず、ビードにエアが巻き込まれるエア同伴が発生せず、第1洗浄液が、フィルムの面のうちアルカリ溶液塗布面とは反対側の面に回り込む裏回りが発生しないように、リップ長さと、リップ角度と、リップクリアランスとを調整して、アルカリ溶液を除去する光学フィルムの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学補償フィルム等の光学フィルムの製造方法及びそれに用いられる洗浄装置に関し、特にフィルムを洗浄する工程を含む光学フィルムの製造方法及びそれに用いられる洗浄装置に関する。
従来から光学フィルムの製造において重要な工程の一つにフィルムの洗浄工程がある。洗浄により除去されるべき洗浄対象物としていろいろ存在するが、例えば、ポリマーフィルムをアルカリ鹸化するためにポリマーフィルムに塗布されたアルカリ溶液がある。
従来のアルカリ溶液を除去するための洗浄装置としては、例えば、図7に記載されるものがある。図7は従来の洗浄装置の概略図である。図7に示すように、従来の洗浄装置は、バー30と、台32と、リップ部38と、吐出口44とブロック46とを備えて構成されている。
バー30はフィルムからアルカリ溶液を掻き取るものであり、台32に支持されている。リップ部38は台32との間に洗浄液の吐出口44を形成し、給液口から洗浄液を吐出させアルカリ溶液に塗布する。洗浄後の洗浄液は排出口45から排出される。
ポリマーフィルム12の下面には除去対象物であるアルカリ溶液13が塗布されており、このアルカリ溶液は洗浄液が塗布された後、バー30によって掻き取られる。
しかしながら、このような従来の洗浄装置では、洗浄が十分に成されず、その後の工程においてアルカリ鹸化が進行してしまい、その後に塗布する膜に悪影響を与えるという問題があった。
このような問題を解決するために、特許文献1には、前記ポリマーフィルムに過剰量の前記アルカリ溶液を塗布するアルカリ溶液塗布工程と、過剰量の前記アルカリ溶液をバーコータのバーで掻き落とす掻取工程と、を含み、前記バーコータ上流部には、前記ポリマーフィルム表面のアルカリ溶液を希釈するための希釈用溶液を溜める液溜り部が形成されているとともに、前記掻取工程では、アルカリ溶液が塗布されたポリマーフィルム表面を前記希釈用溶液に浸してバーコータのバーで掻き落とすことを特徴とするアルカリ鹸化ポリマーフィルムの製造方法が提案されている。
これにより、鹸化処理工程における洗浄効率を上げることで搬送速度を大きくしても、十分な洗浄を行うことができ、光学補償シートの表示品質を低下させないアルカリ鹸化処理方法及び装置を提供することができるとしている。
特開2009−197161号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているアルカリ鹸化ポリマーフィルムの製造方法では、洗浄時にエアを巻き込んでしまい、部分的に洗浄が不十分になるというエア同伴不良と、洗浄液がフィルムの反対側に回り込むという回り込み不良を解消することができず、特に、それらの不良の両方を同時に解消することは、全くできなかった。
本発明は、かかる実情に鑑み、エア同伴不良と回り込み不良の両方を同時に解消できる光学フィルムの製造方法と洗浄装置とを提供しようとするものである。
本発明の課題は、下記の各発明によって解決することができる。
即ち、本発明の光学フィルムの製造方法は、フィルムの表面にアルカリ溶液を塗布することによって前記フィルムを鹸化する鹸化工程と、前記鹸化工程の後、前記フィルムの面のうち前記アルカリ溶液が塗布された面であるアルカリ溶液塗布面に付着したアルカリ溶液を、前記フィルムを走行させながら除去する除去工程と、前記アルカリ溶液が除去された前記アルカリ溶液塗布面に光学機能層を製膜する製膜工程とを備え、前記除去工程では、前記アルカリ溶液塗布面に付着したアルカリ溶液を掻き取るための円筒状のバーと、前記バーよりもフィルムの走行方向上流側に配置された、前記アルカリ溶液を洗浄するための第1洗浄液を吐出するための吐出口と、前記吐出口よりもフィルムの走行方向上流側に配置された、前記フィルムのアルカリ溶液塗布面に対向して配置されたリップ面を有するリップ部とを備えた洗浄装置を