WO2024106489A1 - 光学積層体及び画像表示装置 - Google Patents

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潤枝 長田
国将 三島
智之 木村
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日東電工株式会社
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Abstract

提供される光学積層体では、第一光学フィルム、第一粘着シート、第二光学フィルム、及び第二粘着シートがこの順に積層されている。第一粘着シートの第二光学フィルムが積層された表面に表面改質処理がなされている。第一粘着シートと第二光学フィルムとの80℃における密着力をF1(80℃)と定義し、第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせた際の、第二粘着シートと無アルカリガラスとの80℃における初期接着力をG0(80℃)と定義したとき、光学積層体は、F1(80℃)/G0(80℃)≧2を満たす。この光学積層体は、リワーク性の向上に適している。

Description

光学積層体及び画像表示装置
 本発明は、光学積層体及び画像表示装置に関する。
 近年、液晶表示装置及びエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。これら各種の画像表示装置は、通常、液晶層、EL発光層等の画像形成層と、光学フィルム及び粘着シートを含む光学積層体と、の積層構造を有している。粘着シートは、主に、光学積層体に含まれるフィルム間の接合や、画像形成層と光学積層体との接合に使用される。光学フィルムの例は、偏光板、位相差フィルム、及び偏光板と位相差フィルムとを一体化した位相差フィルム付き偏光板である。
 特許文献1には、樹脂フィルムに粘着剤層を貼合する方法において、樹脂フィルムおよび粘着剤層のそれぞれ貼合する面を表面活性化処理し、貼合することを特徴とする粘着剤層の貼合方法が記載されている。
特開2005-213314号公報
 画像表示装置は、例えば、光学積層体と画像形成層とが光学積層体の粘着シートを介して貼り合わされた構成を有する。加えて、光学積層体は、この粘着シートと共に、例えば位相差フィルムと偏光フィルムとの間に配置された層間粘着シートを有する。このような画像表示装置の製造において、被着体に貼り付けられた光学積層体を被着体から剥離する、リワークと呼ばれる作業が要求される場合がある。光学積層体を被着体から剥離させる際には、光学積層体の端部の一部を被着体から剥離させることによって剥離部を形成し、この剥離部を掴んで引っ張ることによって光学積層体の全体を被着体から剥離させることが考えられる。なお、この剥離部は、光学積層体の全体の剥離の開始部、すなわち剥離のきっかけ又は手がかりとなることから、以降、単に「きっかけ」と呼ぶことがある。
 本発明は、リワーク性が向上した光学積層体を提供することを目的とする。
 本発明は、
 第一光学フィルム、第一粘着シート、第二光学フィルム、及び第二粘着シートがこの順に積層された光学積層体であって、
 前記第一粘着シートの前記第二光学フィルムが積層された表面に表面改質処理がなされており、
 前記第一粘着シートと前記第二光学フィルムとの80℃における密着力をF1(80℃)と定義し、
 前記第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせた際の、前記第二粘着シートと前記無アルカリガラスとの80℃における初期接着力をG0(80℃)と定義したとき、以下の式(1)を満たす、光学積層体を提供する。
1(80℃)/G0(80℃)≧2   (1)
 さらに、本発明は、
 上記の光学積層体と、画像形成層と、を備える、画像表示装置を提供する。
 本発明によれば、リワーク性が向上した光学積層体を提供できる。
図1は、本実施形態の光学積層体の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、光学積層体の別の一例を示す模式的な断面図である。 図3は、基材付き光学積層体の一例を示す模式的な断面図である。 図4は、基材付き光学積層体の別の一例を示す模式的な断面図である。 図5は、基材付き光学積層体の別の一例を示す模式的な断面図である。 図6は、基材付き光学積層体の別の一例を示す模式的な断面図である。 図7は、画像表示装置の一例を示す模式的な断面図である。 図8は、画像表示装置の別の一例を模式的に示す断面図である。 図9は、きっかけが作製された画像表示装置の一例を示す模式的な断面図である。
 本発明の第1態様にかかる光学積層体は、
 第一光学フィルム、第一粘着シート、第二光学フィルム、及び第二粘着シートがこの順に積層された光学積層体であって、
 前記第一粘着シートの前記第二光学フィルムが積層された表面に表面改質処理がなされており、
 前記第一粘着シートと前記第二光学フィルムとの80℃における密着力をF1(80℃)と定義し、
 前記第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせた際の、前記第二粘着シートと前記無アルカリガラスとの80℃における初期接着力をG0(80℃)と定義したとき、以下の式(1)を満たす。
1(80℃)/G0(80℃)≧2   (1)
 本発明の第2態様において、例えば、第1態様にかかる光学積層体では、前記第一粘着シートと前記第二光学フィルムとの23℃における密着力をF1(23℃)と定義し、第一粘着シートの第二光学フィルムが積層された表面に表面改質処理がなされていない場合の、前記第一粘着シートと前記第二光学フィルムとの23℃における密着力をF0(23℃)と定義したとき、以下の式(2)を満たす。
1(23℃)/F0(23℃)>1.30   (2)
 本発明の第3態様において、例えば、第1又は第2態様にかかる光学積層体では、前記表面改質処理がコロナ処理である。
 本発明の第4態様において、例えば、第1~第3態様のいずれか1つにかかる光学積層体では、前記第一粘着シートと前記第二光学フィルムとの23℃における密着力をF1(23℃)と定義し、前記第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせた際の、前記第二粘着シートと前記無アルカリガラスとの23℃における初期接着力をG0(23℃)と定義したとき、以下の式(3)を満たす。
