JP4955793B2 - 光学フィルム用粘着剤、光学フィルム用粘着剤層及びその製造方法 - Google Patents

光学フィルム用粘着剤、光学フィルム用粘着剤層及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学フィルムの一方の面に光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が積層されている粘着型光学フィルム及び当該粘着型光学フィルムに用いる光学フィルム用粘着剤に関する。さらには前記粘着型光学フィルムを用いた液晶表示装置に関する。前記光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、防眩シートまたはこれらが複数積層されているものがあげられる
液晶ディスプレイは、その画像形成方式から液晶パネルの最表面を形成するガラス基板の両側に偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的には偏光フィルムが液晶パネルの最表面に貼着されている。また液晶パネルの最表面には偏光フィルムの他に、ディスプレイの表示品位を向上させるために様々な光学素子が用いられるようになってきている。例えば、着色防止としての相差フィルム、液晶ディスプレイの視野角を改善するための視野角拡大フィルム、さらにはディスプレイのコントラストを高めるための輝度向上フィルム等が用いられる。これらのフィルムは総称して光学フィルムと呼ばれる。
前記光学フィルムを液晶パネルの最表面に貼着する際には、通常、粘着剤が使用される。また、光学フィルムを液晶パネルの最表面に瞬時に固定できること、光学フィルムを固着させるのに乾燥工程を必要としないこと等のメリットを有することから、粘着剤は、光学フィルムの片面に予め粘着剤層として設けられている。すなわち、液晶パネルの最表面への光学フィルムの貼着には粘着型光学フィルムが一般的に用いられる。
前記粘着剤に要求される必要特性としては、(1)貼合せ(リワーク)が可能であること、(2)応力緩和性を有すること、(3)環境促進試験として通常行われる加熱および加湿等による耐久試験に対して粘着剤に起因する不具合が発生しないこと、等が挙げられる。(1)関しては光学フィルムを液晶パネルの最表面に貼り合わせる際、貼り合わせ位置を誤ったり、貼合せ面に異物が噛み込むことが多く、このような場合にも光学フィルムを液晶パネル最表面から剥離し、再度貼り合わせを可能とするため要求される特性である。なお、この場合液晶パネルは高価であるため再利用するが、比較的安価である光学フィルムは廃棄される。(2)関しては、光学フィルムの寸法変化により生じる光学むらを防止するために要求される特性である。
前記(3)の環境促進試験の加湿耐久性試験では、光学フィルムを形成する基材の寸法変化により光学フィルムに積層された粘着剤と液晶パネル最表面のガラスとの界面で剥がれが生じる問題があったことから、これを防止すべく従来の粘着剤では常温(23℃/65%R.H.)での引張り弾性率を低下させた粘着剤、すなわち比較的柔らかい粘着剤を用いることにより、ガラスに対する接着性を向上させたり、基材の寸法変化により粘着剤にかかる応力を緩和させることで上記の問題を解決してきた。しかし、前記(1)リワーク性については、液晶パネルの最表面のガラス基板に対する接着力がより低いことが必要であり、特に近年の液晶パネルの大型化により、光学フィルムを液晶パネルから剥離する際に、その接着力が大きいとリワーク作業が困難になる。一方、前記リワーク性を向上させるため粘着剤のガラス基板に対する低接着力化を行うと、加湿耐久性が十分でなく、粘着型光学フィルムに積層されている粘着層に発泡、剥がれ等の不具合が発生する。このように光学フィルムに用いる粘着剤ではリワーク性と加湿耐久性を両立させることが困難であった。
本発明は、光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が設けられた粘着型光学フィルムであって、リワーク性と耐久性の両者に優れたものを提供すること、さらには当該粘着型光学フィルムに用いられる光学フィルム用粘着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意研究したところ、光学フィルムに下記に示す粘着層を設けることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための光学フィルム用粘着において、前記粘着剤はアルキル基の平均炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを主骨格とするアクリル系ポリマーを含有し、かつ前記粘着剤から形成される粘着層は、23℃/65%R.H.の雰囲気下での500%引張り弾性率(A)が1〜3.5MPaであり、60℃/90%R.H.の雰囲気下での500%引張り弾性率(B)が0.8〜1.9MPaであり、かつ前記引張り弾性率(A)と引張り弾性率(B)との比(B)/(A)が0.8以下であることを特徴とする光学フィルム用粘着剤、に関する。
上記本発明の粘着層は、23℃/65%R.H.の常温における引張り弾性率(A)を、60℃/90%R.H.の加湿条件下における引張り弾性率(B)よりも高くなるようしたものである。すなわち引張り弾性率の比(B)/(A)が0.8以下となるようなものである。このような粘着層は常温では高い引張り弾性率を示し、ガラスに対する接着力が低くリワークの際の剥離作業性に有利である。一方、加湿条件下では低い引張り弾性率を示し、ガラスに対する接着力が上昇し、しかも基材の寸法変化に対しても粘着剤にかかる応力を緩和することができ、ガラスと光学フィルムに積層された粘着層の界面での剥がれ等の不具合の発生を防止できる。
