JPH04131459U - ロールコータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートに塗布する塗液の塗膜厚を幅方向に均
一とし、且つ塗液の供給量を最小限とすると共に、気泡
の発生を防止する。 【構成】 シート１を移動させるバッキングロール２
と、塗液４を受け取り塗液４をバッキングロール２に巻
掛けられたシート１に塗布するカラーロール１１と、カ
ラーロール１１との間にギャップ２１を形成しギャップ
２１によりシート１に塗布する塗液４の厚さを調整する
メータリングロール６とを備えると共に、更にカラーロ
ール１１の上方位置に、カラーロール１１にスリットを
介してカーテン状に塗液４を塗布するカーテン式アプリ
ケータ１２を配設したロールコータとし、カーテン式ア
プリケータ１２によりカラーロール１１の幅方向に塗液
４を均一に塗布し、カラーロール１１に塗布された塗液
４をカラーロール１１とメータリングロール６との間の
ギャップ２１によって最終的な塗膜厚に調整する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はロールコータに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

紙、布、フィルム等のシートに、粘着剤や磁気テープ用塗布剤、或いは粘度の 高い塗料等の塗液を比較的薄く均一に塗布する場合に、図３及び図４に示すよう なリバース式のロールコータが使用されている。図３において、シート１はバッ キングロール２の回転によって右方に移動しており、バッキングロール２の下側 ではアプリケータロール３がシート１の下面に当接しながら回転するようになっ ていて、アプリケータロール３の下側には塗液４が複数のノズル５により吹付け られる。アプリケータロール３と平行にメータリングロール６が設けてあって、 アプリケータロール３に吹付けられた塗液４は、アプリケータロール３とメータ リングロール６との間のギャップ７の寸法に等しい厚さに調整され、アプリケー タロール３からシート１の下面に塗布される。メータリングロール６に付着した 余分な塗料は、ナイフ８によってメータリングロール６から掻き落されるように なっている。又、図４の場合はアプリケータロール３に塗液４を吹付けることに 代えてパン９内の塗液４にアプリケータロール３に接するピックアップロール１ ０の下部を浸して供給するようにしている。シート１に塗布される塗液４の厚さ は、アプリケータロール３とメータリングロール６との間のギャップ７の寸法に よって決まるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、図３に示す如き、ノズル５によってアプリケータロール３に塗 液４を吹付けて塗布する方式では、ノズル５とアプリケータロール３間の隙間の バラツキを均一とすることが難しいためアプリケータロール３の塗布面に均一な 塗膜厚を得ることが困難であり、更にノズル５によって吹付けているので、吹付 圧力の変化によって塗液４の塗布量に変化が生じて塗膜厚にムラが生じ、均一な 塗膜厚を得ることが困難である。又、ノズル５とアプリケータロール３との隙間 は狭く（５０〜５００μｍ）調整が難しい。

【０００４】 このために、上記塗膜厚のムラを考慮して、多目の塗液４をノズル５により塗 布し、メータリングロール６において余分な塗液４を掻き取るようにして最終的 な塗膜厚を決定するようにしているが、塗布量のムラが大きいとその塗布量のム ラがギャップ７により決定された塗膜厚に影響を与えて塗膜厚ムラを発生させる ことになり、品質に悪影響を及ぼすという問題がある。

【０００５】 更に、上述した如く所要量以上に多目の塗液４を使用するために、塗液４のコ ストが増加し、経済的でないという問題がある。

【０００６】 又、図４に示す場合も、ピックアップロール１０はパン９内に浸っているので アプリケータロール３に塗布する塗膜厚の調整が困難であり、そのために所要量 以上の多目の塗液４を塗布する必要があると共に、均一な塗液４の塗布を行うこ とが困難で、図３の場合に述べたと同様の問題を有している。

【０００７】 更に、図４に示す場合、ピックアップロール１０がパン９内の塗液４を採取す る時にパン９内の塗液４を攪拌してしまうために塗液４に空気が混入してしまい 、その結果シート１に塗液４を塗布した際に塗布面に気泡が発生してシート１の 品質に悪影響を及ぼすという問題点を有している。

【０００８】 本考案は斯かる実情に鑑みてなしたもので、シートに塗布する塗液の供給を最 小限とすると共に気泡の発生を防止し、且つ塗液の塗膜厚を高い精度で均一とす ることのできるロールコータを提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案はシートを巻掛けて移動させるバッキングロールと、塗液を受け取り該 塗液を前記バッキングロールに巻掛けられた前記シートに塗布するカラーロール と、該カラーロールとの間にギャップを形成し該ギャップにより前記シートに塗 布する前記塗液の厚さを調整するメータリングロールとを備えてなるロールコー タであって、前記カラーロールの上方位置に、該カラーロールにカーテン状に前 記塗液を塗布するカーテン式アプリケータを配設したことを特徴とするロールコ ータにかかるものである。

【００１０】

【作用】

カーテン式アプリケータにより幅方向に均一膜厚に調整されたカーテン膜によ る液をカラーロール上に塗布する。このとき前記カーテン式アプリケータによる カーテン膜の膜厚が精度よく調整されているので、メータリングロールによる余 分な塗液の除去量が最小となり又発泡も防止される。

