JPH1054906A - 位相差板及び楕円偏光板 - Google Patents

位相差板及び楕円偏光板

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JPH1054906A
JPH1054906A JP8211474A JP21147496A JPH1054906A JP H1054906 A JPH1054906 A JP H1054906A JP 8211474 A JP8211474 A JP 8211474A JP 21147496 A JP21147496 A JP 21147496A JP H1054906 A JPH1054906 A JP H1054906A
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JP
Japan
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polarizing plate
plate
adhesive layer
phase difference
pressure
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JP8211474A
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English (en)
Inventor
Masakatsu Tagami
昌克 田上
Takahiko Sawada
貴彦 澤田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】位相差板と偏光板との両者に対する粘着剤の親
和性を考慮して、位相差板と偏光板との両者に良好に粘
接着し、高温の環境下で収縮性の大きい偏光板に適用し
ても、粘着界面で剥離が起こらない粘着剤層付き位相差
板とこれを用いた楕円偏光板を提供する。 【解決手段】両面に粘着剤層を有する位相差板にあっ
て、該粘着剤層の少なくとも一方が、重量平均分子量が
50万〜150万、重量平均分子量と数平均分子量の比
(Mw /Mn )が4以下、アルキル基の炭素数が4〜1
2のアルキル(メタ)アクリレートを主成分とするイソ
シアネート架橋性のアクリル系共重合体100重量部に
対し、3官能以上のイソシアネート化合物が1〜10重
量部配合された組成物から形成されている粘着剤層であ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スーパーツイステ
ッドネマチック(以後、STNと呼ぶ)液晶表示板に使
用される部品に関するもので、少なくとも片面に耐久性
のある粘着剤層を有する位相差板及びこれを用いて得ら
れる楕円偏光板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量化、高画質化の要求に伴
い、STN液晶を利用した高コントラスト性の液晶表示
板が、一般的に使用されるようになった。STN液晶を
用いた表示素子は、入射側の偏光板を通過して生じた直
線偏光の光が、STN液晶セルを通過する時、液晶の複
屈折効果で、波長によって異なる楕円偏光に変化し、こ
の楕円偏光がそのまま出射側の偏光板を通り、波長によ
り透過光の差が生じ表示が着色する。
【0003】この問題を解消する為、位相差板を用い
て、STN液晶により楕円偏光された光を再び直線偏光
に変える必要がある。その為、一般に知られているST
N液晶表示板(以下、単に、液晶表示板と呼ぶ)の上部
構造は、図2に示される様に、液晶表示セルのガラス板
5に粘着剤層4を介して、位相差板3が設けられ、粘着
剤層2を介して、偏光板6が設けられた構造になってい
る。
【0004】上記の構造の液晶表示板を組立てるに当た
り、中間部品として、離型紙/粘着剤層/位相差板/粘
着剤層/離型紙(以後、記号/は積層を意味する)の構
造の位相差板が供給され、これを片側の離型紙を外し
て、偏光板をこの上に積層して、楕円偏光板とし、次に
もう一方の離型紙を外して、液晶セルのガラス板に貼合
することにより、ガラス板/粘着剤層/位相差板/粘着
剤層/偏光板の構造体が作製されていた。しかし、位相
差板はポリカーボネートなどの疎水性樹脂が原料であ
り、偏光板の表面は3酢酸セルロースで、極性が大きい
為、両者に極性の差が大きく、粘着剤の設計が困難とな
り、位相差板と偏光板との間で充分な接着力を与えるこ
とが困難であった。
【0005】上記の問題を解決する為に、特開平2−1
97819号公報には、疎水性の位相差板の両面に粘着
剤層を設け、更に、偏光板の片面に別の粘着剤層を設け
て、両者の粘着剤層を互いに積層する方法が提案されて
いる。しかし、上記の方法は、位相差板に対する投錨効
果も大きく有効であるが、位相差板、偏光板に2種類の
粘着剤を別々の工程で塗工する必要があり、経済性に於
いて問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
問題点を解消するため、位相差板と偏光板との両者に対
する粘着剤の親和性を考慮して、位相差板と偏光板との
