JP5343490B2 - プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 - Google Patents

プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 Download PDF

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本発明は、入射側に単位プリズム形状が複数配列されたプリズムシート、及び、これを備えた透過型スクリーン、背面投射型表示装置に関するものである。
近年、透過型スクリーンの背面側から映像光を投射して映像を表示するリアプロジェクションテレビでは、映像光を投射する光源として、CRT方式に変わり、LCD(Liquid Crystal Display)方式や、DMD(Digital Micromirror Device)方式等の、高輝度の単光源が主に使用されるようになった。このような単光源を使用した場合に、表示される映像の輝度がちらつき、映像がぎらついて見える現象(以下、このような現象をシンチレーションという)が発生し易くなり、映像が見難くなるという問題があった。
このようなシンチレーションを改善するために、透過型スクリーンに用いられる各種光学シートに含まれる拡散材の量を増加させる等して拡散特性を大きくする手法が挙げられるが、透過型スクリーンに入射する光の利用効率が低下して映像が暗くなることや、映像がぼやける等の問題があった。
特許文献1には、入射側にフレネルレンズ形状を有するフレネルレンズシートにおいて、二重像を低減するために、第3の層とレンズ層とが屈折率差を有し、その境界面に微細な凹凸形状が形成され、拡散形状となっている例が開示されている。
しかし、特許文献1には、シンチレーションの低減に関しては、なんら記載されていない。また、第3の層とレンズ層との境界面による拡散作用は、360°あらゆる角度へ光を拡散させるので、輝度が落ち、映像が暗くなるという問題がある。
特開2003−177475号公報
本発明の課題は、シンチレーションを低減でき、明るい映像を表示できるプリズムシート、及び、これを備えた透過型スクリーン、背面投射型表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、光が入射する入射面(111a−1)と、前記入射面から入射した光の少なくとも一部を全反射する全反射面(111a−2)とを備え、入射側に凸となる単位プリズム形状(111a)が、入射側にシート面に沿って複数配列されたプリズム層(111)を有するプリズムシートにおいて、前記プリズム層より出射側に、入射側に凸となる略三角柱形状の単位光学形状(112a)が複数配列されて形成された光学形状部(112)と、前記光学形状部より出射側に形成され、光を拡散する拡散材を含む光拡散層(113)と、を備え、前記光拡散層は、前記プリズム層の出射側に隣接して形成され、前記光拡散層と前記プリズム層とは、屈折率差を有し、前記光学形状部は、前記光拡散層の入射側の面に形成され、前記プリズム層と前記光拡散層との境界面となる面に位置していること、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である
求項の発明は、請求項1に記載のプリズムシートにおいて、シート面の法線方向から入射する光が、該プリズムシートに含まれる拡散材のみによって拡散されて出射する場合の出射角度に対する輝度の分布曲線において、拡散された光の輝度が最大輝度の1/10となる角度をθとし、シート面の法線方向から入射する光が、前記光学形状部(112)のみによって拡散されて出射する場合の出射角度に対する輝度の分布曲線において、極大値をとる出射角度をγとしたとき、γ≦θという関係をみたすこと、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である。
請求項の発明は、請求項1又は請求項2に記載のプリズムシートにおいて、光透過性を有し、拡散材を含まない光透過層(114)を備えること、を特徴とするプリズムシート(11)である。
請求項の発明は、請求項に記載のプリズムシートにおいて、前記光拡散層(113)は、前記光透過層(114)より入射側に設けられていること、を特徴とするプリズムシート(11)である。
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、前記光拡散層(113)より出射側に、光透過性を有し、拡散材を含む第2の光拡散層(215)を備え、前記第2の光拡散層に含まれる拡散材の量は、前記光拡散層に含まれる拡散材の量の7wt%以下であること、を特徴とするプリズムシート(21)である。
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、前記単位光学形状(112a)は、シート面に直交する断面での断面形状が略二等辺三角形状であること、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である。
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、前記単位光学形状(112a)は、使用状態においてシート面に沿って垂直方向に並べられていること、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である。
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、前記単位光学形状(112a)の入射側先端部分には、入射側に凸となる曲面が形成されていること、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である。
