JP2009240971A - 金属帯への塗装装置および塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速で走行する金属帯に対して、塗布液の液膜の厚さが10μm以下の薄い塗膜を安定して形成することができる塗装装置とその装置を用いた塗布方法を提案する。
【解決手段】金属帯に接触して塗布液を塗布するアプリケータロールと、そのアプリケータロールに塗布液をカーテン状に押し出して供給するスリットダイと、アプリケータロールから金属帯に転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置とを備える塗装装置を用いて連続的に走行する金属帯に塗布液を塗布して塗膜を形成する塗装方法において、スリットダイから塗布液をカーテン状に押し出してアプリケータロールに供給し、さらにその塗布液をアプリケータロールから金属帯へ転写して塗布する。
【選択図】図5

Description

本発明は、連続して走行する金属帯に塗布液を塗布して塗膜を形成する塗装装置と、その装置を用いて金属帯へ塗膜を形成する塗装方法に関し、特に、塗装後の液膜の厚さが10μm以下の薄い塗膜を安定して形成することができる装置とその方法に関するものである。
従来から、連続して走行する鋼帯(鋼板)のような金属帯に耐食性や加工性、美観性、絶縁性等の高い機能を付与するため、その金属帯表面に各種の塗膜を形成させる塗装処理を施すことが行われている。この塗装処理には、ロールを用いた塗装装置(以降、「ロールコータ」ともいう)を用いるのが一般的であり、その装置としては、2本のロールを用いた2ロールコータあるいは3本のロールを用いた3ロールコータが広く用いられている。
中でも、3ロールコータは、塗布膜厚の制御性に優れていること、表面外観が比較的美麗な塗膜が得られることなどから、塗装装置の主流になっている。図1は、3ロールコータの模式図を示したものである。この3ロールコータは、塗布液3が満たされているコータパン2より塗布液を汲み上げるピックアップロール4と、上記ピックアップロールによって汲み上げられた塗布液の量を調整するミタリングロール(ドクターロール)5と、上記塗布液をピックアップロールから受け取り、それを金属帯1の表面に転写するアプリケータロール6から構成されている。
上記各ロールの回転方向には、ロール間の近接点あるいは密接点において、同方向に回転するナチュラル回転と、逆方向に回転するリバース回転とがあるが、リバース回転の方が、被塗布面の表面凹凸に沿った膜厚が均一な塗膜面が得られやすいことから、被塗布材の凹凸に沿って膜厚を均一化したい場合には、特に、アプリケータロールの回転方向を、金属帯の走行方向に対してリバース回転とする場合が多い。また、アプリケータロールには、金属帯表面に傷を付けないため、鋼ロールにゴムをライニングしたゴムロールが多く用いられている。
また、ロールコータによる塗装方法以外の方法としては、図2や図3のように、スリットダイ10から金属帯1に直接、塗布液3を押し出す方法(ダイコーティング法、エクストルージョンコーティング法:特許文献1参照)や、図4のように、スリットダイ10から塗布液を平滑面13に押し出し、その塗布液をカーテン状に流下させて金属帯に塗布する方法(カーテンフローコーティング法)等が提案されている(特許文献2参照)。
特開平07−171471号公報 特開平06−226196号公報
しかしながら、図1に示したようなロールコータを用いる塗装方法は、塗布液をピックアップロールで汲み上げたときの塗布液の厚みが幅方向で不均一となったり、コータパンに溜められた塗布液面のさざ波やうねりなどによって、塗膜に筋状や斑点状の模様が発生したりするため均一塗布は難しい。特に、ライン速度(塗装速度)が100mpmを超えるような高速塗装を行う場合には、その傾向が強くなる。
