JP2002249752A - 粘着型光学フィルム - Google Patents

粘着型光学フィルム

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JP2002249752A
JP2002249752A JP2001047004A JP2001047004A JP2002249752A JP 2002249752 A JP2002249752 A JP 2002249752A JP 2001047004 A JP2001047004 A JP 2001047004A JP 2001047004 A JP2001047004 A JP 2001047004A JP 2002249752 A JP2002249752 A JP 2002249752A
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Yasushi Takahashi
寧 高橋
Masayuki Satake
正之 佐竹
Shigeo Kobayashi
茂生 小林
Akiko Ogasawara
晶子 小笠原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼
着するための粘着層が設けられた粘着型光学フィルムで
あって、経時的にもしくは加熱によってもガラスに貼り
合せた際の接着力の上昇が低く抑えられており、リワー
ク作業性の良好な粘着型光学フィルムを提供すること。 【解決手段】 光学フィルムの一方の面に光学フィルム
を液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が積
層されている粘着型光学フィルムにおいて、前記粘着層
の20℃における貯蔵弾性率(A)と100℃における
貯蔵弾性率(B)との比(A/B)が1.5以下である
ことを特徴とする粘着型光学フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学フィルムの一
方の面に光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着
するための粘着層が積層されている粘着型光学フィルム
及び当該粘着型光学フィルムに用いる光学フィルム用粘
着剤に関する。さらには前記粘着型光学フィルムを用い
た液晶表示装置に関する。前記光学フィルムとしては、
偏光フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、輝
度向上フィルム、防眩シートまたはこれらが複数積層さ
れているものがあげられる。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイは、その画像形成方式
から液晶パネルの最表面を形成するガラス基板の両側に
偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的に
は偏光フィルムが液晶パネルの最表面に貼着されてい
る。また液晶パネルの最表面には偏光フィルムの他に、
ディスプレイの表示品位を向上させるために様々な光学
素子が用いられるようになってきている。例えば、着色
防止としての位相差フィルム、液晶ディスプレイの視野
角を改善するための視野角拡大フィルム、さらにはディ
スプレイのコントラストを高めるための輝度向上フィル
ム等が用いられる。これらのフィルムは総称して光学フ
ィルムと呼ばれる。
【0003】前記光学フィルムを液晶パネルの最表面に
貼着する際には、通常、粘着剤が使用される。また、光
学フィルムを液晶パネルの最表面に瞬時に固定できるこ
と、光学フィルムを固着させるのに乾燥工程を必要とし
ないこと等のメリットを有することから、粘着剤は、光
学フィルムの片面に予め粘着剤層として設けられてい
る。すなわち、液晶パネルの最表面への光学フィルムの
貼着には粘着型光学フィルムが一般的に用いられる。
【0004】前記粘着剤に要求される必要特性として
は、(1)貼合せ(リワーク)が可能であること、
(2)応力緩和性を有すること、(3)環境促進試験と
して通常行われる加熱および加湿等による耐久試験に対
して粘着剤に起因する不具合が発生しないこと、等が挙
げられる。(1)関しては光学フィルムを液晶パネルの
最表面に貼り合わせる際、貼り合わせ位置を誤ったり、
貼合せ面に異物が噛み込むことが多く、このような場合
にも光学フィルムを液晶パネル最表面から剥離し、再度
貼り合わせを可能とするため要求される特性である。な
お、この場合液晶パネルは高価であるため再利用する
が、比較的安価である光学フィルムは廃棄される。
(2)関しては、光学フィルムの寸法変化により生じる
光学むらを防止するために要求される特性である。
【0005】特に、(1)リワーク性においては、液晶
パネルへのモジュール組み込みの際に、約40〜80℃
程度の加熱処理を行った後に光学フィルムをリワークす
ることがある。この場合、従来の光学フィルム用粘着剤
では、液晶パネルへの光学フィルムの接着性が経時的に
もしくは加熱によって高くなる傾向があり、これによっ
てリワーク作業性が低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学フィル
ムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が
設けられた粘着型光学フィルムであって、経時的にもし
くは加熱によってもガラスに貼り合せた際の接着力の上
昇が低く抑えられており、リワーク作業性の良好な粘着
型光学フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、鋭意研究したところ、光学フィルムに下
記に示す粘着層を設けることにより上記目的を達成でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、光学フィルムの一方
の面に光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着す
るための粘着層が積層されている粘着型光学フィルムに
おいて、前記粘着層の20℃における貯蔵弾性率(A)
と100℃における貯蔵弾性率(B)との比(A/B)
が1.5以下であることを特徴とする粘着型光学フィル
ム、に関する。
【0009】従来の粘着剤では、一般的に100℃での
貯蔵弾性率(B)は、20℃(常温)での貯蔵弾性率
(A)に比べかなり小さくなるため、加熱により粘着剤
の弾性が低下し、被着体であるガラス(液晶パネル表
面)の表面凹凸に対する密着性が経時的にもしくは加熱
によって高まり接着力は上昇する傾向があった。一方、
上記本発明の粘着型光学フィルムに設けられている粘着
層は、20℃(常温)での貯蔵弾性率(A)と、100
℃での貯蔵弾性率(B)の比(A/B)が小さく、粘着
