JP4163876B2 - 塗布方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットダイを用いるコーターでの塗布方法に関し、より詳しくはプラスチックフイルム、紙、金属箔等を形成してなる可撓性支持体(以下、ウェブという)に、例えば写真感光材料、磁性液、反射防止や防眩性などを付与する液、視野角拡大効果を付与する液、カラーフィルター用顔料液、表面保護液等の塗布液を塗布する塗布方法に関し、特に湿潤膜厚が25μm以下になる薄層をなす塗布液を塗布する塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記したような高機能性薄層フイルムは、スロットダイを用いたコーターにより塗布液をウェブに塗布させ、積層させて製造されており、近年は高機能性フイルムの製造において所望の機能を発現させるために、従来よりも薄い湿潤膜厚である25μm以下の領域の塗布方法に対する要求が高まっている。このような高機能性フイルムは、求められる塗布膜厚精度及び塗膜性状が厳しく、高精度な薄層塗布技術を要求される。
【0003】
スロットダイコーターを使用して薄層塗布を行なう場合に発生する大きな問題の一つに耳部の不安定化があげられていた。この対策として耳部に設置してある幅規制部材の設置方法の最適化が通常行なわれ、耳部の不安定化によるふらつきには、有効な方法であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の塗布方法によっても他の問題を解決することが困難であった。それは、耳部がふらつき始めると、まもなくそのビード不安定部が塗布幅方向の内側へ動き始めるという現象である。これが発生し始めると、ある一定幅の未塗布部が塗布膜上に左右に揺れたスジ状(以下、スジと称する)となって現れてしまう。もちろんこのスジが発生すると、それを製品として用いることが不可能になる。
【0005】
本発明の目的は、薄層の塗布膜表面にスジの発生を防ぐようにした塗布方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らが鋭意研究した結果、前記スジは、耳部から大きな気泡がスロットに引き込まれるように進入して、その気泡がスロット内で左右に動き、前記スジが発生していることが分かった。この気泡は、スロットの圧損が小さい場合には、スロット内の液溜まり部(ポケット)の圧力が低下した場合に発生しやすいことを見出した。スロット先端では、ビード背面を減圧にしているために、ポケットの内部の圧力が低下すると、耳部から大気がスロット内部に引き込まれやすいことが原因と考えられる。これを回避するためにはポケットの内部の圧力を大気圧以上に保てばよい。そのためにはスロット内部に流れる塗布液の圧損を大きくすればよい。すなわちスロットの長さを長く、スロットの幅を狭くすることでそれは実現できる。
【0007】
また上記現象はスロット出口の液圧を理論的に算出した場合に、その圧力が負圧(なお、本発明において「負圧」とは大気圧よりも減圧の状態を意味している)になっている場合であることが分かった。潤滑理論に基づくと、スロット出口の液圧が負圧になるのは、ダイの先端(以下、リップと称する)とウェブとの間のギャップ長を湿潤膜厚に対して2倍以上となるように塗布した場合である。しかしながら、リップとウェブとのギャップ長さは、一般的に長く取ることが製造上求められている。それは突発的な異物がウェブにのって搬送されてきた場合に、リップと接触するおそれがあるからである。そこで、湿潤膜厚を薄くするほど、ギャップ長さが膨潤膜厚の2倍以上になる条件に合致してしまう可能性が高く、前述した塗布故障(スジ)が発生する確率が高くなる。
【0008】
そこで、本発明者らが更に検討を進めていくと、これはポケット内部の圧力が大気圧よりも小さくなった場合(すなわち、「負圧」の場合)には、溶存できていた塗布液中の溶存空気が圧力の低下に伴い、塗布液中から気泡として出てきてしまうためであることが分かった。その影響は送液配管中で滞留時間の一番長いポケット部が最もこの現象に関係があることを突き止めた。
【0009】
そこで、本発明の塗布方法は、
(1)バックアップロールに支持されて連続走行するウェブの表面に、スロットダイのスロットから液を吐出して塗布する塗布方法において、前記ウェブを10m/min以上300m/minの速度で走行させて、前記ウェブに塗布された前記液の湿潤膜厚L2に対して下流側リップ先端と前記ウェブとの長さL1がL1≧2×L2の関係を有するように配された前記スロットダイから、前記バックアップロール上の前記ウェブに前記液を出してビードを形成し、前記ビードが上流側から吸引されるように前記ビードに関して前記ウェブの走行方向における上流側のエリアを減圧チャンバーにより減圧し、スロットの長さL3が40mm以上100mmの範囲である前記スロットダイを用い、このスロットダイのポケットの内部の圧力を大気圧以上となるようにしたこと、
