JP2013164622A - 粘着型偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

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真郷 尾藤
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Abstract

【課題】使用環境の変化によっても画像表示装置の光抜けが生じ難い粘着型偏光板、及びそれを用いた画像表示装置を提供する。
【解決手段】偏光子1の少なくとも片面に透明保護フィルム2が積層されており、当該透明保護フィルムの偏光子1と積層されない側の面に粘着剤層5が積層された粘着型偏光板10において、粘着剤層は、アルキル(メタ)アクリレートおよび芳香環構造を有する(メタ)アクリレートをモノマー単位として含有するアクリル系ポリマーを含む粘着剤により形成されている。透明保護フィルムの光弾性係数をXm2/N、前記アクリル系ポリマー中の芳香環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー単位の含有量をY%とした場合、XとYが所定の関係を満たすことで、上記課題が解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板の少なくとも片面に粘着剤層が積層された粘着型偏光板、およびそれを用いた画像表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶セルの少なくとも片側に偏光板が配置された液晶パネルをバックライト等の光源と組合せた構成を有しており、一般に、液晶セルと偏光板とは粘着剤層を介して積層されている。また、有機EL表示装置においては、外光の鏡面反射を遮蔽する目的で、セルの視認側に粘着剤層を介して円偏光板を貼り合わせる構成が採用されている。このような偏光板を用いた画像表示装置を実際の使用に供した場合、特に、高温や高湿の環境下で使用した場合に、画面の端部に光抜けが発生する場合がある。
このような環境変化に伴う光抜けは、温度や湿度等の変化によって、各部材が寸法変化を起こし、その界面での応力によって、偏光板を構成する各部材の位相差が変化することに起因すると考えられる。すなわち、偏光板は一般に偏光子に接着剤層を介して透明保護フィルムが積層された構成を有しているが、環境変化に伴って当該透明保護フィルムと偏光子との界面や、透明保護フィルムに貼り合わされた他の部材との界面において応力が発生し、この応力による光弾性複屈折によって透明保護フィルムの位相差特性が変化することが原因であると考えられている。特に、画面の端部では、画面の中央部に比して各部材の寸法変化が大きくなるため、端部での光抜けが顕著となる傾向がある。
また、近年の画像表示装置の大型化や高輝度化の潮流に伴い、光源の発熱によって画像表示装置内部の温度が上昇しやすい傾向にある。また、液晶表示装置や有機EL表示装置のような薄型の画像表示装置の用途が多様化しており、高温高湿等の過酷な環境下で用いられる機会が増加する傾向にある。そのため、環境変化に伴う画面端部の光抜けは、より視認されやすくなっている。
このような画面端部の光抜けを抑制する観点から、光弾性係数の絶対値が小さい透明保護フィルムを用いて、透明保護フィルムの位相差変化を小さくすることが提案されている(例えば特許文献1)。また、透明保護フィルムの製造時の機械方向と機械方向に垂直な方向の引張弾性率の差を小さくすることや(例えば特許文献2)、透明保護フィルムの線膨張係数と粘着剤層の弾性率との積を所定の範囲とすること(例えば特許文献3、4)によって、透明保護フィルムの位相差変化を小さくする方法等も提案されている。
特開2000−352619号公報 特開2008−217021号公報 特開2002−122739号公報 特開2002−122740号公報
特許文献1等に記載されているように、環境による透明保護フィルムの位相差変化を小さくして、画面の端部の光抜けを抑制する観点からは、透明保護フィルムの光弾性係数の絶対値は小さいことが好ましく、理論的には光弾性係数が略ゼロの透明保護フィルムを用いることで、光抜けの問題は解消するとも考えられる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、光弾性係数の絶対値が小さい透明保護フィルムを用いた場合でも使用環境に伴う画面端部の光抜けが発生することが判明した。
かかる問題に鑑み、本発明は、使用環境の変化によっても画像表示装置の光抜けが生じ難い粘着型偏光板、及びそれを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、光弾性係数が小さい透明保護フィルムを用いた場合にも光抜けが発生する原因について検討した結果、偏光板と液晶セルとを貼り合わせる粘着剤層の種類を変更することにより、光抜けの状況が変化するとの新たな知見を見出した。そして、当該知見から、画像表示装置の使用環境下における光抜けは、透明保護フィルムの位相差変化のみならず、粘着剤層にも位相差が発生していることに起因しているとの推定原理に基づき鋭意検討の結果、所定の透明保護フィルムと接着剤層との組合せによって光抜けが抑制できることを見出し、本発明に至った。