さらに、ロールコータで発生する代表的な塗膜欠陥として、ロール周方向の筋模様が金属帯に転写されて膜厚ムラとなり、外観劣化を引き起こす「ローピング」がある。このローピングの発生は、主に各ロールの周速、押付圧力、塗布液の物性値(粘度、表面張力等)に依存するが、塗布液の粘度が高いほど、また、ロール周速が速いほど発生しやすい。特に、100mpmを超えるような高速塗装では、金属帯の走行速度に合わせてアプリケータロールの周速を速くする必要があり、必然的に他のロールの周速も速くなるため、ローピングの発生は避け難くなる。
一方、図2や図3に示したようなスリットダイを用いて直接金属帯に塗装する方法では、金属帯が硬いことに加えて、板厚や形状、表面粗さが変動することから、ダイの吐出口と金属帯との間の距離を、ミクロン単位で精密に制御することは難しい。その結果、塗装速度が100mpmを超えるような高速塗装を行う場合には、塗布液の液膜の厚さを10μm以下に制御することは困難であった。
また、図4に示したような、ダイから押し出した塗布液を一旦平滑板に受け、それを金属帯にカーテン状にして流下させるカーテンフローコーティング法は、塗布液が流下するときの液流が不安定になって塗布後の塗布液の厚みが不均一となり、その結果、斑点状や筋状の模様の発生を避けられなかった。この傾向は、やはり、塗装速度が速いほど顕著となる。また、金属帯へ塗布する塗布液の膜厚を薄くしようとすると、塗膜のかすれが発生し易いという問題もあった。
そこで、本発明の目的は、従来技術が抱える上記問題点を解決し、高速で走行する金属帯に対して、塗布液の液膜の厚さが10μm以下、さらには5μm以下の薄い塗膜を安定して形成することができる塗装装置とその装置を用いた塗布方法を提案することにある。
上記課題を解決する本発明は、連続的に走行する金属帯に塗布液を塗布して塗膜を形成する塗装装置において、金属帯に接触して塗布液を塗布するアプリケータロールと、そのアプリケータロールに塗布液をカーテン状に押し出して供給するスリットダイと、アプリケータロールから金属帯に転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置とを備えてなることを特徴とする塗装装置である。
上記塗装装置は、上記スリットダイとアプリケータロールの間に、スリットダイから供給された塗布液をアプリケータロールに転写する1本以上の中間ロールを配設することが好ましく、さらに、当該中間ロールには転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置を備えてなることが好ましい。
また、本発明は、上記の塗装装置を用いて連続的に走行する金属帯に塗布液を塗布して塗膜を形成する塗装方法において、スリットダイから塗布液をカーテン状に押し出してアプリケータロールに供給し、さらにその塗布液をアプリケータロールから金属帯へ転写して塗布することを特徴とする塗装方法を提案する。
また、本発明は、上記の塗装装置を用いて連続的に走行する金属帯に塗布液を塗布して塗膜を形成する塗装方法において、スリットダイから塗布液をカーテン状に押し出して中間ロールに供給し、その塗布液を中間ロールからアプリケータロールに転写し、さらにその塗布液をアプリケータロールから金属帯へ転写して塗布することを特徴とする塗装方法を提案する。
本発明の塗装方法は、金属帯の走行方向とアプリケータロールの回転方向を逆向きにすることが好ましい。
また、本発明の塗装方法は、アプリケータロールと中間ロールの回転方向および中間ロールと中間ロールの回転方向をそれぞれ逆向きにすることが好ましい。
また、本発明の塗装方法は、アプリケータロールの周速を、金属帯の走行速度の1.4倍以下とすることが好ましい。
本発明によれば、100mpmを超える高速塗装においても、塗布液の液膜の厚さが10μm以下でかつ均一で塗布欠陥のない塗膜を金属帯表面に安定して形成することが可能となる。
本発明の第一の実施形態に係る塗装装置は、連続的に走行する金属帯に塗布液を塗布して塗膜を形成する塗装装置において、金属帯に接触して塗布液を転写するアプリケータロールと、そのアプリケータロールに塗布液をカーテン状に押し出して塗布するスリット状のダイを備えたことを特徴とするものである。
