JP2005314513A - 粘着剤組成物、およびそれを用いてなる表面保護フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に高速剥離が可能でありながら濡れ性にも優れた再剥離型粘着剤組成物、およびそれを用いてなる表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.9重量%、および官能基含有モノマー0.1〜15重量%を単量体成分として含む(メタ)アクリル系(共)重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物であって、架橋剤による架橋後のゲル分が80%以上となることを特徴とする粘着剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アクリル系の粘着剤組成物に関する。さらに詳細には、優れた再剥離性を有する粘着剤組成物、およびそれを用いてなる表面保護フィルムに関する。特に本発明の表面保護フィルムは、偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルムなどの光学部材表面を保護する目的で用いられる表面保護フィルムとして有用である。
従来、再剥離型粘着剤は、表面保護フィルム、マスキングテープなどに広く用いられており、その成分としては天然ゴム、合成ゴムやアクリル系樹脂が用いられている。なかでも、優れた耐候性、耐熱性、粘着性能の制御のしやすさからアクリル系樹脂が多く用いられている。
アクリル系粘着剤では、粘着力を弱めて再剥離性を出すため、ガラス転移温度(Tg)の高い成分を含有させる、あるいは架橋剤によって高度に架橋させるなどして、粘着剤の流動性を抑えた再剥離型粘着剤が知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、界面活性剤やシリコーン系モノマーを共重合させた再剥離型粘着剤も報告されている(たとえば、特許文献2参照)。
一方、液晶表示板に用いられる偏光板等では、打抜加工、検査、運搬、組立など各工程における表面の汚染や損傷がないよう、表面保護フィルムが用いられている。これは、不要となった段階で剥離されるが、近年の液晶表示板の大型化、薄層化に伴い、剥離工程で偏光板等への損傷が生じやすくなるため、さらなる軽剥離化が求められる。
しかしながら、Tgの高い成分を含有させたり、高度に架橋させるなどして軽剥離化した粘着剤では、偏光板等に対する流動による濡れが不十分となり、粘着剤層と偏光板との間に空気が残存して浮きやふくれが生じてしまうという問題があった。また、界面活性剤またはシリコーン系モノマーを共重合させた再剥離型粘着剤では、偏光板と表面保護フィルムの粘着剤組成物層との間に浮きやトンネリング等が発生しやすい傾向にある。このように浮き等を数多く含んでしまうと、被着物の運搬・組立の自動化工程や検査工程等で支障をきたす場合があり、さらには表面保護フィルムとしての機能も低下してしまう。
一方、流動による濡れ性を特に改良した再剥離型粘着剤は同時に接着性も高くなり易く、特に実用態様である高速剥離(30m/min等)における接着性が大きくなってしまうため、近年の大型化、薄層化した偏光板等への損傷が生じやすく剥離工程の作業性も悪化してしまう。
ところで、アクリル系粘着剤のベースポリマーを構成する共重合モノマーとして、長鎖アルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少量使用し(実施例では、10〜30重量%程度)、更に架橋剤を含有させた再剥離型粘着剤組成物も公知である(たとえば、特許文献3参照)。しかし、この粘着剤組成物では、長鎖アルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が60重量%以下であるため、良好な濡れ性を維持しながら高速剥離における接着力を低減させるのが困難であることが判明した。
特開平8−85779号公報 特許第2543545号公報 特開2001−323239号公報
そこで、本発明の目的は、従来のアクリル系粘着剤における問題点を解消すべく、容易に高速剥離が可能でありながら濡れ性にも優れた再剥離型粘着剤組成物、およびそれを用いてなる表面保護フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため、ベースポリマーの主成分となる単量体成分について鋭意検討した結果、炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.9重量%を単量体成分として含む(メタ)アクリル系(共)重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物を用いて、架橋後のゲル分が80%以上となるように架橋させることにより、容易に高速剥離が可能でありながら濡れ性にも優れた再剥離型粘着剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の粘着剤組成物は、炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.9重量%、および官能基含有モノマー0.1〜15重量%を単量体成分として含む(メタ)アクリル系(共)重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物であって、架橋剤による架橋後のゲル分が80%以上となることを特徴とする。
本発明における(メタ)アクリル系(共)重合体とは、アクリル系(共)重合体および/またはメタクリル系(共)重合体をいい、また(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。また、本発明における官能基含有モノマーとは、イソシアネート化合物等の架橋剤と反応可能な官能基を含有している共重合性不飽和モノマーをいう。
本発明によると、実施例の結果に示すように、炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.9重量%、および官能基含有モノマー0.1〜15重量%を単量体成分として含む(メタ)アクリル系(共)重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物を用い、架橋剤によりゲル分が80%以上となるように架橋した粘着剤層は、容易に高速剥離が可能でありながら濡れ性にも優れたものとなる。上記単量体成分を主成分として用いたベースポリマーの架橋物が、かかる特性を発現する理由の詳細は明らかではないが、長鎖アルキル側鎖の柔軟性が、流動による濡れ性改善と高速剥離における接着性の低減との両立を可能にしていると推測される。
