JP4724641B2 - 帯状鋼板の塗装方法 - Google Patents

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本発明は、複数本のロールを組み合せたロールコーター(多段ロールコーター)を用いて水平パスで連続走行する帯状鋼板を連続塗装する方法に関し、特に、帯状鋼板に対し低粘性の塗料を厚膜に塗布し、美麗外観を得ることができる帯状鋼板の塗装方法に関する。
従来から、帯状鋼板を連続塗装する方法として、複数本のロールを組み合せたロールコーター(多段ロールコーター)が用いられている。
その構成は、例えば、塗料を塗料パンより汲み上げるピックアップロールと塗料を鋼板に塗装するアプリケーターロールとからなるもの(以下、「2段ロールコーター」という)、更に上記ピックアップロールと上記アプリケーターロールの中間にピックアップロールの塗料を上記アプリケーターロールに転写するトランスファーロールを設けてなるもの(以下、「3段ロールコーター」という)が一般的なものである。また、上記アプリケーターロール、3段ロールコーターのピックアップロールには、通常、ゴムライニングロールが用いられている。そして例えば、水平パスで連続走行する帯状鋼板の上面側及び下面側に多段ロールコーターを配置することで、帯状鋼板の上面及び/又は下面を連続塗装できるものである。
上記多段ロールコーターによるロールコーティングにおいては、従来は、リバース方式(塗料を鋼板に塗装するアプリケーターロールを鋼板の走行方向と逆方向に回転させる方式)が美麗外観には向いているとされている(例えば特許文献1を参照)。ところが、鋼板エッジによりアプリケーターロールにエッジマークが入ると共に、塗装対象である帯状鋼板の表面の凹凸が大きい時はアプリケーターロールに疵が入り、連続塗装が困難となる。また、連続塗装には、鋼板との差速が少ないナチュラル方式(塗料を鋼板に塗装するアプリケーターロールを鋼板の走行方向と同方向に回転させる方式、以下、この方式を採用する多段ロールコーターを「多段ナチュラルロールコーター」という)が向いている。ところが、塗料の粘性が小さい場合(粘度≦5.0×10−3Pa・s)には厚膜の塗装が困難となる。そこで、アプリケーターロールの表面に溝を切り、膜厚を確保する方法がある(例えば特許文献2を参照)。
特公平4−18910号公報 実公昭64−6942号公報
しかしながら、アプリケーターロールに形成された溝切りに起因して、図1に示すようなダブルトラック、霜降り状模様、ロール目模様等の外観欠陥が発生する、という問題があった。
ここで、ダブルトラック(Wトラック)とは、所定ピッチ(例えば2〜3mmピッチ)で鋼板長手方向に発生する線状模様であり、霜降り状模様とは、鋼板長手方向に発生する楕円形の模様であり、ロール目模様とは、ロールの溝ピッチ(例えば0.5mmピッチ)で発生する線状模様のことである。なお、図1に示す「DS」とは、ドライブサイド(Drive Side)の略であり、ラインセンターに対し駆動系装置が設置されている側を示し、「WS」とは、ワークサイド(Work Side)の略であり、ラインセンターに対しオペレータが操作を行う側を示している。
そこで、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、水平パスで連続走行する帯状鋼板に対し、溝切りのアプリケーターロールを有する多段ナチュラルロールコーターを用いて、低粘性の塗料を厚膜に連続塗布し、ダブルトラック、霜降り状模様、ロール目模様等の外観欠陥のない美麗外観を得ることができる、帯状鋼板の塗装方法を提供するものである。
本発明者等は、上記溝切りに起因する外観欠陥の発生原因と改善策について種々検討した結果、以下の知見を得た。
(I)ダブルトラック(所定ピッチで長手方向に発生する線状模様)については、アプリケーターロールの溝の凹部に気泡が噛み込まれ、ロール表面が擬似的にフラット化し、ロールと鋼板との剥離の際、局所的に引き剥がし模様(ダブルトラック)が発生する。
次に、霜降り状模様(長手方向に発生する楕円形の模様)については、アプリケーターロールと鋼板との間のニップ部における液溜まり量が過多となる際、大きな気泡の巻込みで霜降り状模様が発生する。
