JP2011227337A - 偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents

偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 液晶セルに装着した際に、使用環境が変化した場合であっても、特に端部部分における光漏れ等の表示不良が発生し難い偏光板を提供する。また、光漏れが生じにくい液晶パネルおよび液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 偏光子11の少なくとも片面に透明保護フィルム12を備え、前記透明保護フィルム12の偏光子11が備えられていない側の面に粘着剤層13を備えた偏光板10であって、前記粘着剤層13は、位相差変化量が3nm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置に関する。
テレビ、パソコン、携帯電話等の各種液晶表示装置(LCD)には、偏光板が用いられている。前記偏光板は、偏光子の少なくとも片面に保護層が積層された構成を有しており、前記液晶表示装置では、液晶セルの視認側およびバックライト側に、吸収軸が直交する状態で、偏光板が配置されている。近年では、テレビ用としての液晶表示装置の用途が急増しており、画面のサイズも大型化している。これに伴い、テレビに用いられる偏光板にも、大型化が要求されている。また液晶表示装置は、大型化とともに、機能向上や輝度向上もなされており、用いられる偏光板も大型化と同時に、光学特性の向上および面内均一性の向上が求められている。
しかし、前記液晶表示装置を高温高湿等の過酷な使用条件下で使用した場合において、液晶表示装置の端部で、液晶表示の黒表示時に額縁状の光漏れが生じる場合があった。この光漏れは、温度や湿度等の変化によって、偏光板に、膨張や収縮等の応力が加わることに起因する。この加わった応力のため、偏光板を構成する部材に、例えば、屈折率等の変化が起こり、特に端部部分において、本来であれば黒表示となる部分で光が抜けたり、表示ムラが発生したりすることがあった。
そこで、偏光板を構成する部材の光弾性係数や線膨張係数、弾性率等の関係を所定範囲にすることによって、前述した光漏れを緩和しようとする試みがなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。偏光板を構成する部材について各々の物性値の関係を制御することで、ある程度の改善は可能であるが、これらの方法によっても、予期しない光漏れの発生が生じることがあった。
特開2001−264538号公報 特開2002−122739号公報 特開2002−122740号公報
そこで本発明は、液晶セルに装着した際に、使用環境が変化した場合であっても、特に端部部分における光漏れ等の表示不良が発生し難い偏光板を提供することを目的とする。また、本発明は、光漏れが生じにくい液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも片面に透明保護フィルムを備え、前記透明保護フィルムの偏光子が備えられていない側の面に粘着剤層を備えた偏光板であって、前記粘着剤層は、位相差変化量が3nm以下であることを特徴とする。
本発明の液晶パネルは、前記本発明の偏光板が、液晶セルの少なくとも一方の側に配置されていることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の液晶パネルを含むことを特徴とする。
本発明によれば、液晶セルに装着した際に、使用環境が変化した場合であっても、特に端部部分における光漏れ等の表示不良が発生し難い偏光板を提供することができる。また、本発明によれば、光漏れが生じにくい液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することができる。
図1は、本発明の偏光板の構成の一例を示す模式断面図である。 図2は、本発明の液晶パネルの構成の一例を示す模式断面図である。 図3は、本発明の液晶表示装置の構成の一例を示す模式断面図である。
本発明の偏光板において、前記透明保護フィルムの光弾性係数の絶対値が10×10−12/N以下であることが好ましい。
本発明の偏光板において、前記透明保護フィルムが、メチルメタクリレート系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フェニルマレイミド系樹脂、セルロース系樹脂、および、変性ポリカーボネート系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。
本発明の偏光板において、前記粘着剤層を形成する粘着剤が、アクリル系ポリマーを含み、前記アクリル系ポリマーは、アルキルアクリレートモノマー単位およびアルキルメタクリレートモノマー単位からなる群より選ばれる少なくとも1種、ならびに、芳香環構造を有するアクリレートモノマー単位および芳香環構造を有するメタクリレートモノマー単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
つぎに、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の記載により制限されない。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも片面に透明保護フィルムを備え、前記透明保護フィルムの偏光子が備えられていない側の面に粘着剤層を備えた偏光板であって、前記粘着剤層は、位相差変化量が3nm以下であることを特徴とする。図1の模式断面図に、本発明の偏光板の構成の一例を示す。同図においては、分かりやすくするために、各構成部材の大きさ、比率等は、実際とは異なっている。図示のとおり、この偏光板10は、偏光子11の片面に透明保護フィルム12が備えられ、さらに、前記透明保護フィルム12の偏光子11と反対側の面に粘着剤層13が備えられて構成されている。本例においては、前記偏光子11の透明保護フィルム12が設けられた側と反対側の面に、第2の透明保護フィルム14が備えられている。本発明の偏光板において、この第2の透明保護フィルム14は、任意に有することができる。前記偏光板の全体厚みは、例えば、40〜300μmの範囲である。前記範囲の厚みとすることで、より機械的強度に優れた偏光板を得ることができる。