かかる本発明の粘着層を有する粘着型光学フィルムは、液晶パネル最表面のガラス基板に貼り合わせた後、剥離する際に、比較的小さい力で剥離することができリワーク性がよく、さらに温度30〜75℃、湿度85〜95%R.H.の加湿耐久性試験において発泡、剥がれ等の粘着剤に起因する不具合が発生しない。
前記比(B)/(A)は、0.2以上、さらには、0.4以上となるようなものが、リワーク性、低接着性の点で好ましい。なお、前記比(B)/成分(A)は、さらに厳しい加湿耐久性の点から、0.7以下とするのが好ましい。
また、引張り弾性率(A)は1〜3.5MPa、さらには1.5〜2.5MPa、引張り弾性率(B)は0.8〜1.9MPa、さらには1〜1.7MPaであるのが好ましい。
前記粘着型光学フィルムの粘着層は、たとえば、アルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを主骨格とし、かつカルボキシル基を有するモノマーユニットを含有してなるアクリル系ポリマーが多官能性金属キレートにより架橋されているものを含有してなることが好ましい。このような架橋物により前記粘着型光学フィルムを実現できる。
さらには本発明は、アルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを主骨格とし、かつカルボキシル基を有するモノマーユニットを含有してなるアクリル系ポリマーとおよび多官能性金属キレートを含有してなることを特徴とする光学フィルム用粘着剤組成物、に関する。かかる粘着剤を光学フィルムに積層することにより、前記粘着型光学フィルムを得られる。
さらに本発明は、前記粘着型光学フィルムを用いた液晶表示装置、に関する。本発明の粘着型光学フィルムは、液晶パネル最表面のガラス基板に貼り合わせて用いられる。
本発明の粘着型光学フィルムの断面図である。
本発明の粘着型光学フィルムの粘着層を形成する粘着剤は、前記引張り弾性率の比(B)/(A)が前記範囲となるものを特に制限なく使用することができる。前記粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の各種のものを例示できる。
これら粘着剤のなかでもアルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを主骨格とし、かつカルボキシル基含有のモノマーユニットを含有してなるアクリル系ポリマーをベースポリマーと多官能性金属キレートを含有してなるものを好ましく使用できる。これらアクリル系ポリマーと多官能性金属キレートは粘着層において架橋している。なお、(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。
アクリル系ポリマーの主骨格を構成する、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の平均炭素数は1〜12程度のものであり、アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を例示でき、これらは単独または組合せて使用できる。
カルボキシル基を有するモノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等があげられる。
その他、アクリル系ポリマーには、粘着剤の性能を損なわない範囲で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を含有モノマー等の官能基を有するモノマー、さらには酢酸ビニル、スチレン等を用いることもできる。
アクリル系ポリマー中の前記カルボキシル基を有するモノマーユニット(a)の割合は特に制限されないが、アクリル系ポリマーを構成するモノマーユニット(A)(但し、前記モノマーユニット(a)を除く)との重量比(a/A)で、0.001〜0.12程度となるように調整するのが、耐久性の点で好ましい。特に、0.005〜0.08とするのが好ましい。
アクリル系ポリマーの平均分子量は特に制限されないが、重量平均分子量は、30万〜250万程度であるのが好ましい。
前記アクリル系ポリマーの製造は、各種公知の方法により製造でき、たとえば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用でき、反応温度は通常50〜85℃程度、反応時間は1〜8時間程度とされる。また、前記製造法のなかでも溶液重合法が好ましく、アクリル系ポリマーの溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等の極性溶剤が用いられる。溶液濃度は通常20〜80重量%程度とされる。
多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合または配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、St、Ba、Mo、La、Sn、Ti等があげられる。これらのなかでも、Al、Zr、Tiが好ましい。また、共有結合または配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等があげられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等があげられる。
