JP4779441B2 - ロール塗布方法 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状の基材に連続して塗布処理を行うロールによる塗布方法及びロールを用いた塗布装置に関する。
従来、連続して走行する帯状の基材、例えば鋼板に耐食性、加工性、美観性、絶縁性等の性能を付与するために各種の塗膜を鋼板表面上に形成させる処理を行っている。この処理方法としてはロールコーターが一般的に用いられており、ロールを2本用いる2ロールコーター、あるいは3本のロールを用いる3ロールコーターが広く使用されている。特に、3ロールコーターは塗布膜厚の制御性に優れることと、表面外観が比較的美麗であることから、主流のコーティング方式になっている。
この方式は、図5に示すように、塗布液3が満たされているコーターパン2より塗布液をくみ上げるピックアップロール4とピックアップロール4によりくみ上げられた塗布液量を調整するミタリングロール5と、調整された塗布液量をピックアップロール4から鋼板1に転写するアプリケーターロール6により構成されている。各ロールの回転方向は、ロール間の近接点、あるいは接触点において同方向に回転するナチュラル回転の場合と逆方向に回転するリバース回転の場合があるが、一般的にはリバース回転の方が比較的平滑な塗膜面が得られやすいということから、特にアプリケーターロール6と鋼板1間ではリバース回転にする場合が多い。また、アプリケーターロール6は鋼板1面に傷を付けないように鋼ロールにゴムをライニングしたゴムライニングロールを用いている。
しかしながら、3ロールコーターを含むロールコーターの代表的な塗布欠陥として、ローピングと呼ばれるロール周方向の筋状の模様が、鋼板に転写され、膜厚むらとなり、外観を劣化させる場合がある。ローピングは塗布液の粘度が高いほど、また、ロール周速が高速ほど発生しやすい傾向にある。鋼板速度が速くなると、アプリケーターロールの周速を速くしなければ良好な塗布外観が得られず、それに対応して、全てのロール周速も速くなり、ローピングの発生は防ぎ難くなる。ローピングを防止する技術として、例えば特許文献1にはライン速度、アプリケーターロール周速、ピックアップロール周速の比率を特定範囲に制御する技術が、特許文献2には塗料温度を塗料粘度が最小となる温度近傍に保持する方法が、特許文献3には塗膜面に電磁力を付与して塗料を滞留させて塗膜厚を均一化する方法が開示されている。しかしながら、これらの技術では、ライン速度が低速領域ではローピングを防止できても、ライン速度が高速になるとローピング防止効果が不十分となり、ローピングのない均一な外観を得ることができるライン速度は、これまで200mpm未満であった。
特開2000−254580号公報 特開平9−47716号公報 特開平9−299843号公報
そこで、本発明は、前記課題を解決し、高速で連続的に走行する帯状の基材に対しても、良好な塗布外観が得られるロールによる塗布方法及びロールを用いた塗布装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の手段は次の通りである。
第1発明は、連続的に走行する帯状の基材に対して、ロールコーターを用いて塗布液を塗布する方法において、前記ロールコーターの基材走行方向の上流側で、基材に前記ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液を塗布ロールでプレコートし、プレコートした基材上の塗布液が液体の状態において、前記ロールコーターにより基材に塗布液を塗布することを特徴とするロール塗布方法である。
第2発明は、第1発明において、プレコートは、基材片面あたり1本の表面を溝加工したゴムライニング塗布ロールを用いて行うことを特徴とすることを特徴とするロール塗布方法である。
第3発明は、第2発明において、塗布ロールを基材との接触点において基材の走行方向と逆方向に回転させるとともに、前記塗布ロールに塗布液を供給してから前記塗布ロールが基材に接触するまでの間に前記塗布ロール表面にブレードを接触させて前記塗布ロール表面の塗布液量を調整することを特徴とするロール塗布方法である。
第4発明は、第2発明または第3発明において、前記塗布ロールは十点平均粗さRzで評価した表面の溝の深さが、前記ロールコーターによる塗布ウエット膜厚の5倍以上であることを特徴とするロール塗布方法である。
第5発明は、第1発明において、プレコートは、基材片面あたり1本の塗布ロールと塗布ロールに接触し、帯状の基材には接触しない1本以上のロールを用いて行うことを特徴とするロール塗布方法である。
