JP4857813B2 - 塗布装置、塗布方法および塗膜形成ウェブの製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、このような従来装置では、図8に示すような、供給スジ106や泡スジ107と呼ばれる塗布欠点が発生することがある。このような塗布欠点は、ダイ102からの塗液103の供給ムラの他、図9に示すように、供給された塗液103とウェブ101との間(エア噛み発生位置A)にエアが噛み込み、それがメタリングバー105の部分で適切に排出されないために発生すると考えられている。
しかし、本発明者の知見によると、この提案技術を仮に、塗液の粘度が0.1Pa ・s(100cp)以上の高粘度の塗液を用いる場合に適用しようとすると、依然として、供給スジが発生することがある。また、塗液103の粘度が0.1Pa ・s(100cp)以上の高粘度の場合、図10に示すように、塗液103と塗工バー105間(エア噛み発生位置B)で噛み込んだエアが塗液にトラップされたまま液だまり108の内部へ流れ、その結果、泡が塗工バー105に巻き込まれることで泡スジが発生しやすい。さらに、ダイやノズルによる塗液の供給において、ウェブの幅方向に供給ムラがあると、その供給ムラが塗工バーで平坦化しきれず、塗液の塗布厚みムラが発生する。これを防止するため、ウェブの幅方向の塗液の吐出均一性を上げる手段として、ダイのスリット間隙を小さくする手段が挙げられるが、スリット間隙が狭いと、リップ部の清掃が困難となる。また、ダイの幅(ウェブの幅方向の幅)が広い場合、塗液の供給圧力が高いと、内圧でリップ間隙が開き、幅方向に均一な間隙を保てなくなる。
本発明において、「液だまり」とは、塗布時に塗工バーとウェブの接触部から塗工バーの上流側のウェブと塗工バーに挟まれた領域を中心に形成される塗液の溜まりをいう。なお、言うまでもないが、連続的な塗布を行っている際に、塗工バー表面上やウェブ表面上に薄く残存している塗液は、ここでいう液だまりではない。これらの薄い塗液は、塗工バーやウェブ面の移動にそのまま追随して移動するものであり、塗液が溜まっているのではないからである。
この液だまりが形成されるべき塗工バーの上流側近傍を液だまり形成部位という。
本発明において、「液だまり形成部位に塗液を直接供給する」とは、ノズルやダイから吐出した塗液を、液だまり形成部位に供給することで、塗液がウェブおよび塗工バーに接触する前に液だまりに直接接触させることをいう。
また、本発明において、「塗工バー」とは、ロッド、ロッドにワイヤーを巻いたワイヤバー、およびロッドに溝を切った溝つきバー等の形態のものなど従来から塗液の塗工に用いられているバーを云う。塗工バーは、通常、ウェブの走行方向と同じ方向に回転可能とされているが、ウェブの走行方向と反対方向に回転させてもよい。
本発明において、「平滑な部位」とは、塗液を供給するに際して塗液供給手段において上部が開放された状態で塗液が流れる流路の下面を画成する表面部であって、塗液が流れる部分の表面粗さ(最大高さRy)が100μ以下、かつ平面度が0.2mm以下であるものをいう。後述の実施例においては、表面粗さの測定には、超深度表面形状測定顕微鏡(キーエンス社製VK8500)を用い、図11に示す角度αが90度の状態で矢印Xの方向から、つまり平滑な部位に対して垂直な方向から、JISB0633の規格にしたがい測定を行なった。また、平面度の測定には、高精度三次元形状測定システム(東京精密社製 XYZAX GC600D-34)を用いて、表面粗さの測定同様、図11に示す方向から、JISB0621の規格にしたがい測定を行なった。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記平滑な部位の水平方向に対する傾斜角が10〜60度であり、かつ上部が開放された状態で塗液が流れる距離が10mm以上、かつ200mm以下である塗布装置が提供される。
本発明において、「水平方向に対する傾斜角」とは、水平線と平滑な部位の面がなす角度をいい、図11においては傾斜角θで示されている。傾斜角θが10度未満の場合は、塗液が流下する際に平滑な部位の両端から漏れ、ウェブ上に滴り落ち、供給スジの発生の原因となる場合がある。また、傾斜角θが60度を超える場合は、平滑な部位において、塗液が平坦化する作用が不十分となることがある。