上記において、前記(メタ)アクリル系(共)重合体100重量部に対し、架橋剤0.01〜15重量部を含有してなることが好ましい。この場合、長鎖アルキル側鎖が上記の作用効果を発現する上で、前記粘着剤組成物のゲル分が80%以上となるように架橋剤による架橋の程度を調整することにより、高速での剥離性と濡れ性とをより確実に両立させることができるようになる。
一方、本発明の粘着剤層は、上記いずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなり、ゲル分が80%以上であることを特徴とする。本発明の粘着剤層によると、上記の如き作用効果を奏する粘着剤組成物を架橋してなるため、容易に高速剥離が可能でありながら濡れ性にも優れた粘着剤層となる。このため、特に再剥離型の粘着剤層として有用となる。
他方、本発明の表面保護フィルムは、上記いずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなり、ゲル分が80%以上である粘着剤層を支持フィルム上に形成してなることを特徴とする。本発明の表面保護フィルムによると、上記の如き作用効果を奏する粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を備えるため、容易に高速剥離が可能でありながら濡れ性にも優れた表面保護フィルムとなる。このため、特に、近年の大型化、薄層化した偏光板等に使用する場合でも、その損傷が生じにくく、剥離工程の作業性も良好となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の粘着剤組成物は、炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.9重量%、および官能基含有モノマー0.1〜15重量%を単量体成分として含む(メタ)アクリル系(共)重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物であって、架橋剤による架橋後のゲル分が80%以上となることを特徴とする。
本発明に用いられる炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、たとえば、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
本発明における(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、炭素数10〜16であることが好ましく、11〜16であることがより好ましく、12〜16であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が大きいほど、高速剥離における接着性の低減効果に優れる傾向がある。前記炭素数が9以下の場合、アルキル側鎖の柔軟性が不十分となり、高速剥離における接着性の低減効果が小さいため好ましくない。一方、前記炭素数が17以上の場合、側鎖の結晶化により粘着剤層が白濁し、接着性が著しく低下する場合があるため好ましくない。
上述の炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独で用いても良いし、組み合わせて用いても良いが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系(共)重合体の単量体成分中70〜99.9重量%であることが好ましく、80〜99.9重量%であることがより好ましく、90〜99.9重量%であることがさらに好ましい。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が70重量%よりも少ない場合、剥離時の接着力低減の効果が十分に得られないため好ましくない。一方、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が99.9重量%を超える場合、官能基含有モノマーの含有量低下により架橋形成が不十分となり、粘着剤組成物の凝集力が小さくなって糊残りの原因となってしまう場合があり好ましくない。
本発明において、上述した炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル系(共)重合体の単量体成分として、炭素数1〜9であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いてもよい。炭素数1〜9であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
上述の炭素数1〜9であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独で使用してもよいし、組み合わせて用いてもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系(共)重合体の単量体成分中29.9重量%以下であることが好ましく、19.9重量%以下であることがより好ましい。炭素数1〜9であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が29.9重量%を超える場合、炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が低下し、剥離時の接着力低減の効果が十分に得られないため好ましくない。
また、本発明においては、イソシアネート化合物等の架橋剤と反応可能である水酸基などの官能基を含有している官能基含有モノマーを用いることができる。かかる官能基の種類は、架橋剤の種類等に応じて適宜選択することができる。
前記官能基含有モノマーの具体例としては、たとえば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、イミノール(メタ)アクリレートなどがあげられる。