第6発明は、第5発明において、基材に塗布液をプレコートする塗布ロールは第2発明〜第4発明記載の塗布ロールを使用することを特徴とするロール塗布方法である。
第7発明は、第5発明において、基材に塗布液をプレコートする塗布ロールは、表面が研磨加工されたゴムライニングロールを使用することを特徴とするロール塗布方法である。
第8発明は、第5発明において、塗布ロールを基材との接触点において基材の走行方向と逆方向に回転させるとともに、前記塗布ロールに塗布液を供給してから前記塗布ロールが基材に接触するまでの間に前記塗布ロール表面にロールを接触させて前記塗布ロール表面の塗布液量を調整することを特徴とするロール塗布方法である。
第9発明は、第1発明〜第8発明において、プレコート膜厚を30μm以下とすることを特徴とするロール塗布方法である。
第10発明は、連続的に走行する帯状の基材に塗布液を塗布するロールコーターと、基材の走行方向に対して、前記ロールコーターの上流側に、基材に前記ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液を塗布するプレコート装置を備えるともに、前記ロールコーターは前記プレコート装置で塗布した塗布液が液体の状態において塗布液を塗布することを特徴とするロール塗布装置である。
第11発明は、第10発明において、前記プレコート装置は、基材片面あたり1本の表面を溝加工したゴムライニング塗布ロールであることを特徴とするロール塗布装置である。
第12発明は、第11発明において、前記塗布ロールを基材との接触点で前記基材の走行方向と逆方向に回転させるとともに、前記塗布ロール表面に塗布液が供給される塗布液供給部から供給された塗布液を基材に塗布する塗布液塗布部までの間に、前記塗布ロール表面に接触させて前記基材に塗布する塗布液量を調整するブレードを備えることを特徴とするロール塗布装置である。
第13発明は、第10発明において、前記プレコート装置は、基材片面あたり1本の塗布ロールと塗布ロールに接触し、帯状の基材には接触しない1本以上のロールを有することを特徴とするロール塗布装置である。
本発明によれば、ロールコーターの上流側で基材にロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液を塗布し、基材に塗布した塗布液が液体の状態でロールコーターで塗布液を塗布することで、基材に随伴される空気がロールコーターのアプリケーターロールと基材との隙間に侵入するのを防ぐことができ、また、アプリケーターロール周速やロールコーターの他のロール周速を下げることを実現できることにより、高速ラインで塗布欠陥のない塗液の塗布が可能となる。
本発明によれば、塗布欠陥による品質の低下を招くことなく生産性を向上させることが可能であり、特に200mpm以上の高速ラインで塗布欠陥のないロール塗布を行うための塗布方法、塗布装置として好適である。
図5に示したロールコーターを用いて塗布液を塗布すると、ローピングの発生条件は主に各ロールの周速、各ロール間のギャップ、あるいは押し付け圧、塗布液の物性値(粘度、表面張力)に依存するが、高速塗布では、ライン速度に合わせてアプリケーターロールの周速も速くなり、必然的に各ロール周速が速くなるために、ローピングの発生は避け難くなる。逆に、高速塗布においてもロールコーターの各ロール周速を下げることができれば、ローピングに起因する膜厚むらのない均一な膜厚を得ることができる。しかし、ライン速度に対してアプリケーターロール周速をそれ以上の速度にしないと、ライン方向に筋状の模様が発生する。この理由は、ライン速度に対してアプリケーターロール周速が遅くなりすぎると、基材に随伴される空気の流れが基材とアプリケーターロール間のメニスカスに乱れを与え、筋状の模様となるためと考えられる。したがって、筋状の模様のない均一な膜厚を得るためには、アプリケーターロール周速を低くした上で、基材に随伴される空気がアプリケーターロールと基材とのメニスカスに影響を及ぼさないようにすればよい。
本発明は、係る知見に基づくものである。以下、本発明の実施の形態について、プレコート装置が表面に溝加工したゴムライニングロールを備えるロール塗布装置の場合を例に挙げて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るロール塗布装置の要部構成例を示す側面図である。図1のロール塗布装置は、基材に所定の塗布液を塗布するロールコーターAと、基材の走行方向に対して、前記ロールコーターAの上流側にプレコート装置Bが配置されている。