塗工バーの上流に形成される液だまりの外表面の形状は、ウェブの幅方向の中央部において外方に膨らみ、そこから両端部に向かい、その膨らみが小さくなることが多い。図12に、この様子を示す。図12は、本発明の塗布装置の一実施形態を示している。図12において、塗液供給手段としてのダイ110は、先端に平滑な部位111を有し、平滑な部位111の先端部の一部は、液だまり108に接触した状態で位置している。この状態で、塗液を液だまり108に供給し、下流に設けた、例えば、左右2個ずつのコロ104で支持された塗工バーとしてのメタリングバー105により、塗液を計量またはスムージングすることでウェブ101に塗布を行なうものであり、液だまり108の外表面の形状は、図12に示すように、ウェブ101の幅方向の中央部において外方に膨らみ、そこから両端部に向かい、その膨らみが小さくなることが多い。平滑な部位111の先端を液だまりに接触させて供給した際、図12のように、平滑な部位111のうち、液だまり108と接触している部分の両端113からスジ109が発生し、採取できる製品幅が狭くなる。この問題は、塗布装置11を図13に示す形態にすることで解決できる。すなわち、図13において、平滑な部位111の先端の形状を液だまり108の外形にほぼ沿うように、特に、両端部においては、液だまり108の外形にあわせて、図13に示すように、平滑な部位111の先端部全幅の大部分を液だまり108に接触させることからなる。この形態によれば、スジ109の発生位置を塗布端部側へ移動させることができ、製品として使用できる塗膜が形成されたウェブの幅の増大が図れる。
また、前記塗液供給手段が、塗液を連続的に供給する手段からなることが好ましい。すなわち、塗液供給手段から供給される塗液が、途切れることなく連続的に連なった状態で供給される構成とされる。後述の如く、液だまり上にポタポタと垂れるように供給されると、供給スジ発生の原因となるため、このように塗液を連続的に供給することが好ましい。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記塗液供給手段が、該塗液供給手段から供給された塗液が液だまりに落下するまでの距離を80mm以内にする手段からなる塗布装置が提供される。塗液が塗液供給手段の端部を離れ、液だまりへと落下し、液だまりに到達するまでの距離が大き過ぎると、落下時に生じる塗液の圧力変動で、液だまりが不安定になる場合があるからである。液だまりが不安定になると、それに起因して、塗布欠点が発生し易くなる。
本発明において、「塗液が液だまりに落下するまでの距離」とは、塗液供給手段から離れた塗液が、気体中を落下しながら液だまりに接触するまでに移動する鉛直方向の距離をいい、これを図1および図11に示す。図1および図11は、本発明の一実施形態に係る塗布装置および塗布方法を示している。図1において、塗布装置10は、塗工バー1により、走行中のウェブ2の上面に、塗液供給手段としてのダイ3から塗液4を液だまり6に供給する装置からなる。
また、図11において、塗布装置11は、塗液供給手段が平滑な部位20を有するものであり、その他の構成は図1と同様である。「塗液が液だまりに落下するまでの距離」はそれぞれの図に示すHの部分であり、図1においては塗液供給手段としてのダイ3の下部先端から液だまり上部先端までの鉛直方向の距離をいい、図11においては塗液供給手段である平滑な部位20の下部先端から液だまり上部先端までの鉛直方向の距離をいう。
なお、図17は、塗液供給手段を液だまりに挿入させた場合の説明図である。塗液供給手段は、ダイ110とその先端に結合された平滑な部位111からなり、ダイ110から吐出され平滑な部位111の上面を流下した塗液4は、液だまり108に直接供給され、液だまり108の塗液が、コロ104により回動可能に支持された塗工バー(メタリングバー)105により、走行中のウェブ101の上面に塗布される。塗液供給手段の平滑な部位111の先端は、液だまり108中に挿入されている。塗液供給手段の先端が液だまり中に挿入されている形態においては「塗液が液だまりに落下するまでの距離」は、0(ゼロ)と定義する。
このような範囲で移動可能としておくことで、上述した塗工バーに対する塗液供給手段の相対位置の調整や、塗布終了時等の塗液供給手段の退避を、容易に行うことができる。
本発明において、粘度の測定には、レオメーター(レオテック社製 RC20)を用いて、JISZ8803の規格にしたがい測定した。
