JP3717413B2 - 液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着剤層が、光学フィルムの片面に設けられている液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムに関する。また、偏光子の少なくとも片面に、前記粘着型光学フィルムが設置されている液晶ディスプレイ用粘着型偏光フィルムに関する。さらには前記粘着型偏光フィルムを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ(以下、LCDと表記する)は、その画像形成方式から液晶パネルの最表面を形成する液晶セル(ガラス基板)の両側に偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的には偏光フィルムが液晶パネルの最表面に貼着されている。
【0003】
前記偏光フィルムの液晶セルへの貼り合わせは、粘着剤を介して行われるが、液晶セルとの接着性が不良であると表示不良を起こすおそれがあるため、この粘着剤には良好な接着性が要求される。また、液晶セルへの貼り合わせ後には、加熱や加湿によって偏光フィルムが部分的に剥がれない接着の安定性(接着耐久性)が要求される。一方、前記粘着剤には偏光フィルムの貼合せ位置を誤ったり、貼合せ面に異物が噛み込んだような不具合が生じた場合にも偏光フィルムを液晶パネル最表面から剥離し、張り替えを可能とするような剥離の簡便性(リワーク性)が要求される。このように、LCD用偏光フィルムに用いる粘着剤には、接着耐久性とリワーク性の2つの特性を持つことが要求される。このような粘着剤のリワーク性を改善するため、たとえば、特開平10−20118号公報には、偏光板(表面トリアセチルセルロースフィルム)上に、アンカーコート層(1級アミノ基を有するポリアクリルエステル層)、次いでアクリル系粘着剤が順に積層された粘着型偏光板が提案されている。
【0004】
また、LCDは、液晶分子の幾何学的配置の転換によって、光の透過率を変化させて表示を行うため、LCDを視認する方向によって見かけの液晶分子の配置が変わって、LCDに必要な特性が得られないという問題点がある。このようなLCDの高品質化による広視野角化が重要となり、かかる表示品位に係わる問題を向上させるために、液晶パネルの表面には偏光フィルムと液晶層の間に液晶ポリマー等により形成される光学補償層が設けられることが多くなっている。前記液晶ポリマー層は、一般的に、支持体としてのプラスティックフィルム(基材フィルム)に積層された光学フィルムとして提供されるが、当該光学フィルムは単独で液晶セルに貼り合せられる他、偏光フィルムと積層されたものを液晶セルと貼り合わせることもできる。
【0005】
前記液晶ポリマー層を設けた粘着型光学フィルムにおいて、液晶ポリマー層の積層位置は特に制限されないが、基材フィルムと粘着剤層の間に設けるのが技術的設計が容易で生産性もよい。しかし、粘着型光学フィルムに液晶ポリマー層を設けると前記粘着特性、特にリワーク性が悪くなる傾向がある。すなわち、従来、粘着型光学フィルムに使用されていた粘着剤では、粘着剤層と液晶ポリマー層の接着性がよくないためリワーク性に欠け、リワーク時に光学フィルムの剥離を行うと、粘着剤層の一部が液晶パネル最表面に残るという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基材フィルムと粘着剤層の間に、液晶ポリマー層を有する液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムであって、粘着剤の接着性、接着耐久性がよく、しかもリワーク性に優れた液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムを提供することを目的とする。さらには、前記粘着型光学フィルムと偏光子を組み合わせた液晶ディスプレイ用粘着型偏光フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示す液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムにより前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、基材フィルム上に、液晶ポリマー層、アンカーコート層およびアクリル系粘着剤層がこの順に積層されている液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムであって、前記アンカーコート層が、1級アミノ基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルにより形成されていることを特徴とする液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルム、に関する。
【0009】
本発明では液晶ポリマー層とアクリル系粘着剤層の間に、アンカーコート層が設けられており、アクリル系粘着剤層と液晶ポリマー層の接着性がよい。そのため、リワークの際の剥離が、液晶パネル最表面とアクリル系粘着剤層の間で行われ、リワーク性が良好である。また前記粘着型光学フィルムのアクリル系粘着剤層はLCD表面との、接着性、接着耐久性も良好である。
【0010】
前記液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムにおいて、アンカーコート層の形成材料である、1級アミノ基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル系粘着剤と相溶性がよく、またポリ(メタ)アクリル酸エステル中の1級アミノ基が粘着剤中の残存反応成分と反応し、投錨力が向上する点で好ましい。
【0011】
前記液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムにおいて、液晶ポリマー層が、ディスコティック液晶モノマーを紫外線照射により硬化させて得られるディスコティック液晶層であることが好ましい。また前記液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムにおいて、液晶ポリマー層が、光学補償機能を有することが好ましい。