ロールコーターAは、図5に示したロールコーターと同様の構成を備え、コーターパン2から塗布液3をくみ上げるピックアップロール4とピックアップロール4上の塗布液3の液量を調整するミタリングロール5と調整されたピックアップロール4上の塗布液3を基材1に転写するアプリケーターロール6から構成されている。各ロールの回転方向は、各ロール間、あるいはアプリケーターロールと基材間において互いに逆方向であり、ミタリングロール5上には塗布液3をかきとるブレード7が設置されている。基材1が鋼板等の金属板の場合は、アプリケーターロール6はゴムがライニングされたゴムライニングロールを用いる。ゴムライニングロールは、表面に微細な溝加工が施されている。
ロールコーターAの上流側に設置されたプレコート装置Bは、塗布ロール9として、表面に溝加工を施したゴムがライニングされたゴムライニングロールと塗布ロール(ゴムライニングロール)9に塗布液を供給する塗布液供給装置10とから構成されている。塗布供給装置10からはロールコーターAで基材に塗布する塗布液3と同じ組成の塗布液3が供給される。
本発明では、連続して通板される帯状の基材1に対して、まずプレコート装置Bで基材1に対して塗布液3を塗布する。次いで、プレコート装置Bで塗布された基材1上の塗布液3が液体の状態において、前記ロールコーターAにより基材1に塗布液3を塗布する。次いで、図示されていない焼付設備、乾燥設備等で加熱乾燥されて所要の皮膜が形成される。
プレコート装置Bによる基材1への塗布液3がロールコーターAのアプリケーターロール6と基材1との隙間に流れ込み、基材1に随伴する空気を効果的に遮断する働きをする。その結果、基材1に随伴される空気がロールコーターAのアプリケーターロール6と基材1との隙間に侵入するのを防ぐことができ、筋状の模様の発生を防止できる。さらに、アプリケーターロール周速やロールコーターAの他のロール周速を下げることを実現できることにより、200mpm以上の高速ラインで塗布欠陥のない塗液の塗布が可能になる。
プレコート装置Bによる塗布膜厚の幅方向の均一性は、非常に薄い膜厚の部分がない限りは重要な因子ではない。つまり、非常に薄い膜厚の部分があれば、基材に随伴する空気を遮断する効果が薄れてしまうことになるが、ある程度の膜厚があれば、膜厚の不均一度が高くてもプレコート装置Bによる塗布液3のほとんどはアプリケーターロール6側に流れ、基材1には転写されないからである。
ゴムライニングロール9は、表面に微細な溝加工が施されているため、塗布液供給装置10によりゴムライニングロール9に供給された塗布液3は、基材1に塗布される。溝加工を表面に施しているため、ゴムライニングロール9は、溝部分に塗布液を保持するため、溝加工を施さないフラットロールに比べ、溝部分を除いたロール表面上の塗布液の膜厚が少なくてもよく、ライン速度の上昇に伴いロールの周速が高速になってもロール表面上の塗布液が遠心力により飛散することがない。
溝形状はV型等何でもよく特に限定されるものではないが、何れの形状にしても塗布時点では溝形状に相似な膜厚が転写される。しかし、溝形状のピッチは細かいために、プレコート装置Bで塗布されてからロールコーターAに接触するまでの間に十分にレベリングされる。溝の深さはプレコート装置で塗布する塗布液の膜厚に応じて適宜の深さとすればよい。レベリング効果を十分に出すためには溝形状のピッチは1mm以下にすることが望ましい。また、塗布液供給装置10はパンからの塗布液の供給方式でもノズルから塗布液をゴムライニングロール9に供給する方法でもよく、特に限定されるものではない。
ゴムライニングロールの回転方向は、特に限定されず、図1中の矢印で示されるように基材の通板方向と逆方向であってもよいし、基材の通板方向と同じ方向であってもよい。ゴムライニングロールの回転方向が基材の通板方向と同じ方向の場合、ゴムライニングロール9に供給された塗布液3は、ゴムライニングロール9の表面の溝部分をすり抜け、基材1に塗布される。
図2は本発明の第2の実施の形態に係るロール塗布装置の要部構成例を示す側面図である。図2のロール塗布装置は、図1のロール塗布装置において、プレコート装置Bのゴムライニングロール9の表面に接するブレード11を設置したものである。ブレード11は、ゴムライニングロール9に塗布液を供給してから前記ゴムライニングロール9が基材1に接触するまでの間でゴムライニングロール9に接触させている。