【００１１】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

【００１２】 図１は本考案の一実施例であり、図中１はシートを示しており、２はシート１ を巻掛けて移動させるバッキングロールであり、該バッキングロール２の下方位 置には前記シート１に当接し、且つシート１に当接する位置においてバッキング ロール２を逆方向へ回転するカラーロール１１が配設されている。該カラーロー ル１１の上方位置には該カラーロール１１に塗液４をカーテン膜２４状に塗布す るカーテン式アプリケータ１２が配設されており、更にカラーロール１１はカー テン式アプリケータ１２から受け取った塗液４をバッキングロール２に巻掛けら れているシート１に当接してシート１に塗布するようになっている。

【００１３】 前記カーテン式アプリケータ１２は例えば図２に示すように、回転するカラー ロール１１の上方に、該カラーロール１１に自然落下（又は噴出）により塗液４ を塗布し得る給液ヘッド１３を配設しており、該給液ヘッド１３は、フレーム等 （図示せず）に固設された上部支持部材１４から下垂すると共にカラーロール１ １幅方向に該カラーロール１１幅と略同じ長さで延び且つカラーロール１１の回 転方向で前部と後部とに分れ内部に塗液４を供給するヘッダー１５を形成し得る 様にした前部ヘッド部１６及び後部ヘッド部１７と、前部ヘッド部１６の下部に ボルト等のスリット部調整機構１８を介して取り付けられ後部ヘッド部１７との 間でカラーロール１１幅方向に該カラーロール１１幅と略同じ長さで延び前記ヘ ッダー１５と連通するスリット１９を形成するリップ２０とを備えている。

【００１４】 又、前記カラーロール１１の下方位置には、該カラーロール１１との間にギャ ップ２１を形成し、該ギャップ２１により前記シート１に塗布する塗液４の厚さ を調整するメータリングロール６が配設されている。

【００１５】 尚、図中２２はメータリングロール６に付着した余分な塗液４を掻き落すナイ フであり、２３はナイフ２２によって掻き落された塗液４を貯めるパンを示す。

【００１６】 カーテン式アプリケータ１２の給液ヘッド１３のヘッダー１５からスリット１ ９を介して塗液４を回転するカラーロール１１に向けて自然落下（又は噴出）さ せ、これにより形成されるカーテン膜２４によってカラーロール１１上面に塗膜 を形成する。

【００１７】 このとき、カーテン式アプリケータ１２においては、塗液４をカラーロール１ １の幅方向に均一に塗布することができる。即ち、予めスリット１９間隔をスリ ット部調整機構１８により正確に調整しておき、その後一定量の塗液４を供給し た状態においてカーテン膜２４の幅方向の塗液４の単位幅当りの流量を計測し、 その計測値に基づいて前記スリット部調整機構１８によりスリット１９の間隔を 微調整することにより、全幅均一な流量のカーテン膜２４を形成して塗布するこ とができる。

【００１８】 従って、カラーロール１１には必要最小限の塗液４を塗布することができる。

【００１９】 前記カラーロール１１に全幅にわたって均一な塗膜厚で形成された塗液４は、 カラーロール１１とメータリングロール６との間のギャップ２１の寸法と等しい 厚さに調整されて最終的な塗膜厚となり、カラーロール１１からバッキングロー ル２に巻掛けられているシート１の一側面に塗布される。

【００２０】 このとき、前記カーテン式アプリケータ１２によりカラーロール１１に塗布さ れる塗膜厚が幅方向に均一となるため、メータリングロール６とのギャップ２１ により決定されてシート１に塗布される塗液４の膜厚が幅方向に均一となり、又 、カラーロール１１に供給する塗液４の流量を必要最小限としてメータリングロ ール６により掻き取る量を最小限にすることができるので、塗液４の使用量を節 約することができ、又塗液４に気泡を生じさせるようなことも防止できる。

【００２１】 尚、本考案のロールコータは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、 本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である 。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案のロールコータによれば、下記の如き種々の優れた 効果を奏し得る。

【００２３】 （Ｉ）カーテン式アプリケータによりカラーロールの全幅にわたって高い精度 で塗液を均一に塗布することができるので、メータリングロールによる膜厚決定 後の塗液の厚さを幅方向に一定に保持することができ、シートの品質を向上させ ることができる。

【００２４】 （ＩＩ）塗液を必要最小限供給するだけで、上述した如く高い精度の均一な塗 膜厚を得ることができるので、塗液にかかる費用を減少することができ経済的で ある。

【００２５】 （ＩＩＩ）塗液をカーテン式アプリケータによってカラーロールの上方からカ ラーロールに対して自然落下（又は噴出）させて塗布するようにしているので、 空気が塗液に混入して気泡が発生することがないので、気泡によってシートの品 質が低下するようなことがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の側面図である。

【図２】カーテン式アプリケータの一例を示す断面図で
ある。

【図３】従来のロールコータの一例を示す側面図であ
る。

【図４】従来のロールコータの他の例を示す側面図であ
る。

【符号の説明】

１ シート ２ バッキングロール ４ 塗液 ６ メータリングロール １１ カラーロール １２ カーテン式アプリケータ １９ スリット ２１ ギャップ ２４ カーテン膜

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートを巻掛けて移動させるバッキング
   ロールと、塗液を受け取り該塗液を前記バッキングロー
   ルに巻掛けられた前記シートに塗布するカラーロール
   と、該カラーロールとの間にギャップを形成し該ギャッ
   プにより前記シートに塗布する前記塗液の厚さを調整す
   るメータリングロールとを備えてなるロールコータであ
   って、前記カラーロールの上方位置に、該カラーロール
   にカーテン状に前記塗液を塗布するカーテン式アプリケ
   ータを配設したことを特徴とするロールコータ。