JP2006349736A - 光学フィルターおよびその製造方法 - Google Patents

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【課題】 耐衝撃性を備えるとともに耐湿熱性に優れた光学フィルター、およびその光学フィルターの製造方法を提供する。
【解決手段】 機能層と、この機能層の少なくとも一方の面に形成された厚さ100〜1500μmの粘着性樹脂層とを含んでなる光学フィルターであって、
前記粘着性樹脂層が、アルキル鎖長C1〜10の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル成分からなるモノマー単位A、および(メタ)アクリル酸成分からなるモノマー単位Bを含んでなる共重合体を含んでなる樹脂からなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐衝撃性を備えるとともに耐湿熱性に優れた光学フィルター、およびその光学フィルターの製造方法に関する。
プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイには、その表示性能を向上させることを目的として、種々の光学フィルターがディスプレイパネルの表面上に設けられることがある。例えば、電磁波が放出される表示パネルにおいては表示パネルの表面上に電磁波遮蔽フィルムを設けたり、電子機器の誤作動防止のため近赤外線吸収材料を含有する光学フィルターを表示パネル表面上に設けることが行われている。
一方、ディスプレイ装置の大型化により、ディスプレイパネル自体の軽量化・薄肉化が図られるとともに、ディスプレイパネル表面に設けられる光学フィルター自体も軽量化したものが用いられる傾向にある。一例として、従来の光学フィルターに使用されていたガラス基板を省略した構造であるフィルム状の光学フィルターを、直接ディスプレイパネル表面に貼着することが行われている。
しかしながら、従来のガラス基板を用いた光学フィルターは、ガラス基板がディスプレイパネルの保護板としても機能していたため、ガラス基板を省略した構造のフィルム状の光学フィルターを設けたディスプレイパネルにおいては、従来の光学フィルターを設けたものに比べ、耐衝撃性能が劣る。特に、大型化されたディスプレイパネルにおいては外力に対してパネルが破損し易いため、フィルム状の光学フィルターは、耐衝撃性能の点で不十分であった。
このような問題に対して、このフィルム状の光学フィルターに耐衝撃性能を付与することが行われている。例えば、特開2002−260539号公報(特許文献1)では、耐衝撃性を有する接着剤層を介して、反射防止膜とディスプレイパネルとを貼着することが提案されている。また、特開2003−43937号公報(特許文献2)には、衝撃緩和層を有するディスプレイ用フィルターが開示されている。さらに、特開2003−84102号公報(特許文献3)には、所定の光硬化性樹脂を用いた、自己修復性能を有する透明樹脂層を備えた光学フィルムが提案されている。
特開2002−260539号公報 特開2003−43937号公報 特開2003−84102号公報
しかしながら、上記の光学フィルターは透明性に優れ、かつ衝撃吸収性能を有しているものの、高温高湿条件下に放置すると樹脂部分が白濁し、光透過性が悪化するといった問題があった。特に、耐衝撃性能を向上させるためにはこれら衝撃吸収樹脂(粘着剤)層をある程度の厚みにしなければならないため、樹脂の白濁による光学フィルターの光透過性の悪化がより顕著となる。
本発明者らは、今般、樹脂中に浸入した水分が冷却されて水滴が発生することや高温多湿環境下で樹脂自体が結晶化することにより、光学フィルムの樹脂部分の白濁が生じることを見いだした。そして、粘着性を有する樹脂として特定の重合体を用い、その重合体に含まれる残留モノマー量が所定値以下であれば、耐衝撃性を備えるとともに耐湿熱性に優れた光学フィルターを実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
従って、本発明の目的は、耐衝撃性を備えるとともに耐湿熱性に優れた光学フィルター、およびその光学フィルターの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の光学フィルターは、機能層と、この機能層の少なくとも一方の面に形成された厚さ100〜1500μmの粘着性樹脂層とを含んでなる光学フィルターであって、
前記粘着性樹脂層が、アルキル鎖長C1〜10の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル成分からなるモノマー単位A、および(メタ)アクリル酸成分からなるモノマー単位Bを含んでなる共重合体を含んでなる樹脂からなるものである。
上記のモノマー成分からなる共重合体樹脂を粘着性樹脂層に使用することにより、耐衝撃性を備えるとともに耐湿熱性に優れた光学フィルターを実現できる。
また、本発明の態様である光学フィルターの製造方法は、アルキル鎖長C1〜10の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル成分からなるモノマーと、(メタ)アクリル酸成分からなるモノマーとをあらかじめ部分的に重合させて、前駆体シロップを調製する工程、