図5は、上記塗装装置を模式的に示したものであり、連続して走行する金属帯の片面に塗布液3を転写するアプリケータロール6と、そのアプリケータロール6に塗布液3を供給するスリットダイ10と、アプリケータロール6の表面に金属帯に転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置(ブレード)7で構成されている。
上記スリットダイは、図5の点Bにおいて、金属帯の幅方向に均等な液膜を、平滑な表面を有するアプリケータロールに、均一に供給することができる。さらに、アプリケータロールの表面粗さや平滑度を調整することで、スリットダイの吐出口とアプリケータロールとの間の距離を、近接してミクロン単位で精密に制御できるので、薄く均一な液膜の供給が可能である。
また、上記塗装装置におけるアプリケータロール6は、金属帯1への塗布液3の転写を安定して行うため、その回転方向を金属帯の走行方向とは逆のリバース回転とするのが好ましい。リバース回転とすることで、ナチュラル回転と比べて、被塗布面の凹凸に沿って膜厚が均一で外観ムラのない塗膜形成が可能となる。
また、上記アプリケータロールは、被塗装物が鋼板等のように硬い金属帯の場合には、ロール表面にゴムをライニングしたゴムロールを用いるのが好ましい。ゴムロールであれば、スリットダイから塗布液を受け取る際には表面が平滑な状態であり、一方、金属帯に塗布液を転写する際には、金属帯の厚みや形状(耳波や中伸)のばらつきによって不可避的に起こるアプリケータロールと金属帯との間の距離の変動にも対応できるため、アプリケータロールから金属帯への塗布液の転写を安定して行うことができる。さらに、ゴムロールであれば、表面粗さが粗い、例えば、算術平均粗さRaが1〜5μm程度の金属帯でも、塗布液を均一に塗布することができるからである。
なお、アプリケータロールから金属帯に転写されずに残った塗布液は、次の回転時にスリットダイからアプリケータロールへの塗布液の供給を妨げるおそれがある。そこで、本発明の塗装装置には、アプリケータロールから転写されずに残った塗布液を除去するブレードのような掻取装置を設ける。
なお、図5では、アプリケータロール6から金属帯1への塗布液の塗布(転写)は、バックアップロール8に巻き付けた状態で行っているが、金属帯を挟んで両面にロールコータを配設し、両面同時に塗布することにより、バックアップロールを無くしてもよい。
ところで、ロールコータで発生する代表的な塗膜欠陥に、前述したローピングと呼ばれるロールの周方向の膜厚ムラがある。このローピングは、塗布液の粘度が高いほど、また、ロール周速が速いほど発生しやすい。特に、100mpmを超えるような高速塗装を行う場合、3ロールコータでのローピングは、ミタリングロールとピックアップロール間、および、ピックアップロールとアプリケータロール間で発生している可能性が高い。しかし、本発明の塗装装置は、スリットダイから直接アプリケータロールに塗布液を供給しているため、ピックアップロールに起因したローピングが発生することはない。
次に、本発明も第二の実施形態に係る塗装装置は、連続的に走行する金属帯に塗布液を塗布して塗膜を形成する塗装装置において、金属帯に接触して塗布液を転写するアプリケータロールと、そのアプリケータロールに塗布液を転写する1本以上の中間ロールと、その中間ロールの最初のロールに塗布液をカーテン状に押し出して供給するスリット状のダイを備えてなることを特徴とする。
図6は、上記塗装装置を模式的に示したものであり、バックアップロール8で支持された連続して走行する金属帯1の幅方向に均等な液膜を供給可能なスリットダイ10とアプリケータロール6の間に2本の中間ロール12を配設したもので、上記スリットダイ10は、図6の点Bにおいて第1の中間ロール(12−1)に塗布液3を供給し、その第1の中間ロールは、点Cにおいて第2の中間ロール(12−2)に供給された塗布液を転写し、次いで第2の中間ロールは、点Dにおいてアプリケータロール6へ塗布液を転写し、さらにアプリケータロール6は、点Aにおいて金属帯表面へ塗布液を転写し、金属帯への塗装が行われる。なお、上記各中間ロールには、アプリケータロールと同様、転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置(ブレード7´)を設置することが好ましい。