本発明は、偏光子の少なくとも片面に透明保護フィルムが積層されており、当該透明保護フィルムの偏光子と積層されない側の面に粘着剤層が積層された粘着型偏光板に関する。前記粘着剤層は、アルキル(メタ)アクリレートおよび芳香環構造を有する(メタ)アクリレートをモノマー単位として含有するアクリル系ポリマーを含む粘着剤により形成されている。
前記透明保護フィルムの光弾性係数X(m/N)の絶対値は50×10−12以下である。また、前記粘着剤層を構成するアクリル系ポリマー中の芳香環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー単位の含有量をY%とした場合、XとYは、下記を満たす。
−1×1011X+3≦Y≦−1×1011X+23
本発明の粘着型偏光板においては、前記透明保護フィルムが、アクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、フェニルマレイミド系樹脂、セルロース系樹脂、および変性ポリカーボネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。
さらに、本発明は、前記粘着型偏光板が用いられている画像表示装置に関する。
本発明の粘着型偏光板においては、粘着剤層を構成するアクリル系ポリマーが、所定量の芳香環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー単位(B成分)を含有している。B成分の含有量Yは、透明保護フィルムの光弾性係数Xの値に応じて決定され、加熱等の環境変化によって透明保護フィルムの位相差値が変化した場合に、粘着剤層が透明保護フィルムとは逆符号の位相差変化を生じるように調整される。
このような構成によれば、透明保護フィルムの位相差変化が大きい画面端部付近においては、粘着剤層の位相差変化も大きくなり(ただし、粘着剤層の位相差変化の符号は透明保護フィルムの位相差変化の符号と逆である)、粘着型偏光板の面内全体で透明保護フィルムの位相差変化と粘着剤層の位相差変化とが打ち消しあう。そのため、本発明の粘着型偏光板が貼り合わされた画像表示装置は、加熱環境等に暴露された場合においても、光抜けの少ない画像表示が可能となる。
本発明の一実施形態による粘着型偏光板の概略断面図である。 本発明の一実施形態による画像表示装置の概略断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。図1に示すように、本発明の粘着型偏光板10は、偏光子1の片面に第1の透明保護フィルム2を有し、透明保護フィルム2上には粘着剤層5が設けられている。偏光子1と第1の透明保護フィルム2とは不図示の接着剤層を介して積層されている。また、偏光子1の第1の透明保護フィルム2が積層された側と反対側の面には、不図示の接着剤層を介して第2の透明保護フィルム3が積層されていることが好ましい。
本発明の粘着型偏光板10を用いて画像表示装置100を形成する場合、図2に示すように、第1の透明保護フィルム2が配置された側の面が粘着剤層5を介して画像表示セル10に貼り合わされる。すなわち、第1の透明保護フィルムおよび粘着剤層5は、画像表示セル10と偏光子1との間に配置される。なお、図2では画像表示セル20の両面に粘着型偏光板10が貼り合わされているが、画像表示セル20の片面のみに粘着型偏光板が貼り合わされていてもよい。
[偏光子]
偏光子1は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これらの偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。
[透明保護フィルム]
偏光子の一方主面に配置される第1の透明保護フィルム2としては、光弾性係数の絶対値が、50×10−12/N以下のものが用いられる。光弾性係数が過度に大きいと、第1の保護フィルムに応力が付加された場合に画像表示にムラが生じやすくなる傾向がある。なお、光弾性係数はフィルムに所定の張力を付与した場合の位相差値を測定し、応力と位相差値をプロットした傾きから求めることができる。光弾性係数の符号は引張り応力を付与した場合に位相差が増加するものを正、位相差が減少するものを負と定義する。
(材料)
第1の透明保護フィルムを形成する材料としては、光弾性係数が前記範囲であれば特に制限されないが、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。第1の透明保護フィルムを形成する材料としては、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、フェニルマレイミド系樹脂、セルロース系樹脂、変性ポリカーボネート樹脂等が好適に用いられる。
前記環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとの共重合体(代表的には、ランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト変性体、ならびに、それらの水素化物が挙げられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体等が挙げられる。また、環状ポリオレフィン系樹脂としては、本発明の目的を損なわない範囲内において、上記以外の開環重合可能な他の環状オレフィン類を併用することができる。
