JP4087232B2 - ガラス割れ防止用透明積層体とその梱包構造 - Google Patents

ガラス割れ防止用透明積層体とその梱包構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットパネルディスプレイ表示装置(たとえば、LCD、EL、PDPなど)においてパネルに直接装着されるガラス割れ防止用透明積層体と、その梱包構造とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラズマディスプレイ(PDP)表示装置は、図7に示すように、PDPパネル71の視認側にスペーサ兼アース72による空隙73を設けて強化ガラス板からなる透明前面板74を配置し、外部衝撃力がPDPパネル71に直接作用するのを防ぎ、PDP表示装置から発生する電磁波などをシールドしている。しかし、空隙73によって形成される空気層とPDPパネル71および透明前面板74との界面における光の屈折により、画像が2重に映る問題がある。また、透明前面板74は、外部衝撃力に耐えるように約2.5mm程度の厚さとされるため、重量が重く、また表示装置の薄型化に逆行する問題がある。
【0003】
これに対し、本件出願人は、既に、PDPパネルの視認側に緩衝性と密着性を有する耐熱性の透明樹脂シートを介して透明保護板を直接装着したことを特徴とするPDP表示装置を提案している(特許文献1参照)。このPDP表示装置によれば、前記従来のように、視認側に空気層がないため、画像の2重映りの問題などを回避できるというすぐれた効果が奏される。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−259770号公報(第2〜4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記提案では、透明保護板として硬質で厚手のガラス板やアクリル板を用いているため、これを透明樹脂シートを介してPDPパネルに装着する操作が容易でなく、また薄型化の問題やガラス板では重量の問題がなお残っていた。また、良好な耐衝撃性を得るため、透明樹脂シートとして、0.1〜5mm程度の厚さの(メタ)アクリル系粘着材料が好ましく用いられるが、この場合、PDPパネルへの装置作業中やその搬送中にシート側面に他の物体の接触による粘着剤欠けが生じやすく、装着作業に支障をきたす問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に照らし、ディスプレイパネルの視認側に直接装着することで空気層をなくし、2重映りの問題がなく、またその装着が容易で軽量化や薄型化にも寄与でき、しかも装着作業中やその搬送中に粘着剤欠けなどの支障をきたさない、ディスプレイパネルのガラス割れ防止効果が大きいガラス割れ防止用透明積層体とその梱包構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的に対し、鋭意検討した結果、剥離フィルム上に特定のガラス割れ防止層を剥離フィルムの周縁部を額縁状に残して設けるようにしたガラス割れ防止用透明積層体によると、これをディスプレイパネルに装着する作業中や搬送中において、剥離フィルムの額縁状周縁部がガラス割れ防止層のない状態とされているため、ガラス割れ防止層側面への各種物体の接触が可及的に防がれて、前記提案のような粘着剤欠けが低減されること、またこの剥離フィルムを剥離してディスプレイパネルの視認側に直接装着することにより、ディスプレイ表示装置の耐衝撃性が向上して、上記パネルのガラス割れ防止に大きな効果が得られ、この場合、直接装着のため、空気層による2重映りの問題がなく、また硬質で厚手のガラス板やアクリル板などの透明保護板を用いていないため、装着が容易で表示装置の軽量化や薄型化にも貢献できることがわかった。
【0008】
さらに、本発明者らは、上記構成のガラス割れ防止用透明積層体において、ガラス割れ防止層を設けていない剥離フィルムの額縁状周縁部に複数個の貫通孔を形成しておくことにより、この透明積層体を装着作業現場などに搬送する際に、搬送用ケース内に、この透明積層体の複数枚を、各貫通孔が積層方向で一致するように、つまりは、各貫通孔が連通するように積層し、これらの貫通孔に棒状物などの固定具を装着して各積層体を固定した状態として梱包すれば、ガラス割れ防止層側面への各種物体の接触が確実に防がれて、搬送中のガラス割れ防止層側面の粘着剤欠けの発生をより低減できるものであることもわかった。
【0009】
本発明は、このような知見をもとにして、完成されたものである。
すなわち、本発明は、剥離フィルム上に、20℃での動的貯蔵剪断弾性率G′が1×107Pa以下であるガラス割れ防止層が、剥離フィルムの四辺周縁部を各辺の幅が5 mm を超えるように額縁状に残して、設けられていると共に、剥離フィルムにおけるガラス割れ防止層が設けられていない額縁状周縁部の少なくとも一対の対向辺に一辺あたり少なくとも1個の貫通孔が形成されていることを特徴とするガラス割れ防止用透明積層体に係るものである。
とくに、本発明は、ガラス割れ防止層の厚さが0.1〜5mmである上記構成のガラス割れ防止用透明積層体、ガラス割れ防止層が粘着性を有する上記構成のガラス割れ防止用透明積層体、ガラス割れ防止層の表面に反射防止または(低反射)写り込み防止フィルムあるいは保護フィルムが貼り合わされている上記構成のガラス割れ防止用透明積層体、を提供できるものである。
【0010】
また、本発明は搬送用ケース内に、上記ガラス割れ防止用透明積層体の複数枚を、各剥離フィルムの額縁状周縁部に形成された貫通孔が連通するように積層して、この貫通孔に固定具を装入して各積層体を固定し、梱包することを特徴とするガラス割れ防止用透明積層体の梱包構造係るものである。
また、本発明は、PDPパネル(プラズマディスプレイパネル)に、前記構成のガラス割れ防止用透明積層体を、その剥離フィルムを剥離して、直接装着したことを特徴とするPDP表示装置に係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参考にして説明する。
図1および図2は、本発明のガラス割れ防止用透明積層体の一例を示したものであり、図1は断面図、図2は上面図である。
【0012】
図において、ガラス割れ防止用透明積層体1は、剥離フィルム11上の剥離処理面に、ガラス割れ防止層12が、剥離フィルム11の四辺周縁部を額縁状に残して、設けられており、その上にさらに反射防止または(低反射)写り込み防止フィルム13が設けられた構成となっている。また、剥離フィルム11の上記額縁状周縁部には、貫通孔11aが形成されている。
【0013】