前記前駆体シロップに光重合開始剤と架橋剤とを添加して、塗工液を調製する工程、
前記塗工液を支持体上に塗布して塗膜を形成する工程、および
前記塗膜に多段階で電離放射線を照射し硬化させて、粘着樹脂層を形成する工程、
を含んでなるものである。
上記態様においては、前記多段階の電離放射線照射が、第一工程として1〜500W/mの電離放射線照射を行い、次いで、第二工程として500〜10000W/mの電離放射線照射を行うことが好ましい。
このように、先ず、強度の弱い電離放射線照射により、時間をかけて部分重合物とし、次に、この部分重合物に、強度の強い電離放射線を照射して重合を完了することにより、重合体の残留モノマー量を1.0重量%以下とすることができる。
本発明による光学フィルターは、基本的には、機能層と粘着性樹脂層とから構成され、この機能層の少なくとも一方の面に粘着樹脂層が形成されてなる。以下、各層について説明する。
粘着性樹脂層
本発明の光学フィルターを構成する粘着性樹脂層は、ディスプレイパネルと機能層とを接着する機能を有するとともに、ディスプレイパネル表面に衝撃が加わったときに、その衝撃を緩和する機能を有するものである。このような耐衝撃性を持たせるために粘着性樹脂層は100〜1500μmの厚さを有する。
粘着性樹脂層は、アルキル鎖長C1〜10の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル成分からなるモノマー単位A、および(メタ)アクリル酸成分からなるモノマー単位Bを含んでなる共重合体樹脂からなる。本発明によれば、共重合体を構成するモノマーであって、重合体を得る際にモノマー未反応物として樹脂中に残存したモノマーの含有量が、1.0重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、共重合体樹脂中の未反応モノマー残留量が、0.3重量%以下である。未反応モノマー残留物が樹脂中に含まれる割合が上記の範囲程度であれば、高温高湿環境にディスプレイパネルが置かれた場合であっても、100〜1500μmの厚さを有する粘着性樹脂層が白濁することなく、耐衝撃性を有しつつも、高い視認性を維持することができる。
粘着性樹脂層を構成する重合体は、アルキル鎖長C1〜10の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルからなるモノマー単位を50〜97重量部、(メタ)アクリル酸成分からなるモノマー単位を3〜6重量部含んでなることが好ましい。各モノマー単位が上記の範囲で共重合した重合体樹脂を粘着性樹脂層に使用することにより、粘着性樹脂層が吸湿して白化した場合であっても、吸湿前の状態に粘着層樹脂層を放置すると短時間でもとの透明な状態に回復する。
本発明においては、粘着層樹脂層を含む光学フィルターを60℃で95Rh%の雰囲気中に72時間放置した後、23℃で65Rh%の雰囲気中に10分間放置したときの、前記粘着性樹脂層のヘイズ値が6.0以下であることが好ましい。上記モノマー単位により構成される共重合体からなる粘着性樹脂層であって、樹脂中の未反応モノマー含有率が1重量%未満とすることにより、ヘイズ値の変化6.0以下を実現できる。なお、本明細書中「ヘイズ値」は、JIS K7105−1981に準拠した方法により測定された値を意味する。具体的には、1.2mm厚のガラス板に粘着樹脂層を貼り合せて、ガラス板と逆面にPETフィルム、例えば東洋紡製コスモシャインA−4100の易接着面を粘着樹脂層と重なるように貼り合せて作製した試料を用いて、ヘイズ値を測定できる。
本発明においては、粘着性樹脂層を構成する共重合体が、(メタ)アクリル酸アルキル成分からなるモノマー単位を更に含んでなることが好ましい。この場合においても、各モノマー成分を重合させて樹脂とした場合に、樹脂中に残存する未反応モノマーの割合は、1.0重量%以下であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキル成分からなるモノマー単位を更に含む場合、前記共重合体は、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルからなるモノマー単位を50〜97重量部と、(メタ)アクリル酸成分からなるモノマー単位を2〜6重量部と、(メタ)アクリル酸アルキル成分からなるモノマー単位Cを1〜47重量部とを含んでなることが好ましい。各モノマー単位を上記の範囲で含有することにより、厚さ100〜1500μmの粘着性樹脂層が吸湿した場合であっても、吸湿前の状態に粘着層樹脂層を放置すると短時間でもとの透明な状態に回復する。本発明においては、粘着層樹脂層を含む光学フィルターを60℃で95Rh%の雰囲気中に72時間放置した後、23℃で65Rh%の雰囲気中に10分間放置したときの、前記粘着性樹脂層のヘイズ値が4.0以下であることが好ましい。
粘着性樹脂層を構成する重合体は、上記モノマー成分以外にも、必要に応じて適宜他のモノマー成分を含んでも良い。例えば、必要により光学特性や耐熱性などの物性改質を目的として共重合可能なモノエチレン性不飽和モノマーを添加しても良い。たま、粘着性や耐熱性の調整を目的として、必要により適宜の架橋処理を施してもよい。