両者に良好に粘接着し、高温の環境下で収縮性の大きい
偏光板に適用しても、粘着界面で剥離が起こらない粘着
剤層付き位相差板とこれを用いた楕円偏光板を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明(以下、第1発明という)の位相差板は、両面に粘
着剤層を有する位相差板にあって、該粘着剤層の少なく
とも一方が、重量平均分子量が50万〜150万、重量
平均分子量と数平均分子量の比(Mw /Mn )が4以
下、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)
アクリレートを主成分とするイソシアネート架橋性のア
クリル系共重合体100重量部に対し、3官能以上のイ
ソシアネート化合物が1〜10重量部配合された組成物
から形成されている粘着剤層であることを特徴とする。
【0008】本願の請求項2に記載の発明(以下、第2
発明という)の楕円偏光板は、前記粘着剤層が偏光板に
面するように、請求項1記載の位相差板が、偏光板に積
層されていることを特徴とする。
【0009】第1発明の位相差板は、耐久性、耐熱性、
透明性が要求される電子材料部品である為、図1に例と
して示される様に、位相差板3の両面に粘着剤層が設け
られ、該粘着剤層の一方が偏光板側の粘着剤層2とな
り、他方が液晶セルのガラス板の粘着剤層4になり、両
者の粘着剤層の外面には離型シート1(例えば、離型
紙)が設けられている。
【0010】液晶表示板の組立てには、上述の構造の粘
着加工された位相差板として供給され、少なくとも偏光
板に積層される粘着剤層は、本発明の特殊設計されたア
クリル系共重合体が使用され、組立工程に於いて、上下
の離型シートがそれぞれ剥離されて、液晶表示板のガラ
ス板及び偏光板に積層される。
【0011】アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル
(メタ)アクリレートを主成分としたイソシアネート架
橋性のアクリル系共重合体とは、該アルキル(メタ)ア
クリレートの少なくとも1種を50重量%以上とこれと
共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であって、該
ビニルモノマーの成分として、イソシアネートと反応し
て化学結合を形成する活性水素原子を有するビニルモノ
マーを含有していることを意味する。
【0012】アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル
(メタ)アクリレートとしては、例えば、ブチルアクリ
レート、ペンチルアクリレート、ヘキシル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メ
タ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、
ラウリルアクリレート等が挙げられ、これらの少なくと
も1種が使用される。アルキル基の炭素数が4未満及び
12を超える場合は、ガラス転移温度が適切でなく、得
られるアクリル系粘着剤は常温に於いて充分な粘着性が
得られない。
【0013】活性水素原子を有するビニルモノマーとし
ては、アルキル(メタ)アクリレート共重合体からなる
粘着剤の極性を調節するモノマーとして使用されると共
に、3官能性以上のイソシアネートと反応して結合した
り、架橋したりする性能を賦与する為に使用され、例え
ば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
(無水)マレイン酸、フマール酸等のカルボン酸基を含
有するビニルモノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、N−メチロール化アクリルアマイド等の水酸基
を含有するビニルモノマー;(メタ)アクリルアマイド
などのアミノ基含有ビニルモノマー;グリシジル(メ
タ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニルモノマー
などが挙げられ、これらの少なくとも1種が使用され
る。
【0014】又、上記の活性水素原子を有するビニルモ
ノマー以外で、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキ
ル(メタ)アクリレートと共重合する他のビニルモノマ
ーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アク
リレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、酢酸ビ
ニル、スチレン、N−ビニルピロリドン、アクリロニト
リル等の高いガラス転移点を有するビニルモノマー;テ
トラフルフリルアクリレート、ポリエチレングリコール
アクリレート等の低いガラス転移点を有するモノマー等
が挙げられ、これらの少なくとも1種が使用される。
【0015】上記活性水素を有するビニルモノマーの含
有量は、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メ