(2)バックアップロールに支持されて連続走行するウェブの表面に、スロットダイのスロットから液を吐出して塗布する塗布方法において、前記ウェブを10m/min以上300m/minの速度で走行させて、前記ウェブに塗布された前記液の湿潤膜厚L2に対して下流側リップ先端と前記ウェブとの長さL1がL1≧2×L2の関係を有するように配された前記スロットダイから、前記バックアップロール上の前記ウェブに前記液を出してビードを形成し、このビードが上流側から吸引されるように前記ビードに関してウェブの走行方向における上流側のエリアを減圧チャンバーにより減圧し、ウェブの進行方向におけるスロットの幅L4が100μm以上500μm以下の範囲であるスロットダイを用い、このスロットダイのポケットの内部の圧力を大気圧以上となるようにしたこと、
(3)バックアップロールに支持されて連続走行するウェブの表面に、スロットダイのスロットから液を吐出して塗布する塗布方法において、前記ウェブを10m/min以上300m/minの速度で走行させて、前記ウェブに塗布された前記液の湿潤膜厚L2に対して下流側リップ先端と前記ウェブとの長さL1がL1≧2×L2の関係を有するように配された前記スロットダイから、前記バックアップロール上の前記ウェブに前記液を出してビードを形成し、このビードが上流側から吸引されるように前記ビードに関して前記ウェブの走行方向における上流側のエリアを減圧チャンバーにより減圧し、スロットの長さL3が40mm以上100mmの範囲であり、ウェブの進行方向におけるスロットの幅L4が100μm以上500μm以下の範囲であるスロットダイを用いることにより、このスロットダイのポケットの内部の圧力を大気圧以上とすること、
を、それぞれ特徴として構成される。なお、前記ポケット内の圧力の測定方法は、ポケットの出口部分に圧力計を設置して圧力を測定し、この測定値を液圧とみなす。厳密にはポケット内部を液が流れることで圧力損失が発生するためにその差が発生するが、スロット内部の圧力損失の方が大きいことが普通なので、前述した測定方法で問題がない。また、この測定方法は前記ダイのブロックの中央から前記液を供給する場合にも、前記ブロックの端部から前記液を供給する場合にも適用することが可能である。
【0010】
また、前記スロットダイの下流側リップ先端とウェブとの長さL1を、30μm≦L1≦150μmの範囲にすることが好ましい。さらに、前記スロットダイの下流側リップランドの長さL5を、30μm≦L5≦100μmの範囲にすることが好ましい。これは前述したように計算されるスロット出口の液圧は下流側リップのランドの長さが長いほど、負圧になる具合が大きくなる。負圧であること自体で問題になることがないが、ポケット内部の圧力を大気圧以上ではないと前記故障が起きるということは、言い換えると負圧の度合いが大きいと、それだけ故障が発生しやすいことを意味するので、下流側リップランドの幅が前述した範囲であることが好ましい。
【0011】
また、前記湿潤膜厚L2を、0.5μm≦L2≦25μmの範囲にすることが好ましい。また、前記ウェブの走行速度Vを、10m/min≦Vとすることが好ましく、より好ましくは10m/min≦V≦300m/minの範囲である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明では、公知の各種ウェブを用いることができる。一般的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等の公知の各種プラスチックフイルムを用いることができる。また、紙、紙にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布またはラミネートした各種積層紙を用いることもできる。さらに、アルミニウム、銅、スズ等の金属箔等、あるいは帯状基材の表面に予備的な加工層を形成させたものが含まれる。
【0013】
本発明では、塗布液の溶媒として公知の各種溶媒を使用することができる。例えば、水、各種ハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、ケトンなどを単独あるいは複数混合して使用することができる。
【0014】