1(23℃)/G0(23℃)≧1.2   (3)
 本発明の第5態様において、例えば、第1~第4態様のいずれか1つにかかる光学積層体では、前記第二粘着シートの厚みT2が、8μm以上である。
 本発明の第6態様において、例えば、第1~第5態様のいずれか1つにかかる光学積層体では、前記第二粘着シートの厚みT2と、前記第一粘着シートの厚みT1とが、T2/T1≧1.1を満たす。
 本発明の第7態様において、例えば、第1~第6態様のいずれか1つにかかる光学積層体では、前記第一粘着シートの23℃における貯蔵弾性率GA’(23℃)と、前記第二粘着シートの23℃における貯蔵弾性率GB’(23℃)とが、GA’(23℃)/GB’(23℃)≧1.1を満たす。
 本発明の第8態様において、例えば、第1~第7態様のいずれか1つにかかる光学積層体では、前記第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせた際の、前記第二粘着シートと前記無アルカリガラスとの23℃における初期接着力をG0(23℃)と定義し、前記第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせて2週間経過したときの、前記第二粘着シートと前記無アルカリガラスとの23℃における接着力をG2(23℃)と定義したとき、G2(23℃)/G0(23℃)≦1.5を満たす。
 本発明の第9態様にかかる画像表示装置は、
 第1~第8態様のいずれか1つにかかる光学積層体と、画像形成層と、を備える。
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。
 本実施形態に係る光学積層体は、第一光学フィルム、第一粘着シート、第二光学フィルム、及び第二粘着シートがこの順に積層されている。第一粘着シートの第二光学フィルムが積層された表面に表面改質処理がなされている。第一粘着シートと第二光学フィルムとの80℃における密着力をF1(80℃)と定義する。第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせた際の、第二粘着シートと無アルカリガラスとの80℃における初期接着力をG0(80℃)と定義する。このとき、光学積層体は、以下の式(1)を満たす。
1(80℃)/G0(80℃)≧2   (1)
 図1は、本実施形態の光学積層体の一例を模式的に示す断面図である。光学積層体10Aは、第一光学フィルム1、第一粘着シート2、第二光学フィルム3、及び第二粘着シート4を備える。光学積層体10Aは、第一光学フィルム1、第一粘着シート2、第二光学フィルム3、及び第二粘着シート4がこの順に積層された構造を有する。
 第一光学フィルム1は、第一粘着シート2に接している。第一光学フィルム1は、第一粘着シート2の一方の主面2aに接して配置されている。図1では、第一光学フィルム1は、第一粘着シートの一方の主面2aの全体に接している。ただし、第一粘着シート2の一方の主面2aの一部のみに第一光学フィルム1が接していてもよい。本明細書において、「主面」は、フィルム又は層の最も広い面積を有する面を意味する。
 第一粘着シート2は、第二光学フィルム3上に形成されている。第一粘着シート2は、第二光学フィルム3の一方の主面3aに形成されている。図1では、第一粘着シート2は、第二光学フィルム3の一方の主面3aの全体に形成されている。ただし、第二光学フィルム3の一方の主面3aの一部のみに第一粘着シート2が形成されていてもよい。
 第一粘着シート2の第二光学フィルム3が積層された表面及び第二光学フィルム3の第一粘着シートが積層された表面からなる群より選ばれる少なくとも1つには、表面改質処理がなされている。これにより、第一粘着シート2と第二光学フィルム3との密着力を向上させることができる。表面改質処理の詳細は後述する。
 第二粘着シート4は、第二光学フィルム3に接して形成されている。詳細には、第二粘着シート4は、第二光学フィルム3の第一粘着シート2が形成されている主面3aとは反対側の主面3bに形成されている。図1では、第二粘着シート4は、第二光学フィルム3の一方の主面3bの全体に形成されている。ただし、第二光学フィルム3の一方の主面3bの一部のみに第二粘着シート4が形成されていてもよい。
 本実施形態では、式(1)により算出される値が、3.5以上であってもよく、4.0以上、4.5以上、5.0以上、6.0以上、8.0以上、9.0以上、9.1以上、9.3以上、9.5以上、さらには10.0以上であってもよい。式(1)により算出される値の上限値は、20.0であってもよく、15.0であってもよい。
(第一粘着シート及び第二粘着シート)
(第一粘着シート)
 第一粘着シート2は、互いに対向する主面2a及び2bを有する。主面2aは、第一光学フィルム1に対向している。主面2aは、第一粘着シート2の第一光学フィルム1が積層された表面である。主面2bは、第二光学フィルム3に対向している。主面2bは、第一粘着シート2の第二光学フィルム3が積層された表面である。主面2aには表面改質処理がなされていてもよい。主面2bには、表面改質処理が施されている。主面2bに表面改質処理が施されていることによって、上記の密着力Fを向上させることができる。表面改質処理は、第一粘着シート2の主面2a及び2bの少なくとも一部に施されていてもよい。表面改質処理は、第一粘着シート2の主面2a及び2bの端部のみに施されていてもよく、主面2a及び2bの全体に施されていてもよい。表面改質処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、エキシマ処理、フレーム処理等が挙げられる。主面2a及び2bには、表面改質処理として、コロナ処理が施されていることが好ましい。
 主面2bに対するコロナ処理の条件は、放電量により表して、例えば、0.5~100kJ/m2である。放電量は、1kJ/m2以上、3kJ/m2以上、7kJ/m2以上、さらには9kJ/m2以上であってもよい。放電量の上限値は、70kJ/m2、50kJ/m2、30kJ/m2、20kJ/m2、さらには15kJ/m2であってもよい。放電量が高すぎると、第一粘着シート2の主面2bの有機物が分解することによって脆弱層が発生し、密着力が低下する場合がある。一方、放電量が低すぎると、表面改質効果が得られず密着力が上昇しない場合がある。