用い、前記第1洗浄液が形成するビードが切れず、前記ビードにエアが巻き込まれるエア同伴が発生せず、前記第1洗浄液が、前記フィルムの面のうち前記アルカリ溶液塗布面とは反対側の面に回り込む裏回りが発生しないように、前記フィルムの走行方向の前記リップ面の長さであるリップ長さと、前記リップ面と水平方向とのなす角度であるリップ角度と、前記リップ面と前記フィルムとのクリアランスであるリップクリアランスとを調整して、前記吐出口から前記第1洗浄液を前記フィルムのアルカリ溶液塗布面に吐出し、前記バーによって前記アルカリ溶液塗布面に付着しているアルカリ溶液を除去することを主要な特徴にしている。
これにより、エア同伴不良と回り込み不良の両方を同時に解消することができる。
また、本発明の光学フィルムの製造方法は、前記洗浄装置よりもフィルムの走行方向の上流側で、前記アルカリ溶液塗布面に第2洗浄液を塗布する第2洗浄液塗布工程を更に備えることを主要な特徴にしている。
これにより、アルカリ溶液は第2洗浄液によって希釈され、更に第1洗浄液によって希釈されてかなり希薄になったところでバーによって掻き取られるので、極めて良く洗浄できる。
更に、本発明の洗浄装置は、フィルムの表面に塗布されたアルカリ溶液を、フィルムを走行させながら洗浄除去する洗浄装置であって、前記フィルムの面のうち前記アルカリ溶液が塗布された面であるアルカリ溶液塗布面に付着したアルカリ溶液を掻き取るための円筒状のバーと、前記バーよりもフィルムの走行方向上流側に配置された、前記アルカリ溶液を洗浄するための第1洗浄液を吐出するための吐出口と、前記吐出口よりもフィルムの走行方向上流側に配置された、前記フィルムのアルカリ溶液塗布面に対向して配置されたリップ面を有するリップ部とを備え、前記第1洗浄液が形成するビードが切れず、前記ビードにエアが巻き込まれるエア同伴が発生せず、前記第1洗浄液が、前記フィルムの面のうち前記アルカリ溶液塗布面とは反対側の面に回り込む裏回りが発生しないように、前記フィルムの走行方向の前記リップ面の長さであるリップ長さと、前記リップ面と水平方向とのなす角度であるリップ角度と、前記リップ面と前記フィルムとのクリアランスであるリップクリアランスとが調整されていることを主要な特徴にしている。
これにより、エア同伴不良と回り込み不良の両方を同時に解消することができる。
更にまた、本発明の洗浄装置は、前記リップ部よりもフィルムの走行方向の上流側で、前記アルカリ溶液塗布面に第2洗浄液を塗布するためのノズルを更に備えることを主要な特徴にしている。
これにより、アルカリ溶液は第2洗浄液によって希釈され、更に第1洗浄液によって希釈されてかなり希薄になったところでバーによって掻き取られるので、極めて良く洗浄できる。
エア同伴不良と回り込み不良の両方を同時に解消することができる。
アルカリ鹸化ポリマーフィルムの製造ラインを示す概略図である。 洗浄装置の概略図である。 ライン速度−リップ長さとエア同伴不良の関係を示す図である。 リップクリアランスを変動させたときのライン速度−リップ長さとエア同伴不良の関係を示す図である。 リップ角度を変動させたときのライン速度−リップ長さとエア同伴不良の関係を示す図である。 リップクリアランスを変化させたときのライン速度−粘度と裏回り不良の関係を示す図である。 従来の洗浄装置の概略図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本明細書中で、数値範囲を“ 〜 ”を用いて表す場合は、“ 〜 ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
<光学フィルムの製造プロセス>
本発明に係る光学フィルムの製造プロセスの一例について説明する。光学補償シートなどの光学フィルムを製造する製造プロセスは、セルロースエステルフィルム等のポリマーフィルムをアルカリ溶液によって鹸化することによって親水化するアルカリ鹸化工程と、親水化されたポリマーフィルムに接着層や配向膜を介して偏向膜や光学異方層等の光学機能層を形成する工程とを主に備えている。アルカリ鹸化によって、ポリマーフィルム表面を親水化することで、その後の工程で良好に接着層や配向膜をポリマーフィルム表面に製膜することができる。
