JP2006213814A - 接着剤組成物 - Google Patents

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博子 鎮西
Masami Ichikawa
雅己 市川
Yoshiaki Yonekawa
芳明 米川
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Abstract

【課題】操業性及接着力のバランスに優れた接着剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)改質天然ゴムラテックス(固形分換算)50〜100質量部、及び(B)他の重合体50〜0質量部(固形分換算)を含み(但し、(A)+(B)=100質量部とする。)、25℃における表面張力が0.020〜0.040N/mである接着剤組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、改質天然ゴムラテックスを含む接着剤組成物に関する。
従来、改質天然ゴムラテックスを含む接着剤は、アルバム用、布用のコンタクト接着、カーペットバッキング材、粘着テープ、など繊維類や紙葉類に多く用いられている(特許文献1参照)。天然ゴムラテックスを用いた接着剤は軟らかく、また比較的基材との密着性が悪いため、加工機械内部で削れや剥離が発生し、機械の汚れや製品に不具合が発生する等の問題が生じる場合がある。このような接着剤においては、接着力等の実用物性を大きく低下させず、基材との密着性を高め、操業性を改良することが望まれている。
特開2001−81105号公報
本発明は、基材との密着性が高く、また耐ブロッキング性にも優れ、耐摩耗性やフィラー固着性といった操業性と接着力とのバランスに優れた接着剤組成物を提供することを特徴とする。
上記課題に対応すべく検討を行った結果、接着剤組成物の表面張力を所定の範囲内に入るよう組成を調整することにより、操業性と接着力のバランスに優れた接着剤組成物を得ることができることを見出した。即ち、本発明により、以下の接着剤組成物が提供される。
[1]:(A)改質天然ゴムラテックス50〜100質量部(固形分換算)、及び(B)他の重合体50〜0質量部(固形分換算)を含み(但し、(A)+(B)=100質量部とする。)、25℃における表面張力が0.020〜0.040N/mである接着剤組成物。
[2]:(A)改質天然ゴムラテックス60〜95質量部(固形分換算)及び(B)他の重合体として、スチレン−ブタジエン共重合体またはアクリルエステル共重合体、または両方を40〜5質量部(固形分換算)を含む(但し、(A)+(B)=100質量部とする。)上記[1]に記載の接着剤組成物。
[3]:(C)濡れ剤を更に含む上記[1]又は[2]に記載の接着剤組成物。
[4]:(A)改質天然ゴムラテックス(固形分)及び(B)他の重合体の合計100質量部に対して、(C)濡れ剤を0.01〜4質量部含む上記[3]に記載の接着剤組成物。
[5]:(C)濡れ剤が、シリコーン系濡れ剤、フッ素系濡れ剤、アセチレングリコール系濡れ剤、及びポリエーテル系濡れ剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む上記[3]又は[4]に記載の接着剤組成物。
本発明の接着剤組成物は、25℃における表面張力が所定の範囲内にあるため、操業性と接着性のバランスに優れたものとなる。
以下、本発明を具体的な実施の形態(以下、実施の形態という)に基づいて説明するが本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(A)改質天然ゴムラテックス:
(A)改質天然ゴムラテックスは、他の成分により改質された天然ゴムを含むラテックスであり、例えば粒子状の天然ゴムの表面の少なくとも一部を他の成分が覆ったものが分散したラテックスや、天然ゴム粒子内部に他成分が浸透し、天然ゴム分子を改質しているラテックスなどを挙げることができる。他の成分としては、ポリマーが好ましく、更にビニル系モノマーから形成されるポリマーが好ましい。このような改質天然ゴムラテックスは、例えば天然ゴムラテックス中で、モノマー、例えばビニル系モノマーを重合させることで得ることができる。
改質前の天然ゴムラテックスは、天然に産するゴムの分散液をいい、通常「天然ゴムラテックス」と称されるものであれば、特に限定されるものではない。好適な天然ゴムラテックスとしては例えば、高アンモニアタイプ、低アンモニアタイプ、脱タンパク質タイプなどの天然ゴムラテックスが挙げられる。