【0012】
ディスコティック液晶層は、TN型液晶等で液晶分子の配向によって起こる光の異方性とは全く逆の作用を有し光学補償機能が良好であり、また液晶ポリマー層はディスコティック液晶モノマーを紫外線照射による硬化によれば容易に形成することができる。特に架橋硬化させるのが耐久性(たとえば、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、機械強度等)が向上する点で好ましい。また、液晶ポリマー層が光学補償機能を有するものは光学補償フィルムとして機能し有効である。
【0013】
前記液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムにおいて、アンカーコート層の塗布量が1平方メートル当たり0.1立方センチメートル以上、さらには0.2立方センチメートル以上、さらには0.4立方センチメートル以上とするのが好ましい。また前記塗布量は5立方センチメートル以下、さらには1立方センチメートル以下、さらには0.5方センチメートル以下とするのが好ましい。一般的に0.1〜5立方センチメートルであることが好ましい。
【0014】
1級アミノ基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルの最適塗布量(固形分)を前記範囲とするのが好ましい。1平方メートル当たりの塗布量が、0.1立方センチメートル未満では、アンカーコート層とアクリル系粘着剤層の間に十分な接着性が生まれずリワーク性が十分でなくなる傾向がある。一方、5立方センチメートルを超えると、アンカーコート層の形成材料である前記ポリアクリル酸エステルが凝集破壊する傾向があり、リワーク性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0015】
また本発明は、偏光子の少なくとも片面に、前記液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムのアクリル系粘着剤層が設けられていない基材フィルム面が設置されていることを特徴とする液晶ディスプレイ用粘着型偏光フィルム、に関する。さらに本発明は前記粘着型偏光フィルムを用いた液晶表示装置、に関する。
【0016】
前記液晶ディスプレイ用粘着光学フィルムは、偏光子の少なくとも片面に設置して粘着型偏光フィルムとして用いることができる。本発明の粘着型偏光フィルムは、液晶パネル最表面のガラス基板に貼り合わせて用いられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着型光学フィルムは、図1に示すように、基材フィルム1上に、液晶ポリマー層2、アンカーコート層3およびアクリル系粘着剤層4がこの順に積層されている。また、前記粘着剤層4には離型シート5を設けることができる。なお、図1では基材フィルム1の片面に液晶ポリマー層2等を積層しているが、液晶ポリマー層2等は基材フィルム1の両面に積層されていてもよい。
【0018】
前記基材フィルム1には適宜な透明材料を用いうるが、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮断性などに優れる透明ポリマーが好ましく用いられる。基材フィルム1の厚さは特に制限されないが、25〜500μm程度が一般的である。前記基材フィルム1を形成する透明ポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、二酢酸セルロースや三酢酸セルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリマーのブレンド物なども前記基材フィルム1を形成するポリマーの例としてあげられる。これら基材フィルム1を形成する透明ポリマーのなかでも、三酢酸セルロースが好ましい。
【0019】
液晶ポリマー層2は光学的異方性層となる液晶性材料により形成される。液晶性材料としては、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各種のものなどがあげられる。たとえば、ディスコティック液晶ポリマーやネマチック液晶ポリマー等があげられる。特にディスコティック液晶ポリマーが好ましい。これら液晶性ポリマー層2の形成は、たとえば、前記基材フィルム1上の配向処理面に紫外線硬化型の液晶性モノマーを展開し、熱処理して配向させた後、紫外線照射により硬化せる方法、液晶ポリマーの溶液を展開し、熱処理して液晶ポリマーを配向させる方法により行われる。液晶ポリマー層2の厚さは、0.5〜3μm程度が好ましい。
【0020】
アンカーコート層3の形成材料である、1級アミノ基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルは、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル及びこれと共重合し得るモノマーを共重合させた後、アミン変性させて得られる。またポリ(メタ)アクリル酸エステルは、アンカーコート層の形成に有効な凝集力を得るためTgが10〜150℃であるが好ましい。なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをいう。
【0021】
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸、メタ)アクリル酸ノニル等が挙げられる。また、これと共重合し得るモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の官能基を有するモノマーが挙げられる。これらモノマーは、ポリ(メタ)アクリル酸エステルのTgが10〜150℃になるように組み合わされる。
【0022】
アミン変性の方法としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル中のカルボキシル基にエチレンイミンを付加させる方法、ポリアクリル酸エステル中のカルボキシル基又は水酸基を過剰のジイソシアネートと反応させ、さらに過剰のジアミンと反応させて末端に1級アミノ基を導入する方法等が挙げられる。