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のプリズムシート(11,21,31)、光を拡散する作用を有する拡散光学シート(12)と、を備える透過型スクリーン(10)である。
請求項10の発明は、請求項に記載の透過型スクリーン(10)と、前記透過型スクリーンに映像光を投射する光源(20)と、を備える背面投射型表示装置(1)である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明によるプリズムシートは、プリズム層より出射側に、入射側に凸となる単位光学形状が複数配列されて形成された光学形状部と、光学形状部より出射側に形成され、光を拡散する拡散材を含む光拡散層とを備え、光学形状部を有する層とプリズム層とは、屈折率差を有するので、映像の解像度を落とすことなく、シンチレーションを低減でき、明るい映像を表示できる。
また、従来のプリズムシートは、光学形状部を有するプリズムシートとは別体のレンズシートと組み合わせて使用した場合に、温度や湿度等の環境の変化によって従来のプリズムシートと、光学形状部を有するレンズシートとの間に浮き等が発生する場合があるが、本発明によれば、プリズムシートの内部に光学形状部が形成されて一体となっているので、浮き等が発生せず、耐環境性を向上させることができる。
(2)光拡散層は、入射側に光学形状部を有するので、映像の解像度を低下させることなく、シンチレーションを低減させる効果をより高めることができる。
(3)プリズムシートは、γ≦θという関係を満たすので、光学形状部による光の拡散効果と、プリズムシート全体に含まれる拡散材による光の拡散効果(すなわち、光学形状部等のレンズ要素を除いた拡散効果)によって、シンチレーションをより効果的に低減できる。
(4)光透過性を有し、拡散材を含まない光透過層を備えるので、拡散材を含む光拡散層と光透過層とを組み合わせることにより、プリズムシート全体としてみたときに、拡散材を局在化させることができ、映像の解像度が低下することを防止できる。
(5)光拡散層は、光透過層より入射側に設けられているので、光を拡散する効果を高めることができる。
(6)光拡散層より出射側に、光透過性を有し、拡散材を含む第2の光拡散層を備えるので、プリズムシートの製造工程において、例えば、光拡散層と第2の光拡散層、光拡散層と光透過層等を2層押し出し成形等で作製し、所定のサイズに裁断する際に生じる加工残材等を、第2の光拡散層の材料として再利用することができ、生産コストを抑え、資源を有効活用することができる。また、第2の光拡散層に含まれる拡散材の量は、光拡散層に含まれる拡散材の量の7wt%以下であるので、第2の光拡散層が含有する拡散材によって解像度の低下を招くことなく、シンチレーションを改善することができる。
(7)単位光学形状は、シート面に直交する断面での断面形状が略三角形状であるので、入射する光を所定の2つの方向へ拡散することができる。
(8)単位光学形状は、使用状態においてシート面に沿って垂直方向に並べられているので、垂直方向への拡散作用が得られる。通常、プリズムシートを透過型スクリーンに用いる場合、使用状態の水平方向への拡散作用を有する拡散光学シートを、プリズムシートと組み合わせて使用する場合が多い。従って、そのような場合に、単位光学形状(すなわち、光学形状部)によって垂直方向へ光を拡散させることにより、より効果的にシンチレーションを低減できる。
(9)単位光学形状の入射側先端部分には、入射側に凸となる曲面が形成されているので、他の光学シートと重ねられた場合にも、他の光学シートを傷つけることを防止できる。また、押し出し成形により、容易に成形できる。
(10)本発明によるプリズムシートと、光を拡散する作用を有する拡散光学シートとを備える透過型スクリーンであるので、シンチレーションを低減しつつ、明るい映像を表示できる。
(11)本発明による透過型スクリーンと、その透過型スクリーンに映像光を投射する光源とを備える背面投射型表示装置であるので、シンチレーションを低減しつつ、明るい映像を表示できる。また、プリズム層により、大きな入射角度で光が入射した場合にも、スクリーン面の略法線方向へ出射できるので、背面投射型表示装置の奥行きを狭くし、薄型の背面投射型表示装置とすることができる。
本発明は、シンチレーションを低減し、明るい映像を表示できるプリズムシート、及び、これを備える透過型スクリーン、背面投射型表示装置を提供するという目的を、プリズム層より出射側に、入射側に凸となる単位光学形状が複数配列されて形成された光学形状部と、光学形状部より出射側に形成され、光を拡散する拡散材を含む光拡散層とが設けられ、光学形状部を有する層とプリズム層とが、屈折率差を有するプリズムシートとすることにより実現した。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のリアプロジェクションテレビを示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。また、本実施形態及び以下に示す各実施形態において、材料や形状、寸法の数値等の例を挙げて説明するが、それに限定されるものではなく、適宜最適なものを選択可能である。
本実施形態のリアプロジェクションテレビ1は、透過型スクリーン10,光源部20,ミラー部30等を備える背面投射型表示装置である。透過型スクリーン10の背面側に配置された光源部20から投射された映像光Lは、ミラー部30を介して透過型スクリーン10へ拡大投影される。本実施形態のリアプロジェクションテレビ1は、DMD方式の光源を光源部20に用いている。
