JP5970799B2 - 基材への塗布方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材に多層の塗布液を塗布処理する塗布方法に関するものである。
従来、連続して走行する基材、例えば鋼板に、耐食性、加工性、美観性、絶縁性等の性能を付与するために各種の塗膜を基材表面上に形成させる処理を行っている。この処理ではロールコーターが一般的に用いられており、ロールを2本用いる2ロールコーター、あるいは3本のロールを用いる3ロールコーターが広く使用されている。特に、3ロールコーターは塗膜厚の制御性に優れることと、表面外観が比較的美麗であることから、主流の塗布処理方式になっている。3ロールコーターは、図5に示すように塗布液が満たされているコーターパン13より塗布液をくみ上げるピックアップロール11とピックアップロール11によりくみ上げられた塗布液量を調整するドクターロール12と、調整された塗布液をピックアップロール11から基材1に転写するアプリケーターロール5により構成されている。各ロールの回転方向は、ロール間の近接点、あるいは密接点において同方向に回転するナチュラル回転の場合と逆方向に回転するリバース回転の場合があるが、一般的にはリバース回転の方が比較的平滑な塗膜面が得られやすいということから、アプリケーターロール5と基材1間ではリバース回転にする場合が多い。また、アプリケーターロール5は基材1の面に傷を付けないように鋼ロールにゴムをライニングしたゴムロールを用いている。
3ロールコーターを含むロールコーターの代表的な塗布欠陥としてローピングと呼ばれるロール周方向に発生するスジ状の外観欠陥がある。これはロール間及びロール−基材間の液メニスカスの流体圧力変動が表面張力の安定化の効果を上回ったときに発生する欠陥として知られており、基材が高速の条件、粘性係数の高い塗布液ほど発生しやすい。そのため高粘度の塗布液については、液膜を美麗に高速で塗布することは困難となっている。
また、近年、高耐食性、高絶縁性など、高付加価値ニーズの高まりから、基材上に形成される塗膜の設計において、多層の塗膜が求められる場合がある。多層の塗膜を形成するための多層の塗布液の塗布方法としては、複数のスリットから塗布液を供給し、カーテン状に垂らすカーテンコーター方式や、複数のスリットを設けるダイコーター方式がある。(特許文献1、特許文献2)
しかしながら、カーテンコーターの場合、塗布液によってカーテンを形成できる最小液流量が決まるため、ライン速度を非常に速くしない限り厚膜となる。しかしライン速度を速くすることで空気同伴などによる塗布ムラが引き起こされ薄膜塗布は困難となる。
ダイコーター方式を用いた場合、薄膜化させるためには、基材と塗布液を供給するダイコーターとのギャップを所望する膜厚程度まで近接化させる必要があり、ガラス基板等の平滑な基材であれば近接化は可能であるが、連続して走行する鋼板などの場合、幅方向、長手方向とも形状変動が発生するためダイの近接化は困難である。
一方、ロールによる多層の塗布液を塗布する方法については、前例が無い。これは、ロール間及びロール−基材間の塗布液が混ざり合ってしまうなど、液膜で多層状態を維持するのが困難であることが原因と思われる。そのため、多層の塗布液についてのロール間及びロール−基材間のメニスカス挙動に関しては、未知の部分となっている。
特許第4598493号公報 特開2004-160274号公報
ロールコーター単独で多層の塗布液の塗布処理を行う場合、1層目の塗布液が未乾燥状態のまま2層目の塗布液を塗ると1層目はかきとられてしまい積層状の塗膜を形成することができない。そのため、1層目の塗布液を塗布後に乾燥過程を経て、2層目の塗布液を塗布する必要がある。しかし、その場合、塗布工程と乾燥工程が2度必要となり、ランニングコストが増大する。また、ロールコーターでは、基材速度が高速もしくは塗布液が高粘度になるほどローピングと呼ばれるロール周方向のスジ欠陥が発生しやすく、高粘度の塗布液を高速で美麗に塗布することは困難である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、ロールコーターを用いて多層の塗布液を連続的に走行する基材に塗布する際に、高速に薄膜で美麗に塗布することができる基材への塗布方法を提供することを目的とする。
本発明は、その要旨は以下のとおりである。