天然ゴムを改質するポリマーを形成するモノマーとしてはビニル系モノマーが好ましく、例えば(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、シアン化ビニル系モノマー、エチレン性不飽和酸モノマー、エチレン性不飽和アルコール及びそのエステル、エチレン性不飽和シランなどが挙げられ、これらの少なくとも1種を用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、従来の水性アクリルエマルジョンにも使用されている、アクリル酸及びメタクリル酸と、脂肪族、脂環族あるいは芳香族のアルコールとのエステルが挙げられる。具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。また、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの置換基を含有することもあるシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルなどの水酸基を含有するアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類なども挙げられる。なかでもメタクリル酸メチルが好ましい。なおここで、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び「メタクリル」のいずれであってもよいことを意味する。
上記芳香族ビニル系モノマーの例には、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−アミノスチレン、p−アセトキシスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウムなどがあり、なかでもスチレンが好ましい。
上記シアン化ビニル系モノマーの例には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン、α−メトキシアクリロニトリルなどがあり、特にアクリロニトリルが好ましい。
上記エチレン性不飽和酸モノマーの例には、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホン酸などがある。エチレン性不飽和カルボン酸の例には(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、無水フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などがあり、エチレン性不飽和スルホン酸の例にはビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸などがある。
上記エチレン性不飽和アルコール及びそのエステルの例には、アリルアルコール、メタアリルアルコール、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸アリル、カプロン酸メタアリル、ラウリン酸アリル、安息香酸アリルなどがある。
上記エチレン性不飽和シランの例には、ビニルトリエチルシラン、メチルビニルジクロロシラン、ジメチルアリルクロロシラン、ビニルトリクロロシランなどがある。
以上のビニル系モノマーのなかでも、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー又はこれと他のビニル系モノマーとを組み 合わせて用いることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと他のビニル系モノマーとを組み合わせて用いる際の他のビニル系モノマーの使用量は、通常、全ビニル系モノマー中に80質量%以下、好ましくは60質量%以下である。
重合させる上記ビニル系モノマーの量は、天然ゴム100質量部(固形分換算)に対して5〜60質量部が好ましい。更に好ましくは、10〜50質量部であり、特に好ましくは15〜40質量部である。この量が5質量部未満では、天然ゴムを改質するビニル系ポリマーの量が十分でなく、必要な凝集力や機械的安定性、および耐候性等といった改質効果が得られない場合がある。一方60質量部を超えると、天然ゴムが有している皮膜物性が変化し、接着力が低下するため実用上好ましくない。
天然ゴム粒子を改質する成分(以下、改質成分という)は、天然ゴム粒子表面を覆う層を形成するか、あるいは粒子が集合した状態で天然ゴム粒子表面に存在すると同時に天然ゴム粒子内にも存在することが好ましい。さらには、天然ゴム粒子にグラフトした状態で層又は粒子を形成することが好ましい。天然ゴム粒子表面にある改質成分の層の厚み又は平均粒径は0.01〜0.1μmであることが好ましく、更に好ましくは0.02〜0.08μmである。層の厚み又は平均粒径が0.01μm未満であると、必要な凝集力や機械的安定性、および耐候性等といった改質効果が得られない場合がある。一方、0.1μmを超えると、改質成分量が過多となり、結果として天然ゴムが有している皮膜物性が変化し、接着力が低下するため実用上好ましくない。
ここで、改質成分の厚さ又は平均粒径の測定方法は、透過型電子顕微鏡写真による。同一品について5枚以上の写真を撮り、個々の写真から改質成分の層の厚み又は平均粒径を5箇所測定し、計25個以上の測定値を平均して、改質成分の層の厚み又は平均粒径とする。
また、改質天然ゴムの平均粒径は、通常、0.03〜5μm、好ましくは0.05〜4μm、更に好ましくは0.1〜3μmである。0.03μmより小さい粒径の天然ゴムは入手が困難である。一方、粒径が5μmを超えると、改質天然ゴム粒子が凝集し粗大化している可能性があり、凝集物の発生や沈降分離等の系の不安定化や、塗工時の外観の不具合等が発生する。ここで、改質天然ゴム粒子の平均粒径の測定方法は、動的光散乱法測定による。同一品について3回以上測定を行い、それらの平均値を改質天然ゴム粒子の平均粒径とする。