図2は、第1実施形態の透過型スクリーンを示す図である。理解を容易にするために、図2中に破線で示す光源部20は、ミラー部30等で映像光を反射させないで透過型スクリーン10に映像光を投射する場合の仮想の光源部の位置に示している。
図2を含め、以下に示す各図において矢印で示される垂直方向,水平方向、及び、本明細書中に記載する垂直方向,水平方向とは、特に断りがない場合、それぞれ、本実施形態の透過型スクリーン10及び後述するプリズムシート11の使用状態における垂直方向(すなわち、上下方向),水平方向(すなわち、左右方向)を意味している。
本実施形態の透過型スクリーン10は、プリズムシート11とレンチキュラーレンズシート12とを組み合わせて1枚のスクリーンとして用いられている。
本実施形態のプリズムシート11は、レンチキュラーレンズシート12より映像光Lの入射側(光源側)に設けられている。プリズムシート11の詳細な形状については後述する。
レンチキュラーレンズシート12は、プリズムシート11より映像光Lの出射側(観察面側)に設けられ、光を拡散する作用を有する拡散光学シートである。本実施形態のレンチキュラーレンズシート12は、レンズ層121,光吸収部122,支持層123を備えている。
レンズ層121は、単位レンズ121aが複数配列されて形成されている。単位レンズ121aは、その断面に略楕円形状の一部を有し、光源側に突出した形状であり、その長手方向が透過型スクリーン10の垂直方向に一致するように、支持層123の光源側に水平方向に複数配列されている。光吸収部122は、単位レンズ121aの観察面側の映像光が透過しない領域に、透過型スクリーン10の垂直方向に延在して所定の間隔で縞状に形成されている。
支持層123は、レンズ層121を支持する基材となる層であり、本実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を用いたシート状の部材を用いている。
図3は、第1実施形態のプリズムシート11の断面図である。なお、図3では、プリズムシート11のシート面の法線方向に垂直であり、使用状態の垂直方向に平行な断面を示している。ここで、シート面とは、プリズムシート全体として見たときにおけるプリズムシートの平面方向となる面を示すものであり、以下の説明中及び特許請求の範囲においても同一の定義として用いる。
プリズムシート11は、光源側から順に、プリズム層111,光学形状部112,光拡散層113,光透過層114等を備えている。
プリズム層111は、最も光源側に設けられ、単位プリズム111aが複数配列された層である。
図4は、プリズム層111の断面を拡大した図である。
単位プリズム111aは、映像光Lが入射する入射面111a−1と、入射面111a−1から入射した光の少なくとも一部を全反射する全反射面111a−2とを有し、光源側(入射側)に凸となっている。
単位プリズム111aは、図2に示すように、プリズムシートの外部に位置する点Pを中心として、同心円状に配列されている。この点Pは、プリズムシート11のシート面の延長上であって、プリズムシート11の使用状態における水平方向の幅の中央を通り、垂直方向に延びる直線上に在る。点Pは、本実施形態では、プリズムシート11の下方に位置しており、ミラー部30等を用いないで映像光を投射した場合の光源部20の仮想の位置は、この点Pを通りシート面の法線方向に延びる直線上に位置する。
図3に戻って、光拡散層113は、拡散材を略均一に混練した光透過性を有する樹脂により形成された層である。光拡散層113に用いられる光透過性を有する樹脂は、プリズム層111を形成する樹脂と屈折率差Δnを有している。光拡散層113は、その光源側(入射側)に光学形状部112が一体に形成されている。すなわち、光拡散層113とプリズム層111との境界面に光学形状部112が形成されている形態となっている。
本実施形態では、光透過性を有する樹脂として、アクリル樹脂が用いられ、拡散材として、AS(アクリル−スチレン)樹脂を用いて形成された微小ビーズが用いられている。なお、光透過性を有する樹脂としては、AS樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂等を用いてもよい。また、拡散材としては、ガラスビーズや、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等を用いて形成されたビーズ等を用いてもよい。
光学形状部112は、単位光学形状112aが複数配列された部分であり、光拡散層113とプリズム層111との境界面に形成されている。単位光学形状112aは、プリズムシート11の垂直方向に平行であってシート面の法線方向に平行な断面での断面形状が略三角形状であり、光源側(入射側)に凸となっている。本実施形態では、単位光学形状112aの断面形状は、略二等辺三角形状であり、単位光学形状112aの斜面は、シート面に対して角度αをなしている。また、単位光学形状112aの光源側の先端部分には、光源側(入射側)に凸となるような曲面が形成され、各単位光学形状112a間は、光源側に凹の曲面が形成されている(図5参照)。
なお、本実施形態では、プリズムシート11と組み合わせて用いるレンチキュラーレンズシート12は、光を水平方向へ拡散する作用を有しているので、水平方向におけるシンチレーションは、レンチキュラーレンズシート12によって低減される。従って、光を垂直方向に拡散することにより、シンチレーション低減の効果をさらに高めるため、単位光学形状112aは、シート面に沿って垂直方向に配列されている。