 本発明者らの検討によると、光学積層体において、第一粘着シートの第二光学フィルムが形成されている表面に表面改質処理を施すことによって、第一粘着シートと第二光学フィルムとの密着力Fが向上する傾向がある。加えて、この光学積層体を加温した場合に、第一粘着シートと第二光学フィルムとの密着力Fがさらに向上する傾向がある。本実施形態の光学積層体10Aによれば、第一粘着シート2の第二光学フィルム3が積層された表面に表面改質処理が施されている。このため、第一粘着シート2と第二光学フィルム3と間で層間剥離が生じることによりきっかけが作製された場合であっても、光学積層体10Aを被着体から剥離できる。
 密着力F1(80℃)は、例えば、10.0N/25mm以上であり、12.0N/25mm以上、15.0N/25mm以上、20.0N/25mm以上、23.0N/25mm以上、23.5N/25mm以上、24.0N/25mm以上、25.0N/25mm以上、26.0N/25mm以上、さらには26.5N/25mm以上であってもよい。密着力F1(80℃)の上限値は、例えば、30.0N/25mmである。なお、密着力F1(80℃)は、80℃に設定したホットプレート上にガラス付き光学積層体を配置して15秒間経過したときに測定した、第一粘着シート2と第二光学フィルム3との密着力を意味する。密着力F(80℃)の測定方法は、実施例の欄に記載する。
 第一粘着シート2の23℃における貯蔵弾性率GA’(23℃)は、0.01MPa以上であってもよく、0.05MPa以上、0.08MPa以上、0.09MPa以上、0.10MPa以上、0.12MPa以上、0.15MPa以上、0.20MPa以上、0.5MPa以上、さらには0.9MPa以上であってもよい。第一粘着シート2の23℃における貯蔵弾性率GA’(23℃)の上限値は、例えば、3.0MPaである。
 第一粘着シート2の厚みT1は、例えば、2μm~40μmである。第一粘着シート2の厚みT1は、3μm~30μmであってもよく、4μm~20μmであってもよく、5μm~15μmであってもよく、8μm~15μmであってもよい。
 第一粘着シート2と第二光学フィルム3との23℃における密着力を密着力F1(23℃)と定義する。一方、第一粘着シートの第二光学フィルムが形成されている表面に表面改質処理がなされていない場合の、23℃における密着力を密着力F0(23℃)と定義する。このとき、下記式(2)が満たされていてもよい。
1(23℃)/F0(23℃)>1.30   (2)
 式(2)により表される値は、1.50以上、1.55以上、1.60以上、2.00以上、2.20以上、2.50以上、さらには、3.00以上であってもよい。式(2)により表される値の上限値は、例えば、5.00である。
 密着力F1(23℃)は、例えば、5.0N/25mm以上であり、7.0N/25mm以上、8.0N/25mm以上、10.0N/25mm以上、14.0N/25mm以上、15.0N/25mm以上、16.0N/25mm以上、17.0N/25mm以上、さらには20.0N/25mm以上であってもよい。密着力F1(23℃)の上限値は、例えば、30.0N/25mmである。
 密着力F0(23℃)は、例えば、5.0N/25mm以上であり、6.0N/25mm以上、7.0N/25mm以上、8.0N/25mm以上、9.0N/25mm以上、9.5N/25mm以上、さらには10.0N/25mm以上であってもよい。密着力F0(23℃)の上限値は、例えば、20.0N/25mmである。
(第二粘着シート)
 初期接着力G0(80℃)は、例えば、0.1N/25mm以上であり、0.5N/25mm以上、1.0N/25mm以上、1.5N/25mm以上、2.0N/25mm以上、2.5以上、さらには2.8N/25mm以上であってもよい。初期接着力G0(80℃)の上限値は、例えば、6.0N/25mmであってもよく、5.0N/25mmであってもよく、4.0N/25mmであってもよく、3.5N/25mmであってもよい。初期接着力G0(80℃)の測定では、まず、光学積層体10Aの第二粘着シート4と、無アルカリガラスとを23℃で貼り合わせた後、50℃及び5気圧(絶対圧)のオートクレーブ内に15分間収容して第二粘着シート4と無アルカリガラスとの接合を均質化させる。これにより、ガラス付き光学積層体を作製する。次に、オートクレーブからガラス付き光学積層体を取り出して23℃で20分間静置させた後、直ちにガラス付き光学積層体を加温する。加温は、80℃に設定したホットプレート上にガラス付き光学積層体を15秒間配置することによりなされる。初期接着力G0(80℃)は、上記方法でガラス付き光学積層体を加温した後直ちに測定した、第二粘着シート4と無アルカリガラスとの80℃における接着力である。無アルカリガラスは、例えば、板状であり、0.5mm以上の厚さを有する。
 第二粘着シート4の23℃における貯蔵弾性率GB’(23℃)は、0.01MPa以上であってもよく、0.05MPa以上、0.08MPa以上、0.09MPa以上、0.10MPa以上、0.12MPa以上、さらには0.15MPa以上であってもよい。第二粘着シート4の23℃における貯蔵弾性率GB’(23℃)の上限値は、例えば、0.5MPaである。
 第二粘着シート4を無アルカリガラスに貼り合わせた際の、第二粘着シート4と無アルカリガラスとの23℃における初期粘着力をG0(23℃)と定義する。初期接着力G0(23℃)は、例えば、8.0N/25mm以下であり、7.0N/25mm以下、6.0N/25mm以下、5.5N/25mm以下、さらには5.0N/25mm以下であってもよい。初期接着力G0(23℃)の下限値は、例えば、1.0N/25mmである。初期接着力G0(23℃)の測定では、まず、光学積層体10Aの第二粘着シート4と、無アルカリガラスとを23℃で貼り合わせた後、50℃及び5気圧(絶対圧)のオートクレーブ内に15分間収容して第二粘着シート4と無アルカリガラスとの接合を均質化させる。これにより、ガラス付き光学積層体を作製する。次に、オートクレーブからガラス付き光学積層体を取り出す。初期接着力G0(23℃)は、オートクレーブからガラス付き光学積層体を取り出して23℃で20分間静置したときに測定した、第二粘着シート4と無アルカリガラスとの23℃における接着力である。