剥離フィルム11は、剥離性とともに、平滑性、耐熱性および機械的強度を備えてなるものである。具体的には、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース、ポリノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルフォンなどの1層または2層以上からなるプラスチックフィルムの単体、またはこのフィルムにシリコーン処理、フッ素処理、長鎖アルキル処理などの公知の剥離処理を施したものが用いられる。
【0014】
この剥離フィルム11は、取り扱い性や打ち抜き(ハーフカット)性などの点より、通常25〜500μm、好ましくは50〜200μmであるのがよい。また、ガラス割れ防止層12が設けられない額縁状の四辺周縁部は、各辺(長辺および短辺)の幅が、取り扱い性や搬送性の点より好ましくは5mmを超えているのがよく、この部分のガラス割れ防止層12をハーフカットして取り除くというコスト的な面より、100mm以下であるのがよい。
【0015】
また、この剥離フィルム11において、額縁状の四辺周縁部に形成される貫通孔の数は、ガラス割れ防止用透明積層体1の梱包時の固定性の点より、図2に示されるように少なくとも一対の対向辺に形成されて、一辺あたり少なくとも1個以上であるのがよく、好ましくは長辺側に2個以上形成されているのがよい。貫通孔の形状は、円状や楕円状などの任意の形状とすることができ、その大きさは、これに棒状物やチャックなどの固定具を装入してガラス割れ防止用透明積層体1を固定する観点より、上記固定具に応じて適宜設定される。
【0016】
ガラス割れ防止層12は、ディスプレイ表示装置の視認性を阻害しない、良好な透明性(光透過性)として、60%以上の可視光線透過率を有するとともに、20℃での動的貯蔵剪断弾性率G′が1×107 Pa以下であることが必要で、好ましくは7×106 〜1×103 Paであるのがよい。
【0017】
上記範囲の動的貯蔵剪断弾性率G′を有していると、その打ち抜きや裁断加工性に支障をきたすことなく、またエッジ部のはみ出しなどの問題を起こすことなく、外部衝撃を良好に吸収緩和して、ディスプレイパネルのガラス割れを効果的に防止できる。動的貯蔵剪断弾性率G′が1×107 Paを超えると、約500gの鋼球(直径約50mm)を10cmの高さから落下させたときの衝撃エネルギー(0.5J)に耐えられず、ガラス割れを防止できない。また、動的貯蔵剪断弾性率G′が低すぎると、柔らかくなりすぎてシート化などの打ち抜きや裁断時に加工しにくく、エッジ部のはみ出しなども起こりやすい。
【0018】
このガラス割れ防止層12の厚さとしては、0.1〜5mmであるのがよく、とくに好ましくは0.2〜3mmであるのがよい。厚さが0.1mmに満たないときには、衝撃緩和能力が低下し、ディスプレイ表示装置のガラス割れ防止効果が損なわれ、安全性などの点で問題を生じやすい。また、厚さが5mmを超えると、ディスプレイ表示装置への貼り付け作業、つまり装着作業が損なわれたり、視認性が低下し、画像の揺らぎを生じたり、鮮明度の低下を引き起こしやすい。
【0019】
このような特性を備えたガラス割れ防止層12は、その材料にとくに限定はないが、好ましくは、透明な粘着性材料を使用するのがよい。たとえば、アクリル系、ゴム系、ポリエステル系、シリコーン系などの粘着性材料を使用できる。これらの粘着性材料は、熱架橋タイプであってもよいし、光(紫外線や電子線)架橋タイプのものであってもよい。これらの粘着性材料の中でも、とくに透明性の高いアクリル系の粘着性材料が好ましく用いられる。
【0020】
アクリル系の粘着性材料としては、アクリル系ポリマーに必要により適宜の添加剤を含ませてなるものが用いられる。上記のアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに必要により光学特性や耐熱性などの物性改質を目的として共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体を加え、これらを重合処理することにより、得ることができる。粘着性や耐熱性の調整を目的として、必要により適宜の架橋処理を施してもよい。
上記の重合処理は、たとえば、溶液重合方式、乳化重合方式、懸濁重合方式、塊状重合方式などの公知の重合方式により、重合開始剤として光重合開始剤や熱重合開始剤を用いて、重合反応させればよい。
【0021】
単量体の主成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステルには、アルキル基の炭素数が1〜18個、好適には4〜12個である直鎖状または分岐状のものとして、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上が用いられる。
【0022】
共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体は、光学特性や耐熱性などを改質するため、必要により用いられるものである。具体的には、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有モノマーなどが挙げられる。
【0023】
また、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマーなども改質目的のモノマー例として挙げられる。
【0024】
さらに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピベラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマーなども使用することができる。
【0025】
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体の使用割合は、主成分となる(メタ)アクリル酸アルキルエステルが60〜100重量%、好ましくは85〜100重量%で、これと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体が40〜0重量%、好ましくは15〜0重量%となるようにするのがよい。このような使用割合で用いることにより、得られるアクリル系ポリマーを主剤としたガラス割れ防止層材は、衝撃力緩和特性にすぐれたものとなり、また粘着性が付与されたものとなる。
【0026】
なお、上記単量体のほかに、凝集力などを高めてせん断強さを増加させるための交叉結合剤(内部架橋剤)として、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個またはそれ以上有する多官能(メタ)アクリレートを、必要により加えてもよい。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0027】