このアルカリ鹸化工程(別の言い方をすればアルカリ鹸化ポリマーフィルムの製造プロセス)について図1を参照して説明する。図1は、アルカリ鹸化ポリマーフィルムの製造ラインを示す概略図である。
図1に示すように、ポリマーフィルム12は、複数のガイドロール14によって製造ライン10内を搬送される。ポリマーフィルム12は、先ず、ガイドロール14により加熱ロール16に搬送される。加熱ロール16は、搬送されてきたポリマーフィルム12を室温以上に加熱する。
次いでポリマーフィルム12は、アルカリ溶液塗布手段18に搬送され。アルカリ溶液塗布手段18は、搬送されたポリマーフィルム12に対して連続的にアルカリ溶液を吐出する。これにより、ポリマーフィルム12には、過剰なアルカリ溶液が塗布される。
ここで、アルカリ溶液塗布手段18としては、ダイコータ、ロールコータ、バーコータが好ましく利用できる。また、アルカリ溶液を塗布し、ポリマーフィルム12を鹸化処理したのち、アルカリ溶液をポリマーフィルム12から容易に洗い落とすために、アルカリ溶液はポリマーフィルム12の下面に塗布することが好ましい。
アルカリ溶液が塗布された後、ポリマーフィルム12は加熱手段20においてポリマーフィルム12の温度を室温以上に保たれる。加熱手段20の後にポリマーフィルム12は、洗浄装置24に搬送される。洗浄装置24は、搬送されてきたポリマーフィルム12に塗布されているアルカリ溶液の洗浄を行う。
<洗浄装置の構成>
次に、本発明に係る洗浄装置24の構成について図2を参照して説明する。図2は、洗浄装置の概略図である。図2に示すように、本発明に係る洗浄装置24は、ポリマーフィルム12下面に塗布されたアルカリ溶液13を掻き取るための円筒状のバー30と、バー30を支持するための台32と、第1洗浄液34を吐出するための吐出口36、44と、第1洗浄液をポリマーフィルム12の下面になじませるビード37を形成するためのリップ部38とを主に備えて構成される。
第1洗浄液34としては、例えば純水を使用することができる。リップ部38は、ポリマーフィルム12下面と所定のクリアランスで対向して配置されたリップ面39を備えている。
洗浄装置24は、リップ部38よりもポリマーフィルム12の搬送方向(図2の右方向が搬送方向)において上流側に第2洗浄液40をポリマーフィルム12下面に吐出するためのノズル42と、第1洗浄液34を排出するための排出口45を形成するためのブロック46とを更に備えても良い。
第2洗浄液としては、例えば、第1洗浄液と同様に純水を使用することができる。
<洗浄装置の作動>
次に、本発明に係る洗浄装置24の作動について図2を参照して説明する。ここで、本発明の説明として、洗浄対象物としてアルカリ溶液を例にとって、アルカリ溶液を洗浄するという表現で説明を進めてゆくが、洗浄対象物をアルカリ溶液に限定するものではなく、フィルムに付着したものならば本発明は何にでも適用可能である。
吐出口36から吐出された第1洗浄液34は、リップ部38のリップ面39(ポリマーフィルム12下面と対向する面)とポリマーフィルム12の下面とで挟まれた空間を満たし、リップ面39のポリマーフィルム12の搬送方向上流側の端部付近でビード37を形成する。
下面にアルカリ溶液が塗布されたポリマーフィルム12は、図の矢印方向に搬送される。ポリマーフィルム12下面のアルカリ溶液は、ビード37に接触し、第1洗浄液34で薄められ、バー30で掻き取られる。掻き取られたアルカリ溶液と洗浄後の洗浄液34は、排出口45から排出される。
ここで、ノズル42を設けた場合は、第2洗浄液はポリマーフィルム12下面に向かってノズル42から吐出される。ノズル42から吐出された第2洗浄液40は、ポリマーフィルム12下面に塗布されているアルカリ溶液を希釈する。
これにより、第2洗浄液40で希釈されたアルカリ溶液は、第1洗浄液34で更に希釈されてバー30によって掻き取られるので、アルカリ溶液の洗浄効率を更に向上させることができる。