前記官能基含有モノマーは単独で用いてもよいし、組み合わせてもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系(共)重合体の単量体成分中0.1〜15重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましい。官能基含有モノマーの含有量が0.1重量%よりも少ない場合、架橋形成が不十分となり、粘着剤組成物の凝集力が小さくなって糊残りの原因となってしまう場合があり好ましくない。一方、官能基含有モノマーの含有量が15重量%を超える場合、(メタ)アクリル系(共)重合体の凝集力が大きくなるため流動性が低下し、偏光板等への濡れが不十分となり、偏光板と粘着剤組成物層との間に空気が残存してしまう原因となるため好ましくない。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系(共)重合体は、重量平均分子量が10万以上500万以下、好ましくは20万以上400万以下、さらに好ましくは30万以上300万以下である。重量平均分子量が10万より小さい場合は、粘着剤組成物の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が500万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し偏光板への濡れが不十分となり、偏光板と表面保護フィルムの粘着剤組成物層との間に空気が残存する原因となる傾向がある。本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
また、前記(メタ)アクリル系(共)重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃以下(通常−100℃以上)、好ましくは−10℃以下であることが望ましい。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくく偏光板への濡れが不十分となり、偏光板と表面保護フィルムの粘着剤組成物層との間に空気が残存する原因となる傾向がある。なお、(メタ)アクリル系(共)重合体のTgは、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調整することができる。本発明におけるガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性装置を用いた測定方法により測定して得られたものをいう。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系(共)重合体の重合方法は特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できる。また、得られる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体などいずれでもよい。
本発明の粘着剤組成物は、以上のような(メタ)アクリル系(共)重合体をベースポリマーとするものである。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系(共)重合体を適宜架橋することにより、より耐熱性に優れたものとなる。本発明に用いられる架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、および金属キレート化合物等が用いられる。なかでも、主に適度な凝集力を得る観点から、イソシアネート化合物やエポキシ化合物が特に好ましく用いられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
イソシアネート化合物としては、たとえば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートHL、日本ポリウレタン工業社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などのイソシアネート付加物などがあげられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物としては、たとえば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(商品名TETRAD−X、三菱瓦斯化学社製)や1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン(商品名TETRAD−C、三菱瓦斯化学社製)などがあげられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
メラミン系樹脂としてはヘキサメチロールメラミン等があげられる。アジリジン誘導体としては、たとえば、市販品としての商品名HDU(相互薬工社製)、商品名TAZM(相互薬工社製)、商品名TAZO(相互薬工社製)等があげられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチルなどがあげられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる架橋剤の含有量は、(メタ)アクリル系(共)重合体100重量部に対し、0.01〜15重量部含有されていることが好ましく、架橋剤による架橋後のゲル分を80%以上、より好ましくは85%以上となるように架橋剤量を調整する必要がある。ゲル分が80%よりも低い場合、粘着剤組成物の凝集力が小さくなって、糊残りの原因となる傾向がある。
本発明における粘着剤組成物のゲル分とは、粘着剤層Wg(約0.1g)を酢酸エチルに約25℃下で1週間浸漬した後、前記粘着剤層を酢酸エチル中から取り出し、130℃で2時間乾燥後の重量Wgを測定し、(W/W)×100(%)として計算される値である。
さらに本発明の表面保護フィルムに用いられる粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。
一方、本発明の粘着剤層は、以上のような粘着剤組成物を架橋してなるものである。また、本発明の表面保護フィルムは、かかる粘着剤層を支持フィルム上に形成してなるものである。その際、粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を支持フィルム等に転写することも可能である。
フィルム上に粘着剤層を形成する方法は特に問わないが、たとえば、前記粘着剤組成物を支持フィルムに塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を支持フィルム上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生を行なってもよい。また、粘着剤組成物を支持フィルム上に塗布して表面保護フィルムを作製する際には、支持フィルム上に均一に塗布できるよう、該組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