タ)アクリレート100重量部に対し、1〜10重量部
にするのが好ましい。1重量部未満の場合は、3官能性
以上のイソシアネート化合物と反応したり、架橋したり
する量が少なく、又、極性の程度が低い為、極性のある
偏光板表面に対する接着力が不足する。又、10重量部
を超えると、得られたアクリル系粘着剤が、3官能性以
上のイソシアネート化合物を自己の粘着剤の架橋剤とし
て必要以上に消費されて、該粘着剤の活性基と偏光板の
表面にある活性基とを繋ぐイソシアネートがなくなって
しまって、偏光板との接着性が悪くなる。
【0016】アクリル系共重合体の重合方法としては、
従来の公知の方法が採用され、溶液重合、塊状重合、乳
化重合、懸濁重合などが行われる。重合開始方法は、特
に限定するものではないが、ラジカル重合、イオン重
合、紫外線重合、放射線重合などいずれが利用されても
構わないが、通常、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブ
チロニトリルなどのラジカル開始剤が採用され、分子量
調節剤として、ラウリルメルカプタンなどの連鎖移動剤
が使用される。更に、アクリル共重合体は、通常のラン
ダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体を
含み、これらの少なくとも1種の混合物でも構わない。
【0017】アクリル系共重合体の重量平均分子量の測
定方法は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によ
り、標準架橋ポリスチレンを基準とし、テトラヒドロフ
ランを分離剤として使用し、検出は屈折計を用いて測定
して算出した重量平均分子量である。本発明のアクリル
系共重合体の重量平均分子量は、アクリル系共重合体か
らなる粘着剤組成物の過剰な低分子成分を抑え、適度な
凝集力を得る為に、50万以上が必要である。重量平均
分子量が50万未満の場合は、粘着層の凝集力が不足
し、離型紙を位相差板から剥離する時に、粘着剤層が凝
集破壊を起こしたり、液晶表示板を高温環境下に置いた
場合、粘着剤層が発泡し易くなる。逆に、分子量が高く
なり過ぎると、塗工作業性等に支障をきたすことがあ
り、上限は150万程度とされる。
【0018】又、アクリル系共重合体の分子量分布のシ
ャープさの程度を示すパラメータである重量平均分子量
と数平均分子量の比(Mw /Mn )は、4以下である必
要がある。4を超えると分子量分布の広がりが大きくな
り、低分子量成分が増加して、粘着剤層の凝集力が低下
し、液晶表示板を高温環境下に置いた場合、粘着剤層が
発泡し易くなる。尚、Mw /Mn 比の下限は、特に限定
されないが、理論上、ラジカル重合で得られるアクリル
系共重合体のこの値は1.5以上である。
【0019】位相差板に使用される粘着剤層は、上述の
様に作製されたアクリル系共重合体(固形分)100重
量部に対し、3官能以上のイソシアネート化合物を1〜
10重量部を含有する粘着剤層であることを特徴とす
る。3官能以上のイソシアネート化合物とは、例えば、
トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付
加物、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体、
トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレン
ポリフェニルイソシアネートなどが挙げられ、これらの
少なくとも1種が使用される。
【0020】上記3官能以上のイソシアネート化合物
は、アクリル系共重合体に含まれている活性水素原子と
反応してこれを架橋させると共に、偏光板の表面フィル
ムの中にある活性水素原子と反応して化学結合を形成
し、アクリル系粘着剤の接着力を積極的に強化してい
る。従って、2官能以下のイソシアネート化合物では、
アクリル系共重合体又は偏光板と単に反応するだけであ
ったり、個々の架橋のみに使用されるものが多くなり、
本来の目的である偏光板とアクリル系粘着剤との両者を
架橋・化学結合させる割合が減少してしまい効果が薄
い。
【0021】本発明に於いては、偏光板を特定の構造体
に限定するものではないが、元来、偏光板の主流は、精
密延伸されたポリビニルアルコール(以後、PVAと呼
ぶ)フィルムの両面を3酢酸セルロース(以後、TAC
と呼ぶ)フィルムで積層されたもの、即ち、TAC/P
VA/TACの構造となっており、TACはセルロース
の3つの水酸基が全て酢酸でエステル化されたものであ
るが、未反応の水酸基が必ず残存しており、この水酸基
と3官能以上のイソシアネートが反応する。又、偏光板
の表面に活性水素原子を導入する為に、コロナ放電処
理、プラズマ放電処理などが施されてもなんら構わな
い。
【0022】3官能以上のイソシアネート化合物の添加
量は、アクリル系共重合体(固形分)100重量部に対
し、1〜10重量部必要であり、好ましくは、2〜5重
量部である。1重量部未満の場合は、偏光板への反応量
が少なくて、効果に乏しく、10重量部を超えると、粘
