JP2003183457A - 外部衝撃緩和性にすぐれた透明粘着剤組成物 - Google Patents

外部衝撃緩和性にすぐれた透明粘着剤組成物

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JP2003183457A
JP2003183457A JP2001383907A JP2001383907A JP2003183457A JP 2003183457 A JP2003183457 A JP 2003183457A JP 2001383907 A JP2001383907 A JP 2001383907A JP 2001383907 A JP2001383907 A JP 2001383907A JP 2003183457 A JP2003183457 A JP 2003183457A
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pressure
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Kazuhiko Miyauchi
和彦 宮内
Toshitsugu Hosokawa
敏嗣 細川
Yuichi Morimoto
雄一 森本
Yukiko Azumi
由起子 安積
Yoshihiro Hieda
嘉弘 稗田
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Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部衝撃緩和性の良好なアクリル系透明粘着
剤組成物を提供する。 【解決手段】 アクリル系単量体に、この単量体100
重量部あたり、有機化層状粘土鉱物4〜200重量部を
混合して、重合反応させるにあたり、上記混合後に外的
作用を付加して、有機化層状粘土鉱物の層間に上記単量
体の一部を挿入し、この挿入状態で重合反応させて、上
記単量体の重合体とこれに分散された上記粘土鉱物とを
含有し、かつ上記粘土鉱物の層間に上記重合体の一部が
挿入されて層間分離を起こしてなり、周波数10Hzで
せん断歪を加えたときの動的貯蔵弾性率の測定におい
て、歪量0.1%の動的貯蔵弾性率〔G1〕と歪量10
0%の動的貯蔵弾性率〔G2〕との比〔G1/G2〕が
2以上である外部衝撃緩和性にすぐれた透明粘着剤組成
物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系重合体
とこれに分散された有機化層状粘土鉱物とを含有する外
部衝撃緩和性にすぐれた透明粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイやプラズマディスプレ
イなどの表示装置に適用されるフィルターには様々な機
能が要求され、外部からの衝撃に対して表示基板を保護
する機能が要求される場合がある。表示基板を保護する
方法としては、表示基板の視認側にガラス基板などの透
明保護板を表示基板から空間を設けて設置する方法や、
外部衝撃を緩和する機能を持たせたフィルターを表示基
板に直接貼り合わせるなどの方法がある。このうち、透
明保護板を設ける方法は重量や取り扱い性、外部からの
光の映り込みなどの点で不利であるため、表示基板に貼
り合わせるフィルターに外部衝撃を緩和する機能を複合
する検討がなされている。
【0003】アクリル系重合体を主剤としたアクリル系
の粘着剤は、ゴム系の粘着剤などに比べて、透明性や耐
久性にすぐれることから、表示装置への各種部材の貼り
合わせに好適に用いられており、その粘弾性特性から、
外部衝撃を緩和する機能も、ある程度兼ね備えているこ
ともよく知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記アクリル
系の粘着剤は、通常の配合組成では外部衝撃緩和性の点
でなお十分なものとはいえなかった。そこで、フィラー
成分の配合などにより外部衝撃緩和性を改善することが
望まれるが、フィラー成分の配合は透明性の低下を引き
おこすことがあり、透明性の低下を引きおこさないフィ
ラー成分では外部衝撃緩和性の改善効果に乏しく、透明
粘着剤としての特性を維持したまま、外部衝撃緩和性を
改善することは容易なことではなかった。
【0005】本発明は、このような事情に照らし、アク
リル系重合体を主剤としたアクリル系の粘着剤を表示装
置などに有効利用するために、外部衝撃緩和性の改善さ
れた透明粘着剤組成物を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意検討した結果、アクリル系単量体
にフィラー成分として有機化層状粘土鉱物を混合し、こ
れを光重合などの重合反応に供して、アクリル系重合体
と上記粘土鉱物とを含有するアクリル系粘着剤を製造す
るにあたり、上記混合後に適宜の外的作用を付加して上
記粘土鉱物の層間に上記単量体を挿入(インターカレー
ション)し、この挿入状態で重合反応を行わせると、上
記粘土鉱物の層間に生成した重合体により粘土鉱物の層
間分離が起こり、上記粘土鉱物が生成重合体中に薄片状
(nmサイズ)に分散結着され、これによりアクリル系
本来の良好な透明性を維持でき、かつ単量体組成や有機
化層状粘土鉱物の量などにより、周波数10Hzでせん
断歪を加えたときの動的貯蔵弾性率の測定において、歪
量0.1%の動的貯蔵弾性率〔G1〕と歪量100%の
動的貯蔵弾性率〔G2〕との比〔G1/G2〕が2以上
となる外部衝撃緩和性の改善に好都合な動的粘弾性特性
が得られることがわかった。
【0007】なお、特開平7−90229号公報や特開
平8−245927号公報には、紫外線重合法における
粘度調整の目的で、アクリル系単量体に上記本発明の有
機化層状粘土鉱物に相当する疎水性層状粘土鉱物を添加
することが提案されている。しかし、アクリル系単量体
に上記粘度鉱物を添加するだけでは、紫外線重合にて生
成するアクリル系重合体中に上記粘土鉱物を薄片状(n
mサイズ)に分散結着させられず、結果として、透明性
の低下が起こり、また外部衝撃緩和性の改善に好都合な
動的粘弾性特性も得られない。上記の本発明では、添加
後に外的作用を付加して上記粘土鉱物の層間にアクリル
系単量体を挿入した状態で重合反応を行わせ、これによ