また、本発明の粘着剤層の形成方法としては、表面保護フィルムの製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法などがあげられる。
本発明の表面保護フィルムは、通常、上記粘着剤層の厚みが3〜100μm、好ましくは5〜50μm程度となるように作製する。表面保護フィルムは、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムや、紙、不織布などの多孔質材料などからなる各種の支持体の片面または両面に、上記粘着剤層を塗布形成し、シート状やテープ状などの形態としたものである。
本発明における表面保護フィルムを構成する支持フィルムの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。
前記支持フィルムには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型および防汚処理や、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理をすることもできる。
前記支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有すると共に可とう性を有するプラスチック基材であることが好ましい。支持フィルムが可とう性を有することにより、ロールコーターなどによって粘着剤組成物を塗布することができ、ロール状に巻き取ることができる。
前記プラスチック基材としては、シート状やフィルム状に形成できるものであれば特に限定されるものでなく、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフルオロエチレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルムなどがあげられる。
本発明の表面保護フィルムは、必要に応じて、粘着面を保護する目的で粘着剤表面にセパレーターを貼り合わせることが可能である。セパレーターを構成する材料としては紙やプラスチックフィルムがあるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。そのフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
前記セパレーターの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。前記セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。
本発明は、得られる粘着剤層が、容易に高速剥離が可能でありながら濡れ性にも優れるため、各種の表面保護フィルム、マスキングテープ、再剥離型ラベルなどに有用である。特に本発明の表面保護フィルムは、偏光板等の光学部材の表面保護フィルムとして有用であり、特に、表面が凹凸状にアンチグレア処理された光学部材に対して、流動による優れた濡れ性と優れた高速剥離性が効果的になる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
<アクリル系共重合体の重量平均分子量の測定>
作製したポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
装置:東ソー社製、HLC−8220GPC
カラム:
サンプルカラム;東ソー社製、TSKguardcolumn Super HZ−H(1本)+TSKgel Super HZM−H(2本)
リファレンスカラム;東ソー社製、TSKgel Super H−RC(1本)
流量:0.6ml /min
注入量:10μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
注入試料濃度:0.2重量%
検出器:示差屈折計
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出した。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
離型剤で表面処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に粘着剤組成物溶液を塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して粘着剤層(厚さ25μm)を形成した。その後、粘着剤層を離型剤で表面処理した離型フィルムで覆い、50℃で4日間養生させた。こうして得られた粘着剤層を折りたたんで約2mmの厚みにしたものをφ7.9mmに打ち抜くことにより、円柱状のペレットを作製してガラス転移温度(Tg)測定用サンプルとした。動的粘弾性装置を用いてこのサンプルの損失弾性率G’’の温度依存性を測定し、得られたG’’カーブが極大となる温度をガラス転移温度(Tg)とした。
装置:レオメトリックス社製、ARES
測定モード:せん断モード
温度範囲:−70℃〜200℃
昇温速度:5℃/min
周波数:1Hz
<ゲル分の測定>
離型剤で表面処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に粘着剤組成物溶液を塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して粘着剤層(厚さ25μm)を形成した。その後、粘着剤層を離型剤で表面処理した離型フィルムで覆い、50℃で4日間養生させ、ゲル分測定用サンプルを得た。
作製したゲル分測定用サンプルの粘着剤層をWg(約0.1g)取り出し、酢酸エチルに約25℃下で1週間浸漬した。その後、浸漬処理した粘着剤層を酢酸エチル中から取り出し、130℃で2時間乾燥後の重量Wgを測定し、(W/W)×100(%)として計算される値をゲル分とした。
<評価用表面保護フィルムの作製>
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に粘着剤組成物溶液を塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して粘着剤層(厚さ25μm)を形成した。その後、離型剤で表面処理した離型フィルムで覆い、50℃で4日間養生して評価用表面保護フィルムを得た。
