JP2005099675A - 塗布型光学積層膜、光学多層膜及び反射スクリーン - Google Patents
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Abstract
供し、広い波長範囲の光に対して透過性が良く、成型が容易で、生産性に優れた光学多層
膜及び反射スクリーンを提供する。
【解決手段】 屈折率が1.4以下、表面エネルギーが22dyne/cm以下、極性項
の表面エネルギーが0.6dyne/cm以上であり、パーフルオロ重合体を含むフッ素
系樹脂からなる低屈折率光学膜12Lと、低屈折率光学膜12L上に塗布形成された、金
属酸化物の微粒子とカルボキシル基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、
リン酸基、リン酸塩基、アンモニウム塩基、ヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種
からなる極性基を含む分散剤とを含有する高屈折率光学膜12Hとからなる。
【選択図】図1
Description
1)加工性が良いこと、
2)屈折率値を自由に連続的に選択できること、
3)耐衝撃性があり、割れにくいこと、
4)着色性が少なく、広い波長域において可視光の光透過率が高いこと、
5)傷つきにくいこと
請求項6,7の発明によれば、目的の屈折率を有する高屈折率光学膜と低屈折率光学膜とが積層されるため、特定波長帯の光に対して高反射特性を有し、少なくともこれらの波長領域以外の可視波長域の光に対しては高透過特性を有する機能性の光学膜を塗布によって形成することが可能となる。とくに、高屈折率光学膜の屈折率を1.75以上とすることで、スクリーン用途に適した反射・透過特性を有する光学多層膜とすることができる。
請求項8の発明によれば、プロジェクターからの特定波長の光を反射し、外光などのそれ以外の波長領域の入射光を透過・吸収する選択反射が可能となるため、反射スクリーン上の映像の黒レベルを下げて高コントラストを達成することが可能となり、部屋が明るい状態でもコントラストの高い映像を表示することが可能となる。
本発明に係る塗布型光学積層膜は、屈折率が1.4以下、表面エネルギーが22dyne/cm以下、極性項の表面エネルギーが0.6dyne/cm以上であり、パーフルオロ重合体を含むフッ素系樹脂からなる低屈折率光学膜と、前記低屈折率光学膜上に塗布形成された、金属酸化物の微粒子とカルボキシル基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基、アンモニウム塩基、ヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種からなる極性基を含む分散剤とを含有する高屈折率光学膜とからなるものである。
ここで、低屈折率光学膜は、後述する低屈折率光学膜用塗料を塗布・硬化して得られる光学膜である。また、高屈折率光学膜は、後述する高屈折率光学膜用塗料を塗布・硬化して得られる光学膜である。
また、この光学膜の屈折率は、1.75〜2.10とすることが好ましい。屈折率を2.10よりも高くすると、微粒子の分散性が不充分となって光学膜としての機能が損なわれ、屈折率を1.75よりも低い場合にはスクリーンとして必要とされる光学特性が得られない場合がある。
また、この光学膜の膜厚は、赤色、緑色、青色の三波長帯の光に対して高反射特性を有し、少なくともこれらの波長領域以外の可視波長域の光に対しては高透過特性を有するように、80nm〜15μm、より好ましくは600〜1300nmとする。
以下、本発明における低屈折率光学膜、高屈折率光学膜を形成するために使用される塗料について説明する。
低屈折率光学膜用塗料は、有機溶媒とパーフルオロ構造を含む重合体であって、屈折率が1.4以下、表面エネルギーの全体が22dyne/cm以下、その極性項が0.6dyne/cm以上であるフッ素系樹脂とを含有するものである。
ここで、表面エネルギーにおける極性項とは双極子力、誘起双極子力、水素結合力から成る成分である。
勿論これらの反応に限定されず、種々の有機化学反応の組み合わせにより、様々な会合性基を導入することができる。
(X1,X2,X3:それぞれ独立にHまたはF、R1:アルキル基、n:0〜20)
・CF2=CFO(CF2)mCO2R2(m:1〜20,R2:アルキル基)
・CF2=CFO〔CF2CF(CF3)O〕p(CF2)qCO2R3
(p:1〜5,q:1〜5,R3:アルキル基)
・CF2=CFO(CF2)mSO2F(m:1〜20)
・CF2=CFO〔CF2CF(CF3)O〕p(CF2)qSO2F
(p:1〜5,q:1〜5)。
