JP2008056880A - 粘着剤組成物及び粘着剤層 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱処理や高湿処理により、発泡や浮き、剥がれ等の生じない、耐久性に優れた粘着剤組成物、粘着剤層、該粘着剤層を使用した粘着型光学部材、該光学部材を使用した画像表示装置の提供。
【解決手段】(メタ)アクリル系モノマーAを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマーを1〜10重量部、水酸基含有モノマーを0.01〜1重量部含有する重量平均分子量150万〜300万のアクリル系ポリマー(a)、(a)100重量部に対しホモポリマーのガラス転移温度が60〜190℃である (メタ)アクリル系モノマーBを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマー1〜10重量部を含有する重量平均分子量3000〜12000のオリゴマー(b)5〜35重量部、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤0.02〜3重量部を含有する粘着剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(メタ)アクリル系モノマーAを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマーを1〜10重量部、水酸基含有モノマーを0.01〜1重量部含有する重量平均分子量150万〜300万のアクリル系ポリマー(a)、(a)100重量部に対しホモポリマーのガラス転移温度が60〜190℃である (メタ)アクリル系モノマーBを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマー1〜10重量部を含有する重量平均分子量3000〜12000のオリゴマー(b)5〜35重量部、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤0.02〜3重量部を含有する粘着剤組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、粘着剤組成物に関する。詳細には、本発明は、該粘着剤組成物により形成される粘着剤層、該粘着剤層を有する粘着型光学部材及びこれを用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置、に関する。該光学部材としては、偏光板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、更にはこれらが積層されているもの等が挙げられる。
一般に、液晶ディスプレイは、液晶層の着色による補償や視野角による位相差の変化を補償するために位相差フィルムを積層することが通常である。このような光学材料は、高熱や高湿度下条件では伸縮が大きく、それに伴うズレや浮きや剥がれが生じやすくなり、粘着剤にはこれに対応できる耐久性が要求される。
近年、液晶ディスプレイの薄型化は進んでおり、更なる薄型化のためにはこれらの位相差フィルム等を積層する際の粘着剤厚みを薄くする必要があるが、厚みを薄くすると上記のような耐久性を満足することはできない。
そのために、積層させる粘着剤の厚み比を規定したり、粘着剤中にオリゴマーやタッキファイヤを添加する等して粘着性を改良する検討が行われてきた(特許文献1〜9)。
しかしながら、上述したように近年のディスプレイの薄型化により粘着剤層の薄型化も要求されており、従来の手法では厚みを薄くすると高温、高湿下での耐久性を満足することが難しく、さらなる薄型化への要求に十分こたえることは困難であることが判明した。
そこで、本発明は、位相差板や偏向等の光学部材を積層する際の粘着剤厚みを薄層化した場合であっても、加熱処理や高湿処理により、発泡や浮き、剥がれ等の生じない、耐久性に優れた粘着剤組成物を提供すること、また、該粘着剤層組成物を使用した粘着剤層、該粘着剤層を使用した粘着型光学部材、該光学部材を使用した画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す粘着剤組成物により上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、モノマー単位として、一般式CH2=C(R1)COOR2(ただし、R1は水素又はメチル基、R2は炭素数4〜12のアルキル基である)で表される (メタ)アクリル系モノマーAを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマーを1〜10重量部、及び水酸基含有モノマーを0.01〜1重量部を含有する重量平均分子量150万〜300万のアクリル系ポリマー(a)を含有し、
前記アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、モノマー単位として、ホモポリマーのガラス転移温度が60〜190℃である (メタ)アクリル系モノマーBを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマー1〜10重量部を含有する重量平均分子量3000〜12000のオリゴマー(b)の5〜35重量部を含有し、
前記アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤0.02〜3重量部を含有する粘着剤組成物、に関する。
前記アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、モノマー単位として、ホモポリマーのガラス転移温度が60〜190℃である (メタ)アクリル系モノマーBを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマー1〜10重量部を含有する重量平均分子量3000〜12000のオリゴマー(b)の5〜35重量部を含有し、
前記アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤0.02〜3重量部を含有する粘着剤組成物、に関する。
前記粘着剤組成物は、粘着剤厚みを薄層化した場合であっても、加熱処理や高湿処理により、発泡や浮き、剥がれ等の生じない、耐久性に優れた粘着剤組成物である。
本発明における粘着剤組成物は、前記 (メタ)アクリル系モノマーBが、環状構造を有することが好ましい。環状構造を有する (メタ)アクリル系モノマーBを使用すると、耐久性の高い粘着剤が得られる。
本発明における粘着剤組成物は、前記アクリル系ポリマー(a)の全モノマー成分100重量部に対して、窒素含有モノマーを1〜20重量部含有することが好ましい。
上記窒素含有モノマーを用いることにより上記特性を発現する理由の詳細は明らかではないが、極性の高い窒素含有モノマーがポリマー中に多く存在することにより、被着体の界面との相互作用が向上したためと、凝集力が向上したことが理由と考えられる。
本発明は、前記粘着剤組成物からなる粘着剤層、に関する。上述のような作用効果を奏するため、特に光学部材用として用いられることに適している。
本発明における粘着剤層の厚みは、1〜15μmとすることができる。本発明の粘着剤層は、このように薄層化した場合であっても、加熱処理や高湿処理により浮きや剥がれの生じない、耐久性に優れたものとなる。
本発明は、前記粘着剤層を光学部材の片面又は両面に形成してなる粘着型光学部材、に関する。本発明の粘着型光学部材は、優れた粘着特性、特に薄層化した場合であっても、加熱処理や高湿処理により浮きや剥がれの生じない、耐久性に優れた粘着型光学部材となる。
本発明は、前記粘着型光学部材を少なくとも1枚用いた画像表示装置、に関する。本発明の画像表示装置は、前記粘着型光学部材を用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等であり、特に粘着剤層を薄層化した場合であっても、加熱処理や高湿処理により浮きや剥がれの生じない高耐久性が発現できる機能を有する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の粘着剤組成物は、モノマー単位として、一般式CH2=C(R1)COOR2(ただし、R1は水素又はメチル基、R2は炭素数4〜12のアルキル基である)で表される (メタ)アクリル系モノマーAを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマーを1〜10重量部、及び水酸基含有モノマーを0.01〜1重量部を含有する重量平均分子量150万〜300万のアクリル系ポリマー(a)を含有する。
上記一般式において、R1は水素又はメチル基である。また、上記一般式において、R2は炭素数4〜12のアルキル基であるが、炭素数4〜9が好ましく、4〜8のものがより好ましい。また、R2のアルキル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれも使用できるが、ガラス転移温度(Tg)が低いことから、分岐鎖のものが好ましい。
一般式CH2=C(R1)COOR2で表される (メタ)アクリル系モノマーAとしては、具体的には、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。
本発明において、上述の一般式CH2=C(R1)COOR2で表される(メタ)アクリル系モノマーAは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はアクリル系ポリマー(a)のモノマー全体において、50〜98重量%が好ましく、より好ましくは、60〜97重量%である。上記(メタ)アクリル系モノマーAが少なすぎると接着性に乏しくなり好ましくない。
