JP2003260400A - 塗布方法及び装置 - Google Patents

塗布方法及び装置

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JP2003260400A
JP2003260400A JP2002064432A JP2002064432A JP2003260400A JP 2003260400 A JP2003260400 A JP 2003260400A JP 2002064432 A JP2002064432 A JP 2002064432A JP 2002064432 A JP2002064432 A JP 2002064432A JP 2003260400 A JP2003260400 A JP 2003260400A
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English (en)
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Yasuhiko Tokimasa
泰彦 時政
Yoshinobu Katagiri
良伸 片桐
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロットダイコーターで精度良く多層同時塗
布を行う。 【解決手段】 先端リップ30の4つランドの長さが、
上流側より1mm、50μm、50μm、50μmであ
るスロットダイ13を用い、ウェブ12の上に3種の塗
布液14,15,16の同時塗布を行った。塗布速度は
50m/分で、塗膜14b,15b,16bの湿潤膜厚
が各々3μmとなるように実施した。ウエブ12にはセ
ルローストリアセテートを用いた。塗布前に長鎖アルキ
ル変性ポバールの2重量%溶液を塗布、乾燥し、配向膜
用樹脂層を形成した。塗布液には液晶化合物のメチルエ
チルケトン溶液を使用した。塗布は可能であり、その際
の減圧度は1000Paで、形成されるビードの状態は
良好であった。得られた積層膜17には段状ムラもな
く、非常に良好な面状であった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層同時塗布方法
及び装置に関するものであり、特に写真感光乳剤液、磁
性液、反射防止や防眩性などを付与する液、視野角拡大
効果を付与する液、カラーフィルター用顔料液、表面保
護液等の塗布液で、湿潤膜厚が20μm以下の薄層をな
す塗布液を、積層膜を構成する塗布液のひとつとし、プ
ラスチックフィルムや紙、金属箔等の可撓性支持体(以
下、ウェブと称する)に塗布して、高機能性積層膜を製
造するための塗布方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前記したような高機能性積層膜は、スロ
ットダイ等を用いたコーターにより複数種の塗布液をウ
ェブに塗布させ、積層させて製造されている。塗布液を
逐次的に塗布して1層ずつ形成させる場合もあるし、同
時に複数を塗布して一度に積層膜のすべてあるいは一部
を得る場合もある。2層以上の多層塗布の場合は、層全
部での湿潤膜厚は厚くなるが、近年の高機能化志向に伴
い、所望の機能を発現させるために、積層を構成する各
層の湿潤膜厚を従来よりも薄い20μm以下とする多層
塗布技術に対する要求が高まっている。このような高機
能性積層膜は、求められる塗布膜厚精度及び塗布性状が
厳しく、それを達成するための塗布方法には、多層ほど
高精度な薄層塗布技術が要求される。
【0003】また、塗布の実施においては、様々な外乱
により、一般には段状のムラと呼ばれるフィルム長手方
向に不均一な塗布膜厚現象が発生する。この現象は一般
に湿潤膜厚が薄いほど、また多層になるほど顕著に現れ
やすい。湿潤膜厚が薄い塗布の場合は、膜厚に対する膜
厚の変動幅の割合が高くなるためであり、また、多層塗
布の場合は、各層の膜厚変動が、隣接する層の膜厚に直
接影響するためである。
【0004】上記段状のムラは、塗布液送液ポンプの脈
動やその他送液系が原因となることでのダイへの塗布液
供給量の不均一化、バックアップロールによるウェブの
搬送速度ムラ、バックアップロールの偏心による、ウェ
ブ進行方向側のスロットダイ先端部とバックアップロー
ルとの間の隙間の周期的な変化などが原因となっている
ことは既に知られている。ここで、バックアップロール
の偏心は、バックアップロールの芯がでていないこと
や、バックアップロールが厳密には真円ではないこと
が、その発生原因のひとつである。
【0005】段状ムラのそのほかの原因としては、ビー
ド形成における減圧状態を維持するために設置している
減圧室の、装置やウェブとの各種接触線における隙間が
周期的に変化することもあげられる。これは、各隙間の
大きさの変化により、その周辺の空気の漏れ量が変化し
て減圧度が一定せず、ビードが振動してしまい、塗膜の
段状ムラを招くものである。このような段状ムラは、塗
布目的が1層のみの場合、多層の場合に関わらず発生す
る問題である。塗布工程におけるこれらの問題の本質的
な解決方法は、各要因を可能な限りそれぞれ低減するこ
とであるが、技術的な面及びコスト面から、すべてを完
全に解決するには至っていない。
【0006】単層の薄膜塗布においては、スロットダイ
のウェブ進行方向側(以下、下流側と称する)の先端リ
ップ(以下、下流側リップと称する)の位置を、湿潤膜
厚の薄さに応じてウェブとの隙間が小さくなるように設
定しなければならないが、ウェブ進行方向逆側(以下、
上流側と称する)の先端リップ(以下、上流側リップと
称する)に関してはこうした制約はない。従って、ビー
ドの上流側の圧力損失を下げるために上流側リップとウ
ェブの間の隙間を大きくすること、薄膜塗布実現のため
に下流側リップとウェブの間の隙間をできるだけ小さく