本発明において、位相差変化量とは、粘着剤層が偏光板の収縮によって延伸された際に発生する位相差発生量である。本発明においては、粘着剤層の位相差変化量は3nm以下である。前記位相差変化量は、小さいほど好ましく、好ましくは2nm以下であり、より好ましくは1nm以下である。位相差変化量は、次のようにして測定する。
(1)粘着剤を、厚み100μmとなるように膜状に形成する。
(2)前記膜状の粘着剤の端部を保持し、一定速度(60mm/min)で延伸しながら、正面位相差を同時に測定する。
(3)10倍延伸時の正面位相差値を、粘着剤の厚み20μmあたりの位相差値に変換したものの絶対値を、位相差変化量とする。
[偏光子]
本発明において、偏光子は、例えば、二色性物質であるヨウ素を含有するポリビニルアルコール(PVA)系樹脂を含む高分子フィルムを延伸して得ることができるが、これに限定されない。前記高分子フィルムとしては、PVA系フィルムの他には、例えば、部分ホルマール化PVA系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系フィルムや、これらの部分ケン化フィルム等の親水性ポリマーフィルム等も挙げられる。また、これらの他にも、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム、延伸配向されたポリビニレン系フィルム等も使用できる。これらの中でも、二色性物質であるヨウ素による染色性に優れることから、PVA系ポリマーフィルムを用いることが好ましい。前記PVA系ポリマーフィルムを得る方法としては、任意の適切な成形加工法が採用され得る。前記成形加工法としては、例えば、特開2001−315144号公報[実施例1]に記載の方法が挙げられる。
前記PVA系樹脂を含む高分子フィルムは、例えば、市販のフィルムをそのまま用いることもできる。前記市販のPVA系樹脂を含む高分子フィルムとしては、例えば、(株)クラレ製の商品名「クラレビニロンフィルム」、東セロ(株)製の商品名「トーセロビニロンフィルム」、日本合成化学工業(株)製の商品名「日合ビニロンフィルム」等が挙げられる。前記フィルムの厚みは10〜120μmの範囲にあることが好ましく、20〜100μmの範囲にあることがより好ましい。
前記二色性物質としては、従来公知の物質が使用でき、例えば、ヨウ素や有機染料等が挙げられる。前記有機染料を使用する場合には、例えば、可視光領域のニュートラル化を図る点より、二種類以上を組み合わせることが好ましい。偏光子は、上述の高分子フィルムを膨潤させた後、二色性物質を含む染色液に接触させて染色して製造する。前記染色液としては、前記二色性物質を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、例えば、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。前記溶液における二色性物質の濃度は、特に制限されないが、例えば、0.01〜0.5重量%の範囲であり、好ましくは、0.01〜0.3重量%の範囲である。
また、前記二色性物質としてヨウ素を使用する場合、溶解度、染色効率等をより一層向上できることから、ヨウ素に加えて、助剤として、例えば、ヨウ化カリウム等のヨウ化物をさらに添加することが好ましい。前記ヨウ化物の添加割合は、前記染色液において、0.01〜10重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.01〜7重量%の範囲である。例えば、ヨウ素とヨウ化カリウムとを組み合わせて使用する場合、前記溶液におけるヨウ素(A)とヨウ化カリウム(B)の割合(A:B(重量比))は、例えば、A:B=1:5〜1:100の範囲であり、好ましくは、A:B=1:7〜1:50の範囲である。
偏光子の製造方法は、上述の高分子フィルムを材料とし、例えば、膨潤工程、染色工程、架橋工程、調整工程、乾燥工程等の一連の工程を有し、これら工程の少なくとも一つにおいてまたは別個に延伸工程を実施するものとすることが好ましい。前記高分子フィルムは、長尺フィルムを用いて、上記工程を連続工程で行うことが好ましい。延伸を長尺方向に行うと、前記延伸方向と直交する方向すなわち長尺フィルムの幅方向に吸収軸の軸方向の変化が起こりやすい。乾燥工程においては、延伸後のフィルムを20〜150℃のオーブン中で加熱乾燥することが好ましく、より好ましくは、40〜100℃である。
[透明保護フィルム]
前記偏光子の少なくとも片面に備えられる透明保護フィルムとしては、光弾性係数の絶対値が、10×10−12/N以下であることが好ましい。光弾性係数の絶対値が過度に大きいと、透明保護フィルムに応力が付加された場合に画像表示にムラが生じやすくなる傾向がある。なお、光弾性係数は、透明保護フィルムに所定の張力を付与した場合の位相差値を測定し、応力と位相差値をプロットした傾きから求めることができる。光弾性係数の符号は、引張り応力を付与した場合に位相差が増加するものを正、位相差が減少するものを負と定義する。より好ましくは、絶対値が、5×10−12/N以下である。
前記透明保護フィルムの厚みは、強度や取扱性等の作業性、薄膜性等を考慮して、例えば、1〜500μm程度の範囲で適宜決定することができる。前記厚みは、5〜200μmが好ましい。
