JP5239457B2 - 金属帯への塗装方法 - Google Patents
金属帯への塗装方法Info
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Description
塗布液には、常温での表面張力が40dyn/cmのリン酸系水系塗料(5vol%)に、これより表面張力が小さい溶剤としてイソプロピルアルコール(常温での表面張力が25dyn/cm)を用いて10倍に希釈して濃度を0.5vol%、常温での表面張力を28dyn/cmに調整したものを用いた。また、比較例として、水のみで10倍に希釈して濃度0.5vol%としたものを用いて同様の塗装を行なった。
上記塗布液のアプリケータロールへの供給は、吐出口として鋼帯幅方向に均等幅のスリットを設けたスリットダイから、塗布液をアプリケータロールの表面へ幅方向で均等に押し出すことによって行った。この際、スリットダイとアプリケータロールとの間の距離は15μmに設定し、アプリケータロール表面における塗布液の厚さは3μmとなるよう塗布液の供給量を調整した。なお、上記アプリケータロールには、ゴムをライニングしたゴムロールを用いた。
また、鋼帯に塗布液を塗布する際のアプリケータロールの周速は、鋼帯の走行速度(ライン速度)120mpmに対し、0.5倍の60mpmとした。なお、鋼帯の走行方向とアプリケータロールの近接点Aにおける回転方向は、逆向きのリバース回転とした。また、アプリケータロールから鋼帯に転写されなかった塗布液は、アプリケータロールに設置されたブレードで掻き落とした。
その結果、乾燥後の塗膜の厚さは0.1μmであることが確認された。また、塗膜の外観品質も、乾燥前、乾燥後とも膜厚が鋼帯の幅方向、長手方向に均一で、かすれ(擦れ)や筋状、斑点状のムラの発生は確認されなかった。また、従来のロールコータで発生していたピックアップロールに起因する液膜厚みの不均一やローピングの発生もなかった。さらに、アプリケータロール表面の転写残りの塗布液による液溜まりの発生もなかった。
以上の結果から、図5に示した本発明の塗装設備を用いることにより、100mpmを超える高速でも、乾燥後の膜厚が0.1μmと薄くかつ均一で、外観欠陥のない塗膜を形成することができることがわかった。特に、塗装直後に速やかに乾燥することで、乾燥後の擦れや微小な膜切れがない均一な塗膜が得られた。このときの乾燥条件としては、塗装後、10sec以内に液膜の厚みを凡そ0.5〜1μm以下まで乾燥させることができる条件が望ましい。なお、全て水で希釈した塗料で塗装を行なった比較例では、塗布液は鋼板表面ではじきを起こして外観不良が発生した。
塗布液には、常温での表面張力が40dyn/cmのリン酸系水系塗料(5vol%)に、これより表面張力が小さい溶剤としてイソプロピルアルコール(常温での表面張力が25dyn/cm)を用いて10倍に希釈して濃度を0.5vol%、常温での表面張力を28dyn/cmに調整したものを用いた。また、比較例として、水のみで10倍に希釈して濃度0.5vol%としたものを用いて同様の塗装を行なった。
上記塗布液の第1の中間ロールへ(図6の12−1)の供給は、実施例1と同様、吐出口として鋼帯幅方向に均等幅のスリットを設けたスリットダイから、塗布液をロール表面へ幅方向で均等に押し出すことによって行った。この際、スリットダイと中間ロールとの間の距離は50μmに設定した。
第1の中間ロールに供給された塗布液は、その後、第2の中間ロールに転写され、さらにアプリケータロールに転写されて、最終的に鋼帯に転写されることにより塗装が行われるが、この際の第1の中間ロール、第2の中間ロールおよびアプリケータロールにおける塗布液の厚さは、それぞれ18μm、7μmおよび2μmとなるよう設定した。
また、第1の中間ロール、第2の中間ロールおよびアプリケータロールの周速は、鋼板の走行速度120mpmに対し、それぞれ18mpm、30mpm、60mpm(鋼板速度の0.5倍)に順次増速するよう設定し、また、各ロールの回転方向は、図6に矢印で図示したように時計周り、すなわち、図6に示した近接点C,DおよびAにおいては、リバース回転となるようにした。
また、交接店点C,DおよびAをすり抜けた中間ロールおよびアプリケータロール表面の塗布液は、それぞれのロールに設けたブレード7および7´で掻き落とした。