アクリル系ポリマー(a)のモノマー成分であるカルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等があげられる。特に、アクリル酸、及びメタクリル酸が好ましく用いられる。
前記カルボキシル基含有モノマーの含有量は、1〜10重量部であり、好ましくは1.5〜8重量部、より好ましくは、2〜7重量部である。前記ルボキシル基含有モノマーの含有量が1重量部未満であると、耐久性が悪化し、10重量部を超えると、ポリマー(a)のTgが高くなりすぎ、接着性が乏しくなる。また、上記範囲外であると、オリゴマー(b)との相溶性が悪くなり、粘着剤層の白化や、経時保存での安定性に問題が生じる。
本発明における水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等があげられる。
上記水酸基含有モノマーは、0.01〜1重量部含有し、好ましくは0.03〜0.8重量部、より好ましくは、0.05〜0.6重量部である。前記モノマーはイソシアネート系架橋剤との架橋点と作用する。前記モノマー量が0.01重量部未満であると、架橋度が上がらず、耐久性が低下したり、架橋反応が終了するまでに長時間を要する。また、生産性が劣る等の問題が生じる。一方、1重量部を超えると、架橋度が上昇しすぎて、接着性が低下する等の問題が生じる。
本発明における窒素含有モノマーとは、モノマー構造中に1以上の窒素原子を含有する重合性モノマーをいう。例えば、イミド基含有モノマーやアミド基含有モノマー等が好適なものとしてあげられる。
上記イミド基含有モノマーとしては、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、イタコンイミド等があげられる。
上記アミド基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム等があげられる。
その他の窒素含有モノマーとしては、例えば、アミノ基含有モノマー、(メタ)アクリロニトリル、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン等があげられる。
上記アクリル系ポリマー(a)における全モノマー成分100重量部に対して、窒素含有モノマーの含有量は、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部、更に好ましくは3〜20重量部含有するものである。前記モノマーの含有量が1重量部未満であると、高湿度化において剥がれる等接着性、耐久性に悪影響を及ぼす場合があり、一方、前記モノマーの含有量が20重量部を超えると接着性が低下し、高温・高湿度下で剥がれたり、張り合わせ性が低下する等の問題が生じる。
本発明のアクリル系ポリマー(a)においては、上述のモノマー以外のモノマーとして、アクリル系ポリマー(a)のガラス転移温度や剥離性を調整するための重合性モノマー等を、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
本発明のアクリル系ポリマー(a)の重量平均分子量は、150万〜300万であり、好ましくは、170万〜280万、より好ましくは180万〜260万である。前記分子量が150万未満であると、加熱耐久試験において発泡が生じ、300万を超えると、接着性が低下する。なお、前記ポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法にて測定し、ポリスチレン換算により算出された値をいう。
本発明の粘着剤組成物は、上記のようなアクリル系ポリマー(a)をベースポリマーとするものである。
本発明において、モノマー単位として、ホモポリマーのTgが60〜190℃である(メタ)アクリル系モノマーBを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマーを1〜10重量部を含有する重量平均分子量3000〜12000のオリゴマー(b)である。
前記ホモポリマーを形成した際のTgが、60〜190℃である(メタ)アクリル系モノマーBとしては、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等の(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステルや、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステル等の芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル等、ホモポリマーを形成した際のTgが60〜190℃であり、好ましくは60〜150℃、より好ましくは60〜130℃である。特に環状構造を有する(メタ)アクリル系モノマーBを用いた場合に、耐久性が高い。
前記(メタ)アクリル系モノマーBは、単独又は2種以上を併用して使用することができる。
本発明のオリゴマー(b)における前記(メタ)アクリル系モノマーBの配合量は、全モノマー成分100重量部に対して、50重量部以上であることが好ましく、より好ましくは80重量部であり、更に好ましくは90重量部以上である。前記(メタ)アクリル系モノマーBが50重量部未満であると、剥離力や凝集力が低下する。なお、モノマー成分として、カルボキシル基含有モノマーを1〜10重量部含有するため、99重量部以下が好ましく、より好ましくは97重量部以下である。
本発明の (メタ)アクリル系モノマーBは、環状構造を有することが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステル等の芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル等がより好ましい。環状構造を有する(メタ)アクリル系モノマーBを用いた場合に、耐久性に優れている。
本発明におけるオリゴマー(b)は、モノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーが用いられる。前記カルボキシル基含有モノマーとしては、上記アクリル系ポリマー(a)のカルボキシル基含有モノマーと同様、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等があげられる。また、前記モノマーの無水物、例えば、無水マレイン酸、無水イコタン酸等の酸無水物基含有モノマーが挙げられ、これらについても、カルボキシル基含有モノマーとして使用することができる。
前記カルボキシル基含有モノマーの配合量は、全モノマー成分100重量部に対して、1〜10重量部であり、好ましくは3〜10重量部、より好ましくは3〜5重量部である。前記モノマーの含有量が1重量部未満であると、透明性が低下する傾向にあり、一方、10重量部を越えると、重合時の温度制御が困難となる傾向にある。
本発明におけるオリゴマー(b)には、必要に応じて、上記Tgが60〜190℃である(メタ)アクリル系モノマーBやカルボキシル基含有モノマーに対して、共重合可能なモノマー(共重合性モノマー)を併用しても良い。前記共重合性モノマーの配合量は全モノマー成分100重量部に対して、50重量部未満であれば使用することができる。なお、モノマー成分の種類に応じて適宜選択することができる。
本発明におけるオリゴマー(b)は、重量平均分子量が3000〜12000であり、好ましくは3300〜10000であり、より好ましくは、3500〜8000である。上記範囲を外れると接着性や耐久性が劣ることになる。なお、前記オリゴマー(b)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法にて測定し、ポリスチレン換算により算出された値をいう。
上記アクリル系ポリマー(a)及びオリゴマー(b)の重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤等、これらの使用量、重合の際の反応温度や反応時間、モノマー濃度やモノマーの滴下速度等により制御することができる。
上記アクリル系ポリマー(a)及びオリゴマー(b)の製造は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合等の公知の製造方法を適宜選択できるが、透明性、耐水性、コスト面等から、溶液重合を用いることが好ましい。例えば、溶液重合においては、重合溶媒として、例えば、酢酸エチル、トルエン等が用いられる。具体的な溶液重合例としては、窒素等の不活性ガス気流下で、全モノマー成分100重量部に対して、重合開始剤のアゾビスイソブチロニトリル0.01〜0.2重量部加え、通常、50〜70℃程度で、8〜30時間程度で行われる。
なお、上記アクリル系ポリマー(a)及びオリゴマー(b)の重合の際に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等は特に限定されず適宜選択して使用することができる。
本発明に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬社製、VA−057)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジミクロパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせ等の過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤等をあげることができるが、これらに限定されるものではない。なお、溶液重合の場合は、油溶性の重合開始剤を用いることが好ましい。