[1]ダイコーターにより、回転するアプリケーターロールへ多層の塗布液を供給し、次いで、前記アプリケーターロールを連続的に走行する基材と接触させて前記多層の塗布液を基材へ転写するにあたり、前記アプリケーターロールにより多層の塗布液が基材へ転写される以前に、基材に対して、コーターにより、前記アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液と同一の塗布液をプレコートし、前記プレコート後、基材上のプレコートされた塗布液が液体の状態のうちに、前記アプリケーターロールが基材との接触部において基材と逆方向に回転しながら前記基材への転写を行い、前記多層の塗布液は、前記アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液の粘性係数をμ1、上層を形成する塗布液の粘性係数μ2とした場合、μ1<μ2であり、基材に転写されず前記アプリケーターロールに残った多層の塗布液を前記アプリケーターロールから除去することを特徴とする基材への塗布方法。
[2]ダイコーターにより、回転する中間ロールへ多層の塗布液を供給し、次いで、前記中間ロールを、回転するアプリケーターロールとの接触部において前記アプリケーターロールと逆方向に回転させて、前記中間ロールにより前記アプリケーターロールへ前記多層の塗布液を転写し、次いで、前記アプリケーターロールを連続的に走行する基材と接触させて前記多層の塗布液を基材へ転写するにあたり、前記アプリケーターロールにより多層の塗布液が基材へ転写される以前に、基材に対して、コーターにより、前記アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液と同一の塗布液をプレコートし、前記プレコート後、基材上のプレコートされた塗布液が液体の状態のうちに、前記アプリケーターロールが基材との接触部において基材と逆方向に回転しながら前記基材への転写を行い、前記多層の塗布液は、前記アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液の粘性係数をμ1、上層を形成する塗布液の粘性係数μ2とした場合、μ1<μ2であり、アプリケーターロールに転写されず前記中間ロールに残った多層の塗布液および基材に転写されず前記アプリケーターロールに残った多層の塗布液をそれぞれ前記中間ロールおよび前記アプリケーターロールから除去することを特徴とする基材への塗布方法。
[3]前記アプリケーターロールの回転速度をV1、前記基材の走行速度をV2とする場合、0.5≦V1/V2≦1.5であることを特徴とする前記[1]に記載の基材への塗布方法。
[4]前記中間ロールの回転速度をV3、前記アプリケーターロールの回転速度をV1、前記基材の走行速度をV2とする場合、0.5≦V3/V1≦1.5および0.5≦V1/V2≦1.5であることを特徴とする前記[2]に記載の基材への塗布方法。
[5]基材にプレコートする以前に、コーターにより、前記アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液と同一の塗布液を基材に対して、プレプレコートし、前記プレプレコート後、プレプレコートされた塗布液が液体の状態のうちに前記プレコートを行うことを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の基材への塗布方法。
[6]前記アプリケーターロールは金属ロールにゴムをライニングしたゴムロールを用い、前記ダイコーターでは、塗布部上流側に負圧を発生させることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載の基材への塗布方法。
本発明によれば、多層の塗布液をロールコーターを用いて高速に薄膜で美麗に基材へ塗布することができる。
本発明の一実施形態に係る塗布装置の側面図である。 本発明の他の実施形態に係る塗布装置の側面図である。 本発明の実施形態に係るスリットダイコーターの拡大図である。 本発明の他の実施形態に係る塗布装置の側面図である。 従来の一実施形態に係る塗布装置の側面図である。 従来の他の実施形態に係る塗布装置の側面図である。 従来の他の実施形態に係る塗布装置の側面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、連続して通板される基材の片面または両面に、ダイコーターから供給された多層の塗布液を1本または複数本のロールを介して塗布する方法である。
図1は、本発明の基材への塗布方法の一実施形態を示す。図1において、1は基材、2は塗布液回収容器、3は塗布液、4は中間ロール、5はアプリケーターロール、6はかきとり装置、7はスリットダイコーター、8はバックアップロール、14はプレコーターである。図1によれば、多層の塗布液は、スリットダイコーター7から中間ロール4へ供給され、次いで、中間ロール4を介してアプリケーターロール5へ転写され、基材へと転写、塗布される。中間ロール4は、表面が鏡面加工されたフラット形状のロールを用いている。また、中間ロール4は、アプリケーターロール5との接触部においてアプリケーターロール5と逆方向に回転し、アプリケーターロール5は、基材1との接触部において基材1と逆方向に回転する。