透明保護フィルムを形成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。透明保護フィルムを形成する材料としては、アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フェニルマレイミド系樹脂、セルロース系樹脂、変性ポリカーボネート系樹脂等が好適に用いられる。これらの中でも、メチルメタクリレート系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸メチルなどのポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチルなどのポリメタクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−アクリル酸共重合、メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、アクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ノルボルニル共重合体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸ノルボルニル共重合体など)があげられる。好ましくは、ポリアクリル酸メチルなどのポリアクリル酸C1−6アルキル、ポリメタクリル酸メチルなどのポリメタクリル酸C1−6アルキルがあげられる。より好ましくはメタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂があげられる。
アクリル系樹脂の具体例として、例えば、三菱レイヨン(株)製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tgアクリル系樹脂があげられる。
また、アクリル系樹脂として、ラクトン環構造を有するアクリル系樹脂を用いることもできる。ラクトン環構造を有するアクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報などに記載のものがあげられる。
前記環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂があげられる。具体例としては環状オレフィンの開環重合体、開環共重合体、付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとのランダム共重合体等の共重合体、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト変性体、ならびに、それらの水素化物があげられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーがあげられる。ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキル置換体やアルキリデン置換体等があげられる。また、環状ポリオレフィン系樹脂としては、本発明の目的を損なわない範囲内において、上記以外の開環重合可能な他の環状オレフィン類を併用することができる。
前記環状ポリオレフィン系樹脂としては、種々の製品が市販されている。前記市販の環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、日本ゼオン(株)製の商品名「ゼオネックス(Zeonex)」、「ゼオノア(Zeonor)」、JSR(株)製の商品名「アートン(Arton)」、TICONA社製の商品名「トーパス(Topas)」、三井化学(株)製の商品名「アペル(Apel)」等があげられる。
前記フェニルマレイミド系樹脂としては、マレイミドの窒素原子に置換もしくは無置換のフェニル基が結合したモノマーを重合したものがあげられる。フェニルマレイミド系樹脂の原料モノマーとしては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−プロピルフェニル)マレイミド、N−(2−イソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジプロピルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)マレイミド、N−(2−メチル−6−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジクロロフェニル)マレイミド、N−(2−ブロモフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジブロモフェニル)マレイミド、N−(2−ビフェニル)マレイミド、N−(2−シアノフェニル)マレイミド、等があげられる。このようなマレイミド系モノマーは、例えば、東京化成工業(株)等から入手することができる。
また、前記フェニルマレイミド系樹脂は、脆性や成形加工性、耐熱性の改善等を目的として、フェニルマレイミド系モノマー以外のモノマーが共重合されているものでもよい。このような目的で用いられる前記モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等のオレフィンや、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、酢酸ビニル等があげられる。このような、フェニルマレイミド−オレフィン共重合体は、例えば、東ソー(株)等から入手することができる。
前記セルロース系樹脂としては、セルロースと脂肪酸のエステルであることが好ましい。このようセルロースエステル系樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリプロピオニルセルロース、ジプロピオニルセルロース等があげられる。これらのなかでも、トリアセチルセルロースが特に好ましい。セルロース系樹脂を含むフィルムとしては、市販品を用いることもできる。トリアセチルセルロースフィルムの市販品の例としては、富士フイルム(株)製の商品名「UV−50」、「UV−80」、「SH−80」、「TD−80U」、「TD−TAC」、「UZ−TAC」や、コニカミノルタオプト(株)製の「KCシリーズ」等があげられる。