その結果、鋼帯表面上の乾燥後の塗膜厚さは、0.05μmであることが確認された。また、塗膜の外観品質は、液膜の厚みが鋼帯の幅方向、長手方向に均一で、かすれや筋状、斑点状のムラの発生は認められず、良好であった。また、従来のロールコータで発生していたピックアップロールに起因する液膜厚みの不均一やローピングの発生もなかった。さらに、各ロール表面の転写残りの塗布液に起因する塗布液の液溜りの発生も認められなかった。
以上の結果から、図6に示した本発明の塗装装置を用いることにより、金属帯の走行速度が100mpmを超える高速塗装を行っても、乾燥後の膜厚が0.05μmと極めて薄くかつ均一で、塗膜欠陥のない塗膜の形成を実現できることが確認された。
また、すべて水で希釈した塗料で同様に塗装を行なった比較例では、はじきが発生して外観不良となった。
2:コータパン
3:塗布液
4:ピックアップロール
5:ミタリングロール(ドクターロール)
6:アプリケータロール
7、7´:掻取装置(ブレード)
8:バックアップロール
9:塗膜(液膜)
10:スリットダイ
11:塗布液供給ポンプ
12:中間ロール(12−1:第1の中間ロール、12−2:第2の中間ロール)
13:乾燥装置
Claims (6)
- 金属帯に接触して塗布液を塗布するアプリケータロールと、そのアプリケータロールに塗布液をカーテン状に押し出して供給するスリットダイと、アプリケータロールから金属帯に転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置と、金属帯表面の塗布液を乾燥する乾燥装置を備えた塗装装置を用いて連続的に走行する金属帯に塗膜を形成する方法において、水系塗料を塗料より表面張力の低い溶媒で希釈した室温における表面張力が30〜50dyn/cmの塗布液をスリットダイからアプリケータロールに供給することを特徴とする塗装方法。
- 金属帯に接触して塗布液を塗布するアプリケータロールと、そのアプリケータロールに塗布液を転写して供給する1本以上の中間ロールと、そのアプリケータロールから最も離れた中間ロールに塗布液をカーテン状に押し出して供給するスリットダイと、アプリケータロールから金属帯に転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置とを備えた塗装装置を用いて連続的に走行する金属帯に塗膜を形成する方法において、水系塗料を塗料より表面張力の低い溶媒で希釈した室温における表面張力が30〜50dyn/cmの塗布液をスリットダイから中間ロールに供給することを特徴とする塗装方法。
- 金属帯に接触して塗布液を塗布するアプリケータロールと、そのアプリケータロールに塗布液を転写して供給する1本以上の中間ロールと、そのアプリケータロールから最も離れた中間ロールに塗布液をカーテン状に押し出して供給するスリットダイと、アプリケータロールから金属帯に転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置と、上記中間ロールからアプリケータロールに転写されずに残った塗布液を除去する掻取装置とを備えた塗装装置を用いて連続的に走行する金属帯に塗膜を形成する方法において、水系塗料を塗料より表面張力の低い溶媒で希釈した室温における表面張力が30〜50dyn/cmの塗布液をスリットダイから中間ロールに供給することを特徴とする塗装方法。
- 金属帯の走行方向とアプリケータロールの回転方向を逆向きにすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗装方法。
- アプリケータロールと中間ロールの回転方向および中間ロールと中間ロールの回転方向をそれぞれ逆向きにすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の塗装方法。
- アプリケータロールの周速を、金属帯の走行速度に対しての0.5〜2倍の範囲に制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塗装方法。
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