上記のモノエチレン性不飽和モノマーとしては、具体的には、具体的には、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有モノマーなどが挙げられる。また、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマーなども改質目的のモノマー例として挙げられる。
さらに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピベラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマーなども使用することができる。
上記のモノエチレン性不飽和モノマーは、主成分となる上記モノマー単位Aおよびモノマー単位Bに対して、2〜6重量%含有することが好ましく、より好ましくは4〜5重量%である。このような割合でモノエチレン性不飽和モノマーを用いることにより、得られる光学フィルターの衝撃力緩和特性がより改善され、粘着性樹脂層に粘着性が付与される。
上記単量体の他にも、重合体の凝集力などを高めてせん断強さを増加させるための交叉結合剤(内部架橋剤)として、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個またはそれ以上有する多官能(メタ)アクリレートを、必要により加えてもよい。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このような多官能(メタ)アクリレートの使用量は、上記モノマー成分100重量部あたり、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の範囲内で添加するのが好ましく、2官能の場合は多めに、3官能やそれ以上の多官能の場合は少なめにするとよい。過少では重合後の架橋度が低くなり、機能層との接着界面で気泡が発生しやすくなり、過多となると接着力などの低下をきたし、膨れなどが発生しやすい。
さらに、粘着性樹脂層の引張り貯蔵弾性率E’および引張り貯蔵弾性率E’’が、ともに1×10〜1×10Paであることが好ましい。厚みが100〜1500μmの範囲である粘着性樹脂層を用いた場合、上記範囲の引張り貯蔵弾性率および引張り貯蔵弾性率を有することにより、優れた耐衝撃性を有する光学フィルターとなる。
機能層
反射防止層、防眩層、近赤外線カット層、偏向層、位相差層、ネオン光反射層、電磁波遮蔽層、透明導電層、および透明誘電層から選ばれる少なくとも一以上の層からなるものであり、この機能層の少なくとも一方の面に上記粘着性機能層が形成される。
(1)反射防止層
反射防止層は、ディスプレイパネル表面の光線反射率を低減するものである。反射防止膜は、例えば、ガラスやフィルム等の透明基材表面に反射防止膜を形成して得られる。反射防止層としては、具体的には、可視光域において屈折率が1.5以下、好適には、1.4以下と低いフッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を、例えば1/4波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物窒化物、硫化物等の無機化合物又はシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を2層以上多層積層したものがある。単層形成したものは、製造が容易であるが、反射防止性が多層積層に比べ劣る。多層積層したものは、広い波長領域にわたって反射防止能を有し、フィルムの光学特性による光学設計の制限が少ない。これら無機化合物薄膜の形成には、スパッタリング、イオンプレーティング、イオンビームアシスト、真空蒸着、湿式塗工法等、従来公知の方法を用いればよい。
反射防止膜の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの通常の方法を用いることができる。
(2)防眩層
防眩層は、光学フィルターを通過する透過光や表面からの反射光を防眩する機能を有する。防眩層は、例えば、ガラスやフィルム等の透明基材表面に防眩膜を形成することで得られる。防眩層は0.1〜10μm程度の微少な凹凸を表面に有する。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂に、シリカ、メラミン、アクリル等の無機化合物または有機化合物の粒子を分散させインキ化したものを、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法等によって透明高分子フィルム上に塗布硬化させる。粒子の平均粒径は、1〜40μmである。または、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂を基体に塗布し、所望のヘイズ又は表面状態を有する型を押しつけ硬化する事によっても防眩層を得ることができる。さらには、ガラス板をフッ酸等でエッチングするように、基体フィルムを薬剤処理することによっても防眩層を得ることができる。この場合は、処理時間、薬剤のエッチング性により、ヘイズを制御することができる。上記、防眩層においては、適当な凹凸が表面に形成されていれば良く、作成方法は、上記に挙げた方法に限定されるものではない。防眩層は、0.5%以上20%以下であり、好ましくは、1〜10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩能が不十分であり、ヘイズが大きすぎると平行光線透過率が低くなり、ディスプレイ視認性が悪くなる。