本装置を用いて基材1に塗布液3を塗布する場合、連続して通板される帯状の基材1に対して、まずプレコート装置Bで基材1に対して塗布液3を塗布し、次いで、プレコート装置Bで塗布された基材1上の塗布液3が液体の状態において、前記ロールコーターAにより基材1に塗布液3を塗布する。次いで、図示されていない焼付設備、乾燥設備等で加熱乾燥されて所要の皮膜が形成される。
本装置を用いた場合、図1の装置の場合と同様の作用効果が奏され、さらに、ブレード11によりゴムライニングロール9上の塗布液3をかき落とし、ゴムライニングロール9表面の溝部分のみに塗布液を残存させることによって、基材1に転写する膜厚は溝の深さに比例することになり、プレコート装置Bで塗布に必要な膜厚のコントロールが容易になる。また、基材1の走行速度が速くなり、それに応じてゴムライニングロール9の周速が速くなっても、ゴムライニングロール9の溝部分から盛り上がっている塗布液はさらに少なくなるため、遠心力による塗布液の飛散を防止する作用がより優れる。ブレード11はゴムライニングロール9のロール幅以上の長さであり、撓みによって塗布液のかきとりが不十分にならない程度の剛性が確保されれば材質は特に限定されず、例えばステンレス等を使用できる。
図3は、図2の装置でプレコート装置BとロールコーターAで順次塗布液を塗布した後加熱乾燥して塗膜を形成する際に、ゴムライニングロール9の溝(鋸歯状のV型溝)の深さを変更したときの塗膜外観の観察結果を説明する図である。溝の深さは表面粗さ計により計測した10点平均粗さRz(基準長さ6mm)で評価した。横軸は溝の深さRzと、ロールコーターAによる最終的な膜厚(ウエット膜厚)の比である。縦軸は外観を撮影した画像を二値化処理し、各ピクセルを数値化し、その平均値の95〜105%の範囲内にあるピクセル数を全ピクセル数に対する比率として示した。該ピクセル数の比率が高い程、画像の濃淡が少ない、つまり、膜厚ムラが少なく外観が均一であることを示す。この図から、ゴムライニングロール9の溝の深さをロールコーターAによる最終的な膜厚(ウエット膜厚)の5倍以上とすれば、良好な外観が得られることがわかる。基材1に随伴する空気を遮断するためには、プレコート装置Bで塗布する塗布液の膜厚はある一定以上の膜厚があればよく、その膜厚はゴムライニングロール9の溝深さに比例することを示している。
次に、本発明の別の実施の形態について、プレコート装置が基材片面あたり2本以上のロールを備えるロール塗布装置の場合を例に挙げて説明する。プレコート装置に2本以上のロールを備えることで、プレコート膜厚の均一性と薄膜化をより容易に両立させることが可能になる。
図4は本発明の第3の実施の形態に係るロール塗布装置の要部構成例を示す側面図である。ロールコーターAは図1と同様に、コーターパン2から塗布液3を汲み上げるピックアップロール4とピックアップロール上の塗布液の液量を調整するミタリングロール5と、調整されたピックアップロール上の塗布液を基材1に転写するアプリケーターロール6から構成されている。各ロールの回転方向は、各ロール間、あるいはアプリケーターロールと基材間において互いに逆方向であり、ミタリングロール5上には塗布液3をかきとるブレード7が設置されている。ロールコーターAの上流側の位置で予め基材に塗布液を塗布するプレコート装置Cは、塗布ロール12と、基材に塗布する塗布ロール12表面の塗布液量を調整するロール(ドクタロール)13とからなる2本のロール、及び塗布ロール12に塗布液3を供給する塗布液供給装置10とから構成されている。プレコート装置Cの塗布液供給装置10はノズルから塗布液を塗出させる方式でなくてもよく、コーターパンから塗布液を塗布ロール12により汲み上げる方式を採用してもよい。
塗布液の種類によっては泡立ち性のよい場合もあり、特に高速化になると、液膜に巻込まれる気泡を防ぐことが重要になる。気泡の巻込みは、基材1の高速化に伴い、塗布ロール12の速度も上昇するため、基材1、あるいは塗布ロール12の表面に随伴される空気が塗布ロール12と基材1との間のメニスカスに巻込まれることにより発生する。気泡は、基材1、塗布ロール12ともに高速になるほど、巻込まれやすくなるが、気泡の巻き込まれやすさは液膜の厚みにも比例することを知見した。プレコート膜厚を変更させ、気泡の巻込みの有無を調べた結果、プレコート膜厚が30μm以下であれば、気泡の巻込みがないことが分かった。また、基材1に随伴される空気が、ロールコーターAにおいてアプリケーターロール6と基材1との間隙部分に侵入するのを防ぐにはプレコート膜厚は2μm以上とすることが好ましい。
