JP4843952B2 - 光拡散シート複製用金型の製造方法、光拡散シート及びその製造方法、並びにスクリーン - Google Patents

光拡散シート複製用金型の製造方法、光拡散シート及びその製造方法、並びにスクリーン Download PDF

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Description

本発明は、光拡散シート複製用金型の製造方法、光拡散シート及びその製造方法、並びにスクリーンに関するものである。
近年、会議等において発言者が資料を提示する方法としてオーバヘッドプロジェクタやスライドプロジェクタが広く用いられている。また、一般家庭においても液晶を用いたビデオプロジェクタや動画フィルムプロジェクタが普及しつつある。これらのプロジェクタの映写方法は光源から出力された光を、例えば透過形の液晶パネル等によって光変調して画像光を形成し、この画像光をレンズ等の光学系を通して出射してスクリーン上に映写するものである。
例えば、スクリーン上にカラー画像を形成することができるプロジェクタ装置は、光源から出射された光線を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に分離して所定の光路に収束させる照明光学系と、この照明光学系によって分離されたRGB各色の光束をそれぞれ光変調する液晶パネル(ライトバルブ)と、液晶パネルにより光変調されたRGB各色の光束を合成する光合成部とを備え、光合成部により合成したカラー画像を投射レンズによりスクリーンに拡大投影するようになっている。
また、最近では光源として狭帯域三原色光源を使用し、液晶パネルの代わりにグレーティング・ライト・バルブ(GLV:Grating Light Valve)を用いてRGB各色の光束を空間変調するタイプのプロジェクタ装置も開発されている。
上述したプロジェクタ装置においては、投影像を見るためにプロジェクタ用スクリーンが用いられる。このプロジェクタ用スクリーンには大別して、スクリーンの表側から投影光を照射して当該投影光のスクリーンでの反射光を見るフロントプロジェクタ用スクリーンと、スクリーンの裏側から投影光を照射してスクリーンを透過した光をスクリーンの表側から見るリアプロジェクタ用スクリーンとがある。いずれの方式のスクリーンにおいても視認性の良好な広視野角のスクリーンであることが要求される。
そのため、いずれの方式においても一般にスクリーン表面に光を散乱させる光拡散シートが設けられており、この光拡散シートにより画像光が均一にしかも画面の有効領域全体へ拡散射出されるようになる。
この光拡散シートの製法としては、従来からコヒーレント光束を粗面に照射した際に生成されるスペックルパターンを感光性樹脂に形成する方法(例えば、特許文献1,2参照。)、マスクを作成し感光性樹脂に焼き付ける方法、あるいは金属、樹脂などの金型母材表面を直接機械加工により切削して微小な凹凸を形成した金型とし、この金型から紫外線硬化樹脂などを用いて形状転写する方法などがあった。
また、樹脂粒子を樹脂バインダーに分散させたものを透明基板に塗布することにより製造する方法、あるいはサンドブラスト加工により金型母材表面に凹凸を形成した金型を作製し、この金型から紫外線硬化樹脂などを用いて形状転写する方法などがあった(例えば、特許文献3参照。)。
ところで、光拡散シートには、光の出射光が目的の範囲内に収まるようにする特性、すなわち拡散角が縦方向と横方向で異なることが求められる場合がある。この光拡散シートを製造するために、これまでスペックル干渉光やマスク形状を感光性樹脂に転写する方法がとられていた。
特開昭53−51755号公報 特開2001−100621号公報 特開2000−284106号公報
しかしながら、スペックル干渉光やマスク形状を感光性樹脂に焼き付ける方法においては、複数の光拡散シートを作成したい場合、その感光性樹脂を元にした複製用の金型を作成することとなるが、感光性樹脂の露光が1m当たり数時間〜数日と多大な露光時間を要していた。また、露光後の工程として感光性樹脂の樹脂による複製作成、導電化処理、電鋳等の工程が必要となり、光拡散シート用金型製造の時間とコストが多大にかかっていた。
また、金型母材の表面を機械的に切削して製造する方法においては、その切削精度がまだ確立されておらず、切削途中での工具の破損、多大な切削時間、加工設備が大きくなってしまう等が問題であった。
一方、サンドブラスト加工により作製した金型から光拡散シートを製造する方法によれば金型製造の時間やコストはかからないが、この方法により製造された光拡散シートの出射光は通常、縦方向と横方向で等方的であり、縦横方向の拡散角を調整して出射光の範囲を横長の矩形や楕円型とすることが困難であった。これは、樹脂粒子を樹脂バインダーに分散させたものを透明基板に塗布することにより製造する方法でも同様であった。
また、従来のフロントプロジェクタ用スクリーンではスクリーンの拡散特性がスクリーン全面において均一であったため、スクリーンゲインが高いほど、スクリーンの中央部と周辺部との輝度の差が大きくなり、スクリーン中央部は明るく見えるが、周辺部は暗い映像となっていた。この傾向は、リアプロジェクタ用スクリーンにおいても同様であった。
例えば、フロントプロジェクタ用スクリーンにおいて、通常フロントプロジェクタ(投射装置)は天上に設置し斜め下前方に投射するか、机上または床から斜め上前方に投射する手法により画像の表示が行われている。この場合、フロントプロジェクタ用スクリーンを従来の等方性拡散シートまたは異方性拡散シートにより構成した場合、図17に示すように映像光の最大輝度方向が観察者側にならないという問題があった。
また、リアプロジェクタ(背面投射装置)と透過型スクリーンで構成される表示装置の場合、座った状態で観察すると画面の最上部分と観察者の視線が同じ高さになってしまうため、図18に示すように画面の下側が暗いという問題があった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、光透過時あるいは反射時に、縦方向と横方向とで異なる拡散角を持つ、あるいは縦横方向で拡散特性に異方性を持つ光拡散シートを安価に製造可能ならしめる光拡散シート複製用金型の製造方法、光拡散シートの製造方法を提供するものであり、その方法により製造された光拡散シート、並びにその光拡散シートを用いたスクリーンを提供することを目的とする。
発明者らは、これまでのサンドブラスト加工を用いた光拡散シート複製用金型の作成手法では、高い効率で研削するために金型母材表面に略垂直方向より研削材をブラストした点に問題があることを把握した。すなわち、これにより金型母材表面には縦横方向に等方的な凹凸しか形成されず縦方向と横方向で異なる拡散角を持つ光拡散シート用複製金型の作製はできなかった。そこで、サンドブラスト加工において金型母材表面への研削材を吹き付ける方法について着目し、鋭意検討したところ、本発明を成すに至った。
さらに、スクリーン中央部と周辺部とで輝度差が生じる問題は、スクリーン中央部へのプロジェクタ光の入射角が0°であるため、その反射光のうち、最も光量の多い部分が視聴者側に返ってくるのに対して、スクリーン周辺部ではプロジェクタ光の入射角が0°ではなく、反射光の最も光量の多い部分はスクリーンの外側に向かって反射され、正面の視聴者側には光量の少ない部分しか反射しないためであることが判明した。発明者らは、上記サンドブラスト加工において金型母材表面への研削材を吹き付ける方法で得られた知見を基に鋭意検討を行い、この問題を解決する本発明を成すに至った。
すなわち、前記課題を解決するために提供する本発明は、光拡散シートを複製するのに用いられる金型の製造方法において、金型母材表面にブラストガンから研削材を吹き付けて前記金型母材表面に凹凸を形成するサンドブラスト加工を行うことよりなり、前記サンドブラスト加工において、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角を0〜20°となるようにした光拡散シート複製用金型の製造方法である。
である(請求項1)。
また、前記課題を解決するために提供する本発明は、金型を直接または間接に用いて光拡散シートを複製することよりなる光拡散シートの製造方法において、金型母材表面にブラストガンから研削材を吹き付けて前記金型母材表面に凹凸を形成するサンドブラスト加工を行い、かつ前記サンドブラスト加工において、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角を0〜20°となるようにしたものを前記金型として用い光拡散シートの製造方法である(請求項)。