させるという2つの条件を満足するために、スロットダ
イのオーバーバイト形状化が提案されている。オーバー
バイト形状とは、塗布位置にセットしたスロットダイに
おいて、下流側リップが、断面でみたときウェブ側につ
きでた形をいう。特表平9−511682号公報では、
単層塗布の場合で、ビードを上流側リップの下流端に留
める(ピンさせる)ことで安定させる機能をもつ、前記
オーバーバイト形状に関する提案がなされている。
【0007】同様に単層の塗布の場合ではあるが、段状
ムラの解決手段を、本出願人らは既に、例えば特願20
01−368113号及び特願2002−014772
号にて提案している。特願2001−368113号で
は、上流側の先端リップの端部を100°以下の角度で
屈曲させた塗布装置を提案した。一方、特願2002−
014772号では、スロットダイの先端リップを平坦
部としてのランドとし、その下流側リップのランドのウ
ェブ走行方向における長さを30μm以上100μm以
下に、さらにオーバーバイト化することにより、段状ム
ラを低減することができるという報告をしている。オー
バーバイト長さは30μm以上120μm以下としてい
る。この方法により、単層塗布の場合においては、減圧
度をできるだけ低く設定しながらも、均一な薄層塗布を
実施することができる。
【0008】多層の精密塗布としては、例えば、特表平
9−511681号公報において、スロットダイの先端
リップのシャープエッジ化及びオーバーバイト形状化を
併合した技術、具体的にシャープエッジ化については、
エッジの半径は10μmより大きくすべきではないとい
う提案がなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら単層塗布
の場合と同様、多層塗布の場合も、スロットダイの先端
リップのエッジ半径を10μm以下にすることについて
は、薄層均一塗布実現に際しては好ましくないことがわ
かった。薄層塗布に関しては、単層の場合も多層の場合
もともに、先端リップの形状の微小な誤差が塗膜に重大
な影響を与えてしまう。つまり、先端リップをシャープ
エッジにした場合、μm単位の設計であるエッジに対す
る製作誤差の割合が高くなってしまうので、結果的に塗
膜に対する誤差の影響が発現しやすくなる。また、シャ
ープエッジのスロットダイの製作は、本来非常に困難で
あり、技術的、コスト的も有効ではない。
【0010】さらに、オーバーバイト形状に関しては、
最適な状態が存在する。例えば、単層塗布の場合、上流
側リップと下流側リップのウェブとの隙間の差が小さす
ぎると、低い減圧度でビードをピンさせることが困難に
なるし、反対に大きすぎるとほんのわずかな減圧度で上
流側にピンしすぎるという問題がある。この現象は多層
用ダイでの塗布の場合にもあてはまり、特に20μm以
下の薄層を形成するビードに関しては顕著である。
【0011】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、スロットダイコーターでのウェブ上への連続的
な精密多層同時塗布、特に湿潤膜厚20μm以下の薄膜
をその構成塗膜のひとつとしてもつ場合の塗布方法及び
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の塗布方法は、バックアップロールに支持さ
れて連続走行するウェブの表面にスロットダイの先端リ
ップの平坦部(以下、ランドと称する)を近接させて塗
布液を塗布する方法であり、前記塗布により形成される
塗膜が少なくとも2層の多層同時塗布において、前記ウ
ェブの走行方向の最上流側の先端リップ以外の少なくと
もひとつの先端リップのランドのウェブ走行方向におけ
る長さ(以下、ランドの長さと称する)を30μm以上
100μm以下とすることを特徴として構成されてい
る。
【0013】また、塗布液の吐出口の少なくともいずれ
かひとつに関し、その吐出口をなす下流側の先端リップ
が上流側の先端リップよりもウェブに近接することが好
ましく、ウェブとの隙間の差を30μm以上120μm
以下とすることがさらに好ましい。前記吐出口をなす下
流側の先端リップのランド長さについては、スロットダ
イの幅方向における変動幅が20μm以内となるように
する。
【0014】スロットダイの少なくとも先端リップの材
質は、平均粒径5μm以下の炭化物結晶を結合してなる
超硬合金にすることが好ましく、3μm以下のものがさ
らに好ましい。
【0015】さらに本発明による塗布方法及び装置に適
用する塗布系としては、公知の各種ウェブの上に形成さ
れる多層のうち、少なくとも1層の湿潤膜厚が20μm
以下である塗布を行う系が特に好ましい。
【0016】多層塗布用のスロットダイでの塗布におい
て、湿潤膜厚を20μm以下の層を形成するとき、その
20μm以下の層のうち最も下の層を形成する塗布液の
吐出口よりも下流側に位置するすべての先端リップのラ
ンド長さを30μm以上100μm以下とし、さらに、
下流側の先端リップを上流側リップよりもウェブに近接
させることが好ましい。ウェブとのその隙間の差は30
μm以上120μm以下とするのがよい。このスロット
ダイにおいて、スロットダイ幅方向におけるそのランド
長さの変動幅を20μm以内とすることがさらに好まし
い。先端リップの材質は、平均粒径が5μm以下の炭化
物結晶を結合してなる超硬合金とするのがよい。
【0017】最下層の塗膜を形成する塗布液を、前記最
下層に隣接する層の塗膜を形成する塗布液よりも粘度が
低い塗布液を塗布することとし、最下層の塗膜を形成す
る塗布液に、前記最下層に隣接する塗膜を形成する塗布
液の溶媒あるいは主溶媒を添加することが好ましい。
【0018】また、本発明の塗布装置は、バックアップ
ロールに支持されて連続走行するウェブの表面に、スロ
ットダイの先端リップのランドを近接させて塗布液を塗