次に、ロール目模様(ロールの溝ピッチで発生する線状模様)については、アプリケーターロールの圧下力が強すぎると、ロール溝凸部で、液が切れ過ぎ、溝ピッチに線状模様が発生する。
(II)ダブルトラックは、アプリケーターロールと鋼板との間のニップ部に所定量以上の塗料溜まり(液溜まり)を形成し、且つ、アプリケーターロールと鋼板との線圧を一定値以上に保持することで改善される。
霜降り状模様は、アプリケーターロールと鋼板との間のニップ部の液溜まり量を減少させることで改善される。
ロール目模様は、アプリケーターロールと鋼板との線圧を一定値以下に保持することで改善される。
(III)ダブルトラック、霜降り模様の発生の有無を左右するアプリケーターロールと鋼板との間のニップ部の液溜まり量は、図2に示す液溜まり高さで表現でき、図3に示すように、アプリケーターロールと鋼板との線圧[gf/mm]がX1〜X2,アプリケーターロールと鋼板との間の液溜まり高さ[mm]がY1〜Y2の操業範囲で、外観欠陥のない美麗外観を得ることができる。
尚、上記「液溜まり高さ」とは、図2に示すように、鋼板上面側については、鋼板上面側の上記アプリケーターロールと鋼板との間のニップ部の液溜まりにおいて、一番高い位置から鋼板上面(表面)までの垂直距離のことであり、鋼板の下面側については、鋼板下面側の上記アプリケーターロールと鋼板との間のニップ部の液溜まりにおいて、鋼板下面に接している液膜の境界と上記アプリケーターロール表面までの垂直距離のことである。
上記液溜まり高さを適正範囲に制御するための上記液溜まり高さ制御因子は、水平パスで連続走行する帯状鋼板の上面側又は下面側に配置する溝切りのアプリケーターロールを有する多段ナチュラルロールコーターが3段ナチュラルロールコーターの場合、鋼板走行速度(LS)に対するトランスファーロール周速の比率(トランスファーロール周速/鋼板走行速度)、即ちトランスファーロール周速比(TFR周速比)であり、上記帯状鋼板の下面側に配置する溝切りのアプリケーターロールを有する多段ナチュラルロールコーターが2段ナチュラルロールコーターの場合、アプリケーターロールとピックアップロールとの線圧(APR−PUR線圧)である。
また、膜厚は、2段、3段のいずれのナチュラルロールコーターであっても、上記アプリケーターロールの凹部への微小気泡の噛み込みを抑制する所定値以上、アプリケーターロールの凸部での液切れを抑制する所定値以下の適正範囲内のアプリケーターロールと鋼板との線圧(APR−鋼板線圧)で制御できる。このようにAPR−鋼板線圧を設定することにより、所望の膜厚(例えば、3.0〜7.0μm)に制御できる。
このように、上記アプリケーターロールと鋼板との線圧(APR−鋼板線圧)で膜厚を制御できるので、膜厚以上の液をアプリケーターロールへ供給すると、過剰分が液溜まりとなる。従って、上記3段ナチュラルロールコーターであれば、トランスファーロール周速比(TFR周速比)を上げればアプリケーターロールへの液供給量は増加し液溜まり高さが増大し、トランスファーロール周速比(TFR周速比)を下げればアプリケーターロールへの液供給量は減少し液溜まり高さが減少する。また、上記2段ナチュラルロールコーターであれば、アプリケーターロールとピックアップロールとの線圧(APR−PUR線圧)を下げればアプリケーターロールへの液供給量は増加し液溜まり高さが増大し、アプリケーターロールとピックアップロールとの線圧(APR−PUR線圧)を上げれば、アプリケーターロールへの液供給量は減少し液溜まり高さが減少する。
尚、液溜まり高さの評価については、高速度カメラによる画像処理により得られる値を使用している。
本発明は、上記知見(I)〜(III)に基いてなされものであり、その要旨は次の通りである。
(1)水平パスで連続走行する帯状鋼板の上面及び/又は下面に低粘性(例えば、粘度≦5.0×10−3Pa・s)塗料を厚膜塗装するために、前記帯状鋼帯の上面側及び/又は下面側に配置した、塗料を前記帯状鋼板表面に塗装する溝切りのアプリケーターロールを有する多段ナチュラルロールコーターを用いて前記帯状鋼板の上面及び/又は下面を連続塗装するに際して、前記アプリケーターロールと前記帯状鋼板との間のニップ部に液溜まりを形成すると共に、前記液溜まりの高さを適正範囲に制御し、かつ、前記アプリケーターロールと前記帯状鋼板との線圧を所定値以上所定値以下とすることを特徴とする、帯状鋼板の塗装方法。