また、前記課題を解決するために提供する本発明は、金型母材表面にブラストガンから研削材を吹き付けて凹凸を形成するサンドブラスト処理表面の凹凸形状を転写した縦方向と横方向とで異なる拡散特性を有する光拡散面を備えた光拡散シートであって、前記サンドブラスト処理が、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角を0〜20°となるようにした処理であり、前記縦方向および前記横方向のいずれか一方または両方において、入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角による最大輝度の軸ずれを有していることを特徴とする光拡散シートである(請求項3)。
また、前記課題を解決するために提供する本発明は、金型母材表面にブラストガンから研削材を吹き付けて凹凸を形成するサンドブラスト処理表面の凹凸形状を転写した縦方向と横方向とで異なる拡散特性を有する光拡散面を備えた光拡散シートであって、前記サンドブラスト処理が、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角を0〜20°となるようにした処理であり、前記縦方向および前記横方向のいずれか一方または両方において、入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に最大輝度軸が光拡散シート主面の法線方向に対して傾いており、該最大輝度軸に対して前記輝度分布が非対称であり、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角による最大輝度軸に対する非対称度を有することを特徴とする光拡散シートである(請求項4)。
また、前記光拡散面の凹凸ピッチが300μm以下であることが好適である。
また、前記課題を解決するために提供する本発明は、金型母材表面にブラストガンから研削材を吹き付けて凹凸を形成するサンドブラスト処理表面の凹凸形状を転写した縦方向と横方向とで異なる拡散特性を有する光拡散面を備え、前記サンドブラスト処理が、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角を0〜20°となるようにした処理であり、前記縦方向および前記横方向のいずれか一方または両方において、入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角による最大輝度の軸ずれを有する光拡散シートを備えたことを特徴とするスクリーンである。(請求項)。
ここで、前記軸ずれが、当該スクリーンの中央部方向であることが好ましい。
また、前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項3〜のいずれか一に記載の光拡散シートと、該光拡散シートの光拡散面とは反対面側に設けられた反射層とを備えたことを特徴とするスクリーンである(請求項)。
また、前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項3〜のいずれか一に記載の光拡散シートを備え、該光拡散シートは、前記光拡散面とは反対面側からの投射光を透過して該光拡散面から拡散して放射するものであることを特徴とするスクリーンである(請求項)。
本発明によれば、金型母材表面にサンドブラスト加工により縦横方向に形状の異なる凹凸を簡便に、精度良く形成することが可能となり、1回のサンドブラスト加工での光拡散シートを複製することのできる金型を作製することができる。
また、本発明によれば、その光拡散シート複製用金型を用いて、光透過時あるいは反射時に、縦方向と横方向とで拡散角の異なる、あるいは縦横方向に拡散特性に異方性のある光拡散シートを簡便に精度良く製造できる。
さらに、その光拡散シートを用いることにより、スクリーンのどの場所においても放出される光が目的の視野内に指向せしめるように制御されるため、高く均一な輝度やゲインを得ることができ、視認性のよいスクリーンを提供することができる。
以下に、本発明に係る光拡散シートの製造方法について説明する。
光拡散シートの製造方法は、光拡散シート複製用金型の製造工程と該金型による光拡散シートの複製工程とからなる。
(1)光拡散シート複製用金型の製造工程
図1は、光拡散シートを複製するのに用いられる金型を製造する様子を示しており、サンドブラスト加工により金型母材1の表面を加工し、光拡散シート複製用金型を製造している。
サンドブラスト加工は、サンドブラスト装置(図示せず)のブラストガン2から研削材3を射出させて、金型母材1の表面に吹き付け、研削材3が金型母材1の表面に衝突することにより、該金型母材1の表面に凹凸が形成される加工である。
サンドブラスト装置は、ブラストガン2から研削材3を空気、窒素などの加圧ガスで射出させて、ステージに置かれた被加工材の表面に吹き付けて、その表面加工を行う装置である。本発明では、ステージ上に金型母材1を配置し、以下に示す所定の条件でサンドブラスト加工を行う。
研削材3は、樹脂、ガラス、金属、セラミックなどからなる球形あるいは多角形などの角のある粒子が好ましく、とくに角のある粒子が好ましい。例えば、ガラスビーズ、ジルコニア粒子、スチールグリッド、アルミナ粒子、シリカ粒子などが挙げられる。
また、研削材3の平均粒径は、1〜1000μmが好ましく、5〜600μmがより好ましい。さらに5〜50μmとするとなお好ましい。
研削材3の粒子1個の重さは、0.002〜8mgが好ましい。
金型母材1は、サンドブラスト加工を行うのに適した材料からなるシートである。この材料は樹脂あるいは金属、例えば、アルミニウム、銅、スチールなどがよく、とくにアルミニウムが好適である。また、金型母材1は、スクリーンに適用される光拡散シートの大きさに1枚で対応できるサイズとすればよい。また、金型ロールによる連続製造であれば光拡散シートの幅に対応できる幅サイズの金型ロールであれば良い。
研削材3の吹き付け条件は、図1において、金型母材1の主面に対して研削材3の吹き付け角度(俯角)がすべて90°未満となるようにするとよい。詳しくは、金型母材1表面とブラストガン2とのなす角度θを0〜60°とするとよく、0〜20°とするとなおよい。さらに、0〜10°とすることがより好ましい。
例えば、本発明では角度θを10°にて吹き付けを行うことで研削材3の吹き付け方向とそれに直角な方向の溝のピッチを変える事が出来、さらに吹き付け方向の表面粗さプロファイルを光拡散シートの主面軸(法線)に対して非対称にすることが可能である。
金型母材1に衝突した研削材3は、そのエネルギーを失いながら金型母材1の表面を切削、あるいは変形させた後に金型母材1の上方へある角度をもって飛散するが、上記吹き付け条件とすることにより、研削材3は金型母材1にある角度をもって衝突するため、その衝突によって生じた変形形状は横方向(X軸方向)と縦方向(Y軸方向)とで異なる。例えば、図1の条件では、X軸方向の変形形状(くぼみ)の方がY軸方向のそれよりも長くなる。言いかえれば、X軸方向の表面粗さの方がY軸方向の表面粗さよりもピッチが長くなる。このピッチなどの表面粗さのパラメータは金型母材1、研削材3、サンドブラスト加工条件(研削材3の吹き付け条件など)の各パラメータにより調整することが可能である。例えば、粒径の大きい研削材を用いた場合はX,Y軸方向共に大きなピッチの粗さが実現でき、より密度の大きい研削材を使用すれば溝の深い形状を実現することができる。
また、金型母材1における加工形状として、研削材3の噴射方向の加工形状は噴射時のエネルギーを決めるブラストガン2の加圧空気の圧力、ブラストガン2の角度、ブラストガン2と金型母材1との距離、研削材3の形状、密度、硬度、金型母材の材質などで制御できる。噴射方向と垂直方向の加工形状については、研削材の形状、硬度によって制御することが可能である。さらに、研削材3がエネルギーを失いながら金型母材1を変形させる軌跡と、反発力により金型母材1から飛散していく時の軌跡は対称ではないため、図2に示したように金型母材1の主面軸に対して非対称の表面形状を形成する事が可能である。
また、上記吹き付け条件により製造した光拡散シート複製用金型を使用することにより、光拡散シートを縦方向と横方向とで拡散角の異なる、あるいは縦横方向に拡散特性に異方性のあるものとすることができる。例えば、図1の研削材3の吹き付け条件では、反射光または透過光の拡散角はX方向に狭く、Y方向に広くなり、拡散特性としてX方向のX側に輝度ピークが軸ずれしたものとなる。
あるいは、反射光または透過光の拡散角はX方向に狭く、Y方向に広くなり、更に入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に最大輝度軸が光拡散シート主面の法線方向に対してX側に傾いており、該最大輝度軸に対して前記輝度分布が非対称なものとなる。
また、ブラストガン2を金型母材1に対して寝かせるほど、すなわち角度θを小さくするほど、後述する光拡散シートの拡散角の縦横比率を大きくすることができ、拡散特性の異方性の効果も大きい。
なお、研削材3は金型母材1に対して角度θを中心として角度幅αをもってブラストガン2から射出される。言いかえると研削材3は金型母材に角度β〜βの範囲内で入射し衝突する。角度幅αは通常、10°程度である。