前記変性ポリカーボネート系樹脂としては、ビスフェノール成分として、4,4’−(プロパン−2,2’−ジイル)ジフェノール(ビスフェノールA)以外に、負の複屈折を発現するビスフェノール成分をモノマー単位として含有し、光弾性係数を小さくしたものがあげられる。このような変性ポリカーボネートを構成する負の複屈折を発現するビスフェノール成分としては、例えば、フルオレン構造を有するビスフェノールがあげられる。このような変性ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、特開2001−194530号公報、特開2001−139676号公報、WO01/081959号国際公開パンフレット、WO2006/041190号国際公開パンフレット等に記載のポリカーボネート系樹脂が好適に用いられる。変性ポリカーボネート系樹脂を含むフィルムとしては、市販品を用いることもできる。変性ポリカーボネート系樹脂フィルムの市販品の例としては、帝人化成(株)製の商品名「ピュアエース WRシリーズ」等があげられる。
本発明において、偏光板10が、前記第2の透明保護フィルム14を備える場合、前記第2の透明保護フィルムとしては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性などに優れる透明フィルムを好適に用いることができる。前記第2の透明保護フィルムを形成する材料としては、例えば、前記透明保護フィルム12を形成する材料として例示したもの等を用いることができる。
前記偏光子11と、透明保護フィルム12および14とは、接着剤を用いて貼り合わせて積層されることが好ましい。前記接着剤としては、水系接着剤等を好適に用いることができる。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系接着剤、水系ポリウレタン系接着剤、水系ポリエステル系接着剤等があげられる。なお、偏光子と透明保護フィルムとの貼り合わせに際して、透明保護フィルムには、活性化処理を施しておいてもよい。前記活性化処理としては、例えば、ケン化処理、コロナ処理、低圧UV処理、プラズマ処理等の各種の処理を採用することができる。
[粘着剤層]
前記粘着剤層は、粘着剤により形成される。粘着剤としては、その種類について特に制限はなく、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などがあげられる。これら粘着剤のなかでも、光学的透明性に優れ、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく、このような特徴を示すものとしてアクリル系粘着剤が好ましく使用される。
アクリル系粘着剤を構成するアクリル系ポリマーは、アルキルアクリレートモノマー単位およびアルキルメタクリレートモノマー単位からなる群より選ばれる少なくとも1種、ならびに、芳香環構造を有するアクリレートモノマー単位および芳香環構造を有するメタクリレートモノマー単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記アルキルアクリレートモノマー単位および前記アルキルメタクリレートモノマー単位のアルキル基の炭素数は1〜18程度、好ましくは4〜12である。アルキル基は直鎖、分岐鎖のいずれでもよい。アルキルアクリレートの具体例としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート等があげられる。アルキルメタクリレートの具体例としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等があげられる。これらは単独または組み合わせて使用できる。
前記芳香環構造を有するアクリレートモノマー単位および前記芳香環構造を有するメタクリレートモノマー単位の芳香環構造としては、ベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環等があげられる。芳香環構造を有するアクリレートとしては、例えば、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、2−ナフトキシエチルアクリレート、2−(4−メトキシ−1−ナフトキシ)エチルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシエチレングリコールアクリレート、チオフェニルアクリレート、ピリジルアクリレート、ピロリルアクリレート、フェニルアクリレート、ポリスチリルアクリレート等があげられる。芳香環構造を有するメタクリレートとしては、例えば、フェノキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性メタクリレート、2−ナフトキシエチルメタクリレート、2−(4−メトキシ−1−ナフトキシ)エチルメタクリレート、フェノキシプロピルメタクリレート、フェノキシエチレングリコールメタクリレート、チオフェニルメタクリレート、ピリジルメタクリレート、ピロリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ポリスチリルメタクリレート等があげられる。
粘着剤層の位相差変化量は、例えば、粘着剤の成分を調整することで制御することができる。
前記アクリル系ポリマー中には、モノマー単位として、前記の成分に加えて、その他のモノマー単位を含有してもよい。前記その他のモノマー単位としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、8−ヒドロキシオクチルアクリレート、8−ヒドロキシオクチルメタクリレート、10−ヒドロキシデシルアクリレート、10−ヒドロキシデシルメタクリレート、12−ヒドロキシラウリルアクリレート、12−ヒドロキシラウリルメタクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシエチルメタクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、カルボキシペンチルメタクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、メタクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレートなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有モノマーなどがあげられる。
