JP3880798B2 - 粘着型光学フィルム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学フィルムの一方の面に光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が積層されている粘着型光学フィルムに関する。さらには前記粘着型光学フィルムを用いた液晶表示装置に関する。前記光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、防眩シートまたはこれらが複数積層されているものがあげられる。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイは、その画像形成方式から液晶パネルの最表面を形成するガラス基板の両側に偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的には偏光フィルムが液晶パネルの最表面に貼着されている。また液晶パネルの最表面には偏光フィルムの他に、ディスプレイの表示品位を向上させるために様々な光学素子が用いられるようになってきている。例えば、着色防止としての位相差フィルム、液晶ディスプレイの視野角を改善するための視野角拡大フィルム、さらにはディスプレイのコントラストを高めるための輝度向上フィルム等が用いられる。これらのフィルムは総称して光学フィルムと呼ばれる。
【0003】
前記光学フィルムを液晶パネルの最表面に貼着する際には、通常、粘着剤が使用される。また、光学フィルムを液晶パネルの最表面に瞬時に固定できること、光学フィルムを固着させるのに乾燥工程を必要としないこと等のメリットを有することから、粘着剤は、光学フィルムの片面に予め粘着層として設けられている。すなわち、液晶パネルの最表面への光学フィルムの貼着には粘着型光学フィルムが一般的に用いられる。
【0004】
前記粘着型光学フィルムは液晶パネルの最表面に貼り合わされる。その際に、貼り合わせ位置を誤ったり、貼合せ面に異物が噛み込むような場合には、光学フィルムを液晶パネル最表面から剥離し再利用する。しかし、光学フィルムを剥離する際に剥離が重いと、液晶パネルにセルギャップが生じるなどの損傷を与えたり、液晶パネル面に糊残りが生じる場合がある。また、通常、液晶パネルへ貼り合せた粘着型光学フィルムの粘着層の接着性は時間経過とともに上昇する。また、パネルメーカーでは各工程で温度がかかる条件があり、光学フィルムを貼り合せた液晶パネルは必ずしも一定温度の場所に置かれているわけではない。したがって、粘着型光学フィルムには、液晶パネルに貼り合わせた後、各工程を通過し、長時間経った後においても、光学フィルムを容易に剥せ、再度貼り合わせ(リワーク)が可能であることが要求される。
【0005】
一方、液晶パネルの最表面に貼り合わせた粘着型光学フィルムは、加熱、加湿条件におかれた使用状態においても剥がれたりしない耐久性が必要である。
【0006】
このように粘着型光学フィルムには、耐久性と、容易に剥がせるといった性能(リワーク性)の相反する特性を満たすことが要求されている。
【0007】
前記粘着層を形成する粘着剤としては、たとえば、水酸基を含有するアクリル経ポリマーに金属キレートを添加する技術が、特開昭63−130686号公報に公開されている。しかし、この粘着剤では光学フィルムへの密着性が十分でなく、上記リワーク性が不十分であり、リワークの際には液晶パネル表面に粘着剤が一部残る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が設けられた粘着型光学フィルムであって、リワーク性と耐久性の両者に優れたものを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意研究したところ、以下に示す粘着型光学フィルムにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、光学フィルムの一方の面に光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が積層されている粘着型光学フィルムにおいて、前記粘着層がカルボキシル基を有するアクリル系ポリマーおよび多官能性金属キレートを含有してなる粘着剤により形成されており、かつカルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するエポキシ系化合物およびイソシアネート系化合物から選ばれる有機系化合物により形成されているアンダーコート層を介して光学フィルムに積層されていること特徴とする粘着型光学フィルム、に関する。
【0011】
本発明の、粘着層は、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーと多官能性金属キレートによる架橋により形成されており架橋度が高いため耐久性がよく、またこれにより光学フィルムと粘着層との密着性が増しているためリワーク性も良好であり液晶パネル表面への糊残りも低減できる。しかも、粘着層は、カルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するエポキシ系化合物およびイソシアネート系化合物から選ばれる有機系化合物により形成されているアンカーコート層を介して形成されているため、糊残りの低減効果が大きい。
【0013】
カルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するエポキシ系化合物およびイソシアネート系化合物から選ばれる有機系化合物は、アクリル系ポリマーの有するカルボキシル基と反応性を有するものが好適であり、これにより光学フィルムと粘着層の密着性を向上させることができるため、リワーク性、特に糊残りを低減するうえで好ましい。
【0014】
また、本発明は、光学フィルムの一方の面に光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が積層されている粘着型光学フィルムにおいて前記粘着層がカルボキシル基を有するアクリル系ポリマー、多官能性金属キレートおよびカルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するイソシアネート系化合物を含有してなる粘着剤により形成されていること特徴とする粘着型光学フィルム、に関する。
【0015】
かかる本発明の粘着層は、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーと多官能性金属キレートによる架橋により、さらにはカルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するイソシアネート系化合物による架橋により形成されており架橋度が高いため耐久性がよく、またこれにより光学フィルムと粘着層との密着性が増すためリワーク性も良好であり液晶パネル表面への糊残りも低減効果が大きい。
【0016】
前記本発明の粘着型光学フィルムにおいて、粘着層の対ガラス接着力が、10N/25mm以下であることが好ましい。
【0017】
粘着層の対ガラス接着力が、10N/25mm以下の場合にリワーク性が良好であり、また耐久性につても要求性能を満足できる。粘着層の対ガラス接着力は、リワーク性の点からは5N/25mm以下がより好ましい。一方、耐久性の点からは1N/25mm以上とするのが好ましい。
【0018】
また、本発明は、前記粘着型光学フィルムの粘着層の形成に用いる、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマー、多官能性金属キレートおよびカルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するイソシアネート系化合物を含有してなることを特徴とする光学フィルム用粘着剤組成物、に関する。かかる光学フィルム用粘着剤組成物により前記粘着型光学フィルムを実現できる。
【0019】
さらに本発明は、前記粘着型光学フィルムを用いた液晶表示装置、に関する。本発明の粘着型光学フィルムは、液晶パネル最表面のガラス基板に貼り合わせて用いられる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着型光学フィルムの粘着層を形成する粘着剤は、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーをベースポリマーとする。カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとし、これにカルボキシル基含有のモノマーを共重合させることにより得られる。また、アクリル系ポリマー中の官能基を利用した高分子反応によって、アクリル系ポリマー中にカルボキシル基を導入することもできる。なお、(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。
【0021】
アクリル系ポリマーの主骨格を構成する、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の平均炭素数は1〜12程度のものであり、アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を例示でき、これらは単独または組合せて使用できる。
【0022】
カルボキシル基を有するモノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等があげられる。
【0023】
その他、アクリル系ポリマーには、粘着剤の性能を損なわない範囲で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を含有モノマー等の官能基を有するモノマー、さらには酢酸ビニル、スチレン等を用いることもできる。
【0024】
アクリル系ポリマー中の前記カルボキシル基を有するモノマーユニット(a)の割合は特に制限されないが、アクリル系ポリマーを構成するモノマーユニット(A)(但し、前記モノマーユニット(a)を除く)との重量比(a/A)で、0.001〜0.12程度となるように調整するのが、リワーク性の点で好ましい。特に、0.005〜0.08とするのが好ましい。
【0025】
アクリル系ポリマーの平均分子量は特に制限されないが、重量平均分子量は、30万〜250万程度であるのが好ましい。
【0026】
前記アクリル系ポリマーの製造は、各種公知の方法により製造でき、たとえば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用でき、反応温度は通常50〜85℃程度、反応時間は1〜8時間程度とされる。また、前記製造法のなかでも溶液重合法が好ましく、アクリル系ポリマーの溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等の極性溶剤が用いられる。溶液濃度は通常20〜80重量%程度とされる。