金型母材1のより小さい領域を加工する場合には角度幅αをより小さくするか、あるいはブラストガン2と金型母材1との距離Lを小さくすればよい。より広い領域を加工するためには、ブラストガン2または金型母材1をなめらかに移動させながらサンドブラスト加工を行えばよい。
上記では、金型母材1の主面に対する研削材3の吹き付け角度を俯角としてすべて90°未満とし、研削材3を金型母材1の長辺方向(図1(b)においてX軸方向)の一方向に吹き付ける場合であったが、金型母材1の主面に対する研削材3の吹き付け角度として上記と同様の俯角を持たせるとともに、金型母材1の主面(XY2軸平面)上でも主軸に対して角度を持たせてもよい。
例えば図3に示すように、金型母材1の主面に対する研削材3の吹き付け角度として俯角θを持たせる(図3(a))とともに、X軸に対して角度θだけ傾けてブラストガン2を配置する。これにより、反射光または透過光の拡散特性としてX軸方向のX側でかつY軸方向のY側に輝度ピークが軸ずれしたものとなる。
本発明では、ブラストガン2から研削材3を出射しながら、ブラストガン2を金型母材1上でスキャンさせて、金型母材1の主面全面に対してサンドブラスト加工を行う。
ブラストガン2のスキャン例を図4に示す。ブラストガン2から研削材3を出射しながら、ブラストガン2を金型母材1上をY軸の一方向に一定速度で移動させ、研削材3の衝突領域が金型母材1の端面付近に到達すると、一定ピッチでX軸方向に移動させ、今度はY軸の逆方向にブラストガン2を一定速度で移動させる。以降、研削材3の衝突領域が金型母材1の端面付近に到達するたびにブラストガン2を一定ピッチでX軸方向に移動させた後、Y軸方向の移動を反転させてサンドブラスト加工を連続して行い、金型母材1の表面全面に所望の凹凸を形成する。
X軸方向の移動ピッチは、隣接する研削材3の衝突領域がある程度重なり、金型母材1表面全体として一様な凹凸形状を有するように調整すれことが好ましい。また、研削材3の衝突領域にマスクをかけ、その衝突領域の中心領域だけ金型母材1に衝突するようにしてもよい。
なお、スキャン方法に関して、金型母材1は固定で、ブラストガン2を移動させるようにしてもよく、あるいは金型母材1を載せたステージをX軸方向に移動させ、ブラストガン2をY軸方向に移動するようにしてもよい。
なお、研削材3の吹き付け条件として、図1のように金型母材1表面とブラストガン2とのなす角度θを一定でスキャンしてもよいが、金型母材1のXY軸座標上の位置により該角度θを変化させてもよい。
(2)光拡散シートの複製工程
上記光拡散シート複製用金型の製造工程で作製された光拡散シート複製用金型の表面には所定の凹凸形状を有する微細彫刻面が形成されている。この微細彫刻面を利用して光拡散シートを製造すればよい。なお、該光拡散シート複製用金型を直接または間接に用いて、この微細彫刻面から光拡散シートを製造する方法であれば、どのような製造方法にも本発明の適用が可能である。
例えば、光拡散シート複製用金型を直接に用いる方法としては、この金型をプレス加工により熱成形のプラスチックフィルムに型押しするなどして光拡散シートを製造する方法が挙げられる。あるいは、金型上に紫外線硬化型樹脂を塗布、透明支持体を被せ紫外線照射して硬化し、金型から離型することで所望の光拡散シートを得ることができる。また、このような金型上への樹脂の塗布・硬化の処理を透明支持体上で繰り返し行い、樹脂硬化層を積層させた光拡散シートを作製してもよい。なお、前記金型からの成形材離型性を向上させるために、金型表面に予めニッケル蒸着やフッ素系材料、シリコーン系材料コーティングなどの離型処理を施しておくことが望ましい。
光拡散シート複製用金型を間接に用いる方法としては、上記光拡散シート複製用金型の製造工程で作製された光拡散シート複製用金型をマスターとし、電鋳型を取ることで同一金型を複製し、この複製した金型を用いて上記光拡散シート複製用金型を直接に用いる方法と同様に光拡散シートを製造する方法が挙げられる。また、反転形状電鋳型を一度取った後に無アルカリガラスなどの紫外線領域に吸収の少ない透明材質で転写複製した型を作成してもよい。この透明な型を用いることにより、光拡散シートを紫外線硬化樹脂で複製する際に型側から紫外線を照射して樹脂硬化させることが可能になる。
ここで使用する紫外線硬化型樹脂は、光学的透明性を有するものが好ましい。例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、シリコーン樹脂等各種の樹脂が用いればよいが、特に限定されるものではない。また、紫外線による硬化樹脂の劣化を抑制するために紫外線吸収剤を微量添加したり、着色が必要となる用途においては、光吸収剤を添加する事も可能である。
また、光拡散シートを構成する材料として、この他に屈折率を調整するために微粒子を含んだ熱成型性プラスチックや放射線硬化型樹脂を用いることもでき、添加される微粒子は、Ti、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sb、等の酸化物、または、In- Sn等の合金酸化物が挙げられる。なお、光触媒を抑える目的でTi酸化物にAl、Zr等の酸化物が適当量含有されたとしても、本発明の効果を妨げるものではない。
また、微粒子の比表面積は55〜85 m2/gが好ましく、75〜85 m2/gであることがより好ましい。比表面積がこの範囲にあると、微粒子の分散処理により、光学膜用材料中における微粒子の粒度で100nm以下に抑えることが可能となり、ヘイズの非常に小さな光学膜を得ることが可能である。
上記微粒子を分散させる分散剤は、その含有量が微粒子に対し3.2〜9.6×1011mol/m2であるが、これより含有量が少ないと光拡散シートに十分な分散性を得ることができない。逆に、含有量が多いと、塗膜中における分散剤体積比率が上昇するために、膜屈折率が低下して屈折率の調整範囲が狭くなることから設計が困難となる。
上記の分散剤に含まれる親水基の極性官能基の量は、10-3〜10-1mol/gである。官能基がこれより少ない、あるいは多い場合には、微粒子の分散に対する効果が発現せず、分散性低下などにつながる。
極性官能基として、以下に示すような官能基でも凝集状態にならないため、有用である。
・-SO3M、-OSO3M、-COOM、P=O(OM)2(ここで、式中Mは、水素原子あるいは、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属である。)、3級アミン、4級アンモニウム塩
・R1(R2)(R3)NHX(ここで、式中R1、R2、R3は、水素原子あるいは炭化水素基であり、X-は塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素イオンあるいは無機・有機イオンである。)
・-OH、-SH、-CN、エポキシ基等
極性官能基の導入部位は特に規定はない。これら分散剤は、1種単独で用いられることが可能であるが、2種以上を併用することも可能である。
また、塗膜における本発明の分散剤は、総量で上記強磁性粉末100重量部に対して、20〜60重量部が好ましく、38〜55重量部がより好ましい。極性官能基の導入部位は特に規定はない。
また、分散剤親油基の重量平均分子量は110〜3000が好ましい。分子量がこの範囲よりも低いと、有機溶媒に対して十分に溶解しないなどの弊害が生じる。逆に高すぎる場合には光学膜に十分な分散性を得ることができない。なお、分散剤の分子量の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により行えばよい。
上記分散剤には、結合剤と硬化反応を起こすための官能基を有していてもよい。また、本発明の分散剤以外の結合剤を含む場合には結合基を多く有する多官能ポリマー、またはモノマーが好ましい。
また、光拡散シートの膜厚を調整するために有機溶媒で希釈する事も可能であり、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒等が用いられる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋である必要はなく、異性体、未反応物、分解物、酸化物、水分等の不純成分が20%以下であれば含まれていてもかまわない。また、低い表面エネルギーをもつ支持体上に塗布するためには、より低い表面張力をもつ溶媒を選択することが望ましく、例えばメチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール等が挙げられる。
分散剤と硬化反応する結合剤は、熱硬化性樹脂、紫外線(UV)硬化型樹脂、電子線(EB)硬化型樹脂等があげられる。熱硬化性樹脂、UV硬化型樹脂、EB硬化型樹脂の例としてはポリスチレン樹脂、スチレン共重合体、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式等)基を有するポリマーでもよい。また、炭素鎖中にフッ素、シラノール基の入った樹脂でも構わない。