 GA’(23℃)とGB’(23℃)とは、GA’(23℃)/GB’(23℃)≧1.1を満たしていてもよい。これにより、リワーク性をより向上させることができる。GA’(23℃)/GB’(23℃)は、2.0以上であってもよく、3.0以上、4.0以上、5.0以上であってもよく、5.2以上であってもよい。GA’(23℃)/GB’(23℃)の上限値は、例えば、8.0である。
 光学積層体10Aは、下記式(3)を満たしていてもよい。式(3)により表される値は、1.5以上、1.7以上、2.0以上、2.5以上、3.0以上、3.5以上、さらには4.0以上であってもよい。式(3)により表される値の上限値は、例えば、7.0である。
1(23℃)/G0(23℃)≧1.2   (3)
 接着力G2(23℃)は、光学積層体10Aの第二粘着シート4と、無アルカリガラスとを貼り合わせて2週間経過したときの、第二粘着シート4と無アルカリガラスとの23℃における接着力を意味する。接着力G2(23℃)は、例えば、10.0N/25mm以下であり、8.0N/25mm以下、7.0N/25mm以下、6.0N/25mm以下、5.8N/25mm以下、さらには5.2N/25mm以下であってもよい。接着力G2(23℃)の下限値は、例えば、1.0N/25mmである。接着力G2(23℃)の測定では、まず、光学積層体10Aの第二粘着シート4と、無アルカリガラスとを23℃で貼り合わせた後、50℃及び5気圧(絶対圧)のオートクレーブ内に15分間収容して第二粘着シート4と無アルカリガラスとの接合を均質化させる。これにより、ガラス付き光学積層体を作製する。ガラス付き光学積層体を作製後23℃及び55%RHの条件下に静置させる。接着力G2(23℃)は、この状態で2週間経過したときに測定した、第二粘着シート4と無アルカリガラスとの23℃における接着力である。
 G0(23℃)とG2(23℃)とは、G2(23℃)/G0(23℃)≦1.5を満たしていてもよい。光学積層体と被着体とを貼り合わせてから、数日から2週間程度室温で静置した後に光学積層体を被着体から剥離する場合がある。加えて、粘着シートは、一般的に、被着体と貼り合わせてから徐々に接着力が上昇する特性を有する。本実施形態に係る光学積層体10Aは、例えば、G2(23℃)/G0(23℃)≦1.5を満たす。これにより、光学積層体を画像形成層等の被着体に貼り付けて長期間経過したときでも、リワーク性をより向上させることができる。G2(23℃)/G0(23℃)は、1.3以下であってもよく、1.2以下であってもよい。G2(23℃)/G0(23℃)の下限値は、例えば、1.0である。
 第二粘着シート4の厚みT2は、例えば、8μm以上である。第二粘着シート4の厚みT2は、10μm以上、12μm以上、15μm以上、さらには18μm以上であってもよい。第二粘着シート4の厚みT2の上限値は、例えば、30μmである。
 第二粘着シート4の厚みT2と、第一粘着シート2の厚みT1とは、T2/T1≧1.1を満たしていてもよい。これにより、リワーク性をより向上させることができる。T2/T1は、1.2以上であってもよく、1.3以上、1.4以上1.7以上、2.0以上、さらには2.5以上であってもよい。T2/T1の上限値は、例えば、5.0である。
 第二粘着シート4は、互いに対向する主面4a及び4bを有する。主面4aは、第二光学フィルム3に対向している。主面4bは、例えば、光学積層体10Aの外部に露出しており、ガラス等の被着体が積層される表面である。第二粘着シート4の主面4aには、表面改質処理が施されていてもよい。第二粘着シート4の主面4bには、表面改質処理が施されていなくてもよい。表面改質処理は、第一粘着シート2について上述した表面改質処理が適宜使用できる。
[粘着剤組成物(I)]
 第一粘着シート2及び第二粘着シート4は、例えば、粘着剤組成物(I)から形成される。以下、粘着剤組成物(I)の詳細について述べる。以下の説明において、第一粘着シート2及び第二粘着シート4を「粘着シート」と称することがある。
 粘着シートを構成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤等が挙げられる。なお、粘着シートを構成する粘着剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。ただし、透明性、加工性、耐久性、密着性等の点から、(メタ)アクリル系ポリマーを含有するアクリル系粘着剤(組成物)を単独で用いることが好ましい。言い換えると、粘着シートは、(メタ)アクリル系ポリマーを含むことが好ましい。本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味する。また、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
[(メタ)アクリル系ポリマー(A)]
 (メタ)アクリル系ポリマー(A)は、炭素数1~30のアルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリル系単量体に由来する構成単位を主たる単位として有していてもよい。アルキル基は、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、(メタ)アクリル系単量体(A1)に由来する構成単位を1種又は2種以上有していてもよい。(メタ)アクリル系単量体(A1)の例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n-へキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、n-トリデシル(メタ)アクリレート及びn-テトラデシル(メタ)アクリレートである。本明細書において「主たる単位」とは、ポリマーが有する全構成単位のうち、例えば50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上を占める単位を意味する。