また、マレイミド;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールプロパンアクリルアミド、N−メチロールプロパンメタクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、アミノプロピルアクリレート、アミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルアクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレートなどのアルキルアミノアルキルアクリレート系モノマー;メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルアクリレート、エトキシエチルメタクリレートなどのアルコキシアルキルアクリレート系モノマー;N−アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−メタクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−メタクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド、N−メタクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマーなども改質目的のモノマーの例としてあげられる。
さらに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレートなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;フッ素アクリレート、フッ素メタクリレート、シリコーンアクリレート、シリコーンメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリレートモノマーなども使用することができる。
アクリル系ポリマー中の前記その他のモノマー単位成分の割合は、ベースポリマーを改質するために、任意に用いることができる。前記成分は、1種類を単独で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて用いることもできる。前記成分の割合は、前記アクリル系ポリマーにおけるモノマー単位として、10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは6重量%以下である。前記成分の割合が、10重量%を超えると、粘着剤としての柔軟性を損なう場合がある。
前記その他のモノマー単位成分としては、接着性が良好である点から、カルボキシル基含有モノマー、特にアクリル酸が好ましく用いられる。カルボキシル基含有モノマーを用いる場合、前記アクリル系ポリマーにおけるモノマー単位として、含有量は0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜8重量%、さらに好ましくは1〜6重量%である。また、後述する架橋剤としてイソシアネート架橋剤を用いる場合、イソシアネート架橋剤との架橋点になりうることから、ヒドロキシル基含有モノマーが好適に用いられる。ヒロドキシル基含有モノマーを用いる場合、含有量は0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜8重量%、さらに好ましくは1〜6重量%である。
前記アクリル系ポリマーは、各種公知の手法により製造でき、例えば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系等の各種公知のものを使用できる。反応温度は通常50〜80℃程度、反応時間は1〜8時間とされる。また、前記製造法の中でも溶液重合法が好ましい。アクリル系ポリマーの溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等が用いられる。溶液濃度は通常20〜80重量%程度とされる。アクリル系ポリマーは、水系のエマルジョンとして得ることができる。
前記アクリル系ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、100万〜300万であることが好ましく、200万を超え300万以下であることがより好ましく、210万〜270万であることがさらに好ましい。重量平均分子量が過度に小さいと、粘着剤層に透明保護フィルムの複屈折を打ち消すほどの複屈折が生じず、光抜けの抑制が不十分となる場合がある。一方、重量平均分子量が300万を超えると、接着性が低下する傾向がある。
また前記粘着剤は、架橋剤を含有することもできる。架橋剤の添加により、透明保護フィルムや液晶セルとの密着性や耐久性を向上させることができ、また、高温での信頼性や、粘着剤自体の形状の保持を図ることができる。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤、金属キレート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤などがあげられる。これらの架橋剤は、1種類を単独で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて用いることもできる。架橋剤としては、ヒドロキシル基と反応性を示す官能基を含有する架橋剤が好適であり、特に、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