上記樹脂を硬化反応させる方法は放射線または熱いずれでもよいが、紫外線照射により樹脂の硬化反応を行う場合には、重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート等のパーオキシド系開始剤が挙げられる。これらの開始剤の使用量は、重合性単量体合計100重量部あたり0.2〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部とする。
透明支持体は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリオレフィン(PO)等のポリマーにより構成された透明フィルム、ガラス板、アクリル板、メタクリルスチレン板、ポリカーボネート板、およびフッ素樹脂等所望の光学特性を満足するものであればよい。光学特性として、上記透明支持体を構成する材料の屈折率は1.3〜1.6、ヘイズは8%以下、透過率は80%以上が好ましい。また、透明支持体にアンチグレア機能をもたせてもよい。
本発明の光拡散シートは、上記方法で作製された金型の表面形状が転写されたものであり、縦方向と横方向とで異なる拡散特性を有する光拡散面を備え、縦方向および前記横方向のいずれか一方または両方において、入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に最大輝度の軸ずれを有している。
あるいは、本発明の光拡散シートは、上記方法で作製された金型の表面形状が転写されたものであり、縦方向と横方向とで異なる拡散特性を有する光拡散面を備え、縦方向および前記横方向のいずれか一方または両方において、入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に最大輝度軸が光拡散シート主面の法線方向に対して傾いており、該最大輝度軸に対して前記輝度分布が非対称である。
また、本発明の光拡散シートは、複数の凸または凹形状の微細表面要素からなり縦方向と横方向とで異なる拡散特性を有する光拡散面を備え、前記光拡散面は、光拡散シート主面の法線に対して非対称な凸または凹形状の微細表面要素を有する。
本発明に係るスクリーンの実施の形態として、反射型スクリーンについて説明する。
図5は、本発明に係る反射型スクリーンの構成を示す断面図である。
本発明の反射型スクリーンは、上記本発明の光拡散シート14と、光拡散シート14の光拡散面とは反対面側に設けられた反射層とを備えたものであり、例えば図5に示すように支持体11上に、光学多層膜12と、光吸収層13と、光拡散シート14とが設けられた構成である。
支持体11は、透明フィルム、ガラス板、アクリル板、メタクリルスチレン板、ポリカーボネート板、レンズ、および、フッ素樹脂等所望の光学特性を満足するものであればよい。光学特性として、上記支持体11を構成する材料の屈折率は1.3〜1.6、ヘイズは8%以下、透過率は80%以上が好ましい。また、支持体11にアンチグレア機能をもたせてもよい。
光学多層膜12は、後述する光学膜用塗料Hを塗布・硬化して得られる高屈折率の光学膜12Hと、後述する光学膜用塗料Lを塗布・硬化して得られる低屈折率の光学膜12Lとが交互に積層された構成である。詳しくは、支持体上から、まず光学膜12Hが設けられ、ついで光学膜12Lが設けられ、以降光学膜12Hと光学膜12Lとが交互に設けられ、最後に光学膜12Hが設けられた構成であり、2n+1層(nは1以上の整数である。)からなる積層膜であることが好ましい。
光学膜12Hは、支持体11、または光学膜12Lの上に光学膜用塗料Hを塗布した後に硬化反応により形成される光学膜である。
この光学膜の膜厚は、80nm〜15μm、より好ましくは600〜1000nmとする。15μmより厚くすると、分散し切れなかった微粒子によるヘイズ成分が増大して光学膜としての機能が得られないからである。
この光学膜の屈折率は、1.6〜2.1とすることが好ましい。屈折率を2.1よりも高くすると、微粒子の分散性が不充分となって光学膜としての機能が損なわれ、屈折率を1.6よりも低い場合には必要とされる光学特性が得られない場合がある。
光学膜12Lは、光学膜12Hの上に光学膜用塗料Lを塗布した後に硬化反応により形成されるフッ素含有膜、あるいはシリカ、中空微粒子含有膜などである。
屈折率は、1.45以下の屈折率をもつ膜がとくに好ましい。光学膜12Lの屈折率は塗料に含まれる樹脂の種類、場合によっては微粒子の種類及び添加量などにより決まる。
また、この光学膜の膜厚は、80nm〜15μm、より好ましくは600〜1000nmとする。
以上の構成において、光学多層膜は、赤色、緑色、青色の三波長帯の光に対して高反射特性を有し、少なくともこれらの波長領域以外の可視波長域の光に対しては高透過特性を有するようになる。なお、光学膜12H、光学膜12Lそれぞれの屈折率や厚みを調整することにより、光学多層膜として反射する三波長帯の波長位置をシフトさせて調整することが可能であり、これによりプロジェクタから投射される光の波長に対応させた光学多層膜とすることができる。
なお、光学多層膜を構成する光学膜12H及び光学膜12Lの層数は特に限定されるものではなく、所望の層数とすることができる。また、光学多層膜はプロジェクタ光の入射側及びその反対側の最外層が光学膜12Hとなる奇数層により構成されることが好ましい。光学多層膜を奇数層の構成とすることにより、偶数層とした構成の場合よりも三原色波長帯域フィルターとして機能が優れたものとなる。
光学多層膜の具体的な層数は3〜7層の奇数層とすることが好ましい。層数が2以下の場合には反射層としての機能が十分ではないためである。一方、層数が多いほど反射率は増加するが、層数8以上では反射率の増加率が小さくなり、光学多層膜の形成所要時間をかけるほど反射率の改善効果が得られなくなるためである。
光吸収層13は、光学多層膜12を透過した光を吸収させるためのもので、例えば、図5では支持体11の光学多層膜12が設けられた面とは反対面に黒色塗料を塗布して形成する。あるいは、黒色フィルムを貼り合わせてもよい。
光拡散シート14は、上記光拡散シートの製造方法により得られるものであり、光学多層膜12上に貼り合せて形成される。
なお、ここでは反射層として波長選択型の反射層である光学多層膜12の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射層は映像光を反射できるものであればよい。例えばアルミニウムや銀などの可視光の広い波長範囲に渡って反射率の高い材料を使用した反射層が挙げられる。
上記反射型スクリーン10によって、スクリーンのどの場所においても放出される光が目的の視野内に指向せしめるように制御されるため、高く均一な輝度やゲインを得ることができ、視認性のよいスクリーンを提供することができる。
また、該スクリーンへの入射光の表面散乱を抑制し、プロジェクタからの特定波長の光を反射し、外光などのそれ以外の波長領域の入射光を透過・吸収する選択反射が可能となり、反射型スクリーン10上の映像の黒レベルを下げて高コントラストを達成するものであり、部屋が明るい状態でもコントラストの高い映像を表示することが可能となる。例えば、グレーティング・ライト・バルブ(GLV)を用いた回折格子型プロジェクタのようなRGB光源からの光を投射した場合にスクリーン10上で広視野角で、かつコントラストが高く、外光の映り込みのない良好な映像が鑑賞できるようになる。
すなわち、反射型スクリーン10に入射する光は、光機能性拡散板11で表面散乱することなく透過し、光学多層膜12に到達し、当該光学多層膜12にて入射光に含まれる外光成分は透過されて光吸収層14で吸収され、映像に関わる特定波長領域の光のみ選択的に反射され、その反射光は光機能性拡散板11の表面にて拡散され視野角の広い画像光として視聴者に供される。したがって、上記反射光である画像光への外光の影響を高いレベルで排除することができ、従来にない高コントラスト化が可能となる。
ここで、上記光学膜12H及び光学膜12Lを形成するための塗料である光学膜用材料H及びLについて説明する。
(1)光学膜用材料H
光学膜用塗料Hは、微粒子と、有機溶媒と、エネルギーを吸収して硬化反応を起こす結合剤と、分散剤とを含有する。
微粒子は、成膜された後の光学膜の屈折率を調整するために添加される高屈折率材料の微粒子であり、Ti、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sb、等の酸化物、または、In- Sn等の合金酸化物が挙げられる。なお、光触媒を抑える目的でTi酸化物にAl、Zr等の酸化物が適当量含有されたとしても、本発明の効果を妨げるものではない。
また、微粒子の比表面積は55〜85 m2/gが好ましく、75〜85
m2/gであることがより好ましい。比表面積がこの範囲にあると、微粒子の分散処理により、光学膜用材料中における微粒子の粒度で100nm以下に抑えることが可能となり、ヘイズの非常に小さな光学膜を得ることが可能である。