り上記薄片状の分散結着が可能となり、外部衝撃緩和性
が改善された透明粘着剤組成物を得ることにはじめて成
功したものである。
【0008】本発明は、以上の知見にもとづいて、完成
されたものである。すなわち、本発明は、アルキル基の
炭素数が2〜18個である(メタ)アクリル酸アルキル
エステル70〜100重量%とこれと共重合可能なモノ
エチレン性不飽和単量体30〜0重量%とからなる単量
体(つまり、アクリル系単量体)の重合体と、これに分
散された有機化層状粘土鉱物とを含有し、上記粘土鉱物
は、上記重合体100重量部あたり、4〜200重量部
の割合を占めるとともに、その層間に上記重合体の一部
が挿入されて層間分離を起こしており、周波数10Hz
でせん断歪を加えたときの動的貯蔵弾性率の測定におい
て、歪量0.1%の動的貯蔵弾性率〔G1〕と歪量10
0%の動的貯蔵弾性率〔G2〕との比〔G1/G2〕が
2以上であることを特徴とする外部衝撃緩和性にすぐれ
た透明粘着剤組成物に係るものである。
【0009】とくに、本発明は、上記の有機化層状粘土
鉱物が、層状粘土鉱物の交換性無機イオンを有機オニウ
ムイオンでイオン交換したものである上記構成の透明粘
着剤組成物、上記の有機オニウムイオンが有機アンモニ
ウムイオンである上記構成の透明粘着剤組成物、無機成
分の含有量が0.3〜60重量%である上記構成の透明
粘着剤組成物に係るものである。また、本発明は、支持
体上に上記構成の透明粘着剤組成物からなる粘着剤層を
設けたことを特徴とする粘着シートに係るものである。
なお、本明細書において、上記の粘着シートには、通常
幅広の粘着シートのほか、通常幅狭の粘着テープも含ま
れるものであり、さらに、粘着ラベルなどの各種の粘着
製品も含まれるものである。
【0010】さらに、本発明は、アルキル基の炭素数が
2〜18個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル
70〜100重量%とこれと共重合可能なモノエチレン
性不飽和単量体30〜0重量%とからなる単量体に、こ
の単量体100重量部あたり、有機化層状粘土鉱物4〜
200重量部を混合し、重合開始剤0.005〜5重量
部を用いて、重合反応させるにあたり、上記混合後に外
的作用を付加して、有機化層状粘土鉱物の層間に上記単
量体の一部を挿入し、この挿入状態で重合反応させるこ
とにより、上記構成の透明粘着剤組成物を製造すること
を特徴とする透明粘着剤組成物の製造方法に係るもので
ある。
【0011】とくに、本発明は、上記混合後の外的作用
が、せん断的外的作用または振動的外的作用である上記
構成の透明粘着剤組成物の製造方法に係るものである。
また、本発明は、上記の方法による重合反応を、支持体
上で行うことにより、上記構成の粘着シートを製造する
ことを特徴とする粘着シートの製造方法に係るものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(メタ)アク
リル酸アルキルエステルは、アクリル系単量体の主成分
となるものであり、好ましくは非ターシャリーアルキル
アルコールの単官能不飽和(メタ)アクリレートが用い
られ、アルキル基の炭素数が2〜18個のものから選ば
れる。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、
n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリ
レート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メ
タ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テ
トラデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メ
タ)アクリレートなどがあり、これらのうちの1種また
は2種以上が用いられる。
【0013】この(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体は、光学特
性や耐熱性などの物性の改質ために用いられる。たとえ
ば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)ア
クリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレー
ト、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸
などのカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸、
無水イタコン酸などの酸無水物モノマー、スチレンスル
ホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル
アミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンス
ルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロ
キシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有
モノマーなどがある。
【0014】また、(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドな
どのN−置換アミド系モノマー、(メタ)アクリル酸ア
ミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミ
ノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル
などの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モ
ノマー、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)
アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸ア
ルコキシアルキル系モノマー、N−(メタ)アクリロイ
ルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリ
ロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N
−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンス
クシンイミドなどのスクシンイミド系モノマーなども使
用できる。
【0015】さらに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、
ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジ
ン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロー
ル、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニル
モルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレ
ン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムな
どのビニル系モノマー、(メタ)アクリロニトリルなど
のシアノアクリレート系モノマー、(メタ)アクリル酸
グリシジルなどのエポキシ基含有モノマー、(メタ)ア
クリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸
ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキ
シエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポ
リプロピレングリコールなどのグリコール系アルキルエ
ステルモノマー、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフル
フリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メ
タ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレートな
どの(メタ)アクリル酸エステル系モノマ−なども使用
することがでてきる。
【0016】上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルとこれと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体の
使用割合は、主成分となる(メタ)アクリル酸アルキル
エステルが70〜100重量%、好ましくは85〜10
0重量%で、これと共重合可能なモノエチレン性不飽和
単量体が30〜0重量%、好ましくは15〜0重量%と
なるようにする。このような範囲で用いることにより、
接着性やクリープ特性(凝集力)などのバランスをうま
くとることができる。
【0017】本発明に用いられる有機化層状粘土鉱物
は、層状粘土鉱物を有機化処理して、アクリル系単量体
ひいてはその重合体との親和性を良くするようにしたも
のであり、通常は層状粘土鉱物の交換性無機イオンが有
機オニウムイオンによってイオン交換されたものが用い
られる。層状粘土鉱物には、モンモリロナイト、サポナ
イト、ヘクトライトなどのスメクタイト系粘土鉱物や、
バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカなどが
ある。層状粘土鉱物の陽イオン交換量は、層間に単量体
を挿入したのちの溶媒などとの親和性の観点より、50
〜200meq/100gの範囲に設定されているのが
望ましい。
【0018】イオン交換に使用する有機オニウムイオン
には、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、スル
ホニウムイオン、ホスホニウムイオンなどがあり、とく
に、有機アンモニウムイオンが好ましい。この有機アン
モニウムイオンとしては、ドデシルアミン、テトラデシ
ルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミンな
どの有機アミンを塩酸などによりカチオン化したアルキ
ルアミン塩酸塩や、テトラアルキルアンモニウム塩など
の4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0019】上記の有機アンモニウムイオンの中でも、
層間に単量体のインターカレートを生じさせやすく、ま
た重合反応により得られるアクリル系粘着剤中で良好に
分散しうるという点から、つぎの式(1); (式中、R1 〜R3 はメチル基またはエチル基のいずれ
かである。)で表される、分子内にポリオキシプロピレ
ン基を有する第4級アンモニウム塩が最も好ましく用い
られる。その他、分子内に長鎖アルキル基を有する第4
級アンモニウム塩なども、好ましく用いられる。
【0020】有機化層状粘土鉱物の生成は、層状粘土鉱
物中のナトリウムやマグネシウムなどの交換性無機イオ
ンを有機オニウムイオンでイオン交換することによって
行われるが、その際、層状粘土鉱物の陽イオン交換量と
当量の有機オニウムイオンを使用するのが望ましい。イ
オン交換時の溶媒には、層状粘土鉱物の分散性の点よ
り、水、アルコールなどのプロトン性溶媒が、好ましく
用いられる。
【0021】このようにして得られる有機化層状粘土鉱
物は、層状粘土鉱物の主成分であるシリケート層の層間
に、有機オニウムイオンが挿入され、イオン的な相互作
用でシリケート表面に吸着した、いわゆる、挿入(イン
ターカレーション)構造をとっている。この構造によ
り、単量体をその層間に呼び込みやすくなる。この挿入
構造は、広角または小角のX線散乱分析による層間間隔
の拡大の定量化、熱重量分析による有機含有量の定量化
により、追跡することができる。
【0022】このような挿入構造をとる有機化層状粘土
鉱物において、有機オニウムイオンの含有量は、通常、
20〜70重量%であるのが好ましい。有機オニウムイ
オンの含有量が20重量%未満となると、層間の極性が
高すぎ、単量体を呼び込みにくくなり、また70重量%
を超えると、粘着剤組成物中に有機オニウムイオンが多
量に存在することになり、耐熱性が低下する。
