JP2010248300A - ポリクロロプレン2液型接着剤、及びそれを用いた積層体 - Google Patents
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Abstract
被着体への良好な濡れ性を示し、かつ接着強度にも優れるポリクロロプレン水性接着剤を提供する。
【解決手段】
ポリクロロプレンラテックス100質量部に対し、アセチレンジアルコールのポリエーテル化物を0.1〜4質量部配合させた主剤と、ポリイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤からなるポリクロロプレン2液型水性接着剤である。ポリクロロプレンラテックスは、クロロプレンとカルボキシル基含有エチレン単量体の共重合体よりなるものが好ましい。さらに本発明は、これらの2液型水性接着剤組成物を用いて、スポンジ類と布類を貼り合わせて得られるスポンジ積層体である。スポンジ積層体は、ウェットスーツの生地の原料として好適に使用されるものである。
【選択図】 なし
Description
さらに本発明は、これらの2液型水性接着剤組成物を用いて、スポンジ類と布類を貼り合わせて得られるスポンジ積層体である。スポンジ積層体は、ウェットスーツの生地の原料として好適に使用されるものである。
特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸に代表される不飽和カルボン酸を共重合させることは接着力を向上できるため好ましい。クロロプレンとの共重合性の観点からは特にメタクリル酸の共重合がより好ましい。
アニオン型の乳化剤としては、カルボン酸型、硫酸エステル型等があり、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
酸性雰囲気下で乳化重合を安定に行なうためには、ノニオン乳化/分散剤を用いることが好ましい。
アニオン乳化剤としては、スルホン酸型、硫酸エステル型等があり、例えば、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
HLB=
(親水基部分の分子量)/(界面活性剤の分子量)×(100/5)
接着力のバランスの点からは、軟化点温度が50〜160℃の樹脂が好ましく、特にテルペンフェノール樹脂やロジン酸エステル樹脂の使用が初期強度や耐水性の観点から推奨される。これらの粘着付与樹脂は、水性分散体として使用することが簡便であり、市販品も種々上市されている。
スポンジ類と布類の貼り合わせに使用する場合、耐有機溶剤性が必要となることが多く、その際には粘着付与樹脂を添加しない方が好ましい。多くの粘着付与樹脂は有機溶剤に可溶であり耐有機溶剤性が悪化するためである。
特に不飽和カルボン酸を共重合したラテックスの場合には、酸化亜鉛を使用することで耐熱強度が向上することから、酸化亜鉛の使用が推奨される。
金属酸化物の添加量は、ポリクロロプレンラテックスの固形分100質量部に対し0.1〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。0.1質量部未満では接着特性の改良効果が不充分であり、10質量部を超えると粘着性が損なわれる可能性がある。
ポリイソシアネート化合物としては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(MDI)系、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系、イソホロンジイソシアネート等、種々のポリイソシアネート化合物が使用可能であり、これらの中でも、水分散型プレポリマータイプのポリイソシアネート化合物を用いることが好ましい。硬化剤の市販品としては、タケネートWD−720、WD−725やWD−730(三井化学ポリウレタン株式会社)が知られている。
尚、主剤へ硬化剤を添加する際には、出来るだけ使用する直前に添加し、充分に混合することが望ましい。
特にスポンジ類とジャージ等の布類とを貼り合わせる際の接着剤として好適である。スポンジ類としては、天然ゴムやクロロプレンゴム、EPDM、SBR、NBR、TPE、TPR、イソプレンゴム等からなるゴムスポンジがある。布類としては、綿、ナイロン、ポリエステル等がある。
凝集破壊:接着剤層(接着剤凝集層)より剥離、材料破壊無し
〈添加剤〉
サーフィノール440:アセチレンジオールのポリエーテル化物(HLB=8)
サーフィノール465:アセチレンジオールのポリエーテル化物(HLB=3)
ダイノール604 :アセチレンジオールのポリエーテル化物(HLB=8)