上記微粒子を分散させる分散剤は、その含有量が微粒子に対し3.2〜9.6×1011mol/m2であるが、これより含有量が少ないと光学膜に十分な分散性を得ることができない。逆に、含有量が多いと、塗膜中における分散剤体積比率が上昇するために、膜屈折率が低下して屈折率の調整範囲が狭くなることから光学膜積層設計が困難となる。
上記の分散剤に含まれる親水基の極性官能基の量は、10-3〜10-1mol/gである。官能基がこれより少ない、あるいは多い場合には、微粒子の分散に対する効果が発現せず、分散性低下などにつながる。
極性官能基として、以下に示すような官能基でも凝集状態にならないため、有用である。
・-SO3M、-OSO3M、-COOM、P=O(OM)2(ここで、式中Mは、水素原子あるいは、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属である。)、3級アミン、4級アンモニウム塩
・R1(R2)(R3)NHX(ここで、式中R1、R2、R3は、水素原子あるいは炭化水素基であり、X-は塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素イオンあるいは無機・有機イオンである。)
・-OH、-SH、-CN、エポキシ基等
極性官能基の導入部位は特に規定はない。これら分散剤は、1種単独で用いられることが可能であるが、2種以上を併用することも可能である。
また、塗膜における本発明の分散剤は、総量で上記強磁性粉末100重量部に対して、20〜60重量部が好ましく、38〜55重量部がより好ましい。極性官能基の導入部位は特に規定はない。
また、分散剤親油基の重量平均分子量は110〜3000が好ましい。分子量がこの範囲よりも低いと、有機溶媒に対して十分に溶解しないなどの弊害が生じる。逆に高すぎる場合には光学膜に十分な分散性を得ることができない。なお、分散剤の分子量の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により行えばよい。
上記分散剤には、結合剤と硬化反応を起こすための官能基を有していてもよい。また、本発明の分散剤以外の結合剤を含む場合には結合基を多く有する多官能ポリマー、またはモノマーが好ましい。
有機溶媒は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒等が用いられる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋である必要はなく、異性体、未反応物、分解物、酸化物、水分等の不純成分が20%以下であれば含まれていてもかまわない。また、低い表面エネルギーをもつ支持体や光学膜上に塗布するためには、より低い表面張力をもつ溶媒を選択することが望ましく、例えばメチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール等が挙げられる。
分散剤と硬化反応する結合剤は、熱硬化性樹脂、紫外線(UV)硬化型樹脂、電子線(EB)硬化型樹脂等があげられる。熱硬化性樹脂、UV硬化型樹脂、EB硬化型樹脂の例としてはポリスチレン樹脂、スチレン共重合体、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式等)基を有するポリマーでもよい。また、炭素鎖中にフッ素、シラノール基の入った樹脂でも構わない。
上記樹脂を硬化反応させる方法は放射線または熱いずれでもよいが、紫外線照射により樹脂の硬化反応を行う場合には、重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート等のパーオキシド系開始剤が挙げられる。これらの開始剤の使用量は、重合性単量体合計100重量部あたり0.2〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部とする。
光学膜用材料Hは塗布された後に乾燥により未硬化状態の光学膜22Hとなり、ついで硬化工程において放射線または熱によって硬化反応が促進され高屈折率タイプの光学膜12Hとなる。
(2)光学膜用材料L
光学膜用塗料Lは、有機溶媒と、結合剤とを含有するものである。結合剤は有機溶媒に溶解されており、必要に応じてその中に微粒子が添加され分散されていてもよい。
結合剤は、紫外線などの放射線、熱からのエネルギーにより硬化反応を起こす官能基を分子内に有する樹脂であり、上記剥離フィルムとの剥離性を考慮に入れると、とくにフッ素系樹脂などが好適である。また主鎖がフッ素変性されたポリマー、側鎖がフッ素変性されたポリマー、フッ素を有するモノマーなどを用いることが好ましい。
主鎖がフッ素変性されたポリマーには、例えば、パーフルオロ主鎖型パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ側鎖型パーフルオロポリエーテル、アルコール変性パーフルオロポリエーテル、イソシアネート変性パーフルオロポリエーテルなどが挙げられ、また、フッ素を有するモノマーには、例えば、CF=CF、CH=CF、CF=CHFなどが挙げられる。これらモノマーを重合したもの、これらをブロックポリマー化したものも使用できる。
側鎖がフッ素変性されたポリマーについては、溶剤可溶な主鎖に対してグラフトポリマー化したものが挙げられるが、特に、溶剤が使用できる樹脂としてその扱いが容易であることからポリフッ化ビニリデンが好ましい低屈折率熱可塑性ポリマーの例として挙げられる。低屈折率熱可塑性ポリマーとしてこのポリフッ化ビニリデンを用いた場合には、低屈折率層の屈折率は約1.4となるが、さらに低屈折率層の屈折率を下げるにはトリフルオロエチルアクリレートのような低屈折率アクリレートを、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して10重量部から300重量部、好ましくは100重量部から200重量部添加してもよい。
微粒子は、成膜された後の光学膜の屈折率を調整するために必要に応じて添加される低屈折率材料の微粒子であり、LiF(屈折率1.4)、MgF(屈折率1.4)、3NaF・AlF(屈折率1.4)、AlF(屈折率1.4)、SiOx(1.5≦x≦2.0)(屈折率1.35〜1.48)等の材料からなる超微粒子が好ましい。あるいは中空微粒子を含ませてもよい。
有機溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒、含フッ素溶媒としては、パーフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなどの含フッ素芳香族炭化水素類、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミンなどの含フッ素アルキルアミン類、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、パーフルオロデカン、パーフルオロドデカン、パーフルオロ−2,7−ジメチルオクタン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1H−1,1−ジクロロパーフルオロプロパン、1H−1,3−ジクロロパーフルオロプロパン、1H−パーフルオロブタン、2H,3H−パーフルオロペンタン、3H,4H−パーフルオロ−2−メチルペンタン、2H,3H−パーフルオロ−2−メチルペンタン、パーフルオロ−1,2−ジメチルヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルヘキサン、1H−パーフルオロヘキサン、1H,1H,1H,2H,2H−パーフルオロヘキサン、1H,1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタン、1H−パーフルオロオクタン、1H−パーフルオロデカン、1H,1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカンなどの含フッ素脂肪族炭化水素類、パーフルオロデカリン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの含フッ素脂環族炭化水素類、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、フッ素含有低分子量ポリエーテルなどの含フッ素エーテル類を単独または混合して用いることが可能である。また、これら有機溶媒は必ずしも100%純粋である必要はなく、異性体、未反応物、分解物、酸化物、水分等の不純成分が20%以下であれば含まれていてもかまわない。
光学膜用材料Lは塗布された後に乾燥により未硬化状態の光学膜22Lとなり、ついで硬化工程において放射線または熱によって硬化反応が促進され低屈折率タイプの光学膜12Lとなる。
つぎに、本発明に係る反射型スクリーン10の製造方法について以下に説明する。
(s1)支持体11としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、当該支持体11の主面に光学膜用塗料Hを所定量塗布する。