【0023】本発明においては、上記の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルまたはこれと共重合可能なモノエ
チレン性不飽和単量体とからなる単量体に対して、上記
の有機化層状粘土鉱物を、上記単量体100重量部あた
り、有機化層状粘土鉱物が4〜200重量部、好ましく
は10〜100重量部となるように、混合する。有機化
層状粘土鉱物が4重量部未満となると、外部衝撃緩和性
の改善効果が乏しくなり、また200重量部を超える
と、透明性が低下する。
【0024】本発明においては、上記混合後、これに外
的作用を付加して、有機化層状粘土鉱物の層間に単量体
の一部を挿入(インターカレーション)する。外的作用
は、せん断的外的作用または振動的外的作用が好まし
い。このうち、せん断的外的作用には、単量体に有機化
層状粘土鉱物を混合した分散液に対し、高いせん断力を
付与する方法、たとえばコロイドミル、ホモジナイザ、
ディスパなどの分散機を用いて分散処理する方法があ
る。振動的外的作用には、上記分散液を非常に強力な超
音波ホモジナイザにより振動処理する方法がある。
【0025】また、これら以外の外的作用として、熱的
外的作用や圧力的外的作用を付加するようにしてもよ
い。熱的外的作用には、上記分散液を単量体の沸点を超
えない程度の熱をかけることにより処理する方法があ
る。圧力的外的作用には、上記分散液をオートクレーブ
中に入れて0.1〜0.5MPa程度の圧力をかける方
法や、超臨界二酸化炭素を媒体として高圧下で処理する
方法などがある。
【0026】このように有機化層状粘土鉱物の層間に単
量体を挿入すると、この挿入により有機化層状粘土鉱物
の層間距離が拡大する。この層間距離の拡大は、広角ま
たは小角のX線散乱分析により定量的に分析することが
できる。また、分散液の透明性の向上(つまり、挿入前
の白濁状態から透明状態への変化)により、また分散液
の粘度の増大現象により、間接的、定性的に確認でき
る。
【0027】本発明においては、このように有機化層状
粘土鉱物の層間に単量体の一部を挿入したのち、この挿
入状態で、重合開始剤として光重合開始剤や熱重合開始
剤を用いた重合反応に供する。重合開始剤は、上記挿入
後に加えてもよいし、挿入前に加えてもよい。後者の場
合は、上記挿入時に単量体と一緒に重合開始剤も有機化
層状粘土鉱物の層間に挿入されることになる。
【0028】光重合開始剤としては、4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセ
トフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメト
キシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキ
シアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)−
フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1などのアセト
フェノン系化合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、アニゾインメチルエーテル
などのベンゾインエーテル系化合物、2−メチル−2−
ヒドロキシプロピオフェノンなどのα−ケトール系化合
物、ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合
物、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族ス
ルホニルクロリド系化合物、1−フェノンー1,1−プ
ロパンジオンー2−(o−エトキシカルボニル)オキシ
ムなどの光活性オキシム系化合物、ベンゾフェノン、ベ
ンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシ
ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物などが挙
げられる。
【0029】熱重合開始剤には、過酸化ベンゾイル、t
−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシ
ド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n
−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキ
シエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパー
オキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレ
ート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオ
キシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパー
オキシドなどの有機過酸化物、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン1
−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4
−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2′
−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4′−
アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2′−アゾ
ビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,
2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン)−2−イ
ル)プロパン〕などのアゾ系化合物がある。
【0030】これらの重合開始剤の使用量は、単量体1
00重量部あたり、0.005〜5重量部の範囲内にお
いて、その種類に応じて適宜選択される。光重合開始剤
は、通常0.005〜1重量部、とくに0.05〜0.