前記重合開始剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全モノマー成分100重量部に対して、0.1〜15重量部程度である。
また、本発明においては、重合の際に連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤を用いることにより、アクリル系ポリマー(a)及びオリゴマー(b)の分子量を適宜調整することができる。
連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、α−メチルスチレンダイマー等があげられる。
これらの連鎖移動剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー100重量部に対して、0.01〜15重量部程度である。
本発明の粘着剤組成物において、アクリル系ポリマー(a)とオリゴマー(b)の配合量は、アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、オリゴマー(b)が5〜35重量部が好ましく、より好ましくは、15〜30重量部である。オリゴマー(b)の配合量が5重量部未満であると、オリゴマー(b)の添加による耐久性が発揮されにくく、一方、35重量部を越えると、接着性が低下する。
また、本発明の粘着剤組成物はイソシアネート系架橋剤を含有することを特徴とする。
本発明におけるイソシアネート系架橋剤とは、2以上のイソシアネート基(イソシアネート基をブロック剤、数量体化等により一時的に保護したイソシアネート再生型官能基を含む)を1分子中に有するイソシアネート化合物をいう。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート等があげられる。
より具体的には、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートL)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHL)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHX)等のイソシアネート付加物、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート、ならびにこれらと各種のポリオールとの付加物、イソシアヌレート結合、ビューレット結合、アロファネート結合等で多官能化したポリイソシアネート等をあげることができる。
上記イソシアネート系架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。前記イソシアネート系架橋剤の含有量は、前記アクリル系ポリマー(a)100重量部に対し、0.02〜3重量部含有し、好ましくは0.04〜2重量部、より好ましく0.1〜1.5重量部である。0.02重量部未満では、粘着剤の弾性率が低く、耐久性が低下する。一方、3重量部を越えると、接着性が劣る場合がある。
また、前記イソシアネート系架橋剤を使用した架橋処理は、粘着剤層の乾燥工程時の温度で行ってもよいし、乾燥工程後に別途架橋処理工程を設けて行ってもよい。
また、架橋処理時間に関しては、生産性や作業性を考慮して設定することができるが、通常0.2〜20分間程度であることが好ましく、0.5〜10分間程度であることがより好ましい。
また、本発明の粘着剤組成物には接着力、耐久力を上げる目的でシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤としては、公知のものを特に制限なく適宜用いることができる。
更に本発明の粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、例えば、着色剤、顔料等の粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機又は有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物等を使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、制御できる範囲内で、還元剤を加えてのレドックス系を採用してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、上記のような構成を有するものである。
一方、本発明の粘着剤層は、上記のような粘着剤組成物を架橋してなるものである。その際、粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を支持体等に転写することも可能である。
支持体(光学部材、セパレーター等)上に粘着剤層を形成する方法は特に問わないが、例えば、前記粘着剤組成物を剥離処理したセパレーター等に塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を支持体に転写する方法、又は支持体に前記粘着剤組成物を塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を支持体に形成する方法等により作製される。また、粘着剤組成物を支持体上に塗布して粘着剤付光学部材等を作製する際には、支持体上に均一に塗布できるよう、該組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶媒(溶剤)を新たに加えてもよい。
本発明に用いられる支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステルフィルム等のプラスチック基材や、紙、不織布等の多孔質材料、ならびに光学部材等があげられる。
プラスチック基材としては、シート状やフィルム状に形成できるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミド等のポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルム等があげられる。前記フィルムの厚みは、通常4〜100μm、好ましくは4〜25μm程度である。
プラスチック基材には、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型及び防汚処理や酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型等の静電防止処理をすることもできる。
本発明において用いられる溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロへキサノン、n−へキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の有機溶剤があげられる。これらの溶剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明における粘着剤層組成物は、剥離処理した支持体の塗布乾燥、架橋処理して粘着剤として光学部材に転写したり、光学部材に直接粘着剤組成物を塗布乾燥・架橋処理されて光学部材となる。つまり、光学部材の片面又は両面に粘着剤処理されて、本発明の光学部材となる。
また、本発明の粘着剤層の形成方法としては、粘着シート類の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコーター、キスロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ロールブラッシュ、スプレーコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、リップコーター、ダイコーター等の方法があげられる。なお、表面に粘着剤層が露出する場合は、実用の供されるまで剥離処理したシートで保護される。
また、例えば、支持体(光学部材、セパレーター等)上の片面又は両面に上述のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる層を形成する工程と、前記粘着剤組成物からなる層をイソシアネート架橋処理する工程とを含む製造方法を用いることによって本発明の粘着剤層を得ることができる。かかる製造方法を用いることにより、上述の優れた粘着特性、特に粘着剤層を薄層化した場合であっても、加熱処理や高湿処理により浮きや剥がれの生じない、耐久性に優れた粘着剤層を得ることができる。
また、前記粘着剤層の表面にはコロナ処理、プラズマ処理等の易着処理をおこなってもよい。
更に、このような表面に粘着剤が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したシート(剥離シート、セパレーター、剥離ライナー)で粘着剤層を保護してもよい。
セパレーターの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム、紙、布、不織布等の多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、及びこれらのラミネート体等の適宜な薄葉体等をあげることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのプラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等があげられる。