(s2)光学膜用塗料Hの塗膜を乾燥後、紫外線を照射して硬化させ、所定膜厚の光学膜12Hを形成する。
(s3)ついで、光学膜12H上に光学膜用塗料Lを所定量塗布する。
(s4)その塗膜を乾燥後、熱硬化させ、所定膜厚の光学膜12Lを形成する。これにより、光学膜12Hと光学膜12Lとの積層構成となる。
(s5)ついで、支持体11の最外層にある光学膜12L上に所定量の光学膜用塗料Hを塗布する。
(s6)光学膜用塗料Hの塗膜を乾燥後、紫外線を照射して硬化させ、所定膜厚の光学膜12Hを形成する。以降、ステップs3〜s6までの処理を所定回数行い、支持体11上に光学多層膜12を形成する。
(s7)光学多層膜12の最外層表面に低屈折率の透明接着剤(EPOXY TECHNOLOGY社製EPOTEK396)を塗布し、その上に光拡散シート14の凹凸の有る面とは反対面を接触面として搭載した後に当該接着剤を硬化させて光学多層膜12と光拡散シート14とを貼り合わせる接着層とする。
(s8)支持体11の裏面に黒色の光吸収剤を含有した樹脂を塗布し、光吸収層13を形成し、本発明に係る反射型スクリーン10とする。
次に、本発明のスクリーンの他の実施の形態として、透過型スクリーンについて説明する。
図6は、本発明に係る透過型スクリーンの構成を示す断面図である。本発明の透過型スクリーンは、上記本発明の光拡散シートを備え、該光拡散シートは、前記光拡散面とは反対面側からの投射光を透過して該光拡散面から拡散して放射するものであり、例えば図6に示すように、支持体101上に光拡散シート102を備えた構成からなる。
支持体101は、透過型スクリーンの支持体となるものであり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリオレフィン(PO)等のポリマーにより構成することができる。なお、透過型スクリーンとして用いる場合には、表示装置に設置した場合に自立する必要があるため、支持体101としては0.2mm以上の厚さで剛性のある透明基材であることが望ましい。
光拡散シート102は、上記光拡散シートの製造方法により得られるものであり、支持体101を透過した光を散乱して散乱光を得るものである。視聴者はこの散乱反射光を観察することで自然な画像を視認することができるようになる。
例えば、本発明に係る透過型スクリーンと、最大輝度方向が面直方向で拡散特性が最大輝度軸に対して対称な従来の光拡散シートを用いた透過型スクリーンとを左右に並べて配置し、画像光を背面から投影してスクリーン正面付近から観察すると、従来の透過型スクリーンを用いた表示装置では画面の上側が明るく下側が暗いのに対し、本発明の透過型スクリーンを用いた表示装置は画面全面の輝度が高く明るい映像を得ることができる。
この光拡散シート102における表面形状をスクリーンの位置ごとに調整することにより拡散特性を調整し、視聴者から見たスクリーン全体の輝度分布を均一にするとよい。そのためには、例えば、輝度ピークの軸ずれが、当該スクリーンの中央部方向とするとよい。すなわち、スクリーン全体の拡散特性について見た場合、スクリーンの上下左右すべての周辺部における拡散特性として透過光の輝度のピークがスクリーン中央部の方向に傾くような特徴を有しており、スクリーン中央部から周辺部にずれるほどその傾きが連続的に変化して大きくなる傾向とすればよい。
上記本発明に係る透過型スクリーン100は、例えば、PETフィルムからなる支持体101の一方の表面に上記光拡散シート102を貼り付けることによって作製される。
また、本発明の光拡散シートの適用範囲としては投射型表示装置に限られるものではなく、視野角を制御する必要のある表示装置、照明装置など多様な分野に応用される事が可能である。例えば、光源の配置位置に制限があり背正面に光源を配置出来ない場合、本発明により作成した光拡散シートを用いることで望みの方向に集光することが可能となる。その他、照明装置に適用した場合、部屋の隅に本発明により作成した光拡散シートを備え付けた照明を設置することで、部屋の中央を明るくする事ができ、照明効果を得ることができる。
本発明の実施例を以下に説明する。なお、以下に示すものは例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
以下の条件で光拡散シート複製用金型を作製した。
(1)金型母材:アルミ板(X200mm×Y100mm)
(2)サンドブラスト条件
・サンドブラスト装置(不二製作所製、型名:SGF−4(A))
・研削材:アルミナ(番手#180、平均粒径:76μm)
・ブラストガンと金型母材との距離:50mm
・ブラストガンと金型母材との角度:8°
・圧縮空気圧:0.5MPa
・金型母材表面への研削材吹き付け状態:図1の状態
・ブラストガンスキャン条件:図4の状態でX方向、Y方向にピッチ5mmでスキャンした。
得られた金型表面状態を図7に示す。縦方向と横方向(X軸方向とY軸方向)とでその表面の凹凸形状が異なっており、X軸方向の変形形状(くぼみ)の方がY軸方向のそれよりも長くなっている状態が観察された。
つぎに、この金型の表面粗さを測定した結果を図8に示す。X軸方向の表面粗さのピッチPxの方がY軸方向の表面粗さのピッチPyよりも長くなっていた。また、平均凹凸間隔Smとして、X軸方向ではS=0.14、Y軸方向でS=0.08となっていた。
(実施例2)
つぎに、透明樹脂(三菱樹脂(株)製 PET−Gフィルム ディアフィクス)を使用して、実施例1の金型でプレス加工し、光拡散シートを作製した。
得られた光拡散シートに対して、裏面から平行光を入射し透過させ、おもて面からの出射光の拡散角を測定した。その結果を図9に示す。
光拡散シートは横方向(X軸方向)と縦方向(Y軸方向)とで異なった拡散角を示し、輝度半値幅としてX軸方向では18°、Y軸方向では45°となっていた。
なお、X軸方向の輝度分布(図9(a))において、輝度ピークAは光拡散シートの垂直方向の角度(0°)から軸がずれている。これが本発明でいう拡散特性の異方性(軸ずれ)である。
(実施例3)
ブラストガンと金型母材との角度(ブラスト角度)と拡散特性の異方性(軸ずれ角度)との関係を調査するために、実施例1においてブラストガンと金型母材との角度(ブラスト角度)を2〜90°まで段階的に変化させ、それ以外の条件は実施例1と同じ条件として光拡散シート複製用金型を作製した。ついで、それぞれの金型を用いて実施例2と同じ条件で光拡散シートを作製し、得られた光拡散シートに対して裏面から平行光を垂直に入射し透過させ、おもて面からの出射光についてX軸方向の輝度分布を測定した。
得られた輝度分布からブラスト角度と拡散特性の異方性(軸ずれ角度)との関係を求めた。その結果を表1,図10に示す。ブラスト角度によりブラスト前方方向(図1におけるX方向)に所定の角度での軸ずれを実現することができた。
(実施例4)
つぎに、以下の光学膜用塗料H,光学膜用塗料Lを使用して反射型スクリーンを製造した。
(1)光学膜用塗料H
・微粒子:TiO2微粒子
(石原産業社製、平均粒径約20nm、屈折率2.48) 100重量部(2.02 wt%)
・分散剤:SO3Na基含有分子
(重量平均分子量:1000、SONa基濃度:2×10−3 mol/g)
20重量部(0.40 wt%)
・結合剤:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物
(日本化薬社製UV硬化性樹脂、商品名DPHA) 30重量部(0.61 wt%)
・有機溶媒:メチルイソブチルケトン(MIBK) 4800重量部(96.97 wt%)
まず微粒子、分散剤、有機溶媒を所定量混合し、ペイントシェーカーで分散処理を行いTiO微粒子分散液を得た。ついで、該分散液に結合剤を添加し、攪拌機にて攪拌処理を行い、塗料Hとした。
(2)光学膜用塗料L
・末端カルボキシル基をもつパーフルオロブテニルビニルエーテルの重合体
(旭硝子社製、商品名サイトップ)
(3)反射型スクリーンの製造方法
(s11)透明支持体の両面に塗料Hをディッピング方式で塗布する。
(s12)塗料Hの塗膜を80℃で乾燥後、紫外線(UV)硬化(1000mJ/cm2)させ、片面当たり膜厚780nm、屈折率1.94の光学膜Hを形成する。
(s13)ついで、その高屈折率の光学膜H上に塗料Lをディッピング方式で塗布する。
(s14)塗料Lの塗膜を90℃で乾燥させ、膜厚1240nm、屈折率1.34の光学膜Lを形成する。
(s15)光学膜L上にステップs11と同一条件で塗料Hを塗布する。
(s16)塗料Hの塗膜をステップs12と同一条件で膜形成し、片面当たり膜厚780nm、屈折率1.94の光学膜Hを形成する。これにより透明支持体上に片面当り光学膜H/光学膜L/光学膜Hの3層、計6層の光学多層膜を得た。
(s17)上記光学多層膜の一方の表面に粘着層を介して実施例3の光拡散シートを貼り合わせる。
(s18)上記光学多層膜の他方の表面に黒色塗料をスプレー法により塗布し、黒色光吸収層とし、反射型スクリーンとした。