ここで、従来の洗浄装置を使用した場合は、ノズル42を設けることができなかった。その理由は、ノズル42から吐出された第2洗浄液がポリマーフィルム12下面に付着すると、その付着した第2洗浄液がビード37に接触したとき、ビード37を不安定にして、ビード37の形状が崩されてしまう(ビードが切れるともいう)からである。このため、第1洗浄液34が不均一にポリマーフィルム12下面を覆い、洗浄ムラが発生することになる。
また、従来の洗浄装置では、洗浄液がポリマーフィルム12の上面に回り込む裏回りという現象が発生したり、ビード37内にエアが巻き込まれてエアがバー30に搬送されるエア同伴不良が発生したりするため、洗浄不良が発生するという問題があった。
本発明者の鋭意研究により、リップ部38のリップ面39の搬送方向長さであるリップ長さ、リップ面39とポリマーフィルム12とのクリアランス(以下、単にリップクリアランスと称する)、リップ面39と水平方向との角度であるリップ角度を、ポリマーフィルム12の搬送速度であるライン速度、アルカリ溶液の粘度(以下、単に粘度と称する)に基づいて調整することにより、ノズル42を設けて第2洗浄液を吐出してもビード37が壊されることなく、回り込みもエア同伴も発生させず、アルカリ溶液を良好に洗浄でき、バー30に被洗浄物を付着しないのでバー30のメンテナンス周期を長くすることができることを発見した。ここで、本発明において被洗浄物とは、洗浄によって除去されるべき汚れを意味する。
<評価>
リップ長さ、リップクリアランス、リップ角度、粘度という装置パラメーターと、エア同伴、ビードの安定性、裏回りという不良モードとの関係について評価した。
(1)ライン速度−リップ長とエア同伴との関係(リップクリアランス3mm)
リップクリアランスを3mmにして、ライン速度(m/min)とリップ長(mm)とを変化させたときのエア同伴不良の発生について評価を行った。エア同伴は、搬送されるフィルムに同伴される流体(アルカリ溶液、第2洗浄液)の持つ運動エネルギが、ビード37の持つ運動エネルギを上回ると、ビード37の気液界面が乱れ、エアをビード内に巻き込むことにより発生する。
裏回りは、ビード37内の液圧が高まると、サイドへ第1洗浄液34が流出し、それがポリマーフィルム12の端部からポリマーフィルム12の上面に伝わって裏回り不良になる。
評価結果を図3に示す。図3は、ライン速度−リップ長さとエア同伴不良の関係を示す図である。図3に示すライン100とライン102とで挟まれた領域は、リップクリアランス3mmの場合に、ビードが安定する領域であり、この領域のライン速度、リップ長さで洗浄することにより、エア同伴不良を発生させることなくアルカリ溶液の洗浄が可能になる。ライン100とライン102とで挟まれた領域以外の領域のライン速度、リップ長さで洗浄するとエア同伴不良が発生する。
(2)ライン速度−リップ長とエア同伴との関係(リップクリアランス2〜4mm)
次に、リップクリアランス2〜4mmにおいて、ライン速度(m/min)とリップ長(mm)とを変化させたときのエア同伴不良の発生について評価を行った。
評価結果を図4に示す。図4は、リップクリアランスを変動させたときのライン速度−リップ長さとエア同伴不良の関係を示す図である。図4において、ライン102とライン104とは、図3と同じく、リップクリアランスが3mmの時のラインである。
ライン106とライン108とはリップクリアランスが2mmの時のラインであり、このラインに挟まれた領域は、リップクリアランス2mmの場合に、ビードが安定する領域であり、この領域のライン速度、リップ長さで洗浄することにより、エア同伴不良を発生させることなくアルカリ溶液の洗浄が可能になる。リップクリアランスが2mmの場合において、ライン106とライン108とで挟まれた領域以外の領域のライン速度、リップ長さで洗浄するとエア同伴不良が発生する。
ライン110とライン112とはリップクリアランスが4mmの時のラインであり、このラインに挟まれた領域は、リップクリアランス4mmの場合に、ビードが安定する領域であり、この領域のライン速度、リップ長さで洗浄することにより、エア同伴不良を発生させることなくアルカリ溶液の洗浄が可能になる。リップクリアランスが4mmの場合において、ライン110とライン112とで挟まれた領域以外の領域のライン速度、リップ長さで洗浄するとエア同伴不良が発生する。