前記セパレーターの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。
前記セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型及び防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型等の帯電防止処理もすることもできる。特に、前記セパレーターの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
なお、上記の製造方法において、剥離処理したシートは、そのまま粘着シート類や粘着剤付光学部材等のセパレーターとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
また、上記粘着剤層において、上記粘着剤層の厚みが1〜15μmであることが好ましく、1〜12μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが更に好ましい。本発明の粘着剤層は、このように従来よりも薄層化した場合であっても、加熱処理や高湿処理により浮きや剥がれの生じない、耐久性に優れたものとなる。
更に、本発明の粘着剤組成物及び粘着剤層は、上述のような作用効果を奏するため、特に光学部材用として用いられることに適している。
光学部材は一般に高熱や高湿度条件下では伸縮が大きく、それに伴う浮きや剥がれが生じやすくなり、かかる条件化でも対応可能な耐久性が粘着剤層に必要とされている。それを解決するために、従来の粘着剤層は、その厚みを厚くすることにより(20〜100μm)対応しようと試みるものであった。しかしながら、近年の粘着剤層の薄層化の要求(例えば、1〜10μm程度)にはそれらの手法では対応が困難となりつつあるが、イソシアネート架橋の架橋構造が存在する本発明の粘着剤組成物及び粘着剤層を用いることにより、光学部材のような高熱や高湿度条件下では伸縮が大きい被着体であっても、耐久性を満たし、かつ従来よりも薄層化が可能となる。
また、本発明の粘着剤付光学部材は、上記の構成を有する粘着剤層を光学部材の片面又は両面に形成してなるものである。本発明の粘着剤付光学部材は、上記のような作用効果を奏する粘着剤層を備えるため、優れた粘着特性、特に粘着剤層を薄層化した場合であっても、加熱処理や高湿処理により浮きや剥がれの生じない、耐久性に優れたものとなる。
光学部材としては、液晶表示装置等の画像表示装置の形成に用いられるものが使用され、その種類は特に制限されない。例えば、光学部材としては偏光板等の光学フィルムがあげられる。偏光板には、偏光子の片面又は両面には透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素等の二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいヨウ化カリウム等の水溶液に浸漬することもできる。更に必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラ等の不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行ってもよいし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウム等の水溶液中や水浴なかでも延伸することができる。
前記偏光子の片面又は両面に設けられる透明保護フィルムを形成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性等に優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー等があげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は前記ポリマーのブレンド物等も前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、例えば、(A)側鎖に置換及び/又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換及び/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品等からなるフィルムを用いることができる。
保護フィルムの厚さは、適宜に決定することができるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性等の点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。
また、保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=(nx−nz)・d(ただし、nxはフィルム平面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、更に好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性等の点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。前記偏光子と保護フィルムとは通常、水系粘着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止等を目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系等の適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式等にて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜等の形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式等の適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば、平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子等の透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角等を拡大するための拡散層(視角拡大機能等)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
また本発明の光学部材としては、例えば、反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視角補償フィルム、輝度向上フィルム等の液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層となるものがあげられる。これらは単独で本発明の光学部材として用いることができる他、前記偏光板に、実用に際して積層して、1層又は2層以上用いることができる。
特に、偏光板に更に反射板又は半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板又は半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板又は円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置等を形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすい等の利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式等の適宜な方式にて行うことができる。
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したもの等があげられる。また前記透明保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するもの等もあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制することができる利点等を有する。また微粒子含有の透明保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制することができる利点等も有している。透明保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば、真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式等の適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法等により行うことができる。
反射板は前記の偏光板の透明保護フィルムに直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シート等として用いることもできる。なお、反射層は、通常金属からなるので、その反射面が透明保護フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点等より好ましい。
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置等を比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置等を形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置等の形成に有用である。
偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板又は円偏光板について説明する。直線偏光を楕円偏光又は円偏光に変えたり、楕円偏光又は円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板等が用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
楕円偏光板はスーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示する場合等に有効に用いられる。更に、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、例えば、画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合等に有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。
位相差板としては、高分子素材を一軸又は二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したもの等があげられる。位相差板の厚さも特に制限されないが、20〜150μm程度が一般的である。
高分子素材としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、ノルボルネン系樹脂、又はこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物等があげられる。これら高分子素材は延伸等により配向物(延伸フィルム)となる。
液晶性ポリマーとしては、例えば、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各種のもの等があげられる。主鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲン基を結合した構造の、例えば、ネマチック配向性のポリエステル系液晶性ポリマー、ディスコティックポリマーやコレステリックポリマー等があげられる。側鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はポリマロネートを主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を介してネマチック配向付与性のパラ置換環状化合物単位からなるメソゲン部を有するもの等があげられる。これら液晶性ポリマーは、例えば、ガラス板上に形成したポリイミドやポリビニルアルコール等の薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化珪素を斜方蒸着したもの等の配向処理面上に液晶性ポリマーの溶液を展開して熱処理することにより行われる。
位相差板は、例えば、各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたもの等の使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであってよく、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したもの等であってもよい。
また上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せで積層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射型)偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することによっても形成することができるが、前記の如く予め楕円偏光板等の光学部材としたものは、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置等の製造効率を向上させることができる利点がある。
視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムである。このような視角補償位相差板としては、例えば、位相差板、液晶ポリマー等の配向フィルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を支持したもの等からなる。通常の位相差板は、その面方向に一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムが用いられるのに対し、視角補償フィルムとして用いられる位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルム等が用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えば、ポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたもの等があげられる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大等を目的とした適宜なものを用いることができる。
また良視認の広い視野角を達成する点等より、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリアセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いることができる。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置等のバックライトや裏側からの反射等により自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光又は所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用することができる光量の増大を図ることにより輝度を向上させることができるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライト等で液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用することができる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライト等の光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば、誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すもの等の適宜なものを用いることができる。
したがって、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を投下するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を、位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば、波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば、1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式等により得ることができる。したがって、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また、偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。したがって、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板等であってもよい。
偏光板に前記光学層を積層した光学部材は、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学部材としたものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置等の製造工程を向上させることができる利点がある。積層には粘着剤層等の適宜な接着手段を用いることができる。前記の偏光板と他の光学層の接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性等に応じて適宜な配置角度とすることができる。
なお、本発明の粘着剤付光学部材の光学部材や粘着剤層等の各層には、例えば、サリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式等の方式により紫外線吸収能をもたせたもの等であってもよい。
本発明の粘着剤付光学部材は、液晶表示装置等の各種画像表示装置の形成等に好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行うことができる。すなわち、液晶表示装置は一般に、液晶セルと粘着剤付光学部材、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むこと等により形成されるが、本発明においては本発明による光学部材を用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じることができる。液晶セルについても、例えば、TN型やSTN型、π型等の任意なタイプのものを用いることができる。