【0027】
多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合または配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、St、Ba、Mo、La、Sn、Ti等があげられる。これらのなかでも、Al、Zr、Tiが好ましい。また、共有結合または配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等があげられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等があげられる。特に、また、アルミニウムトリスアセチルアセトネートなどが好適に用いられる。これら多官能性金属キレートは、粘着層において、アクリル系ポリマーと架橋している。
【0028】
アクリル系ポリマーと多官能性金属キレートの配合割合は特に制限されないが、通常、アクリル系ポリマー (固形分)100重量部に対して、多官能性金属キレート(固形分)0.01〜6重量部程度、好ましくは0.1〜3重量部程度である。
【0029】
さらに、粘着剤中にはカルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するイソシアネート系化合物を併用することができる。特に、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート系の架橋剤を用いることで光学フィルムへの密着性を上げる効果が期待できる。
【0030】
アクリル系ポリマーに配合するイソシアネート系化合物の割合は特に制限されないが、通常、アクリル系ポリマー(固形分)100重量部に対して、有機系化合物(固形分)5重量部程度以下である。好ましくは0.1〜3重量部程度である。
【0031】
さらには、前記粘着剤組成物には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を、また本発明の目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用することもできる。
【0032】
また、アンダーコート層の形成材料は、透明性が高く、耐久性に優れた素材が望ましい。たとえば、カルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するエポキシ系化合物およびイソシアネート系化合物から選ばれる有機系化合物が好適に用いられる。これらのなかでも特に多官能イソシアネート化合物を用いてアンダーコート層を形成するのが好ましい。
【0033】
本発明の粘着型光学フィルムは、図1に示すように、光学フィルム1に前記粘着剤組成物による粘着層2が設けられている。また、前記粘着層2には離型シート3を設けることができる。また本発明の粘着型光学フィルムは、図2に示すように光学フィルム1にアンダーコート層4を介して前記粘着剤組成物による粘着層2が設けられている。
【0034】
光学フィルム1としては液晶表示装置等の形成に用いられるものが使用され、その種類は特に制限されない。たとえば、光学フィルムとしては偏光フィルム、の他に楕円偏光フィルム、光学補償機能を有する偏光フィルム、視角拡大機能を有する偏光フィルム、輝度向上機能を有する偏光フィルムなどが挙げられる。これらは偏光フィルムに位相差フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルムまたは防眩シート等が積層されている。
【0035】
偏光フィルムを構成する偏光子としては、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン系配向フィルム等があげられる。偏光子の厚さも特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的である。
【0036】
前記偏光子の片面または両面には、透明保護層を耐水性等の目的で、ポリマーによる塗布層として、またはフィルムのラミネート層等として設ることができる。透明保護層を形成する、透明ポリマーまたはフィルム材料としては、適宜な透明材料を用いうるが、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮断性などに優れるものが好ましく用いられる。透明保護層の厚さは特に制限されないが、10〜300μm程度が一般的である。
【0037】
前記透明保護層を形成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、二酢酸セルロースや三酢酸セルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護層を形成するポリマーの例としてあげられる。
【0038】
位相差フィルムとしては、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリマーフィルムなどがあげられる。位相差フィルムの厚さも特に制限されないが、20〜150μm程度が一般的である。位相差板は、二層以上の延伸フィルムの重畳体などとして形成して位相差等の光学特性を制御したものとして形成することもでき、着色防止や視角範囲の拡大等を目的に液晶セルの位相差を補償するためなどに偏光フィルムと積層してなる楕円偏光フィルムとして用いることもできる。
【0039】
