JP5396729B2 - ロール塗布方法およびロール塗布装置 - Google Patents

ロール塗布方法およびロール塗布装置 Download PDF

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Description

本発明は、ロール塗布装置を用いて連続的に走行する基材に塗布液を塗布するロール塗布方法およびロール塗布装置に関する。
従来、連続して走行する基材、例えば鋼板に、耐食性、加工性、美観性、絶縁性等の性能を付与するために各種の塗膜を基材表面上に形成させる処理を行っている。この処理方法としては、ロールコーターが一般的に用いられており、ロールを2本用いる2ロールコーター、あるいは3本のロールを用いる3ロールコーターが広く使用されている。特に、3ロールコーターは塗布膜厚の制御性に優れることと、表面外観が比較的美麗であることから、主流のコーティング方式になっている。
図4に、従来技術に係るプレコーターを有していない3ロールコーターであるロール塗布装置の構成の一例を示す。この3ロールコーターは、塗布液が満たされているコーターパン2より塗布液3をくみ上げるピックアップロール4と、ピックアップロール4によりくみ上げられた塗布液の量を調整するミタリングロール5と、液量が調整された塗布液をピックアップロール4から鋼帯1に転写するアプリケーターロール6とにより構成されている。
各ロールの回転方向は、ロール間の近接点、あるいは接触点において同方向に回転するナチュラル回転の場合と、逆方向に回転するリバース回転の場合がある。一般的には、リバース回転の方が鋼板の表面凹凸に沿った膜厚均一な塗膜面が得られやすいということから、基材表面に凹凸があり、表面凹凸に沿った均一な膜厚を得たい場合には、特にアプリケーターロールと鋼板間ではリバース回転にする場合が多い。また、アプリケーターロールは鋼板面に傷を付けないように、鋼ロールにゴムをライニングしたゴムロールが用いられることが多い。
近年、機能性向上の観点から、塗布、乾燥後の膜厚が0.1μm未満となるような塗布膜厚の薄膜化が求められている。このような薄膜は実験室レベルでの形成には問題はおこりにくいものの、連続した基材に高速で塗布する場合、塗布外観や皮膜の均一性を損ねる問題がある。
薄膜化を行う塗布方式としては、特許文献1に記載されている小径のグラビアロールを用いたマイクログラビア方式や、特許文献2に記載されているダイコーター方式などが開示されている。特許文献1に記載されているマイクログラビア方式においては、塗布液膜厚を3μm未満、最小で1μm程度の薄膜化が可能である。また、特許文献2に記載されているダイコーター方式においても、近年1μm程度の塗布液膜厚の薄膜化が可能となっている。
特開平11−197569号公報 特開2004−230361号公報
しかし、上記特許文献1に記載されているマイクログラビア方式の場合は、金属ロールを用いて基材への塗布液を転写させる方式であるため、基材が金属の場合には基材表面に疵が発生してしまうという問題がある。
また、上記特許文献2に記載されているダイコーター方式を用いた場合は、塗布膜厚を薄膜化させるためには、基材と塗布液を供給するダイとのギャップを所望する膜厚程度まで近接化させる必要がある。ガラス基板等の平滑な基材であれば近接化は可能であるが、連続して走行する鋼板の場合、幅方向、長手方向とも形状変動が発生するため、ダイの近接化は困難である。また、ダイコーター方式を用いた場合、高速で塗布を行うと空気同伴と呼ばれる欠陥が発生するため10mpm程度の低速領域での塗布に限定され、生産性を阻害するという問題がある。
そこで、本発明は、連続的に走行する基材に対して、生産性を阻害させることなく、且つ、基材表面に疵を発生させることなく、薄膜化が可能なロール塗布方法およびロール塗布装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有する。