光透過層114は、光拡散層113より観察面側(出射側)に形成された層である。光透過層114は、光拡散層113に用いた光透過性を有する樹脂と同様の樹脂を用いて形成されているが、拡散材は含有していない。
ここで、光学形状部112を形成する単位光学形状112aの形状について詳しく説明する。
図5は、単位光学形状112aの断面の拡大図である。なお、図5では、単位光学形状112aの形状による光の拡散の様子を説明するために、光学形状部112が形成されている光拡散層113に含まれる拡散材は考慮しないものとする。
プリズムシート11に入射した光は、プリズム層111の単位プリズム111aによってシート面の法線方向に略平行な光(以下、平行入射光と呼ぶ)L1となって、光学形状部112へ入射する。光拡散層113に含まれる拡散材による光の拡散作用を考えない場合、図5に示すように、平行入射光L1は、単位光学形状112aに入射角度αで入射し、プリズム層111の屈折率nと、光拡散層113の屈折率(光透過性を有する樹脂の屈折率)nとの比に応じて屈折し(屈折角度β)、光拡散層113及び光透過層114を透過して空気中へ出射角度γで出射する。
このとき、各角度α、β、γには、以下に示すような関係を満たしている。
β=sin−1((n/n)×sinα) ・・・(式1)
γ=sin−1(n×(α−β)) ・・・(式2)
本実施形態の光拡散層113では、プリズムシート11に入射した光は、単位光学形状112a(光学形状部112)による拡散(偏向)作用と、拡散材による拡散作用(光学形状部112を除いた拡散要素、すなわち本実施形態の光拡散層113全体に含まれる拡散材による拡散作用)とを受けて、プリズムシート11から出射する。従って、この2種類の作用をどのように組み合わせるかによって、プリズムシート11のシンチレーション低減効果が変化する。以下、この点について説明する。
図6は、拡散材及び光学形状部112による拡散の様子を示す図である。図6及び以下に示す図7,図8では、縦軸は相対輝度を示し、横軸は出射角度を示しており、横軸の正方向は、垂直方向上側、負の方向は、垂直方向下側を示している。なお、図6及び以下に示す図7,図8では、理解を容易にするために、拡散材のみによって拡散されて出射した光の輝度の最大値を1(基準値)として相対輝度を示している。
単位光学形状112aによる拡散(偏向)作用のみでは、上述したように、(式2)から得られる出射角度γ(図6中に示したγ参照)で光が出射する。そのため、光学形状部112は、出射角度+γ,−γに集中して光を出射するという拡散特性を示し、出射する光の輝度分布曲線は、出射角度+γ,−γで極大値をとる。
一方、光学形状部112が形成されておらず、拡散材のみによって平行入射光L1が拡散され、光拡散層113及び光透過層114を透過して空気中へ出射した場合、垂直方向における角度による輝度分布は、図6中に、一点鎖線で示されるような曲線となる。図6及び以下に示す図7,図8に示す角度±θは、拡散材のみによって拡散されて出射した光の輝度が、最大値の1/10となる角度(1/10角)である。
このような拡散特性を有する光学形状部112(単位光学形状112a)と拡散材とを組み合わせた場合の光の拡散特性は、図6中に実線で示されるような曲線となる。なお、図6に示した出射角度γは、γ=3θ/4であり、γ<θである。
図7は、γ=θであるときの拡散材及び光学形状部112による拡散の様子を示す図である。図7中の一点鎖線で示される曲線は、拡散材のみによる拡散特性を示し、実線で示される曲線は、出射角度γ=θであるときの光学形状部112と拡散材とによる拡散特性を示している。
図6,図7に示すように、γの値が大きくなると、光学形状部112と拡散材とによって拡散された光の輝度の極大値となる出射角度(γに一致)は、シート面の法線方向から離れる。
そのため、γが大きくなると、プリズムシートの正面(シート面の法線方向)での輝度が、周辺部の輝度に比べて極端に低下して映像が暗くなり、透過型スクリーンの正面方向での明るさの不均一性が強調されてしまう。従って、本発明のプリズムシート11では、γ≦θを満たす光学形状部112(単位光学形状112a)とすることにより、拡散材による光の拡散効果によって正面での輝度の低下を補っている。
一方、γ>θであるプリズムシートでは、光学形状部112による光の拡散効果によって生じる正面方向での輝度の低下を、拡散材による光の拡散効果によって補いきれずに、正面方向での輝度の低下が大きく、明るさの不均一性が問題となる。また、シンチレーション低減効果も弱くなる。
これらの理由から、γ≦θであることが好ましいといえる。
なお、このγ及びθに関しては、次のような方法で求めることができる。
まず、γに関しては、γを求めたい試料(光学形状部が形成されたプリズムシート)の垂直方向での拡散特性を測定する。試料の拡散特性の曲線が、0°以外に極大値をとる場合は、その角度を光学形状部(単位光学形状)の拡散(偏向)作用による出射角度γとすることができる。
また、測定した試料の拡散特性の曲線が、明確な極大値を取らない場合等では、試料の単位光学形状の断面を実際に測定する等して、屈折率が略等しい材料で同様の光学形状部を作製して、拡散特性を測定するか、測定した単位光学形状から計算によってγを求めることができる。
一方、θに関しては、θを求めたい試料の光学形状部(単位光学形状)を、切削する等により除去して平面を形成し、その拡散特性を測定する。このようにして得られた拡散特性の曲線から、輝度が最大値の1/10となる角度を求めればよい。