アクリル系ポリマーと多官能性金属キレートの配合割合は特に制限されないが、通常、アクリル系ポリマー (固形分)100重量部に対して、多官能性金属キレート(固形分)0.01〜6重量部程度、好ましくは0.1〜3重量部程度である。
さらには、前記粘着剤組成物には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を、また本発明の目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用することもできる。
本発明の粘着型光学フィルムは、図1に示すように、光学フィルム1に前記粘着剤組成物による粘着層2が設けられている。また、粘着層2には離型シート3を設けることができる。
光学フィルム1としては液晶表示装置等の形成に用いられるものが使用され、その種類は特に制限されない。たとえば、光学フィルムとしては偏光フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルムまたは防眩シート等があげられる。
偏光フィルムを構成する偏光子としては、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン系配向フィルム等があげられる。偏光子の厚さも特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的である。
前記偏光子の片面または両面には、透明保護層を耐水性等の目的で、ポリマーによる塗布層として、またはフィルムのラミネート層等として設ることができる。透明保護層を形成する、透明ポリマーまたはフィルム材料としては、適宜な透明材料を用いうるが、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮断性などに優れるものが好ましく用いられる。透明保護層の厚さは特に制限されないが、10〜300μm程度が一般的である。
前記透明保護層を形成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、二酢酸セルロースや三酢酸セルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護層を形成するポリマーの例としてあげられる。
位相差フィルムとしては、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリマーフィルムなどがあげられる。位相差フィルムの厚さも特に制限されないが、20〜150μm程度が一般的である。位相差板は、二層以上の延伸フィルムの重畳体などとして形成して位相差等の光学特性を制御したものとして形成することもでき、着色防止や視角範囲の拡大等を目的に液晶セルの位相差を補償するためなどに偏光フィルムと積層してなる楕円偏光フィルムとして用いることもできる。
高分子素材としては、たとえば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、またはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげられる。これら高分子素材は延伸等により配向物(延伸フィルム)となる。
液晶性ポリマーとしては、たとえば、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各種のものなどがあげられる。主鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲン基を結合した構造の、例えばネマチック配向性のポリエステル系液晶性ポリマーなどがあげられる。側鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はポリマロネートを主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を介してネマチック配向付与性のパラ置換環状化合物単位からなるメソゲン部を有するものなどがあげられる。これら液晶性ポリマーは、たとえば、ガラス板上に形成したポリイミドやポリビニルアルコール等の薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化珪素を斜方蒸着したものなどの配向処理面上に液晶性ポリマーの溶液を展開して熱処理することにより行われる。
前記偏光フィルム、位相差フィルムは積層して用いることもでき反射型偏光フィルム、半透過層型偏光フィルム、偏光分離偏光フィルム等とすることができる。また、前記例示の光学フィルムは、光学補償フィルム、その他の各種視野角拡大フィルムとして使用することもでき、さらには光学フィルムとしては、輝度向上フィルム等があげられる。また偏光フィルムは、表面上に微細凹凸構造の反射層を設けて防眩シートとすることもできる。
粘着層2の形成は、液晶パネルのガラス基板に貼着する光学フィルム1の片面に行う。形成方法としては、特に制限されず、光学フィルム1に粘着剤組成物(溶液)を塗布し乾燥する方法、粘着層2を設けた離型シート3により転写する方法等があげられる。粘着層2(乾燥膜厚)は厚さ、特に限定されないが、10〜40μm程度とするのが好ましい。
なお、離型シート3の構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。離型シート3の表面には、粘着剤層2からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理な剥離処理が施されていても良い。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中、部は重量部である。