本発明に用いられる改質天然ゴムは、上記のような改質成分、好ましくはビニル系ポリマーが、層状又は粒子状に天然ゴム粒子の周囲を覆っており、且つ天然ゴム粒子内部にも存在することが好ましいが、このような形状は、同様の粒径をもつ合成樹脂エマルジョンなどと天然ゴムラテックスを単純に混合しただけで得られるものでなく、天然ゴム粒子とモノマー成分とを混合後、重合することで得られる。具体的には、天然ゴム粒子を含む天然ゴムラテックスとビニル系モノマーとを混合した後、重合することにより得ることができる。重合方法は、天然ゴム粒子の周囲がビニル系ポリマーにより覆われるものが得られれば、どのような方法でもよい。
(B)他の重合体:
他の重合体は任意の成分であるが、他の重合体を含むことにより、接着剤組成物から形成される接着層の凝集力が向上するため、他の重合体を含むことが好ましい。他の重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MBR)、スチレン−イソプレン共重合体(SIR)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、アクリルエステル共重合体(AE)、酢酸塩化ビニル共重合体(EVA)、オレフィン共重合体、ウレタン共重合体、エポキシ共重合体、ビニルアルコール共重合体(PVA)、イソプレン重合体(IR)、ブタジエン重合体(BR)、クロロプレン重合体(CR)、ニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、ポリスチレンなどが挙げられる。このなかでもSBR、MBR、NBR、CR、AEなどが、形成される接着層の凝集力を向上させる効果の点で特に好ましい。
また、本実施の形態の接着剤組成物は、水などの媒体中に改質天然ゴムが分散したラテックス状であるため、他の重合体は水などの媒体に溶解又は分散する重合体であることが好ましく、特に水などの媒体に重合体が分散するラテックスやエマルジョンが好ましい。このような観点から、SBRラテックス、IRラテックス、NBRラテックス、MBRラテックス、BRラテックス、CRラテックス、AEエマルジョン、EVAエマルジョン等が更に好ましい。このなかでもSBRラテックスとAEエマルジョンが特に好ましい。
本実施の形態の接着剤組成物は、(A)改質天然ゴムラテックスの固形分50〜100質量部に対して(B)他の重合体を固形分として50〜0質量部含む(但し、(A)改質天然ゴムラテックスの固形分と他の重合体の固形分との合計を100質量部とする)。他の重合体の添加効果を得るためには、改質天然ゴムラテックスの固形分95質量部に対して、他の重合体の固形分を5質量部以上含むことが好ましい。但し、他の重合体の添加量が多すぎると自着力が強く、ゴム弾性が高いといった改質天然ゴムの特徴が損失されるために改質天然ゴムラテックスの固形分が60質量部以上であり、他の重合体の固形分が40質量部以下であることが好ましい。
本実施の形態における接着剤組成物の25℃における表面張力は、0.020〜0.040N/mの範囲である。従来の天然ゴムラテックスを主成分とする接着剤の表面張力は、0.040N/mよりも高かったが、この表面張力を0.040N/m以下とすることにより、操業性が向上する。具体的には形成される接着層の耐磨耗性が向上する。特に、有機及び/又は無機のフィラーを接着剤組成物に添加した際の接着層の耐磨耗性が向上する。一方、表面張力が0.020N/mより低いと、接着力の低下が大きすぎてしまう。従って、25℃における表面張力を0.020〜0.040N/m、好ましくは0.025〜0.035N/m、更に好ましくは0.028〜0.035N/mの範囲とすることにより、操業性と接着力のバランスの優れた接着剤組成物となる。
表面張力を上記範囲とする手段に特に制限はない。具体的な手段としては、濡れ剤を接着剤組成物に添加する、または表面張力の低い他の重合体を混合する、または、界面活性剤の過剰添加などの手段が挙げられる。このなかでも、(C)濡れ剤を添加することにより表面張力を上記範囲とすることが好ましい。
(C)濡れ剤:
濡れ剤としては、アセチレングリコール系、シリコーン系、フッ素系、脂肪酸アミド系、ポリエーテル系、などの濡れ剤が挙げられる。具体的なシリコーン系濡れ剤としてはPSA336:日信化学工業社製、エンバイロジェムAD−01:エアープロダクトジャパン社製、フローレン:共栄社化学社製などが挙げられる。具体的なフッ素系濡れ剤としては、パーフルオロアルキル基含有化合物であるサーフロン111N、サーフロン131:セイミケミカル社製、メガファックF−812、F−833:大日本インキ化学工業社製、エフトップEF112、EF105、EF121:三菱マテリアル社製、ダイノール:日信化学工業社製、フロラードFC−129、FC−170C、FC135:住友スリーエム社製などが挙げられる。具体的な脂肪酸アミド系濡れ剤としてはトリノーン:日本化成社製などが挙げられる。具体的なアセチレングリコール系濡れ剤としては、アセチレングリコールとしてサーフィノール104、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物としてサーフィノール420、サーフィノール465、アセチレングリコール/アルコール混合型としてサーフィノール104A、自己乳化型アセチルジオールとしてサーフィノールSE、変性アセチレンジオール組成物としてサーフィノールPSA336、アセチレンジオール組成物としてサーフィノールPSA−204、216:エアープロダクトジャパン社製、アセチノール:川研ファインケミカル社製、アセチレングリコールのアセチレンジオール付加物としてオルフィン1010、オルフィン1004:日信化学工業社製などが挙げられる。