JP4993245B2 - 光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置 - Google Patents

光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4993245B2
JP4993245B2 JP2005140782A JP2005140782A JP4993245B2 JP 4993245 B2 JP4993245 B2 JP 4993245B2 JP 2005140782 A JP2005140782 A JP 2005140782A JP 2005140782 A JP2005140782 A JP 2005140782A JP 4993245 B2 JP4993245 B2 JP 4993245B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
sensitive adhesive
pressure
optical member
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005140782A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006316181A (ja
Inventor
史子 中野
裕 諸石
浩平 矢野
正之 佐竹
敏嗣 細川
雄祐 外山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2005140782A priority Critical patent/JP4993245B2/ja
Publication of JP2006316181A publication Critical patent/JP2006316181A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4993245B2 publication Critical patent/JP4993245B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Description

本発明は、当該粘着剤組成物により形成される光学部材用粘着剤層およびその製造方法に関する。また、本発明は、当該粘着剤層を有する粘着型光学部材、さらには前記粘着型光学部材を用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、PDPなどの画像表示装置に関する。前記光学部材としては、偏光板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、さらにはこれらが積層されているものなどがあげられる。
近年、液晶表示装置は、携帯電話やパーソナルコンピューターのみならずテレビジョン用途など幅広く用いられ、物量を時々刻々と増加している。液晶表示装置の画面サイズの動向は、ノートパソコンの場合、13型(対角33cm)が主流であったものが、15型(対角38cm)が主流となり、デスクトップパソコンでは17型(対角43cm)が主流となっている。そして、テレビジョン用途としての液晶表示装置は、奥行きが従来のブラウン管テレビが60cm程度であったのに対して、その半分以下の厚さにすることができるため、大画面でも場所をとらず、家庭用テレビジョンとしての普及が広がっている。
これら液晶表示装置などに用いる光学部材、たとえば偏光板や位相差板などは、液晶セルに粘着剤を用いて貼り付けられる。光学部材に用いられる材料は、加熱条件下や加湿条件下では伸縮が大きいため、貼り付け後にはそれに伴う浮きや剥がれが生じやすい。そのため、光学部材用粘着剤には、加熱条件下や加湿条件下においても対応できる耐久性が要求される。
このように液晶表示装置の大画面化が進んでいる中、上述のように加熱条件下等で偏光板の収縮が起こり、液晶セルが反ってしまうなどにより応力がかかることにより、液晶の配向を乱して色ムラが発生して、画面の均一性を悪くすることが新たな問題として浮かび上がってきている。これはガラスの厚さが、従来は約1.1mm程度であったものが0.7mmと薄くなった点も問題要因の1つとしてあげられ、特に大画面化にする際の液晶セルの平坦性は非常に重要である。
上記問題を解決するために、光学部材用粘着剤の評価にガラスの反りを取り入れたものが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。かかる公報では、2層粘着剤のゲル分率を調整することにより反りの低減を図っている。しかし、この場合、粘着剤を積層しなければならない点や、ガラス板の厚さ約1.1mmであり、サイズが120mm×90mm(対角15cm)と小さく、近年の大画面化を考慮に入れておらず、大画面化に対応しきれていない。また、光学部材を、ガラス板を介して2枚貼り合わせて反りを評価すると、偏光板の吸収軸の取り方により応力が相殺されてしまい、正確に特性を評価することができない問題がある。
上記は偏光板の収縮が液晶セルに対して応力がかかる場合であるが、一方、偏光板などの光学部材に対して応力がかかり、光学部材の特性を変化させて、色ムラや白ヌケなどの悪影響がでる場合などがある。
このような光学部材に使用される粘着剤としては、各種の材料が提案されている。たとえば、高分子量ポリマーに低分子量ポリマーをブレンドして、粘着剤の応力緩和性を向上させる試みが行われている(たとえば、特許文献2〜5参照)。
たとえば、官能基比率が高い高分子量ポリマー100重量部に、重量平均分子量3万以下の低分子量ポリマーを20〜200重量部配合し架橋させる粘着剤組成物が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。かかる粘着剤組成物によれば、高分子量成分による3次元構造で高温高湿下での発泡や剥がれを防止し、偏光板の寸法変化に伴う内部応力を低分子量ポリマー成分で吸収できることが開示されている。
また、高分子量ポリマーに、重量平均分子量50万以下の低分子量ポリマーを配合した粘着剤組成物が提案されている(たとえば、特許文献3参照)。かかる粘着剤組成物によれば、応力集中を緩和して、液晶セルの白ヌケや色ムラを抑制するとともに、剥離後に液晶セルに糊残りや曇りを生じないことが開示している。
さらに、高分子量ポリマー100重量部に、重量平均分子量5,000以上50万未満の低分子量ポリマーを1〜50重量部配合し、かつ高分子量ポリマーまたは低分子量ポリマーのいずれかに一方に窒素含有官能基を含む粘着剤組成物からなる粘着シートが提案されている(たとえば、特許文献4参照)。かかる粘着剤組成物によれば、窒素含有官能基の被着体との結合性の強さで、耐久性に優れ、かつ偏光板の伸縮に追随して白ヌケを抑制できることが開示されている。
また、高分子量ポリマー100重量部に、重量平均分子量が1,000〜10,000のアクリル系オリゴマーを5〜100重量部および2官能架橋剤を配合した粘着剤組成物が提案されているたとえば、特許文献5参照)。かかる粘着剤組成物によれば、被着体との密着性に優れるとともに、良好な応力緩和性を有することで耐久性と白ヌケを抑制できることが開示されている。
しかし、上記のような高分子量ポリマーとしてはガラス転移温度の高いアクリル系ポリマーを使い、耐久性を維持するような設計になっているため、応力緩和性についてはいまだ不十分なものであった。特に近年の大画面化を考慮に入れておらず、大画面化にする際の液晶セルの応力緩和性が十分ではないことが判明した。
応力緩和性と耐久性の両立を試みたものとして、せん断弾性率や緩和弾性率の異なる粘着剤を2層積層させる試みもある(たとえば、特許文献6〜8参照)。これらはせん断弾性率のことなる2層の粘着剤層を併用することで基材層の収縮と耐久性への対応を試みているが、基材の伸縮が特に大きな問題となる高温・高湿下での応力緩和性については考慮されていない。さらに、かかる手法では近年の大画面化に伴う光学部材の収縮による液晶セルの反り等の問題に十分対応できず、また、2層の粘着剤層を積層する生産工程の増加、生産コストの増大につながり実用的でないことが判明した。
一方、上記の液晶表示装置に使用される光学部材は、片面に粘着剤がついているが、このような粘着剤付光学部材は、通常、ロール状で作製し、所定のサイズに打ち抜き加工処理がなされるため、粘着剤が切断刃に付着して欠けたり、切断面からはみ出したりするおそれがないような加工性も要求されている。
光学部材貼り付け用の粘着剤としては、その耐久性や透明性などの利点のためにアクリル系粘着剤が一般的に使用され、適度の凝集力を与えるために架橋処理が施されるのが通常である。このようなアクリル系粘着剤の架橋方法としては、各種架橋剤が選択されて使用されており、アクリルポリマーの官能基と架橋方法の総説が公表されている(非特許文献1を参照)。
光学部材貼り付け用の粘着剤の具体的な架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アルデヒド化合物、アミン化合物、金属塩、金属アルコキシド、アンモニウム塩、ヒドラジン化合物などが知られ(たとえば、特許文献9参照)、グリシジル化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、金属キレートなども知られている(たとえば、特許文献10参照)。
また、ゴム系粘着剤およびシリコーン系粘着剤の架橋剤として過酸化物が例示されているが、アクリル系粘着剤の架橋剤としては記載されていない(たとえば、非特許文献2参照)。
一方、アクリル粘着剤の過酸化物架橋として、アクリル系共重合体と1〜6重量%の範囲の過酸化物との加熱反応生成物からなるテープ粘着用組成物が知られている(たとえば、特許文献11参照)。
さらに、通気性基材にアクリル系粘着剤と60〜100℃では架橋反応が進行しない過酸化物0.01〜10重量部を配合したゲル分率40重量%未満の粘着剤層を転写させ、加熱で粘着剤を軟化させ基材に含浸させた後、さらに架橋して通気性の粘着剤を得る方法が開示されている(たとえば、特許文献12参照)。
また、オレフィン系ポリマーを側鎖に有するモノマーとアクリレートを共重合したアクリル系ポリマーに、10時間半減期110℃以下の過酸化物を用いて架橋することで、オレフィン部も架橋して凝集力を向上させる方法が開示されている(たとえば、特許文献13参照)。
しかし、光学部材に貼り合わせる粘着剤において、過酸化物による架橋にて特性を安定化し、経時変化が少なく、かつ生産性を向上させた例はいまだ知られていない。
特開平7−294731号公報 特開平10−279907号公報 特開2000−109771号公報 特開2001−89731号公報 特開2001−335767号公報 特許第3398262号公報 特開2001−294828号公報 特開2001−311062号公報 特開平8−199131号公報 特開2003−49141号公報 特公昭35−4876号公報 特開2000−17237号公報 特開2003−13027号公報 粘着ハンドブック(第2版)、粘着テープ工業会編、1995.10.12.第147頁 粘着ハンドブック(第2版)、粘着テープ工業会編、1995.10.12.第121頁および第159頁
そこで、本発明の目的は、従来の上記問題点を解消すべく、長期の過酷条件下に対する、耐久性、光学部材(偏光板、液晶セル(ガラス)など)の寸法変化に起因する応力の緩和性(光学部材の反り、特に大型の光学部材の反り)、ならびに加工性に優れる光学部材用粘着剤層およびその製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、当該光学部材用粘着剤層を有する粘着型光学部材、ならびに当該粘着型光学部材を用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するため、粘着剤層の構成ならびに製造方法について鋭意検討した結果、下記光学部材用粘着剤層の製造方法を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の光学部材用粘着剤層の製造方法は、
剥離処理した支持体の片面または両面に、ガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル系ポリマーおよび過酸化物を含む粘着剤組成物からなる層を形成する工程、ならびに、前記粘着剤組成物からなる層を架橋して得られる粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率(G’)が32000〜70000Paおよび80℃における貯蔵弾性率(G’)が20000〜45000Paになるように、前記粘着剤組成物からなる層を加熱処理する工程、を含むことを特徴とする。
本発明によると、実施例の結果に示すように、上述のガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル系ポリマーおよび過酸化物を含む粘着剤組成物からなる層を形成する工程、ならびに特定の貯蔵弾性率を有するように加熱処理する工程を含む製造方法を用いることにより、得られた粘着剤層は、長期の過酷な状態に保存された場合、または高温・高湿条件下で保存された場合にも、耐久性に優れ、偏光板など寸法変化に起因する応力の緩和性、特に大型の液晶セルでも反りを生じることなく、色ムラや白ヌケなどを生じることなく、加工性に優れたものとなる。
上記光学部材用粘着剤層が、かかる特性を発現する理由の詳細は明らかではないが、特定のベースポリマーと過酸化物を特定量配合して上記製造方法を用いることにより、所定範囲の貯蔵弾性率を有する上述の粘着剤層を容易に製造することができ、かかる粘着剤層は応力緩和性を損なわずに耐久性に優れたものとなると推測される。
なお、本発明における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいう。また(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートをいい、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルをいう。