液晶セルの片側又は両側に粘着剤付光学部材を配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたもの等の適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による光学部材は液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学部材を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。更に、液晶表示装置の形成に際しては、例えば、拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライト等の適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えば、トリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、及び電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Li等の金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
位相差板及び偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1/4波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1/4波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
このような光学部材は、上述した粘着剤層と貼り合せた場合の投錨力を向上させるため、光学部材の表面をコロナ処理、プラズマ処理等の易着処理や下塗り処理を行ってもよい。
また、本発明の画像表示装置は、上記粘着剤付光学部材を用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等であり、特に粘着剤層を薄層化した場合であっても、加熱処理や高湿処理により浮きや剥がれの生じない高耐久性が発現できる機能を有する。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
<(メタ)アクリル系ポリマーの調製>
〔アクリル系ポリマー(a1)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸4.9重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a1)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a1)の重量平均分子量は220万であった。
〔アクリル系ポリマー(a1)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸4.9重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a1)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a1)の重量平均分子量は220万であった。
〔アクリル系ポリマー(a2)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート91重量部、アクリル酸3.9重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、ジメチルアクリルアミド5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a2)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a2)の重量平均分子量は240万であった。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート91重量部、アクリル酸3.9重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、ジメチルアクリルアミド5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a2)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a2)の重量平均分子量は240万であった。
〔アクリル系ポリマー(a3)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート91重量部、N−アクリロイルモルフォリン(ACMO)5重量部、アクリル酸3.9重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a3)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a3)の重量平均分子量は200万であった。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート91重量部、N−アクリロイルモルフォリン(ACMO)5重量部、アクリル酸3.9重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a3)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a3)の重量平均分子量は200万であった。
〔アクリル系ポリマー(a4)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート99.9重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a4)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a4)の重量平均分子量は230万であった。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート99.9重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a4)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a4)の重量平均分子量は230万であった。
〔アクリル系ポリマー(a5)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a5)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a5)の重量平均分子量は200万であった。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a5)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a5)の重量平均分子量は200万であった。
〔アクリル系ポリマー(a6)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸4.9重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a6)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a6)の重量平均分子量は70万であった。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸4.9重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を58℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(a6)溶液を調製した。上記アクリル系ポリマー(a6)の重量平均分子量は70万であった。
<オリゴマーの調製>
〔オリゴマー(b1)〕
メタクリル酸シクロヘキシル[ホモポリマー(ポリメタクリル酸シクロヘキシル)のガラス転移温度(Tg):66℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール3重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b1)溶液を調製した。上記オリゴマー(b1)の重量平均分子量は4000であった。
〔オリゴマー(b1)〕
メタクリル酸シクロヘキシル[ホモポリマー(ポリメタクリル酸シクロヘキシル)のガラス転移温度(Tg):66℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール3重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b1)溶液を調製した。上記オリゴマー(b1)の重量平均分子量は4000であった。
〔オリゴマー(b2)〕
メタクリル酸シクロヘキシル[ホモポリマー(ポリメタクリル酸シクロヘキシル)のTg:66℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール2.7重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b1)溶液を調製した。上記オリゴマー(b1)の重量平均分子量は9000であった。
メタクリル酸シクロヘキシル[ホモポリマー(ポリメタクリル酸シクロヘキシル)のTg:66℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール2.7重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b1)溶液を調製した。上記オリゴマー(b1)の重量平均分子量は9000であった。