本発明において、「液だまりに塗液を直接供給する」とは、ノズルやダイから吐出した塗液を、塗液がウェブおよび塗工バーに接触する前に液だまりに直接接触させることをいう。 また、塗液を途切れることなく連続的に供給することが好ましい。
塗布装置10において、塗液供給手段としてのダイ3から塗液4が液だまり6に直接供給される。ダイ3は、移動機構5により、実線で示した塗液供給と、破線で示した退避位置との間を移動可能となっている。塗工バー1とウェブ2との接触部の直上流位置には、液だまり6が形成されるが、ダイ3から吐出された塗液4は、塗工バー1やウェブ2に接触する前に、この液だまり6に直接供給される。塗液4は、適当な塗液槽(図示せず)から、ポンプ7、フィルター8を介して、ダイ3内に供給される。なお、9は、ダイ3の退避位置下方に設けられた、ダイ3から滴り落ちる塗液を受けるための液受けを示している。
図14は、図1のY方向からの矢視図である。図15および図16は、図14の点線で囲ったCの部分の拡大図である。塗工バーは、ロッド、ロッドにワイヤーを巻いたワイヤバー、およびロッドに溝を切った溝つきバー等の形態のものなどが挙げられるが、図14に示される塗工バー1は、ワイヤバーの形態のものである。図14に示されるように、塗工バー1は、ロッドの表面に巻かれたワイヤーにより、その表面に溝が形成されている。この塗工バー1をウェブ2に接触させて、ウェブ2の上面への塗液の塗布を行なう。塗工バー1とウェブ2の接触部には、図15もしくは図16に示されるように、塗液が介在しており、塗工バー1とウェブ2の間に発生する隙間(塗工バー表面の溝の部分および塗工バーとウェブの間隙部分)の大きさにしたがった量の塗液がウェブ2に塗布される。
図2は、塗工バー1がウェブ2の走行方向に順回転される場合の一例の側面図を示しているが、上記の如く、ダイ3から吐出された塗液4が液だまり6上に直接供給されることにより、供給スジが発生しにくい。また、液だまり6上に直接供給されることにより、この部分でエアが噛み込む余地がなくなり、エア噛み込みに起因する泡スジ発生のおそれも除去される。
脈動率=[(瞬間最大吐出量−瞬間最小吐出量)/平均吐出量]×(100/2)
脈動率の測定は、質量流量計(例えば、エンドレスハウザー社製型式63FS08-NEW00A30B1A)にて、測定周期0.15sで行う。
また、図11は、本発明の別の一実施形態に係る塗布装置を示している。図11において、塗布装置11は、塗液供給手段としてのダイ3が平滑な部位20を有するものであり、その他の構成は図1と同様である。
平滑な部位を介して塗液を液だまりに供給することにより、ダイやノズル等から吐出されたときに発生する幅方向の吐出ムラが、平滑な部位を流れる間に、重力の影響により平坦化される。従って、平滑な部位により、より均一な塗液の供給が可能となり、ウェブ上に形成される塗膜の厚みムラを低減させることができる。
平滑な部位を用いた塗布装置は、非特許文献1のスライドコーターと一見似た構成である。しかし、本発明の塗布装置においては、塗液は、液だまりに供給され、液だまりに供給された塗液は、一旦液だまりとして、そこに留まり、次いで、塗工バーで一定量ずつ、ウェブへの塗膜形成のために用いられる。従って、ウェブに形成される塗膜の厚みは、直接的には塗液の供給量に左右されない。しかし、前記のスライドコーターにおいては、供給された塗液がそのままウェブに塗布されるため、ウェブに形成される塗膜の厚みは、直接的に塗液の供給量に左右される。少なくともこの点において、両者の塗布メカニズムは、全く異なる。また、本発明の塗布装置における平滑な部位は、塗液の流れを平坦化させるためのものであるため、多層積層を目的とする前記スライドコーターとは、目的や作用、効果が異なる。
図11に示す塗布装置において、塗液の供給は、図1に示す塗布装置の場合と同様、塗液供給手段(ダイ3および平滑な部位20)からの塗液を、塗工バー1やウェブ2に接触する前に、液だまり6に直接、かつ、途切れることなく連続的に供給するのが良い。その際、液だまりの表面に供給しても良いし、平滑な部位の先端を液だまりへ挿入して内部に直接供給しても良い。ただし、平滑な部位の先端を深く挿入すると、液だまりが乱れて、塗布欠点の原因となるので、平滑な部位の挿入長さは、液だまりの表面から2mm以内とするのが好ましい。