得られた反射型スクリーンに対して、画像光を投影して、スクリーン正面付近から観察したところ、特定の場所で均一で高い輝度の画像を見ることができ、反射画像光が特定の視野内に指向せしめるように制御されていることが確認された。
(実施例5)
以下の条件で光拡散シート複製用金型を作製した。
(1)金型母材:アルミ板(X200mm×Y100mm)
(2)サンドブラスト条件
・サンドブラスト装置(不二製作所製、型名:SGF−4(A))
・研削材:アルミナ(番手#220)
・ブラストガンと金型母材との距離:50mm
・ブラストガンと金型母材との角度:10°
・圧縮空気圧:0.5MPa
・金型母材表面への研削材吹き付け状態:図1の状態
・ブラストガンスキャン条件:図4の状態でX方向、Y方向にピッチ5mmでスキャン
得られた金型表面状態を図11に示す。縦方向と横方向(X軸方向とY軸方向)とでその表面の凹凸形状が異なっており、X軸方向の変形形状(くぼみ)の方がY軸方向のそれよりも長くなっている状態が観察された。
つぎに、この金型の表面粗さを触針式形状測定機ET4000A(株式会社小坂研究所社製)を用いて測定した結果を図12に示す。X軸方向の表面粗さのピッチPxの方がY軸方向の表面粗さのピッチPyよりも長くなっており、平均凹凸間隔Smとして、X軸方向ではS=90μm、Y軸方向でS=45μmとなっていた。また、Y軸方向の凹部形状は対称であるが、X軸方向の形状は非対称であることが分かる。図12の断面形状に基づき、微細表面要素のX,Y方向の傾斜角度をヒストグラムとして表示したものを図13に示す。X方向断面傾斜角分布は正規分布に近い対称な形状をしているが、Y方向断面の傾斜角分布はプラス側とマイナス側の2つのピークを示し、その分布形状も非対称である(正規分布でない)ことが分かる。
つぎに、透過率が高く大型の光拡散シートを形成するために必要な幅が容易に入手できる支持体としてPETフィルム(100μm厚)を準備した。ついで前記金型上に屈折率が1.53のウレタンアクリル樹脂を塗布し、100μm厚のPETフィルムを気泡が入らないように被せ、樹脂厚みが均一に50μmとなるようにゴムローラの圧力を調節しながら加圧して樹脂を扱きだした。その後、樹脂が重合硬化するのに十分な量の紫外線として積算光量1000mJをPETフィルム側から照射し、支持体ごと金型から離型する事で表面形状を転写して光拡散シートとした。
このように作成した光拡散シートの拡散能を調べるために、得られた光拡散シートの裏面にアルミニウムの反射板を張り合わせて反射型スクリーンとし、ゴニオフォトメータ(株式会社オプテック社製)を用いて表面から平行光を入射しX方向及びY方向に角度を変化させながら反射光の強度プロファイルを測定した。その結果を図14に示す。
反射強度が最大強度の半分の値になる角度(半値幅)はX方向では25度、Y方向では37度であった。また、図12,図13に示した金型の表面形状を反映し、Y方向の最大輝度角度は0°で拡散特性も対称であるが、X方向の最大輝度角度は2°と面直方向(光拡散シートの主面に対する法線方向)から傾斜しており、拡散光強度が半分になる角の比は1.1:1と最大輝度軸(原点から最大輝度ピークへの方向軸)に対して非対称であるため、最大輝度軸の方向により多くの光が拡散していることが分かる。
つぎに、最大輝度方向が面直方向で拡散特性が最大輝度軸に対して対称な従来の光拡散シートの裏面にアルミニウムの反射板を張り合わせて比較用の反射型スクリーンを作成した。このスクリーンと本実施例の反射型スクリーンとを左右に並べて配置し、画像光を投影して、スクリーン正面付近から観察したところ、比較のスクリーンではスクリーン中央部は明るく見えるが、周辺部は暗い映像となっていた。これに対して、本実施例の反射型スクリーンは輝度が高く明るい映像を得ることができた。またこの時、プロジェクタを天上に設置して斜め下前方に投影する時と、机上に設置して斜め上前方に投射する場合とでは、反射型スクリーンの設置方向を上下逆にすることで、どちらの設置環境にも適用することが可能であった。
(実施例6)
実施例5と同一の光拡散シート複製用金型を用い、該金型上に屈折率が1.53のウレタンアクリル樹脂を塗布した後、支持体として紫外線領域での透過率の高い片面易接着処理のPETフィルム(100μm厚)を易接着処理がなされていない面を金型側に向けて気泡が入らないように被せ、樹脂厚みが均一に100μmとなるようにゴムローラの圧力を調節しながら加圧して樹脂を扱きだした。その後、樹脂が重合硬化するのに十分な量の紫外線として積算光量1000mJをPETフィルム側から照射して樹脂シートとし、ついで支持体(PETフィルム)を剥離させた後に、前記樹脂シートを金型から離型する事で金型の表面形状が転写された光拡散シートとした。
このように作成した光拡散シートの拡散能を調べるために、得られた光拡散シートの裏面にアルミニウムの反射板を張り合わせて反射型スクリーンとし、ゴニオフォトメータ(株式会社オプテック社製)を用いて表面から平行光を入射しX方向及びY方向に角度を変化させながら反射光の強度プロファイルを測定した。
その結果、反射強度が最大強度の半分の値になる角度(半値幅)はX方向では25度、Y方向では37度であり、X方向の最大輝度角度は2°と面直方向(光拡散シートの主面に対する法線方向)から傾斜しており、実施例5の光拡散シートと同等の性能を得る事が出来た。また、このスクリーンに画像光を投影して、スクリーン正面付近から観察したところ、実施例5と同様に輝度が高く明るい映像を得ることができた。またこの時、プロジェクタを天上に設置して斜め下前方に投影する時と、机上に設置して斜め上前方に投射する場合とでは、反射型スクリーンの設置方向を上下逆にすることで、どちらの設置環境にも適用することが可能であった。
(実施例7)
つぎの手順で光拡散シートを作製した。
(S21)実施例5により作成した金型を用い、該金型表面に屈折率が1.53のウレタンアクリル樹脂を塗布し、100μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを気泡が入らないように被せ、樹脂厚みが均一に50μmとなるようにゴムローラの圧力を調節しながら加圧して樹脂を扱きだした。その後、樹脂が重合硬化するのに十分な量の紫外線として積算光量1000mJをPETフィルム側から照射し、支持体ごと金型から離型して表面形状を転写して光拡散シートAとした。
(S22)更に同一の金型上に屈折率が1.38のフッ素系アクリル樹脂を塗布し、前記手法により作成した光拡散シートAを被せ、樹脂厚みが均一に30μmとなるようにゴムローラの圧力を調整しながら加圧して樹脂を扱きだした。その後、樹脂が重合硬化するのに十分な量の紫外線として積算光量1000mJをPETフィルム側から照射し、支持体ごと金型から離型して表面形状を転写した。
(S23)更にステップS21,22の工程を繰り返し、PETフィルム側から屈折率1.53、1.38、1.53、1.38と4層からなる光拡散シートを作成した。
作成した光拡散シートの拡散能を調べるために、得られた光拡散シートの裏面にアルミニウムの反射板を張り合わせ、ゴニオフォトメータ(株式会社オプテック社製)を用いて表面から平行光を入射しX方向及びY方向に角度を変化させながら反射光の強度プロファイルを測定した。その結果を図15に示す。
Y方向の最大輝度角度は0°で拡散特性も対称であるが、X方向の最大輝度角度は2.5°と面直方向から傾斜しており、拡散光強度が半分になる角の比は1.2:1と最大輝度軸に対して非対称であるため、最大輝度軸の方向により多くの光が拡散していることが分かる。
(実施例8)
実施例1と同一の条件にて、アルミ平板ではなく直径20cmのアルミロールにサンドブラスト処理を行い、ロールトゥーロール連続成膜機を用いて、屈折率が1.53のウレタンアクリル樹脂を塗布しながら100μm厚のポリエチレンテレフタレートを被せ、硬化に十分な量の紫外線として積算光量1000mJをポリエチレンテレフタレート側から照射、金型から離型し光拡散シートを作成した。
作成した光拡散シートの拡散能を調べるために、得られた光拡散シートの裏面にアルミニウムの反射板を張り合わせ、ゴニオフォトメータ(株式会社オプテック社製)を用いて表面から平行光を入射しX方向及びY方向に角度を変化させながら反射光の強度プロファイルを測定した。その結果を図16に示す。Y方向の最大輝度角度は0°で拡散特性も対称であるが、X方向の最大輝度角度は3.8°と面直方向から傾斜しており、拡散光強度が半分になる角の比は1.3:1と最大輝度軸に対して非対称であるため、最大輝度軸の方向により多くの光が拡散していることが分かる。
つぎに、最大輝度方向が面直方向で拡散特性が最大輝度軸に対して対称な従来の光拡散シートの裏面にアルミニウムの反射板を張り合わせて比較用の反射型スクリーンを作成した。このスクリーンと本実施例の反射型スクリーンとを左右に並べて配置し、画像光を投影して、スクリーン正面付近から観察したところ、比較のスクリーンではスクリーン中央部は明るく見えるが、周辺部は暗い映像となっていた。これに対して、本実施例の反射型スクリーンは輝度が高く明るい映像を得ることができた。またこの時、プロジェクタを天上に設置して斜め下前方に投影する時と、机上に設置して斜め上前方に投射する場合とでは、反射型スクリーンの設置方向を上下逆にすることで、どちらの設置環境にも適用することが可能であった。