ここで、リップクリアランスが変動することにより、エア同伴不良領域が変化する理由は、リップクリアランスが狭くなると(2mm以下)、ビード37の気液界面部分での流速が上昇し、運動エネルギも増加するためエア同伴が発生し難くなる(エア同伴不良が発生する領域が狭くなる)からである。また、リップクリアランスが4mm以上になると、ビード37の気液界面部分での流速が低下し、運動エネルギも減少するためエア同伴が発生しやすくなる。
(3)ライン速度−リップ長とエア同伴との関係(リップ角度0度〜25度)
次に、リップ角度0度〜25度において、ライン速度(m/min)とリップ長(mm)とを変化させたときのエア同伴不良の発生について評価を行った。
評価結果を図5に示す。図5は、リップ角度を変動させたときのライン速度−リップ長さとエア同伴不良の関係を示す図である。図5において、ライン114とライン116とは、リップ角度が0度(水平面と平行)の時のラインである。
ライン118とライン120とはリップ角度が15度の時のラインであり、このラインに挟まれた領域は、リップ角度が15度の場合に、ビードが安定する領域であり、この領域のライン速度、リップ長さで洗浄することにより、エア同伴不良を発生させることなくアルカリ溶液の洗浄が可能になる。リップ角度が15度の場合において、ライン118とライン120とで挟まれた領域以外の領域のライン速度、リップ長さで洗浄するとエア同伴不良が発生する。
ライン122とライン124とはリップ角度が25度の時のラインであり、このラインに挟まれた領域は、リップ角度が25度の場合に、ビードが安定する領域であり、この領域のライン速度、リップ長さで洗浄することにより、エア同伴不良を発生させることなくアルカリ溶液の洗浄が可能になる。リップ角度が25度の場合において、ライン122とライン124とで挟まれた領域以外の領域のライン速度、リップ長さで洗浄するとエア同伴不良が発生する。
ここで、リップ角度が変動するとエア同伴不良領域が変化する理由は、リップ角度が大きくなると、ビード37内の乱流が強くなり、ビード37気液界面部分の流速の変動が大きくなるからである。この流速の変動により、局所的、瞬間的に流速が低下すると、運動エネルギ低下が起こり、エア同伴が発生しやすくなる(エア同伴不良領域が広がる)。
(4)ライン速度−粘度と裏回り不良との関係(リップクリアランス2mm〜4mm)
次に、リップクリアランス2mm〜4mmにおいて、ライン速度(m/min)と粘度(cP)とを変化させたときの裏回り不良の発生について評価を行った。
評価結果を図6に示す。図6は、リップクリアランスを変化させたときのライン速度−粘度と裏回り不良の関係を示す図である。図6において、ライン130とライン132と、ライン134とは、それぞれリップクリアランスが4mm、3mm、2mmの時のラインである。
それぞれラインより上側の領域は、裏回り不良が発生する領域であり、ラインより下の領域(ライン上も含む)は、裏回り不良が発生しない涼気である。このラインよりも下の領域(ライン上も含む)のライン速度、第1洗浄液34の粘度で洗浄することにより、裏回り不良を発生させず洗浄することが可能になる。
リップクリアランスが変化することにより裏回り不良の領域が変化する理由は、リップクリアランスが狭くなるとビード37の液圧が上昇し、第1洗浄液34がポリマーフィルム12のサイドに流出する量が増えるからである。そのため、裏回り不良の領域が広がることになる。
逆に、リップクリアランスが広くなると、ビード37の液圧が低下し、第1洗浄液34がポリマーフィルム12のサイドに流出する量が減少する。これにより、裏回り不良にならない領域が広がることになる。
以上説明したように、本発明者は、従来知られていなかったエア同伴不良のメカニズムと裏回り不良のメカニズムを明らかにした。これにより、リップクリアランスが広ければ裏回り不良は発生しにくいがエア同伴が発生しやすくなり、リップクリアランスが狭ければエア同伴は発生しにくいが裏回り不良が発生しやすくなるというとように、裏回り不良とエア同伴不良とはその発生を抑える方法がトレードオフの関係になることを発見した。