布する装置であり、前記塗布液により形成される塗膜が
少なくとも2層の同時塗布塗布において、少なくともひ
とつの塗布液の吐出口をなす先端リップであって、この
吐出口に関して下流側の先端リップのランド長さを30
μm以上100μm以下とし、且つ下流側の先端リップ
を上流側の先端リップよりもウェブに近接させることを
特徴としている。ウェブとのその隙間の差を30μm以
上120μm以下とし、先端リップの材質は、平均粒径
が5μm以下の炭化物結晶を結合してなる超硬合金とす
るのがよい。
【0019】
【発明の実施の形態】ウェブとしては、公知の各種ウェ
ブを用いることができる。一般的にはポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、セ
ルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、
セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリアミド等の公知の各種プラスチックフィルム、
紙、紙にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテ
ン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン
類を塗布またはラミネートした各種積層紙、アルミニウ
ム、銅、スズ等の金属箔等、あるいは帯状基材の表面に
予備的な加工層を形成させたものが含まれる。
【0020】本発明の塗布方法及び装置に用いる塗布液
として、光学補償シート塗布液、反射防止フィルム塗布
液、防眩性付与液磁性塗布液、写真感光性塗布液、磁性
塗布液、視野角拡大塗布液、表面保護液、帯電防止液、
滑性用塗布液、カラーフィルター用顔料液等が有効であ
るが、これらに限定されない。また、湿潤膜厚が25μ
m以下の薄層を塗布する系に有効であるが、特に、多層
を構成する膜のうちの少なくとも1層を20μm以下の
湿潤膜厚で塗布する系に対し有効である。塗布時の塗布
液は、粘度が0.5〜100mPa・s、表面張力が2
0〜70mN/mの範囲が好ましい。塗布速度は概ね1
00m/分程度までの領域で適用可能である。また、一
般に塗布するのが困難といわれる領域や多層を構成する
各層の湿潤膜厚がより薄い塗布系、各塗布液の粘度が高
い領域で、より効果を発揮する。一般に塗布するのが困
難といわれる領域や多層を構成する各層の湿潤膜厚がよ
り薄い塗布系、各塗布液の粘度が高い領域で、より効果
を発揮する。
【0021】図1は本発明を実施したスロットダイを用
いたコーターの断面図である。コーター10は、バック
アップロール11に支持されて連続走行するウェブ12
に対して、スロットダイ13から3種類の塗布液14,
15,16をそれぞれビード14a,15a,16aに
して塗布することにより、ウェブ12に積層膜17を形
成する。積層膜17は3種類の塗膜14b,15b,1
6bにより構成される。
【0022】スロットダイ13は、その内部に3つのポ
ケット20,21,22、及びスロット23,24,2
5が形成されている。ポケット20,21,22は、そ
の形状の断面が曲線及び直線で構成される。例えば、略
円形でもよいし、半円形でもよい。ポケット20,2
1,22は、スロットダイ13の幅方向にその断面形状
をもって延長された塗布液14,15,16の液溜め空
間で、その有効延長の長さは、塗布幅と同等か若干長め
にするのが一般的である。ポケット20,21,22へ
の塗布液14,15,16の供給は、スロットダイ13
の側面から、あるいはスロット23,24,25とは反
対側の面からそれぞれ行い、ポケット20,21,22
には塗布液14,15,16が漏れ出ないようにするた
めの栓を設けている。
【0023】3つのスロット23,24,25は、それ
ぞれポケット20,21,22からウェブ12への塗布
液14,15,16の流路であり、ポケット20,2
1,22と同様にスロットダイ13の幅方向にその断面
形状をもち、ウェブ側に位置する開口部23a,24
a,25aは、一般に、幅規制板(図示せず)のような
ものを用いて、概ね塗布幅と同じ長さの幅になるように
調整する。このスロット25の、開口部25aにおける
バックアップロール11のウェブ走行方向の接線とのな
す角は、一般に30°以上90°以下である。スロット
23,24,25の開口部23a,24a,25aが位
置する先端リップ30にかけて、スロットダイ13は先
細り状に形成されており、その先端リップ30はランド
とされている。本発明の効果は上記形状のスロットダイ
に限定されるものではなく、スロットを4つ以上有する
ものでもよい。
【0024】図2は、本発明のスロットダイ13の先端
部の断面形状を従来のものと比較して示すものであり、
(A)は本発明のスロットダイ13を示し、(B)は従
来のスロットダイ2を示している。本発明のスロットダ
イ13において、ランドとした先端リップ30であっ
て、スロット23,24,25をその境界として、ウェ
ブ走行方向の上流側から下流側へ順に,第1リップラン
ド30a、第2リップランド30b、第3リップランド
30c、第4リップランド30dと称する。従来のスロ
ットダイ2においても同様に、ランドとした先端リップ
3であって、スロット4,5,6をその境界として、上
流側から下流側へ順に、第1リップランド3a、第2リ
ップランド3b、第3リップランド3c、第4リップラ
ンド3dと称する。
【0025】従来のスロットダイ2の先端リップ3で
は、4つのランドが形成されているが、第1リップラン
ド3a以外のランド、つまり第2リップランド3b、第
3リップランド3c及び第4リップランド3dのランド
長さIb,Ic,Idについて考慮されておらず、第1
リップランド3aのランド長さIaとほぼ同じ長さとさ
れている。
【0026】これに対して、本発明のスロットダイ13