・R4CONR5R6
・R4CONH(CH2)KNH2
・R4CH2OH
・R4SO3M
・R4SO2NR7R8,
・R4C(=NH)NH2
[R4:CX4X5=CX6(CF2)n −(X4,X5,X6:それぞれ独立にHまた
はF、n:0〜20)またはCF2=CFO(CF2)m −(m:1〜20)またはCF
2=CFO〔CF2CF(CF3)O〕p(CF2)q −(p:1〜5,q:1〜5)、
M:H、アンモニウムまたは一価の金属、R5,R6,R7,R8:それぞれ独立にHまたはアルキル基またはアリール基、官能基を有していてもよい]
非晶質パーフルオロ重合体の具体例としては、例えば式(1)に示す構造を含むCF2=CFO(CF2)nCF=CF2(n=1〜3)の環化重合体、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、パーフルオロ−1,3−ジオキソールの単独重合体を挙げることができる。これらのモノマーの複数を用いた共重合体も好適である。また、これらのモノマーをテトラフルオロエチレンなどのモノマーとの共重合体も結晶化度が前述の範囲内にあれば用いることができる。
主鎖に環構造を有する非晶質パーフルオロ重合体の場合には、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で測定される固有粘度[η]が0.02〜5dl/g、特には0.05〜1dl/gの重合体であることが好ましい。
本発明における高屈折率光学膜用塗料は、上記低屈折率光学膜であるフッ素含有膜上に塗布されて光学膜を形成する材料であって、結合剤が溶解した有機溶媒中に微粒子が分散剤により分散された光学膜用材料である。また、この光学膜用材料は塗布された後に硬化反応により、高屈折率光学膜となるものである。
なお、塗布対象は上記低屈折率光学膜だけでなく、上述した低屈折率光学膜用塗料から形成されるフッ素含有基体上に適用してもよい。また、フィルム、板、レンズ状など全ての形状の基板や光学薄膜に適用可能である。
該分散剤の含有量は微粒子に対し1.5〜22μmol/m2であることが好ましい。これより含有量が少ないと光学膜に十分な分散性を得ることができない。逆に、含有量が多いと、微粒子の分散状態を劣化させる傾向にあり、また、塗膜中における分散剤体積比率が上昇するために、膜屈折率が低下して屈折率の調整範囲が狭くなることから光学膜積層設計が困難となる。なお、上記単位μmol/m2は、微粒子表面積1m2当りの分散剤添加量を意味する。
本発明の分散剤以外の結合剤を含む場合には結合基を多く有する多官能ポリマー、またはモノマーが好ましい。
また、極性官能基として以下に示すような官能基でも凝集状態にならないため、有用である。
−SO3M、−OSO3M、−COOM、P=O(OM)2(ここで、式中Mは、水素原子あるいは、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属である。)、3級アミン、4級アンモニウム塩(R1(R2)(R3)NHX(ここで、式中R1,R2,R3は、水素原子あるいは炭化水素基であり、X−は塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素イオンあるいは無機・有機イオンである。))、−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の極性官能基。
つぎに、本発明に係る反射スクリーンの実施の形態について説明する。
本発明に係る反射スクリーンの構成例を図1に示す。反射スクリーン10は、基板11上に、光学多層膜12と、光吸収層13と、光拡散層14とが設けられた構成である。
プラスチックフィルムは、これらの樹脂を伸延あるいは溶剤に希釈後フィルム状に成膜して乾燥するなどの方法で得ることができる。厚さは剛性の面からは厚いほうがよいが、ヘイズの面からは薄いほうが好ましく、通常25〜500μm程度である。
黒色の塗料として、カーボンブラック微粒子、シリカ微粒子等表面にカーボンブラックを被着させた微粒子等が挙げられる。これらの微粒子には導電性があっても良い。
また、カーボンブラック微粒子の製法は、オイルファーネス法、チャンネル法、ランプ法、サーマル法等が知られている。
また、プロジェクターの光源がレーザである場合にはスクリーン上のぎらつきであるスペックルパターンの発生を防止するために光拡散層14の表面形状パターンをランダムにするとよい。
(s1)基板11としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、当該基板11の主面に上記高屈折率光学膜用塗料を所定量塗布する。