着剤の塗工時のポットライフが短くなり、作業性が悪化
する。
【0023】アクリル系共重合体の架橋剤としては、上
記の3官能以上のイソシアネート化合物と併用する形態
で、該共重合体に組込まれた活性水素原子と化学反応す
る物質が主に選定され、多官能性有機化合物、有機金属
化合物、有機金属塩が挙げられ、これらの少なくとも1
種が使用されてもよい。
【0024】具体的に例示すると、N,N’−ヘキサメ
チレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミ
ド)、N,N’−ジフェニルメタン−4,4´−ビス
(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロール
プロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート等の
2官能以上のアジリジン化合物、N,N,N’,N’−
テトラグリシジル−m−キシレンジアミン等のエポキシ
樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテルなどの
エポキシ化合物、アルキルエーテル化メラミン樹脂、ア
ミノ樹脂、アルミニウム、錫、亜鉛、チタン等の多価金
属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステルの配位化合
物、金属キレートなどが挙げられる。
【0025】本発明のアクリル系共重合体からなる粘着
層は、上述の架橋剤の他に、紫外線吸収剤、老化防止
剤、粘着付与剤、粘度調節剤など各種添加剤が配合され
ても構わない。
【0026】位相差板に粘着剤層を形成する方法として
は、特に限定するものではないが、通常、上記のアクリ
ル系共重合体からなる粘着剤を有機溶剤に均一に溶解し
た溶液を、離型シート(離型紙)に均一に塗工・加熱・
乾燥・架橋させて、粘着剤層を形成させ、しかる後に、
位相差板に貼合することにより成就される。
【0027】上記粘着剤層の中で、3官能以上のイソシ
アネート化合物は、粘着剤分子の活性水素原子との間で
縮合反応し、粘着剤分子の架橋に寄与すると共に、一部
のイソシアネート基が架橋反応せずに残っている。この
未反応のイソシアネート基は、偏光板の表面に残存する
活性水素原子と反応して、粘着剤と偏光板とを強固に接
着する役割を果すことになる。本発明の両面に粘着剤層
を有する位相差板は、少なくとも一方が、偏光板に積層
される本発明による粘着剤層であって、他の片面は、別
の種類の粘着剤層であっても何ら構わない。
【0028】第2発明の楕円偏光板は、請求項1記載の
位相差板が偏光板に積層されていることを特徴とするも
のであって、第1発明で得られた位相差板の偏光板側の
粘着剤層に偏光板を積層することによって得られる。
【0029】
【作用】第1発明の位相差板は、位相差板と偏光板との
両者に対する粘着剤の親和性を考慮して、非極性の位相
差板に対する粘着剤層をアクリル系共重合体の極性、分
子量及び分子量分布を以て調整して、良好に接着させ、
極性の偏光板に対しては、その表面に残存する活性水素
原子と上記アクリル系共重合体の中に仕組んだ活性水素
原子とを3官能以上のイソシアネート化合物を用いて化
学結合させて、位相差板と偏光板との両者に良好に粘接
着させ、高温に於いても、粘着剤層が剥離発泡しないよ
うにした。
【0030】又、第2発明の楕円偏光板は、上述の位相
差板を用いて得られる偏光板であって、高温に於いて
も、位相差板と偏光板との間の粘着剤層が剥離発泡しな
い性能を有する。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明する為
に、以下に、実施例、比較例を挙げる。実施例1〜4及び比較例1〜9 (1)アクリル系共重合体の重合 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス導
入口を備えた5口フラスコを用意した。表1に示した配
合に従って、5口フラスコに酢酸エチル100重量部、
n−ブチルアクリレート(以後、BAと呼ぶ)48.9
重量部、2−エチルヘキシルアクリレート(以後、2E
HAと呼ぶ)46重量部、アクリル酸(以後、AAcと
呼ぶ)5重量部、ドデシルメルカプタン(連鎖移動剤、
以後、DDMと呼ぶ)を所定重量部を入れ、攪拌溶解し
た。次に、70℃に昇温しながら、フラスコ内を窒素ガ
スで30分間、バブリングして溶存酸素を取り除き、7
0℃に温度を安定させ、アゾビスイソブチロニトリル
(重合開始剤、以後、AIBNと呼ぶ)所定重量部の酢
酸エチル溶液(上記酢酸エチル100重量部内の一部分
を使用)を滴下ロートから5口フラスコに投入し、70
℃で、8時間重合して、重量平均分子量、分子量分布
(Mw /Mn )の異なるアクリル系共重合体A、B、
C、Dを得た。得られたアクリル系共重合体A、B、
C、Dの重量平均分子量、分子量分布は、表1に示され
る通りであった。
【0032】
【表1】
【0033】(2)アクリル系粘着剤の調整 (a)偏光板用アクリル系粘着剤 アクリル系共重合体A、B、C、Dを固形分が30重量