サーフィノール485:アセチレンジオールのポリエーテル化物(HLB=17)
凝集破壊:接着剤層(接着剤凝集層)より剥離、材料破壊無し
〈添加剤〉
エマルゲン109P: ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=13.6)
エマルゲン709 : ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル(HLB=13.3)
エマルゲン1108:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB=13.5)
エマルゲンMS−110 :ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル(HLB=12.7)
凝集破壊:接着剤層(接着剤凝集層)より剥離、材料破壊無し
〈添加剤〉
サーフィノール440:アセチレンジオールのポリエーテル化物(HLB=8)
サーフィノール465:アセチレンジオールのポリエーテル化物(HLB=3)
ダイノール604 :アセチレンジオールのポリエーテル化物(HLB=8)
サーフィノール485:アセチレンジオールのポリエーテル化物(HLB=17)
材料一部破壊::CR/SBRスポンジ表面の一部が破壊
凝集破壊:接着剤層(接着剤凝集層)より剥離、材料破壊無し
〈添加剤〉
エマルゲン109P: ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=13.6)
エマルゲン709 : ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル(HLB=13.3)
エマルゲン1108:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB=13.5)
エマルゲンMS−110 :ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル(HLB=12.7)
内容積3リットルの反応器を用いて、窒素雰囲気中で、水95部にポリビニルアルコール(PVA 203:クラレ社製)0.6部とノニオン型乳化剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(エマルゲン1118S−70:花王社製、HLB値16.4)3.0部を60℃で溶解させた。この乳化/分散剤水溶液を室温近くまで冷却した後、この中にクロロプレン単量体97部、メタクリル酸3部、オクチルメルカプタン0.3部を加えた。これを45℃に保持しながら亜硫酸ナトリウムと過硫酸カリウムを開始剤として用い重合した。重合は重合熱の発生が無くなってから更に1時間放置し重合の終点とした。得られたポリクロロプレンラテックスに20%ジエタノールアミン水溶液を添加してpHを7に調製し、減圧加熱により濃縮し、固形分を50%に調整した。これをポリクロロプレンラテックスAとした。
内容積3リットルの反応器を用い、窒素気流下で、純水100部及びノニオン乳化剤A(Newcol714:日本乳化剤社製)5.0部、ホルムアルデヒドナフタレンスルホン酸縮合物のナトリウム塩0.2部を仕込み溶解後、攪拌しながらクロロプレン単量体97部、メタクリル酸3部、及びオクチルメルカプタン0.3部を加えた。これを40℃に保持しながら亜硫酸ナトリウムと過硫酸カリウムを開始剤として用い、最終重合率が、90%に達したところでチオジフェニルアミンの乳濁液を加えて重合を停止した。
次に、このポリクロロプレンラテックスに、20%ジエタノールアミンを添加してpHを中性になるよう調整した後、更に減圧下で水分を蒸発させ濃縮を行い、固形分濃度が50%となるように調整した。これをポリクロロプレンラテックスBとした。
加硫促進剤ノクセラーZIX(イソプロピルキサントゲン酸亜鉛:大内新興化学工業社製)50部、純水97部、ペレックスSS−H(花王社製)2部(乾燥質量基準)をボールミルに入れ、一昼夜粉砕混合し、水性分散体を調製した。
重合例1で得られたポリクロロプレンラテックスA100部に、界面活性剤0.6部(花王株式会社製ノニオンK−220)、サーフィノール465(日信化学工業社製、HLB値13)を0.5部、酸化亜鉛分散体(大崎工業社製AZ−SW)5部、ノクセラーZIX分散体2部を何れも固形分換算比率で加え、スリーワンモータで攪拌混合した。更に増粘剤(ローム&ハース製プライマルRM−8W)を適量加え25℃、30rpmでの粘度を約2000mPa・sに調整し、接着剤組成物を得た。これを接着剤Aとした。