(3)近赤外線カット層
フィルム等の透明基材に近赤外線吸収化合物を含有させることにより近赤外線カット層とすることができる。一般に近赤外線吸収化合物は熱に対し不安定であり、例えば透明樹脂基材からなる光学フィルターに配合して、成形をする場合には加熱によって、変質するおそれがある。近赤外線吸収化合物としては、アントラキノン化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、金属酸化物系微粉末、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、アミニウム塩系化合物、チオウレア化合物、ビスチオウレア化合物、四角酸系化合物、金属錯体化合物等が上げられる。シアニン色素、メロシアニン色素、(チオ)ピリリウム色素、ナフトラクタム色素、ペンタセン色素、オキシインドリジン色素、キノイド色素、アミニウム色素、ジインモニウム色素、インドアニリン色素、ニッケルチオ錯体色素などである。
(4)偏向層および位相差層
偏向層および位相差層としては、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリスチレン、ノルボルネン系等の樹脂を用いた、従来の配向フィルム位相差板を使用することができる。また、配向能を有する基材上に重合型液晶を設けた位相差板を使用しても良く、液晶材料を用いた位相差板とすることにより、位相差板の膜厚を薄くすることができる。
(5)ネオン光反射層
ネオン光といわれている595nmの波長をカットすることにより、赤の色純度向上と色再現性を向上できる。フィルム等の透明基材に、シアニン系化合物、オキソノール系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、キサンテン系化合物、オキサジン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物などが用いられる。また、各種の染料を用いることでニュートラルグレー化することによりコントラストの向上ができる。特に限定されるものではないが、PDPに、用いられている発光3原色の吸収が少ない染料が好ましい。例えば、スクアリリウム系、シアニン系、アゾ系、アゾメチン系、オキソノール系、ベンジリデン系、キサンテン系メトロシアニン系等の染料を含有させることにより、ネオン光反射層を形成できる。
(6)電磁波遮蔽層
例えば、プラズマディスプレイの放射電界強度は20〜90MHz帯域内で、対角20インチ型程度で40dBμV/m、対角40インチ型程度で50dBμV/mを越えている。このため、そのままでは家庭用途には使用できない。プラズマディスプレイの放射電界強度は、その画面の大きさ及び消費電力が大きいほど強く、シールド効果の高い電磁波シールド材が必要である。
高い可視光線透過率と低い可視光線反射率に加え、プラズマディスプレイに必要な電磁波シールド能を有するには、透明導電層が、面抵抗0.1〜30Ω/□、より好ましくは0.1〜15Ω/□、さらに好ましくは0.1〜5Ω/□の低抵抗な導電性を有していることが必要である。
フィルム等の透明基材上に電磁波吸収のための高い導電性を有する金属薄膜を形成することより得られる。金属薄膜用材料としては、銀が、導電性、多層積層したときの可視光線透過性に優れているため、好適である。しかし、銀は化学的、物理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸気、熱、光等によって劣化するため、銀に金、白金、パラジウム、銅、インジウム、スズ等の環境に安定な金属を一種以上加えた合金や、これら環境に安定な金属も好適に使用できる。特に金やパラジウムは耐環境性、光学特性に優れ好適である。銀を含む合金中の銀の含有率は、特に限定されるものではないが、銀薄膜の導電性、光学特性と大きく変わらないことが望ましく、50重量%以上、100重量%未満程度である。金属薄膜層の形成には、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、メッキ等、従来公知の方法のいずれでも採用できる。
(7)透明導電層および透明誘電層
透明導電層としては、導電性メッシュや、導電性格子状パターン膜、金属薄膜や酸化物半導体薄膜がある。多層の透明導電膜としては、金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜がある。金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜は、銀などの金属の持つ導電性及びその自由電子による近赤外線反射特性と、ある波長領域における金属による反射を高屈折率透明薄膜により防止することにより、導電性、近赤外線カット能、可視光線透過率のいずれにおいても好ましい特性を有している。