<接着力の測定>
作製したそれぞれの評価用表面保護フィルムを幅20mm、長さ90mmのサイズにカットし、アンチグレア処理のない偏光フィルム(日東電工社製、SEG1425DV)に圧着して接着力評価用サンプルとした(圧着条件:ロール圧2.4×10Pa、速度0.37m/min)。この評価サンプルを23℃×50%RHの環境下で30分間放置後、万能引張試験機にて剥離角度180°で剥離したときの接着力(剥離速度:0.3m/min、30m/min)を測定した。なお、近年の大型化、薄層化した偏光板等における表面保護フィルムとして適用される場合、剥離速度30m/minにおける剥離接着力が1N/20mm以下であることが望ましいと考えられる。
<浮き・残存気泡の発生の評価>
作製した表面保護フィルムを、ラミネータを用いてアンチグレア処理された偏光フィルム(日東電工社製、SEG1425EWVAG2B)に圧着し(圧着条件:ロール圧2.4×10Pa、速度0.37m/min)、幅40mm、長さ40mmのサイズにカットして浮き・残存気泡の評価サンプルとした。
作製した評価サンプルをスライドガラス(松浪硝子工業社製、水縁麿:厚み1.3mm、幅65mm、長さ165mm)に固定し、50℃×5atmの環境下で20分間オートクレーブ処理をおこない、ついで80℃、常圧の環境下で2時間放置した後、偏光板からのフィルムの浮きおよび残存気泡の発生の有無について目視にて確認した。
浮き・残存気泡の発生が認められなかった場合:○
浮き・残存気泡の発生が認められた場合:×
<(メタ)アクリル系(共)重合体の調製>
〔アクリル系共重合体(A)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコにイソデシルアクリレート(日本化薬社製、SR−395)96重量部、アクリル酸4重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル93重量部、トルエン93重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約3時間重合反応を行い、アクリル系共重合体(A)溶液を調製した。得られたアクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は46万であり、ガラス転移温度(Tg)は−57℃であった。
〔アクリル系共重合体(B)〕
共重合体(A)の成分を、トリデシルアクリレート(日本化薬社製、SR−489)96重量部、アクリル酸4重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル233重量部に変える以外は、同様にしてアクリル系共重合体(B)溶液を調製した。得られたアクリル系共重合体(B)の重量平均分子量は54万であり、ガラス転移温度(Tg)は−57℃であった。
〔アクリル系共重合体(C)〕
共重合体(A)の成分を、トリデシルアクリレート(日本化薬社製、SR−489)96重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート4重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル233重量部に変える以外は、同様にしてアクリル系共重合体(C)溶液を調製した。得られたアクリル系共重合体(C)の重量平均分子量は52万であり、ガラス転移温度(Tg)は−61℃であった。
〔アクリル系共重合体(D)〕
共重合体(A)の成分を、ラウリルメタクリレート(花王社製、エキセパールL−MA)97重量部、アクリル酸3重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル100重量部に変える以外は、同様にしてアクリル系共重合体(D)溶液を調製した。得られたアクリル系共重合体(D)の重量平均分子量は55万であり、ガラス転移温度(Tg)は−52℃であった。
〔アクリル系共重合体(E)〕
共重合体(A)の成分を、2−エチルヘキシルアクリレート96重量部、アクリル酸4重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル150重量部に変える以外は、同様にしてアクリル系共重合体(E)溶液を調製した。得られたアクリル系共重合体(E)の重量平均分子量は54万であり、ガラス転移温度(Tg)は−56℃であった。
〔アクリル系共重合体(F)〕
共重合体(A)の成分を、2−エチルヘキシルアクリレート48重量部、トリデシルアクリレート(日本化薬社製、SR−489)48重量部、アクリル酸4重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル186重量部に変える以外は、同様にしてアクリル系共重合体(F)溶液を調製した。得られたアクリル系共重合体(F)の重量平均分子量は51万であり、ガラス転移温度(Tg)は−57℃であった。
〔アクリル系共重合体(G)〕
共重合体(A)の成分を、2−エチルヘキシルアクリレート48重量部、酢酸ビニル48重量部、アクリル酸4重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、トルエン150重量部に変える以外は、同様にしてアクリル系共重合体(G)溶液を調製した。得られたアクリル系共重合体(G)の重量平均分子量は50万であり、ガラス転移温度(Tg)は−19℃であった。
〔アクリル系共重合体(H)〕
共重合体(A)の成分を、2−エチルヘキシルアクリレート93重量部、反応性シリコーンオイル(信越化学工業社製、X−22−174DX)3重量部、アクリル酸4重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル150重量部に変える以外は、同様にしてアクリル系共重合体(H)溶液を調製した。得られたアクリル系共重合体(H)の重量平均分子量は53万であり、ガラス転移温度(Tg)は−54℃であった。
<再剥離型粘着剤組成物を用いた表面保護フィルムの作製>
〔実施例1〕
上記アクリル系共重合体(A)100重量部を用い、架橋剤として1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱瓦斯化学社製、テトラッドC)3重量部添加し、さらに酢酸エチルで24重量%に希釈後、撹拌して粘着剤組成物溶液を得た。これを用いて前記作製方法に従い、ゲル分測定用サンプルおよび評価用表面保護フィルムを作製した。