 (メタ)アクリル系ポリマー(A)は、ホモポリマーとしたときにガラス転移温度(Tg)が-70~-20℃の範囲にある(メタ)アクリル系単量体(A1)に由来する構成単位を有していてもよい。当該単量体(A1)の例は、n-ブチルアクリレートである。
 (メタ)アクリル系ポリマー(A)は、(メタ)アクリル系単量体(A1)に由来する構成単位以外の構成単位を有していてもよい。当該構成単位は、(メタ)アクリル系単量体(A1)と共重合可能な単量体(A2)に由来する。(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、当該構成単位を1種又は2種以上有していてもよい。
 単量体(A2)の例は、芳香環含有単量体である。芳香環含有単量体は、芳香環含有(メタ)アクリル系単量体であってもよい。芳香環含有単量体の例は、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル化β-ナフトール(メタ)アクリレート及びビフェニル(メタ)アクリレートである。(メタ)アクリル系ポリマー(A)における芳香環含有単量体に由来する構成単位の含有率は、例えば0~50重量%であり、1~30重量%、5~25重量%、8~20重量%、10~18重量%、さらには12~16重量%であってもよい。粘着剤組成物(I)における架橋剤(B)の配合量が増すと、架橋剤(B)の自己重合体が形成されることがある。芳香環含有単量体に由来する構成単位を(メタ)アクリル系ポリマー(A)が有することは、(メタ)アクリル系ポリマー(A)と、架橋剤(B)及びその自己重合体との相溶性を向上させる。相溶性の向上は、例えば自己重合体の析出が抑制されることによって、粘着シートの均一性の向上に寄与しうる。
 単量体(A2)の別の例は、水酸基含有単量体である。水酸基含有単量体は、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体であってもよい。水酸基含有単量体の例は、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート及び12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、並びに(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)-メチルアクリレートである。
 第一粘着シート2が(メタ)アクリル系ポリマー(A)を含み、(メタ)アクリル系ポリマー(A)が水酸基含有単量体に由来する構成単位を有する場合、(メタ)アクリル系ポリマー(A)における水酸基含有単量体に由来する構成単位の含有率は、例えば、0.01重量%以上であり、0.05重量%以上、0.1重量%以上、0.3重量%以上、0.35重量%以上、0.4重量%以上、さらには0.45重量%以上であってもよい。含有率は、2重量%以下であり、1.5重量%以下であってもよく、1.2重量%以下であってもよく、1.0重量%以下であってもよく、0.8重量%以下であってもよく、0.7重量%以下であってもよく、0.6重量%以下であってもよい。
 第二粘着シート4が(メタ)アクリル系ポリマー(A)を含み、(メタ)アクリル系ポリマー(A)が水酸基含有単量体に由来する構成単位を有する場合、(メタ)アクリル系ポリマー(A)における水酸基含有単量体に由来する構成単位の含有率は、例えば、0.01重量%以上であり、0.05重量%以上、0.06重量%以上、0.07重量%以上、0.08重量%以上、さらには0.09重量%以上であってもよい。含有率は、1重量%以下であり、0.8重量%以下であってもよく、0.5重量%以下であってもよく、0.3重量%以下であってもよく、0.2重量%以下であってもよい。
 単量体(A2)は、カルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体であってもよい。カルボキシル基含有単量体の例は、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸及びクロトン酸である。アミノ基含有単量体の例は、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートである。アミド基含有単量体の例は、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロール-N-プロパン(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトメチル(メタ)アクリルアミド及びメルカプトエチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン及びN-(メタ)アクリロイルピロリジン等のN-アクリロイル複素環単量体;並びにN-ビニルピロリドン及びN-ビニル-ε-カプロラクタム等のN-ビニル基含有ラクタム系単量体である。カルボキシル基含有単量体、特にアクリル酸、に由来する構成単位を(メタ)アクリル系ポリマー(A)が有することで、例えば、架橋剤(B)の自己重合性を高めることができる。架橋剤(B)の自己重合性の向上は、特に、加湿環境下における粘着シートの剥がれの抑制や、架橋剤(B)の含有率が高い系における粘着シートの物性の安定化に寄与しうる。
 単量体(A2)は、多官能性単量体であってもよい。多官能性単量体の例は、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート)、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート及びウレタンアクリレート等の多官能アクリレート;並びにジビニルベンゼンである。多官能アクリレートは、好ましくは1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。
 (メタ)アクリル系ポリマー(A)におけるカルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体及び多官能性単量体に由来する構成単位の含有率の合計は、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下である。(メタ)アクリル系ポリマー(A)が当該構成単位を有する場合、含有率の合計は、例えば0.01重量%以上であり、0.05重量%以上であってもよい。(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、多官能性単量体に由来する構成単位を含まなくてもよい。