このような多官能(メタ)アクリレートの使用量は、単量体100重量部あたり、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の範囲内で、2官能の場合は多めに、3官能やそれ以上の多官能の場合は少なめにするとよい。過少では重合後の架橋度が低くなり、接着界面で気泡が発生しやすくなり、過多となると接着力などの低下をきたし、膨れなどが発生しやすい。
【0028】
光重合開始剤としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)−フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系化合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニゾインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどのα−ケトール系化合物、ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合物、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物、1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
【0029】
熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドなどの有機過酸化物や、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4′−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2′−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕などのアゾ系化合物などが挙げられる。
【0030】
これらの重合開始剤の使用量は、単量体100重量部あたり、0.005〜5重量部の範囲内において、その種類に応じて適宜選択される。光重合開始剤は、通常0.005〜1重量部、とくに0.05〜0.5重量部とするのがよい。過少では光重合後に未反応単量体が多く残存して、接着界面において気泡の発生などを生じやすく、過多となると光重合後にこの光重合開始剤が残存して、黄変などの原因となりやすい。熱重合開始剤は、上記同様の理由により、通常0.01〜5重量部、とくに0.05〜3重量部とするのがよい。
【0031】
重合反応は、重合開始剤の種類に応じて、紫外線などの光重合法によるか、熱重合法により行われる。シートへの加工性や粘着性などの観点からすると、光重合法によるのがとくに好ましい。この光重合法としては、窒素ガスなどの不活性ガスで置換した酸素のない雰囲気中で行うか、または紫外線透過性フィルムによる被覆で空気と遮断した状態で行うのが望ましい。
【0032】
光重合法において、紫外線は波長範囲が約180〜460nmの電磁放射線であるが、これより長波長または短波長の電磁放射線であってもよい.紫外線源には、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中・高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの照射装置が用いられる。紫外線の強度は、被照射体までの距離や電圧の調整により、適宜設定できる。照射時間(生産性)との兼ね合いで、通常は0.5〜10J/cm2 の積算光量を用いるのがよい。ガラス割れ防止層の厚さが0.2mm以上となると、重合熱によりうねりを生じることがあるが、光重合時に液体窒素蒸気により冷却することで上記うねりを抑制できる。
【0033】
このようなアクリル系ポリマーを主剤としたアクリル系の粘着性材料や、その他の透明な粘着性材料には、必要により、室温で液体である透明性の良好な可塑剤を1種または2種以上配合することができる。その配合量は、アクリル系ポリマーをはじめとするポリマー材料100重量部あたり、通常5〜300重量部、好ましくは10〜200重量部とするのがよい。
【0034】
このような可塑剤としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジオクチル、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸系化合物、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブトキシエチルなどのアジピン酸系化合物、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸系化合物、リン酸トリエチレン、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルフェニルなどのリン酸化合物、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレートなどの脂肪酸系化合物、ジイソデシル−4,5−エポキシテトラヒドロフタレートなどのエポキシ系化合物、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソデシルなどのトリメリット酸系化合物、その他、オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリブテン、ポリイソブチレンなども挙げられる。
【0035】
上記構成の粘着性材料には、透明性を損なわない範囲で、必要により、近赤外線吸収特性を有する顔料や染料などの色素、粘着付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズなどの、各種の添加剤を適宜配合することもできる。また、微粒子を含有させることにより、光拡散性を示すガラス割れ防止層とすることもできる。
【0036】
また、ガラス割れ防止層12としては、上記した粘着性材料のほか、透明な有機高分子物質と有機化層状粘土鉱物との複合材料で構成するようにしてもよい。この複合材料によると、外部衝撃をより良好に吸収緩和して、ディスプレイパネルのガラス割れをより効果的に防止することができる。
【0037】
上記の複合材料において、透明な有機高分子物質としては、フィルム成形加工が可能な透明な有機高分子樹脂またはゴムであって、有機化層状粘土鉱物を分散できるものであればよい。もちろん、外部衝撃を良好に吸収緩和させるために、好ましくは、20℃での動的貯蔵剪断弾性率が前記範囲内であることが必要で、とくに好適には6×106 Pa以下(実用的には1×105 〜1×103 Pa)であるものがよい。具体的には、ポリウレタン系、ポリエステル系、アクリル系などの樹脂や、天然ゴム、ブチルゴムなどのゴムなどが用いられる。これらの中でも、耐熱性、耐湿信頼性、透明性、加工性、有機層状粘土鉱物との親和性などの面で、アクリル系樹脂がとくに有用である。