〔実施例2〕
上記アクリル系共重合体(A)100重量部に代えて、上記アクリル系共重合体(B)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゲル分測定用サンプルおよび評価用表面保護フィルムを作製した。
〔実施例3〕
上記アクリル系共重合体(C)100重量部を用い、架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)5重量部添加し、架橋触媒としてジオクチルスズラウレート(東京ファインケミカル社製、OL−1)0.03重量部を添加し、さらに酢酸エチルで24重量%に希釈後、撹拌して粘着剤組成物溶液を得た。これを用いて前記作製方法に従い、ゲル分測定用サンプルおよび評価用表面保護フィルムを作製した。
〔実施例4〕
上記アクリル系共重合体(A)100重量部に代えて、上記アクリル系共重合体(D)100重量部を用い、上記1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱瓦斯化学社製、テトラッドC)3重量部に代えて、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱瓦斯化学社製、テトラッドC)5重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゲル分測定用サンプルおよび評価用表面保護フィルムを作製した。
〔比較例1〕
上記アクリル系共重合体(A)100重量部に代えて、上記アクリル系共重合体(E)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゲル分測定用サンプルおよび評価用表面保護フィルムを作製した。
〔比較例2〕
上記アクリル系共重合体(A)100重量部に代えて、上記アクリル系共重合体(F)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゲル分測定用サンプルおよび評価用表面保護フィルムを作製した。
〔比較例3〕
上記アクリル系共重合体(A)100重量部に代えて、上記アクリル系共重合体(G)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゲル分測定用サンプルおよび評価用表面保護フィルムを作製した。
〔比較例4〕
上記アクリル系共重合体(A)100重量部に代えて、上記アクリル系共重合体(H)100重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゲル分測定用サンプルおよび評価用表面保護フィルムを作製した。
〔比較例5〕
上記1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱瓦斯化学社製、テトラッドC)3重量部に代えて、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱瓦斯化学社製、テトラッドC)0.3重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゲル分測定用サンプルおよび評価用表面保護フィルムを作製した。
上記方法に従い、ゲル分測定、接着力測定、および浮き・残存気泡の発生の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2005314513
上記表1の結果より、本発明によって作製された粘着剤組成物を用いた場合(実施例1〜4)、いずれの実施例においても、高速剥離(30m/min)での偏光板に対する接着力を1N/20mm以下という低い値に抑えられ、かつ浮き・残存気泡の発生もなく偏光板への濡れ性が高いことが明らかとなった。
これに対して、炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有していない比較例1、炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを48重量%しか含有していない比較例2、およびゲル分が80%未満である比較例5のいずれにおいても、浮き・残存気泡の発生は認められないものの、高速剥離での偏光板に対する接着力が1N/20mmを超えるものであった。また、炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含まず、Tgの高い成分を含有する比較例3、および炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含まず、シリコーン系成分を含有する比較例4のいずれにおいても、高速剥離での偏光板に対する接着力は低く抑えられているが、浮き・残存気泡の発生が認められる結果となった。したがって、比較例ではいずれも、高速剥離での偏光板に対する低接着性、および良好な濡れ性をバランスよく両立することができない結果となり、表面保護フィルム用の再剥離型粘着剤組成物には適さないことが明らかとなった。
よって、本発明の粘着剤組成物は、容易に高速剥離が可能でありながら濡れ性にも優れた再剥離型粘着剤組成物であることが確認できた。

Claims (4)

  1. 炭素数10〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.9重量%、および官能基含有モノマー0.1〜15重量%を単量体成分として含む(メタ)アクリル系(共)重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物であって、架橋剤による架橋後のゲル分が80%以上となることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル系(共)重合体100重量部に対し、架橋剤0.01〜15重量部を含有してなる請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなり、ゲル分が80%以上である粘着剤層。
  4. 請求項1〜2のいずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなり、ゲル分が80%以上である粘着剤層を支持フィルム上に形成してなる表面保護フィルム。
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