[1]ピックアップロールに供給された塗布液の液量を、ミタリングロールで調整し、該調整された液量の塗布液を前記ピックアップロールからアプリケーターロールに供給し、該塗布液が供給されたアプリケーターロールを、連続的に走行する基材に接触させて、基材表面に塗布液を塗布する3ロールコーターを用いたロール塗布方法において、
前記ピックアップロールの表面には凹部が形成され、凹部の容積が10cm/m未満であるグラビアロールを用いると共に、
3ロールコーターの基材走行方向の上流側で、少なくともロール1本を有するプレコーターを用いて、基材の塗布液を塗布する面に、前記3ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液をプレコートし、
該プレコートした基材上の塗布液が液体の状態において、前記3ロールコーターにより塗布液を基材に塗布することを特徴とするロール塗布方法。
[2]上記[1]において、プレコーターにより塗布する塗布液の液膜の厚みを、5μm未満とすることを特徴とするロール塗布方法。
[3]塗布液が供給されるピックアップロールと、該ピックアップロールに供給された塗布液の液量を調整するミタリングロールと、前記液量が調整されたピックアップロールから塗布液を供給され、該供給された塗布液を連続的に走行する基材に塗布するアプリケーターロールとを備えた3ロールコーターと、
該3ロールコーターの基材走行方向の上流側で、基材の塗布液を塗布する面に、前記3ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液をプレコートすると共に、該プレコートされた塗布液が液体の状態で前記3ロールコーターに到達する位置に設けられたプレコーターとを備えたロール塗布装置であって、
前記3ロールコーターを構成するピックアップロールの表面には凹部が形成され、凹部の容積が10cm/m未満であるグラビアロールであることを特徴とするロール塗布装置。
本発明によれば、連続的に走行する基材に対して、生産性を阻害させることなく、且つ、基材表面に疵を発生させることなく、乾燥膜厚0.1μm未満の薄膜化が可能なロール塗布方法およびロール塗布装置が提供される。
塗布・乾燥後の膜厚を薄膜化するためには、塗液を希釈する方法が考えられる。しかしながら、希釈しすぎると外観が劣化する場合が多いことが判明し、基材に液体状態で塗布する時点で薄膜化する必要がある。希釈可能な濃度は、処理液種類によって若干差があり、また、界面活性剤等の添加剤有無でも若干の差はあるものの、多くの場合、濃度1%程度以上で塗布した方が膜厚均一性や良好な外観を確保しやすいという結果を得た。そこで、乾燥後の膜厚0.1μm未満の皮膜を形成するためには、塗布時の液膜の厚みを3μm未満、好ましくは、1μm程度まで薄膜化しておく必要があると考え、塗布方法を鋭意検討した。
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例を説明する。
図1は、本発明に係るロール塗布方法が適用されるロール塗布装置の構成の一例を示した図である。図1に示すように、本発明に係るロール塗布装置は、コーターパン2から塗布液3をくみ上げるピックアップロール4と、このピックアップロール4に供給された塗布液の液量を調整するミタリングロール5と、ミタリングロール5により液量が調整されたピックアップロール4から塗布液を供給され、この供給された塗布液を連続的に走行する帯状の基材1に塗布(転写)するアプリケーターロール6とを備えた3ロールコーターAと、この3ロールコーターAの基材走行方向の上流側で、基材1に、3ロールコーターAで塗布液を塗布する面に、前記3ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液をプレコートするプレコーターBとを備えている。ここで、前記プレコーターBは、プレコーターBによりプレコートされた塗布液が、液体の状態で前記3ロールコーターAに到達する位置に設けられている。