本実施形態では、光学形状部112は、単位光学形状112aが垂直方向に複数並べて配置されている。この単位光学形状112aは、断面形状が略三角形状(略二等辺三角形状)であり、頂部等の曲面部分を除いて出射角度γは一定であるので、光学形状部112の輝度分布曲線は、出射角度γで極大値をとる。また、本実施形態の光学形状部112では、出射角度γは、1/10角θよりも小さい。従って、光学形状部112は、シンチレーション低減に好ましい条件を満たしている。
また、単位光学形状112aが並べられるピッチp(図5参照)は、0.1mm以下であることが好ましい。
これは、光源部20から投射された映像光がプリズムシート11に入射する時点での画素の大きさと、単位光学形状112aのピッチpとの大きさが近いとモアレが発生し易いためである。一般的には、単位光学形状112aのピッチpが画素ピッチの1/5以下であればモアレは発生しない。
従って、本実施形態では、光源部20から投射される映像光の画素ピッチが約0.6mmであるので、単位光学形状112aのピッチpは、0.1mm以下であることが、モアレ防止の観点から好ましい。
本実施形態のプリズムシート11の製造方法について説明する。
プリズムシート11は、まず、拡散材が混練された光透過性を有する樹脂と拡散材が混練されていない光透過性を有する樹脂とを用意し、これらを用いた2層押し出し成形によって、光学形状部112を有する光拡散層113と光透過層114との2層を一体として形成し、作製したいプリズムシートの大きさに合わせて所定の大きさに裁断する。
その後に、紫外線硬化型樹脂や電離放射線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂を用いて、光学形状部112上に、単位プリズム111aが配列されたプリズム層111を形成し、プリズムシート11が完成する。
ここで、本実施形態のプリズムシートとして具体例1から具体例3までのプリズムシートと、比較対象として比較例1,2のプリズムシートとを用意し、レンチキュラーレンズシート12と組み合わせて実際に透過型スクリーンとし、リアプロジェクションテレビ1に用いて、表示される映像を観察して比較した。
まず、具体例1から具体例3までのプリズムシートについて説明する。
具体例1から具体例3までのプリズムシートは、略同様の形態であり、単位光学形状112aの斜面がシート面となす角度(すなわち、単位光学形状112aへの入射角度)α=45°、1/10角θ=8.3°であるが、プリズム層111の屈折率n、光拡散層113及び光透過層114に用いられた光透過性を有する樹脂(アクリル樹脂)の屈折率n、出射角度γ等が異なる。
具体例1のプリズムシートは、屈折率n=1.55、屈折率n=1.50、入射角度α=45°であるので、(式1)及び(式2)より、出射角度γ=2.9°である。
同様に、具体例2のプリズムシートは、屈折率n=1.57、屈折率n=1.49、入射角度α=45°であるので、出射角度γ=4.7°である。
具体例3のプリズムシートは、屈折率n=1.59、屈折率n=1.47、入射角度α=45°であるので、出射角度γ=7.2°である。
上述のように、具体例1から具体例3のプリズムシートは、γ≦θを満たしている。
図8は、具体例1のプリズムシートでの光の拡散の様子を示す図である。図8中に一点鎖線で示される曲線は、拡散材のみによる拡散特性を示し、実線で示される曲線は、具体例1における単位光学形状112aが形成された光拡散層113にプリズム層111を透過した平行入射光L1した場合の拡散特性を示している。
具体例1のプリズムシートは、上述のようにγ=2.9°であり、α=8.3°である。図8に示すように、具体例1のプリズムシートでは、正面方向(シート面の法線方向)での輝度を保ちつつ、光を拡散させている。従って、具体例1のプリズムシートを用いることにより、明るく、かつ、その明るさの均一な表示が可能となり、良好な映像を表示できる。
次に比較例1及び比較例2のプリズムシートについて説明する。
比較例1のプリズムシートは、光拡散層113が光学形状部112を有していない点以外は、本実施形態と略同様の形態である。
比較例2のプリズムシートは、本実施形態のプリズムシートと略同様の形態であり、単位光学形状112aの斜面がシート面となす角度(すなわち、単位光学形状112aへの入射角度)α=45°、1/10角θ=8.3°である。しかし、比較例2のプリズムシートは、プリズム層111の屈折率n=1.6、光拡散層113及び光透過層114に用いられた光透過性を有する樹脂(アクリル樹脂)の屈折率n=1.45であり、(式1)及び(式2)より、出射角度γ=9.1°である。すなわち、比較例2のプリズムシートは、γ>θであり、γ≦θを満たしていない。
上述した各具体例及び各比較例のプリズムシートを、レンチキュラーレンズシート12と組み合わせ、1枚の透過型スクリーンとしてリアプロジェクションテレビ1に用いて実際に映像光を投射し、透過型スクリーンに表示される映像のシンチレーションの発生の有無、ゲイン、透過率等を調べた。
使用したレンチキュラーレンズシート12の単位レンズ121aのピッチは、0.144mmであり、また、透過型スクリーンの画面サイズは50インチ、映像光の投射距離は約800mmである。
ここで、ゲインとは、透過型スクリーンの背面側から光を入射させたとき、透過型スクリーンに光が入射する入射面(透過型スクリーンの背面)での照度と、透過型スクリーンから出射する光の輝度を、シート面の法線方向となす角度ごとに測定し、以下に示す(式3)より求めた値である。
G=π×A/I ・・・(式3)
なお、(式3)において、ゲインをG、円周率をπ、輝度をA(cd/m)、照度をI(lx)で示している。測定したゲインは、透過型スクリーンの中心におけるスクリーン面の法線方向(すなわち、透過型スクリーンの正面方向)から観察した場合のゲインである。