また、アプリケーターロール5に転写されず中間ロール4に残った塗布液を除去するために、中間ロール4上にはかきとり装置6が設置されている。
また、アプリケーターロール5により多層の塗布液が基材1へ転写される以前に、基材1に対して、アプリケーターロール5上で最下層を形成する塗布液と同一の塗布液をプレコートできるように、プレコーター14が設置されている。そして、プレコート後、プレコートされた塗布液が液体の状態のうちに、アプリケーターロール5より基材1への転写が行われる。
これまで多層の塗布液を同時に塗布する方法の検討は、カーテンダイやスリットダイを用いて基材に直接塗布するものに関して数多く行われてきたが、ロールを介して塗布する試みはなかった。これは、ロールからロールまたは基材に多層の塗布液を転写する際に、多層の塗布液の積層状態を維持し基材上に積層状の塗膜を形成するのが難しいとされているためである。そこで、発明者らは、既定概念にとらわれることなくロールによる多層の塗布液の塗布方法を検証した。その結果、各ロールの回転方向を、各ロール間、あるいはアプリケーターロールと基材間において逆方向にすれば、多層の塗布液の積層状態が維持できることを見出した。すなわち、図1においては、中間ロール4は、アプリケーターロール5との接触部においてアプリケーターロール5と逆方向に回転し、アプリケーターロール5は、基材1との接触部において基材1と逆方向に回転することで、多層の塗布液の積層状態が維持され基材上に積層状の塗膜を形成することができる。
また、多層の塗布液は、アプリケーターロールへ供給後のアプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液の粘性係数をμ1、上層を形成する塗布液の粘性係数μ2とした場合、μ1<μ2とする。μ1<μ2とすることで、ローピングなどの発生限界となるライン速度やロール周速条件が最下層を形成する塗布液の物性に支配され、上層を形成する塗布液を高粘度の塗布液とした場合においても、外観の向上及び基材速度の高速化が達成できる。そのため、高粘度の塗布液を塗布液として用いる場合でもより高速で美麗に塗布することが可能となる。また、最下層を形成する塗布液と上層を形成する塗布液の膜厚比を変えることにより、上層をより薄膜化することができ高粘度の塗布液を薄膜塗布することが可能となる。なお、上記上層とは、最下層の上に形成される層である。
また、ダイコーターにより塗布液を供給される中間ロールには、かきとり用のブレードなどかきとり装置を設け、転写されず残った多層の塗布液を中間ロールから除去する。これは中間ロールに転写されずに残った塗布液が、ダイコーターでの塗布部に再度供給されると、塗布液のメニスカス形状を乱し安定塗布の妨げになるからである。また、中間ロールに加えてアプリケーターロールにもかきとり装置を設置することもできる。かきとり装置は塗布液がかきとれればどのようなものでも良く、例えば、ブレードを設置する方法が簡易である。ブレードの素材は金属でもゴムでも良く均一なかきとりが実施できればよい。
アプリケーターロールの回転速度をV1、前記基材の走行速度をV2とする場合、0.5≦V1/V2≦1.5が好ましい。また、中間ロールを介する場合は、中間ロールの回転速度をV3、前記アプリケーターロールの回転速度をV1、前記基材の走行速度をV2とすると、0.5≦V3/V1≦1.5および0.5≦V1/V2≦1.5が好ましい。
3/V1、もしくは、V1/V2が上記範囲外の場合、ロール間、アプリケーターロールと基材間の塗布液のメニスカスが乱れ多層状態が維持されず混合されてしまう場合がある。更に良好な積層状構造を維持し、上層に形成する塗布液の物性の影響を受けずに安定塗布するためには速度比を0.6≦V3/V1≦1.2および0.6≦V1/V2≦1.2とすることがさらに好ましい。なお、上記アプリケーターロールの回転速度および中間ロールの回転速度とはロール周速である。