では、第2リップランド30bのランド長さIb,第3
リップランド30cの長さIc及び第4リップランド3
0dの長さIdを短くしており、30μm以上100μ
m以下となっている。これによって、湿潤膜厚が20μ
m以下の薄層を積層膜の1層として形成する塗布を精度
良くおこなうことができる。しかも、この第2リップラ
ンド30bのランド長さIb,第3リップランド30c
の長さIc,第4リップランド30dの長さIdを上記
範囲とすることは、シャープエッジのものと比較して寸
法精度のよい先端リップを形成することが可能であるの
で、スロットダイの製作においても有効である。
【0027】第2リップランド30b、第3リップラン
ド30c、第4リップランド30dのランド長さIb,
Ic,Idが30μmよりも短い場合は、ランドが欠け
やすく、塗布中にスジが発生しやすくなり、結果的には
塗布が不可能となる。また、ウェブ12にかけて形成さ
れるビード16aの最上流部の濡れ線位置の調節が非常
に困難になる。その結果、塗布液14,15,16がウ
ェブ進行方向側で広がりやすくなるという問題も発生す
る。この塗布液の濡れ広がりは、濡れ線の不均一化につ
ながり、塗膜14b,15b,16bにスジなどの不良
面状を生み出してしまうという問題を発生させる。一
方、100μmよりも長い場合は、ビードそのものを形
成することができないため、薄層の多層塗布は不可能で
ある。
【0028】第2リップランド30b、第3リップラン
ド30c、及び第4リップランド30dのランド長さI
b,Ic,Idは、30μm以上80μm以下がさらに
好ましく、最も好ましくは30μm以上60μm以下で
ある。また、第1リップランド30aのランド長さIa
は特に限定されないが、300μm以上1mm以下の範
囲で好ましく用いられる。
【0029】しかし、ランドの長さが長いほど、スロッ
トダイの製作は容易になる。多層塗布の場合、すべての
層が湿潤膜厚20μm以下の薄層とは限らないので、そ
の際は、薄層を形成する塗布液の流路であるスロットの
開口部よりも下流側の先端リップのランド長さのみ、3
0μm以上100μm以下とすればよい。ただし、その
スロット開口部よりも上流側の先端リップのランドの長
さを大きくしすぎると、必要減圧度を高くしなければな
らなくなってしまうので、実質的な意味がなく、好まし
くは300μm以上1mm以下の範囲とする。例えば、
塗布液15,16にて形成する塗膜15b,16bのみ
が湿潤膜厚20μm以下のときには、第3リップランド
30c及び第4リップランド30dの長さIc,Idの
み30μm以上100μm以下とする。
【0030】また、多層塗布のなかで20μm以下の薄
層を高精度で均一化するためには、第2リップランド3
0b、第3リップランド30c及び第4リップランド3
0dのランド長さIb,Ic,Idのスロットダイ13
の幅方向における変動幅を20μm以内にするのが好ま
しい。この変動幅が大きくなりすぎると、ビード14
a,15a,16aはかすかな外乱にも応答しやすくな
ってしまい、ビード14a,15a,16aの形状が不
安定になるからである。
【0031】高精度な多層塗布を実現するためには、最
も上流側のランド以外の各ランドの長さ、及びそれらの
ランドとウェブとの各隙間のスロットダイ幅方向におけ
るばらつきも重要な因子となる。この2つの因子の組み
合わせ、つまり各隙間の変動幅をある程度抑えられる範
囲内の真直度を達成することが望ましい。好ましくは、
前記各隙間のスロットダイ幅方向における変動幅が5μ
m以下になるように真直度を出す。この隙間のスロット
ダイ幅方向におけるばらつきが少ないほど、薄層を有す
る多層塗布を高精度に行うことができる。
【0032】スロット23,24,25の開口部23
a,24a,25aを含む先端リップ30の強度や表面
状態の向上対策としては、少なくともこの箇所を含むス
ロットダイの材質を、タングステンカーバイド(以下、
WCと称す)を主成分とする超硬材質にする。ステンレ
ス鋼等のような材質を用いるとダイ加工の段階でだれて
しまい、前記のように先端リップのランド長さを30μ
m〜100μmの範囲にしても、その精度を満足するこ
とが難しいからである。したがって、高い加工精度を維
持するために、特許第2817053号公報に記載され
ているような超硬材質のものを用いばよい。
【0033】具体的には、少なくとも先端リップ30を
含むスロットダイ13の先端部を、平均粒径5μm以下
の炭化物結晶を結合してなる超硬合金にする。超硬合金
としては、WC等の炭化物結晶粒子をCo(コバルト)
等の結合金属によって結合したものなどがあり、結合金
属としては他にTi(チタン)、Ta(タンタル)、N
b(ニオブ) 及びこれらの混合金属を用いることもでき
る。なお、WC結晶の平均粒径は5μm以内であれば、
任意の平均粒径のものを用いてよい。
【0034】また、超硬材質を用いることにより、表面
形状の均質性と併せ、常に吐出される塗布液による先端
リップ30の摩耗への対策にもなる。塗布液として研磨
材を含む磁性液等を塗布する場合は特に有効である。
【0035】図3は、本発明のほかの実施形態であるス
ロットダイの先端部の断面図である。スロットダイ40
の先端リップ41の付近の形状は、第1リップランド4
1aと比べて第2リップランド41b、第3リップラン
ド41c及び第4リップランド41dが突き出たオーバ
ーバイト形状である。また、第1リップランド41aの
長さIaよりも、第2リップランド41b、第3リップ
ランドIc及び第4リップランド41dのランド長さI
b,Ic,Idが短い、30μm以上100μm以下と
している。第1リップランド41aの長さIaは図2に
示した前記スロットダイ13と同様に、特に限定されな
いが、300μm以上1mm以下の範囲で好ましく用い
られる。なお、符号42,43,44はスロットを表