また、本発明における貯蔵弾性率G’とは、動的機械特性のひとつでJIS−K−7244−1プラスチック一動的機械特性の試験方法−第1部:通則に記述があり、本発明のG’はこのJIS−K7244−1表4のパート2でねじり変形モードによって得られる値のことをいう。
応力を単位容積あたりのエネルギー量と考えると、外部からポリマー試験片に機械的エネルギーを与えて正弦運動をさせた時、与えたエネルギーの一部は弾性によりポリマー内に貯蔵され、残りは内部摩擦により熱に変わって失われる。この際、試験中に発熱による温度上昇は非常に小さいので温度一定として近似する。ここで、貯蔵弾性率G’の場合は貯蔵された部分に相当し、損失弾性率G’’は内部摩擦により失われた部分に相当し、したがって、G’は硬さの程度を示し、G’’は粘性の程度を表すと考えられる。
粘着剤の場合、G’は粘着剤層が外部から受ける力に対する応力の程度を示すことになり、G’が大きければ、発生する応力が大きくなり、ガラスの反りも大きくなる。逆に小さければ、軟らかすぎて加工性、作業性に劣る。
光学フィルムが高温にさらされたり、加湿下で使用されたり、それら環境下から室温に戻されたりした場合、急激に収縮・膨張するが、粘着剤層がこの力を緩和することにより、セルの反りを防止することができると考えられる。そして光学フィルムは室温だけでなく、高温での使用が想定されるため、広い温度領域での緩和性が必要であって、本発明の製造方法においては特定のベースポリマーと過酸化物を特定量配合して加熱処理による架橋処理を行うことにより、室温付近(23℃)および高温領域(80℃)の両方のG’が上述の特定の物性値となる粘着剤層を容易に製造することができる。
本発明においては、ガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル系ポリマーを用いる。かかる(メタ)アクリル系ポリマーとして、ホモポリマーのガラス転移温度が−70〜−50℃であるラジカル重合性モノマーを単独で重合させたホモポリマーを用いてもよく、ホモポリマーのガラス転移温度が−50℃より高いラジカル重合性モノマーと共重合させて、共重合ポリマーのガラス転移温度が−50℃以下となるように適宜調節した(メタ)アクリル系ポリマーを用いてもよい。かかる(メタ)アクリル系ポリマーを粘着剤組成物のベースポリマーとして用いることにより、偏光板等の光学部材の寸法変化に起因する応力に対する緩和性にも優れ、残存応力に起因する偏光板の色ムラや白ヌケ等の発生を抑制した光学部材用粘着剤層を得ることができる。
本発明に用いる粘着剤組成物において、上記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、過酸化物0.02〜2重量部を含有することが好ましい。0.02重量部よりも少なくなると、架橋反応の進行が不十分となり、耐久性に劣る場合があり、一方、2重量部を超えると、架橋構造が過多となり接着性に劣る場合があるため、応力緩和性が低下して液晶セルの反りが大きくなってしまう場合がある。
本発明に用いる粘着剤組成物において、上記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、イソシアネート系架橋剤および/またはエポキシ系架橋剤0.01〜2重量部含有することが好ましい。これらの架橋剤は上記の過酸化物による架橋を補う形態で用いられ、使用量はより少ないほうが好ましいが、含有量が0.01重量部よりも少なくなると、かかる架橋剤の添加効果が発現しにくく、高温での弾性率が低下して、十分な耐候性、耐熱性が得られない場合がある。一方、含有量が2重量部を超える場合、室温〜高温での弾性率が高くなり、応力緩和性が低下して液晶セルの反りが大きくなってしまう場合がある。
また、本発明に用いる粘着剤組成物において、上記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、シランカップリング剤0.01〜1重量部含有することが好ましい。シランカップリング剤を用いることにより、より確実に耐久性を向上させたものとすることができる。
さらに、本発明においては、たとえば、上記加熱処理する工程が、上記粘着剤組成物中の過酸化物の分解量が75重量%以上になるように行われることが好ましい。かかる製造方法を用いることにより、上述の優れた耐久性、加工性、および応力緩和性をバランスよく並立する光学部材用粘着剤層をより確実に得ることができる。
また、上記製造方法において得られる光学部材用粘着剤層において、上記光学部材用粘着剤層のゲル分率が45〜90重量%であることが好ましい。
さらに、本発明の光学部材用粘着剤層は、ベースポリマーの架橋構造を適宜調節することにより、打ち抜き加工を施す際において、粘着剤が切断刃に付着して欠けたり、切断面からはみ出したりすることがなく、加工性(打ち抜き加工性)にも優れるものである。
一方、本発明の粘着剤付光学部材は、上記の製造方法で得られた光学部材用粘着剤層を光学部材の片面または両面に形成してなることを特徴とする。本発明の粘着剤付光学部材によると、上記の如き作用効果を奏する粘着剤層を備えるため、耐久性、加工性、および応力緩和性に優れた粘着剤付光学部材となる。
他方、本発明の画像表示装置は、上記粘着剤付光学部材を用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、PDPなどであり、長期保存や、高温・高湿状態に保存されても、画面の均一性が保持され、剥がれや発泡が発生しない高耐久性が発現し、光学部材を剥がして画像表示装置が再利用される場合でも接着力の増大が見られず、装置に悪影響を与えることなく容易に剥離できる機能を有する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
すなわち、本発明の光学部材用粘着剤層の製造方法は、
剥離処理した支持体の片面または両面に、ガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル系ポリマーおよび過酸化物を含む粘着剤組成物からなる層を形成する工程、ならびに、前記粘着剤組成物からなる層を架橋して得られる粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率(G’)が32000〜70000Paおよび80℃における貯蔵弾性率(G’)が20000〜45000Paになるように、前記粘着剤組成物からなる層を加熱処理する工程、を含むことを特徴とする。
本発明に用いる(メタ)アクリル系ポリマーは、ホモポリマーのガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル系ポリマーを用いる。かかる(メタ)アクリル系ポリマーとして、ホモポリマーのガラス転移温度が−70〜−50℃であるラジカル重合性モノマーを単独で用いてもよく、ホモポリマーのガラス転移温度が−50℃より高いラジカル重合性モノマーと共重合させて、共重合ポリマーのガラス転移温度が−50℃以下となるように適宜調節した(メタ)アクリル系ポリマーを用いてもよい。
ホモポリマーのガラス転移温度が−70〜−50℃であるラジカル重合性モノマーとしては、たとえば、ヘプチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどがあげられる。これらのモノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
ホモポリマーのガラス転移温度が−50℃より高いラジカル重合性モノマーとしては、たとえば、メチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレートなどの(メタ)アクリレートがあげられる。これらのモノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、共重合ポリマーのガラス転移温度が−50℃よりも大きくならないように共重合比率を調節しなければならない。具体的には、たとえば、イソオクチルアクリレート70重量%とブチルアクリレート30重量%を共重合すると、ガラス転移温度は−51℃となるが、一方、ガラス転移温度が−50℃より高いラジカル重合性モノマーの割合が50重量%を超えるようであれば確実に共重合ポリマーのガラス転移温度は−50℃を超えてしまうことになる。
なお、本発明におけるそれぞれのホモポリマーのガラス転移温度、ならびに共重合ポリマーのガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量)分析装置を用いて測定を行った。なお、昇温過程において、吸熱しはじめる温度をガラス転移温度(Tg)とした。なお、具体的には、実施例に記載の手法で行った。
また、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移点や剥離性を調整するためのその他の重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。上述のラジカル重合性モノマー以外に共重合可能なその他のモノマーとして、不飽和カルボン酸モノマー、水酸基含有モノマー、およびエポキシ基含有モノマー等があげられる。
上記不飽和カルボン酸モノマーとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などがあげられる。これらのモノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、さらに、上記不飽和カルボン酸モノマーとしては、たとえば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマーを適宜用いてもよい。
上記水酸基含有ノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどがあげられる。これらのモノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記エポキシ基含有モノマーとしては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。これらのモノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明における上述の共重合可能なその他のモノマーは、上記(メタ)アクリル系ポリマーにおいて、モノマー単位として、ラジカル重合性モノマー100重量部に対し、0.01〜3重量部含有されるものであるが、0.05〜2重量部含有されることが好ましく、0.1〜2重量部含有されることがより好ましい。含有量が3重量%を超えると、イソシアネート系架橋剤および/またはエポキシ系架橋剤との架橋密度が大きくなり、応力緩和性に劣る場合があり、一方、含有量が0.01重量%より少ないと、イソシアネート系架橋剤および/またはエポキシ系架橋剤との反応性に乏しくなり、耐久性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明の(メタ)アクリル系ポリマーにおいて用いられるその他の重合性モノマーとしては、たとえば、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、ビニルエーテルモノマーなどの接着力向上や架橋化基点として働く官能基を有す成分などを適宜用いることができるが、共重合ポリマーのガラス転移温度が−50℃を超えない程度、ならびに、架橋剤との反応過多にならない程度に適宜調整する必要がある。これらのモノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記スルホン酸基含有モノマーとしては、たとえば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などがあげられる。
上記リン酸基含有モノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートがあげられる。
上記シアノ基含有モノマーとしては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられる。
上記ビニルエステルモノマーとしては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ビニルピロリドンなどがあげられる。
上記芳香族ビニルモノマーとしては、たとえば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどがあげられる。
上記アミド基含有モノマーとしては、たとえば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどがあげられる。
上記アミノ基含有モノマーとしては、たとえば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルなどがあげられる。
上記イミド基含有モノマーとしては、たとえば、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミドなどがあげられる。
上記ビニルエーテルモノマーとしては、たとえば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
さらに、上記以外の共重合可能なモノマーとして、ケイ素原子を含有するシラン系モノマーなどがあげられる。シラン系モノマーとしては、たとえば、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルブチルトリメトキシシラン、4−ビニルブチルトリエトキシシラン、8−ビニルオクチルトリメトキシシラン、8−ビニルオクチルトリエトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリエトキシシランなどがあげられる。
上記シラン系モノマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.1〜3重量部であることが好ましく、0.5〜2重量部であることがより好ましい。シラン系モノマーを共重合させることは、耐久性の向上に好ましい。