(実施例9)
光拡散シートとして、実施例5,8の光拡散シート、本発明の光拡散シートであって最大輝度軸に対する非対称度が1.5,2.0のものを用い、それぞれ裏面にアルミニウムの反射板を張り合わせて反射型スクリーンを作成した。また、等方の拡散特性をもつ光拡散シート(株式会社きもと製、商品名125PW)、対称性であり異方性の拡散特性をもつ光拡散シート(株式会社オプティカルソリューションズ製、商品名LSD60*25)を用い、同様に裏面にアルミニウムの反射板を張り合わせて比較用の反射型スクリーンを作成した。
これらの反射型スクリーンを用い、プロジェクタを天上に設置して斜め下前方に投影した時の、スクリーン画面の上下、中央のゲイン(完全拡散板を用いた時の輝度に対する相対輝度)を測定した結果を表2に示す。この時、実施例である非対称光拡散シートは集光量が大きい向きを上向きにして配置した。プロジェクタはスクリーンから5mの距離から投射し画面中央が正反射の位置になる場所で測定を行った。
本発明の非対称光拡散シートを用いることで、画面中央のゲインと上部および/または下部のゲインとの差は比較例9−2よりも小さくなり、均一性が向上していた。特にサイズが大きいスクリーンの場合はこの効果は顕著であった。
なお、本実施例の光拡散シートを2mm厚のポリメチルメタクリレート透明樹脂基板に接合し、剛性を持たせることで透過型スクリーンを作成した。この透過型スクリーンを用いた表示装置においても、前記反射型スクリーンに適用した場合と同様に、輝度の均一性が向上することが分かった。
(実施例10)
実施例1と同様にアルミ板の表面をサンドブラスト処理によって加工して光拡散シート複製用金型を作成し、紫外線硬化型樹脂を用いて光拡散シートを作成した。なおこの時、金型作成時のサンドブラスト処理条件として、研削材の粒径、パワー、ブラスト角度を変えることで金型のX方向の表面粗さピッチを90〜420μmに変化させた。
作製した光拡散シートを画像表示装置に適用し、映像光を観察するのに適切な距離離れた後に、映像を観察し視認性を評価した。視認性の評価は、鮮明で綺麗な映像が得られる(記号○)、解像度は気にならないがギラツキを感じる(記号△)、解像度が粗くぼけた感じで更にギラツキが気になる(記号×)の三段階で行った。
その結果を表3に示す。光拡散シートの粗さピッチが視認できる程観察距離が近い場合には、ギラツキ感が強く映像も鮮明ではなかった。特に映像光の輝度が高い場合にはぎらつきが顕著であった。
ここで、人間の視力と解像力の関係はつぎの式で表される。
解像力(dpi)=2.54×3438×視力/観察距離(cm)
すなわち、視力1.0の人間が60cmの距離から観察すると146dpi(173μmピッチ)を認識出来ることになり、200cmの距離から観察すると44dpi(577μmピッチ)を認識出来る。そのため使用される光拡散シートからの観察距離や想定される視力にもよるが、100〜200cm程度の距離から観察することを考えると表面粗さ(凹凸ピッチ)は300μm以下であることが望ましい。
本発明に係る光拡散シート複製用金型の製造方法における金型母材に対するサンドブラスト加工の状態を示す概略図(1)である。 本発明の光拡散シート複製用金型の表面形状を示す模式図である。 本発明に係る光拡散シート複製用金型の製造方法における金型母材に対するサンドブラスト加工の状態を示す概略図(2)である。 本発明に係る光拡散シート複製用金型の製造方法におけるブラストガンのスキャン状態を示す概略図である。 本発明に係る反射型スクリーンの構成を示す断面図である。 本発明に係る透過型スクリーンの構成を示す断面図である。 実施例1の光拡散シート複製用金型の表面状態を示す図である。 実施例1の光拡散シート複製用金型の表面粗さを示す図である。 実施例2の光拡散シートの拡散角を示す図である。 実施例3のブラスト角度と光拡散シートの拡散特性の異方性(軸ずれ角度)との関係を示す図である。 実施例5の光拡散シート複製用金型の表面状態を示す図である。 実施例5の光拡散シート複製用金型の表面粗さを示す図である。 実施例5の光拡散シート複製用金型の微小表面要素の傾斜角度に関する度数分布を示す図である。 実施例5の光拡散シートの輝度分布を示す図である。 実施例7の光拡散シートの輝度分布を示す図である。 実施例8の光拡散シートの輝度分布を示す図である。 従来の反射型スクリーンにおける輝度分布に関する説明図である。 従来の透過型スクリーンにおける輝度分布に関する説明図である。
符号の説明
1…金型母材、2…ブラストガン、3…研削材、10…反射型スクリーン、11,101…支持体、12…選択反射層、12H,12L…光学膜、13…光吸収層、14,102…光拡散シート、100…透過型スクリーン

Claims (9)

  1. 光拡散シートを複製するのに用いられる金型の製造方法において、
    金型母材表面にブラストガンから研削材を吹き付けて前記金型母材表面に凹凸を形成するサンドブラスト加工を行うことよりなり、
    前記サンドブラスト加工において、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角を0〜20°となるようにした光拡散シート複製用金型の製造方法。
  2. 金型を直接または間接に用いて光拡散シートを複製することよりなる光拡散シートの製造方法において、
    金型母材表面にブラストガンから研削材を吹き付けて前記金型母材表面に凹凸を形成するサンドブラスト加工を行い、かつ前記サンドブラスト加工において、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角を0〜20°となるようにしたものを前記金型として用いる光拡散シートの製造方法。
  3. 金型母材表面にブラストガンから研削材を吹き付けて凹凸を形成するサンドブラスト処理表面の凹凸形状を転写した縦方向と横方向とで異なる拡散特性を有する光拡散面を備えた光拡散シートであって、前記サンドブラスト処理が、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角を0〜20°となるようにした処理であり、
    前記縦方向および前記横方向のいずれか一方または両方において、入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角による最大輝度の軸ずれを有している光拡散シート。
  4. 金型母材表面にブラストガンから研削材を吹き付けて凹凸を形成するサンドブラスト処理表面の凹凸形状を転写した縦方向と横方向とで異なる拡散特性を有する光拡散面を備えた光拡散シートであって、前記サンドブラスト処理が、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角を0〜20°となるようにした処理であり、
    前記縦方向および前記横方向のいずれか一方または両方において、入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に最大輝度軸が光拡散シート主面の法線方向に対して傾いており、該最大輝度軸に対して前記輝度分布が非対称であり、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角による最大輝度軸に対する非対称度を有する光拡散シート。
  5. 前記光拡散面の凹凸ピッチが300μm以下である請求項3〜4のいずれか一に記載の光拡散シート。
  6. 金型母材表面にブラストガンから研削材を吹き付けて凹凸を形成するサンドブラスト処理表面の凹凸形状を転写した縦方向と横方向とで異なる拡散特性を有する光拡散面を備え、前記サンドブラスト処理が、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角を0〜20°となるようにした処理であり、前記縦方向および前記横方向のいずれか一方または両方において、入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に、前記金型母材表面と前記ブラストガンとのなす角による最大輝度の軸ずれを有する光拡散シートを備えたスクリーン。
  7. 前記軸ずれが、当該スクリーンの中央部方向である請求項に記載のスクリーン。
  8. 請求項3〜のいずれか一に記載の光拡散シートと、該光拡散シートの光拡散面とは反対面側に設けられた反射層とを備えたスクリーン。
  9. 請求項3〜のいずれか一に記載の光拡散シートを備え、該光拡散シートは、前記光拡散面とは反対面側からの投射光を透過して該光拡散面から拡散して放射するものであるスクリーン。
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