(s2)ステップs1の塗膜を乾燥後、紫外線を照射して硬化させ、所定膜厚の光学膜12Hを形成する。(s3)ついで、光学膜12H上に上記低屈折率光学膜用塗料を所定量塗布する。
(s4)その塗膜を乾燥後、熱硬化させ、所定膜厚の光学膜12Lを形成する。これにより、光学膜12Hと光学膜12Lとの積層構成となる。
(s5)ついで、基板11の最外層にある光学膜12L上に所定量の本発明に係る高屈折率光学膜用塗料を塗布する。
(s6)ステップs5の塗膜を乾燥後、紫外線を照射して硬化させ、所定膜厚の光学膜12Hを形成する。以降、ステップs3〜s6までの処理を所定回数行い、基板11上に光学多層膜12を形成する。
実施例1における低屈折率光学膜用塗料、高屈折率光学膜用塗料の組成と製造方法及び積層テスト方法を以下に示す。
(1)低屈折率光学膜用塗料(塗料(II))
旭硝子社製塗料、商品名サイトップを使用した。この塗料には有機溶媒とともに結合剤として、末端カルボキシル基をもつパーフルオロブテニルビニルエーテルの重合体が含有されている。
・微粒子:TiO2微粒子
(石原産業社製、平均粒径約20nm、屈折率2.48) 100重量部
・分散剤:SO3Na基含有ウレタンアクリレート
(重量平均分子量:500、SO3Na基濃度:2×10−3 mol/g)
20重量部
・結合剤:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物
(日本化薬社製UV硬化性樹脂、商品名DPHA) 30重量部
・有機溶媒:メチルイソブチルケトン(MIBK) 4800重量部
上記微粒子と分散剤と有機溶媒とを混合し、ペイントシェーカーで分散処理を行い微粒子分散液を得た。この微粒子分散液に結合剤を添加し、攪拌機にて攪拌処理を行い、高屈折率光学膜用塗料とした。
(s11)PETフィルム(厚み188μm、東レ社製、商品名U426)の主面にディッピング方式により低屈折率光学膜塗料を塗布する。
(s12)ステップs11の塗膜を室温で乾燥後、90℃で熱硬化させ、低屈折率の光学膜を形成する。
(s13)ついで、その低屈折率光学膜上に高屈折率光学膜用塗料をディッピング方式により塗布する。
(s14)ステップs13の塗膜を80℃で乾燥後、紫外線(UV)硬化(1000mJ/cm2)させ、所定膜厚の高屈折率の光学膜を形成する。
塗料(II)に含まれる樹脂として実施例1と同様組成であるサイトップの分子量が異なり、その結果、表面官能基数が異なるものを使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(I)に含まれる分散剤として、極性基種がリン酸エステル基であるリン酸エステル基含有物(クローダ社製、商品名クロダホスN3A)を使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(I)に含まれる分散剤として、極性基種がカルボン酸Naであるカルボン酸Na含有物(花王社製、商品名SS−40N)を使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(I)に含まれる分散剤として、極性基種がヒドロキシル基であるドデシルフェノールを使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(I)に含まれる分散剤として、極性基種がカルボキシル基であるカルボン酸含有物(花王社製、商品名ホモゲノール l−18)を使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(I)に含まれる分散剤として、極性基種がスルホン酸であるスルホン酸含有物(ライオン社製、商品名ライポンLH−200)を使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(I)に含まれる分散剤として、極性基種がリン酸Naであるリン酸Na基含有物(日光ケミカルズ社製、商品名DOP−8N)を使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(I)に含まれる分散剤として、極性基種がテトラエトキシアンモニウム塩であるアンモニウム塩含有物(ライオン社製、商品名LT−270)を使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
実施例1の塗料(I)における微粒子に対する分散剤の添加量を22μmol/m2とし、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