本発明においては、ガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル系ポリマーが用いられるが、応力緩和性が良好である理由から、上記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)が−53℃以下であることが好ましく、−55℃以下であることがより好ましい。また、かかる(メタ)アクリル系ポリマーを粘着剤組成物のベースポリマーとして用いることにより、容易に本発明の粘着剤層を得ることができる。
また、本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量が100万以上、好ましくは120万以上、さらに好ましくは150万以上であることが望ましい。重量平均分子量が100万より小さい場合は、耐久性に乏しくなり、粘着剤組成物の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。一方、作業性の観点より、上記重量平均分子量は300万以下が好ましい。また、乳化重合で得られたポリマーは、現在のGPCでは測定困難で、この範疇に入らないが、300万以上の高分子量であっても作業性に大きな問題はない。なお、重量平均分子量はGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。なお、具体的には、実施例に記載の手法で行った。
このような(メタ)アクリル系ポリマーの製造は、溶液重合、塊状重合、乳化重合などの公知のラジカル重合法を適宜選択できる。また、得られる(メタ)アクリル系ポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよい。
なお、溶液重合においては、重合溶媒として、たとえば、酢酸エチル、トルエンなどが用いられる。具体的な溶液重合例としては、反応は窒素などの不活性ガス気流下で、重合開始剤として、たとえば、モノマー全量100重量部に対して、アゾビスイソブチロニトリル0.01〜0.2重量部加え、通常、50〜70℃程度で、8〜30時間程度行われる。
ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などは特に限定されず適宜選択して使用することができる。
本発明に用いられる重合開始剤としては、たとえば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬社製、VA−057)などのアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素などの過酸化物系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせなどの過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などをあげることができるが、これらに限定されるものではない。
また、重合開始剤として過酸化物を使用した場合には、重合反応に使用されずに残存した過酸化物を架橋反応に使用することも可能であるが、その場合は残存量を定量し、必要に応じて再添加し、所定の過酸化物量にして使用することができる。
上記重合開始剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー100重量部に対して、0.005〜1重量部程度であることが好ましく、0.02〜0.6重量部程度であることがより好ましい。
また、本発明においては、重合において連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤を用いることにより、アクリル系ポリマーの分子量を適宜調整することができる。
上記連鎖移動剤としては、たとえば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールなどがあげられる。
これらの連鎖移動剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー100重量部に対して、0.01〜0.1重量部程度である。
また、アクリル系ポリマーを乳化重合法により製造する場合に用いられる乳化剤としては、たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などがあげられる。これらの乳化剤は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
さらに、反応性乳化剤として、プロペニル基、アリルエーテル基などのラジカル重合性官能基が導入された乳化剤として、具体的には、たとえば、アクアロンHS−10、HS−20、KH−10、BC−05、BC−10、BC−20(第一工業製薬社製)、アデカリアソープSE10N(旭電化工社製)などがある。反応性乳化剤は、重合後にポリマー鎖に取り込まれるため、耐水性がよくなり好ましい。乳化剤の使用量は、モノマー100重量部に対して、0.3〜5重量部、重合安定性や機械的安定性から0.5〜1重量部がより好ましい。
本発明に用いる粘着剤組成物は、上記のような(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとするものである。
本発明の過酸化物としては、加熱によりラジカル活性種を発生して粘着剤組成物のベースポリマーの架橋を進行させるものであれば適宜使用可能であるが、作業性や安定性を勘案して、1分間半減期温度が80℃〜160℃である過酸化物を使用することが好ましく、90℃〜140℃である過酸化物を使用することがより好ましい。1分間半減期温度が低すぎると、塗布乾燥する前の保存時に反応が進行し、粘度が高くなり塗布不能となる場合があり、一方、1分間半減期温度が高すぎると、架橋反応時の温度が高くなるため副反応が起こり、また未反応の過酸化物が多く残存して経時での架橋が進行する場合があり、好ましくない。
本発明に用いられる過酸化物としては、たとえば、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:90.6℃)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.4℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:103.5℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:109.1℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:110.3℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジ−n−オクタノイルパーオキシド(1分間半減期温度:117.4℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(1分間半減期温度:124.3℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド(1分間半減期温度:128.2℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(1分間半減期温度:136.1℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(1分間半減期温度:149.2℃)などがあげられる。なかでも特に架橋反応効率が優れることから、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)などが好ましく用いられる。
上記過酸化物は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.02〜2重量部であることが好ましく、0.05〜1重量部であることがより好ましく、0.08〜0.6重量部であることがさらに好ましい。0.02重量部よりも少ない場合、架橋反応の進行が不十分となり、耐久性に劣る場合があり、一方、2重量部を超える場合、架橋構造が過多となり接着性に劣る場合があるため、いずれも好ましくない。
なお、過酸化物の半減期とは、過酸化物の分解速度を表す指標であり、過酸化物の残存量が半分になるまでの時間をいう。任意の時間で半減期を得るための分解温度や、任意の温度での半減期時間に関しては、メーカーカタログなどに記載されており、たとえば、日本油脂株式会社の「過酸化物カタログ第9版(2003年5月)」などに記載されている。
なお、反応処理後の残存した過酸化物分解量の測定方法としては、たとえば、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により測定することができる。
より具体的には、たとえば、反応処理後の粘着剤組成物を約0.3gずつ取り出し、アセトニトリル10mlに浸漬し、振とう機で25℃下、120r.p.mで8時間振とう抽出した後、メンブランフィルター(0.45μm)によりろ過して得られた抽出液約10μlをHPLCに注入して分析し、反応処理後の過酸化物量とすることができる。定量には同過酸化物にて検量線を作成したものに基づきおこなうものとする。
本発明に用いられる粘着剤組成物においては、イソシアネート系架橋剤を用いることができる。本発明におけるイソシアネート系架橋剤とは、2以上のイソシアネート基(イソシアネート基をブロック剤、数量体化などにより一時的に保護したイソシアネート再生型官能基を含む)を1分子中に有するイソシアネート化合物をいう。
上記イソシアネート化合物としては、たとえば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートなどがあげられる。さらにこれらのイソシアネート化合物の各種ポリオールの付加物や、ジイソシアネートイソシアヌレート、ビューレット化合物などもあげられる。これらのイソシアネートは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
より具体的には、上記イソシアネート化合物としては、たとえば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートL)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHL)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHX)などのイソシアネート付加物などがあげられる。さらに、これらイソシアネート化合物の各種ポリオールの付加物などもあげあげられる。
また、本発明に用いられる粘着剤組成物においては、エポキシ系架橋剤を用いることができる。本発明におけるエポキシ系架橋剤とは、2以上のエポキシ基(グリシジル基)を1分子中に有するエポキシ化合物いう。
エポキシ系架橋剤としては、たとえば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールグリシジルエーテル、テレフタル酸グリシジルエステルアクリレート、スピログリコールグリシジルエーテルなどがあげられる。これらのエポキシ化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
これらのイソシアネート系架橋剤および/またはエポキシ系架橋剤の使用量は、上記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、架橋剤(複数使用する際にはその両架橋剤の合計量)0.01〜2重量部含有することが好ましく、0.015〜1重量部含有することがより好ましく、0.02〜0.8重量部含有してなることがさらに好ましい。含有量が0.01重量部よりも少なくなると、高温での弾性率が低下して十分な添加効果が発現されにくく、十分な耐候性、耐熱性が得られない場合がある。一方、含有量が2重量部を超える場合、室温〜高温での弾性率が高くなり、応力緩和性が低下して液晶セルの反りが大きくなってしまう場合がある。
本発明においては、架橋された粘着剤層のゲル分率が、45〜90重量%となるように架橋剤の添加量を調整することが好ましく、47〜85重量%となるように架橋剤の添加量を調整することがより好ましく、50〜80重量%となるように架橋剤の添加量を調整することがさらに好ましい。ゲル分率が45重量%より小さくなると、耐久性に劣る傾向があり、90重量%を超えると、応力緩和性に劣る傾向がある。
本発明におけるゲル分率とは以下のようにして算出するものをいう。具体的には、架橋処理直後の粘着剤層を約0.1gとり、これを秤量して重量W(g)を測定した。次いで、これを微孔性テトラフルオロエチレン膜に包み(膜の重量をW(g))、約50mlの酢酸エチルに23℃下で2日間浸漬した後、可溶分を抽出した。その後、上記粘着剤層をまくと一緒に酢酸エチル中から取り出し、これを120℃で2時間乾燥し、全体の重量W(g)を測定した。これらの測定値から、下記の式、
ゲル分率(重量%)=〔(W−W)/W〕×100
により算出される値を粘着剤層のゲル分率(重量%)とする。なお、塗工後、室温(約23℃下)で7日間保存した後に、ゲル分率の測定を行った。
所定のゲル分率に調整するためには、過酸化物や架橋剤の添加量を調整することとともに、架橋処理温度や架橋処理時間の影響を十分考慮する必要がある。本発明においては、所定のベースポリマーと特定量の架橋剤を組み合わせ、さらに加熱処理による過酸化物架橋を行うことにより、所定範囲の貯蔵弾性率を有する上記の如き作用効果を奏する粘着剤層を容易に得ることができる。
架橋処理温度や架橋処理時間の調整は、たとえば、粘着剤組成物に含まれる過酸化物の分解量は75重量%以上になるように設定することが好ましく、80重量%以上になるように設定することがより好ましく、85重量%以上になるように設定することがさらに好ましい。過酸化物の分解量が75重量%より少ないと、粘着剤組成物中に残存する過酸化物の量が多くなり、架橋処理後も経時での架橋反応が起こることで結果的にゲル分率が90重量%を超える場合などがあり、好ましくない。