 その他の単量体(A2)の例は、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸3-メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-メトキシブチル及び(メタ)アクリル酸4-エトキシブチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸グリシジル及び(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のエポキシ基含有単量体;ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有単量体;リン酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン及びビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン及びイソブチレン等のオレフィン類、又はジエン類;ビニルアルキルエーテル等のビニルエーテル類;並びに塩化ビニルである。
 (メタ)アクリル系ポリマー(A)における上記その他の単量体(A2)に由来する構成単位の含有率の合計は、例えば30重量%以下であり、10重量%以下であってもよく、0重量%(当該構成単位を含まない)であってもよい。
 (メタ)アクリル系ポリマー(A)は、上述した1種又は2種以上の単量体を公知の方法により重合して形成できる。単量体と、単量体の部分重合物とを重合してもよい。重合は、例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合、熱重合、活性エネルギー線重合により実施できる。光学的透明性に優れる粘着シートを形成できることから、溶液重合、活性エネルギー線重合が好ましい。重合は、単量体及び/又は部分重合物と酸素との接触を避けて実施することが好ましく、このために、例えば、窒素等の不活性ガス雰囲気下における重合、あるいは樹脂フィルム等により酸素を遮断した状態での重合を採用できる。形成する(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの態様であってもよい。
 (メタ)アクリル系ポリマー(A)を形成する重合系は、1種又は2種以上の重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤の種類は、重合反応により選択でき、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤であってもよい。
 溶液重合に使用する溶媒は、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類である。ただし、溶媒は上記例に限定されない。溶媒は、2種以上の溶媒の混合溶媒であってもよい。
 溶液重合に使用する重合開始剤は、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系重合開始剤である。過酸化物系重合開始剤は、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルマレエートである。なかでも、特開2002-69411号公報に開示のアゾ系重合開始剤が好ましい。当該アゾ系重合開始剤は、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリアン酸である。ただし、重合開始剤は上記例に限定されない。アゾ系重合開始剤の使用量は、例えば、単量体の全量100重量部に対して0.05~0.5重量部であり、0.1~0.3重量部であってもよい。
 活性エネルギー線重合に使用する活性エネルギー線は、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線、及び紫外線である。活性エネルギー線は、紫外線が好ましい。紫外線の照射による重合は、光重合とも称される。活性エネルギー線重合の重合系は、典型的には、光重合開始剤を含む。活性エネルギー重合の重合条件は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)が形成される限り、限定されない。
 光重合開始剤は、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤である。ただし、光重合開始剤は上記例に限定されない。
 ベンゾインエーテル系光重合開始剤は、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、アニソールメチルエーテルである。アセトフェノン系光重合開始剤は、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-(t-ブチル)ジクロロアセトフェノンである。α-ケトール系光重合開始剤は、例えば、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オンである。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤は、例えば、2-ナフタレンスルホニルクロライドである。光活性オキシム系光重合開始剤は、例えば、1-フェニル-1,1-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)-オキシムである。ベンゾイン系光重合開始剤は、例えば、ベンゾインである。ベンジル系光重合開始剤は、例えば、ベンジルである。ベンゾフェノン系光重合開始剤は、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。ケタール系光重合開始剤は、例えば、ベンジルジメチルケタールである。チオキサントン系光重合開始剤は、例えば、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンである。