更に、本発明者は、それにもかかわらず、第1洗浄液の粘度、リップクリアランス、ライン速度、リップ長さ、リップ角度を調整することにより、裏回り不良とエア同伴不良とのどちらも発生させない条件が存在することを発見した。
上記において、アルカリ溶液を除去するための方法として説明したが、除去すべき洗浄対象物としてアルカリ溶液に限定するものではなく、フィルムの表面に付着したものならば、液体、固体を問わず本発明を適用することができる。
10…製造ライン、12…ポリマーフィルム、13…アルカリ溶液、14…ガイドロール、16…加熱ロール、18…アルカリ溶液塗布手段、20…加熱手段、24…洗浄装置、30…バー、32…台、34…洗浄液、36…吐出口、37…ビード、38…リップ部、39…リップ面、40…洗浄液、42…ノズル、44…吐出口、45…排出口、46…ブロック

Claims (4)

  1. フィルムの表面にアルカリ溶液を塗布することによって前記フィルムを鹸化する鹸化工程と、
    前記鹸化工程の後、前記フィルムの面のうち前記アルカリ溶液が塗布された面であるアルカリ溶液塗布面に付着したアルカリ溶液を、前記フィルムを走行させながら除去する除去工程と、
    前記アルカリ溶液が除去された前記アルカリ溶液塗布面に光学機能層を製膜する製膜工程とを備え、
    前記除去工程では、
    前記アルカリ溶液塗布面に付着したアルカリ溶液を掻き取るための円筒状のバーと、
    前記バーよりもフィルムの走行方向上流側に配置された、前記アルカリ溶液を洗浄するための第1洗浄液を吐出するための吐出口と、
    前記吐出口よりもフィルムの走行方向上流側に配置された、前記フィルムのアルカリ溶液塗布面に対向して配置されたリップ面を有するリップ部とを備えた洗浄装置を用い、
    前記第1洗浄液が形成するビードが切れず、
    前記ビードにエアが巻き込まれるエア同伴が発生せず、
    前記第1洗浄液が、前記フィルムの面のうち前記アルカリ溶液塗布面とは反対側の面に回り込む裏回りが発生しないように、
    前記フィルムの走行方向の前記リップ面の長さであるリップ長さと、
    前記リップ面と水平方向とのなす角度であるリップ角度と、
    前記リップ面と前記フィルムとのクリアランスであるリップクリアランスとを調整して、
    前記吐出口から前記第1洗浄液を前記フィルムのアルカリ溶液塗布面に吐出し、前記バーによって前記アルカリ溶液塗布面に付着しているアルカリ溶液を除去する光学フィルムの製造方法。
  2. 前記洗浄装置よりもフィルムの走行方向の上流側で、前記アルカリ溶液塗布面に第2洗浄液を塗布する第2洗浄液塗布工程を更に備える請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. フィルムの表面に塗布されたアルカリ溶液を、フィルムを走行させながら洗浄除去する洗浄装置であって、
    前記フィルムの面のうち前記アルカリ溶液が塗布された面であるアルカリ溶液塗布面に付着したアルカリ溶液を掻き取るための円筒状のバーと、
    前記バーよりもフィルムの走行方向上流側に配置された、前記アルカリ溶液を洗浄するための第1洗浄液を吐出するための吐出口と、
    前記吐出口よりもフィルムの走行方向上流側に配置された、前記フィルムのアルカリ溶液塗布面に対向して配置されたリップ面を有するリップ部とを備え、
    前記第1洗浄液が形成するビードが切れず、
    前記ビードにエアが巻き込まれるエア同伴が発生せず、
    前記第1洗浄液が、前記フィルムの面のうち前記アルカリ溶液塗布面とは反対側の面に回り込む裏回りが発生しないように、
    前記フィルムの走行方向の前記リップ面の長さであるリップ長さと、
    前記リップ面と水平方向とのなす角度であるリップ角度と、
    前記リップ面と前記フィルムとのクリアランスであるリップクリアランスとが調整されている洗浄装置。
  4. 前記リップ部よりもフィルムの走行方向の上流側で、前記アルカリ溶液塗布面に第2洗浄液を塗布するためのノズルを更に備える請求項3に記載の洗浄装置。
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