このような環状ポリオレフィン系樹脂としては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン製の商品名「ゼオネックス(Zeonex)」、「ゼオノア(Zeonor)」、JSR製の商品名「アートン(Arton)」、TICONA製の商品名「トーパス(Topas)」、三井化学製の商品名「アペル(Apel)」が挙げられる。
前記アクリル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)があげられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルがあげられる。より好ましくは(メタ)アクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とする(メタ)アクリル酸メチル系樹脂があげられる。
アクリル系樹脂の具体例として、例えば、三菱レイヨン製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有するアクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tgアクリル系樹脂があげられる。
また、アクリル系樹脂として、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂も好適に用い得る。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、高い耐熱性、高い透明性、二軸延伸することにより高い機械的強度を有する点において好ましい。
ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報などに記載の、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂があげられる。
フェニルマレイミド系樹脂としては、マレイミドの窒素原子に置換若しくは無置換のフェニル基が結合したモノマーを重合したものが挙げられる。フェニルマレイミド系樹脂の原料モノマーとしては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−プロピルフェニル)マレイミド、N−(2−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジプロピルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2−メチル−6−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジクロロフェニル)、N−(2−ブロモフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジブロモフェニル)マレイミド、N−(2−ビフェニル)マレイミド、N−(2−シアノフェニル)マレイミド、等が挙げられる。このようなマレイミド系モノマーは、例えば、東京化成工業(株)等から入手することができる。
また、フェニルマレイミド系樹脂は、脆性や成形加工性、耐熱性の改善等を目的として、フェニルマレイミド系モノマー以外のモノマーが共重合されているものでもよい、このような目的で用いられる他のモノマー成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等のオレフィンや、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。このような、フェニルマレイミド−オレフィン共重合体は、例えば東ソー(株)から入手することができる。
前記セルロース系樹脂としては、セルロースと脂肪酸のエステルが好ましい。このようセルロースエステルの具体例としでは、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリプロピオニルセルロース、ジプロピオニルセルロース等が挙げられる。これらのなかでも、トリアセチルセルロースが特に好ましい。
また、セルロース系樹脂を含むフィルムとして市販品を用いることもできる。トリアセチルセルロースフィルムの市販品の例としては、富士フィルム製の商品名「UV−50」、「UV−80」、「SH−80」、「TD−80U」、「TD−TAC」、「UZ−TAC」や、コニカミノルタ製の「KCシリーズ」等があげられる。
前記変性ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノール成分として、4,4'−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノール(ビスフェノールA)以外に、負の複屈折を発現するビスフェノール成分をモノマー単位として含有し、光弾性係数を小さくしたものが挙げられる。このような変性ポリカーボネートを構成する負の複屈折を発現するビスフェノール成分としては、例えばフルオレン構造を有するビスフェノールが挙げられる。
このような変性ポリカーボネート樹脂としては、例えば、特開2001−194530号公報、特開2001−139676号公報、WO01/081959号国再公開パンフレット、WO2006/041190号国際公開パンフレット等に記載のポリカーボネート樹脂が好適に用いられる。
変性ポリカーボネート樹脂を含むフィルムとして市販品を用いることもできる。このような変性ポリカーボネートフィルムとしては、例えば、帝人化成製の商品名「ピュアエース WRシリーズ」等があげられる。