【0038】
また、有機化層状粘土鉱物は、層状粘土鉱物を有機化処理して有機高分子物質との親和性を良くしたもので、通常は、層状粘土鉱物の交換性無機イオンが有機オニウムイオンでイオン交換されることにより、得られる。層状粘土鉱物には、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカなどがある。層状粘土鉱物の陽イオン交換量は、層間に挿入される有機高分子物質との親和性の点より、50〜200meq/100gの範囲に設定されているのがよい。
【0039】
イオン交換に使用する有機オニウムイオンには、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオンなどがあり、とくに、有機アンモニウムイオンが好ましい。この有機アンモニウムイオンとしては、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミンなどの有機アミンを塩酸などによりカチオン化したアルキルアミン塩酸塩や、テトラアルキルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0040】
有機化層状粘土鉱物の生成は、層状粘土鉱物のナトリウムやマグネシウムなどの交換性無機イオンを有機オニウムイオンでイオン交換することにより行われるが、その際、層状粘土鉱物の陽イオン交換量と当量の有機オニウムイオンを使用するのが望ましい。イオン交換時の溶媒には、層状粘土鉱物の分散性の点より、水、アルコールなどのプロトン性溶媒が、好ましく用いられる。
【0041】
このようにして得られる有機化層状粘土鉱物は、層状粘土鉱物の主成分であるシリケート層の層間に、有機オニウムイオンが挿入され、イオン的な相互作用でシリケート表面に吸着した、いわゆる、挿入(インターカレーション)構造をとっている。この構造により、有機高分子物質をその層間に呼び込みやすくなる。この挿入構造は、広角または小角のX線散乱分析による層間間隔の拡大の定量化、熱重量分析による有機含有量の定量化により、追跡できる。
【0042】
このような挿入構造をとる有機化層状粘土鉱物において、有機オニウムイオンの含有量は、通常、20〜70重量%であるのが好ましい。有機オニウムイオンの含有量が20重量%未満となると、層間の極性が高すぎ、有機高分子物質を呼び込みにくくなり、また70重量%を超えると、複合材料中に有機オニウムイオンが多量に存在することになり、耐熱性が低下する。
【0043】
有機高分子物質と有機化層状粘土鉱物との複合材料は、▲1▼有機高分子物質と有機化層状粘土鉱物とを1軸または2軸押出機、2本ロール、ニーダーなどの溶融混練機により溶融混練する方法、▲2▼有機高分子物質と有機化層状粘土鉱物との両成分に良好な親和性を有する有機溶媒中に、上記両成分を分散し混合したのち、有機溶媒のみを取り除く方法、▲3▼有機化層状粘土鉱物の層間に、有機高分子物質形成用の単量体や重合開始剤などの一部を挿入(インターカレーション)し、この挿入状態のまま熱や光などの作用により重合反応させて、有機高分子物質と上記粘土鉱物との複合材料を得る方法などにより、調製できる。
【0044】
これらの中でも、上記▲3▼の方法によると、複合材料中での有機化層状粘土鉱物の分散性が良好となり、透明性にすぐれる複合材料を得られるので、望ましい。以下、上記▲3▼の方法により、有機高分子物質であるアクリル系樹脂と有機化層状粘土鉱物との複合材料を調製する方法について、説明する。
【0045】
この方法は、たとえば、アクリル系単量体、重合開始剤、有機化層状粘土鉱物および有機溶媒からなる混合物に、あらかじめ外的作用を付加して、有機化層状粘土鉱物の層間に上記単量体と重合開始剤の一部を有機溶媒とともに挿入し、その後、脱溶媒したのち、重合反応に供するものである。この方法では、上記粘土鉱物の層間に生成したアクリル系樹脂により上記粘土鉱物の層間分離が起こり、層間の距離が10nm以上という微細に分散した、アクリル系樹脂と上記粘土鉱物とのコンポジッドからなる高い透明性を維持した複合材料が得られる。
【0046】
アクリル系単量体には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、必要によりこれと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体が併用される。上記の主成分としては、好ましくは非ターシャリーアルキルアルコールの単官能不飽和(メタ)アクリレートで、アルキル基の炭素数が2〜14個のものから選ばれる。具体的には、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。
【0047】
このような主成分と共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体としては、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合させることにより、官能基や極性基の導入による耐熱性や接着性の改善,改質のために用いられる。たとえば、アクリル酸、イタコン酸、スルホプロピルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、シアノアルキルアクリレート、アクリルアミド、置換アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、アクリロニトリル、2−メトキシエチルアクリレート、アクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドンなどが挙げられ、目的に応じて1種または2種以上が用いられる。
【0048】
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体の使用割合としては、主成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが70〜100重量%、好ましくは85〜100重量%で、これと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体が30〜0重量%、好ましくは15〜0重量%となるようにする。このような範囲で用いることにより、接着性や耐熱性などのバランスをうまくとることができる。
【0049】