また、測定した透過率は、フレネルレンズ形状の中心における光の透過率である。
Figure 0005343490
表1は、各具体例及び各比較例のフレネルレンズシートを用いた場合のシンチレーションの発生の有無等を示した結果である。
具体例1から具体例3までと比較例1とを比較して、光学形状部112が形成されていない比較例1のプリズムシートではシンチレーションが発生したが、光学形状部112が形成されている具体例1から具体例3のプリズムシートでは、シンチレーションの発生が抑えられていた。
よって、光学形状部112は、シンチレーションの低減に効果的であるといえる。
また、具体例1から具体例3までと比較例2とを比較して、θ<γである比較例2のプリズムシートでは、シンチレーションの改善は見られるものの、スクリーンの正面方向でのゲイン(輝度)が低下し、スクリーンの正面方向に対して所定の角度を有した方向でゲインが最大となり、画面全体の明るさの均一性が損なわれていた。しかし、θ≧γを満たす具体例1から具体例3では、シンチレーションは改善されており、スクリーンの正面方向でのゲイン(輝度)も高く、画面の明るさは均一であった。
よって、γ≦θを満たすことが、スクリーンの正面方向での輝度を維持し、画面の明るさを均一に保つことに効果的であるといえる。
具体例1,具体例2,具体例3の各プリズムシートを比較した場合、いずれのプリズムシートもシンチレーションの発生が抑えられていた。特に、プリズム層111の屈折率nと、光拡散層113等に用いられる光透過性を有する樹脂の屈折率nとの屈折率差Δnが大きく、γ≦θを満たし、γの値が3つの具体例の中で一番大きい具体例3のプリズムシートは、シンチレーション低減効果が高かった。
また、スクリーンの正面方向におけるゲイン(輝度)に関しては、屈折率差Δnが小さく、γの値が3つの具体例の中で一番小さい具体例1のプリズムシートが、最もゲインが大きく、画面が明るく均一であった。
よって、リアプロジェクションテレビや透過型スクリーンを用いる環境、所望する特性に合わせて、具体例1,具体例2,具体例3の各プリズムシートを適宜選択して用いることができ、より良好な映像を表示することができる。
本実施形態によれば、拡散材を含有する光拡散層113と光学形状部112とを組み合わせることにより、モアレ等を生じることなく、シンチレーションを低減でき、明るく均一な画面とすることができ、良好な映像を表示できる透過型スクリーン10、リアプロジェクションテレビ1とすることができる。
また、本実施形態のプリズムシート11の光学形状部112(単位光学形状112a)は、押し出し成形が可能であり、容易に製造でき、生産コストを抑えることができる。
さらに、本実施形態のプリズムシート11は、光学形状部112がプリズムシート11内部に一体となって形成されているので、透過型スクリーン10を組み立てる作業等が行い易く、かつ、温度や湿度の変化に対する耐環境性にも優れている。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態のプリズムシート21の断面図である。
第2実施形態のプリズムシート21は、光透過層114の代わりに、光透過性を有し、拡散材を含んだ第2の光拡散層215を有する点が第1実施形態のプリズムシート11とは異なること以外は、第1実施形態のプリズムシート11と略同様の形態である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
なお、図9では、図3と同様に、プリズムシート21のシート面の法線方向に平行であって、使用状態における垂直方向に平行な断面を示している。
第2実施形態のプリズムシート21は、映像光Lの入射側(光源側)から順に、プリズム層111,光学形状部112,光拡散層113,第2の光拡散層215を有している。
この第2実施形態のプリズムシート21は、第1実施形態に示したレンチキュラーレンズシート12と組み合わせて透過型スクリーン10とし、リアプロジェクションテレビ1に用いられる。
第2の光拡散層215は、光拡散層113よりも出射側(観察面側)に、光拡散層113に用いた光透過性を有する樹脂と同様の樹脂を用いて形成された光透過性を有する層であり、光拡散層113に用いた拡散材と同様の拡散材を含有している。この第2の光拡散層215に含まれる拡散材の量は、光拡散層113の拡散材の量の7wt%(すなわち、光拡散層113に含まれる拡散材全体の重量に対する第2の光拡散層に含まれる拡散材全体の重量の割合が7%)であり、光拡散層113に比べて少ない。
本実施形態では、第2の光拡散層215に用いられる光透過性を有する樹脂として、第1実施形態と同様に、アクリル樹脂が用いられ、拡散材としては、AS樹脂を用いて形成されたビーズが使用されている。
本実施形態のプリズムシート21は、第1実施形態のプリズムシート11と略同様の製造方法で作製される。まず、光拡散層113と第2の光拡散層215とを2層押し出し成形によって一体に形成し、押し出し成形時に光拡散層113の第2の光拡散層215とは反対側の面上に光学形状部112を形成した後に、所定の大きさとなるように裁断する。
次に、光学形状部112上に、紫外線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂によって、プリズム層111を形成する。
なお、本実施形態では、単位光学形状112aによる拡散(偏向)作用によって得られる出射角度γは、プリズムシート21全体に含まれる拡散材(すなわち、光拡散層113及び第2の光拡散層215に含まれる拡散材)によって拡散されて出射した光の輝度が最大値の1/10となる角度(1/10角)θに対して、γ≦θを満たしている。