第1の透明保護フィルム2は、実質的に位相差を有さない光学等方性フィルムであってもよいし、位相差を有する光学異方性フィルムあってもよいが、画像表示セル10と偏光子1との間に配置されるものであるから、位相差ムラが小さく光学的に均一性が高いことが好ましい。第1の透明保護フィルムとして光学異方性フィルムを用いる場合、第1の透明保護フィルムは、偏光子の保護フィルムとしての役割と、位相差板としての役割を兼ねることができる。例えば、本発明の粘着型偏光板を液晶表示装置に用いる場合には、第1の保護フィルムが光学補償フィルムとしての役割を兼ねる。また、本発明の粘着型偏光板を有機EL表示装置に用いる場合には、第1の保護フィルムとして1/4波長板を用いることで、円偏光板とすることができる。
第1の透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄膜性などの点より1〜500μm程度である。特に、5〜200μmが好ましい。
粘着型偏光板が第2の透明保護フィルム3を備える場合、第2の保護フィルムは特に限定されないが、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性などに優れる透明フィルムが好適に用いられる。第2の保護フィルムを形成する材料としては、第1の保護フィルムを形成する材料として例示したものの等を好適に用いることができる。
第2の透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであっても良い。反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
偏光子1と、透明保護フィルム2,3とは、接着剤を用いて積層されることが好ましい。接着剤としては水系接着剤等が好適に用いられる。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。なお、偏光子と、透明保護フィルムとの貼り合せにあたり、透明保護フィルムには活性化処理を施すことができる。活性化処理は各種方法を採用でき、例えばケン化処理、コロナ処理、低圧UV処理、プラズマ処理等を採用できる。
[粘着剤層]
粘着剤層5は粘着剤により形成される。当該粘着剤のベースポリマーとしては、アルキル(メタ)アクリレートモノマー単位(A成分)、および芳香環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー単位(B成分)を含有するアクリル系ポリマーが用いられる。なお、本明細書および特許請求の範囲において、「(メタ)アクリレート」との記載は、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味する。
前記ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーにおける芳香環構造を有する(メタ)アクリレート(B成分)の含有量をY(%)は、第1の透明保護フィルムの光弾性係数X(m/N)に対して、−1×1011X+3≦Y≦−1×1011X+23を満たす。
本発明においては、加熱環境に暴露した場合における粘着型偏光板の位相差変化の絶対値が小さくなるように、B成分の含有量Yを前記範囲としている。粘着型偏光板の位相差変化の絶対値は小さいほど好ましい。具体的には、位相差変化は±2nm以内であることが好ましく、±1nmであることがより好ましい。
このように、粘着型偏光板の位相差変化を小さくして、画像表示装置の画面端部での光抜けを抑制する観点からは、アクリル系ポリマーにおける芳香環構造を有する(メタ)アクリレート(B成分)の含有量Y(%)は、−1×1011X+4以上であることが好ましく、−1×1011X+5以上であることがより好ましく、−1×1011X+6以上であることがさらに好ましい。また、Yは、−1×1011X+21以下であることが好ましく、−1×1011X+20以下であることがより好ましく、−1×1011X+19以下であることがさらに好ましい。このように、第1の透明保護フィルムの光弾性係数Xの値に応じて、アクリル系ポリマーにおけるB成分の含有量Yを調整することで、透明保護フィルムの光弾性複屈折が粘着剤層の複屈折によって打ち消され、粘着型偏光板全体の位相差変化を小さくすることができる。さらに、第1の透明保護フィルムの光弾性係数X(m/N)の絶対値は、30×10−12以下であることが好ましく、20×10−12以下であることがより好ましく、10×10−12以下であることがさらに好ましい。
粘着剤層を形成するアクリル系ポリマーにおけるアルキル(メタ)アクリレート(A成分)のアルキル基の炭素数は1〜18程度、好ましくは炭素数1〜9であり、アルキル基は直鎖、分岐鎖のいずれでもよい。アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、などを挙げることができる。これらは単独でまたは組み合わせて使用することができる。これらアルキル基の平均炭素数は4〜12であるのが好ましい。