実施例1
(粘着剤組成物の調製)
ブチルアクリレート100部、アクリル酸2部、アゾビスイソブチロニトリル0.4部および酢酸エチル220部を攪拌しながら60℃近傍で6時間反応を行い、重量平均分子量120万、分散度4.8のアクリル系ポリマー溶液を得た。上記アクリル系ポリマー溶液に多官能性金属キレートである川研ファインケミカル製アルミキレートAをポリマー固形分100部に対して0.5部加え、粘着剤組成物(溶液)を調製した。
(粘着型光学フィルムの作製)
厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で5倍に延伸したのち乾燥させ,両側にトリアセチルセルロースフィルムを接着剤を介して接着し、偏光フィルムを得た。上記により作製された粘着剤組成物(溶液)を、35μmの厚みを有する離型紙上に乾燥後の厚みが25μmとなるよう塗布し、これを上記により作製された偏光フィルムにラミネートし粘着型偏光フィルムを得た。
実施例2
実施例1(粘着剤組成物の調製)で得られたアクリル系ポリマー溶液に多官能性金属キレートである日本化学産業製ナーセルジルコニウム(ジルコニウムキレ−ト)をポリマー固形分100部に対して2部加え粘着剤組成物(溶液)を調製した。また、実施例1と同様にして粘着剤組成物(溶液)を用いて、粘着型偏光フィルムを作製した。
比較例1
実施例1(粘着剤組成物の調製)で得られたアクリル系ポリマー溶液にコロネートL(イソシアネート系架橋剤,日本ポリウレタン製)をポリマー固形分100部に対して0.5部加え粘着剤組成物(溶液)を調製した。また、実施例1と同様にして粘着剤組成物(溶液)を用いて、粘着型偏光フィルムを作製した。
比較例2
実施例1(粘着剤組成物の調製)で得られたアクリル系ポリマー溶液にコロネートL(イソシアネート系架橋剤,日本ポリウレタン製)をポリマー固形分100部に対して5部加え粘着剤組成物(溶液)を調製した。また、実施例1と同様にして粘着剤組成物(溶液)を用いて、粘着型偏光フィルムを作製した。
上記実施例および比較例で得られた粘着剤組成物および粘着型偏光フィルムについて以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(粘着剤の500%引張り弾性率の測定)
上記により調製された粘着剤組成物(溶液)を35μmの厚みを有する離型紙上に乾燥後の厚みが20μmとなるよう塗布した。この状態で100mm×30mmの大きさに切り出し、長さ30mm、断面積2mm2 となるよう粘着剤を丸めてサンプルとした。このサンプルを引張試験機(ミネベア(株)製,TCM−IKNB)にてチャック間10mm、引っ張り速度300mm/分で500%延伸時の引張り強度を測定した。この際、23℃/65%R.H.の雰囲気下で引張り強度(A)および60℃/90%R.H.の雰囲気下で引張り強度(B)をそれぞれ測定した。引張り強度値をサンプルの断面積で割ることにより各々の500%引張り弾性率値(MPa)を算出した。
(粘着型偏光フィルムのガラスヘの接着力測定)
粘着型偏光フィルムを25mm×150mmの大きさにカットした後、剥離紙を剥離してから、コーニング製無アルカリガラス板#1737上に貼り合わせ、50℃×0.5Mpaの雰囲気下に15分放置した。このサンプルを引張試験機にて90°の剥離角度、300m/分の剥離速度で剥離応時力を測定し接着力(N/25mm)とした。
(加湿試験)
粘着型偏光フィルムを200mm×150mmの大きさにカットした後、剥離紙を剥離してから、コーニング製無アルカリガラス板#1737上に貼り合わせ、50℃×0.5Mpaの雰囲気下に15分放置した。このサンプルを60℃/90%R.H.の雰囲気下に5時間放置したときの、発泡、剥がれ等の不具合が発生していないかどうかを目視により確認した。不具合が発生している場合を○、発生していない場合を×とした。
Figure 0004955793

表1に示す通り、接着力が比較的低くリワーク性が良好であると認められる。また、加湿試験も良好である。
1 光学フィルム
2 粘着層
3 離型シート

Claims (3)

  1. 光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための光学フィルム用粘着剤から形成される光学フィルム用粘着剤層において、前記粘着剤はアルキル基の平均炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを主骨格とし、かつカルボキシル基を有するモノマーユニットを含有してなるアクリル系ポリマーおよび多官能性金属キレートを含有し、かつ前記粘着剤から形成される粘着層は、前記アクリル系ポリマーが、多官能性金属キレートのみにより架橋されており、23℃/65%R.H.の雰囲気下での500%引張り弾性率(A)が1〜3.5MPaであり、60℃/90%R.H.の雰囲気下での500%引張り弾性率(B)が0.8〜1.9MPaであり、かつ前記引張り弾性率(A)と引張り弾性率(B)との比(B)/(A)が0.8以下であることを特徴とする光学フィルム用粘着剤
  2. 前記アクリル系ポリマーが、水酸基含有モノマーのモノマーユニットを有することを特徴とする請求項1記載の光学フィルム用粘着剤
  3. 請求項1または2記載の光学フィルム用粘着層の製造方法であって、シリコーン処理された離型シート上に、請求項1または2記載の光学フィルム用粘着剤を塗布することにより行なうことを特徴とする光学フィルム用粘着層の製造方法。
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