なお、前記ピックアップロール4に塗布液3を供給する方法は、前記コーターパン2から塗布液3をくみ上げる方法に限られるものではない。例えば、ポンプ式のダイコーター、スプレーコーター等、ピックアップロール4への塗布液3の膜厚を調整でき、平滑な塗布面が得られる供給方式のものであればどのような方法のものでも用いることができる。
前記3ロールコーターAの各ロールの回転方向は、各ロール間、あるいはアプリケーターロール6と基材1間において逆方向である場合を示したが、ロールの回転方向は特に規定するものではない。ただし、帯状の基材1の粗度が大きい場合は、アプリケーターロール6と基材1間においては、逆方向であることが膜厚均一塗布性の観点で好ましいことは前述の通りである。また、ミタリングロール5上には塗布液3をかきとるブレード7を設置することが好ましい。
ここで、基材1が鋼板等の金属板の場合は、アプリケーターロール6は、ゴムがライニングされたゴムロールを用いることが好ましい。鋼板等の金属板表面に傷を付けないようにするためである。
図1に示す例においては、基材1はバックアップロール8に巻きついた状態で、その片面に塗布液が塗布される一般的な場合を示している。しかし、基材1を挟んで両面に3ロールコーターAが配置され、バックアップロール8を必要としない両面同時塗布の場合にも本発明は適用され得る。また、基材1の通板方向は水平パス方式でも垂直パス方式でも何れでもよい。
図1に示す例においては、3ロールコーターAの基材1走行方向の上流側に配置され、予め基材1に塗布液を塗布(プレコート)するプレコーターBは、ロール9とロール9に塗布液を供給(転写)するロール10、およびパン皿11から構成されている。ここで、ロール9は、ゴムがライニングされたゴムロールを用いている。ロール10は金属ロールを用いており、パン皿11には、3ロールコーターAで基材1に塗布する塗布液3と同じ組成の塗布液3が供給されている。
上記プレコーターBは、図1に示す例においては、2ロールを有する場合について記載しているが、膜厚制御が可能な供給装置を備えた場合には、1ロールのプレコート装置を用いても良い。また、ロール2本を有する2ロールのプレコーターよりもロール3本を有する3ロールのプレコーターの方がさらに膜厚制御性も高く、より有利なため望ましいが、コスト的には高くなる。さらに、プレコーターBの塗布液供給装置はパン皿11からくみ上げる方式に限られない。例えば、ノズルからロールに塗布液を塗出させる方式を採用してもよい。
また、前記プレコーターで2本以上のロールを用いる場合の各ロールの回転方向、あるいはアプリケーターロール9と基材1間においての回転方向は、図では、逆方向である場合を示したが、回転方向は特に規定するものではない。
以上のような構成のロール塗布装置において、本発明においては、前記ピックアップロール4は、その胴部表面に多数の凹部が形成され、目標塗布液膜3μm以下を達成するために、この形成された凹部の容積が10cm/m未満であるグラビアロールを用いている。凹部の容積の下限は特に規定するものではないが、1cm/m以上が好ましい。被塗布材が金属帯の場合、1cm/m未満では、フラットロールと同等の効果しか得られないためである。
ここで、このピックアップロール4の胴部表面に形成された凹部の形状については特に制限は無く、例えば、斜線状、格子状、ピラミッド状、多角形状、直線状等種々のものを用いることができる。ただし、ロール幅方向の凹部ピッチと凹部深さの比については、凹部ピッチが非常に長く、凹部深さが極端に浅い形状の場合には、凹部ピッチに起因した塗布欠陥が発生する可能性が高く、逆に凹部ピッチが非常に微細で凹部深さが極端に深い形状の場合には、目つまりが発生し、膜厚が安定しないという問題が発生する可能性が高い。そのため、ロール幅方向の凹部ピッチを凹部深さに対し3倍〜7倍程度とすることが好ましい。なお、凹部ピッチの間隔としては、30〜100μm程度とすることが好ましい。