す。
【0036】オーバーバイト形状にすることにより、塗
布時の必要減圧度を下げることが可能となり、薄膜塗布
に適したビード形成ができるようになる。第1リップラ
ンド41aと第2リップランド41bのオーバーバイト
長さLOは30μm以上120μm以下としているが、
30μm以上100μm以下がさらに好ましく、30μ
m以上80μm以下が最も好ましい。
【0037】オーバーバイト形状化に関しても、その有
用性を発揮するのは、とくに薄層の場合である。したが
って、多層塗布において、20μm以下の層を形成する
塗布液の流路であるスロットの開口部を構成する先端リ
ップのみへの適用でもよい。例えば、スロット43を流
路とする塗布液15により形成される塗膜15bのみが
湿潤膜厚20μm以下である場合は、第2リップランド
41bと第3リップランド41cをオーバーバイト化し
て、そのオーバーバイト長さLOを30μm以上120
μm以下とすればよい。第1リップランド41aと第2
リップランド41bはオーバーバイト化せず、また、第
2リップランド41bの長さIbは第1リップランド4
1aの長さIaとほぼ同じ長さとしてもよい。
【0038】スロットダイ40の材質についても、その
先端41の強度や表面状態の向上対策として、WCを主
成分とする超硬材質にする。この場合も超硬材質とし
て、平均粒径5μmのWC炭化物結晶をCoをはじめと
する結合金属で結合してなる材質を使用するが、結合金
属はこれに限定されず、Ti、Ta、Nbをはじめとす
る各種金属を使用することもできる。
【0039】なお、本実施例では、両スロットダイ1
3,40の上流側に、ビードに対して十分な減圧調整を
行えるよう、接触しない位置に減圧チャンバー(図示せ
ず)を設置する。減圧チャンバーは、バックプレートと
サイドプレートを備えることにより、その作動効率を保
持している。
【0040】本発明の塗布方法及び装置では、公知の各
種溶媒を用いた塗布液を使用することができる。例え
ば、水、各種ハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテ
ル、エステル、ケトンなどを単独あるいは複数混合して
使用することができる。
【0041】多層同時塗布においては、塗布液の粘度に
より、その塗膜状態に差異が現れる。最も留意すべき層
は、同時塗布での最下層14bを形成する塗布液14の
粘度であり、この粘度を、この層に隣接する上層15b
を形成する塗布液よりも低い粘度とすることが好まし
い。塗布液14,15,16の溶媒として、有機溶剤を
主成分とするものを用いた場合は、塗膜14b,15
b,16bの乾燥過程で、塗膜内で流動の現象が生じや
すく、溶媒に溶解あるいは分散していた塗膜形成成分も
流動をおこしてしまう。この現象は、塗布液中の溶媒含
有率が高いほど起こりやすい。一方で、多層同時塗布に
おいて、各層の薄膜化を実現するには、ある程度の溶媒
含有率が必要である。本発明は、これら双方の条件を満
足することができ、さらに、最下層14bを形成する塗
布液14の低粘度化には、その隣接する上層15bを形
成する塗布液15の溶媒あるいは主たる溶媒成分を用い
て、溶媒の濃度を下げることが好ましい。
【0042】
【実施例】〔実施例1〕既存の光学補償シート製造工程
に、本発明の塗布方法及びスロットダイを組み入れ実施
した。光学補償シート製造工程では、ウェブは送出機に
より送られ、ガイドロールによって支持されながら配向
膜用樹脂層の形成の工程を経て、この後、本発明の塗布
工程を組み入れる。その後、乾燥ゾーン、加熱ゾーン、
紫外線ランプを通過し、巻き取り機によって巻き取るの
が基本工程である。
【0043】スロットダイ13の第1リップランド30
aの長さIaを1mm、第2リップランド30b、第3
リップランド30c、第4リップランド30dの長さI
b,Ic,Idをともに50μmとした。このスロット
ダイ13を用いて、ウェブ12上に塗布液14,15,
16を、それぞれの湿潤膜厚が3μmとなるように塗布
した。塗布速度は50m/分とした。なお、スロットダ
イ13とウェブ12との隙間は40μmに設定した。
【0044】ウェブ12には、厚み100μmのセルロ
ーストリアセテート(商品名;フジタック、富士写真フ
イルム(株)製)を用いた。塗布液14,15,16を
塗布する前に、ウェブ12の塗布面に対し、長鎖アルキ
ル変性ポバール(商品名;MP−203、クラレ(株)
製)の2重量%溶液を25ml/m2 で塗布し、60℃
で1分間乾燥して配向膜用樹脂層を形成した。その後、
このウェブ12を、塗布工程へ搬送して塗布を実施し
た。
【0045】塗布液14には、ディスコティック化合物
TE−(1)とTE−(2)の重量比率4:1の混合物
に、光重合開始剤(商品名;イルガキュア907、日本
チバガイギー(株)製)を1重量%添加した混合物を、
40重量%メチルエチルケトン溶液とした、液晶性化合
物を含む溶液を用いた。塗布液15には、上記塗布液1
4を赤色顔料(商品名;RT−107、富士フイルムア
ーチ(株)製)により着色したものを用い、塗布液16
には、青色顔料(商品名;MHIブルー7075M、御
国色素(株)製)の添加で着色したものを用いた。
【0046】塗布液14,15,16を塗布したウェブ
12を、100℃に設定した乾燥ゾーン、及び130℃
に設定した加熱ゾーンを通過させ、この積層膜表面に紫
外線ランプにより紫外線を照射した。塗布可能性につい
ては目視によるビード状態の観察により判断し、ビード
14a,15a,16aが破断した段階で塗布不可能と
した。この結果、本実施例1では、塗布は可能であり、
このときの減圧度は1500Paであった。積層膜17
には段状ムラも認められず、非常に良好な面状であっ
た。
【0047】
【化1】
【0048】〔実施例2〕塗布速度を70m/分とした