(2)前記多段ナチュラルロールコーターが、前記アプリケーターロール(APR)と、塗料を前記アプリケーターロールに供給するピックアップロール(PUR)と、前記ピックアップロール(PUR)と前記アプリケータロール(APR)の中間に設けられて前記ピックアップロール(PUR)の塗料を前記アプリケーターロール(APR)に転写するトランスファーロール(TFR)と、を備える3段ナチュラルロールコーターであり、前記帯状鋼板表面の液溜まり高さを制御する制御因子が、トランスファーロール周速比(TFR周速比)であることを特徴とする、(1)に記載の帯状鋼板の塗装方法。
(3)前記多段ナチュラルロールコーターが、前記アプリケーターロール(APR)と、塗料を前記アプリケータロール(APR)に供給するピックアップロール(PUR)と、を備える2段ナチュラルロールコーターであり、前記帯状鋼板表面の液溜まり高さを制御する制御因子が、前記アプリケーターロールと前記ピックアップロールとの線圧(APR−PUR線圧)であることを特徴とする、(1)に記載の帯状鋼板の塗装方法。
(4)膜厚制御因子が、上記アプリケーターロールの凹部への微小気泡の噛み込みを抑制する所定値以上、アプリケーターロールの凸部での液切れを抑制する所定値以下の適正範囲内のアプリケーターロールと鋼板との線圧(APR−鋼板線圧)であることを特徴とする(1)、(2)、(3)の何れかに記載の帯状鋼板の塗装方法。
本発明によれば、水平パスで連続走行する帯状鋼板に対し溝切りのアプリケーターロールを有する多段ナチュラルロールコーターを用いて低粘性の塗料を厚膜に連続塗布し、ダブルトラック、霜降り状模様、ロール目模様等の外観欠陥のない美麗外観を得ることが可能な帯状鋼板の塗装方法を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図4は、本発明の一実施形態として、水平パスで連続走行する帯状鋼板の上面及び下面に、低粘性塗料を厚膜塗装するために、溝切りのアプリケーターロールを有する3段ナチュラルロールコーターを上記帯状鋼板の上面側に、溝切りのアプリケーターロールを有する2段ナチュラルロールコーターを上記帯状鋼板の下面側に、これら上面側及び下面側のコーターの溝切りのアプリケーターロールがオフセットなく鋼板を介して対向するように配置した、コーター装置(設備)の概略図を例示したものである。
図4において、1は水平パスで矢印方向に連続走行する帯状鋼板、2は上記帯状鋼板の上面側に配置した溝切りのアプリケーターロールを有する3段ナチュラルロールコーター、3は上記帯状鋼板の下面側に配置した溝切りのアプリケーターロールを有する2段ナチュラルロールコーターである。
4、5は上記コーター2、3の溝切りのアプリケーターロール(以下、APRという)で、6は上記コーター2のトランスファーロール(以下、TFRという)で、7、8は上記コーター2、3のピックアップロール(以下、PURという)で,9,10は上記コーター2,3の塗料パンである。
なお、本実施形態においては、APR4,5は溝切りのゴムライニングロールであり、PUR7はゴムライニングロールであり、PUR8及びTFR6は硬質メッキ、例えばクロムメッキされたメタルロールである。
上記2段ナチュラルロールコーター3は、粘度≦5.0×10−3Pa・sの低粘性塗料を塗料パン10より汲み上げるPUR8が、塗料を鋼板に塗装する溝切りのAPR5に、PUR8とAPR5との接点において同一方向に回転するナチュラル回転にて、塗料を供給し、APR5が鋼板走行速度と等速のナチュラル回転にて、塗料を鋼板1の下面にウエット膜厚3.0〜7.0μmで塗布するようになっている。
この際、アプリケーターロールと鋼板との線圧(APR−鋼板線圧)を、アプリケーターロールの凹部への微小気泡の噛み込みを抑制する所定値以上、アプリケーターロールの凸部での液切れを抑制する所定値以下の適正範囲内の所定値に設定して、上記ウエット膜厚を確保すると共に、アプリケーターロールとピックアップロールとの線圧(APR−PUR線圧)を、アプリケーターロールと鋼板間のニップ部に液溜まりを形成すると共に、その液溜まりがアプリケーターロールの溝凹部への微小気泡の噛み込みを抑制すると共に、大きな気泡の巻き込みを抑制する適正範囲の液溜まり高さになるように設定して美麗外観を確保する。