より具体的には、たとえば、架橋処理温度が1分間半減期温度では、1分間で過酸化物の分解量は50重量%であり、2分間で過酸化物の分解量は75重量%であり、2分間以上の架橋処理時間が必要となる。また、たとえば、架橋処理温度における過酸化物の半減期(半減時間)が30秒であれば、1分間以上の架橋処理時間が必要となり、また、たとえば、架橋処理温度における過酸化物の半減期(半減時間)が5分であれば、10分間以上の架橋処理時間が必要となる。
このように、使用する過酸化物によって架橋処理温度や架橋処理時間は、過酸化物が一次比例すると仮定して半減期(半減時間)から理論計算により算出することが可能であり、添加量を適宜調節することができる。一方、より高温にするほど、副反応が生じる可能性が高くなることから、架橋処理温度は170℃以下であることが好ましい。
また、かかる架橋処理は、粘着剤層の乾燥工程時の温度で行ってもよいし、乾燥工程後に別途架橋処理工程を設けて行ってもよいが、光学部材に温度(熱)履歴がかかって光学部材の特性が変化する場合があるので、光学部材を貼りあわせる前に行うことが好ましい。
また、架橋処理時間に関しては、生産性や作業性を考慮して設定することができるが、通常0.2〜20分間程度であり、0.5〜10分間程度であることが好ましい。
一般的に、光学材料は、延伸処理されることが多いので、加熱下や加湿下で、寸法が急激に変化するため、液晶表示装置の加熱および加湿耐久性試験において、架橋後の光学部材用粘着剤層のG’が高いと液晶セルに反りが発生したり、色ムラが発生したりする。一方、貯蔵弾性率は低すぎると加工性や作業性が困難となる。そのため、23℃でのG’が32000Pa〜70000Paであることが好ましく、40000Pa〜65000Paであることがより好ましく、55000Pa〜65000Paであることがさらに好ましい。23℃でのG’が70000Paより大きくなると、耐久性試験後、室温に戻した時の液晶セルの反りが大きくなり、32000Paより小さくなると、加工性や作業性が悪くなってしまう。また、80℃でのG’が20000Pa〜45000Paであることが好ましく、30000Pa〜43000Paであることがより好ましく、35000Pa〜43000Paであることがさらに好ましい。80℃でのG’が45000Paより大きくなると、加熱下での液晶セルの反りが大きくなり、20000Paより小さくなると、光学部材のハガレなどの不具合が発生する。なお、具体的には、実施例に記載の手法で行った。
本発明に用いる粘着剤組成物においては、シランカップリング剤を任意成分として適宜加えてもよい。かかるシランカップリング剤は、公知のものを特に制限なく適宜用いることができる。
たとえば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミンなどのアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのインシアネート基含有シランカップリング剤などがあげられる。このようなシランカップリング剤を使用することは、耐久性の向上に好ましい。
上記シランカップリング剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.01〜1重量部であることが好ましく、0.02〜0.6重量部であることがより好ましく、0.05〜0.3重量部であることがさらに好ましい。0.01重量部より少なくなると、添加効果が発現されにくく、一方、1重量部を超えると、液晶セルへの接着力が増大しすぎてしまう場合がある。
さらに本発明に用いられる粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、着色剤、顔料などの粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。その際、粘着剤層の弾性率を著しく変化させない程度に添加量を調節する必要がある。
本発明の光学部材用粘着剤層は、剥離処理した支持体の片面または両面に、上記粘着剤組成物からなる層を形成する工程、ならびに、上記粘着剤組成物からなる層を架橋して得られる粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率(G’)が32000〜70000Paおよび80℃における貯蔵弾性率(G’)が20000〜45000Paになるように、上記粘着剤組成物からなる層を加熱処理する工程、を含むことを特徴とする製造方法により得られることを特徴とする。かかる製造方法を用いることにより、上記の如き作用効果を奏する粘着剤層を容易に得ることができる。
上述の粘着剤組成物からなる層の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる光学部材用粘着剤層を光学部材などに転写することも可能である。
光学部材(またはセパレーター、支持フィルムなど)上に光学部材用粘着剤層を形成する方法は特に問わないが、たとえば、上記粘着剤組成物を剥離処理したセパレーターなどに塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を光学部材に形成する方法、または光学部材上に上記粘着剤組成物を塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を光学部材に形成する方法などにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生(エージング処理)を行なってもよい。また、粘着剤組成物を光学部材(またはセパレーター、支持フィルムなど)上に塗布して粘着シート類を作製する際には、光学部材(またはセパレーター、支持フィルムなど)上に均一に塗布できるよう、該組成物中に重合溶剤以外の1種以上の溶媒(溶剤)を新たに加えてもよい。
本発明において用いられる溶媒としては、たとえば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロへキサノン、n−へキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、水などがあげられる。これらの溶剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、本発明における粘着剤組成物からなる層の形成方法としては、粘着シート類の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法があげられる。
また、上記加熱処理する工程において、剥離処理した支持体(剥離処理したシート)の片面または両面に上述の粘着剤組成物からなる層の過酸化物の分解量が75重量%以上になるように行うことが好ましい。かかる製造方法を用いることにより、上述の優れた耐久性、および応力緩和性をバランスよく並立する光学部材用粘着剤層を得ることができる。
また、上記粘着剤層の表面には、コロナ処理、プラズマ処理、易接着層の形成などの易着処理や、帯電防止層の形成等を行ってもよい。
なお、本発明においては、上記光学部材用粘着剤層の乾燥後の厚みが2〜500μm、好ましくは5〜100μm程度となるように作製する。
このような表面に粘着剤が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したシート(剥離シート、セパレーター、剥離ライナー)で粘着剤層を保護してもよい。
セパレーター(剥離シート、剥離ライナー)の構成材料としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などがあげられるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのフィルムとしては、上記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
上記セパレーターの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。
上記セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、上記セパレーターの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜おこなうことにより、上記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
なお、上記の製造方法において、剥離処理したシート(剥離シート、セパレーター、剥離ライナー)は、そのまま粘着剤付光学部材のセパレーターとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
また、本発明の粘着剤付光学部材は、上記の構成を有する光学部材用粘着剤層を光学部材の片面または両面に形成してなるものである。
光学部材としては、液晶表示装置などの画像表示装置の形成に用いられるものが使用され、その種類は特に制限されない。たとえば、光学部材としては偏光板などがあげられる。偏光板には、偏光子の片面または両面には透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムなどの親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などポリエン系配向フィルムなどがあげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛などを含んでいてもよいヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行ってもよいし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴なかでも延伸することができる。
前記偏光子の片面または両面に設けられる透明保護フィルムを形成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。たとえば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系などの熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
保護フィルムの厚さは、適宜に決定することができるが、一般には強度や取扱性などの作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。
また、保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=[(nx+ny)/2−nz]・d(ただし、nx、nyはフィルム平面内の主屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料などからなる保護フィルムを用いてもよい。前記偏光子と保護フィルムとは通常、水系粘着剤などを介して密着している。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステルなどを例示できる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、たとえばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性などに優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止などを目的に施されるものであり、たとえばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、たとえば、平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモンなどからなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋または未架橋のポリマーなどからなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
また本発明の光学部材としては、たとえば、反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視角補償フィルム、輝度向上フィルムなどの液晶表示装置などの形成に用いられることのある光学層となるものがあげられる。これらは単独で本発明の光学部材として用いることができる他、前記偏光板に、実用に際して積層して、1層または2層以上用いることができる。
特に、偏光板にさらに反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板にさらに位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板にさらに視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板にさらに輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライトなどの光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層などを介して偏光板の片面に金属などからなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニウムなどの反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記透明保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制することができる利点などを有する。また微粒子含有の透明保護フィルムは、入射光およびその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制することができる利点なども有している。透明保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、たとえば、真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式などの蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことができる。