ほかは、実施例1と同様に実施した。塗布は可能であ
り、このときの減圧度は2000Paであった。積層膜
17には段状ムラも認められず、非常に良好な面状であ
った。
【0049】〔実施例3〕塗布速度を80m/分とした
ほかは、実施例1と同様に実施した。塗布は可能であ
り、このときの減圧度は2200Paであった。積層膜
17には段状ムラはほとんど認められず、良好な面状で
あった。
【0050】〔実施例4〕塗布速度を100m/分とし
たほかは、実施例1と同様に実施した。ビード14a,
15a,16aが破断し、塗布することはできなかっ
た。
【0051】〔実施例5〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを100μmとしたほかは実施例1と同様に実
施した。塗布は可能であり、このときの減圧度は200
0Paであった。積層膜17には段状ムラはほとんど認
められず、良好な面状であった。
【0052】〔実施例6〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを100μmとしたほかは実施例2と同様に実
施した。塗布は可能であり、このときの減圧度は250
0Paであった。積層膜17には段状ムラはほとんど認
められず、良好な面状であった。
【0053】〔実施例7〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを100μmとしたほかは実施例3と同様に実
施した。ビード14a,15a,16aが破断し、塗布
することはできなかった。
【0054】〔実施例8〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを100μmとしたほかは実施例4と同様に実
施した。ビード14a,15a,16aが破断し、塗布
することはできなかった。
【0055】〔比較例1〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを200μmとしたほかは実施例1と同様に実
施した。ビード14a,15a,16aが破断し、塗布
することはできなかった。
【0056】〔比較例2〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを200μmとしたほかは実施例2と同様に実
施した。ビード14a,15a,16aが破断し、塗布
することはできなかった。
【0057】〔比較例3〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを200μmとしたほかは実施例3と同様に実
施した。ビード14a,15a,16aが破断し、塗布
することはできなかった。
【0058】〔比較例4〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを200μmとしたほかは実施例4と同様に実
施した。ビード14a,15a,16aが破断し、塗布
することはできなかった。
【0059】〔比較例5〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを10μmとしたほかは実施例1と同様に実施
した。はじめは塗布が可能であったが、数分後にビード
14a,15a,16aが破断し、塗布は不可能となっ
た。
【0060】〔比較例6〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを10μmとしたほかは実施例2と同様に実施
した。はじめは塗布が可能であったが、数分後にビード
14a,15a,16aが破断し、塗布は不可能となっ
た。
【0061】〔比較例7〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを10μmとしたほかは実施例3と同様に実施
した。はじめは塗布が可能であったが、数分後にビード
14a,15a,16aが破断し、塗布は不可能となっ
た。破断箇所は比較例6と同一であった。
【0062】〔比較例8〕第2リップランドの長さI
b、第3リップランドの長さIc、第4リップランドの
長さIdを10μmとしたほかは実施例4と同様に実施
した。はじめは塗布が可能であったが、すぐにビード1
4a,15a,16aが破断し、塗布は不可能であっ
た。破断箇所は比較例6と同一であった。
【0063】以上実施例1〜8及び比較例1〜8の結果
から、積層膜において湿潤膜厚が20μm以下の薄層を
形成する場合、その薄層を形成する塗布液の吐出口より
も下流側に位置するランドの長さは30μm以上100
μm以下であることが重要であり、この範囲内で短いほ
ど、薄膜塗布に対して有利であることがわかる。
【0064】〔実施例9〕スロットダイ13の先端30
を、WCの超硬材質を主成分とする材質で制作したスロ
ットダイ13を使用したほかは、実施例1と同様に実施
した。レーザー変位計にて精密に、スロットダイ13の
幅方向の様々な箇所で第2リップランドの長さIb、第
3リップランドの長さIc、第4リップランドの長さI
dを測定したところ、30〜50μmで、スロットダイ
13の幅方向での変動幅は20μmであった。目視によ
る検査では、塗布中にビード14a,15a,16aが
切れることはなかった。積層膜17にスジは認められ
ず、段状ムラもほとんど認められなかった。
【0065】〔比較例9〕先端30をステンレス綱で制
作したスロットダイ13を使用したほかは実施例9と同
様に実施した。レーザー変位計にて精密に、スロットダ
イ13の幅方向の様々な箇所で、第2リップランドの長
さIb、第3リップランドの長さIc、第4リップラン
ドの長さIdを測定したところ、0μm〜40μmで、
差は最大で40μmあった。塗布開始から約5分後にビ
ードの切れが数本発生し、塗膜にスジが入った。