具体的なポリエーテル系濡れ剤としてはSN984、SN980:サンノプコ、ポリエーテル系シリコーンとしては、KF−351、KF−352、KF−353、KF−615:信越化学工業社製、シルウェットL−77、L−7001、L−7600、L−7607:日本ユニカー社製、SH3746、SH3749、SH3771:東レダウコーニング社製、TSF−4452、TSF−4445:東芝シリコーン社製などが挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
濡れ剤の含有量に特に制限はなく、表面張力が上記範囲に入るような量の濡れ剤を含有すればよい。また、濡れ剤の種類によっても適切な含有量の範囲は変わるが、濡れ剤の含有量は、(A)改質天然ゴムの固形分と(B)他の重合体の合計100質量部に対して通常0.01〜4質量部であり、0.03〜3.5質量部であることが好ましく、0.05〜3.0質量部であることが更に好ましい。濡れ剤が少なすぎると十分な濡れ剤の添加効果が得られ難く、濡れ剤が多すぎると接着剤組成物の表面張力が低下しすぎ、形成される接着層の接着力が低下しやすいからである。
(その他の添加剤)
本実施の形態の接着剤組成物は、有機及び/又は無機のフィラーを含有してもよい。本実施の形態の接着剤組成物は、感圧性接着剤として用いることも好ましいが、このような場合に形成される接着層のブロッキング防止のために有機及び/又は無機のフィラーを用いることが好ましい。好適な有機のフィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズ、ポリブチレンテレフタレート樹脂ビーズ、ポリアミド樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、ポリスチレン樹脂ビーズ、ポリイミド樹脂ビーズ、メラミン樹脂ビーズ、アクリル系重合体樹脂ビーズ、ポリ酢酸ビニル樹脂ビーズ、尿素樹脂ビーズ、ポリビニルエーテル樹脂ビーズ、シリコーン−アクリル系共重合体樹脂ビーズ、粉末フェノール樹脂ビーズ、スターチ粉末などが挙げられる。好適な無機のフィラーとしては炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カオリンクレー、酸化チタン、酸化亜鉛、ガラス粉末、ゼオライト、酸化珪素、シリカ粉末、珪砂などが挙げられる。
本実施の形態の接着剤組成物には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、フェノール系、有機ホスファイト系、チオエーテル系などの酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;アミド系、有機金属塩系、エステル系などの滑剤;含臭素有機系、リン酸系、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、赤リンなどの難燃剤;有機顔料;無機顔料;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤、安定剤、老化防止剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、粘着付与樹脂などを添加することができる。
本実施の形態の接着剤組成物はラテックス状であり、水などの媒体を含む。この媒体の量は、(A)改質天然ゴムの固形分と(B)他の重合体の合計100質量部に対して40〜500質量部であることが好ましく、60〜150質量部であることが更に好ましい。媒体の量が少なすぎると塗工性が悪い等の作業性に悪影響が生じる。一方、媒体の量が多すぎると乾燥性が悪く、実用的でない。
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。なお、実施例中、部及び%は、特に断らない限り、質量基準である。また、実施例中の測定値は以下の方法で測定した値である。以下において、接着剤組成物Aはフィラーの入っていない組成物であり、接着剤組成物Bは接着剤組成物にフィラーを加えた組成物である。
<表面張力>
表面張力測定機を用いて以下の手順で25℃にて測定した。所定の固形分(50±1.0%)に調製した接着剤組成物Aを試料台上の容器に入れた。よく洗浄された白金リングを試料中に浸した後、試料台をゆっくり下降させ、リングが液面から離れる時の最大荷重を検出し、表面張力の値とした。
<初期接着力>
接着剤組成物Bをバーコーターを用いて、塗布量がDry8g/m2となるように紙に塗工し、乾燥した後養生した。得られた塗工紙を所定の大きさに切断して試験片とし、被着紙と重ね合わせ、シーラー機により圧着した後、引張り試験機にセットし、試験片を180°方向に剥離した際の荷重の平均値を測定した。この試験を所定回数行い、測定値の平均値を接着力とした。
<マシンオイル付着面の接着力>