本実施形態によれば、第2の光拡散層215を備えているので、プリズムシート11の作製時に、本実施形態のように光拡散層113と第2の光拡散層215とを2層押し出し成形によって形成したり、第1実施形態に示したように、光拡散層113と光透過層114とを2層押し出し成形によって形成したりした後に、所定の大きさに裁断する際等に生じる不要な加工残材等を、溶解して、第2の光拡散層215の材料として再利用することができ、生産コストの低減と資源の有効利用とを図ることができる。
また、本実施形態のプリズムシート21は、第2の光拡散層215が拡散材を含有しているが、その量は光拡散層113の拡散材量の7wt%と小さく、かつ、γ≦θを満たしている。このプリズムシート21に関して、第1実施形態に示した測定方法と同様の方法で、シンチレーション発生の有無やゲイン等を調べたところ、シンチレーションは減少しており、ゲインも高く、映像のぼけもなく、明るさが均一で良好な映像が観察された。従って、第2の光拡散層215が含有する拡散材が、その拡散作用によって映像の解像度に与える影響は非常に小さく、本実施形態によれば、シンチレーションの低減等、プリズムシートとして十分な光学性能を保ちながら、資源の有効利用等を図ることができる。
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態のプリズムシート31の断面図である。
第3実施形態のプリズムシート31は、光透過層114を備えていない点が、第1実施形態に示したプリズムシート11とは異なる以外は、第1実施形態のプリズムシート11と略同様の形態である。よって、第1実施形態のプリズムシート11と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第3実施形態のプリズムシート31は、映像光Lの入射側(光源側)から順に、プリズム層111,光学形状部112,光拡散層113を有している。
第3実施形態のプリズムシート31は、アクリル樹脂に拡散材を混練し、押し出し成形によって、光拡散層113及び光学形状部112が形成される。その後、所定の大きさに裁断し、光学形状部112上に、紫外線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂を用いてプリズム層111が形成される。
この第3実施形態のプリズムシート31は、第1実施形態に示したプリズムシート11と同様に、第1実施形態に示したレンチキュラーレンズシート12を出射側(観察面側)に配置して、透過型スクリーン10としてリアプロジェクションテレビ1に用いられる。
本実施形態によれば、シンチレーションを低減できるプリズムシートを、容易に製造できる。
また、光拡散層113を所定の大きさに裁断した際に生じる加工残材等を、溶解して光拡散層113の材料として再利用することができ、生産コストの低減や資源の有効利用等を図ることができる。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態では、単位光学形状112aは、シート面に直交する断面形状が略三角形状である例を示したが、これに限らず、例えば、断面形状が楕円形状である単位レンズ形状等を用いてもよい。
(2)各実施形態では、単位光学形状112aは、入射側の先端部分に入射側に凸の曲面が形成されている例を示したが、曲面が形成されていなくてもよい。
(3)各実施形態では、レンチキュラーレンズシート12を用いる例を示したが、これに限らず、レンズアレイシート等の光を拡散する作用を有する他の拡散光学シートを用いてもよい。
(4)各実施形態では、光源部20にDMD方式の光源を用いる例を示したが、これに限らず、LCD方式の光源を用いてもよい。
(5)各実施形態では、単位光学形状112aは、垂直方向にシート面に沿って並べられる例を示したが、これに限らず、例えば、垂直方向に光を拡散する拡散作用を有する拡散光学シート(レンチキュラーレンズシート等)と組み合わせて透過型スクリーン10とする場合には、水平方向への拡散作用を有するように、シート面に沿って水平方向に複数並べて配置されてもよい。
(6)各実施形態では、光学形状部112は、光拡散層113の入射側(光源側)に一体に形成される例を示したが、これに限らず、光学形状部112は、光拡散層113とは別層に形成してもよい。
図11は、第1実施形態及び第3実施形態の変形形態の一例を示す図である。図11では、第1実施形態及び第3実施形態において、光拡散層113とは別層の光学形状層116,316に、光学形状部112を形成した変形形態を示しており、図11(a)は、第1実施形態の変形形態のプリズムシート11−2の断面、図11(b)は、第3実施形態の変形形態のプリズムシート31−2の断面を示している。
この光学形状層116,316は、光拡散層113より入射側(光源側)に形成され、入射側の面に単位光学形状112aが複数配列された光学形状部112を有している。光学形状層116,316は、光拡散層113に用いられる樹脂の屈折率nと略同様の屈折率を有し、プリズム層111の屈折率nとは屈折率差を有する樹脂を用いて形成され、拡散材は含有していない。
なお、図示はしないが、第2実施形態においても、同様の変形形態が可能である。
このような変形形態とすることにより、光学形状層116,316を紫外線硬化型樹脂等により形成することも可能となる。従って、より精度の高い単位光学形状112aを賦形することが可能となり、シンチレーション低減効果を高めることができる。