粘着剤層を形成するアクリル系ポリマーにおける芳香環構造を有する(メタ)アクリレート(B成分)の芳香環構造としては、ベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環等があげられる。芳香環構造を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ‐2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、2−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(4−メトキシ−1−ナフトキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、チオフェニル(メタ)アクリレート、ピリジル(メタ)アクリレート、ピロリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ポリスチリル(メタ)アクリレート等があげられる。
このように、アクリル系ポリマーが所定量の芳香環構造を有する(メタ)アクリレート成分(B成分)を有することで位相差変化を小さくできる理由は定かではないが、B成分は側鎖に分極率が高い芳香環構造を有するため、複屈折の発現傾向がアルキル(メタ)アクリレート成分(A成分)とは大きく異なっているためであると推定される。
また、粘着剤を構成するアクリル系ポリマーは、モノマー単位として、前記A成分およびB成分に加えてその他のモノマー単位(C成分)を、含有してもよい。
前記C成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレートや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有モノマーなどがあげられる。
また、前記C成分としては、窒素含有ビニルモノマーがあげられる。例えば、マレイミド;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミドやN−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマーなども改質目的のモノマー例としてあげられる。
さらに、前記C成分としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系モノマー;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレートなどの(メタ)アクリレート系モノマーなども使用することができる。
前記C成分は、ベースポリマーを改質するために、任意に用いることができる。前記C成分は、1種または2種以上を用いることができる。C成分の割合は、アクリル系ポリマーにおける、モノマー単位として、10重量%以下、さらには6重量%以下とするのが好ましい。C成分の割合が、10重量%を超えると粘着剤としての柔軟性を損なう場合がある。
前記C成分としては、接着性が良好である点から、カルボキシル基を含有するモノマー、特にアクリル酸が好適に用いられる。カルボキシル基を含有するモノマーを用いる場合、その割合は、0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜8重量%、さらに好ましくは1〜6重量%である。また、イソシアネート架橋剤との架橋点になりうることから、ヒドロキシル基含有モノマーが好適に用いられる。ヒドロキシル基含有モノマー用いる場合、その割合は、0.1〜10重量%程度、好ましく0.5〜8重量%、さらに好ましくは1〜6重量%である。
前記アクリル系ポリマーは、各種公知の手法により製造でき、例えば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用できる。反応温度は通常50〜80℃程度、反応時間は1〜8時間とされる。また、前記製造法の中でも溶液重合法が好ましく、アクリル系ポリマーの溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等が用いられる。溶液濃度は通常20〜80重量%程度とされる。またアクリル系ポリマーは、水系のエマルジョンとして得ることができる。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、100万〜300万であることが好ましい。アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、200万を超え〜300万であることがより好ましく、210万〜270万であることがさらに好ましい。重量平均分子量が過度に小さいと、粘着剤層に透明保護フィルムの複屈折を打ち消すほどの複屈折が生じず、光抜けの抑制が不十分となる場合がある。一方、重量平均分子量が300万を超えると、接着性が低下する傾向がある。
本発明の粘着剤層を形成する粘着剤は、ベースポリマーである前記アクリル系ポリマーに加えて、架橋剤を含有することもできる。架橋剤により、光学フィルムとの密着性や耐久性を向上でき、また高温での信頼性や粘着剤自体の形状の保持を図ることができる。架橋剤としては、イソシアネート系、エポキシ系、過酸化物系、金属キレート系、オキサゾリン系などを適宜に使用可能である。これら架橋剤は1種を、または2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤としては、ヒドロキシル基と反応性を示す官能基を含有する架橋剤が好適であり、特に、イソシアネート系架橋剤が好適である。