プレコーターで基材にあらかじめ塗布する塗布液は、ダイコーターによりアプリケーターロールへ供給する多層の塗布液のうち、アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液と同じものを用いる。プレコートを行うことでアプリケーターロールによる転写を行う際に基材の走行ラインの上流側からの空気同伴を抑えることができる。また、最下層と同じ塗布液を用いてプレコートを行うことで、仮にプレコートに用いた塗布液がアプリケーターロールと基材間をすり抜けアプリケーターロールと基材間に侵入したしても、最下層の液膜による安定化の効果を妨げることなく安定的に塗布を行うことができる。プレコートに上層の液もしくは粘度の高い塗布液を用いた場合には、塗布液のメニスカスの安定化の効果は低下しスジ欠陥が発生しやすくなる。
また、プレコートの液膜厚みなどは外観に対してほとんど影響を及ぼさないが、気泡の混入などはアプリケーターロールと基材間をすり抜けるため影響を与えてしまう。そこでプレコートする際に気泡の混入を妨げるため、プレコート前にプレコートする塗布液と同じ塗布液を基材にプレプレコートすることで更に気泡混入が少ない美麗な塗布膜を作成することが可能となる(図4参照)。
アプリケーターロールには金属ロール表面にゴムライニングされたゴムロールを用いることが好ましい。ゴムロールにすることにより偏芯の影響を弾性変形により吸収でき外観ムラや付着量変化を軽減できる。ゴムライニング厚は5〜40mm程度が好ましい。またゴム硬度は40Hs〜80Hs程度が好ましい。
なお、基材はバックアップロールに巻きついた状態で塗布されるのがよく用いられる方法ではあるが、本発明は、基材を挟んで両面にロールコーターが配置されているバックアップロールを必要としない両面同時塗布にも適用される。
図2は、本発明の基材への塗布方法の他の実施形態を示す。図2においては、中間ロール4を設けておらず、他の符号は図1と同様である。図2によれば、スリットダイコーター7からアプリケーターロール5へ多層の塗布液が供給され、次に基材へと転写、塗布される。また、アプリケーターロール5は、基材1との接触部において基材1と逆方向に回転する。
また、基材1に転写されずアプリケーターロール5に残った塗布液を除去するために、アプリケーターロール5上にはかきとり装置6が設置されている。
また、アプリケーターロール5により多層の塗布液が基材1を転写される以前に、基材1に対して、アプリケーターロール5上で最下層を形成する塗布液と同一の塗布液をプレコートできるように、プレコーター14が設置されている。そして、プレコート後、プレコートされた塗布液が液体の状態のうちに、アプリケーターロール5より基材1への転写が行われる。
塗布対象となる基材の量が少量の場合は、図2の方式で安定して塗布できるが、基材が大量となり連続塗布が必要な場合には、アプリケーターロールが磨耗して不均一形状となってしまい塗布欠陥が発生する場合がある。そのため連続運転での大量生産を実施する場合には、図1の方式が好ましい。
図3は、スリットダイコーター7の拡大図である。スリットダイコーター7は、例えば2層の塗布液を基材に塗布する場合、図3に示すように各々の液を供給する2本の塗布液供給部7a、7bと、好ましくは、塗布液供給部の上流側に負圧を発生させるサクション7cを備えることができる。中間ロールやアプリケーターロールの回転により塗布液供給部には空気の流れが随伴されてくる。そのため、吸引機構がないと液膜中に空気同伴が起こる確率が高まり、塗布欠陥となる場合がある。そこで、サクション7cにより負圧を発生させることで上記問題を解決し、供給される塗布液のメニスカス形状を安定して保ち、基材上に形成される膜厚に対して数倍程度のギャップを確保することが可能となり、基材厚み変動によるギャップ変動の影響を緩和して安定塗布することが可能となる。
スリットダイコーター7への塗布液の供給は、例えば、一定流量を安定して吐出できるポンプにより行うことができる。その際、サクション7cの負圧、塗布液供給先の中間ロールやアプリケーターロールとスリットダイコーター7先端部とのギャップ等を調整することで中間ロール上やアプリケーターロール上に塗布液を安定して供給することができる。
図1および図2に示した装置を用いて、板厚0.5mm、板幅300mmの亜鉛メッキ鋼板のコイルに対して、表1に記載した塗布条件で塗布を行い、亜鉛メッキ鋼板上に液膜を形成した。次いで、乾燥後の液膜の外観の評価および液膜断面(積層状態)の確認を行った。