上記中間ロールは、スリットダイとの間の距離を近接かつ精密に制御する観点から、表面粗さが小さい平滑な表面を有する金属ロールであることが好ましい。
また、図6の塗装装置では、第1の中間ロールと第2の中間ロール、第2の中間ロールとアプリケータロールおよびアプリケータロールと金属帯は、それぞれ点C,DおよびAで近接しており、このときの回転方向はいずれの点でもリバース回転となっている。リバース回転の方が、塗布後の液膜が均一で、外観上ムラのない塗膜形成を安定して得られやすいからである。もちろん、ナチュラル回転としてもよい。
なお、中間ロールは、図6のように、2本である必要はなく、1本または3本以上としてもよい。ただし、本数が多いほど、高速で薄い塗膜を安定して形成することができるので、好ましくは2本以上である。
次に、アプリケータロールの材質は、図5に示した装置と同様の理由から、ゴムをライニングしたゴムロールを用いることが好ましい。さらに、転写されずに残った塗布液をロール表面から除去する掻取装置は、アプリケータロールだけでなく、中間ロールにも設けることが好ましい。次のロールや金属帯に塗布されなかった余分の塗布液は、次の回転時の塗膜供給を妨げるおそれがあるからである。
また、図6では、アプリケータロール6から金属帯1への塗布液の転写は、バックアップロール8に巻き付けた状態で行っているが、金属帯を挟んで両面にロールコータを配設し、両面同時塗布することにより、バックアップロールを無くすことも可能である。
また、本発明の装置における第1の中間ロールからアプリケータロールまでの各ロールの周速は、上記順で順次速くなるように設定することが好ましい。ロール周速を順次増速することで、転写される毎に、ロール表面の液膜の厚みが薄くなるので、極薄の塗膜を形成するのに好都合であるからである。
図6に示した本発明の塗装装置を用いることにより、従来技術では限界とされていた、100mpmを超えるライン速度でも、従来よりも薄い、例えば、液膜の状態で5μm以下の塗膜を、塗膜欠陥の発生を伴うことなく安定して形成することが可能となる。
次に、上記塗装装置を用いて、連続的に走行する金属帯に塗布液を塗布して極薄の塗膜を形成する本発明の塗装方法は、スリットダイから塗布液をカーテン状に押し出してアプリケータロールに供給し、あるいは、スリットダイから塗布液をカーテン状に押し出して一旦中間ロールに供給し、その塗布液を中間ロールからアプリケータロールに転写し、さらにその塗布液をアプリケータロールから金属帯へ転写して塗布することを特徴とするものである。
上記塗装方法において、塗装後の液膜の厚さが10μm以下の塗膜を効率的に形成するには、アプリケータロールの周速を、金属帯の走行速度に対して1.4倍以下とすることが好ましい。アプリケータロール周速が金属帯の走行速度の1.4倍を超えると、各ロール間あるいは金属帯とアプリケータロール間の塗布液の液溜りが振動を起こしやすく、塗布ムラを起こしやすくなるためである。
なお、上記塗装に用いる塗布液は、通常公知のものであればよく、特に制限はないが、均一塗布の観点からは、室温における表面張力が25〜50dyn/cm、粘度が1mPa・s以上が好ましい。表面張力が25dyn/cm未満とするためには、界面活性剤を多量に添加する必要がある場合が多く、気泡の発生が顕著となることがある。一方、50dyn/cmを超えると、濡れ性の悪化により、筋状の欠陥が発生しやすくなる。また、粘度が1mPa・s未満では、空気同伴の発生が顕著となる。塗布液の濃度は、塗布したい膜厚に応じて適宜調整すればよいが、1vol%以上とするのが好ましい。さらに、固形分濃度が1vol%未満では、薬液の希釈により濡れ性が悪化し、筋状の欠陥が発生しやすくなる。
以上説明したように、図5および図6に示した本発明の塗装装置を用いて、本発明の方法で塗装を行なうことにより、100mpmを超える高速塗装でも、従来技術では限界とされていた、塗装後の液膜の厚さが10μm以下、さらには5μm以下の薄塗膜を、欠陥の発生を伴うことなく安定して形成することが可能となる。