架橋剤の使用量は、ベースポリマー100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.02〜3重量部である。架橋剤の使用割合が、10重量部を超えると架橋が進みすぎて接着性が低下する傾向がある。
粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を、また本発明の目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用することもできる。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などとしても良い。
前記添加剤としては、シランカップリング剤が好適である。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するシランカップリング剤;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン等のアミノ基含有シランカップリング剤;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤;3−クロロプロピルトリメトキシシラン;アセトアセチル基含有トリメトキシシランなどがあげられる。シランカップリング剤は、1種を単独で使用しても良く、また2種以上を混合して使用しても良いが、シランカップリング剤の配合量は、アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.01〜2重量部、好ましくは0.02〜1重量部である。
[粘着型偏光板の形成]
本発明の粘着型偏光板10は、第1の透明保護フィルム2上に、前記粘着剤により、粘着剤層を形成することによって製造することができる。粘着剤層の形成法は、特に制限されず、透明保護フィルム上に粘着剤溶液を流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で塗布し乾燥する方法、粘着剤層を設けた離型シートにより転写する方法等があげられる。塗布法は、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを採用できる。粘着剤溶液を塗布後、乾燥工程で溶剤や水を揮発することで所定の厚みの粘着剤層を得る。
粘着剤層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般的には、1〜500μmであり、好ましくは1〜50μmである。さらには1〜40μmが好ましく、さらには5〜30μmが好ましく、特に10〜25μmが好ましい。1μmより薄いと耐久性が悪くなり、厚くなると発泡などによる浮きや剥がれが生じやすく外観不良となりやすい。
また、粘着剤層の形成は、UV硬化性の粘着剤シロップを離型フィルム上に塗布し、電子線やUV等の放射線を照射することで前記アクリル系ポリマーを含有する粘着剤層を形成できる。この際、粘着剤には、架橋剤を含有させていることから、高温での信頼性や粘着剤自体の形状の保持を図ることができる。
なお、粘着剤層の架橋は、前記乾燥工程やUV照射工程で行うことができる他、乾燥後に、加温状態や室温放置によるエージングにより、架橋が促進するような架橋形態も選択できる。
本発明の粘着型偏光板の粘着剤層5の露出面に対しては、画像表示セル等と貼り合せて実用に供するまでの間、粘着剤層の汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされることが好ましい。これにより、通例の取扱状態で粘着剤層に接触することを防止できる。セパレータとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
[画像表示装置]
本発明の粘着型偏光板は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の各種の画像表示装置に好ましく用いることができる。本発明の画像表示装置は、本発明の粘着型偏光板を用いること以外は、従来の画像表示装置と同様の構成とすることができる。
液晶表示装置は、例えば、液晶セル、本発明の偏光板等の光学部材、および必要に応じて照明システム(バックライト等)等の各構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むこと等により製造できる。液晶表示装置の構成は液晶セルの片側又は両側に本発明の粘着型偏光板が用いられていれば、その他の構成は特に制限されない。
透過型液晶表示装置のように、液晶セルの視認側および光源側の両方に偏光板が配置された液晶表示装置を形成する場合、光抜けを抑制する観点からは、液晶セルの両側に本発明の粘着型偏光板を配置した構成が好適に採用される。
有機EL表示装置は、例えば有機ELセル(有機発光層)の視認側に、本発明の粘着型偏光板を配置することにより製造できる。特に前述のごとく、第1の明保護フィルムとして1/4波長板を用いることで、外光の反射による視認性の低下を抑止し得る。なお、透明保護フィルムとして1/4波長板を用いずに、本発明の偏光板に、別途1/4波長板を積層して円偏光板としたものを有機ELセルの視認側に配置してもよい。
本発明の画像表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて更に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
(粘着剤の調製)