(7)第1実施形態及び第2実施形態では、光学形状部112は、2層押し出し成形時に光拡散層113に形成される例を示したが、これに限らず、2層押し出し成形後に光学形状部112を形成してもよい。例えば、2層押し出しによって、光拡散層113と光透過層114とを形成した後、又は、光拡散層113と第2の光拡散層215とを形成した後に、紫外線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂を用いて、光学形状部を形成してもよい。
また、第3実施形態では、光学形状部112は、押し出し形成時に光拡散層113に形成される例を示したが、前述のように、光拡散層形成後に、光硬化型樹脂を用いて形成してもよい。
さらに、例えば、光学形状部112を、熱硬化性樹脂を用いて形成してもよい。
(8)各実施形態では、アクリル樹脂等の光透過性を有する樹脂を用いて光拡散層113,光透過層114等を形成する例を示したが、これに限らず、光透過性を有するならば、ガラス等他の材料を用いてもよい。
第1実施形態のリアプロジェクションテレビを示す図である。 第1実施形態の透過型スクリーンを示す図である。 第1実施形態のプリズムシート11の断面図である。 プリズム層111の断面を拡大した図である。 単位光学形状112aの断面の拡大図である。 拡散材及び光学形状部112による拡散の様子を示す図である。 γ=θであるときの拡散材及び光学形状部112による拡散の様子を示す図である。 具体例1のプリズムシートでの光の拡散の様子を示す図である。 第2実施形態のプリズムシート21の断面図である。 第3実施形態のプリズムシート31の断面図である。 第1実施形態及び第3実施形態の変形形態の一例を示す図である。
符号の説明
1 リアプロジェクションテレビ
10 透過型スクリーン
11,21,31 プリズムシート
12 レンチキュラーレンズシート
20 光源部
30 ミラー部
111 プリズム層
111a 単位プリズム
112 光学形状部
112a 単位光学形状
113 光拡散層
114 光透過層
215 第2の光拡散層

Claims (10)

  1. 光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光の少なくとも一部を全反射する全反射面とを備え、入射側に凸となる単位プリズム形状が、入射側にシート面に沿って複数配列されたプリズム層を有するプリズムシートにおいて、
    前記プリズム層より出射側に、入射側に凸となる略三角柱形状の単位光学形状が複数配列されて形成された光学形状部と、
    前記光学形状部より出射側に形成され、光を拡散する拡散材を含む光拡散層と、
    を備え、
    前記光拡散層は、前記プリズム層の出射側に隣接して形成され、
    前記光拡散層と前記プリズム層とは、屈折率差を有し、
    前記光学形状部は、前記光拡散層の入射側の面に形成され、前記プリズム層と前記光拡散層との境界面となる面に位置していること、
    を特徴とするプリズムシート。
  2. 請求項1に記載のプリズムシートにおいて、
    シート面の法線方向から入射する光が、該プリズムシートに含まれる拡散材のみによって拡散されて出射する場合の出射角度に対する輝度の分布曲線において、拡散された光の輝度が最大輝度の1/10となる角度をθとし、
    シート面の法線方向から入射する光が、前記光学形状部のみによって拡散されて出射する場合の出射角度に対する輝度の分布曲線において、極大値をとる出射角度をγとしたとき、
    γ≦θ
    という関係をみたすこと、
    を特徴とするプリズムシート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプリズムシートにおいて、
    光透過性を有し、拡散材を含まない光透過層を備えること、
    を特徴とするプリズムシート。
  4. 請求項に記載のプリズムシートにおいて、
    前記光拡散層は、前記光透過層より入射側に設けられていること、
    を特徴とするプリズムシート。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、
    前記光拡散層より出射側に、光透過性を有し、拡散材を含む第2の光拡散層を備え、
    前記第2の光拡散層に含まれる拡散材の量は、前記光拡散層に含まれる拡散材の量の7wt%以下であること、
    を特徴とするプリズムシート。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、
    前記単位光学形状は、シート面に直交する断面での断面形状が略二等辺三角形状であること、
    を特徴とするプリズムシート。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、
    前記単位光学形状は、使用状態においてシート面に沿って垂直方向に並べられていること、
    を特徴とするプリズムシート。
  8. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、
    前記単位光学形状の入射側先端部分には、入射側に凸となる曲面が形成されていること、
    を特徴とするプリズムシート。
  9. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のプリズムシートと、
    光を拡散する作用を有する拡散光学シートと、
    を備える透過型スクリーン。
  10. 請求項に記載の透過型スクリーンと、
    前記透過型スクリーンに映像光を投射する光源と、
    を備える背面投射型表示装置。
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