%になるように酢酸エチルで希釈し、表2に示された配
合に従って、下記の架橋剤を添加して、実施例1〜4、
及び、比較例1〜9に使用するアクリル系粘着剤PA
個々に作製した。架橋剤 コロネートL 日本ポリウレタン社製、3官能性 成分;トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネ
ート付加物 ミリオネートMR 日本ポリウレタン社製、多官能性 成分;ポリメチレンポリフェニルイソシアネート コロネートHL 日本ポリウレタン社製、2官能性 ヘキサメチレンジイソシアネート アルミキレートA:粘着剤のゲル分率を調整する為に使
用する。 川研ファインケミカル社製 成分;アルミニウムトリスアセチルアセトナート
【0034】(b)液晶表示素子ガラス板用アクリル系
粘着剤 上記実施例1の粘着剤に、更に、ガラス板との粘着性を
向上させる為に、グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン0.5重量部を添加して、粘着剤GA を準備した。
【0035】(3)両面粘着剤層付き位相差板の作製 シリコーンで離型処理した肉厚38μmのポリエチレン
テレフタレートフィルムのシリコーン処理面に、粘着剤
A を乾燥後の肉厚が25μmになるように塗工し、1
00℃のオーブンで5分間乾燥し、離型フィルムに粘着
剤PA 層を有するテープPA (偏光板側用)を作製し
た。又、全く同様に、粘着剤GA を用いて、離型フィル
ムに粘着剤GA 層を有するテープGA (ガラス板側用)
を作製した。
【0036】市販のポリカーボネート製の位相差板を用
意し、両面を出力500Wのコロナ放電処理を行い、片
面にテープPA 、他の片面にテープGA をそれぞれ積層
して、両面に粘着剤層を有する位相差板(位相差板両面
テープ)を作製した。
【0037】(4)粘着剤層付き偏光板の作製 肉厚60μmのPVAフィルムを肉厚30μmのTAC
でサンドイッチした構造の市販の偏光板を用意した。次
に、上記(3)にて作製された両面に粘着剤層を有する
位相差板(位相差板両面テープ)を、作製後24時間経
過させて、位相差板両面テープの粘着剤層P A 面を、上
記偏光板に圧力2kg/cm2 で積層を行った。しかる
後に、40℃で3日間、オーブンの中に入れ、粘着剤の
加熱による架橋促進を行って養生を行い、実施例1〜
4、比較例1〜9の各種の楕円偏光板を得た。
【0038】(5)評価方法と結果 上記(4)で得られた楕円偏光板の粘着剤GA 層面を、
ガラスセル(旭硝子社製、商品名:ASAHI AS)
に積層し、50℃で5気圧のオートクレーブに20分間
加圧して、ガラス板と粘着剤GA 層との間に巻き込まれ
た空気を除去した。しかる後に、100℃のオーブンに
100時間放置し、粘着剤PA 層の発泡及び偏光板と位
相差板との間の偏光板側の粘着剤PA 層の剥離状態を観
察した。評価基準は下記の通りであり、結果は、表2に
纏めて示した。評価基準 :偏光板と位相差板との間の偏光板側の粘着剤
層の端部の剥離の程度 剥離a・・・5mm以内 剥離b・・・5mm〜10mm 剥離c・・・10mm以上
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】第1発明の位相差板は、上述の様に構成
されているので、位相差板と偏光板との接着性に優れ、
高温環境下に於いても、粘着剤層の剥離・発泡がない。
第2発明の楕円偏光板は、第1発明の位相差板が使用さ
れているので、これを用いて得られる液晶表示板は、長
期間、安定した性能を保持する。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着剤層付き位相差板の模式断面図で
ある。
【図2】本発明の液晶表示板素子の上部構造の模式断面
図である。
【符号の説明】
1 離型シート(離型フィルム) 2 偏光板側粘着剤層 3 位相差板 4 ガラス板側粘着剤層 5 ガラス板(液晶表示素子の) 6 偏光板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両面に粘着剤層を有する位相差板にあっ
    て、該粘着剤層の少なくとも一方が、重量平均分子量が
    50万〜150万、重量平均分子量と数平均分子量の比
    (Mw /Mn )が4以下、アルキル基の炭素数が4〜1
    2のアルキル(メタ)アクリレートを主成分とするイソ
    シアネート架橋性のアクリル系共重合体100重量部に
    対し、3官能以上のイソシアネート化合物が1〜10重
    量部配合された組成物から形成されている粘着剤層であ
    ることを特徴とする位相差板。
  2. 【請求項2】 前記粘着剤層が偏光板に面するように、
    請求項1記載の位相差板が、偏光板に積層されているこ
    とを特徴とする楕円偏光板。
JP8211474A 1996-08-09 1996-08-09 位相差板及び楕円偏光板 Pending JPH1054906A (ja)

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