有機化層状粘土鉱物は、上記のアクリル系単量体100重量部あたり、通常、1〜150重量部となる使用量とするのがよい。これにより、重合反応で生成するアクリル系樹脂100重量部に対して、有機化層状粘土鉱物が、通常1〜150重量部となり、透明性およびガラス割れ防止効果の大きい複合材料を得ることが可能となる。これに対し、有機化層状粘土鉱物が過少では衝撃緩和能に乏しくなり、過多となると透明性が低下する。
【0050】
重合開始剤には、光重合開始剤や熱重合開始剤がある。
光重合開始剤は、光によりラジカルを発生する開始剤であり、具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル類、アニゾインメチルエーテルなどの置換ベンゾインエーテル類、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェノンアセトフェノンなどの置換アセトフェノン類、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換−α−ケトール類、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド類、1−フェノンー1,1−プロパンジオンー2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム類がある。
【0051】
熱重合開始剤は、熱によりラジカルを発生する開始剤であり、具体的には、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系化合物や、有機過酸化物が挙げられ、とくに有機過酸化物を使用すると、接着力と凝集力との改善に好結果がもたらされる。このような有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどがある。
【0052】
これらの重合開始剤の使用量は、アクリル系単量体100重量部あたり、0.005〜5重量部の範囲内において、その種類に応じて適宜選択される。光重合開始剤は、好ましくは0.05〜3重量部とするのがよい。過少では光重合後に未反応単量体が多く残存して、接着界面において気泡の発生などを生じやすく、過多となると光重合物中にこの光重合開始剤が残存して、黄変などの原因となりやすい。熱重合開始剤は、上記同様の理由により、通常0.01〜5重量部、とくに0.05〜3重量部とするのがよい。
【0053】
有機溶媒は、アクリル系単量体や重合開始剤を溶解して、これらを有機化層状粘土鉱物の層間に挿入しやすくし、挿入後は重合反応に供する前に減圧や加熱などにより取り除かれるものであり、上記の挿入促進作用により上記粘土鉱物の使用量を多くしたときでも、生成するアクリル系樹脂に上記粘土鉱物が良好に分散し、透明性とガラス割れ防止効果とを両立する複合材料の製造が可能となる。
【0054】
このような有機溶媒としては、有機化層状粘土鉱物を湿潤膨潤させる能力と、アクリル系単量体を溶解する能力とを有し、減圧や加熱などにより容易に除去可能なものであればよく、その種類はとくに限定されない。具体的には、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノールなどが挙げられ、とくにトルエンや酢酸エチルなどが好ましい。
【0055】
このようなアクリル系単量体、重合開始剤、有機化層状粘土鉱物および有機溶媒からなる混合物に対し、外的作用を付加して、上記粘土鉱物の層間に上記単量体、重合開始剤および有機溶媒の一部を挿入するが、上記の外的作用としては、剪断的外的作用または振動的外的作用が好ましい。剪断的外的作用には、上記の混合物からなる分散液に対して、高い剪断力を付与する方法、たとえばコロイドミル、ホモジナイザー、ディスパーなどの分散機を用いて分散処理する方法がある。また、振動的外的作用には、上記分散液を非常に強力な超音波ホモジナイザーにより振動処理する方法がある。
【0056】
また、これら以外の外的作用として、熱的外的作用や圧力的外的作用を付加するようにしてもよい。熱的外的作用には、上記分散液を単量体や有機溶媒の沸点を超えない程度の熱をかけることにより処理する方法がある。圧力的外的作用には、上記分散液をオートクレープ中に入れて1〜5Kg/cm2 程度の圧力をかける方法や、超臨界二酸化炭素を媒体として高圧下で処理する方法などがある。
【0057】
このように有機化層状粘土鉱物の層間にアクリル系単量体、重合開始剤および有機溶媒の一部を挿入すると、有機化層状粘土鉱物の層間の距離が拡大し、この層間の距離が、通常10nm以上となる。このような層間の距離の拡大は、広角または小角のX線散乱分析により、定量的に分析できる。また、分散液の透明性の向上(つまり、挿入前の白濁状態から透明状態への変化)により、さらには分散液の粘度の増大現象などにより、間接的、定性的に確認できる。
【0058】
このように有機化層状粘土鉱物の層間にアクリル系単量体、重合開始剤および有機溶媒の一部を挿入したのち、脱溶媒して、重合反応に供する。上記の脱溶媒は、加熱乾燥、減圧乾燥、噴霧乾燥などの手段を用いて、行えばよく、これにより、混合物中の有機溶媒をほぼ除去できる。重合後の複合材料中に有機溶媒が残存すると、使用時に溶媒の揮散に起因した腐食や汚損、透明性の低下などの問題を生じやすく、できるだけ除去するのが望ましい。
【0059】
なお、上記脱溶媒を行う前の混合物中に、複合材料の凝集力などを高めて剪断強さを増加させるための交叉結合剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個またはそれ以上有する多官能(メタ)アクリレートを、必要により添加しておいてもよい。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0060】
このような多官能(メタ)アクリレートの使用量は、アクリル系単量体100重量部あたり、通常0.02〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の範囲内で、2官能の場合は多めに、3官能やそれ以上の多官能の場合は少なめにするのがよい。過少では光重合後の架橋度が低くなり、上記の効果が十分に得られず、また過多となるとガラス割れ防止効果の低下が起こりやすい。
【0061】
重合反応は、重合開始剤の種類に応じて、紫外線などの光重合法によるか、熱重合法により、行われる。複合材料のシートへの加工性などの観点からすると、光重合法によるのが好ましい。このように重合反応させると、アクリル系単量体の重合の進行とともに、有機化層状粘土鉱物の層間に挿入されたアクリル系単量体の重合も同時に進行し、これに伴い層状粘土鉱物の層間がさらに拡大し、層の剥離が促進される。その結果、生成したアクリル系樹脂とこれに分散した有機化層状粘土鉱物とからなり、その層間にアクリル系樹脂の一部が挿入されて層間分離を起こし、層間の距離が10nm以上となる複合材料が得られる。