プレコート装置が、ロールを2本備える場合、基材1に塗布液を塗布する塗布ロール12は、図1〜図3で説明した表面を溝加工したゴムライニングロールを用いてもよい。しかし、ロールを2本以上備えることで、膜厚の均一性と薄膜化を両立させることが容易になるので、基材1に塗布液を塗布するロール12は、表面を溝加工したゴムライニングロールに代えて、表面に溝加工のないフラットロール(研磨加工ロール)であるゴムライニングロールを使用することがより好ましい。該ロールは、表面粗さRaは3μm以下が好ましい。このようなフラットロールを使用することで、基材速度が高速化したときにプレコート液膜中への気泡の巻き込みを抑制する作用がより優れる。
図4の装置は、プレコート装置Cは、ロールを2本備える例であるが、ロールは3本でもよい。プレコート装置Cは、ロール2本を有する2ロールコーターよりもロール3本を有する3ロールコーターの方が膜厚制御性も高く、より有利なため望ましいが、コスト的には高くなる。プレコート膜厚は最終の膜厚(ロールコーターAで塗布後の膜厚)とは無関係であり、またローピング程度の膜厚不均一性があってもよいため、2ロールコーターでも目的を達成することが十分可能である。ロール3本を用いる3ロールコーターはもちろんのこと、ロールを2本用いる2ロールコーターでも、特に厳密な膜厚制御をしなくても、通常30μm以下の膜厚が得られるが、予めプレコート膜厚が30μm以下となるように、各々のロール周速とロールの押し付け圧をプリセットした方が確実である。気泡の巻込まれやすさは、塗布液の物性値によっても左右されるため、蒸発等で経時的に変化する塗布液を考慮すると、プレコート膜厚は15μm以下に調整することがより好ましい。
前述の説明では、基材の一方の面のみに塗布液を塗布したが、基材の両面に塗布液を塗布してもよい。
前述の説明では、ロールコーターAは3ロールコーターの場合であったが、ロールが2本で構成される2ロールコーターでもよく、ロールコーターであれば種類に限定されるものではない。また、基材の通板方向は水平パスでも垂直パスでも何れでもよい。
前述のロールコーターAは、基材1がバックアップロール8に巻きついた状態で塗布液3が塗布されていたが、ロールコーターAは基材1を挟んでその両面に配置され、バックアップロールを必要としない両面同時塗布するものであってもよいもよい。
本発明の実施例について以下に説明する。なお、以下の実施例では基材として冷延鋼板を用いたが、冷延鋼板以外の鋼板であってもよく、また特に鋼板に限定されることなく、アルミ等の他の金属板や紙、フィルムにも適用されるものである。
本発明において、適用可能な塗布液種は水溶系、あるいは溶剤系等何でもよく、特に限定されるものではない。
板厚0.5mm、板幅1200mmの冷延鋼板のコイルに対して、図1に示したロール塗布装置を用いて、表1に記載した塗布条件で塗布を行い、乾燥後の塗布外観の評価を行った。本発明法では、プレコート装置Bで塗布液を塗布後、該塗布液が液体状体である間にロールコーターAで塗布液を塗布した。従来法ではロールコータ−Aのみ使用した。
図1の塗布装置において、ロールコーターAの各ロールの材質はアプリケーターロール6がゴムをライニングしたゴムライニングロール、ピックアップロール4とミタリングロール5は金属ロールであり、各ロールのロール径はアプリケーターロール6とピックアップロール4が300mm、ミタリングロール5が200mmである。ピックアップロール4とミタリングロール5のギャップは塗布膜厚(鋼板に塗布するウエット膜厚)が10μmとなるように、50〜150μmの範囲で調整した。ミタリングロール5の周速も同様に、前記塗布膜厚が10μmとなるように10〜120mpmの範囲で調整した。プレコート装置Bの塗布液供給はライン速度に応じて、供給量を適宜コントロールした。使用した塗布液は、液温度20℃において粘度が1cp、表面張力が40dyn/cmのものを用いた。プレコート装置Bのゴムライニングロール9は、ロール径が200mm、ゴムライニング厚みが25mmのロールを用い、表面に十点平均粗さRzが200μmの溝深さで溝ピッチ600μmの鋸歯状のV型溝加工を施した。塗布液供給装置10はポンプからスリットノズルに塗布液を供給し、スリットからゴムライニングロール上に塗布液を供給した。
塗布後の外観の評価は、十分に明るい蛍光灯の下で目視による観察によって、筋状の模様の発生有無、及び気泡の発生有無を評価した。評価基準は、筋状の模様、気泡ともに、認められない場合を◎、わずかに認められるが実用上問題ない場合を○とし、明らかに認められ実用上問題となるものを×とした。