剤の弾性がこの温度領域ではほとんど変化せず、経時的
にもしくは加熱によって接着力が高まる現象は殆ど生じ
ない。そのため、経時的にもしくは加熱によってリワー
ク性が損なわれることはない。前記比(A/B)は、
1. 3以下、さらには、1. 2以下となるようなもの
が、リワーク性の点で好ましい。
【0010】また、20℃での貯蔵弾性率(A)は52
000〜185000Pa、さらには85000〜13
7000Pa、100℃での貯蔵弾性率(B)は350
00〜180000、さらには57000〜13500
0Paであるのが好ましい。
【0011】前記粘着型光学フィルムの粘着層は、たと
えば、アルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニッ
トを主骨格とし、かつカルボキシル基を有するモノマー
ユニットを含有してなるアクリル系ポリマーが多官能性
金属キレートにより架橋されているものを含有してなる
ことが好ましい。
【0012】粘着剤の架橋剤は、通常、2官能〜4 官能
であるが、多官能性金属キレートによれば6官能とする
ことも可能であり、粘着層の架橋密度を高めることがで
きる。このように架橋密度を高めた粘着層により、20
℃から100℃の温度領域において、貯蔵弾性率がほと
んど変化しない粘着層を実現できる。
【0013】さらに本発明は、前記粘着型光学フィルム
を用いた液晶表示装置、に関する。本発明の粘着型光学
フィルムは、液晶パネル最表面のガラス基板に貼り合わ
せて用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の粘着型光学フィルムの粘
着層を形成する粘着剤は、前記貯蔵弾性率の比(A/
B)が前記1. 5以下となるものを特に制限なく使用す
ることができる。前記粘着剤としては、ゴム系粘着剤、
アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の各種のもの
を例示できる。
【0015】これら粘着剤のなかでもアルキル(メタ)
アクリレートのモノマーユニットを主骨格とし、かつカ
ルボキシル基含有のモノマーユニットを含有してなるア
クリル系ポリマーをベースポリマーと多官能性金属キレ
ートを含有してなるものを好ましく使用できる。これら
アクリル系ポリマーと多官能性金属キレートは粘着層に
おいて架橋している。なお、(メタ)アクリレートはア
クリレートおよび/またはメタクリレートをいい、本発
明の(メタ)とは同様の意味である。
【0016】アクリル系ポリマーの主骨格を構成する、
アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の平均炭素
数は1〜12程度のものであり、アルキル(メタ)アク
リレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等
を例示でき、これらは単独または組合せて使用できる。
【0017】カルボキシル基を有するモノマーとしては
アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イ
タコン酸等があげられる。
【0018】その他、アクリル系ポリマーには、粘着剤
の性能を損なわない範囲で、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミド等の水酸基含有モノマー、グリシジル(メタ)アク
リレート等のエポキシ基を含有モノマー等の官能基を有
するモノマー、さらには酢酸ビニル、スチレン等を用い
ることもできる。
【0019】アクリル系ポリマー中の前記カルボキシル
基を有するモノマーユニット(a)の割合は特に制限さ
れないが、アクリル系ポリマーを構成するモノマーユニ
ット(A)(但し、前記モノマーユニット(a)を除
く)との重量比(a/A)で、0.001〜0.12程
度となるように調整するのが、耐久性の点で好ましい。
特に、0.005〜0.08とするのが好ましい。
【0020】アクリル系ポリマーの平均分子量は特に制
限されないが、重量平均分子量は、30万〜250万程
度であるのが好ましい。
【0021】前記アクリル系ポリマーの製造は、各種公
知の方法により製造でき、たとえば、バルク重合法、溶
液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択で
きる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物
系の各種公知のものを使用でき、反応温度は通常50〜
85℃程度、反応時間は1〜8時間程度とされる。ま
た、前記製造法のなかでも溶液重合法が好ましく、アク
リル系ポリマーの溶媒としては一般に酢酸エチル、トル
エン等の極性溶剤が用いられる。溶液濃度は通常20〜
80重量%程度とされる。
【0022】多官能性金属キレートは、多価金属が有機
化合物と共有結合または配位結合しているものである。
多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、C
u、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、
Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等があ
げられる。これらのなかでも、Al、Zr、Tiが好ま
しい。また、共有結合または配位結合する有機化合物中
の原子としては酸素原子等があげられ、有機化合物とし
てはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸
化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等があげられ
る。
【0023】アクリル系ポリマーと多官能性金属キレー
トの配合割合は特に制限されないが、通常、アクリル系
ポリマー (固形分)100重量部に対して、多官能性金
属キレート(固形分)0.01〜6重量部程度、好まし
くは0.1〜3重量部程度である。
【0024】さらには、前記粘着剤組成物には、必要に
応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、シランカップリング剤等を、また本発明の
目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用する
こともできる。
【0025】本発明の粘着型光学フィルムは、図1に示
すように、光学フィルム1に前記粘着剤組成物による粘
着層2が設けられている。また、粘着層2には離型シー
ト3を設けることができる。
【0026】光学フィルム1としては液晶表示装置等の
形成に用いられるものが使用され、その種類は特に制限
されない。たとえば、光学フィルムとしては偏光フィル