【0023】
また、1級アミノ基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルは、前記(メタ)アクリル酸エステルと、末端に1級アミノ基を有するモノマーを共重合することにより得られる。末端に1級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート及びアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0024】
前記1級アミノ基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルの市販品としては、例えば日本触媒工業(株)製の「ポリメントNK350」「ポリメントNK380」が挙げられる。
【0025】
アンカーコート層3の形成は、前記アンカーコート層の形成材料をトルエン等の有機溶剤に溶解した溶液を、前記液晶ポリマー層2上に塗布、乾燥することにより得られる。アンカーコート層の塗布量は、前記の通りであるが、その塗布量により厚さが適宜に調整される。
【0026】
粘着剤層4を構成する粘着剤としては、一般的なアクリル系粘着剤が用いられる。アクリル系粘着剤としては、そのベースポリマーの重量平均分子量が、30万〜250万程度であるのが好ましい。
【0027】
アクリル系粘着剤のベースポリマーであるアクリル系重合体に使用されるモノマーとしては、各種(メタ)アクリル酸アルキルを使用できる。かかる(メタ)アクリル酸アルキルの具体例としては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等を例示でき、これらを単独もしくは組合せて使用できる。これらのなかでもベースポリマーのモノマーユニットとして、アクリル酸ブチルを30重量%以上用いたものが、ベースポリマーの緩和弾性率を調整してベースポリマーが粘着性を示すように設定することができ好ましい。
【0028】
また、得られるアクリル系重合体に極性を付与するために前記(メタ)アクリル酸アルキルの一部に代えて(メタ)アクリル酸を少量使用することが好ましい。さらに、架橋性単量体として(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等も併用しうる。更に所望により、アクリル系重合体の粘着特性を損なわない程度において他の共重合可能な単量体、たとえば酢酸ビニル、スチレン等を併用しうる。
【0029】
前記アクリル系重合体の製造は、各種公知の方法により製造でき、たとえば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用できる。前記製造法のなかでも溶液重合法が好ましく、アクリル系重合体の溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等の極性溶剤が用いられる。
【0030】
また、前記粘着剤は、架橋剤を含有するのが好ましい。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。さらに、前記粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤を等を本発明の目的を逸脱しない範囲で各適宜に使用することもできる。
【0031】
粘着剤層4の形成は、特に制限されず、前記アンカーコート層3に粘着剤(溶液)を塗布し乾燥する方法、粘着剤層4を設けた離型シート5により光学フィルのアンカーコート層3に転写する方法等があげられる。粘着剤層4(乾燥膜厚)は厚さ、特に限定されないが、10〜40μm程度とするのが好ましい。
【0032】
なお、離型シート5の構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。離型シート5の表面には、粘着剤層4からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理な剥離処理が施されていても良い。
【0033】
前記液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムは、図2に示すように、基材フィルム1のアクリル系粘着剤層4が設けられていない面を、偏光子6の少なくとも片面に設置した粘着型偏光フィルムとすることができる。偏光子6と基材フィルム1とは通常、粘着剤等を介して密着している。
【0034】
偏光子6としては、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン系配向フィルム等があげられる。偏光子の厚さも特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的である。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性材料(沃素、染料)を吸着・配向したものが好適に用いられる。
【0035】
液晶表示装置の形成は、従来の方法に準じて行うことができる。前記粘着型偏光フィルムをは晶パネルの片側又は両側に設置することができる。また、液晶表示装置には、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどを適宜に形成することができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
【0037】
実施例1
(1)アクリル系粘着剤のベースポリマーの作成
温度計、攬伴機、還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、アクリル酸ブチル100重量部、アクリル5重量部、過酸化ベンゾイル0.4重量部および酢酸エチルを有効成分が70重量%になるように投入した。窒素ガスを流し、攪拌しながら約1時間窒素置換を行った。次いで、60℃にセパラブルフラスコを加熱し、反応を開始した。6時間反応して、ベースポリマーを得た。ベースポリマーの分子量は160万であった。
【0038】
(2)アクリル系粘着剤の作成