以上のような構成のロール塗布装置を用いた本発明に係るロール塗布方法を用いることにより、上記3ロールコーターAにより塗布する塗布液の液膜の厚みを、3μm未満としても良好な外観を確保することができる。また、塗布液の液膜の厚みを3μm未満とするときには、上記プレコーターBにより塗布(プレコート)する塗布液の液膜の厚みは、5μm未満とすることが好ましい。
以下、ピックアップロール4の胴部表面に形成された凹部の容積、上記プレコーターBにより塗布(プレコート)する塗布液の液膜の厚みを、上記範囲とした理由について説明する。
図1に示す構成のロール塗布装置において、薄膜塗布可能なピックアップロール4表面に形成された凹部容積の影響について基礎調査を実施した。ピックアップロール4表面の凹部の容積が4.0〜65[cm/m]とした場合の基材1へ塗布される塗布液の膜厚について調査を行った。一例として、凹部形状として、斜線状の溝を設けたグラビアロールを用いた。
基材1のライン速度は100mpmで、基材1には板厚0.6mmの亜鉛メッキ鋼板を用いた。また、塗布液にはリン酸系の水系塗料(リン酸化合物とMg化合物とシリカと4価のバナジウム化合物を含有)(濃度3%,液温20℃での粘度:3mPa・s,表面張力:40dyn/cm,皮膜の比重:1.2)を用いた。なお、本実験での塗液は、すべてこのリン酸系の水系塗料を用いたが、適宜水での希釈率を変更して所定の濃度の塗液を調整した。
図2にピックアップロール4表面の凹部容積と塗布液膜厚との関係を示す。ここで、塗布液膜厚は、前述の水系塗料(濃度3%)の塗布液を塗布し、基材1の表面を乾燥させた後に、表面に形成された皮膜の膜厚を測定し、その膜厚の測定結果、皮膜の比重および塗布液濃度から算出した。
図2に示すように、ピックアップロール4表面の凹部容積を10cm/m未満とした場合に、塗布膜厚3μm未満となることが明らかとなった。また、ピックアップロール4表面凹部の容積を4cm/m程度とした場合に、液膜厚1μm程度の薄膜塗布が可能であることが明らかとなった。
次に、プレコーターBによる塗布膜厚の影響について調査を実施した。本発明に係るロール塗布装置では、上述のように、3ロールコーターAの基材1走行方向の上流側にプレコーターBを設置し、3ロールコーターAで塗布液を塗布する前にプレコート(予備塗布)を実施している。
プレコーターBでプレコートする塗布液の膜厚と、3ロールコーターAで塗布した後の塗布液の膜厚との関係について調査した。上記同様に、ライン速度100mpmで、基材1には板厚0.6mmの亜鉛メッキ鋼板を用いた。また、塗布液には前述のリン酸系水系塗料(濃度3%)を用いた。プレコート液は、塗布液と同じものを使用した。プレコート液膜厚は、あらかじめ、プレコートのみ行って、基材1の表面を乾燥させた後に、表面に形成された皮膜の乾燥後膜厚を測定し、その乾燥後膜厚の測定結果、皮膜の比重および塗布液濃度から算出した値を用いた。
プレコートなしの状態での膜厚の測定結果が2.6μmとなる周速条件にて、プレコートの膜厚影響の調査を実施した。図3にプレコーターBでプレコートする塗布液の膜厚と3ロールコーターAで塗布した後の塗布液の膜厚との関係を示す。プレコートにおいて塗布した膜厚が厚い場合には、アプリケーターロール6と基材1との接触部にて、プレコートにより塗布された液膜がすり抜けてしまうため、3ロールコーターAで塗布した後の膜厚がプレコートを実施しない場合に比べ厚くなってしまう。3ロールコーターAにおいて、3μm未満の薄膜塗布を実現させるためには、プレコーターBでプレコートする塗布液の膜厚を5.0μm未満とする必要があることが明らかとなった。
ここで、上記プレコーターBにより塗布する塗布液の液膜の厚みは5μm未満であれば、最終の膜厚には影響がない。また、プレコート時には、ローピング程度の膜厚不均一性があっても最終の外観には影響がない。そのため、1ロールのプレコーターでも本発明の目的を達成することが十分可能である。