Figure 0004779441
表1に示すように、本発明法の実施例では、基材のライン速度が250mpm以上の高速であっても筋状の模様のない良好な外観が得られたのに対して、従来法のプレコート装置を用いない場合は、同条件では筋状の模様が発生した。
次に、図2に示した塗布装置を用いた実施例を示す。
塗布条件は表2に記載した条件で、実施例1と同様の各ロール材質、及び各ロール径のものを用いた。塗布液の粘度、表面張力も実施例1と同様である。塗布ウエット膜厚も実施例1と同様である。ただし、プレコート装置Bの塗布液供給量は一定とした。ブレードにはステンレス板を用いた。
Figure 0004779441
表2に示すように、本発明の実施例では、プレコート装置Bのゴムライニングロール9上のブレード11が過剰な塗布液をかきおとし、基材表面に一定のプレコートの膜厚を付与することができたために、プレコートの塗布液供給量が一定でも基材のライン速度が300mpmで筋状の模様のない特に優れた外観が得られた。
次に、図4に示した塗布装置を用いた実施例を示す。
塗布条件は表2に記載した条件で、ロールコーターAは実施例1と同様の各ロール材質、及び各ロール径のものを用いた。プレコート装置Cはロール12、13ともに表面を鏡面仕上げしたゴムライニングロールを用いた。それぞれのロール径を200mm、及び100mmとし、ロール12の回転方向は、基材との接触部において基材と逆方向のリバース回転とし、ロール13との回転方向は、両ロール間の接触部分において同方向に回転する正回転方向とした。また、プレコート装置Cによるプレコート膜厚は10〜15μmとなるように予め調整した。
Figure 0004779441
表3に示すように、本発明法の実施例では、基材のライン速度が300mpmの高速であっても筋状の模様がなく、気泡の発生が全く見られない良好な外観が得られた。
本発明の方法は、連続的に走行する帯状の基材に対して塗布液をロール塗布する方法として利用することができる。
本発明の装置は、連続的に走行する帯状の基材に対して塗布液をロール塗布する装置として利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るロール塗布装置の要部構成例を示す側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るロール塗布装置の要部構成例を示す側面図である。 プレコート装置のゴムライニングロールの溝深さと塗布外観の関係を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るロール塗布装置の要部構成例を示す側面図である。 3ロールコーターの要部を示す側面図である。
符号の説明
A ロールコーター
B プレコート装置
C プレコート装置
1 基材
2 コーターパン
3 塗布液
4 ピックアップロール
5 ミタリングロール
6 アプリケーターロール
7 ブレード
8 バックアップロール
9 ゴムライニングロール
10 塗布液供給装置
11 ブレード
12 塗布ロール
13 ロール

Claims (3)

  1. 連続的に走行する帯状の基材に対して、ピックアップロール、ミタリングロール及びアプリケータ―ロールを備えるロールコーターを用いて塗布液を塗布する方法において、前記ロールコーターの基材走行方向の上流側で、基材に前記ロールコーターで塗布する塗布液と同じ組成の塗布液を、表面を溝加工し、十点平均粗さRzで評価した表面の溝の深さが前記ロールコーターによる塗布ウエット膜厚の5倍以上であるゴムライニングロールからなる1本の塗布ロールを用いてプレコートし、プレコートした基材上の塗布液が液体の状態において、前記ロールコーターにより前記アプリケーターロールを基材走行方向に対して逆方向に回転させて基材に塗布液を塗布することを特徴とするロール塗布方法。
  2. 請求項に記載の塗布方法において、前記塗布ロールを基材との接触点において基材の走行方向と逆方向に回転させるとともに、前記塗布ロールに塗布液を供給してから前記塗布ロールが基材に接触するまでの間に前記塗布ロール表面にブレードを接触させて前記塗布ロール表面の塗布液量を調整することを特徴とするロール塗布方法。
  3. 請求項1又は2に記載の塗布方法において、プレコート膜厚を30μm以下とすることを特徴とするロール塗布方法。
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