冷却管、撹拌羽、温度計が付属した4つロフラスコ中に、ブチルアクリレート97重量部、ベンジルアクリレート5重量部および2,2´‐アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチル140重量部とともに加え、十分に窒素置換した後、窒素気流下で撹拌しながら、55℃で8時間反応させ、重量平均分子量200万のアクリル系ポリマーの溶液を得た。このアクリル系ポリマーの溶液の固形分100重量部に対して、架橋剤(日本ポリウレタン製 商品名「コロネートL」)を固形分で0.45重量部およびシランカップリング剤(信越シリコーン製 商品名「KBM403」)0.1重量部を加えて、粘着剤溶液を作成した。
(粘着剤層の形成)
得られた粘着剤溶液を、離型処理を施したポリエステルフィルム(厚さ38μm)からなるセパレータ上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmになるように、リバースロールコート法により塗布し、155℃で3分間加熱処理して、溶剤を揮発させ、粘着剤層を得た。
(偏光板の作製)
平均重合度2400、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコールを主成分とする高分子フィルムを周速の異なるロール間で染色しながら延伸搬送してポリビニルアルコール系偏光子を得た。まず、30℃の水浴中に1分間浸漬させてポリビニルアルコールフィルムを膨潤させつつ搬送方向に1.2倍に延伸した後、30℃のヨウ化カリウム濃度0.03重量%、ヨウ素濃度0.3重量%の水溶液中で1分間浸漬することで、染色しながら、搬送方向に、全く延伸していないフィルム(原長)を基準として3倍に延伸した。次に、60℃のホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%の水溶液中に30秒間浸漬しながら、搬送方向に、原長基準で6倍に延伸した。次に、得られた延伸フィルムを70℃で2分間乾燥することで偏光子を得た。なお、偏光子の厚みは30μmであった。
このようにして得られた偏光子の両面にポリビニルアルコール系接着剤を介して、変性メチルメタクリレート系樹脂フィルム(東洋鋼板製 商品名「ファインキャストフィルム RZ−30NA−S」、光弾性係数:1.5×10−12/N)を貼り合わせて、偏光子に透明保護フィルムが積層された偏光板を作製した。
(粘着型偏光板の作製)
上記偏光板の透明保護フィルムの表面に、ワイヤーバーにて下塗り剤を塗布して、下塗り層(厚さ100nm)を形成した。下塗り剤には、ポリエチレンイミン系(日本触媒製,エポミン P−1000)を用いた。次いで、下塗り層に、上記粘着剤層を形成した離型シートを貼り合せ、粘着型偏光板とした。
[実施例2〜3、比較例1〜4]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレートとベンジルアクリレートの仕込み比を変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤溶液を作成した。
[実施例4〜6、比較例5〜8]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレートとベンジルアクリレートの仕込み比を変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤溶液を作成した。また、実施例1の偏光板の作製において、透明保護フィルムとしてメチルメタクリレート系樹脂フィルムを用いる代わりに環状オレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン製 商品名「ゼオノアフィルム ZB14−55124」、光弾性係数:4.0×10−12/N」を用いた。それ以外は実施例1と同様にして粘着型偏光板を作製した。
[実施例7〜9、比較例9〜12]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレートとベンジルアクリレートの仕込み比を変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤溶液を作成した。また、実施例1の偏光板の作製において、透明保護フィルムとして変性メチルメタクリレート系樹脂フィルムを用いる代わりにトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム製 商品名「フジタック TD80UL」、光弾性係数:16×10−12/N)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして粘着型偏光板を作製した。
[実施例10〜12、比較例13〜16]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレートとベンジルアクリレートの仕込み比を変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤溶液を作成した。また、実施例1の偏光板の作製において、透明保護フィルムとして変性メチルメタクリレート系樹脂フィルムを用いる代わりにトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ製 商品名「KC4KR−1」、光弾性係数:21.8×10−12/N)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして粘着型偏光板を作製した。