アクリル系ポリマー等のベースポリマーと架橋剤の配合割合は特に限定されない。通常、ベースポリマー(固形分)100重量部に対して、架橋剤(固形分)は10重量部以下であり、好ましくは、0.01〜5重量部、より好ましくは、0.02〜3重量部である。架橋剤の配合割合が10重量部を超えると、架橋が進みすぎて接着性が低下する傾向がある。
前記粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を添加することができる。また本発明の目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用することもできる。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などとしても良い。前記添加剤としては、シランカップリング剤を好適に用いることができる。シランカップリング剤は、1種類を単独で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて用いることもできる。シランカップリング剤の配合量は、前記アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.01〜2重量部、好ましくは0.02〜1重量部である。
[偏光板の形成]
本発明の偏光板は、前記偏光子が積層された透明保護フィルム上に、前記粘着剤による粘着剤層を形成することによって、製造することができる。粘着剤層の形成方法は、特に制限されず、例えば、透明保護フィルム上に、溶剤で希釈した粘着剤溶液または水系のエマルジョン粘着剤を、流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で塗布して乾燥する方法、前記粘着剤溶液またはエマルジョン粘着剤を離型シートに塗布して粘着剤層を設けておき、前記透明保護フィルム上に粘着剤層を転写する方法等があげられる。塗布方法としては、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などの塗工法を採用できる。粘着剤溶液またはエマルジョン粘着剤を塗布後、乾燥工程で溶剤や水を揮発させることで、所定の厚みの粘着剤層を得る。
粘着剤層の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定する。粘着剤層の厚みは、例えば、1〜500μm程度であるが、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜40μm、さらに好ましくは5〜30μmである。特に、10〜25μmとするのが好ましい。1μmよりも薄いと、耐久性が十分ではなくなり、厚すぎると、発泡などによる浮きや剥がれが生じやすく、外観不良となりやすい。
また、粘着剤層の形成は、UV硬化性の粘着剤シロップを離型フィルム上に塗布し、電子線やUV等の放射線を照射することで、形成することもできる。この場合、前記粘着剤は架橋剤を含有するので、高温での信頼性や粘着剤自体の形状の保持を図ることができる。
なお、粘着剤の架橋は、前記乾燥工程やUV照射工程で行うことができるが、乾燥後に加温状態や室温での放置によるエージングにより、架橋を促進させてもよい。
前記粘着剤層の表面は、液晶セル等と貼り合わせて実用に供するまでの間、汚染防止等を目的として、セパレータによってカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記透明保護フィルムおよび離型フィルム等のような薄層のフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。
[本発明の液晶パネル]
本発明の液晶パネルは、前記偏光板が、液晶セルの少なくとも一方の側に配置されて構成されている。図2の模式断面図に、本発明の液晶パネルの構成の一例を示す。同図において、図1と同一部分には、同一符号を付している。図示のとおり、この液晶パネル20では、前記本発明の偏光板10が、前記粘着剤層13が前記液晶セル21側に位置する状態で、前記液晶セル21の視認側(同図において上側)およびバックライト側(同図において下側)の双方に配置されている。なお、この例の液晶パネルでは、前記液晶セルの視認側およびバックライト側の双方に、前記本発明の偏光板が配置されているが、本発明はこれに限定されない。本発明の液晶パネルにおいて、前記本発明の偏光板は、前記液晶セルの視認側およびバックライト側の少なくとも一方の側に配置されていればよい。
[本発明の液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の液晶パネルを含む。図3の概略断面図に、本発明の液晶表示装置の構成の一例を示す。同図においては、分かりやすくするために、各構成部材の大きさ、比率等は、実際とは異なっている。図示のとおり、この液晶表示装置200は、液晶パネル100と、前記液晶パネル100の一方の側に配置された直下方式のバックライトユニット30とを少なくとも備える。前記直下方式のバックライトユニット30は、光源31と、反射フィルム32と、拡散板33と、プリズムシート34と、輝度向上フィルム35とを少なくとも備える。なお、本例の液晶表示装置200では、バックライトユニットとして、直下方式が採用された場合を示しているが、本発明は、これに限定されず、例えば、サイドライト方式のバックライトユニットであってもよい。サイドライト方式のバックライトユニットは、前記の直下方式の構成に加え、さらに導光板と、ライトリフレクターとを少なくとも備える。なお、図3に例示した構成部材は、本発明の効果が得られる限りにおいて、液晶表示装置の照明方式や液晶セルの駆動モード等、用途に応じてその一部が省略され得るか、または、他の光学部材で代替され得る。
本発明の液晶表示装置は、液晶パネルのバックライト側から光を照射して画面を見る透過型であってもよいし、液晶パネルの視認側から光を照射して画面を見る反射型であってもよいし、透過型と反射型の両方の性質を併せ持つ、半透過型であってもよい。