反射板は前記の偏光板の透明保護フィルムに直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が透明保護フィルムや偏光板などで被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラーなどの半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライトなどの内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライトなどの光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
偏光板にさらに位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
楕円偏光板はスーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青または黄)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示する場合などに有効に用いられる。さらに、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、たとえば、画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。
位相差板としては、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。位相差板の厚さも特に制限されないが、20〜150μm程度が一般的である。
高分子素材としては、たとえば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、ノルボルネン系樹脂、またはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげられる。これら高分子素材は延伸などにより配向物(延伸フィルム)となる。
液晶性ポリマーとしては、たとえば、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各種のものなどがあげられる。主鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲン基を結合した構造の、たとえば、ネマチック配向性のポリエステル系液晶性ポリマー、ディスコティックポリマーやコレステリックポリマーなどがあげられる。側鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはポリマロネートを主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を介してネマチック配向付与性のパラ置換環状化合物単位からなるメソゲン部を有するものなどがあげられる。これら液晶性ポリマーは、たとえば、ガラス板上に形成したポリイミドやポリビニルアルコールなどの薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化珪素を斜方蒸着したものなどの配向処理面上に液晶性ポリマーの溶液を展開して熱処理することにより行われる。
位相差板は、たとえば、各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものなどの使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであってよく、2種以上の位相差板を積層して位相差などの光学特性を制御したものなどであってもよい。
また上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、偏光板または反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せで積層したものである。かかる楕円偏光板などは、(反射型)偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することによっても形成することができるが、前記の如く予め楕円偏光板などの光学部材としたものは、品質の安定性や積層作業性などに優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させることができる利点がある。
視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムである。このような視角補償位相差板としては、たとえば、位相差板、液晶ポリマーなどの配向フィルムや透明基材上に液晶ポリマーなどの配向層を支持したものなどからなる。通常の位相差板は、その面方向に一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムが用いられるのに対し、視角補償フィルムとして用いられる位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、たとえば、ポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理または/および収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものなどがあげられる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的とした適宜なものを用いることができる。
また良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリアセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いることができる。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光をさらにその後ろ側に設けられた反射層などを介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部または全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示などに利用することができる光量の増大を図ることにより輝度を向上させることができるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示などに利用することができる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、さらにその後ろ側に設けられた反射層などを介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層などの間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層などに向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層などに向かい、反射層などを介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層などの間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記の輝度向上フィルムとしては、たとえば、誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左回りまたは右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いることができる。
したがって、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を投下するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を、位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域などの広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、たとえば、波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、たとえば、1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。したがって、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層または2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層または3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域などの広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また、偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層または3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。したがって、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
偏光板に前記光学層を積層した光学部材は、液晶表示装置などの製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学部材としたものは、品質の安定性や組立作業などに優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させることができる利点がある。積層には粘着剤層などの適宜な接着手段を用いることができる。前記の偏光板と他の光学層の接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
なお、本発明の粘着型光学部材の光学部材や粘着剤層などの各層には、たとえば、サリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などの紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明の粘着型光学部材は、液晶表示装置などの各種画像表示装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行うことができる。すなわち、液晶表示装置は一般に、液晶セルと粘着型光学部材、および必要に応じての照明システムなどの構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による光学部材を用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じることができる。液晶セルについても、たとえば、TN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いることができる。
液晶セルの片側または両側に粘着型光学部材を配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による光学部材は液晶セルの片側または両側に設置することができる。両側に光学部材を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、たとえば、拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層または2層以上配置することができる。
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、たとえば、トリフェニルアミン誘導体などからなる正孔注入層と、アントラセンなどの蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体などからなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体など、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1/4波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1/4波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
このような光学部材は、上述した粘着剤層と貼り合せた場合の投錨力を向上させるため、光学部材の表面をコロナ処理、プラズマ処理などの易着処理や下塗り処理を行ってもよい。
本発明の粘着剤付光学部材は、上記の構成を有することを特徴とし、上記の如き作用効果を奏する粘着剤層を備えるため、耐久性、加工性、および応力緩和性に優れた粘着剤付光学部材となる。
また、本発明の画像表示装置は、上記粘着剤付光学部材を用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、PDPなどであり、長期保存や、高温・高湿状態に保存されても、剥がれや発泡が発生しない高耐久性が発現し、光学部材を剥がして画像表示装置が再利用される場合でも接着力の増大が見られず、装置に悪影響を与えることなく容易に剥離できる機能を有する。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
<分子量の測定>
分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
分析装置:東ソー社製、HLC−8120GPC
データ処理装置:東ソー社製、GPC−8020
カラム:
サンプルカラム;
東ソー社製、G7000HXL−H+GMHXL−H+GMHXL
カラムサイズ;各7.8mmφ×30cm(計90cm)
流量:0.8ml/min
注入試料濃度:約0.1重量%
注入量:100μl
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計(RI)
なお、分子量はポリスチレン換算により算出した。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量)分析装置により測定した。なお、昇温過程において、吸熱しはじめる温度をガラス転移温度(Tg)とした。
分析装置:セイコー電子工業社製、DSC6200
試料重量:7〜13mg
昇温速度:10℃/min
窒素流量:60〜70ml/min
冷却方法:液体窒素使用
また、各ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)の実測結果を下記に示す。
2−エチルヘキシルアクリレートのホモポリマーのTg:−64℃
n−ブチルアクリレートのホモポリマーのTg:−46℃
イソオクチルアクリレートのホモポリマーのTg:−62℃
なお、いずれもカルボン酸をモノマー単位として含まない。
<ゲル分率の測定>
各実施例・比較例で作製した架橋処理直後の粘着剤層を約0.1gとり、これを秤量して重量W(g)を測定した。次いで、これを微孔性テトラフルオロエチレン膜に包み(膜の重量をW(g))、約50mlの酢酸エチルに23℃下で2日間浸漬した後、可溶分を抽出した。その後、上記粘着剤層をまくと一緒に酢酸エチル中から取り出し、これを120℃で2時間乾燥し、全体の重量W(g)を測定した。これらの測定値から、下記の式、
ゲル分率(重量%)=〔(W−W)/W〕×100
により算出される値を粘着剤層のゲル分率(重量%)とした。なお、塗工後、室温(約23℃下)で7日間保存した後に、ゲル分率の測定を行った。
<貯蔵弾性率の測定>
貯蔵弾性率は、各実施例・比較例で作製した粘着剤層を用いてARES(ティー・エイ・インスツルメンツ社製)により測定した。
変形モード:ねじり
測定周波数:一定周波数1Hz
昇温速度:5℃/min
測定温度:(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)付近から160℃まで測定
形状:パラレルプレート 7.9mmφ
試料厚さ:約1.8mm(取り付け初期)
なお、23℃および80℃での貯蔵弾性率(G’)を読み取った。
<耐久性(加湿試験)の評価>
作製した光学部材を縦幅24cm×横幅32cm(15型サイズ)のサイズにカットし、無アルカリガラス板(コーニング社製、#1737、大きさ:25×35cm、厚み:0.7mm)に貼り付け、50℃、0.5MPaの圧力で15分間オートクレーブ処理を行った。その後、60℃×90%RHの雰囲気下で500時間保存してから室温(約25℃)に戻し、評価用サンプルを得た。
上記評価用サンプルのガラス板への付着状態を目視にて観測評価した。評価基準は以下のとおりである。
光学部材の浮きや剥がれが生じなかった。:○
光学部材の浮きや剥がれが生じた。:×
<耐久性(加熱試験)の評価>
作製した光学部材を縦幅24cm×横幅32cm(15型サイズ)のサイズにカットし、無アルカリガラス板(コーニング社製、#1737、大きさ:25×35cm、厚み:0.7mm)に貼り付け、50℃、0.5MPaの圧力で15分間オートクレーブ処理を行った。その後、80℃で500時間保存してから室温(約25℃)に戻し、評価用サンプルを得た。
上記評価用サンプルのガラス板への付着状態を目視にて観測評価した。評価基準は以下のとおりである。
光学部材の浮きや剥がれが生じなかった。:○
光学部材の浮きや剥がれが生じた。:×
<ガラス板の反りの評価(加熱試験後)>
作製した光学部材を縦幅27cm×横幅27cmのサイズにカットし、無アルカリガラス板(コーニング社製、#1737、大きさ:28×28cm、厚み:0.7mm)の片面に偏光板の吸収軸が0°になるように貼り付け、50℃、0.5MPaの圧力で15分間オートクレーブ処理を行った。その後、90℃で100時間保存してから室温(約25℃)に戻し、評価用サンプルを得た。
上記評価用サンプルのガラスの4隅の反りを変位計(オムロン社製、Z4W−V25R)にて測定し、平均値を算出した。
<ガラス板の反りの評価(加湿試験後)>
作製した光学部材を縦幅27cm×横幅27cmのサイズにカットし、無アルカリガラス板(コーニング社製、#1737、大きさ:28×28cm、厚み:0.7mm)の片面に偏光板の吸収軸が0°になるように貼り付け、50℃、0.5MPaの圧力で15分間オートクレーブ処理を行った。その後、60℃×90%RHの雰囲気下で100時間保存し、次いで室温(約23℃)、50%RHの雰囲気下6時間保管し、評価用サンプルを得た。
上記評価用サンプルのガラスの4隅の反りを変位計(オムロン社製、Z4W−V25R)にて測定し、平均値を算出した。
<色ムラの評価>
作製した光学部材を縦幅24cm×横幅32cm(15型サイズ)のサイズにカットし、無アルカリガラス板(コーニング社製、#1737、大きさ:25×35cm、厚み:0.7mm)の両面に偏光板の吸収軸が直行するように貼り付け、50℃、0.5MPaの圧力で15分間オートクレーブ処理を行った。その後、90℃で500時間保存してから室温(約25℃)に戻し、評価用サンプルを得た。
上記評価用サンプルの色ムラの発生状態を目視にて観測評価した。評価基準は以下のとおりである。
色ムラなどが生じなかった。:○
色ムラなどが生じた。:×
<加工性の評価>
作製した光学部材を、エージング処理を行わずにプレス機を用いて打ち抜き加工処理を行った。上記加工処理の際の切断刃の状態を目視にて観察評価した。評価基準は以下のとおりである。
粘着剤層の付着・破損が認められなかった場合:○
粘着剤層の付着・破損が若干認められたが、本発明の用途には支障なかった場合:△
粘着剤層の付着・破損が認められた場合:×
<(メタ)アクリル系ポリマーの調製>
〔アクリル系ポリマー(A)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート100重量部、アクリル酸2.5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒として酢酸エチル200重量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(A)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は194万、ガラス転移温度(Tg)は−62℃であった。なお、アクリル系ポリマー(A)には、不飽和カルボン酸はモノマー成分として含まれていない。
〔アクリル系ポリマー(B)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、イソオクチルアクリレート100重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒として酢酸エチル200重量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(B)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量は237万、ガラス転移温度(Tg)は−62℃であった。なお、アクリル系ポリマー(B)には、不飽和カルボン酸はモノマー成分として含まれていない。
〔アクリル系ポリマー(C)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、イソオクチルアクリレート100重量部、マレイミドアクリレート2.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒として酢酸エチル200重量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(C)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(C)の重量平均分子量は223万、ガラス転移温度(Tg)は−55℃であった。なお、アクリル系ポリマー(C)には、不飽和カルボン酸はモノマー成分として含まれていない。
〔アクリル系ポリマー(D)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート70重量部、ブチルアクリレート30重量部、アクリル酸0.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.3重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒として酢酸エチル200重量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(D)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(D)の重量平均分子量は250万、ガラス転移温度(Tg)は−55℃であった。
〔アクリル系ポリマー(E)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、イソオクチルアクリレート100重量部、アクリロイロモルホリン(興人社製)2.5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒として酢酸エチル200重量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(E)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(E)の重量平均分子量は220万、ガラス転移温度(Tg)は−51℃であった。なお、アクリル系ポリマー(E)には、不飽和カルボン酸はモノマー成分として含まれていない。
〔アクリル系ポリマー(F)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、イソオクチルアクリレート60重量部、ブチルアクリレート40重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒として酢酸エチル200重量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(F)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(F)の重量平均分子量は292万、ガラス転移温度(Tg)は−50℃であった。なお、アクリル系ポリマー(F)には、不飽和カルボン酸はモノマー成分として含まれていない。
〔アクリル系ポリマー(G)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、イソオクチルアクリレート70重量部、ブチルアクリレート30重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2重量部、重合開始剤としてジベンゾイルパーオキシド0.3重量部、重合溶媒として酢酸エチル200重量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(G)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(G)の重量平均分子量は196万、ガラス転移温度(Tg)は−55℃であった。なお、アクリル系ポリマー(G)には、不飽和カルボン酸はモノマー成分として含まれていない。
〔アクリル系ポリマー(H)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、イソオクチルアクリレート30重量部、ブチルアクリレート70重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒として酢酸エチル200重量部を仕込み、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながらフラスコ内の液温を55℃付近に保って10時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(H)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(H)の重量平均分子量は263万、ガラス転移温度(Tg)は−48℃であった。
〔実施例1〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(A)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.12重量部、および架橋剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(三井武田ケミカル社製、D−101N)0.3重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(1)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(1)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は74重量%であった。
〔実施例2〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(B)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.12重量部、および架橋剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(三井武田ケミカル社製、D−101N)0.3重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(2)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(2)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は70重量%であった。