【0062】
すなわち、この複合材料は、アクリル系樹脂中に上記粘土鉱物がnmサイズの微小薄片として良好に分散したものであるため、上記粘土鉱物の補強作用によりガラス割れ防止効果にすぐれたものとなり、かつ高いレベルの透明性を維持し、とくに上記粘土鉱物がモンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのサイズのもともと小さなものでは格段にすぐれた透明性を維持する。具体的には、全光線透過率が80%以上となる程度である。
なお、この複合材料には、上記のアクリル系樹脂および有機化層状粘土鉱物のほかに、上記の特性を損なわない限り、必要により、粘着付与剤、老化防止剤、着色剤などの各種の添加剤を添加することができる。
【0063】
この複合材料において、無機成分の含有量は3〜25重量%であるのがよい。ここで、無機成分とは、有機化層状粘土鉱物の無機成分(通常、層状粘土鉱物の80〜30重量%)を指すが、層状粘土鉱物以外の無機成分を添加する場合は、この無機成分も含まれる。この無機成分の含有量が過少では、割れ防止効果などの衝撃緩和能に乏しくなり、また過多となると、透明性が低下する。なお、上記の無機成分の含有量は、熱重量分析により、求めることができる。
【0064】
ガラス割れ防止層12は、上記の複合材料を適宜の手段でシート化したものである。シート化するには、たとえば、前記方法による脱溶媒および重合反応を、剥離フィルム上で行うようにすればよい。すなわち、アクリル系単量体に有機化層状粘土鉱物および重合開始剤を有機溶媒とともに混合し、これに外的作用を付加して、有機化層状粘土鉱物の層間にアクリル系単量体、重合開始剤および有機溶媒の一部を挿入し、この混合物を適宜の剥離フィルム上に塗布したのち、脱溶媒し、重合反応させることにより、シート化することができる。
【0065】
本発明において、ガラス割れ防止層12は、上記の複合材料を含めて、それ自体が粘着性(感圧接着性)を有していることにより、その上に、反射防止または(低反射)写り込み防止フィルム13を容易に貼り合わせできるとともに、透明積層体1の使用にあたり、剥離フィルム11を剥離して、PDPパネルの視認側に直接貼り付けることにより、上記パネルに容易に装着できる。
【0066】
ここで、粘着性の程度は、90°剥離粘着力として、0.3N/25mm幅以上、好ましくは1.0N/25mm幅以上であるのがよい。また、リワークのため、貼り付け後、容易に剥離できる再剥離性を有しているのが望ましい。この再剥離性の程度は、80℃に40日間放置後の90°剥離粘着力として、10N/25mm幅以下、好ましくは8N/25mm幅以下であるのがよい。
なお、ガラス割れ防止層12自体が上記粘着性(再剥離性)を持たない材料で構成されているときは、上記粘着性(再剥離性)を有する別の粘着剤をガラス割れ防止層12の片面または両面に設けることができる。
【0067】
反射防止または(低反射)写り込み防止フィルム13は、ガラス割れ防止層12上に設けられて、透明積層体1をディスプレイパネルの視覚側に直接装着したとき、外光の反射防止、写り込み防止または低反射写り込み防止の機能を果たして、ディスプレイ表示装置の画像表示の劣化を防ぐものである。
【0068】
このような効果を発揮させる反射防止または(低反射)写り込み防止フィルム13は、厚さが0.01〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.3mmの範囲にあるのがよい。一般には、透明性が良好なポリエステルフィルムなどを透明基材とし、これに可視光反射率が5%以下、好ましくは3%以下となる反射防止処理を施したもの、上記同様の透明基材にヘイズ値が50%以下となるアンチグレア(写り込み防止)処理を施したもの、上記同様の透明基材に低反射処理したアンチグレア(写り込み防止)処理を施したものが用いられる。各処理の方法には限定はなく、公知の方法を用いて行えばよい。また、上記の各処理を施した市販のフィルムを用いてもよい。さらに、帯電防止処理、防汚染処理、紫外線吸収処理などの適宜の処理を施したものを使用してもよい。
【0069】
なお、電磁波や近赤外線(800〜1,200nm)をシールドする機能、染料や顔料などの色素材料を用いて可視光域における色調整を行う機能が必要な場合は、上記フィルム13自体にこれらの機能を付加させるか、上記フィルム13の下部にこれらの機能を付加させるようにしてもよい。また、このような機能を有する機能性フィルムを用いて、これを上記フィルム13に隣接して、通常は上記フィルム13の内側に、積層してもよい。さらには、ガラス割れ防止層12中に上記機能を付加させるようにしてもよい。
【0070】
電磁波シールドフィルムとしては、たとえば、42インチのプラズマディスプレイ単体からの放射電界強度が40〜50dBμV/mである場合、10dB以上、好ましくは20dB以上の電磁波シールド効果が必要である。つまり、30〜1,000MHz、とくに30〜230MHzにおいて、VCCI規制値(10m法)では、クラスAで40dBμV/m以下であり、マージン6〜7dBを考えると、プラズマディスプレイ単体からの放射電界強度が40〜50dBμV/mに対し、シールド効果が10dB以上、好ましくは20dB以上であるのがよい。相対値として、シールド効果10dB以上に必要な表面抵抗値は10Ω/cm2 以下であり、好ましくは5Ω/cm2 以下であるのがよい。
【0071】
このような電磁波シールドフィルムは、透明基材上に、電磁波シールド層として、繊維に無電解メッキした金属メッシュ、パターニングした金属メッシュ、導電性微粒子をパターニング印刷した金属メッシュ、金属薄膜と透明薄膜との透明導電性多層膜などを、設けたものなどが用いられる。
上記の透明基材としては、可視光線透過率が70%以上の透明性を有し、機械的強度にすぐれ、耐熱性の良好であるプラスチック、たとえば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、トリアセチルセルロース、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルフォンなどの1層または2層以上からなるフィルムが用いられる。
【0072】
なお、電磁波シールドフィルムは、プラズマディスプレイ本体とのアース接続が必要であり、金属ペースト法、導電性テープなど、上記本体とのアース接続ができればとくに限定はない。通常は、ガラス割れ防止用透明積層体1の最表面の周縁部にアースが設けられており、このアースを介し上記本体と電磁波シールドフィルムとのアース接続が行えるようになっている。