【0066】上記実施例9及び比較例9の結果より、連
続的な多層同時塗布において、先端リップ30の材質に
は超硬材質が有効であることがわかる。
【0067】〔実施例10〕第1リップランド41aの
長さIaが1mm、第2リップランド41b、第3リッ
プランド41c、第4リップランド41dの長さIb,
Ic,Idが50μmで、第1リップランド41aと第
2リップランド41bのオーバーバイト長さLOが50
μmのスロットダイ40を用いたほかは実施例1と同様
に実施した。その結果、本実施例では塗布は可能であ
り、このときの減圧度は500Paであった。積層膜1
7に、段状ムラは認められず、非常に良好な面状であっ
た。
【0068】〔実施例11〕第1リップランド41aの
長さIaが1mm、第2リップランド41b、第3リッ
プランド41c、第4リップランド41dの長さIb,
Ic,Idが50μmで、第1リップランド41aと第
2リップランド41bのオーバーバイト長さLOが50
μmのスロットダイ40を用いたほかは実施例2と同様
に実施した。その結果、本実施例では、本実施例では塗
布は可能であり、このときの減圧度は1000Paであ
った。積層膜17に、段状ムラは認められず、非常に良
好な面状であった。
【0069】〔実施例12〕第1リップランド41aの
長さIaが1mm、第2リップランド41b、第3リッ
プランド41c、第4リップランド41dの長さIb,
Ic,Idが50μmで、第1リップランド41aと第
2リップランド41bのオーバーバイト長さLOが50
μmのスロットダイ40を用いたほかは実施例3と同様
に実施した。その結果、本実施例では、本実施例では塗
布は可能であり、このときの減圧度は1200Paであ
った。積層膜17に、段状ムラは認められず、非常に良
好な面状であった。
【0070】〔実施例13〕第1リップランド41aの
長さIaが1mm、第2リップランド41b、第3リッ
プランド41c、第4リップランド41dの長さIb,
Ic,Idが50μmで、第1リップランド41aと第
2リップランド41bのオーバーバイト長さLOが50
μmのスロットダイ40を用いたほかは実施例4と同様
に実施した。その結果、本実施例では、本実施例では塗
布は可能であり、このときの減圧度は1300Paであ
った。積層膜17に、段状ムラは認められず、非常に良
好な面状であった。
【0071】実施例10〜13より、スロットダイの先
端の形状をオーバーバイトにすることにより、より高精
度な多層同時塗布が可能となることがわかる。
【0072】〔実施例14〕塗布液14として、実施例
1で用いた液晶化合物のメチルエチルケトン溶液をさら
にメチルエチルケトンで希釈し、濃度を低下させたもの
を用いた。塗布液14の粘度は2mPa・sであり、塗
布液15,16の粘度は4mPa・sであった。その他
の条件については実施例1と同様に実施した。この結
果、本実施例では、得られた塗膜の面状は良好であっ
た。
【0073】〔実施例15〕塗布液14として、実施例
1で用いた液晶化合物のメチルエチルケトン溶液をメチ
ルアルコールで希釈し、濃度を低下させたものを用い
た。塗布液14の粘度は2mPa・sであり、塗布液1
5の粘度は4mPa・sであった。その他の条件につい
ては実施例1と同様に実施した。この結果、乾燥工程に
おいて塗膜内で流動が発生してしまい、得られた塗膜の
面状は不均一であった。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明の塗布方法及び装
置により、良好なビードを形成することが可能になり、
塗膜にスジが発生することなく、多層同時塗布を連続的
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したスロットダイコーターの断面
図である。
【図2】(A)は本発明を実施したスロットダイの先端
部の断面図,(B)は従来のスロットダイの先端部の断
面図である。
【図3】本発明のほかの実施形態であるスロットダイの
先端の断面図である。
【符号の説明】
12 ウェブ 13 スロットダイ 17 積層膜 30 先端リップ 30a 第1リップランド 30b 第2リップランド 30c 第3リップランド 30d 第4リップランド 40 スロットダイ 41 先端リップ 41a 第1リップランド 41b 第2リップランド 41c 第3リップランド 41d 第4リップランド Ia 第1リップランドの長さ Ib 第2リップランドの長さ Ic 第3リップランドの長さ Id 第4リップランドの長さ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/74 G03C 1/74 Fターム(参考) 2H023 EA01 4D075 AC02 AC08 AC09 AC72 AC78 AC80 AC88 AC92 AC93 AC96 AE23 BB92Z CA09 CA22 CA24 CB02 CB03 DA04 DB01 DB06 DB07 DB18 DB31 DB33 DB34 DB36 DB38 DB48 DB53 DB63 DC24 DC28 EA05 EA21 EA45 EB52 EB60 4F041 AA12 AB01 BA11 BA12 BA13 BA14 BA17 BA21 BA56 CA02 CA03 CA13 4F042 AA22 ED02

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バックアップロールに支持されて連続走
    行するウェブの表面にスロットダイの先端リップの平坦
    部を近接させて塗布液を塗布する方法であり、前記塗布
    により形成される塗膜が少なくとも2層の多層同時塗布
    において、 前記ウェブの走行方向における最上流側の前記先端リッ
    プ以外の少なくともひとつの前記先端リップの平坦部の