本発明に係るロール塗布装置では、図1に示すように、3ロールコーターAの基材1走行方向の上流側にプレコーターBを有している。図4に示すように、プレコーターを有していないロール塗布装置の場合、3μm未満の液膜厚となる塗布を施した際には、ライン方向に筋状の模様やカスレ(疵)が発生しやすくなる。筋状の模様が発生してしまう理由は、基材1に随伴される空気の流れが、基材1とアプリケーターロール6間のメニスカスに乱れを与えるためである。カスレ(疵)が発生する原因としては、塗布する液膜厚が3μm未満と薄い場合には、基材1表面の凹凸の影響により、凸部へ塗布される液量が極端に薄くなってしまうため、液切れが発生しやすくなるためである。したがって、筋模様の発生しない、均一な膜厚を得るためには、基材1に随伴される空気がアプリケーターロール6と基材1とのメニスカスに影響を及ぼさないようにする必要がある。
図1の本発明に係るロール塗布装置で示すように、3ロールコーターAの基材1走行方向の上流側にプレコーターBを設置することによって、基材1にプレコートされた塗布液が、アプリケーターロール6と基材1との隙間に流れ込み、基材1に随伴する空気を効果的に遮断する働きをする。これにより、筋状の模様を発生させることなく均一な塗布が可能となった。また、プレコーターBにて予め、プレコート(予備塗布)を実施することで、鋼板1表面に塗布膜が形成された状態でアプリケーターロール6と接触するため、カスレ(疵)の発生もなくなる。
以上の説明において、基材1としては、冷延鋼板等の鋼板、アルミ等の金属板等に適用可能である。
本発明を以下の実施例及び比較例により詳細に説明する。
板厚0.6mm、板幅1200mmの亜鉛メッキ鋼板のコイルに対して、図1に示したロール塗布装置を用いて、表1に記載した塗布条件で塗布を行い、乾燥後の塗布外観の評価および塗布乾燥後の膜厚、また、塗液濃度と乾燥後膜厚,皮膜比重から塗布時の液膜厚を算定した。図1に示すロール塗布装置において、各ロールの材質は、アプリケーターロール6がゴムをライニングしたゴムロール、ピックアップロール4は表面に多数の凹部が形成されているグラビアロール(凹部の溝形状:斜線状、凹部のピッチ:250線/inch)、ミタリングロール5はゴムをライニングしたゴムロールを用いた。各ロールのロール径は、アプリケーターロール6とピックアップロール4が300mm、ミタリングロール5が200mmである。
ミタリングロール5の周速は、目標塗布液膜厚に応じて10〜90mpmの範囲で調整した。
プレコーターBで塗布する液膜は、ロールの周速およびニップ圧力を調整することで、表1に示す所定の膜厚になるように調整した。プレコーターBのロールは、ロール径が250mmのものを用いた。また、基材1と接触するロール9はゴムロールを用い、パン皿2から塗布液をくみ上げるロール10には金属ロールを用いた。
前述のリン酸系水系塗料を種々の濃度に調整して用いた。
塗布焼き付け後の外観の評価は、十分に明るい蛍光灯の下で目視による観察により行った。
比較例として、図4に示すようなプレコーターを使用しない場合、図5に示すような金属のグラビアロール12を直接基材1へ接触させる方式についても外観評価、塗布乾燥後の膜厚、また、塗液濃度と乾燥後膜厚,皮膜比重から塗布時の液膜厚を算定した。
図5の方式でのロール径は250mmであり、液膜厚を調整するためにロールでくみ上げた塗布液を掻き落とすブレード7を設置している。
表1に結果を示すように、本発明例では、ピックアップロール4の表面の凹部容積を10cm/m未満とした場合に塗布時の液膜厚が3.0μm未満となり、乾燥後膜厚が0.1μm未満の皮膜を均一に塗布することが可能となった。
一方、プレコーターを用いず、3ロールコーターAでの塗布液膜厚を3μm未満として乾燥後膜厚0.1μm未満を塗布した場合には、鋼板1表面上の外観にカスレ(疵)が発生した。また、プレコーターを用いずカスレを防止して乾燥後膜厚0.1μm未満を塗布する条件を検討したところ、塗布液濃度を低くして塗布液膜厚を3μm以上とすればカスレはおさえられたものの、ハジキが発生した。