ここで、液溜まり高さの適正範囲とは、具体的には、0.5mm〜4.0mmであることが好ましい。0.5mm未満ではダブルトラックが発生し、また、4.0mm超では霜降り状模様が発生するおそれがある。ただし、上記「適正範囲」は、操業条件(塗料の粘性など)により変化するため、本願発明における液溜まり高さの適正範囲は、上記範囲に限られず、操業条件により適宜設定されるものである。
また、APR−鋼板線圧における「アプリケーターロールの凹部への微小気泡の噛み込みを抑制する所定値」とは、好ましくは1000gf/mm以上であり、「アプリケーターロールの凸部での液切れを抑制する所定値」とは、好ましくは2000gf/mm以下である。ただし、上記「所定値」は、操業条件(塗料の粘性、必要とされるウェット膜厚保、ライン速度など)により変化するため、本願発明におけるAPR−鋼板線圧の所定値の範囲は、上記範囲に限られず、操業条件により適宜設定されるものである。
一方、上記3段ナチュラルロールコーター2は、粘度≦5.0×10−3Pa・sの低粘性塗料を塗料パン9より汲み上げるPUR7が、TFR6に対して、PUR7とTFR6との接点において同一方向に回転するナチュラル回転にて塗料を供給し、TFR6が、APR4に対して、TFR6とAPR4との接点において逆方向に回転するリバース回転にて塗料を供給し、APR4が、鋼板走行速度と等速のナチュラル回転にて塗料を鋼板1の上面にウエット膜厚3.0〜7.0μmで塗布するようになっている。
この際、アプリケーターロールと鋼板との線圧(APR−鋼板線圧)を、アプリケーターロールの凹部への微小気泡の噛み込みを抑制する所定値以上、アプリケーターロールの凸部での液切れを抑制する所定値以下の適正範囲内の所定値に設定して、上記ウエット膜厚を確保すると共に、トランスファーロール周速比(TFR周速比)を、アプリケーターロールと鋼板間のニップ部に液溜まりを形成すると共に、その液溜まりがアプリケーターロールの溝凹部への微小気泡の噛み込みを抑制すると共に、大きな気泡の巻き込みを抑制する適正範囲の液溜まり高さになるように設定して美麗外観を確保する。
なお、図4では、上面側と下面側のコーターの溝切りのアプリケーターロールがオフセットなく配置しているが、オフセットをとって配置してもよく、また、設備費を安価とするために、鋼板下面側のコーターとして2段ナチュラルロールコーターを採用しているが、鋼板上面側に配置した3段ナチュラルロールコーターであっても良い。
(設備・操業条件)
図4のコーター装置(設備)のAPR4,5として、溝ピッチ56山/inch、溝深さ80μmで溝切りした硬度Hs=52のゴムライニングロールを採用した。また、熱延鋼板をめっき原板として溶融亜鉛めっき後、調質圧延を施さず、表面の凸凹の大きい溶融亜鉛めっき鋼板を、走行速度(ライン速度)20〜80mpmで、粘度2.0×10−3Pa・sの有機無機系塗料を、ウエット膜厚3.0〜7.0μmで連続塗装した。
この条件の元での図3に示す外観最適操業範囲のアプリケーターロールと鋼板の線圧X1〜X2[gf/mm]は1000〜2000[gf/mm]であり、アプリケーターロールと鋼板との間のニップ部の液溜まり高さY1〜Y2[mm]は0.5〜4.0[mm]であり、APR−鋼板間の液溜まり高さは、鋼板上面側の3段ナチュラルロールコーターについては、図5に示すライン速度―TFR周速比の関係に基いて、例えばライン速度が50mpmの時は、TFR周速比を55〜75%に設定して、APR−鋼板間の液溜まり高さを最適操業範囲の0.5〜4.0mmに制御した。なお、X1、X2の値は、塗装鋼板の外観観察により決定し、Y1、Y2の値は、高速カメラを使用した観察により決定した。
また、鋼板下面側の2段ナチュラルロールコーターについては、図6に示すライン速度―(APR−PUR線圧)の関係に基いて、例えばライン速度が50mpmの時は、APR−PUR線圧を355〜395gf/mmに設定して、APR−鋼板間の液溜まり高さを最適操業範囲の0.5〜4.0mmに制御した。
なお、ウエット膜厚については、図7に示すライン速度―(APR−鋼板線圧)の関係に基いて、例えばライン速度が50mpmの時は、APR−鋼板線圧を1450〜1550gf/mmに設定して、ウエット膜厚を3.0〜7.0μmに制御した。