光学フィルターの製造方法
本発明による光学フィルターの製造方法は、アルキル鎖長C1〜10の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル成分からなるモノマーと、(メタ)アクリル酸成分からなるモノマーとをあらかじめ部分的に重合させて、前駆体シロップを調製する工程(第一工程)、前記前駆体シロップに光重合開始剤と架橋剤とを添加して、塗工液を調製する工程(第2工程)、前記塗工液を支持体上に塗布して塗膜を形成する工程(第三工程)、および前記塗膜に多段階で電離放射線を照射し硬化させて、粘着樹脂層を形成する工程(第四工程)を含んでなる。本発明においては、上記のように重合性モノマーのみを単体で使用した前駆体シロップを用い、従来のようにモノマーを溶解させるための有機溶剤を使用しない。そのため、モノマーを重合させて重合体を得た場合、有機溶剤の重合体中への残存がなく、従って、これら有機溶剤による白濁等も生じることはない。
(1)第一工程
第一工程においては、先ず、前駆体シロップを調製する。以下に説明するように、支持体上に塗工液を塗布して粘着性樹脂層を形成する場合、厚膜に塗工することが好ましく、塗工液にはある程度の粘度があった方が好ましい。本発明の光学フィルターのように、厚さ100〜1500μmの粘着性樹脂層を形成するには、塗工液の粘度は概ね100Pa・s以上であることが好ましい。このような粘度の塗工液とするため、本発明においては先ず前駆体シロップを調製する。ここで、前駆体シロップとは、モノマー単位A及びB成分を含む液を部分的に重合させて、一部分がポリマーとなった溶液を意味する。この場合の溶液中の重合体の重合度は概ね10〜60%である。重合は、熱重合や電離放射線照射による光重合により行うことができる。
電離放射線照射による重合は、上記モノマー単位を含む混合溶液を容器等に入れた状態で行ってもよく、また、基材上に重合溶液を塗布して、その上から電離放射線を照射して重合を行ってもよい。
また、前駆体シロップは、(メタ)アクリル酸アルキル成分からなるモノマー単位を更に含んでいてもよい。
(2)第二工程
次いで、得られた前駆体シロップに光重合開始剤及び/又は架橋剤を添加して、塗工液を調製する。光重合開始剤としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)−フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系化合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニゾインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどのα−ケトール系化合物、ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合物、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物、1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
これらの重合開始剤の使用量は、前駆体シロップに対して、0.01〜5重量部の範囲内において、その種類に応じて適宜選択される。光重合開始剤は、通常0.1〜3.0重量部、特に0.3〜1.5重量部とするのが好ましい。過少では光重合後に未反応単量体が多く残存して、接着界面において気泡の発生などを生じやすく、過多となると光重合後にこの光重合開始剤が残存して、黄変などの原因となりやすい。
また、架橋剤としては、エポキシ化合物系架橋剤、イソシアネート化合物系架橋剤、金属キレート化合物系架橋剤、アジリジン化合物系架橋剤及びアミノ樹脂系架橋剤を挙げることができる。これらの中でも、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物系架橋剤、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物系架橋剤、及びアジリジン化合物系架橋剤が好ましく、特に、エポキシ化合物系架橋剤が好ましい。
この分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物系架橋剤としては、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリジル−m−キシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリジルアミノフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、m−N,N−ジグリシジルアミノフェニルグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N−ジグリシジルアニリン、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ基を2個以上有する化合物が好ましい。