〔実施例3〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(C)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.1重量部、および架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット体(三井武田ケミカル社製、D−165N)0.3重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(3)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(3)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は60重量%であった。
〔実施例4〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(D)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.1重量部、および架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(三井武田ケミカル社製、D−170HN)0.2重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(4)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(4)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は70重量%であった。
〔実施例5〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(D)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.1重量部、および架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(三井武田ケミカル社製、D−170N)0.02重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(5)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(5)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は51重量%であった。
〔実施例6〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(D)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、および過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.25重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(6)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(6)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は56重量%であった。
〔実施例7〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(E)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.12重量部、および架橋剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(三井武田ケミカル社製、D−101N)0.3重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(7)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(7)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は67重量%であった。
〔実施例8〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(E)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.1重量部、および架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル(Aldrich社製)0.015重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(8)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(8)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は74重量%であった。
〔実施例9〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(F)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.1重量部、および架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル(Aldrich社製)0.02重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(9)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(9)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は78重量%であった。
〔実施例10〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(G)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(10)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(10)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は61重量%であった。
〔比較例1〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(B)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、および架橋剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(三井武田ケミカル社製、D−101N)0.5重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(11)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(11)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は89重量%であった。
〔比較例2〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(C)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.2重量部、および架橋剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(三井武田ケミカル社製、D−101N)0.3重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(12)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(12)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は91重量%であった。
〔比較例3〕
(光学部材用粘着剤溶液の調製)
上記アクリル系ポリマー(H)溶液の固形分100重量部に、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、過酸化物としてジベンゾイルパーオキシド(和光純薬社製)0.12重量部、および架橋剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(三井武田ケミカル社製、D−101N)0.3重量部を加えて均一に混合撹拌し、アクリル系粘着剤溶液(13)を調製した。
(粘着剤付光学部材の作製)
上記アクリル系粘着剤溶液(13)を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間加熱して、乾燥後の厚さが25μmの粘着剤層を形成した。
次いで、偏光フィルムの表面に上記粘着剤層を転写し、粘着剤付光学部材を作製した。なお、上記粘着剤層のゲル分率は63重量%であった。
Figure 0004993245
上記方法に従い、作製した粘着剤層の貯蔵弾性率(23℃および80℃)、ならびに粘着剤付光学部材の耐久性(加湿試験、加熱試験)、ガラス板の反り(加湿試験、加熱試験)、色ムラ、および加工性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
上記表1の結果より、本発明によって作製された粘着剤付光学部材を用いた場合(実施例1〜10)、いずれの実施例においても、長期の高温高湿処理後の耐久性(剥がれや発泡が発生しない)、および光学部材(偏光板)の寸法変化に起因する応力に対する緩和性にも優れるとともに、液晶表示状態への悪影響(色ムラ)の発生もなく、加工性に優れることが明らかとなった。
これに対して、本発明の構成を満たさない粘着剤付光学部材を用いた場合(比較例1〜3)、いずれの比較例においても、高温高湿処理後の耐久性、応力緩和性、ならびに色ムラの発生の抑制、および加工性のすべてを並立することができない結果となり、特に大画面化における粘着剤付光学部材には適さないことが明らかとなった。
以上により、本発明の粘着剤付光学部材は、過酷な処理条件下で保存されても、耐久性、応力緩和性、および加工性に優れ、色ムラの発生を抑制したものとなり、特に大画面化した際においても反りが抑制された、応力緩和性と耐久性を併有する粘着剤付光学部材であることがわかった。

Claims (7)

  1. 剥離処理した支持体の片面または両面に、ガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル系ポリマーおよび過酸化物を含む粘着剤組成物からなる層を形成する工程、ならびに、前記粘着剤組成物からなる層を架橋して得られる粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率(G’)が32000〜70000Paおよび80℃における貯蔵弾性率(G’)が20000〜45000Paになるように、前記粘着剤組成物からなる層を加熱処理する工程、を含み、
    前記粘着剤組成物が、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、過酸化物0.02〜2重量部含有し、
    前記粘着剤層のゲル分率が45〜90重量%であることを特徴とする光学部材用粘着剤層の製造方法。
  2. 前記粘着剤組成物が、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、イソシアネート系架橋剤および/またはエポキシ系架橋剤0.01〜2重量部含有する請求項1に記載の光学部材用粘着剤層の製造方法。
  3. 前記粘着剤組成物が、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、シランカップリング剤0.01〜1重量部含有する請求項1〜2のいずれかに記載の光学部材用粘着剤層の製造方法。
  4. 前記加熱処理による過酸化物の分解量が75重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材用粘着剤層の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により得られた光学部材用粘着剤層。
  6. 請求項5に記載の光学部材用粘着剤層を光学部材の片面または両面に形成してなることを特徴とする粘着剤付光学部材。
  7. 請求項に記載の粘着剤付光学部材を少なくとも1枚用いた画像表示装置。
JP2005140782A 2005-05-13 2005-05-13 光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置 Active JP4993245B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005140782A JP4993245B2 (ja) 2005-05-13 2005-05-13 光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005140782A JP4993245B2 (ja) 2005-05-13 2005-05-13 光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006316181A JP2006316181A (ja) 2006-11-24