プレコート装置を用いた場合でも、プレコート膜厚を5μm以上とした場合には、3ロールコーターAでの塗布後の膜厚が3μm以上となるため、乾燥膜厚を0.1μm未満とするためには、液濃度を低下させる必要があり、その条件では、ハジキが発生した。また、金属のグラビアロール4を直接基材1に接触させた場合(図5参照)には、基材1の速度が低速で塗布膜厚が5μm程度の場合には、ほぼ均一な塗布外観が得られたが、3μm未満の場合には、金属のグラビアロール4表面と基材1の接触による疵の発生が顕著となった。
Figure 0005396729
本発明に係るロール塗布方法が適用されるロール塗布装置の構成の一例を示した図である。 本発明に係るピックアップロール表面の凹部容積と塗布液の膜厚との関係を示す図である。 本発明に係るプレコーターでプレコートする塗布液の膜厚と3ロールコーターで塗布した後の塗布液の膜厚との関係を示す図である。 従来技術に係るプレコーターを有していないロール塗布装置の構成の一例を示した図である。 従来技術に係る金属のグラビアロールを直接基材へ接触させる方式のロール塗布装置の構成の一例を示した図である。
符号の説明
1 基材
2 コーターパン
3 塗布液
4 ピックアップロール
5 ミタリングロール
6 アプリケーターロール
7 ブレード
8 バックアップロール
9,10 ロール
11 パン皿
A 3ロールコーター
B プレコーター

Claims (3)

  1. ピックアップロールに供給された塗布液の液量を、ミタリングロールで調整し、該調整された液量の塗布液を前記ピックアップロールからアプリケーターロールに供給し、該塗布液が供給されたアプリケーターロールを、連続的に走行する基材に接触させて、基材表面に塗布液を塗布する3ロールコーターを用いたロール塗布方法において、
    前記ピックアップロールの表面には凹部が形成され、凹部の容積が10cm/m未満であるグラビアロールを用いると共に、
    3ロールコーターの基材走行方向の上流側で、少なくともロール1本を有するプレコーターを用いて、基材の塗布液を塗布する面に、前記3ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液をプレコートし、
    該プレコートした基材上の塗布液が液体の状態において、前記3ロールコーターにより塗布液を基材に塗布し、
    さらに、ミタリングロール上に設置されるブレードを用いて塗布液をミタリングロールからかきとることを特徴とするロール塗布方法。
  2. プレコーターにより塗布する塗布液の液膜の厚みを、5μm未満とすることを特徴とする請求項1に記載のロール塗布方法。
  3. 塗布液が供給されるピックアップロールと、該ピックアップロールに供給された塗布液の液量を調整するミタリングロールと、前記液量が調整されたピックアップロールから塗布液を供給され、該供給された塗布液を連続的に走行する基材に塗布するアプリケーターロールとを備えた3ロールコーターと、
    該3ロールコーターの基材走行方向の上流側で、基材の塗布液を塗布する面に、前記3ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液をプレコートすると共に、該プレコートされた塗布液が液体の状態で前記3ロールコーターに到達する位置に設けられたプレコーターとを備えたロール塗布装置であって、
    前記3ロールコーターを構成するピックアップロールの表面には凹部が形成され、凹部の容積が10cm/m未満であるグラビアロールであり、
    ミタリングロール上には塗布液をミタリングロールからかきとるブレードが設置されることを特徴とするロール塗布装置。
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