ウェブ上に塗布した塗液の塗布幅の調整方法としては、塗布直後の塗布端の位置をカメラ等で監視し、その結果をフィードバックして、塗布幅が広がり過ぎないように調整することが好ましい。塗布幅の調整は、塗液のポンプの吐出量、ウェブの搬送速度、ウェブの張力、塗液の粘度、塗工バーの回転数、塗工バーの押込み量のいずれかで、行うことができる。また、塗布幅が急激に広がり、調整が間に合わない場合、監視カメラからの信号を受けて、ウェブの搬送および塗布作業を緊急停止するシステムを組むことが好ましい。
[実施例1]
図1に示した装置を用いて、口金からキャスティングドラム上に押し出したPET樹脂のシートを長手方向に3倍に延伸して一軸延伸フィルムとし、該フィルムを引き続き25m/分の速度で搬送してその上面に塗液をコーティングした。
・塗液供給手段:烏口ダイ(スリット幅90mm、間隙0.1mm、ランド長30mm)
・塗液が液だまりに落下するまでの距離:40mm
・搬送速度:25m/分
・塗液粘度:1.5Pa ・s
・塗布幅W:250mm
・吐出量:100ml/分
・塗工バー:ワイヤーバー(直径19mm、長さ300mm、ワイヤー直径0.356mm)
・ポンプ:(株)タクミナのダイヤフラムポンプ(脈動率±3.5%の範囲)
上記の塗布幅Wとは、図1を上から見た図である図20(移動機構は図示しない)におけるWをさす。
[比較例1]
図10に示すように、塗液供給位置を、ワイヤーバーの上方とした以外は、実施例1と全く同様にして、コーティングを行った。目視で観察した結果、乾燥後の塗膜面に、供給スジとわずかな厚みムラが観察された。また、塗膜面全幅にわたって、4乃至8本の泡スジが常時発生し、乾燥後においても、泡スジの跡が目視で観察された。そのため、この塗膜が形成されたシートは、製品としての品質を満たさず、不良品となった。
[比較例2]
図9に示すように、塗液供給位置を、塗工バーから離れた上流におけるフィルム面の上方とした以外は、実施例1と全く同様にして、コーティングを行った。目視で観察した結果、乾燥後の塗膜面に、供給スジ、厚みムラが観察された。また、塗膜面全幅にわたって、2乃至5本の泡スジが常時発生し、乾燥後においても、泡スジの跡が目視で観察された。そのため、この塗膜が形成されたシートは、製品としての品質を満たさず、不良品となった。
[実施例2]
塗液が塗液供給手段から落下を開始し、液だまりに到達するまでの距離を90mmとした以外は、実施例1と全く同様にして、コーティングを行った。目視で観察した結果、乾燥後の塗膜面に、塗液供給時に発生したと思われる供給スジおよび厚みムラが僅かであるが観察された。これら僅かな供給スジおよび厚みムラは、距離を80mm以内とすることにより、解消することができる。
[実施例3]
図3に示すように、ダイからの塗液供給を、強制的に、不連続な滴下状態とした以外は、実施例1と全く同様にして、コーティングを行った。目視で観察した結果、乾燥後の塗膜面の滴下位置に対応する場所に、供給スジが発生していることが観察された。また、僅かであるが厚みムラも観察された。
[実施例4]
図11の塗布装置11を用い、図13に示すように、先端を円弧状とした平滑な部位先端を液だまりに挿入したこと以外は、実施例1と全く同様にしてコーティングを行なった。平滑な部位の各条件は以下の通りである。
・塗液が上部を開放された状態で流れる距離:30mm
・傾斜角θ:30度
・ 先端形状:液だまり形状にあわた円弧状
目視で観察した結果、乾燥後の塗膜面に、図13に示すような2本のスジ109が観察された。それぞれのスジ109は、塗膜面の幅方向の中心から、105mmの位置に存在していた。他方、供給スジ、泡スジ、厚みムラは観察されなかった。従って、塗膜が形成されたシートから、幅210mm(2本のスジ109の内側部分の幅)の製品が得られた。
[実施例5]
図11に示した本発明の塗布装置11を用い、平滑な部位として、図12に示すような、先端がフラットな平滑な部位111を用い、平滑な部位111の先端を液だまりに挿入にした以外は、実施例4と全く同様にして、コーティングを行なった。目視で観察した結果、乾燥後の塗膜面に、供給スジ、泡スジ、厚みムラは見られなかった。他方、乾燥後の塗膜面の幅方向の中心から左右80mmの位置に、スジ109が目視で観察された。得られた製品の幅は、160mmであった。この製品幅160mmは、実施例4における製品幅210mmより小さい。このことは、平滑な部位の先端の形状は、液だまりの形状に対応した円弧状であることが、より幅の広い製品を製造するためには好ましいことを示している。
[実施例6]