なお、図5から図7に示す関係は、実機にて実際の塗料溜まり(高さ)と各制御因子(TFR周速比、APR−PUR線圧、APR−鋼板線圧)との関係を観察して求めた。
(操業結果)
この結果、ライン速度20〜80[mpm]の範囲で、熱延鋼板をめっき原板として溶融亜鉛めっき後、調質圧延を施さず、表面の凸凹の大きい溶融亜鉛めっき鋼板に、粘度2.0×10−3Pa・sの有機無機系塗料を、ウエット膜厚3.0〜7.0μmの厚膜で、アプリケーターロールへのエッジマーク入り、疵入りを防止ししつ連続塗装でき、ダブルトラック、霜降り状模様、ロール目模様のない美麗外観を得ることができた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明により、水平パスで連続走行する帯状鋼板に対し溝切りのアプリケーターロールを有する多段ナチュラルロールコーターを用いて低粘性の塗料を厚膜に連続塗布し、ダブルトラック、霜降り状模様、ロール目模様等の外観欠陥のない美麗外観を得ることが可能となるので、帯状鋼板の塗装方法として有用である。
ダブルトラック、霜降り状模様、ロール目模様等の外観欠陥の説明図である。 液溜まり高さ説明図である。 最適操業範囲の説明図である。 両面コーター装置(設備)の概略図である。 上面外観(液溜まり量・高さ)制御用のライン速度−TFR周速比の関係を示すグラフである。 下面外観(液溜まり量・高さ)制御用のライン速度−(APR−PUR線圧)の関係図を示すグラフである。 膜厚制御用のライン速度―(APR−鋼板線圧)の関係を示すグラフである。
符号の説明
1:帯状鋼板
2:鋼板上面側の3段ナチュラルロールコーター
3:鋼板下面側の2段ナチュラルロールコーター
4:コーター2の溝切りのアプリケーターロール
5:コーター3の溝切りのアプリケーターロール
6:コーター2のトランスファーロール
7:コーター2のピックアップロール
8:コーター3のピックアップロール
9:コーター2の塗料パン
10:コーター3の塗料パン

Claims (4)

  1. 水平パスで連続走行する帯状鋼板の上面及び/又は下面に低粘性塗料を厚膜塗装するために、前記帯状鋼帯の上面側及び/又は下面側に配置した、塗料を前記帯状鋼板表面に塗装する溝切りのアプリケーターロールを有する多段ナチュラルロールコーターを用いて前記帯状鋼板の上面及び/又は下面を連続塗装するに際して、
    前記アプリケーターロールと前記帯状鋼板との間のニップ部に液溜まりを形成すると共に、前記液溜まりの高さを適正範囲に制御し、かつ、
    前記アプリケーターロールと前記帯状鋼板との線圧を所定値以上所定値以下とすることを特徴とする、帯状鋼板の塗装方法。
  2. 前記多段ナチュラルロールコーターが、前記アプリケーターロール(APR)と、塗料を前記アプリケーターロールに供給するピックアップロール(PUR)と、前記ピックアップロール(PUR)と前記アプリケータロール(APR)の中間に設けられて前記ピックアップロール(PUR)の塗料を前記アプリケーターロール(APR)に転写するトランスファーロール(TFR)と、を備える3段ナチュラルロールコーターであり、
    前記帯状鋼板表面の液溜まり高さを制御する制御因子が、トランスファーロール周速比(TFR周速比)であることを特徴とする、請求項1に記載の帯状鋼板の塗装方法。
  3. 前記多段ナチュラルロールコーターが、前記アプリケーターロール(APR)と、塗料を前記アプリケータロール(APR)に供給するピックアップロール(PUR)と、を備える2段ナチュラルロールコーターであり、
    前記帯状鋼板表面の液溜まり高さを制御する制御因子が、前記アプリケーターロールと前記ピックアップロールとの線圧(APR−PUR線圧)であることを特徴とする、請求項1に記載の帯状鋼板の塗装方法。
  4. 前記塗装の膜厚を制御する制御因子が、上記アプリケーターロールの凹部への微小気泡の噛み込みを抑制する所定値以上、アプリケーターロールの凸部での液切れを抑制する所定値以下の範囲内のアプリケーターロールと鋼板との線圧(APR−鋼板線圧)であることを特徴とする、請求項1、2又は3の何れかに記載の帯状鋼板の塗装方法。
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