重合例2で得られたポリクロロプレンラテックスB100部に、サーフィノール465(日信化学工業社製、HLB値13)を0.5部、酸化亜鉛分散体(大崎工業社製AZ−SW)5部、ノクセラーZIX分散体2部を何れも固形分換算比率で加え、スリーワンモータで攪拌混合した。更に増粘剤(ローム&ハース製プライマルRM−8W)を適量加え、25℃、30rpmでの粘度を約3000mPa・sに調整し、接着剤組成物を得た。これを接着剤Bとした。
接着剤A100部に、硬化剤としてタケネートWD−725(三井ポリウレタン工業社製)3部を添加、撹拌した後、各種接着物性試験に供した。
硬化剤を加えた接着剤組成物について、硬化剤添加後にNo.30のバーコーターにて接着剤をゴムスポンジ表面に塗布し、塗布後の被着体表面の接着剤の弾き度合いを観察した。判定は、10cm×10cm範囲で接着剤が魚の目状に弾いた数を目視にて確認し、弾きがなかったものを◎、僅かに弾きがあったものを○、多数の弾きが合ったものを△、塗布斑が激しかったものを?とした。
厚さ3mmのCR/SBR製スポンジシートに接着剤組成物を80wet−g/m2の比率で塗布した。塗布後、直ちにジャージを貼り合わせ、130℃で50秒間、1.5mm厚のスペーサーを設置したプレス機でプレスした。積層シートは室温で24時間放置した後、幅20mmの短冊状試験片を切り出し引張り試験に供した。
常態接着強度の試験は、引っ張り試験機を用い、200mm/minの引張り速度でT型剥離試験を実施した。
耐水強度試験は、得られた試験片を2日間純水中に浸漬し、取り出した試験片表面の水分を拭き取った後、直ぐに引っ張り試験機でT型剥離試験を実施した。引張り速度は常態接着強度試験と同様に200mm/minとした。
耐溶剤性試験は、得られた試験片をトルエン中に2秒間浸漬後、表面のトルエンを拭き取り、直ちに引張り試験を実施した。引張り試験の条件は常態強度試験に準じた。
試験に用いたアセチレンジオール化合物をサーフィノール440(日信化学工業社製、HLB値が8)に変更した以外は、実施例1と同様に試験を実施し、実施例2とした。
試験に用いたアセチレンジオール化合物をダイノール604(日信化学工業社製、HLB値が8)に変更した以外は、実施例1と同様に試験を実施し、実施例3とした。
アセチレンジオール化合物を用いなかった以外は実施例1と同様に試験を実施し、比較例1とした。
試験に用いたアセチレンジオール化合物をサーフィノール485(日信化学工業社製、HLB値が17)に変更した以外は、実施例1と同様に試験を実施し、比較例2とした。
アセチレンジオール化合物の代わり表4に記載する化合物を用いた以外は、実施例1と同様に試験を実施し、比較例3とした。
ポリクロロプレンラテックスを重合例2で得られたポリクロロプレンラテックスBに変更した以外は、実施例1〜3と同様に試験を実施し、それぞれ実施例4〜6とした。
ポリクロロプレンラテックスを重合例2で得られたポリクロロプレンラテックスBに変更した以外は、比較例1〜6と同様に試験を実施し、それぞれ比較例7〜12とした。
Claims (8)
- ポリクロロプレンラテックス100質量部に対してアセチレンジアルコールのポリエーテル化物を0.1〜4質量部配合させた主剤と、ポリイソシアネート化合物を主成分とする硬化剤からなるポリクロロプレン2液型水性接着剤。
- ポリクロロプレンラテックスが、クロロプレンとカルボキシル基含有エチレン単量体の共重合体よりなることを特徴とする請求項1に記載のポリクロロプレン2液型水性接着剤。
- ポリクロロプレンラテックスの乳化重合に用いる乳化/分散剤が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポリクロロプレン2液型水性接着剤。
- ポリクロロプレンラテックスの乳化重合に用いる乳化/分散剤が、ポリビニルアルコール及びHLB値が14〜19であるポリオキシエチレンアルキルエーテルであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポリクロロプレン2液型水性接着剤。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の2液型水性接着剤組成物を用いて、スポンジ類と布類を貼り合わせて得られるスポンジ積層体。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の2液型水性接着剤組成物を用いて、スポンジ類と布類を貼り合わせることを特徴とするスポンジ積層体の製造方法。
- 請求項6に記載のスポンジ積層体を用いて縫製して得られるウェットスーツ。
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