また、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物系架橋剤の例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマー及びこれらイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパンなどと付加したイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなど付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等を挙げることができる。
さらに、アジリジン化合物系架橋剤の例としては、トリメチロールプロパントリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパントリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネート、テトラメチロールメタントリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリエチレンメラミン等を挙げることができる。
架橋剤の配合量は、粘着性樹脂層を構成する樹脂100重量部に対して0.0001〜2.0重量部であるが、前記エポキシ化合物系架橋剤を使用した場合には、0.0001〜0.1重量部が好ましく、0.001〜0.05重量部が特に好ましい。
粘着性樹脂層を構成する樹脂は、透明性、視認性及び本発明の効果を損なわない範囲で有れば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、粘着付与樹脂、可塑剤、消泡剤及び濡れ性調製剤等を配合しても良い。
(3)第三工程
次に、得られた塗工液を支持体上に塗布して塗膜を形成する。本発明においては、支持体として、厚さ10〜500μmの透明樹脂フィルムの少なくとも1つの表面に、前記の粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成したものである。この透明樹脂フィルムの例としては、トリアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフトレート、ポリイミド、ポリアラミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルアミド、ポリフェニルスルファイド、ポリビニルアルコール及びポリビニルアセタール等を挙げることができる。
さらに、これらのフィルムの少なくとも1つの表面に透明金属薄膜を形成した金属薄膜積層型透明樹脂フィルムを用いることもできる。透明金属薄膜を有する金属薄膜積層型透明樹脂フィルムの例としては、ITO蒸着トリアセチルセルロース、銅蒸着トリアセチルセルロース、酸化スズ(SnO)蒸着トリアセチルセルロース、ITO蒸着ポリエチレンテレフタレート、銅蒸着ポリエチレンテレフタレート、酸化スズ(SnO)蒸着ポリエチレンテレフタレート、ITO蒸着ポリカーボネート、銅蒸着ポリカーボネートおよび酸化スズ(SnO)蒸着ポリカーボネート等を挙げることができる。
また、塗膜を硬化させた後、支持体を剥離して粘着性樹脂層を形成してもよい。
(4)第四工程
第四工程においては、上記の塗膜に多段階で電離放射線を照射し硬化させて、粘着樹脂層を形成する。多段階の電離放射線照射として、1〜500W/mの電離放射線照射を行い、次いで、500〜10000W/mの電離放射線照射を行うことが好ましい。このように、はじめに微弱な照射エネルギーにより重合を行い、その後、より強い照射エネルギーで重合を完了することにより、樹脂中に残存する未反応モノマー量を低減させることができる。すなわち、1〜500W/mの電離放射線照射によりモノマー分の生長反応を行う。ここで生成された重合物は、わずかな構成モノマーと、その構成モノマーからなる重合体とが混在した状態である。本発明にあっては、このような弱い紫外線照射で長時間重合を行うことにより、鎖長の長い、すなわち分子量の大きい重合体を先ず形成する。次いで、500〜10000W/mの電離放射線照射を行うことにより未反応モノマーを重合させて、粘着性樹脂層を形成する。未反応モノマーを強度の強い電離放射線照射により重合させることにより、樹脂中に残存する未反応モノマー量を低減させるものである。この二回目の電離放射線照射により生成した重合物は、比較的低分子量のものである。しかしながら、一回目の電離放射線照射においてほとんどのモノマーがすでに重合しており、二回目の照射により生成する重合体の量は極少量であるため、粘着性樹脂層の物性にはこの低分子量の重合体はほとんど寄与しない。
電離放射線としては、紫外線を使用することができ、例えば高圧水銀灯、水銀ショートアークランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀灯、無電極ランプ、ブラックライト等の一般的な紫外線発生ランプを好適に使用できる。紫外線は波長範囲が約180〜460nmの電磁放射線であるが、これより長波長または短波長の電磁放射線であってもよい。なお、紫外線の強度は、被照射体までの距離や電圧の調整により、適宜設定できる。