上述と同様にして得られた塗工紙の塗工面に、RIテスターを用いてオイルを塗工した後、上述の接着力を測定した。これは加工工程などで、機械内のマシンオイルなどに接着剤が触れ、影響を受ける可能性があるため、オイルによる影響を評価するものである。マシンオイルを塗工していない試験片の接着力に対するマシンオイルを塗工した試験片の接着力の比を、マシンオイル付着面の接着性の指標とした。
<操業性評価1:耐磨耗性>
上述と同様にして得られた塗工紙の塗工面を毛羽立ち試験機(JIS L 1023に準ずる)を用いて擦り、磨耗かすが出てくるまでの回転回数を測定した。即ち、回数が多いほど耐磨耗性に優れていることを示す。
<操業性評価2:フィラー固着性>
上述と同様にして得られた塗工紙について、RIテスターを用いてピック試験を行い破壊された塗工紙表面を観察することで、フィラー固着力を測定した。試験によって全てが破壊されているものを1点、表面の破壊が全くないものを5点とし目視で評価した。即ち、1を最低、5を最高として5に近いほどピッキングが生じ難く良好な結果であることを示す。
<基材密着性>
紙に接着剤Aのみを塗布し、JIS K 5400碁盤目試験に準じて、接着剤の基材密着性について評価した。試験によって、塗工紙表面の剥離状態から5段階評価とした。およそ8割以上が残っているときを5、8〜6割以上残っているときを4、6〜4割以上残っているときを3、4〜2割以上残っているときを2、2割未満が残っているときを1とした。
<耐ブロッキング性>
上述と同様にして得られた塗工紙について、紙を重ね合わせ、50℃の恒温槽の中にセットし、この試験片に5kg/cm2の荷重をかけ、24時間放置する。24時間が経過後、取り出した試験片を室温にもどした後、塗工紙と紙を剥がし、定性評価を行なう。ブロッキングがない場合を○、ややブロッキングしている(但し試験片に材料破壊はない)場合を△、ブロッキングしており、剥離できずに試験片の材料破壊が生じる場合を×とする。
(実施例1)
天然ゴムラテックス(マレーシア産、ハイアンモニアタイプ天然ゴムラテックス、固形分61%)中の固形分60部に対し、改質用のビニル系モノマーとしてメチルメタクリレート(MMA、固形分100%)を25部重合させて改質天然ゴムラテックスを得た。得られた改質天然ゴムラテックス中の固形分85部に対して、SBRラテックス(JSR社製SBR0614、固形分50%)の固形分が15部となるように、SBRラテックスを添加し、更に表1に示す濡れ剤(セイミケミカル社製サーフロン111N、有効成分100%)を0.1部添加して固形分50%の接着剤組成物Aを得た。得られた接着剤組成物Aについて、表面張力を測定した。また、接着剤組成物Aにおける改質天然ゴムラテックス(固形分)とSBRラテックス(固形分)の合計100部に対して100部のフィラー(シリカ)を添加して接着剤組成物Bを得て、これについて上述の方法で接着力、耐磨耗性、フィラー固着性及びマシンオイル付着面の接着性を評価した。
(実施例2〜9及び比較例1、2)
表1に示す濡れ剤の種類及びその量を添加したことを除き、実施例1と同様にして接着剤組成物を得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006213814
表1より、実施例1〜9で得られた接着剤組成物は、固形分50±1%で表面張力が所定の範囲内となり、この接着剤組成物から形成された接着層は、良好な接着力、耐磨耗性、フィラー固着性及びマシンオイル付着面の接着性を示した。一方、比較例1で得られた接着剤組成物は、表面張力が高すぎ、この接着剤組成物から形成された接着層は低い耐磨耗性を示した。また、比較例2で得られた接着剤組成物は、表面張力が低すぎ、この接着剤組成物から形成された接着層は低い接着力を示した。
本発明の接着剤組成物は、良好な接着力、耐磨耗性、フィラー固着性及びマシンオイル付着面の接着性を示す接着層を形成することができるため、接着力及び操業性のバランスに優れ、種々の接着剤用途に用いることができる。

Claims (5)

  1. (A)改質天然ゴムラテックス50〜100質量部(固形分換算)、及び(B)他の重合体50〜0質量部(固形分換算)を含み(但し、(A)+(B)=100質量部とする。)、25℃における表面張力が0.020〜0.040N/mである接着剤組成物。
  2. (A)改質天然ゴムラテックス60〜95質量部(固形分換算)及び(B)他の重合体として、スチレン−ブタジエン共重合体またはアクリルエステル共重合体、または両方を40〜5質量部(固形分換算)を含む(但し、(A)+(B)=100質量部とする。)請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. (C)濡れ剤を更に含む請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. (A)改質天然ゴムラテックス(固形分)及び(B)他の重合体(固形分)の合計100質量部に対して、(C)濡れ剤を0.01〜4質量部含む請求項3に記載の接着剤組成物。
  5. (C)濡れ剤が、シリコーン系濡れ剤、フッ素系濡れ剤、アセチレングリコール系濡れ剤、及びポリエーテル系濡れ剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項3又は4に記載の接着剤組成物。
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