高分子素材としては、たとえば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、またはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげられる。これら高分子素材は延伸等により配向物(延伸フィルム)となる。
【0040】
液晶性ポリマーとしては、たとえば、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各種のものなどがあげられる。主鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲン基を結合した構造の、例えばネマチック配向性のポリエステル系液晶性ポリマー、ディスコティックポリマーやコレステリックポリマーなどがあげられる。側鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はポリマロネートを主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を介してネマチック配向付与性のパラ置換環状化合物単位からなるメソゲン部を有するものなどがあげられる。これら液晶性ポリマーは、たとえば、ガラス板上に形成したポリイミドやポリビニルアルコール等の薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化珪素を斜方蒸着したものなどの配向処理面上に液晶性ポリマーの溶液を展開して熱処理することにより行われる。
【0041】
前記偏光フィルム、位相差フィルムは積層して用いることもでき反射型偏光フィルム、半透過層型偏光フィルム、偏光分離偏光フィルム等とすることができる。また、前記例示の光学フィルムは、光学補償フィルム、その他の各種視野角拡大フィルムとして使用することもでき、さらには光学フィルムとしては、輝度向上フィルム等があげられる。また偏光フィルムは、表面上に微細凹凸構造の反射層を設けて防眩シートとすることもできる。
【0042】
粘着層2の形成は、液晶パネルのガラス基板に貼着する光学フィルム1の片面に行う。形成方法としては、特に制限されず、光学フィルム1に粘着剤組成物(溶液)を塗布し乾燥する方法、粘着層2を設けた離型シート3により転写する方法等があげられる。粘着層2(乾燥膜厚)の厚さは、特に限定されないが、10〜40μm程度とするのが好ましい。
【0043】
また、アンダーコート層4を設ける場合には、液晶パネルのガラス基板に貼着する光学フィルム1の片面にアンダーコート層4を形成した後に、前記粘着層2を設ける。アンダーコート層4の形成は粘着層2の形成と同様の方法を採用できる。アンダーコート層4(乾燥膜厚)の厚さは、特に限定されないが、0. 01〜1. 0μm程度とするのが好ましい。
【0044】
離型シート3の構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。離型シート3の表面には、粘着剤層2からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理な剥離処理が施されていても良い。
【0045】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中、部および%は重量基準である。
【0046】
参考例1
(粘着剤組成物の調製)
ブチルアクリレート100部、アクリル酸1部、アゾビスイソブチロニトリル0.2部を酢酸エチル溶媒中、攪拌しながら60℃で7時間反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を得た。上記アクリル系ポリマー溶液に多官能性金属キレートであるアルミニウムトリスアセチルアセトネートをポリマー固形分100部に対して1部加え、粘着剤組成物(溶液)を調製した。
【0047】
(粘着型光学フィルムの作製)
上記により作製された粘着剤組成物(溶液)を、乾燥後の厚みが25μmとなるようにポリエチレンテレフタレート系セパレータ上に塗布し、乾燥して形成した粘着層を、厚さ180μmの偏光フィルム(ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を含浸、延伸した後、両側にトリアセチルセルロースフィルムを接着剤を介して接着したもの)に転写して粘着型偏光フィルムを作製した。
【0048】
参考例2
参考例1(粘着剤組成物の調製)において、アクリル系ポリマーの成分を、ブチルアクリレート50部、イソノニルアクリレート50部、アクリル酸1部およびアゾビスイソブチロニトリル0 .2 部に変更したこと以外は、参考例1と同様にして粘着剤組成物(溶液)を調製した。また、参考例1と同様にして、粘着型偏光フィルムを作製した。
【0049】
実施例1
参考例1(粘着剤組成物の調製)において、アクリル系ポリマー100部にアルミニウムトリスアセチルアセトネート1 部を添加する代わりに、アルミニウムトリスアセチルアセトネート0 .5 部および有機系化合物としてトリメチロールプロパントリレンジイシシアネート0 .5 部を添加したこと以外は、参考例1と同様にして粘着剤組成物(溶液)を調製した。また、参考例1と同様にして、粘着型偏光フィルムを作製した。
【0050】
実施例2
参考例1(粘着型光学フィルムの作製)において、粘着層を偏光フィルムに転写する前に、偏光フィルムの粘着層を設ける面に予め、トリメチロールプロパントリレンジイシシアネートのトルエン1 %溶液を塗布して0. 1μmのアンダーコート層を形成したこと以外は参考例1と同様にして、粘着型偏光フィルムを作製した。