実施例1の塗料(I)における微粒子に対する分散剤の添加量を1.5μmol/m2とし、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(I)に含まれる微粒子として、TiO2微粒子をコアとし、微粒子表面にZrO2被覆したもの(石原産業社製、商品名TTO−51D)を使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
実施例1の塗料(I)における微粒子の濃度を16wt%とし、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
実施例1の塗料(I)における微粒子の濃度を55wt%とし、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
実施例1の塗料(I)における微粒子の濃度を1wt%とし、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(II)に含まれる樹脂として実施例1と同様組成でカルボキシル基のないサイトップを使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(II)から得られた樹脂膜の表面をコロナ放電処理により荒らして使用し、それ以外の条件は比較例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
塗料(I)に含まれる分散剤として実施例1と同様組成でスルホン酸Na基のないウレタンアクリレートを使用し、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
実施例1の塗料(I)において微粒子を添加しない組成とし、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
実施例1の塗料(I)における微粒子に対する分散剤の添加量を23μmol/m2とし、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
実施例1の塗料(I)における微粒子に対する分散剤の添加量を1.3μmol/m2とし、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
実施例1の塗料(I)における微粒子の濃度を0.5wt%とし、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
実施例1の塗料(I)における微粒子の濃度を56wt%とし、それ以外の条件は実施例1の条件と同じとして、積層テストを行った。
・比較例1〜4:塗料(II)で形成された低屈折率光学膜の上で塗料(I)がはじかれる現象が認められ、積層塗布に不適であった。また、比較例3では塗料(I)で形成された膜は微粒子の分散不良により透明膜とはならず屈折率が測定できなかった。
・試験例1〜4:塗料(II)で形成された低屈折率光学膜の上に塗料(I)を積層塗布できた。しかしながら、各試験例は次の点で不充分であった。
試験例1:高屈折率光学膜の屈折率が1.73と低く、スクリーン用途としては不充分であった。
試験例2:塗料(I)で形成された膜は、微粒子に対する分散剤添加量が低すぎたために溶媒に対して微粒子が濡れきれずに、分散不良により透明膜とはならず屈折率が測定できなかった。
試験例3:高屈折率光学膜の膜厚が検出限界(50nm)以下と薄すぎて、スクリーン用途としては使用できない厚さであった。
試験例4:塗料(I)で形成された膜は、微粒子濃度が高すぎたために溶媒に対して微粒子が濡れきれず、分散不良により透明膜とはならず屈折率が測定できなかった。
以下に示す光学膜形成条件で、PETフィルム上に高屈折率光学膜(以下、光学膜(I))/低屈折率光学膜(以下、光学膜(II))/光学膜(I)の3層の光学多層膜を得た。なお、高屈折率、低屈折率それぞれの光学膜用塗料は実施例1に示す塗料を使用した。
(s22)塗料(I)の塗膜を80℃で乾燥後、紫外線(UV)硬化(1000mJ/cm2)させ、膜厚600nmの高屈折率の光学膜(I)を形成する。
(s23)ついで、その光学膜(I)上に低屈折率光学膜用塗料(塗料(II))を塗布する。
(s24)塗料(II)の塗膜を室温で乾燥後、90℃で熱硬化させ、膜厚1000nmの低屈折率の光学膜(II)を形成する。
(s25)光学膜(II)上に塗料(I)を塗布する。
(s26)塗料(I)の塗膜を80℃で乾燥後、紫外線(UV)硬化(1000mJ/cm2)させ、膜厚1000nmの高屈折率の光学膜(I)を形成する。これにより高屈折率の光学膜(I)と低屈折率の光学膜(II)との3層光学多層膜を得た。