[実施例13〜15、比較例17〜20]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレートとベンジルアクリレートの仕込み比を変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤溶液を作成した。また、実施例1の偏光板の作製において、透明保護フィルムとして変性メチルメタクリレート系樹脂フィルムを用いる代わりにフェニルマレイミド系樹脂フィルム(東ソー製 商品名「TI−160α」、光弾性係数:−14×10−12/N)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして粘着型偏光板を作製した。
[実施例16〜18、比較例21〜24]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレートとベンジルアクリレートの仕込み比を変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤溶液を作成した。また、実施例1の偏光板の作製において、透明保護フィルムとして変性メチルメタクリレート系樹脂フィルムを用いる代わりに変性ポリカーボネートフィルム(帝人化成製 商品名「ピュアエースWR」、光弾性係数:−30×10−12/N)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして粘着型偏光板を作製した。
[液晶パネルの作製]
VAおよびIPSモードの液晶セルを備える液晶テレビ(ソニー製 商品名「BRAVIA」から液晶パネルを取り出し、液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、該液晶セルのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの両面に、上記各実施例および比較例で作製した粘着型偏光板を貼り合せた。
[評価]
(画面中央部および画面コーナー部の輝度の測定)
各実施例および比較例の粘着型偏光板が貼り合わされた液晶パネルを、95℃の空気循環式恒温槽内に24時間投入した後、液晶パネルを取り出して輝度10000cd/mのバックライト上に置いて黒表示させ、輝度測定装置(TOPCON製 商品名「BM−5A」)により、画面中央部および画面コーナー部(4隅)における正面方向の輝度を測定した。
(面内輝度バラツキの測定)
また、95℃の空気循環式恒温槽内に24時間投入する前後の液晶パネルを輝度10000cd/mのバックライト上に置いて黒表示させ、画面の面内輝度を面内輝度測定装置(アイ・システム製 商品名「EyeScale−4W」)により測定した。
輝度の測定結果を、各実施例および比較例の粘着型偏光板の粘着剤の組成および透明保護フィルムの光弾性係数の値とともに表1に示す。なお、表1中、Xは透明保護フィルムの光弾性係数を表し、Yは粘着剤を構成するアクリル系ポリマー中の芳香族観光像を有する(メタ)アクリレートモノマー単位の含有量(重量%)を表す。また、コーナー部の輝度は、画面4隅の平均値であり、「輝度差」は、画面中央部とコーナー部の差を表す。表1中のΔσは、高温試験投入前の面内輝度のバラツキσ0hと高温試験投入後の面内輝度のバラツキσ24hとの差Δσ=σ24h−σ0hを表している。
Figure 2013164622
表1に示すように、実施例の粘着型偏光板を用いた液晶表示装置においては、画面中央とコーナー部での輝度差が小さく、加熱試験前後での面内輝度のバラツキの変化も抑制されている。このように、本発明の粘着型偏光板を用いた液晶表示装置は、使用環境の変化による光抜けや輝度の変化が生じ難いことがわかる。
1 偏光子
2,3 透明保護フィルム
5 粘着剤層
10 粘着型偏光板
20 画像表示セル
100 画像表示装置

Claims (3)

  1. 偏光子の少なくとも片面に透明保護フィルムが積層されており、当該透明保護フィルムの偏光子と積層されない側の面に粘着剤層が積層された粘着型偏光板であって、
    前記粘着剤層は、アルキル(メタ)アクリレートおよび芳香環構造を有する(メタ)アクリレートをモノマー単位として含有するアクリル系ポリマーを含む粘着剤により形成されており、
    前記透明保護フィルムの光弾性係数をX(m2/N)、前記アクリル系ポリマー中の芳香環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー単位の含有量をY%とした場合、Xの絶対値が50×10−12以下であり、かつ、XとYが、−1×1011X+3≦Y≦−1×1011X+23を満たす粘着型偏光板。
  2. 前記透明保護フィルムが、アクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、フェニルマレイミド系樹脂、セルロース系樹脂、および変性ポリカーボネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む請求項1に記載の粘着型偏光板。
  3. 請求項1または2に記載の粘着型偏光板が用いられている画像表示装置。
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