JP4993245B2 true JP4993245B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=37537134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005140782A Active JP4993245B2 (ja) 2005-05-13 2005-05-13 光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4993245B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108291995A (zh) * 2015-12-10 2018-07-17 东友精细化工有限公司 复合偏光板及包含该复合偏光板的图像显示设备
US10698240B2 (en) 2014-01-13 2020-06-30 Samsung Display Co., Ltd. Flexible display device
JP2021183693A (ja) * 2020-05-07 2021-12-02 藤森工業株式会社 粘着剤層、及び粘着剤層付き光学フィルム
JP2021185220A (ja) * 2020-05-07 2021-12-09 藤森工業株式会社 粘着剤層、及び粘着剤層付き光学フィルム

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2093594B1 (en) 2006-12-01 2013-01-09 Kuraray Co., Ltd. Pressure-sensitive adhesive for optical films
JP5098593B2 (ja) * 2006-12-04 2012-12-12 住友化学株式会社 楕円偏光板及び液晶表示装置
JP4782183B2 (ja) * 2007-02-28 2011-09-28 日東電工株式会社 バックライトシステムおよび粘着剤付光学シート
TWI418603B (zh) 2007-03-16 2013-12-11 Mitsubishi Gas Chemical Co 光穿透型電磁波屏蔽積層體及其製造方法、光穿透型電波吸收體,以及接著劑組成物
CN101622321B (zh) * 2007-04-04 2013-06-26 电气化学工业株式会社 丙烯酸系粘合剂用的底涂组合物、粘合方法及接合体
JP2009086452A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Nitto Denko Corp 粘着型光学フィルムの製造方法、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置
JP5102012B2 (ja) * 2007-12-19 2012-12-19 リンテック株式会社 表示装置用ガラス基板の製造方法、表示パネルの製造方法
JP5591477B2 (ja) * 2008-03-13 2014-09-17 日東電工株式会社 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、粘着型光学部材、透明導電性積層体、タッチパネルおよび画像表示装置
WO2009119435A1 (ja) * 2008-03-26 2009-10-01 住友化学株式会社 複合偏光板、複合偏光板の製造方法およびそれを用いた液晶表示装置
JP2009258226A (ja) * 2008-04-14 2009-11-05 Sumitomo Chemical Co Ltd 複合偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
JP2009258589A (ja) * 2008-03-26 2009-11-05 Sumitomo Chemical Co Ltd 複合偏光板、複合偏光板の製造方法およびそれを用いた液晶表示装置
JP5588626B2 (ja) 2008-08-04 2014-09-10 富士フイルム株式会社 光学フィルム、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルムおよび液晶表示装置
KR101654535B1 (ko) * 2009-05-18 2016-09-06 타이카 코포레이션 광학용 투명 감압 접착체와 광학용 투명 감압 접착 적층제 및 그 제조방법
KR101309598B1 (ko) * 2009-10-09 2013-09-23 주식회사 엘지화학 일체형 터치 편광판 및 이를 포함하는 터치 패널
JP5590380B2 (ja) * 2010-03-31 2014-09-17 Dic株式会社 エマルジョン型粘着剤組成物および粘着テープ
CN102869736B (zh) 2010-04-30 2016-07-13 日东电工株式会社 粘接剂组合物
TWI471612B (zh) * 2010-11-10 2015-02-01 Lg Chemical Ltd 光學元件
JP6136093B2 (ja) * 2011-05-31 2017-05-31 住友化学株式会社 複合偏光板および液晶表示装置
TWI626163B (zh) * 2012-03-06 2018-06-11 Lintec Corp 氣體阻隔薄膜層積體、黏合薄膜以及電子元件
JP6102331B2 (ja) * 2013-02-22 2017-03-29 大日本印刷株式会社 粘着層付き位相差フィルム及びこれを用いた光学部材
JP2015174907A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 綜研化学株式会社 粘着剤組成物、粘着剤層および粘着シート
JP2016126130A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 日東電工株式会社 有機el表示装置用積層体及び有機el表示装置
JP6633366B2 (ja) * 2015-11-27 2020-01-22 三星エスディアイ株式会社SAMSUNG SDI Co., LTD. 粘着剤組成物、粘着剤層、粘着シート、および画像表示装置
JP6213609B2 (ja) * 2016-04-27 2017-10-18 東洋インキScホールディングス株式会社 粘着剤、粘着シートおよびディスプレイ
JP2020149065A (ja) * 2020-05-26 2020-09-17 日東電工株式会社 有機el表示装置用積層体及び有機el表示装置
KR102466644B1 (ko) * 2021-03-23 2022-11-16 주식회사 엘엠에스 점착제 조성물 및 광학 점착제

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249752A (ja) * 2001-02-22 2002-09-06 Nitto Denko Corp 粘着型光学フィルム
JP2002294209A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Sekisui Chem Co Ltd 粘着剤組成物及びその製造方法、並びに粘着テープ
JP2003029644A (ja) * 2001-07-19 2003-01-31 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 画像表示装置、画像表示装置用積層板及び画像表示装置のパネルに用いる透明粘着シート
JP4158409B2 (ja) * 2002-05-13 2008-10-01 ソニー株式会社 光ディスクの製造方法
JP2004271935A (ja) * 2003-03-10 2004-09-30 Nitto Denko Corp 粘着剤付き光学フィルムと液晶表示装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10698240B2 (en) 2014-01-13 2020-06-30 Samsung Display Co., Ltd. Flexible display device
CN108291995A (zh) * 2015-12-10 2018-07-17 东友精细化工有限公司 复合偏光板及包含该复合偏光板的图像显示设备
JP2021183693A (ja) * 2020-05-07 2021-12-02 藤森工業株式会社 粘着剤層、及び粘着剤層付き光学フィルム
JP2021185220A (ja) * 2020-05-07 2021-12-09 藤森工業株式会社 粘着剤層、及び粘着剤層付き光学フィルム
JP7121171B2 (ja) 2020-05-07 2022-08-17 藤森工業株式会社 粘着剤層、及び粘着剤層付き光学フィルム
JP7132402B2 (ja) 2020-05-07 2022-09-06 藤森工業株式会社 粘着剤層、及び粘着剤層付き光学フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006316181A (ja) 2006-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4993245B2 (ja) 光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置
JP5422629B2 (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層およびその製造方法、ならびに粘着剤付光学部材
JP5085028B2 (ja) 粘着型光学フィルムおよびその製造方法
JP4883749B2 (ja) 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置
JP5243197B2 (ja) 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、粘着型光学部材および画像表示装置
JP4744179B2 (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層およびその製造方法、ならびに粘着シート類
JP5085077B2 (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層およびその製造方法、ならびに粘着剤付光学部材
JP5243182B2 (ja) 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、粘着型光学部材および画像表示装置
JP2008189838A (ja) 光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置
JP2007084762A (ja) 光学用粘着剤組成物、光学用粘着剤層、粘着剤層付光学部材、その製造方法および画像表示装置
JP4754435B2 (ja) 積層光学フィルム、楕円偏光板および画像表示装置
JP2009173772A (ja) 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、粘着型光学部材、及び画像表示装置
JP4880315B2 (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層、および粘着剤付光学部材
JP4485329B2 (ja) 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置
JP4587459B2 (ja) 光学部材用粘着剤組成物および光学部材用粘着剤層の製造方法
JP4883748B2 (ja) 剥離力調整方法、光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置
JP5717940B2 (ja) 混合物の硬化促進方法および粘着剤組成物の硬化促進方法
JP4519572B2 (ja) 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤層付光学部材、ならびに画像表示装置
JP4535798B2 (ja) 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、光学部材用粘着シート類、粘着型光学部材、及び画像表示装置
JP5038797B2 (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層およびその製造方法、ならびに粘着剤付光学部材
JP3822213B2 (ja) 剥離力調整方法、光学部材用粘着剤層およびその製造方法、ならびに粘着剤付光学部材
JP2008045048A (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層およびその製造方法、ならびに粘着剤付光学部材
JP2008056880A (ja) 粘着剤組成物及び粘着剤層
JP5290531B2 (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層およびその製造方法、ならびに粘着剤付光学部材
JP2008045067A (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層およびその製造方法、ならびに粘着剤付光学部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071113

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20091222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120425

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120426

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4993245

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250