また、得られた光学多層膜について基板であるPETフィルムの裏面に粘着層を介して黒色PETフィルム(帝人社製)を貼合し、光学多層膜の最外層表面には粘着層を介して拡散フィルムを貼合して、反射スクリーンを作製し、この反射スクリーンのゲインを分光放射輝度計(ミノルタ社製、CS-1000)で測定した。なお、ゲインとは、白色板に光を照射した際の該白色板における輝度(cd/m2)を1とした場合の比の最大値である。
さらに、このスクリーンの輝度を上記輝度計で測定し、コントラストを求めた。すなわち、反射スクリーンに白色光をプロジェクタから照射した時の輝度を測定し、次に黒色光をプロジェクタから照射した時の輝度を測定し、この白色と黒色の光を照射させた時の輝度の比からコントラストを測定した。
実施例16における光学膜の積層数を光学膜(I)/光学膜(II)/光学膜(I)/光学膜(II)/光学膜(I)の5層とし、それ以外の条件は実施例16の条件と同じとして、光学多層膜及び反射スクリーンを得た。
実施例16における光学膜の積層数を光学膜(I)/光学膜(II)/光学膜(I)/光学膜(II)/光学膜(I)/光学膜(II)/光学膜(I)の7層とし、それ以外の条件は実施例16の条件と同じとして、光学多層膜及び反射スクリーンを得た。
実施例16で得られた光学多層膜に対して、PETフィルムの裏面側にスプレー塗布にて黒色塗料を塗布し、乾燥、硬化工程として75℃で30分間保温し、光吸収層を形成した。
黒色塗料は、次の組成物に溶剤を加えたものを用いた。
・カーボンブラック微粒子:オリジン電機社製、商品名オリジプレート
(一次粒子径:15nm)
・樹脂:ヒドロキリル基を有するアルキド樹脂
また、硬化剤として、オリジン電機社製、商品名ポリハードMH(イソシアネート系)を用いた。
ついで、光学多層膜上に粘着層を介して拡散フィルムを貼り合せて反射スクリーンを得た。
実施例17で得られた光学多層膜に対して、実施例19と同様の処理を施し反射スクリーンを得た。
実施例18で得られた光学多層膜に対して、実施例19と同様の処理を施し反射スクリーンを得た。
Claims (8)
- 屈折率が1.4以下、表面エネルギーが22dyne/cm以下、極性項の表面エネルギーが0.6dyne/cm以上であり、パーフルオロ重合体を含むフッ素系樹脂からなる低屈折率光学膜と、
前記低屈折率光学膜上に塗布形成された、金属酸化物の微粒子とカルボキシル基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基、アンモニウム塩基、ヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種からなる極性基を含む分散剤とを含有する高屈折率光学膜とからなることを特徴とする塗布型光学積層膜。 - 前記パーフルオロ重合体の主鎖末端または側鎖末端にカルボキシル基が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の塗布型光学積層膜。
- 前記分散剤が、微粒子表面積に対して1.5〜22μmol/m2の割合で含まれていることを特徴とする請求項1に記載の塗布型光学積層膜。
- 前記金属酸化物の微粒子が、TiO2またはZrO2の微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の塗布型光学積層膜。
- 前記金属酸化物の微粒子が、0.6〜55wt%含まれることを特徴とする請求項1に記載の塗布型光学積層膜。
- 透明支持体上に高屈折率光学膜と低屈折率光学膜とがこの順で交互に積層された2n+1層(nは1以上の整数である。)からなる光学多層膜であって、屈折率が1.4以下、表面エネルギーが22dyne/cm以下、極性項の表面エネルギーが0.6dyne/cm以上であり、パーフルオロ重合体を含むフッ素系樹脂からなる低屈折率光学膜と、前記低屈折率光学膜上に塗布形成された、金属酸化物の微粒子とカルボキシル基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基、アンモニウム塩基、ヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種からなる極性基を含む分散剤とを含有する高屈折率光学膜とからなる塗布型光学積層膜の組み合わせを備えることを特徴とする光学多層膜。
- 前記高屈折率光学膜の屈折率が1.75以上であることを特徴とする請求項6に記載の光学多層膜。
- 基板と、光吸収層と、請求項6または請求項7に記載の光学多層膜と、光拡散層とが順次設けられてなることを特徴とする反射スクリーン。
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