本発明の液晶表示装置の好ましい用途は、テレビである。前記テレビの画面サイズは、好ましくは、ワイド17型(373mm×224mm)以上であり、より好ましくは、ワイド23型(499mm×300mm)以上であり、さらに好ましくは、ワイド32型(687mm×412mm)以上である。本発明の偏光板を使用することにより、大型画面の液晶テレビ等においても、端部を含む全面において、良好な表示特性を実現することができる。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例および比較例により何ら制限されない。
[実施例1]
(粘着剤の調製)
冷却管、撹拌羽、温度計が付属した4つ口フラスコ中に、ブチルアクリレート(BA)81.9重量部、ベンジルアクリレート(BzA)13.2重量部および過酸化ベンゾイル0.1重量部を、酢酸エチル140重量部とともに加え、十分に窒素置換した後、窒素気流下で攪拌しながら、55℃で8時間反応させて、重量平均分子量200万(GPCポリスチレン換算)のアクリル系ポリマーの溶液を得た。このアクリル系ポリマー溶液の固形分100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)を固形分で0.1重量部、過酸化ベンゾイル0.1重量部およびシランカップリング剤(信越シリコーン社製、商品名「KBM403」)を0.1重量部加えて、粘着剤溶液を作製した。
(粘着剤層の作製)
得られた粘着剤溶液を、離型処理を施したポリエステルフィルム(厚み38μm)からなるセパレータの上に、乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmとなるように、リバースロールコート法により塗布し、155℃で3分間加熱処理して、溶剤を揮発させ、粘着剤層を得た。
(偏光板の作製)
平均重合度2400、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコールを主成分とする、厚み75μmの高分子フィルム(PVAフィルム)を用意した。前記PVAフィルムを、30℃の温水(膨潤浴)に1分間浸漬し、膨潤させつつ、搬送方向に1.2倍に延伸した。前記PVAフィルムを前記膨潤浴から引き上げ、0.3重量%のヨウ素と0.03重量%のヨウ化カリウムとを含む30℃の水溶液(染色浴)に1分間浸漬し、染色しながら、前記膨潤前のPVAフィルムに対して3倍の長さになるように、搬送方向に延伸した。前記PVAフィルムを前記染色浴から引き上げ、4重量%のホウ酸と5重量%のヨウ化カリウムとを含む60℃の水溶液(延伸浴)に30秒浸漬しながら、前記膨潤前のPVAフィルムに対して6倍の長さになるように、搬送方向に延伸を行った。前記PVAフィルムを前記延伸浴から引き上げ、このPVAフィルムを70℃で2分間乾燥を行い、偏光子を得た。この偏光子の厚みは30μmであった。
透明保護フィルムとして、変性メチルメタクリレート系樹脂フィルム(東洋鋼鈑(株)製、商品名「ファインキャストフィルムRZ−30NA−S」、光弾性係数:1.5×10−12/N)を用意した。得られた偏光子の両面に、ポリビニルアルコール系接着剤を介して、前記透明保護フィルムを貼り合わせた。ついで、前記透明保護フィルムの表面に、ワイヤーバーにてポリエチレンイミン系下塗り剤((株)日本触媒製、商品名「エポミン P−1000」)を塗布して、厚み100nmの下塗り層を形成した。形成した下塗り層上に、前記粘着剤層を形成したポリエステルフィルムを貼り合わせ、本実施例の偏光板を得た。
[実施例2]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレート:85.1重量部、ベンジルアクリレート:10.0重量部とした以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[実施例3]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレート:78.1重量部、ベンジルアクリレート:17.0重量部とした以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[比較例1]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレート:95.1重量部、ベンジルアクリレート:0重量部とした以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[比較例2]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレート:45.8重量部、ベンジルアクリレート:49.3重量部とした以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[実施例4]
実施例1において、透明保護フィルムとして、環状オレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン(株)製、商品名「ゼオノアフィルム ZB14−55124」、光弾性係数:4.0×10−12/N)を用いた以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[実施例5]
実施例2において、透明保護フィルムとして、環状オレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン(株)製、商品名「ゼオノアフィルム ZB14−55124」、光弾性係数:4.0×10−12/N)を用いた以外は、実施例2と同様にして偏光板を作製した。
[実施例6]
実施例3において、透明保護フィルムとして、環状オレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン(株)製、商品名「ゼオノアフィルム ZB14−55124」、光弾性係数:4.0×10−12/N)を用いた以外は、実施例3と同様にして偏光板を作製した。