5重量部とするのがよい。過少では光重合後に未反応単
量体が多く残存して、接着界面において気泡の発生など
を生じやすく、過多となると光重合物中にこの光重合開
始剤が残存して、黄変などの原因となりやすい。熱重合
開始剤は、上記同様の理由により、通常0.01〜5重
量部、とくに0.05〜3重量部とするのがよい。
【0031】重合反応に供するにあたり、上記の重合開
始剤とともに、粘着剤の凝集力などを高めてせん断強さ
を増加させるための交叉結合剤(内部架橋剤)として、
分子内に(メタ)アクリロイル基を2個またはそれ以上
有する多官能(メタ)アクリレートを、必要により添加
してもよい。このような多官能(メタ)アクリレートに
は、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)ア
クリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレ
タン(メタ)アクリレートなどがある。
【0032】このような多官能(メタ)アクリレートの
使用量は、単量体100重量部あたり、通常0.01〜
5重量部、好ましくは0.05〜3重量部の範囲内で、
2官能の場合は多めに、3官能やそれ以上の多官能の場
合は少なめにするのよい。過少では光重合後の架橋度が
低くなり、接着界面で気泡が発生しやすくなり、過多と
なると接着力の低下をきたし、膨れなどが発生しやす
い。
【0033】重合反応は、重合開始剤の種類に応じて、
紫外線などの光重合法によるか、熱重合法により、行わ
れる。粘着シートヘの加工性や接着物性の観点からする
と、光重合法によるのがとくに好ましい。この光重合法
としては、窒素ガスなどの不活性ガスで置換した酸素の
ない雰囲気中で行うか、または紫外線透過性フィルムに
よる被覆で空気を遮断した状態で行うのが望ましい。
【0034】光重合法において、紫外線は、波長範囲が
約180〜460nm(ナノメートル)の電磁放射性で
あるが、これより長波長または短波長の電磁放射性であ
ってもよい。紫外線源には、水銀アーク、炭素アーク、
低圧水銀ランプ、中・高圧水銀ランプ、メタルハライド
ランプなどの照射装置が用いられる。紫外線の強度とし
ては、被照射体までの距離や電圧の調節により、適宜設
定することができる。照射時間(生産性)との兼ね合い
で、通常は、0.1〜7mw(ミリワット)/cm2 の光
を用いるのが望ましい。
【0035】このように重合反応させると、単量体の重
合の進行とともに、有機化層状粘土鉱物の層間に挿入さ
れた単量体の重合も同時に進行し、これに伴い層状粘土
鉱物の層間がさらに拡大し、層の剥離が促進される。そ
の結果、単量体の重合体と、これに分散された有機化層
状粘土鉱物とを含有し、上記粘土鉱物が、上記重合体1
00重量部あたり、4〜200重量部の割合を占めると
ともに、その層間に上記重合体の一部が挿入されて層間
分離を起こし、これにより上記粘土鉱物がnmサイズの
微小薄片として良好に分散された粘着剤組成物が得られ
る。
【0036】このような粘着剤組成物によると、上記粘
土鉱物が微小薄片として分散しているため、アクリル系
本来の透明性を維持でき、かつ外部衝撃緩和性の改善に
好都合な動的粘弾性特性が得られる。すなわち、周波数
10Hzでせん断歪を加えたときの動的貯蔵弾性率の測
定において、歪量0.1%の動的貯蔵弾性率〔G1〕と
歪量100%の動的貯蔵弾性率〔G2〕との比〔G1/
G2〕が2以上、好ましくは5以上(通常、200ま
で)となるように設定できる。
【0037】このように動的貯蔵弾性率の歪量変化の大
きい透明粘着剤組成物は、これを液晶ディスプレイやプ
ラズマディスプレイなどの表示装置における表示基板や
各種部品の貼り合わせに適用すると、上記被着体に良好
に密着して透明粘着剤としての機能を果たすとともに、
被着体である表示基板などを外部衝撃から保護するため
の緩衝部材として機能する。ここで、外部衝撃には、不
慮の急激な衝撃力や、装置構成的に継続的に加わる力な
ど、外部から加わるあらゆる負荷を指すものである。上
記の比〔G1/G2〕が2に満たない、動的貯蔵弾性率
の歪量変化の小さいものでは、上述のような機能を十分
に果たせない。
【0038】本発明において、上記の比〔G1/G2〕
を2以上の値に設定するには、前記構成において単量体
組成や有機化層状粘土鉱物の量などを適宜選択すればよ
く、これにより容易に上記値に設定することができる。
また、この設定をさらに容易にするため、必要により、
沸点が200℃以上で室温で液体である透明性の良好な
可塑剤を1種または2種以上配合するようにしてもよ
い。その配合量は、前記の単量体(ひいてはその重合
体)100重量部あたり、通常5〜300重量部、好ま
しくは10〜200重量部とするのがよい。
【0039】このような可塑剤としては、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル
酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブ
チルベンジル、フタル酸ジオクチル、ブチルフタリルブ
チルグリコレートなどのフタル酸系化合物、アジピン酸
ジイソブチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジ
イソデシル、アジピン酸ジブトキシエチルなどのアジピ
ン酸系化合物、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2
−エチルヘキシルなどのセバシン酸系化合物、リン酸ト
リエチレン、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルフェニルな
どのリン酸化合物、ジオクチルセバケート、メチルアセ
チルリシノレートなどの脂肪酸系化合物、ジイソデシル
−4,5−エポキシテトラヒドロフタレートなどのエポ
キシ系化合物、トリメリット酸トリブチル、トリメリッ
ト酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリn
−オクチル、トリメリット酸トリイソデシルなどのトリ
メリット酸系化合物、その他、オレイン酸ブチル、塩素
化パラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレンなどがあ
る。
【0040】本発明の透明粘着剤組成物には、上記した
重合体、有機化層状粘土鉱物および必要により配合され
る可塑剤のほかに、透明性や動的粘弾性特性などの特性
を損なわない範囲内で、さらに必要により、粘着付与
剤、老化防止剤、着色剤など、従来公知の各種の添加剤
を配合することができる。
【0041】この透明粘着剤組成物において、無機成分
の含有量は通常0.3〜60重量%、好適には1〜50
重量%、より好適には5〜40重量%であるのがよい。
ここで、無機成分とは、有機化層状粘土鉱物の無機成分
(通常、層状粘土鉱物の80〜30重量%)を指すが、
層状粘土鉱物以外の無機成分を添加する場合は、この無
機成分も含まれる。この無機成分の含有量が0.3重量
%未満となると、動的貯蔵弾性率の歪量変化が小さくな
り外部衝撃緩和性の改善効果に乏しくなり、また60重
量%を超えると、粘着特性や凝集力が低下し、また透明
性が低下する。なお、上記の無機成分の含有量は、熱重
量分析により、求めることができる。
【0042】本発明の透明粘着剤組成物は、これを支持
体上に所望厚さの粘着剤層として設けて、シート状やテ
ープ状などの粘着シートとすることができる。支持体に
は、剥離性支持体または非剥離性支持体がある。剥離性
支持体は、粘着シートの使用時に最終的に剥離される
が、非剥離性支持体は、粘着シートの使用時も剥離され
ることなくそのまま使用に供されるため、透明性である
ことが望まれる。
【0043】剥離性支持体には、たとえば、ポリエステ
ルフィルムなどの厚さが通常25〜125μmのプラス
チックフィルムの表面にシリコーン処理などの離型処理
を施したものなどが用いられる。また、非剥離性支持体
には、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポ
リテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエーテルエー
テルケトンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム
などの厚さが通常25〜125μmの透明性プラスチッ
クフィルムが用いられる。
【0044】このような粘着シートは、前記方法による
重合反応を、剥離性支持体または非剥離性支持体上で行
うことにより、容易に製造できる。すなわち、単量体に
有機化層状粘土鉱物を混合し、これに外的作用を付加し
て有機化層状粘土鉱物の層間に単量体の一部を挿入し、
これを剥離性支持体または非剥離性支持体の片面または
両面に塗布したのち、重合反応させることにより、粘着
シートを製造できる。また、剥離性支持体上で上記重合
反応を行い、透明粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成
したのち、これを非剥離性支持体の片面または両面に貼
り合わせることにより、粘着シートとすることもでき
る。
【0045】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重
量部を意味するものとする。また、以下の実施例で用い
た有機化層状粘土鉱物は、下記の方法により、調製した
ものである。
【0046】<有機化層状粘土鉱物の調製>式(1)で
表されるポリオキシプロピレン基を有する4級アンモニ
ウム塩(式中、R1 〜R3 はメチル基、nは25であ