また、電離放射線照射による重合は、窒素ガスなどの不活性ガスで置換した酸素のない雰囲気中で行うか、または紫外線透過性フィルムによる被覆で空気と遮断した状態で行うのが好ましい。
厚さ200μmを超える粘着性樹脂層を形成する場合、重合時に発生する熱により粘着性樹脂層がうねることがある。そのため、電離放射線照射による重合時に液体窒素蒸気等により冷却するのが好ましい。
また、重合は、得られる重合物の分子量が未反応モノマーの分子量の100〜100,000になるまで行うことが好ましい。
表示装置
本発明の光学素子を表示パネル組み込んで表示装置とすることができる。表示装置は、上記の粘着樹脂層が表示パネルの少なくとも一方の面に貼着されることにより、粘着樹脂層を介して、機能層と表示パネルとが組み合わされる。
本発明の光学フィルターは、プラズマディスプレイパネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、サーフェスエミッションディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル、無機ELディスプレイパネル、透過型および反射型プロジェクションスクリーンパネル等の表示パネルと好適に組み合わせることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
1.光学フィルターの作製
実施例1
まず、前駆体シロップを次の要領で作製した。攪拌機と温度計と窒素ガス導入管及び冷却管を備えた容量0.2リットルの4つ口フラスコに、アクリル酸メトキシエチル75g、アクリル酸2エチルヘキシル20g、アクリル酸5gを投入して窒素気流中で50℃になるまで昇温し加熱を停止した。
次いで重合開始剤として、2,2’-アゾビス4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル0.002gを攪拌かに投入して均一に混合した。重合開始剤添加した後、攪拌を続けることにより、3分後に重合熱に重合熱による温度上昇が見られたが、フラスコを冷却せずに発熱するままにして反応させることにより、反応系の温度が126℃に達した。更に攪拌を続けることにより、反応系に添加した重合開始剤は消費されこれ以上の反応系の温度上昇間見られず、反応の暴走は見られなかった。
冷却剤として25℃のアクリル酸メトキシエチルを15g、アクリル酸2エチルヘキシルを4g、アクリル酸を1g添加すると共に、外部冷却機を用いて反応系の温度を100℃以下まで急冷して引き続き外部冷却を続けて部分重合シロップ(前駆体シロップ)を得た。
これにイルガキュア184(チバガイギー製)を前駆体シロップに対して1重量%添加し、これをPET基材上に塗布し、高圧水銀灯により300mW/mの強度で3分間照射した。次いで、高圧水銀灯により紫外線を1000W/cmの強度で4秒間照射することにより、粘着性樹脂層を形成した。
この粘着性樹脂層の一方の面に、反射防止フィルムを貼着することにより、光学フィルター1を得た。粘着性樹脂層の厚みは、900μmであった。
実施例2
以下の組成の前駆体シロップを実施例1と同様の方法で製造した。
・アクリル酸メトキシエチル 90重量部
・アクリル酸ブチル 6重量部
・アクリル酸 4重量部
得られた前駆体シロップにイルガキュア184(チバガイギー製)を1重量%添加し、実施例1と同様にしてフィルム上で重合することにより、粘着性樹脂層を形成した。
この粘着性樹脂層の一方の面に、反射防止フィルムを貼着することにより、光学フィルター2を得た。粘着性樹脂層の厚みは、500μmであった。
比較例1
無黄変型ウレタンアクリレート(共栄社化学社製、UF−8001(商品名))70質量部と、トリプロピレングリコールジアクリレート(東亜合成社製、アロニックスM220(商品名))30質量部と、ベンゾフェノン3質量部とを混合し、この混合液をバーコーターにてPET基材上に塗布し、高圧水銀灯(120mW/cm2、光源から照射面までの距離150mm、ライン速度2.5m/分)にて600mJ/cm2の紫外線照射を行い、厚さ1000μmの樹脂層を形成した。この樹脂層上に反射防止層を貼着することにより光学フィルター3を得た。
比較例2
n−ブチルアクリレート:78.4重量%、2−エチルヘキシルアクリレート:19.6重量%およびアクリル酸:2.0重量%を共重合させたアクリル酸エステル共重合体100重量部に対し、金属化合物としてアセチルアセトン亜鉛塩:0.5重量部及びアセチルアセトンアルミ塩:0.7重量部を溶融攪拌した後、さらに近赤外線吸収剤0.03重量部〔(日本触媒(株)製商品名“イーエクスカラー”TX−EX−805K)0.015重量部、及び(日本カーリット(株)製商品名“CIR−1080”)0.015重量部〕、染料(三井化学(株)製商品名“PSブルーBN”)0.0001重量部加え、厚み900μmでシート状に成形した粘着シートを用意した。この粘着シートに反射防止層を貼着することにより光学フィルター4を得た。
2.評価
(1)耐湿熱性試験評価