[比較例3]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレート:69.9重量部、ベンジルアクリレートに代えてフェノキシエチルアクリレート:25.2重量部とし、透明保護フィルムとして、フェニルマレイミド系樹脂フィルム(東ソー(株)製、商品名「TI−160α」、光弾性係数:−14×10−12/N)を用いた以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[比較例4]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレート:95.1重量部、ベンジルアクリレート:0重量部とし、透明保護フィルムとして、トリアセチルセルロースフィルム(富士フイルム(株)製、商品名「TD80UL」、光弾性係数:16×10−12/N)を用いた以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[比較例5]
実施例1の粘着剤の調製において、ブチルアクリレート:95.1重量部、ベンジルアクリレート:0重量部とし、透明保護フィルムとして、変性ポリカーボネート系樹脂フィルム((株)カネカ製、商品名「PFフィルム」、光弾性係数:30×10−12/N)を用いた以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[液晶パネルの作製]
VAモードの液晶セルを備える液晶テレビから、液晶パネルを取り出し、液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、前記液晶セルのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、前記液晶セルの両面に、各実施例および比較例で作製した偏光板を、偏光板の粘着剤層を介して貼り合わせた。
[位相差変化量測定]
各実施例および比較例で得られた粘着剤について、位相差変化量を測定した。前記各粘着剤溶液を、アプリケータにて乾燥後の厚みが100μmとなるように、ポリエステルフィルム上に形成した。得られた膜状の粘着剤を所定の大きさに切り出し、端部を保持し、一定速度(60mm/min)で延伸しながら、正面位相差を同時に測定した。正面位相差は、AXOMETRICS社製、商品名「AXO SCAN」を用いて測定した。得られた10倍延伸時の正面位相差値を、粘着剤の厚み20μmあたりの位相差値に変換したものの絶対値を、位相差変化量とした。
[評価]
各実施例および比較例で作製した偏光板を貼り合わせた液晶パネルを、95℃の空気循環式恒温槽内に24時間投入した後、取り出した。恒温槽から取り出した液晶パネルを、輝度10000cd/mのバックライト上に置いて黒表示させ、輝度測定装置((株)トプコン製、商品名「BM−5A」)により、画面中央部および画面コーナー部(4隅)における正面方向の輝度を測定した。
輝度の測定結果を、各実施例および比較例の偏光板の粘着剤層の位相差変化量、透明保護フィルムの光弾性係数の値とともに表1に示す。コーナー部輝度は、画面4隅の輝度の平均値であり、「輝度差」は、画面中央部の輝度とコーナー部輝度との差である。
Figure 2011227337
表1に示すように、実施例の偏光板を用いた液晶表示装置においては、画面中央とコーナー部との輝度差が小さく、画面端部での光抜けが抑制されていることがわかる。
本発明の偏光板によると、液晶パネルに使用した場合に優れた表示特性を得ることのできる光学フィルムを得ることができる。得られた偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置の用途は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等が挙げられ、その用途は限定されず、広い分野に適用可能である。
10 偏光板
11 偏光子
12 透明保護フィルム
13 粘着剤層
14 第2の透明保護フィルム
20、100 液晶パネル
21 液晶セル
30 バックライトユニット
31 光源
32 反射フィルム
33 拡散板
34 プリズムシート
35 輝度向上フィルム
200 液晶表示装置

Claims (6)

  1. 偏光子の少なくとも片面に透明保護フィルムを備え、前記透明保護フィルムの偏光子が備えられていない側の面に粘着剤層を備えた偏光板であって、
    前記粘着剤層は、位相差変化量が3nm以下であることを特徴とする偏光板。
  2. 前記透明保護フィルムの光弾性係数の絶対値が10×10−12/N以下である、請求項1記載の偏光板。
  3. 前記透明保護フィルムが、メチルメタクリレート系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フェニルマレイミド系樹脂、セルロース系樹脂、および、変性ポリカーボネート系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1または2記載の偏光板。
  4. 前記粘着剤層を形成する粘着剤が、アクリル系ポリマーを含み、
    前記アクリル系ポリマーは、アルキルアクリレートモノマー単位およびアルキルメタクリレートモノマー単位からなる群より選ばれる少なくとも1種、ならびに、芳香環構造を有するアクリレートモノマー単位および芳香環構造を有するメタクリレートモノマー単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の偏光板。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の偏光板が、液晶セルの少なくとも一方の側に配置されていることを特徴とする液晶パネル。
  6. 請求項5記載の液晶パネルを含むことを特徴とする液晶表示装置。
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