 光重合開始剤の使用量は、例えば、単量体の全量100重量部に対して0.01~1重量部であり、0.05~0.5重量部であってもよい。
 (メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、例えば、100万~280万であり、粘着シートの耐久性及び耐熱性の観点からは、120万以上、さらには140万以上であってもよい。本明細書におけるポリマー及びオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)の測定に基づく値(ポリスチレン換算)である。
 粘着剤組成物(I)における(メタ)アクリル系ポリマー(A)の含有率は、固形分比で、例えば、50重量%以上であり、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、さらには85重量%以上であってもよい。含有率の上限値は、例えば、99.5重量%であり、99重量%、97重量%、95重量%、93重量%、さらには90重量%であってもよい。
[架橋剤(B)]
 架橋剤(B)は、典型的には、1分子あたり2以上の架橋反応基を有する多官能性架橋剤である。架橋剤(B)は、1分子あたり3以上の架橋反応基を有する3官能以上の架橋剤であってもよい。1分子あたりの架橋反応基の数の上限は、例えば5である。
 架橋剤(B)は、例えば、イソシアネート系架橋剤である。イソシアネート系架橋剤は、架橋反応基としてイソシアネート基を含む。イソシアネート系の架橋剤(B)は、芳香族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物であってもよい。イソシアネート系架橋剤(特に、三官能のイソシアネート系架橋剤)は、耐久性の点で好ましい。
 架橋剤(B)に使用しうる芳香族イソシアネート化合物の例は、フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート及び1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートである。
 架橋剤(B)に使用しうる脂環族イソシアネート化合物の例は、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート及び水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートである。
 架橋剤(B)に使用しうる脂肪族イソシアネート化合物の例は、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート及び2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートである。
 架橋剤(B)は、上記イソシアネート化合物の誘導体であってもよい。誘導体の例は、多量体(2量体、3量体、5量体等)、トリメチロールプロパン等の多価アルコールに付加して得た付加物(アダクト体)、ウレア変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体、並びにポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等に付加して得たウレタンプレポリマーである。
 架橋剤(B)は、好ましくは芳香族イソシアネート化合物及びその誘導体であり、より好ましくは、トリレンジイソシアネート及びその誘導体(換言すれば、トリレンジイソシアネート系(TDI系)架橋剤)である。TDI系架橋剤は、キシリレンジイソシアネート及びその誘導体(換言すれば、キシリレンジイソシアネート系(XDI系)架橋剤)に比べて反応の均一性に優れる。TDI系架橋剤の例は、トリレンジイソシアネートと多官能アルコールとの付加物であり、より具体的な例は、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物である。
 架橋剤(B)には市販品を使用できる。市販品の例は、ミリオネートMT、ミリオネートMTL、ミリオネートMR-200、ミリオネートMR-400、コロネートL、コロネートHL及びコロネートHX(以上、東ソー社製:いずれも商品名)、並びにタケネートD-102、タケネートD-103、タケネートD-110N、タケネートD-120N、タケネートD-140N、タケネートD-160N、タケネートD-165N、タケネートD-170HN、タケネートD-178N、タケネート500及びタケネート600(以上、三井化学社製;いずれも商品名)である。架橋剤(B)には、コロネートL、タケネートD-102及びタケネートD-103(いずれもトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物)を好ましく使用できる。
 イソシアネート系架橋剤は、上述のものを1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。粘着剤組成物(I)におけるイソシアネート系架橋剤の配合量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、例えば、0.1重量部以上、0.2重量部以上、0.3重量部以上、0.5重量部以上、0.6重量部以上、1重量部以上、2重量部以上、2.5重量部以上、3重量部以上、5重量部以上、6重量部以上、7重量部以上、8重量部以上、9重量部以上、10重量部以上、10重量部超、さらには11重量部以上であってもよい。配合量の上限は、例えば30重量部以下であり、28重量部以下、25重量部以下、23重量部以下、20重量部以下、19重量部以下、18重量部以下、さらには15重量部以下であってもよい。
 粘着剤組成物(I)は、イソシアネート系架橋剤以外の架橋剤を含んでいてもよい。イソシアネート系架橋剤以外の架橋剤の例は、過酸化物系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤及び多官能性金属キレートである。イソシアネート系架橋剤以外の架橋剤の配合量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、例えば、2重量部以下、1重量部以下、0.5重量部以下、0.3重量部以下、0.28重量部以下、0.25重量部以下、0.2重量部以下、さらには0.15重量部以下であってもよい。配合量の下限値は、例えば、0重量部である。架橋剤(B)は、イソシアネート系架橋剤及び過酸化物系架橋剤を含んでいてもよい。粘着シートの耐久性の観点から、粘着剤組成物(I)は、他の架橋剤、特にエポキシ系架橋剤、を実質的に含んでいなくてもい。