〔オリゴマー(b3)〕
イソボルニルアクリレート[ホモポリマー(ポリアクリル酸イソボルニル)のTg:97℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール3重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b3)溶液を調製した。上記オリゴマー(b3)の重量平均分子量は4500であった。
イソボルニルアクリレート[ホモポリマー(ポリアクリル酸イソボルニル)のTg:97℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール3重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b3)溶液を調製した。上記オリゴマー(b3)の重量平均分子量は4500であった。
〔オリゴマー(b4)〕
メタクリル酸シクロヘキシル[ホモポリマー(ポリメタクリル酸シクロヘキシル)のTg:66℃]100重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール3重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b4)溶液を調製した。上記オリゴマー(b4)の重量平均分子量は7500であった。従って、該オリゴマーはカルボキシル基含有モノマーを含まない。
メタクリル酸シクロヘキシル[ホモポリマー(ポリメタクリル酸シクロヘキシル)のTg:66℃]100重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール3重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b4)溶液を調製した。上記オリゴマー(b4)の重量平均分子量は7500であった。従って、該オリゴマーはカルボキシル基含有モノマーを含まない。
〔オリゴマー(b5)〕
メタクリル酸シクロヘキシル[ホモポリマー(ポリメタクリル酸シクロヘキシル)のTg:66℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール4.5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b5)溶液を調製した。上記オリゴマー(b5)の重量平均分子量は1100であった。従って、該オリゴマーは重量平均分子量3000〜12000よりも小さい。
メタクリル酸シクロヘキシル[ホモポリマー(ポリメタクリル酸シクロヘキシル)のTg:66℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール4.5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b5)溶液を調製した。上記オリゴマー(b5)の重量平均分子量は1100であった。従って、該オリゴマーは重量平均分子量3000〜12000よりも小さい。
〔オリゴマー(b6)〕
メタクリル酸シクロヘキシル[ホモポリマー(ポリメタクリル酸シクロヘキシル)のTg:66℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール2.2重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b6)溶液を調製した。上記オリゴマー(b6)の重量平均分子量は24000であった。従って、該オリゴマーは重量平均分子量3000〜12000よりも大きい。
メタクリル酸シクロヘキシル[ホモポリマー(ポリメタクリル酸シクロヘキシル)のTg:66℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール2.2重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b6)溶液を調製した。上記オリゴマー(b6)の重量平均分子量は24000であった。従って、該オリゴマーは重量平均分子量3000〜12000よりも大きい。
〔オリゴマー(b7)〕
アクリル酸t−ブチル[ホモポリマー(ポリアクリル酸t−ブチル)のTg:41℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール4.5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b7)溶液を調製した。上記オリゴマー(b7)の重量平均分子量は7000であった。
アクリル酸t−ブチル[ホモポリマー(ポリアクリル酸t−ブチル)のTg:41℃]95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール4.5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、重合溶媒としてトルエン103.2重量部をセパラブルフラスコに仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を70℃付近に保って3時間重合反応を行い、更に75℃で2時間反応させて、オリゴマー(b7)溶液を調製した。上記オリゴマー(b7)の重量平均分子量は7000であった。
〔実施例1〕
(粘着剤層付偏光板サンプルの作製)
上記アクリル系ポリマー(a1)溶液の固形分100重量部に対して、オリゴマー(b1)30重量部、架橋剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物からなるポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)0.5重量部を配合したアクリル系粘着剤溶液を調整した。
(粘着剤層付偏光板サンプルの作製)
上記アクリル系ポリマー(a1)溶液の固形分100重量部に対して、オリゴマー(b1)30重量部、架橋剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物からなるポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)0.5重量部を配合したアクリル系粘着剤溶液を調整した。
次いで、上記アクリル系粘着剤溶液を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、150℃で3分間乾燥・架橋を行い、乾燥後の厚さが5μmの粘着剤層を形成した。
上記粘着剤層(B)を位相差フィルム(JSR社製、ノルボルネン系フィルム、アートン)に転写し、粘着剤層付偏光板サンプルを作製した。
〔実施例2〜8及び比較例〕
上記実施例1と同様の方法により、粘着剤層付偏光板サンプルを作製した。なお、配合内容については、上記アクリル系ポリマー(a)、オリゴマー(b)、架橋剤の種類及び配合量に関しては、表1に示した。
上記実施例1と同様の方法により、粘着剤層付偏光板サンプルを作製した。なお、配合内容については、上記アクリル系ポリマー(a)、オリゴマー(b)、架橋剤の種類及び配合量に関しては、表1に示した。
また、評価方法を以下に示した。
<分子量の測定>
得られたアクリル系ポリマー(a)及びオリゴマー(b)の重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
・分析装置:東ソー社製、HLC−8120GPC
・データ処理装置:東ソー社製、GPC−8020
・カラム:東ソー社製、G7000HXL−H+GMHXL+GMHXL
・カラムサイズ;各7.8mmφ×30cm(計90cm)
・流量:0.8ml/min
・注入試料濃度:約0.1重量%
・注入量:100μl
・カラム温度:40℃
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
なお、分子量はポリスチレン換算により算出した。また、分子量10万以下の重量分率(Area%)は、GPC測定結果から上記データ処理装置で算出した。このときモノマー成分は含めなかった。
得られたアクリル系ポリマー(a)及びオリゴマー(b)の重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
・分析装置:東ソー社製、HLC−8120GPC
・データ処理装置:東ソー社製、GPC−8020
・カラム:東ソー社製、G7000HXL−H+GMHXL+GMHXL
・カラムサイズ;各7.8mmφ×30cm(計90cm)
・流量:0.8ml/min
・注入試料濃度:約0.1重量%
・注入量:100μl
・カラム温度:40℃
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
なお、分子量はポリスチレン換算により算出した。また、分子量10万以下の重量分率(Area%)は、GPC測定結果から上記データ処理装置で算出した。このときモノマー成分は含めなかった。
<接着力の測定>
実施例、比較例で得られた粘着型偏光板(幅25mm)を、位相差フィルム(JSR社製、ノルボルネン系フィルム、アートン)に2kgローラーでロール1往復して貼着した。その後、50℃、0.5MPaのオートクレーブにて30分間処理した後、23℃×50%RH雰囲気下において3時間放置後、剥離角度180°、剥離速度300mm/minで剥離接着力を測定した。
実施例、比較例で得られた粘着型偏光板(幅25mm)を、位相差フィルム(JSR社製、ノルボルネン系フィルム、アートン)に2kgローラーでロール1往復して貼着した。その後、50℃、0.5MPaのオートクレーブにて30分間処理した後、23℃×50%RH雰囲気下において3時間放置後、剥離角度180°、剥離速度300mm/minで剥離接着力を測定した。