【0073】
また、近赤外線をシールドするため、公知の色素による選択吸収、金属薄膜と透明薄膜との透明導電性多層膜、Cuに配位した燐酸系アクリル樹脂などを使用して、PDP表示装置から発生する近赤外線(800〜1,200nm)の透過率が20%以下となるようにすることができる。さらに、他の機能として、PDP表示装置の色再現性を向上させるため、染料や顔料などの色素材料を用いて、PDP表示装置からのNe発光を選択的に吸収し、かつ透明積層体1の透過色がニュートラルグレイまたはニュートラルブルーになるように、透過率調整あるいは色調整ないし色補正する機能を付加してもよい。これらの機能は前記した各構成要素や透明粘着剤中に適宜組み込むこともできる。
【0074】
本発明において、上記構成のガラス割れ防止用透明積層体1は、剥離フィルム11上の全面にガラス割れ防止層12と反射防止または(低反射)写り込み防止フィルム13を設けたのち、これを公知技術であるトムソン刃などによるハーフカット打ち抜きあるいは一枚刃などでのハーフカットにより、剥離フィルム11の四辺周縁部が額縁状にガラス割れ防止層12と上記フィルム13のない状態となるように成形加工して、作製することができる。また、上記額縁状の四辺周縁部に貫通孔を形成する方法についても、とくに限定はなく、ハーフカットと別工程または同工程で形成することができる。
【0075】
なお、上記構成のガラス割れ防止用透明積層体1において、反射防止または(低反射)映り込み防止フィルム13はこれを適宜省くこともできる。この場合、図3に示すように、ガラス割れ防止層12上に保護フィルム14を設けることができる。この保護フィルム14には、前記した剥離性を有する剥離フィルム11と同様の材料構成のものを使用できる。その他の構成要素については、図1,2と同じであり、前記と同一番号を付して、その説明を省略する。
【0076】
このように構成されるガラス割れ防止用透明積層体1は、これをディスプレイパネルに装着する作業中や搬送中において、剥離フィルム11の額縁状周縁部がガラス割れ防止層12などのない状態とされているため、ガラス割れ防止層12側面への各種物体の接触が可及的に防がれて、前記提案のような粘着剤欠けが大きく低減されたものとなる。また、搬送中の粘着剤欠けは、図4に示す梱包構造を採用することにより、さらに確実なものとすることができる。
【0077】
すなわち、搬送用ケース2内に、ガラス割れ防止用透明積層体1の複数枚を、各剥離フィルム11の額縁状周縁部に形成された貫通孔11aが連通するように積層し、この貫通孔に固定具3としての金属または樹脂製の棒状物を装入して各積層体1を固定し、ケース2内の上下部に配設したクッション材4,4で挟持して、梱包する。上記固定具3は、直径が通常2mm以上であるのが望ましい。
なお、上記積層体1は、通常32インチから50インチ以上と大面積で、厚さは通常0.1〜5mmであるため、積層枚数が多すぎると、重量が重くなり搬送しにくくなるため、通常は3〜100枚とするのがよい。
【0078】
また、搬送のための別の梱包形態として、図5に示すように、基台5上でガラス割れ防止層用透明積層体1の複数枚を前記同様に積層し、これを前記固定具3(位置固定用棒状物)に加えて金属板(固定板)6を用いて上方から押さえ込むことにより、たとえば固定ネジ7により上方から締め付け固定することにより、梱包ユニット8を形成してもよい。この場合、作業性の点より、上記積層体1の積層枚数は5〜30枚とするのがよい。
この梱包ユニット8は、図6に示すように、搬送用ハードケース9の棚段10(5〜50段)に装着されて、搬送される。
【0079】
このような梱包構造とすると、これをディスプレイ表示装置の装着現場に搬送する際に縦揺れや横揺れを受けても、各積層体1が確実に固定された状態となっているため、各積層体1のガラス割れ防止層12の側面に接触傷を受けるおそれがなく、粘着剤欠けやエッジ部欠けが確実に回避される。
【0080】
本発明においては、上記構成のガラス割れ防止用透明積層体1を、その梱包状態を解除して、これを1枚ガラスまたは2枚ガラスからなるディスプレイパネルとくにPDPパネルの視認側に直接貼り付けて、装着する。これにより、PDPパネルへの外部衝撃がガラス割れ防止層12で吸収緩和され、PDPパネルのガラス割れが防がれたPDP表示装置が得られる。
しかも、PDPパネルに対して直接装着するものであるため、従来のような空気層がなく、これに起因した二重映りの問題がなく、さらに上記積層体1が比較的薄手で軽量の反射防止または(低反射)写り込み防止フィルム13(またはこれと機能性フィルム)などを積層した構成からなるため、装着作業が容易で、表示装置の軽量化や薄型化などにも貢献させることができる。
【0081】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下、部とあるのは重量部を意味するものとする。また、ガラス割れ防止層の動的貯蔵剪断弾性率G′は、下記のようにして、測定したものである。
【0082】
<動的貯蔵剪断弾性率G′の測定>
粘弾性スペクトロメータ(レオメトリック・サイエンティフィック社製の「ARES装置」)を用いて、周波数1ヘルツにて温度分散測定を行い、20℃での動的貯蔵剪断弾性率G′を測定したものである。
【0083】
実施例1
冷却管、窒素導入管、温度計、紫外線照射装置および撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸2−エチルヘキシル100部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)0.1部を入れ、紫外線照射により重合処理して、重合率10重量%の重合体・単量体混合物からなる粘稠液体を得た。この粘稠液体に、トリメチロールプロパントリアクリレート(内部架橋剤)0.3部と2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)0.1部とを配合して、光重合性組成物を調製した。
【0084】
この光重合性組成物を、厚さが50μmのポリエステル系剥離フィルム上に塗布し、窒素雰囲気下、紫外線ランプにて、2,000mj/cm2 の紫外線を照射して光重合させ、アクリル系の粘着性材料からなる厚さが1mmのガラス割れ防止層(20℃での動的貯蔵剪断弾性率G′=1×104 Pa)を形成した。
つぎに、このガラス割れ防止層上に厚さが0.1mmの反射防止フィルム(住友大阪セメント社製の「クリアラスAR」)を貼り合わせた。
【0085】