図1および図2の塗布装置において、スリットダイコーター7は2層塗布用の塗布液供給部(図示せず)とサクション(図示せず)を有する。各ロールの材質は、中間ロール4が硬質クロム鍍金をほどこした表面フラットな金属ロールであり、アプリケーターロール5がゴムをライニングしたゴムロールである。ゴムライニング厚は20mm、ゴムはウレタンゴムで硬度はHs55°である。各ロールのロール径は中間ロール4、アプリケーターロール5共に150mmである。使用した塗布液は5種類でそれぞれ粘度が1.5 mPa・s 、2mPa・s、4mPa・s、10mPa・s、20mPa・s、固形分濃度が4%、6%、8%、13%、20%である。粘性係数は液温度20℃時の値である。液膜厚さは、図1では中間ロール4上の、図2ではアプリケーターロール5上の、上層、下層の塗布液厚さの比を変化させ、2層合わせて10μmとなるよう調整した。なお、プレコーター装置は、基材と逆向きに回転する1本ロールでアプリケーターロールと同じ仕様のものを用いた。
また、図4に示すようにプレプレコートを実施した場合についても表1に記載の条件で実施した。結果、気泡混入が更に抑制された美麗な塗膜が得られることが確認された。
また、比較例として上層と下層の塗布液の変更等をした場合について行い、本発明例と同様に乾燥後の液膜の外観の評価および液膜断面の確認を行った。
乾燥後の液膜外観は、乾燥後の鋼板を切り出し目視及びTEM断面観察を行い評価した。スジ発生がなく平滑な皮膜が得られているものについては◎、目視ではほとんど気にならない微少なスジが僅かに発生しているものについては○、ほぼ全面にハッキリとしたスジムラが見受けられるものについては×とした。
また気泡混入については、ほとんど見られないものに関して○とした。僅かではあるが多少確認できるものに関しては×とした。
また、液膜の積層状態については、2層の混合がほとんどないものについて良好とした。若干の混合が見られるが2層が見分けられる程度の断面をほぼ良好とした。完全に混合しており2層が見分けられないものについて不良とした。
以上により得られた結果を条件と併せて表1に示す。
Figure 0005970799
表1に示すように、本発明例では、ロールコーターを用いて多層でかつ高粘度の塗布液を乾燥前膜厚6μm以下の薄膜で高速に均一塗布することが可能となった。
一方、比較例では、スジムラが発生して外観欠陥となり、各層が混ざり合い積層状態を保てず高粘度の塗布液を高速で均一に薄膜塗布することはできなかった。
なお、前記実施例では基材として亜鉛メッキ鋼板を用いたが、特に鋼板に限定されることなく、アルミ等の他の金属板や紙、フィルムにも適用されるものである。
また、アプリケーターロールを図1と逆向きに回転させた条件を表1と同じ塗布条件において実施したが、積層状態を維持できず、外観も全面スジ模様となった。
また、従来法として、図5、6、7に示す、ロールコーター単独、スリットダイコーター単独、カーテンコーター単独で前記実施例と同じ仕様の鋼板に塗布した場合について、乾燥後の塗布外観の評価および塗膜断面(積層状態)の確認を行った。
図5に示すロールコーターのアプリケーターロールとピックアップロールは実施例1のアプリケーターロール、中間ロールと同じ仕様とした。またドクターロールも中間ロールと同じ仕様でドクターロール−ピックアップロール間のギャップは60μmとした。結果、図5に示すロールコーターの場合は、ロール周速を適宜最適な外観となるよう調整を行ったが、各液粘度1.5 mPa・s、2 mPa・s、4 mPa・s、10 mPa・s、20mPa・sの場合の外観評価が×となる限界速度は、それぞれ550 mpm(meter per minute、m/分であり、以下略してmpmと称す)、390 mpm、340 mpm、180 mpm、140 mpmとなり高粘度の塗布液ほど限界速度は低速となった。本発明例のように高粘度の塗布液を高速で美麗に塗布することは不可能であった。またロール間ギャップの精度から乾燥前の膜厚8μm以下の美麗な薄膜製造は困難であった。薄膜にするためピックアップロールの回転速度を下げた場合、ローピングが発生し外観はスジ模様となった。
図6に示すスリットダイコーターの場合は、各液において、鋼板厚み精度の問題からスリット塗吐口−鋼板ギャップを100μm以下に近づけることができず安定塗布するには乾燥前の膜厚30μmを超える厚い膜となった。また、薄膜化を試みて、ギャップをそのままの状態で供給液量を減少した場合には、液切れによるカスレが発生した。また、ギャップを更に近接化した場合には、板厚変動に伴うギャップ変動によりカスレやスジ模様が発生した。
図7に示すカーテンコーターの場合は、各液において、液膜厚を10μm程度とするため塗布液の供給液量を減少させるとカーテン形成不安定となり液切れが発生し外観欠陥となった。
以上のように、従来法としてロールコーター単独、スリットダイコーター単独、カーテンコーター単独で塗布した場合は、ローピング発生、カスレやカーテン液膜形成不能となり、高粘度の塗布液を高速で薄膜安定塗布することはできなかった。
1 基材
2 塗布液回収容器
3 塗布液
4 中間ロール