図5に示した塗装装置を用いて、ライン速度145mpmで、板厚:0.6mm×板幅:1200mmの冷延鋼帯に、塗装直後の液体状態で3μmの厚さに塗布液を塗布する実験を行った。塗装条件は、以下のように設定した。
塗布液には、液温20℃における粘度が3mPa・sで、表面張力が40dyn/cm、固形分濃度が5vol%のリン酸系水性塗料(乾燥後比重:1.2)を適宜水で希釈して用いた。
上記塗布液のアプリケータロールへの供給は、吐出口として鋼帯幅方向に均等幅のスリットを設けたスリットダイから、塗布液をアプリケータロールの表面へ幅方向で均等に押し出すことによって行った。この際、スリットダイとアプリケータロールとの間の距離は6μmに設定し、アプリケータロール表面における塗布液の厚さは2μmとなるよう塗布液の供給量を調整した。
また、鋼帯に塗布液を塗布する際のアプリケータロールの周速は、鋼帯の走行速度(ライン速度)145mpmに対し、1.38倍の200mpmとし、両者は、図5のA点で近接している。なお、鋼帯の走行方向とアプリケータロールの回転方向は、逆向きのリバース回転とした。また、アプリケータロールから鋼帯に転写されなかった塗布液は、アプリケータロールに設置されたブレードで掻き落とした。
上記塗装条件で冷延鋼帯の表面に塗装を施し、塗装設備の下流で、塗装直後の液体状態における塗布液膜の厚さを、フィルター式赤外吸収方式の赤外線膜厚計を用いて膜厚を測定すると共に、塗膜面の外観品質を目視にて調査した。
その結果、塗布液の膜厚は、目標どおり3μmの液膜が形成されていることが確認された。また、塗膜品質も、液膜厚が金属帯の幅方向、長手方向に均一で、かすれ(擦れ)や筋状、斑点状のムラの発生は確認されなかった。また、従来のロールコータで発生していたピックアップロールに起因する液膜厚みの不均一やローピングの発生もなかった。さらに、アプリケータロール表面の転写残りの塗布液の液溜まりの発生もなかった。
以上の結果から、図5に示した本発明の塗装設備を用いることにより、100mpmを超える高速でも、膜厚が10μm以下の3μmと薄くかつ均一で、外観欠陥のない塗膜を形成することができることがわかった。
図6に示した塗装装置を用いて、ライン速度(鋼板走行速度)200mpmで、板厚:0.6mm×板幅:1200mmの冷延鋼帯に、塗装直後の液体状態で5μmの厚さに塗布液を塗布する実験を行った。塗装条件は、以下のように設定した。
塗布液には、実施例1で用いたリン酸系水性塗料を適宜水で希釈して用いた。
上記塗布液の第1の中間ロールへ(図6の12−1)の供給は、実施例1と同様、吐出口として鋼帯幅方向に均等幅のスリットを設けたスリットダイから、塗布液をロール表面へ幅方向で均等に押し出すことによって行った。この際、スリットダイと中間ロールとの間の距離は30μmに設定した。
スリットダイから第1の中間ロールに供給された塗布液は、その後、第2の中間ロールに転写され、さらにアプリケータロールに転写されて、最終的に鋼帯に転写されることにより塗装が行われるが、この際の第1の中間ロール、第2の中間ロールおよびアプリケータロール上の塗布液の膜厚は、それぞれ10μm、8μmおよび7μmとなるよう設定した。
また、第1の中間ロール、第2の中間ロールおよびアプリケータロールの周速は、鋼板の走行速度200mpmに対し、それぞれ340mpm、280mpm、240mpm(鋼板速度の1.2倍)に設定し、また、各ロールの回転方向は、図6に矢印で図示したように時計周り、すなわち、図6に示した近接点C,DおよびAにおいては、リバース回転となるようにした。
また、交接店点C,DおよびAをすり抜けた中間ロールおよびアプリケータロール表面の塗布液は、それぞれのロールに設けたブレード7および7´で掻き落とした。
上記条件で塗布した鋼帯表面の塗膜品質を、実施例1と同様にして調査した。
その結果、鋼帯表面上の塗布液の液膜は、目標どおり5μmとなっていることが確認された。また、上記鋼帯の塗膜品質は、液膜の厚みが鋼帯の幅方向、長手方向に均一で、かすれや筋状、斑点状のムラの発生は認められなかった。また、従来のロールコータで発生していたピックアップロールに起因する液膜厚みの不均一やローピングの発生もなかった。さらに、各ロール表面の転写残りの塗布液に起因する塗布液の液溜りの発生も認められなかった。