上記のベースポリマー100重量部(固形分)に対し、架橋剤(多官能イソシアネート化合物、日本ポリウレタン社製)0.8重量部およびシランカップリング剤(信越化学製、KBM403)0.02部を添加してアクリル系粘着剤を調製した。このアクリル系粘着剤を剥離処理した厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、150℃で3分間乾燥させ、厚み25μmの粘着剤シートを得た。
【0039】
(3)アンカーコート層の形成
厚さ20μmの偏光子の片面に厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせ、偏光子の他方の面に、80μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面にディスコティック液晶層を形成したフィルムのトリアセチルセルロースフィルム面を貼り合わせて光学補償層付偏光フィルムを作製した。この光学補償層付偏光フィルムのディスコティック液晶層面に、日本触媒化学工業製のポリメントNK380を、トルエンにて固形分が0.5重量%になるように希釈してた作成した塗布溶液を、バーコーター(#3)を用いて、塗布、乾燥させ、塗布量0.2立方センチメートル(1平方メートルあたり)のアンカーコート層を形成した。
【0040】
(4)粘着型偏光フィルムの作成
前記(3)で形成した光学補償層付偏光フィルムのアンカーコート層に、前記(2)で得られた粘着剤シートを貼り合わせて粘着型偏光フィルムを作成した。
【0041】
(5)リワーク試験
前記(4)で得られた粘着型偏光フィルムから、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除いたサンプル(粘着型偏光フィルム)を、試験用ガラスセルにローラーにて貼り合わせた。試験用ガラスセルには、無アルカリガラス板(厚み0.7mm、サイズ300mm×220mm)を2μmのスペーサーを介して貼り合せたものを使用した。貼り合せ前に試験用ガラスセルの表面を、メチルアルコールなどを含ませたやわらかい布でよく拭き、その後、空拭きしてよく洗浄した。貼り合せ後、サンプルをオートクレーブに投入(50℃、5atm×15分間)した。その後、リワーク試験を行った。リワ−クの際は、サンプルのコーナー部分にカッターにてきっかけを作り、ガラスセルを割らないように注意しながらゆっくりとガラスセルからサンプルを引き剥がした。その後、ガラスセル表面の粘着剤の付着具合を目視にて観察した。粘着剤の付着が全く認められない場合を「評価10」、粘着剤の付着が全面に認められる場合を「評価0」とした。ガラスセル表面に粘着剤の付着は見られず、リワーク性は良好であり、「評価10」と判断した。また、粘着型偏光フィルムは良好な接着性、接着耐久性を有していた。
【0042】
比較例1
実施例1(3)において光学補償層付偏光フィルムをアンカーコート層を形成せず、未処理のまま用いた以外は実施例1と同様にして粘着型偏光フィルムを作成した。得られたサンプル(粘着型偏光フィルム)について、実施例1と同様に(5)リワーク試験を行ったところ、ガラスセル表面に粘着剤の付着があり、リワーク性は「評価3」と判断した。
【0043】
参考例1
実施例1(3)において、塗布溶液の固形分を5重量%とし、アンカーコート層の塗布量を7立方センチメートル(1平方メートルあたり)とした以外は実施例1と同様にして粘着型偏光フィルムを作成した。得られたサンプル(粘着型偏光フィルム)について、実施例1と同様に(5)リワーク試験を行ったところ、アンカーコート層が凝集破壊を起こし、ガラスセル表面の全面にアンカーコート層と粘着剤の付着があり、リワーク性は「評価0」と判断した。
【0044】
参考例2
実施例1(3)において、塗布溶液の固形分を0.1重量%とし、アンカーコート層の塗布量を0.05立方センチメートル(1平方メートルあたり)とした以外は実施例1と同様にして粘着型偏光フィルムを作成した。得られたサンプル(粘着型偏光フィルム)について、実施例1と同様に(5)リワーク試験を行ったところ、ガラスセル表面に粘着剤の付着があり、リワーク性は「評価9」と判断した。
【図面の簡単な説明】
【図1】粘着型光学フィルムの断面図である。
【図2】粘着型偏光フィルムの断面図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム
2 液晶ポリマー層
3 アンカーコート層
4 アクリル系粘着剤層
5 離型シート
6 偏光子

Claims (6)

  1. 基材フィルム上に、液晶ポリマー層、アンカーコート層およびアクリル系粘着剤層がこの順に積層されている液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムであって、前記アンカーコート層が、1級アミノ基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルにより形成されていることを特徴とする液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルム。
  2. 液晶ポリマー層が、ディスコティック液晶モノマーを紫外線照射により硬化させて得られるディスコティック液晶層であることを特徴とする請求項1記載の液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルム。
  3. 液晶ポリマー層が、光学補償機能を有することを特徴とする請求項1または2記載の液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルム。
  4. アンカーコート層の塗布量が1平方メートル当たり0.1〜5立方センチメートルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルム。
  5. 偏光子の少なくとも片面に、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶ディスプレイ用粘着型光学フィルムのアクリル系粘着剤層が設けられていない基材フィルム面が設置されていることを特徴とする液晶ディスプレイ用粘着型偏光フィルム。
  6. 請求項5記載の液晶ディスプレイ用粘着型偏光フィルムを用いた液晶表示装置。
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