その後、この積層体を、図1および図2に示すように、ポリエステル系剥離フィルムの四辺周縁部(長辺部で幅15mm、短辺部で幅10mm)が額縁状にガラス割れ防止層および反射防止フィルムがない状態となるように、トムソン刃により578mm×982mmのサイズとなるハーフカット構造に打ち抜くとともに、ポリエステル系剥離フィルムの上記額縁状周縁部に貫通孔(直径が4mm)を形成して、ガラス割れ防止用透明積層体とした。
【0086】
実施例2
搬送用ケースの下部にエアクッション10mmを設置し、このケースに固定した直径4mmのアルミニウム製の棒状物(固定具)に、実施例1で作製したガラス割れ防止用透明積層体の5枚を、各剥離フィルムの額縁状周縁部に形成した貫通孔を通して、積層し、さらにその上にエアクッション10mmを設置し、各積層体が動かない状態に固定し、ケースの蓋をして梱包した。
【0087】
比較例1
ガラス割れ防止層およびその上の反射防止フィルムをハーフカットせずに、実施例1と同じサイズに打ち抜き成形するようにした以外は、実施例1と同様にして,ガラス割れ防止用透明積層体を作製した。
【0088】
上記の実施例1のガラス割れ防止用透明積層体について、下記の要領により、ガラス割れ防止効果を測定した。
アルミニウム製のシャーシ板上に、放熱性粘着テープ(1.5〜1.8mm)を設け、その上に2重構造ガラス基板からなるPDPパネルを貼り合わせ、その上にガラス割れ防止用透明積層体を、その剥離フィルムを剥離して貼り合わせた。この上に、直径が50mm、重さが510gの鋼球を、1cm間隔で高さを変えて、落下させ、PDPパネルがどの高さまで割れないか調べた。
なお、PDPパネルの割れ防止効果については、規格などはとくにないが、実用上、耐衝撃エネルギーが0.5J以上、好ましくは1.0J以上必要である。鋼球を落下させたときの衝撃エネルギーは、鋼球重さ(Kg)×高さ(m)×9.81(m/s2 )として、求められるものである。
【0089】
上記測定の結果、PDPパネルは、鋼球の高さ16cmまで割れがみられなかった。したがって、その耐衝撃エネルギーは0.8J以上であることがわかった。また、上記16cmの高さから鋼球を落下させたときの外観評価としては、目視により、クラックや破損がほとんどみられなかった。
【0090】
つぎに、上記の実施例1および比較例1のガラス割れ防止用透明積層体の1枚について、ガラス割れ防止層の切断面(側面)に対し、平滑なSUS板を20回接触させたときの粘着剤欠けを、下記の基準で評価した。
○ : 粘着剤欠けがほとんどみられない
△ : 0.3mm以上の粘着剤欠けはみられない
× : 0.3mm以上の粘着剤欠けが顕著にみられる
その結果は、実施例1のガラス割れ防止用透明積層体は○、比較例1のガラス割れ防止用透明積層体は×となり、本発明の構成とすることにより、粘着剤欠けを防止できるものであることがわかった。
【0091】
また、実施例2のガラス割れ防止用透明積層体の5枚を梱包した梱包用ケースについて、これを縦置きおよび横置きの操作を10回繰り返して、各積層体のガラス割れ防止層の切断面(側面)やエッジ部の損傷を、上記と同様に評価した。その結果は、各積層体とも、上記損傷が全くみられなかった。
【0092】
以上の結果から、本発明の実施例1のガラス割れ防止用透明積層体は、ガラス割れ防止効果にすぐれているとともに、比較例1のものに比べて、接触による粘着剤欠けを生じにくいものであり、また、本発明の実施例2の梱包構造とすることにより、搬送中の粘着剤欠けをより低減できることがわかる。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、剥離フィルム上にその周縁部を額縁状に残して特定のガラス割れ防止層を設けたことにより、また上記の額縁状周縁部に貫通孔を形成したもの複数枚を搬送用ケース内に各貫通孔が連通するように積層し、これらの貫通孔に固定具を装着して各積層体を固定し梱包する構成としたことにより、ディスプレイパネルの視認側に直接装着することで空気層をなくし、2重映りの問題がなく、またその装着が容易で軽量化や薄型化にも寄与でき、しかも装着作業中やその搬送中に粘着剤欠けなどの支障をきたさない、ガラス割れ防止効果の大きいガラス割れ防止用透明積層体とその梱包構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス割れ防止用透明積層体の一例を示す断面図である。
【図2】上記ガラス割れ防止用透明積層体の上面図である。
【図3】本発明のガラス割れ防止用透明積層体の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明のガラス割れ防止用透明積層体(複数枚)の梱包構造の一例を示す断面図である。
【図5】本発明のガラス割れ防止用透明積層体(複数枚)の梱包構造の他の例を示す断面図である。
【図6】上記図5の梱包ユニットを搬送用ハードケースに装着して搬送する状態を示す概略図である。
【図7】従来のプラズマディスプレイ表示装置の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス割れ防止用透明積層体
11 剥離フィルム
11a 貫通孔
12 ガラス割れ防止層
13 反射防止または(低反射)写り込み防止フィルム
2 搬送用ケース
3 固定具
4 クッション材

Claims (6)

  1. 剥離フィルム上に、20℃での動的貯蔵剪断弾性率G′が1×107Pa以下であるガラス割れ防止層が、剥離フィルムの四辺周縁部を各辺の幅が5 mm を超えるように額縁状に残して、設けられていると共に、剥離フィルムにおけるガラス割れ防止層が設けられていない額縁状周縁部の少なくとも一対の対向辺に一辺あたり少なくとも1個の貫通孔が形成されていることを特徴とするガラス割れ防止用透明積層体。
  2. ガラス割れ防止層の厚さが0.1〜5mmである請求項1に記載のガラス割れ防止用透明積層体。
  3. ガラス割れ防止層が粘着性を有する請求項1または2に記載のガラス割れ防止用透明積層体。
  4. ガラス割れ防止層の表面に反射防止または(低反射)写り込み防止フィルムあるいは保護フィルムが貼り合わされている請求項1〜3のいずれかに記載のガラス割れ防止用透明積層体。
  5. 搬送用ケース内に、請求項1〜4のいずれかに記載のガラス割れ防止用透明積層体の複数枚を、各剥離フィルムの額縁状周縁部に形成された貫通孔が連通するように積層して、この貫通孔に固定具を装入して各積層体を固定し、梱包することを特徴とするガラス割れ防止用透明積層体の梱包構造。
  6. プラズマディスプレイパネルに、請求項1〜のいずれかに記載のガラス割れ防止用透明積層体を、その剥離フィルムを剥離して、直接装着したことを特徴とするプラズマディスプレイ表示装置。
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