    ウェブ走行方向における長さを30μm以上100μm
    以下とすることを特徴とする塗布方法。
  2. 【請求項2】 塗布液の吐出口の少なくともいずれかひ
    とつに関し、その吐出口をなす下流側の前記先端リップ
    が上流側の前記先端リップよりも前記ウェブに近接する
    ことを特徴とする請求項1記載の塗布方法。
  3. 【請求項3】 前記上流側の先端リップと前記下流側の
    先端リップとの前記ウェブに対する隙間の差を30μm
    以上120μm以下とすることを特徴とする請求項2記
    載の塗布方法。
  4. 【請求項4】 前記スロットダイの幅方向において、最
    上流側の前記先端リップ以外の先端リップまたは前記吐
    出口をなす下流側の前記先端リップの前記ウェブ走行方
    向における長さの変動幅を20μm以内とすることを特
    徴とする請求項1ないし3いずれかひとつ記載の塗布方
    法。
  5. 【請求項5】 前記スロットダイの少なくとも前記先端
    リップを、平均粒径が5μm以下の炭化物結晶を結合し
    てなる超硬合金により構成することを特徴とする請求項
    1ないし4いずれかひとつ記載の塗布方法。
  6. 【請求項6】 前記ウェブに塗布液を塗布して形成され
    る少なくとも1層の湿潤膜厚が20μm以下となるよう
    に塗布することを特徴とする請求項1ないし5いずれか
    ひとつ記載の塗布方法。
  7. 【請求項7】 バックアップロールに支持されて連続走
    行するウェブの表面にスロットダイの先端リップの平坦
    部を近接させて塗布液を塗布する方法であり、前記塗布
    により形成される塗膜が少なくとも2層の多層同時塗布
    において、 前記塗膜を形成する層の少なくとも1層を湿潤膜厚20
    μm以下で塗布し、湿潤膜厚が20μm以下の層のうち
    最も下の層を形成する塗布液の吐出口よりも前記ウェブ
    走行方向の下流側に位置するすべての前記先端リップの
    平坦部の前記ウェブ走行方向における長さを30μm以
    上100μm以下とすることを特徴とする塗布方法。
  8. 【請求項8】 湿潤膜厚が20μm以下の層のうち最も
    下の層を形成する塗布液の吐出口よりも下流側の前記先
    端リップを、前記吐出口よりも上流側の前記先端リップ
    よりも、前記ウェブに近接させることを特徴とする請求
    項7記載の塗布方法。
  9. 【請求項9】 バックアップロールに支持されて連続走
    行するウェブの表面にスロットダイの先端リップの平坦
    部を近接させて塗布液を塗布する方法であり、前記塗布
    により形成される塗膜が少なくとも2層の多層同時塗布
    において、 前記塗膜を形成する層の少なくとも1層を湿潤膜厚20
    μm以下で塗布し、湿潤膜厚が20μm以下の層のうち
    最も下の層を形成する塗布液の吐出口よりも下流側の前
    記先端リップを、前記吐出口よりも上流側の前記先端リ
    ップよりも、前記ウェブに近接させることを特徴とする
    塗布方法。
  10. 【請求項10】 前記上流側の先端リップと前記下流側
    の先端リップとの前記ウェブに対する隙間の差を30μ
    m以上120μm以下とすることを特徴とする請求項8
    または9記載の塗布方法。
  11. 【請求項11】 前記スロットダイの幅方向において、
    湿潤膜厚が20μm以下の層のうち最も下の層を形成す
    る塗布液の前記吐出口よりもウェブ走行方向の下流側に
    位置する少なくともひとつの前記先端リップのウェブ走
    行方向における長さの変動幅を20μm以内とすること
    を特徴とする請求項7ないし10いずれかひとつ記載の
    塗布方法。
  12. 【請求項12】 前記スロットダイの少なくとも前記先
    端リップを、平均粒径が5μm以下の炭化物結晶を結合
    してなる超硬合金により構成することを特徴とする請求
    項7ないし11いずれかひとつ記載の塗布方法。
  13. 【請求項13】 最下層の塗膜を形成する塗布液を、前
    記最下層に隣接する層の塗膜を形成する塗布液よりも粘
    度が低くして塗布することを特徴とする請求項1ないし
    12いずれかひとつ記載の塗布方法。
  14. 【請求項14】 最下層の塗膜を形成する塗布液に、前
    記最下層に隣接する塗膜を形成する塗布液の溶媒あるい
    は主溶媒を添加することを特徴とする請求項13記載の
    塗布方法。
  15. 【請求項15】 バックアップロールに支持されて連続
    走行するウェブの表面に、スロットダイの先端リップの
    平坦部を近接させて塗布液を塗布する装置であり、前記
    塗布により形成される塗膜が少なくとも2層の多層同時
    塗布において、 塗布液の吐出口の少なくともいずれかひとつに関し、前
    記吐出口をなす下流側の先端リップの前記ウェブ走行方
    向における長さを30μm以上100μm以下とし、且
    つ、前記下流側の先端リップが上流側の先端リップより
    も前記ウェブに近接することを特徴とする塗布装置。
  16. 【請求項16】 前記上流側の先端リップと前記下流側
    の先端リップとのウェブに対する隙間の差を30μm以
    上120μm以下とすることを特徴とする請求項15記
    載の塗布装置
  17. 【請求項17】 前記スロットダイの少なくとも前記先
    端リップを、平均粒径が5μm以下の炭化物結晶を結合
    してなる超硬合金により構成することを特徴とする請求
    項15または16記載の塗布装置。
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