図11に示した本発明の塗布装置11を用い、図13に示す先端111を円弧状とした平滑な部位111の傾斜角θを70度、塗液が上部を開放された状態で流れる距離を5mmとした以外は、実施例2と全く同様にして、コーティングを行った。目視で観察した結果、乾燥後の塗膜面に、供給スジと泡スジは見られなかった。しかし、塗膜面に僅かであるが、厚みムラが観察された。この僅かな厚みムラは、平滑な部位の傾斜角θ、および、塗液が上部を開放された状態で流れる距離を調整することにより、解消することができる。
2 ウェブ
3 塗液供給手段としてのダイ
4 塗液
5 移動機構
6 液だまり
7 ポンプ
8 フィルター
9 液受け
10 塗液供給手段が平滑な部位を有しない塗布装置
11 塗液供給手段が平滑な部位を有する塗布装置
20 平滑な部位
Claims (13)
- 塗工バーにより、走行中のウェブの上面に塗液を塗布する塗布装置であって、前記塗工バーと前記ウェブとの接触部の上流側近傍の液だまり形成部位に塗液を直接供給する塗液供給手段を有し、該塗液供給手段が、上部が開放された状態で前記塗液が流下する平滑な部位を有し、かつ、該平滑な部位の前記塗工バー側の先端が前記ウェブの幅方向における中央部よりも両端部が下方に延びる下方凹形の形状を有し、かつ、前記先端の大部分が前記液だまり形成部位に形成される液だまりに接触するように位置するものであることを特徴とする塗布装置。
- 前記平滑な部位の水平方向に対する傾斜角が10〜60度であり、かつ上部が開放された状態で塗液が流れる距離が10mm以上、かつ200mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の塗布装置。
- 前記塗液供給手段が、塗液を連続的に供給する手段からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の塗布装置。
- 前記塗液供給手段が、該塗液供給手段から供給された塗液が液だまりに落下するまでの距離を80mm以内にする手段を備えていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の塗布装置。
- 前記塗液供給手段が、前記塗工バーとは独立に移動可能となる移動手段を備えたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の塗布装置。
- 前記移動手段により、前記塗液供給手段が、前記塗工バーに対し、0.1〜500mmの範囲の距離を塗液の塗布中に移動可能である請求項5に記載の塗布装置。
- 前記塗液供給手段からの塗液を受けることが可能な液受けを有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の塗布装置。
- 塗工バーにより、走行中のウェブの上面に粘度が0.1〜3.0Pa ・s の塗液を塗布する塗布方法であって、前記塗工バーと前記ウェブとの接触部の上流側に形成される液だまりに、塗液供給手段により、前記塗液を直接供給し、前記塗液供給手段が、上部が開放された状態で前記塗液が流下する平滑な部位を有し、かつ、前記平滑な部位の先端が前記液だまりの外形に対応して前記ウェブの幅方向における中央部よりも両端部が下方に延びる形状を有し、前記先端の大部分を前記液だまりに接触させることを特徴とする塗布方法。
- 前記平滑な部位として、水平方向に対する傾斜角が10〜60度であり、かつ前記塗液が、上部を開放された状態で流れる距離が10mm以上かつ200mm以下となるものを用いることを特徴とする、請求項8に記載の塗布方法。
- 前記塗液供給手段が、塗液を連続的に供給することを特徴とする、請求項8または9に記載の塗布方法。
- 前記塗液供給手段から供給された塗液が液だまりに落下するまでの距離を80mm以内にすることを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の塗布方法。
- 塗液が塗布され表面に塗膜が形成されたウェブが、塗布後に延伸および乾燥されることを特徴とする、請求項8〜11のいずれかに記載の塗布方法。
- 押出機によりポリマーを押し出し、該ポリマーをシート状に成形してウェブとなし、請求項8〜12のいずれかに記載の塗布方法を用いて、塗液を前記ウェブ上に塗布し、塗膜を形成してなる表面に塗膜を有するウェブの製造方法。
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