本発明に用いられる塗布液として、光学補償シート塗布液、反射防止フイルム塗布液、防眩性付与液磁性塗布液、写真感光性塗布液、磁性塗布液、視野角拡大塗布液、表面保護液、帯電防止液、滑性用塗布液、カラーフィルター用顔料液等が有効であるが、これらに限定されない。また、湿潤膜厚が25μm以下の薄層を塗布する系に有効であるが、特に20μm以下の薄層塗布を行う系が好ましく、単層の1回塗布のみならず、重層逐次塗布に対しても、特に各層の湿潤膜厚が20μm以下の高精度の薄膜塗布の場合に有効である。塗布液の塗布時の温度における、塗布液の粘度としては0.5〜100mPa・s、また表面張力としては20〜70mN/mの範囲が好ましい。塗布速度Vは10〜300m/minの範囲が好ましいが、この範囲に限定されるものではない。また、一般に塗布するのが困難といわれる領域や湿潤膜厚がより薄い塗布系、粘度が高い領域で、より効果を発揮する。
【0015】
図1は本発明の塗布方法に使用されるスロットダイを用いたコーターの概略図である。コーター10は、バックアップロール11に支持されて連続走行するウェブ12に対して、スロットダイ13のリップ14から塗布液15を吐出して形成されたビード15aを塗布することにより、ウェブ12に塗布膜15bを形成する。また、ビード背面15cを減圧にするために減圧チャンバー16がスロットダイ13に取り付けられている。
【0016】
スロットダイ13は、その内部にポケット17、スロット18が形成されている。ポケット17は、その形状の断面が曲線及び直線で構成される。例えば図1に示すような略円形でもよいし、半円形でもよい。ポケット17は、スロットダイ13の幅方向にその断面形状をもって延長された塗布液の液溜め空間で、その有効延長の長さは、塗布幅と同等か若干長めにするのが一般的である。ポケット17への塗布液15の供給は、スロットダイ13の側面から、あるいはスロットとは反対側の面中央から行い、ポケット17には塗布液15が漏れ出ないようにするための栓(図示しない)を設けている。
【0017】
スロット18は、ポケット17からウェブ12への塗布液15の流路であり、ポケット17と同様にスロットダイ13の幅方向にその断面形状をもち、ウェブ側に位置する開口部18a(図2参照)は、一般に、図示しない幅規制板のようなものを用いて、概ね塗布幅と同じ長さの幅になるように調整する。このスロット18の、スロット先端におけるバックアップロール11のウェブ走行方向の接線とのなす角は、一般に30°以上90°以下であり、さらに、本発明の効果は上記形状のスロットダイに限定されるものではない。
【0018】
図2には、図1のコーターの要部拡大図を示す。スロット18の開口部18aが位置するスロットダイ13のリップ14は先細り状に形成されており、その先端には平坦部(ランド)14a、14bが形成されている。この平坦部であって、スロット18に対してウェブ12の進行方向の上流側を以下、上流側リップランド14aと称し、下流側を下流側リップランド14bと称する。
【0019】
下流側リップランド14bのウェブ走行方向における長さ(リップランド)L5は30μm〜100μmであり、好ましくは30μm〜80μm、さらに好ましくは30μm〜60μmである。また、上流側リップランド14aのウェブ進行方向における長さは特に限定されないが、500μm〜1mmの範囲で好ましく用いられる。
【0020】
なお、スロット18の開口部18aを含むリップ14の強度や表面状態の向上対策としては、少なくともこの箇所を含むスロットダイ13の材質を、WCを主成分とする超硬材質にする。超硬材質を用いることにより、表面形状の均質性と併せ、常に吐出される塗布液15によるリップの摩耗への対策にもなる。塗布液として研磨材を含む磁性液等を塗布する場合は特に有効である。超硬材質としては、平均粒径5μmのWC炭化物結晶に、Coをはじめとする結合金属で結合してなる材質を使用するが、結合金属はこれに限定されず、Ti、Ta、Nbをはじめとする各種金属を使用することもできる。なお、WC結晶の平均粒径は5μm以内であれば、任意の平均粒径のものを用いてよい。
【0021】
ウェブ12とリップの最も下流側14cとの長さをL1とする。また、ビード15aがウェブ12上で定常状態になり、乾燥が始まる直前の湿潤膜厚をL2とする。本発明において、L1及びL2の関係をL1≧2×L2とすることにより、突発的な異物がウェブ12にのって搬送されてきた場合にもリップ14と接触することを防ぐことができる。L1及びL2は、具体的には、30μm≦L1≦150μm、0.5μm≦L2≦25μmの範囲であることが好ましいが、いずれもこれらの範囲に限定されるものではない。
【0022】