<耐久性の評価>
(粘着剤付位相差フィルムの調製)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート100重量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行い、重量平均分子量は210万の高分子量ポリマーを得た。
得られた高分子量ポリマー溶液の固形分100重量部に対して、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物からなるポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)0.6重量部を加えて、粘着剤溶液を得た。
(粘着剤付位相差フィルムの調製)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート100重量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル200重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行い、重量平均分子量は210万の高分子量ポリマーを得た。
得られた高分子量ポリマー溶液の固形分100重量部に対して、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物からなるポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)0.6重量部を加えて、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を、離型(シリコーン)処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、厚さ:38μm)の片面に塗布し、130℃で3分間乾燥・架橋を行い、乾燥後の厚さが20μmの粘着剤層を形成した。これを位相差フィルム(ノルボルネン系フィルム)に転写し、粘着剤付位相差フィルムサンプルを得た。
耐久性は、上記に示す実施例の粘着剤層付偏光板サンプルの粘着剤面を、上記粘着剤層付位相差フィルムの位相差板表面上に積層した光学部材を、ガラスに貼り合わせて、耐久性試験を行った。
(耐熱試験)
作製した5インチサイズの積層サンプルを無アクリルガラス(コーニング社製、1737、厚み:0.7mm)に貼り付けた後、50℃、0.3MPaのオートクレーブにて15分間、次いで90℃の雰囲気下で500時間保存してから、室温(約25℃)に戻し、評価用サンプルを得た。耐熱試験の評価は目視でおこない、評価基準は以下のとおりである。
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡が生じなかった場合:○
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡が若干生じた場合:△
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡がかなり生じた場合:×
作製した5インチサイズの積層サンプルを無アクリルガラス(コーニング社製、1737、厚み:0.7mm)に貼り付けた後、50℃、0.3MPaのオートクレーブにて15分間、次いで90℃の雰囲気下で500時間保存してから、室温(約25℃)に戻し、評価用サンプルを得た。耐熱試験の評価は目視でおこない、評価基準は以下のとおりである。
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡が生じなかった場合:○
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡が若干生じた場合:△
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡がかなり生じた場合:×
(耐湿試験)
作製した5インチサイズの積層サンプルを無アクリルガラス(コーニング社製、1737、厚み:0.7mm)に貼り付けた後、50℃、0.3MPaのオートクレーブにて15分間、次いで60℃、95%RHの雰囲気下(加湿試験)で500時間保存してから、室温(約25℃)に戻し、評価用サンプルを得た。耐湿試験の評価は目視でおこない、評価基準は以下のとおりである。
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡が生じなかった場合:○
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡が若干生じた場合:△
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡がかなり生じた場合:×
作製した5インチサイズの積層サンプルを無アクリルガラス(コーニング社製、1737、厚み:0.7mm)に貼り付けた後、50℃、0.3MPaのオートクレーブにて15分間、次いで60℃、95%RHの雰囲気下(加湿試験)で500時間保存してから、室温(約25℃)に戻し、評価用サンプルを得た。耐湿試験の評価は目視でおこない、評価基準は以下のとおりである。
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡が生じなかった場合:○
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡が若干生じた場合:△
・偏光板と位相差フィルムの間で浮きや剥がれ、発泡がかなり生じた場合:×
<粘着剤の相分離>
粘着剤層において、アクリル系ポリマー(a)とオリゴマー(b)の相溶性が悪く、相分離が生じて白濁している場合には×、粘着剤層が透明の場合は○と評価した。
粘着剤層において、アクリル系ポリマー(a)とオリゴマー(b)の相溶性が悪く、相分離が生じて白濁している場合には×、粘着剤層が透明の場合は○と評価した。
上記表1の結果より、本発明の構成を満たす実施例は、接着力、耐熱・耐湿試験が優れていた。また、粘着剤層を薄層化した場合であっても、加熱処理や高湿処理により浮きやはがれも生じず、相分離も認められなかった。一方、本発明の構成を満たさない比較例では、耐熱・耐湿試験が悪く、接着力や相分離が認められるものも存在した。
以上により、本発明の粘着剤層は、優れた粘着特性を発揮し、特に粘着剤層を薄層化した場合であっても、耐久性に優れていることが確認された。
1 粘着剤付位相差フィルムの断面図の一例
2 ガラス
3 粘着剤
4 位相差板
5 粘着剤
6 偏光板
2 ガラス
3 粘着剤
4 位相差板
5 粘着剤
6 偏光板
Claims (7)
- モノマー単位として、一般式CH2=C(R1)COOR2(ただし、R1は水素又はメチル基、R2は炭素数4〜12のアルキル基である)で表される (メタ)アクリル系モノマーAを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマーを1〜10重量部、及び水酸基含有モノマーを0.01〜1重量部を含有する重量平均分子量150万〜300万のアクリル系ポリマー(a)を含有し、
前記アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、モノマー単位として、ホモポリマーのガラス転移温度が60〜190℃である (メタ)アクリル系モノマーBを主成分とし、全モノマー成分100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマー1〜10重量部を含有する重量平均分子量3000〜12000のオリゴマー(b)の5〜35重量部を含有し、
前記アクリル系ポリマー(a)100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤0.02〜3重量部を含有する粘着剤組成物。 - 前記 (メタ)アクリル系モノマーBが、環状構造を有する請求項1記載の粘着剤組成物。
- 前記アクリル系ポリマー(a)の全モノマー成分100重量部に対して、窒素含有モノマー1〜20重量部を含有する請求項1又は2記載の粘着剤組成物。
- 請求項1〜3記載の粘着剤組成物を架橋して得られる粘着剤層。
- 前記粘着剤層の厚みが1〜15μmである請求項4記載の粘着剤層。
- 請求項4又は5記載の粘着剤層が光学部材の片面又は両面に積層されている粘着型光学部材。
- 請求項6記載の粘着型光学部材を少なくとも1枚用いた画像表示装置。
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---|---|---|---|
JP2006239106A JP2008056880A (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | 粘着剤組成物及び粘着剤層 |
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CN108624251A (zh) * | 2017-03-23 | 2018-10-09 | 综研化学株式会社 | 粘合片 |
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-
2006
- 2006-09-04 JP JP2006239106A patent/JP2008056880A/ja active Pending
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