る)、水およびエタノールを混合し、これをサポナイト
系層状粘土鉱物の水分散液に加えて撹拌した。析出した
固体をろ別し、凍結乾燥により水分の乾燥を行い、ワッ
クス状の有機化層状粘土鉱物を得た。この粘土鉱物は、
X線散乱分析による層間距離が42Å、熱重量分析によ
る有機アンモニウムイオンの含有量が60重量%であっ
た。
【0047】実施例1 有機化層状粘土鉱物12部と、2−エチルヘキシルアク
リレート100部を、ディスパーで1時間混合し、白濁
した分散液とした。この分散液に、超音波分散機(日本
精機製)により、500wの照射強度で約3分間の処理
を施し、外的作用を付加した。これにより分散液は白濁
から透明になった。X線散乱分析の結果、有機化層状粘
土鉱物の42Åのピークは消失しており、100Åを超
える低角側にブロードな広がりをみせるピークを観察し
た。これより、有機化層状粘土鉱物の層間に単量体が挿
入されていることを確認した。
【0048】このように外的作用を付加した分散液に、
その固形分100部あたり、光重合開始剤として1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー
コーポレーション製の「イルガキュア184」)0.3
部、交叉結合剤としてトリメチロールプロパントリアク
リレート0.2部を加え、均一に溶解した。この分散液
を、剥離性支持体として離型処理を施した厚さが50μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した
のち、窒素ガス雰囲気下、紫外線ランプにて、2,00
0mj/cm2 の紫外線を照射して、光重合させた。
【0049】このようにして、剥離性支持体上に、アク
リル系重合体とこれに分散された有機化層状粘土鉱物と
を含有し、かつ上記粘土鉱物の層間に上記重合体の一部
が挿入されて層間分離を起こした透明粘着剤組成物から
なる、厚さが1mmの粘着剤層を有する粘着シートを作製
した。粘着剤層のX線散乱分析により、光重合前の分散
液で観察した低角側のブロードなピークはさらに減少
し、有機化層状粘土鉱物の層間分離がさらに進行してい
ることを確認した。
【0050】実施例2 単量体組成を2−エチルヘキシルアクリレート50部お
よびドデシルアクリレート50部に変更し、有機化層状
粘土鉱物の使用量を24部に変更した以外は、実施例1
と同様にして、剥離性支持体上に透明粘着剤組成物から
なる厚さが1mmの粘着剤層を有する粘着シートを作製し
た。粘着剤層のX線散乱分析により、実施例1の場合と
同様に、光重合前の分散液で観察した低角側のブロード
なピークはさらに減少し、有機化層状粘土鉱物の層間分
離がさらに進行していることを確認した。
【0051】比較例1 有機化層状粘土鉱物の使用量を3部に変更した以外は、
実施例1と同様にして、剥離性支持体上に透明粘着剤組
成物からなる厚さが1mmの粘着剤層を有する粘着シート
を作製した。
【0052】比較例2 有機化層状粘土鉱物を使用せず、超音波分散機による外
的作用の付加を行わなかった以外は、実施例1と同様に
して、剥離性支持体上に透明粘着剤組成物からなる厚さ
が1mmの粘着剤層を有する粘着シートを作製した。
【0053】上記の実施例1,2および比較例1,2の
各粘着シートについて、以下の方法により、粘着剤層の
動的粘弾性特性および外部衝撃緩和性を調べた。これら
の結果は、表1に示されるとおりであった。
【0054】<動的粘弾性特性>動的粘弾性測定装置
(レオメトリックサイエンティフィックス社製の「AR
ES」)により、歪量変化モード(周波数10Hz)で
歪量0.05〜125%の動的貯蔵弾性率を測定し、歪
量0.1%の動的貯蔵弾性率〔G1〕と歪量100%の
動的貯蔵弾性率〔G2〕との比〔G1/G2〕を求め
た。
【0055】<外部衝撃緩和性>重さ510gの鋼球を
20cmの高さから床面に自由落下させ、床面が受ける衝
撃力を力センサーで測定し、F0とした。また、粘着シ
ートの粘着剤層に厚さが125μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルムを貼り合わせ、これを剥離性支持体
を剥離して床面に貼り付け、上記と同様にして鋼球を自
由落下させ、床面が受ける衝撃力を力センサーで測定
し、F1とした。この両測定値から、外部衝撃緩和率
を、(F0−F1)/F0、として求めた。
【0056】
【0057】上記表1の結果から、実施例1,2の粘着
シートは、剥離性支持体上に設けられた透明粘着剤組成
物からなる粘着剤層の動的貯蔵弾性率の歪量変化が大き
く、上記歪量変化の小さい比較例1,2の粘着シートに
比べ、外部衝撃緩和性にすぐれており、外部衝撃をうま
く緩和できるものであることがわかる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明は、アクリル系重