ポケット17内は、気泡の巻き込みを防ぐために、常に大気圧以上の圧力(Pp )であることが好ましい。また、圧力変動による気泡の発生を抑制するために、その変動値は±10%以内であることが好ましい。
【0023】
さらに、スロット18の耳部から大気がポケット17に流れ込むことを防ぐために、塗布液15がスロット18を通過する際に、好適な圧力損失を発生させる必要がある。前述した物性値の塗布液15を長さL3、幅L4のスロット18を通すことにより大気がポケット17に流れないような圧力損失が生じる。本発明において、L3は、40〜100mmが好ましく、L4は、100〜500μmが好ましい。
【0024】
以上、本発明に係る塗布方法をスロットダイを用いたコーターを図示して説明が、図1及び図2ともに、説明のために誇張して示してある。しかしながら、本発明の塗布方法は、その他の公知の塗布装置にも適用することが可能である。また、単層塗布に適用した例を説明したが、本発明は重層塗布に適用することも可能である。
【0025】
【実施例】
既存の光学補償シート製造工程に、本発明の塗布方法を用いて実施した。光学補償シート製造工程では、ウェブは送出機により送られ、ガイドロールによって支持されながらラビング処理ロールを経るが、この後、本発明の塗布工程を組み入れる。その後、乾燥ゾーン、加熱ゾーン、紫外線ランプを通過し、巻き取り機によって巻き取るのが基本工程である。説明は実施例1で詳細に説明し、その他の実験は実施例1と同じ条件については省略した。また、実験条件と実験結果とは、後に表1にまとめて示した。なお本発明は下記に記す実施例に限定されるものではない。
【0026】
[実施例1]
スロットダイ13の上流側リップランド14aの長さが1mm、下流側リップランド14bの長さL5が50μm、スロット長さL3が50mm、スロット幅L4が100μmのものを用いた。また、ポケット15に塗布液15をポンプにより送液した。このスロットダイ13を用いて、湿潤膜厚L2が5μmとなるようにウェブ12上に塗布液15を5ml/m2 で塗布した。塗布速度Vは20m/minとした。ウェブ12には厚み100μmのセルローストリアセテート基材(商品名;フジタック、富士写真フイルム(株)製)を用い、下流側リップ先端14cとウェブ12であるセルローストリアセテート基材との隙間の長さL1は40μmに設定した。塗布液15を塗布する前に、ウェブ12の塗布面に対し、長鎖アルキル変性ポバール(商品名;MP−203、クラレ(株)製)の2重量%溶液を25ml/m2 で塗布し、60℃で1分間乾燥して配向膜用樹脂層を形成した。配向膜用樹脂層をあらかじめ形成したウェブ12を送り、配向膜用樹脂層の表面にラビング処理を施して配向膜を形成し、そのまま塗布工程へ搬送して塗布を実施した。なお、ラビング処理におけるラビングローラの回転周速を5.0m/秒とし、配向膜用樹脂層に対する押しつけ圧力を9.8×10-3Paに設定した。
【0027】
塗布液15には、ディスコティック化合物TE−(1)とTE−(2)の重量比率4:1の混合物に、光重合開始剤(商品名;イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)を1重量%添加した混合物を、40重量%メチルエチルケトン溶液とした、液晶性化合物を含む溶液を用いた。塗布液15を塗布したウェブ12を、100℃に設定した乾燥ゾーン、及び130℃に設定した加熱ゾーンを通過させ、この液晶層表面に紫外線ランプにより紫外線を照射した。塗布可能性については、ビードの耳部の安定性を目視による観察によって判断した。この結果、本実施例1では、耳部が安定(○)して塗布は可能であった。このときのポケット15の圧力(Pp )は、大気圧に対して+4000Paの加圧状態であった。
【0028】
【化1】
【0029】
[実施例2ないし実施例11]
表1に示した実験条件以外は、実施例1と同じ条件で実験を行ない、耳部の評価も行なった。耳部は、いずれも安定(○)していた。
【0030】
[比較例1ないし比較例7]
表1に示した実験条件以外は、実施例1と同じ条件で実験を行ない、耳部の評価も行なった。耳部の安定性は、比較例5を除きいずれも不安定(×)であった。また、比較例5では、時々耳部のが不安定になり、塗布膜面上にスジの発生が見られた(△)。
【0031】
【表1】
【0032】