5 アプリケーターロール
6 かきとり装置
7 スリットダイコーター
7a、7b 塗布液供給部
7c サクション
8 バックアップロール
9 カーテンコーター
10 サクション装置
11 ピックアップロール
12 ドクターロール
13 コーターパン
14 プレコーター
15 プレプレコーター

Claims (6)

  1. 塗布液供給部と該塗布液供給部の上流側に負圧を発生させるサクションとを備えるダイコーターにより、回転するアプリケーターロールへ多層(メタリック塗料層を含む場合を除く)の塗布液を供給し、
    次いで、前記アプリケーターロールを連続的に走行する基材と接触させて前記多層の塗布液を基材へ転写するにあたり、
    前記アプリケーターロールにより多層の塗布液が基材へ転写される以前に、基材に対して、コーターにより、前記アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液と同一の塗布液をプレコートし、
    前記プレコート後、基材上のプレコートされた塗布液が液体の状態のうちに、前記アプリケーターロールが基材との接触部において基材と逆方向に回転しながら前記基材への転写を行い、
    前記多層の塗布液は、前記アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液の粘性係数をμ1:1.5〜4mPa・s、上層を形成する塗布液の粘性係数μ2:2〜20mPa・sとし、μ1<μ2を満たし、
    基材に転写されず前記アプリケーターロールに残った多層の塗布液を前記アプリケーターロールから除去することを特徴とする基材への塗布方法。
  2. 塗布液供給部と該塗布液供給部の上流側に負圧を発生させるサクションとを備えるダイコーターにより、回転する中間ロールへ多層(メタリック塗料層を含む場合を除く)の塗布液を供給し、
    次いで、前記中間ロールを、回転するアプリケーターロールとの接触部において前記アプリケーターロールと逆方向に回転させて、前記中間ロールにより前記アプリケーターロールへ前記多層の塗布液を転写し、
    次いで、前記アプリケーターロールを連続的に走行する基材と接触させて前記多層の塗布液を基材へ転写するにあたり、
    前記アプリケーターロールにより多層の塗布液が基材へ転写される以前に、基材に対して、コーターにより、前記アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液と同一の塗布液をプレコートし、
    前記プレコート後、基材上のプレコートされた塗布液が液体の状態のうちに、前記アプリケーターロールが基材との接触部において基材と逆方向に回転しながら前記基材への転写を行い、
    前記多層の塗布液は、前記アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液の粘性係数をμ1:1.5〜4mPa・s、上層を形成する塗布液の粘性係数μ2:2〜20mPa・sとし、μ1<μ2を満たし、
    アプリケーターロールに転写されず前記中間ロールに残った多層の塗布液および基材に転写されず前記アプリケーターロールに残った多層の塗布液をそれぞれ前記中間ロールおよび前記アプリケーターロールから除去することを特徴とする基材への塗布方法。
  3. 前記アプリケーターロールの回転速度をV1、前記基材の走行速度をV2とする場合、0.5≦V1/V2≦1.5であることを特徴とする請求項1に記載の基材への塗布方法。
  4. 前記中間ロールの回転速度をV3、前記アプリケーターロールの回転速度をV1、前記基材の走行速度をV2とする場合、0.5≦V3/V1≦1.5および0.5≦V1/V2≦1.5であることを特徴とする請求項2に記載の基材への塗布方法。
  5. 基材にプレコートする以前に、コーターにより、前記アプリケーターロール上で最下層を形成する塗布液と同一の塗布液を基材に対して、プレプレコートし、
    前記プレプレコート後、プレプレコートされた塗布液が液体の状態のうちに前記プレコートを行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の基材への塗布方法。
  6. 前記アプリケーターロールは金属ロールにゴムをライニングしたゴムロールを用い、
    前記ダイコーターでは、塗布部上流側に負圧を発生させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の基材への塗布方法。
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