得られた光学フィルターと1.2mm厚のガラス板とが、粘着性樹脂層とガラス板とが接するように貼り合わせて、試験片を作製した。この試験片を60℃×95Rh%の恒温恒湿槽に72時間投入した。試験片を恒温恒湿槽から取り出して10分放置した後のヘイズ値を測定した。ヘイズ値」は、JIS K7105−1981に準拠した方法で行った。
結果は下記表1に示される通りであった。
(2)耐衝撃性試験評価
上記で得られた光学フィルターを、高歪み点ガラスである旭硝子製PD−200(厚さ2.8mm)に貼り合せ、水平で十分に硬い台(今回は厚さ30mmのSUS板)の上に設置した。その際、ガラスは左右にずれないよう、SUS板に密着した状態で4片をテープで固定した。重さ509gの鋼球(JIS B1501に準拠したもの)を、サンプルを貼り合せたガラスに、40cmの高さから落とした。評価基準は以下の通りとした。
○:高歪み点ガラスが割れなかったもの
×:高歪み点ガラスが割れたもの
結果は表1に示される通りであった。
Figure 2006349736

Claims (13)

  1. 機能層と、この機能層の少なくとも一方の面に形成された厚さ100〜1500μmの粘着性樹脂層とを含んでなる光学フィルターであって、
    前記粘着性樹脂層が、アルキル鎖長C1〜10の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル成分からなるモノマー単位A、および(メタ)アクリル酸成分からなるモノマー単位Bを含んでなる共重合体を含んでなる樹脂からなる、ことを特徴とする、光学フィルター。
  2. 前記共重合体が、前記モノマー単位Aを50〜97重量部と、前記モノマー単位Bを3〜6重量部とを共重合して得られるものである、請求項1に記載の光学フィルター。
  3. 前記共重合体が、(メタ)アクリル酸アルキル成分からなるモノマー単位Cをさらに含んでなる、請求項1または2に記載の光学フィルター。
  4. 前記共重合体が、前記モノマー単位Aを50〜97重量部と、前記モノマー単位Bを2〜6重量部と、前記モノマー単位Cを1〜47重量部とを共重合して得られるものである、請求項3に記載の光学フィルター。
  5. 光学フィルターを、60℃で95Rh%の雰囲気中に72時間放置した後、23℃で65Rh%の雰囲気中に10分間放置したときの、前記粘着性樹脂層のヘイズ値が6.0以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  6. 前記粘着性樹脂層の引張り貯蔵弾性率E’および引張り粘性弾性率E’’が、25℃で65Rh%の雰囲気中において、いずれも1×10〜1×10Paである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルター。
  7. 前記機能層が、反射防止層、防眩層、近赤外線カット層、偏向層、位相差層、ネオン光反射層、電磁波遮蔽層、透明導電層、および透明誘電層から選ばれる少なくとも一以上の層からなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルター。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルターを製造する方法であって、
    アルキル鎖長C1〜10の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル成分からなるモノマーと、(メタ)アクリル酸成分からなるモノマーとをあらかじめ部分的に重合させて、前駆体シロップを調製する工程、
    前記前駆体シロップに、光重合開始剤及び/又は架橋剤を添加して、塗工液を調製する工程、
    前記塗工液を支持体上に塗布して塗膜を形成する工程、および
    前記塗膜に多段階で電離放射線を照射し硬化させて、粘着樹脂層を形成する工程、
    を含んでなることを特徴とする、光学フィルターの製造方法。
  9. 前記多段階の電離放射線照射が、第一工程として1〜500W/mの電離放射線照射を行い、次いで、第二工程として500〜10000W/mの電離放射線照射を行う、請求項8に記載の方法。
  10. 前記前駆体シロップに0.01〜5重量部の光重合開始剤を添加する、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記前駆体シロップが、(メタ)アクリル酸アルキル成分からなるモノマー単位を更に含んでなる、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルターを備えた表示装置であって、前記粘着樹脂層が表示パネルの少なくとも一方の面に貼着されてなる、表示装置。
  13. 前記表示パネルが、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、サーフェスエミッションディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル、無機ELディスプレイパネル、ならびに、透過型および反射型プロジェクションスクリーンパネルから選ばれるものである、請求項12に記載の表示装置。
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