ム、の他に楕円偏光フィルム、光学補償機能を有する偏
光フィルム、視角拡大機能を有する偏光フィルム、輝度
向上機能を有する偏光フィルムなどが挙げられる。これ
らは偏光フィルムに位相差フィルム、光学補償フィル
ム、輝度向上フィルムまたは防眩シート等が積層されて
いる。
【0027】偏光フィルムを構成する偏光子としては、
特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子とし
ては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルムや部
分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き
親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性
物質を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコール
の脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポ
リエン系配向フィルム等があげられる。偏光子の厚さも
特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的であ
る。
【0028】前記偏光子の片面または両面には、透明保
護層を耐水性等の目的で、ポリマーによる塗布層とし
て、またはフィルムのラミネート層等として設ることが
できる。透明保護層を形成する、透明ポリマーまたはフ
ィルム材料としては、適宜な透明材料を用いうるが、透
明性や機械的強度、熱安定性や水分遮断性などに優れる
ものが好ましく用いられる。透明保護層の厚さは特に制
限されないが、10〜300μm程度が一般的である。
【0029】前記透明保護層を形成する材料としては、
例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフ
タレート等のポリエステル系ポリマー、二酢酸セルロー
スや三酢酸セルロース等のセルロース系ポリマー、ポリ
メチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリス
チレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹
脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリ
マーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポ
リオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポ
リオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイ
ロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド
系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホ
ン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマ
ー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアル
コール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニル
ブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオ
キシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるい
は前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護層を形
成するポリマーの例としてあげられる。
【0030】位相差フィルムとしては、高分子素材を一
軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶
ポリマーフィルムなどがあげられる。位相差フィルムの
厚さも特に制限されないが、20〜150μm程度が一
般的である。位相差板は、二層以上の延伸フィルムの重
畳体などとして形成して位相差等の光学特性を制御した
ものとして形成することもでき、着色防止や視角範囲の
拡大等を目的に液晶セルの位相差を補償するためなどに
偏光フィルムと積層してなる楕円偏光フィルムとして用
いることもできる。
【0031】高分子素材としては、たとえば、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニ
ルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレ
ート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリ
フェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、
ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セ
ルロース系重合体、またはこれらの二元系、三元系各種
共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげら
れる。これら高分子素材は延伸等により配向物(延伸フ
ィルム)となる。
【0032】液晶性ポリマーとしては、たとえば、液晶
配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)が
ポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各
種のものなどがあげられる。主鎖型の液晶性ポリマーの
具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲ
ン基を結合した構造の、例えばネマチック配向性のポリ
エステル系液晶性ポリマー、ディスコティックポリマー
やコレステリックポリマーなどがあげられる。側鎖型の
液晶性ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポ
リアクリレート、ポリメタクリレート又はポリマロネー
トを主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなる
スペーサ部を介してネマチック配向付与性のパラ置換環
状化合物単位からなるメソゲン部を有するものなどがあ
げられる。これら液晶性ポリマーは、たとえば、ガラス
板上に形成したポリイミドやポリビニルアルコール等の
薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化珪素を斜方蒸
着したものなどの配向処理面上に液晶性ポリマーの溶液
を展開して熱処理することにより行われる。
【0033】前記偏光フィルム、位相差フィルムは積層
して用いることもでき反射型偏光フィルム、半透過層型
偏光フィルム、偏光分離偏光フィルム等とすることがで
きる。また、前記例示の光学フィルムは、光学補償フィ
ルム、その他の各種視野角拡大フィルムとして使用する
こともでき、さらには光学フィルムとしては、輝度向上
フィルム等があげられる。また偏光フィルムは、表面上
に微細凹凸構造の反射層を設けて防眩シートとすること
もできる。
【0034】粘着層2の形成は、液晶パネルのガラス基
板に貼着する光学フィルム1の片面に行う。形成方法と
しては、特に制限されず、光学フィルム1に粘着剤組成
物(溶液)を塗布し乾燥する方法、粘着層2を設けた離
型シート3により転写する方法等があげられる。粘着層
2(乾燥膜厚)は厚さ、特に限定されないが、10〜4
0μm程度とするのが好ましい。
【0035】なお、離型シート3の構成材料としては、
紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。離型
シート3の表面には、粘着剤層2からの剥離性を高める
ため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処
理、フッ素処理な剥離処理が施されていても良い。
【0036】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるも
のではない。なお、各例中、部は重量部である。
【0037】実施例1 (粘着剤の調製)ブチルアクリレート100部、アクリ
ル酸1. 5部、アゾビスイソブチロニトリル0.4部お
よび酢酸エチル220部を攪拌しながら60℃近傍で6
時間反応を行い、重量平均分子量132万のアクリル系
ポリマー溶液を得た。上記アクリル系ポリマー溶液に6
官能性金属キレートである川研ファインケミカル製アル
ミキレートAをポリマー固形分100部に対して1.5
部加え、粘着剤溶液を調製した。
【0038】(粘着型光学フィルムの作製)厚さ80μ
mのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で
5倍に延伸したのち乾燥させ,両側にトリアセチルセル
ロースフィルムを接着剤を介して接着し、偏光フィルム
を得た。上記により作製された粘着剤溶液を、35μm
の厚みを有する離型紙上に乾燥後の厚みが25μmとな
るよう塗布し、これを上記により作製された偏光フィル
ムにラミネートし粘着型偏光フィルムを得た。
【0039】比較例1 実施例1(粘着剤の調製)で得られたアクリル系ポリマ
ー溶液に3官能性イソシアネート系化合物であるコロネ
ートL(日本ポリウレタン製)をポリマー固形分100
部に対して1. 4部加え粘着剤溶液を調製した。また、
実施例1と同様にして粘着剤溶液を用いて、粘着型偏光
フィルムを作製した。
【0040】上記実施例および比較例で得られた粘着剤
および粘着型偏光フィルムについて以下の評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。
【0041】(粘着剤の貯蔵弾性率の測定)上記により
作製された粘着剤バルクを同士を貼り合わせて2mmの
厚みとし、これらのサンプルを用い、パラレルプレート
法(測定周波数1Hz)によってレオメトリックサイエ
ンスF.E.製粘弾性スペクトロメータARES−2に
て20℃〜100℃での貯蔵弾性率を測定した。
【0042】(粘着型偏光フィルムのガラスヘの接着力
測定)粘着型偏光フィルムを25mm×150mmの大
きさにカットした後、剥離紙を剥離してから、コーニン
グ製無アルカリガラス板#1737上に貼り合わせ、5
0℃×0.5Mpaの雰囲気下に15分放置した。この
サンプルを引張試験機にて90°の剥離角度、300m
/分の剥離速度で剥離応時力を測定し、これを初期接着
力(N/25mm)とした。また、ガラス板に貼り合わ
せ60℃で16時間放置したした後に同様に剥離応時力
を測定し、これを経時接着力(N/25mm)とした。
【0043】
【表1】 表1に示す通り、実施例ではA/Bが1. 5以下と小さ
く、接着力の経時変化も少なくリワーク性が良好である
と認められる。なお、リワーク性は、接着力が10N/
25mm以下の場合に良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着型光学フィルムの断面図である。
【符号の説明】
1 光学フィルム 2 粘着層 3 離型シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 茂生 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 小笠原 晶子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BB52 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z GA17 KA10 LA30 4J004 AA10 AB01 CA03 CA04 CA05 CB03 CC03 CD05 CD06 CD09 CD10 DB02 DB03 FA05 FA10 GA01 4J040 DF041 DF051 GA05 GA07 GA11 GA22 GA32 JA09 JB09 LA01 LA06 MA05 MB05 NA17 NA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学フィルムの一方の面に光学フィルム
    を液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が積
    層されている粘着型光学フィルムにおいて、前記粘着層
    の20℃における貯蔵弾性率(A)と100℃における
    貯蔵弾性率(B)との比(A/B)が1.5以下である
    ことを特徴とする粘着型光学フィルム。
  2. 【請求項2】 前記粘着層がアルキル(メタ)アクリレ
    ートのモノマーユニットを主骨格とし、かつカルボキシ
    ル基を有するモノマーユニットを含有してなるアクリル
    系ポリマーが多官能性金属キレートにより架橋されてい
    るものを含有してなることを特徴とする請求項1記載の
    粘着型光学フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の粘着型光学フィ
    ルムを用いた液晶表示装置。
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