合体を主剤としこれに有機化層状粘土鉱物を薄片状に分
散結着させて、動的貯蔵弾性率の歪量変化の大きい特定
の動的粘弾性特性を有する構成としたことにより、表示
装置用などに適した外部衝撃緩和性の改善効果の大きい
透明粘着剤組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 雄一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 安積 由起子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 稗田 嘉弘 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA15X AA20X AA21X AA82 AA84 AA88 AH17 BB03 BB05 BB06 4J002 BB05W BB05X BB15W BB15X FD070 FD170 GJ02 4J004 AA10 AA18 AB01 CC02 FA04 FA05 4J040 DF041 DF051 HA356 JA09 JB09 KA11 LA06 QA01 QA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基の炭素数が2〜18個である
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜100重量
    %とこれと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体3
    0〜0重量%とからなる単量体の重合体と、これに分散
    された有機化層状粘土鉱物とを含有し、上記粘土鉱物
    は、上記重合体100重量部あたり、4〜200重量部
    の割合を占めるとともに、その層間に上記重合体の一部
    が挿入されて層間分離を起こしており、周波数10Hz
    でせん断歪を加えたときの動的貯蔵弾性率の測定におい
    て、歪量0.1%の動的貯蔵弾性率〔G1〕と歪量10
    0%の動的貯蔵弾性率〔G2〕との比〔G1/G2〕が
    2以上であることを特徴とする外部衝撃緩和性にすぐれ
    た透明粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 有機化層状粘土鉱物は、層状粘土鉱物の
    交換性無機イオンが有機オニウムイオンによってイオン
    交換されたものである請求項1に記載の透明粘着剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 有機オニウムイオンが有機アンモニウム
    イオンである請求項2に記載の透明粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 無機成分の含有量が0.3〜60重量%
    である請求項1〜3のいずれかに記載の透明粘着剤組成
    物。
  5. 【請求項5】 支持体上に請求項1〜4のいずれかに記
    載の透明粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けたことを
    特徴とする粘着シート。
  6. 【請求項6】 アルキル基の炭素数が2〜18個である
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜100重量
    %とこれと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体3
    0〜0重量%とからなる単量体に、この単量体100重
    量部あたり、有機化層状粘土鉱物4〜200重量部を混
    合し、重合開始剤0.005〜5重量部を用いて、重合
    反応させるにあたり、上記混合後に外的作用を付加し
    て、有機化層状粘土鉱物の層間に上記単量体の一部を挿
    入し、この挿入状態で重合反応させることにより、請求
    項1〜4のいずれかに記載の透明粘着剤組成物を製造す
    ることを特徴とする透明粘着剤組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 混合後の外的作用は、せん断的外的作用
    または振動的外的作用である請求項6に記載の透明粘着
    剤組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7の方法による重合反応
    を、支持体上で行うことにより、請求項5に記載の粘着
    シートを製造することを特徴とする粘着シートの製造方
    法。
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