以上の結果から、図6に示した本発明の塗装装置を用いることにより、金属帯の走行速度が200mpmという高速塗装を行っても、液膜が5μmと薄く均一で、しかも塗膜欠陥のない薄膜塗装が実現できることが確認された。
図5および図6に示した本発明に係る塗装装置と、図1に示した従来技術の3ロールコータとを用いて、表1に示した条件で、実施例1と同じ冷延鋼板に塗布を行い、上記実施例1と同様にして塗膜膜厚および外観品質を調査した。その結果を表1中に併記したが、本発明の塗装装置を用いることにより、従来装置より優れた外観品質の塗布鋼板が得られることがわかる。
Figure 2009240971
本発明の実施例では、塗布する基材として冷延鋼板を用いた例を紹介したが、本発明の対象は、特に鋼板に限定されることなく、アルミニウム等の他の金属板にも適用することができる。
従来の3ロールコータを説明する模式図である。 従来のダイコータを説明する模式図である。 従来のダイコータを説明する模式図である。 従来のダイコータを説明する模式図である。 本発明の塗装装置を説明する模式図である。 他の本発明の塗装装置を説明する模式図である。
符号の説明
1:金属帯(鋼帯)
2:コータパン
3:塗布液
4:ピックアップロール
5:ミタリングロール(ドクターロール)
6:アプリケータロール
7、7´:掻取装置(ブレード)
8:バックアップロール
9:塗膜(液膜)
10:スリットダイ
11:平滑板
12:中間ロール(12−1:第1の中間ロール、12−2:第2の中間ロール)

Claims (8)

  1. 連続的に走行する金属帯に塗布液を塗布して塗膜を形成する塗装装置において、金属帯に接触して塗布液を塗布するアプリケータロールと、そのアプリケータロールに塗布液をカーテン状に押し出して供給するスリットダイと、アプリケータロールから金属帯に転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置とを備えてなることを特徴とする塗装装置。
  2. 上記スリットダイとアプリケータロールの間に、スリットダイから供給された塗布液をアプリケータロールに転写する1本以上の中間ロールを配設してなることを特徴とする請求項1に記載の塗装装置。
  3. 上記スリットダイとアプリケータロールの間に、スリットダイから供給された塗布液をアプリケータロールに転写する1本以上の中間ロールを配設し、当該中間ロールには転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の塗装装置。
  4. 請求項1に記載の塗装装置を用いて連続的に走行する金属帯に塗布液を塗布して塗膜を形成する塗装方法において、スリットダイから塗布液をカーテン状に押し出してアプリケータロールに供給し、さらにその塗布液をアプリケータロールから金属帯へ転写して塗布することを特徴とする塗装方法。
  5. 請求項2または3に記載の塗装装置を用いて連続的に走行する金属帯に塗布液を塗布して塗膜を形成する塗装方法において、スリットダイから塗布液をカーテン状に押し出して中間ロールに供給し、その塗布液を中間ロールからアプリケータロールに転写し、さらにその塗布液をアプリケータロールから金属帯へ転写して塗布することを特徴とする塗装方法。
  6. 金属帯の走行方向とアプリケータロールの回転方向を逆向きにすることを特徴とする請求項4または5に記載の塗装方法。
  7. アプリケータロールと中間ロールの回転方向および中間ロールと中間ロールの回転方向をそれぞれ逆向きにすることを特徴とする請求項5または6に記載の塗装方法。
  8. アプリケータロールの周速を、金属帯の走行速度の1.4倍以下とすることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の塗装方法。
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