【0051】
比較例1
参考例1(粘着剤組成物の調製)において、アクリル系ポリマー100部にアルミニウムトリスアセチルアセトネート1 部を添加する代わりに、トリメチロールプロパントリレンジイシシアネート1部を添加したこと以外は、参考例1と同様にして粘着剤組成物(溶液)を調製した。また、参考例1と同様にして、粘着型偏光フィルムを作製した。
【0052】
比較例2
参考例1(粘着剤組成物の調製)において、アクリル系ポリマーの成分を、ブチルアクリレート100部、2 −ヒドロキシエチルアクリレート1部およびアゾビスイソブチロニトリル0 .2 部に変更したこと以外は、参考例1と同様にして粘着剤組成物(溶液)を調製した。また、参考例1と同様にして、粘着型偏光フィルムを作製した。
【0053】
上記実施例および比較例で得られた粘着型偏光フィルムについて以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0054】
(加熱耐久性)
サンプル(粘着型偏光フィルム)を12インチサイズに切断し、ガラス板に貼り付け、オートクレーブ処理(50℃×0.5MPa×15分間)を行った。その後、90℃(乾燥)の雰囲気下に500時間投入し、不具合の発生を以下の基準で確認した。
【0055】
(加湿耐久性)
サンプルを12インチサイズに切断し、ガラス板に貼り付け、オートクレーブ処理(50℃×0.5MPa×15分間)を行った。その後、60℃、90%RHの雰囲気下に500時間投入し、不具合の発生を以下の基準で確認した。
【0056】
○:不具合発生なし。
×:発泡、剥がれなどの不具合が見られる。
【0057】
(対ガラス接着力)
サンプルを25mm幅に切断し、無アルカリガラス板(コーニング社製造:コーニング1737)に貼り付け、オートクレーブ処理(50℃×0.5MPa×15分間)を行った。その後、引っ張り試験機を用いて90°の剥離角度、室温雰囲気(25℃)にて、300m/分の剥離速度で剥離応時力を測定し接着力(N/25mm)とした。
【0058】
(糊残り)
サンプルを12インチサイズに切断し、ガラス板に貼り付け、オートクレーブ処理(50℃×0.5MPa×15分間)を行った。その後、60℃(乾燥)の雰囲気下に24時間投入してから、サンプルを作業者が剥がした。この際に、ガラス面への糊(粘着剤)残りの状態を以下の基準で確認した。
【0059】
◎:全く糊残りが見られない。
○:剥がし始め、かつ/または剥がし終わりで糊残りが見られる。
△:剥がし始め、かつ/または剥がし終わり以外にも糊残りが一部見られるが、実用上問題のないレベル。
×:実用上問題あるレベルで糊残りが発生する。
【0060】
【表1】
Figure 0003880798
表1に示す通り、本発明(実施例)は、耐久性がよく、また対ガラス接着力が10N/25mm以下でリワーク性もよい。しかも、糊残りがなくリワーク性が極めて良好であると認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着型光学フィルムの断面図である。
【図2】アンダーコート層を設けた本発明の粘着型光学フィルムの断面図である。
【符号の説明】
1 光学フィルム
2 粘着層
3 離型シート
4 アンダーコート層

Claims (5)

  1. 光学フィルムの一方の面に光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が積層されている粘着型光学フィルムにおいて前記粘着層がカルボキシル基を有するアクリル系ポリマーおよび多官能性金属キレートを含有してなる粘着剤により形成されており、かつカルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するエポキシ系化合物およびイソシアネート系化合物から選ばれる有機系化合物により形成されているアンダーコート層を介して光学フィルムに積層されていること特徴とする粘着型光学フィルム。
  2. 光学フィルムの一方の面に光学フィルムを液晶パネルのガラス基板に貼着するための粘着層が積層されている粘着型光学フィルムにおいて前記粘着層がカルボキシル基を有するアクリル系ポリマー、多官能性金属キレートおよびカルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するイソシアネート系化合物を含有してなる粘着剤により形成されていること特徴とする粘着型光学フィルム。
  3. 粘着層の対ガラス接着力が、10N/25mm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着型光学フィルム。
  4. 請求項2記載の粘着型光学フィルムの粘着層の形成に用いる、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマー、多官能性金属キレートおよびカルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2つ以上有するイソシアネート系化合物を含有してなることを特徴とする光学フィルム用粘着剤組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の粘着型光学フィルムを用いた液晶表示装置。
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