表1から、スロットの長さL3が長くなるほど、またはスロットの幅L4が狭くなるほど、スロット内で塗布液の圧損が生じ、ポケット17の圧力(Pp )を大気圧以上にすることができることが分かった。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の塗布方法によれば、スロットダイから液を吐出し、連続走行するウェブの表面に前記液を塗布する塗布方法において、前記スロットダイの下流側リップ先端と前記ウェブとの長さL1が、前記ウェブに塗布された液の湿潤膜厚L2に対して、L1≧2×L2の関係を有し、前記スロットダイのポケット内の液圧を大気圧以上となるようにすることで、ポケット内に気泡が引き込まれることを防ぎ、さらに前記ポケット内で気泡が発生することを防ぐことができるため、気泡と耳部不安定起因の塗布膜面上のスジの発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方法に用いられるコーターの概略断面図である。
【図2】図1に示したコーターの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
13 スロットダイ
14 リップ
14b 下流側リップランド
14c 下流側リップ先端
15 塗布液
15b 塗布膜
17 ポケット
18 スロット
L1 下流側リップ先端とウェブとの長さ
L2 湿潤膜厚
L3 スロット長さ
L4 スロット幅
L5 下流側リップランドの長さ
Pp ポケット圧力
Claims (6)
- バックアップロールに支持されて連続走行するウェブの表面に、スロットダイのスロットから液を吐出して塗布する塗布方法において、
前記ウェブを10m/min以上300m/minの速度で走行させて、
前記ウェブに塗布された前記液の湿潤膜厚L2に対して下流側リップ先端と前記ウェブとの長さL1がL1≧2×L2の関係を有するように配された前記スロットダイから、前記バックアップロール上の前記ウェブに前記液を出してビードを形成し、
前記ビードが上流側から吸引されるように前記ビードに関して前記ウェブの走行方向における上流側のエリアを減圧チャンバーで減圧し、
前記スロットの長さL3が40mm以上100mmの範囲である前記スロットダイを用い、このスロットダイのポケットの内部の圧力を大気圧以上となるようにしたことを特徴とする塗布方法。 - バックアップロールに支持されて連続走行するウェブの表面に、スロットダイのスロットから液を吐出して塗布する塗布方法において、
前記ウェブを10m/min以上300m/minの速度で走行させて、
前記ウェブに塗布された前記液の湿潤膜厚L2に対して下流側リップ先端と前記ウェブとの長さL1がL1≧2×L2の関係を有するように配された前記スロットダイから、前記バックアップロール上の前記ウェブに前記液を出してビードを形成し、
前記ビードが上流側から吸引されるように前記ビードに関して前記ウェブの走行方向における上流側のエリアを減圧チャンバーにより減圧し、
前記ウェブの進行方向における前記スロットの幅L4が100μm以上500μm以下の範囲である前記スロットダイを用い、このスロットダイのポケットの内部の圧力を大気圧以上となるようにしたことを特徴とする塗布方法。 - バックアップロールに支持されて連続走行するウェブの表面に、スロットダイのスロットから液を吐出して塗布する塗布方法において、
前記ウェブを10m/min以上300m/minの速度で走行させて、
前記ウェブに塗布された前記液の湿潤膜厚L2に対して下流側リップ先端と前記ウェブとの長さL1がL1≧2×L2の関係を有するように配された前記スロットダイから、前記バックアップロール上の前記ウェブに前記液を出してビードを形成し、
前記ビードが上流側から吸引されるように前記ビードに関して前記ウェブの走行方向における上流側のエリアを減圧チャンバーにより減圧し、
前記スロットの長さL3が40mm以上100mmの範囲であり、前記ウェブの進行方向における前記スロットの幅L4が100μm以上500μm以下の範囲である前記スロットダイを用いることにより、このスロットダイのポケットの内部の圧力を大気圧以上とすることを特徴とする塗布方法。 - 前記スロットダイの下流側リップ先端と前記ウェブとの長さL1を、30μm≦L1≦150μmの範囲にしたことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載の塗布方法。
- 前記スロットダイの下流側リップランドの長さL5を、30μm≦L5≦100μmの範囲にしたことを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載の塗布方法。
- 前記湿潤膜厚L2を、0.5μm≦L2≦25μmの範囲にしたことを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載の塗布方法。
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