[添加剤]
 粘着剤組成物(I)は、その他の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の例は、シランカップリング剤、多官能アルコール、顔料及び染料等の着色剤、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、リワーク向上剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、帯電防止剤(イオン性化合物であるアルカリ金属塩、イオン液体、イオン固体等)、無機充填材、有機充填材、金属粉等の粉体、粒子、箔状物である。添加剤は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、例えば10重量部以下、好ましくは5重量部以下、より好ましくは1.5重量部以下の範囲で配合できる。
 シランカップリング剤の例は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及び2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチルブチリデン)プロピルアミン及びN-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン及び3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤;並びに3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤である。
 粘着剤組成物(I)がシランカップリング剤を含む場合、その配合量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、例えば5重量部以下であり、3重量部以下、1重量部以下、0.5重量部以下、0.2重量部以下、0.1重量部以下、さらには0.05重量部以下であってもよい。粘着剤組成物(I)は、シランカップリング剤を含まなくてもよい。
 粘着剤組成物(I)は、多官能アルコールを含んでいてもよい。多官能アルコールの分子量は、例えば240以下であり、230以下、220以下、210以下、200以下、190以下、180以下、170以下、160以下、さらには150以下であってもよい。分子量の下限は、例えば60以上であり、80以上、90以上、さらには100以上であってもよい。
 多官能アルコールの例は、エチレングリコール及びプロピレングリコール等のアルキレングリコール及びその重合体;ジエチレングリコール等のエーテルグリコール及びその重合体;トリメチロールエタン;トリメチロールプロパン;グリセリン;並びにペンタエリスリトール及びソルビトール等の糖アルコールである。多官能アルコールは、好ましくはトリメチロールプロパン、グリセリン、並びにジエチレングリコール及びその重合体であり、より好ましくはトリメチロールプロパンである。
 多官能アルコールは3官能以上であってもよい。3官能の多官能アルコールの例は、トリメチロールプロパン及びグリセリンである。
 多官能アルコールは、水酸基以外に、架橋剤(B)との反応性を有する反応基を有さなくてもよい。当該反応基は、例えば、アミノ基、カルボキシル基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1種であり、特にアミノ基、である。
 粘着剤組成物(I)における多官能アルコールの配合量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、例えば、0.5重量部以上20重量部以下である。配合量の上限は、15重量部以下、10重量部以下、8重量部以下、5重量部以下、4重量部以下、さらには3重量部以下であってもよい。
 粘着剤組成物(I)は、触媒等の架橋促進剤を含まなくてもよい。架橋促進剤の一例は、架橋剤(B)との反応性を有する反応基を有するポリエーテル、ポリエーテルポリオール、リン酸エステルである。反応基は、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1種であり、特に水酸基又はアミノ基、である。粘着剤組成物(I)は、アミノ基を有するポリエーテルポリオールを含まなくてもよく、水酸基を有するリン酸エステルを含まなくてもよい。
 粘着剤組成物(I)の型は、例えば、エマルション型、溶剤型(溶液型)、活性エネルギー線硬化型(光硬化型)、熱溶融型(ホットメルト型)である。耐久性により優れる粘着シートを形成できる観点からは、粘着剤組成物(I)は溶剤型であってもよい。溶剤型の粘着剤組成物(I)は、紫外線硬化剤等の光硬化剤を含まなくてもよい。
[第一粘着シート及び第二粘着シートの製造方法]
 第一粘着シート2及び第二粘着シート4は、粘着剤組成物(I)から形成される。第一粘着シート2及び第二粘着シート4は、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の架橋物を含む。第一粘着シート2及び第二粘着シート4は、粘着剤組成物(I)から、以下の方法によって形成できる。以下は、粘着剤組成物(I)から第一粘着シート2を形成する方法について述べるが、同様の方法により第二粘着シート4を形成できる。
 第一粘着シート2の製造方法は、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー(A)及び架橋剤を含む粘着剤組成物(I)を基材に塗布し、塗布膜を形成することと、得られた塗布膜を乾燥することと、を含む。
 基材としては、例えば、離型フィルムを用いることができる。離型フィルムに形成された第一粘着シート2は、例えば、光学フィルム等に転写できる。基材は、光学フィルムであってもよい。この場合、第一粘着シートを光学フィルムに形成でき、第一粘着シート付き光学フィルムを得ることができる。
 離型フィルムは、第一粘着シート2を光学フィルムに転写した後において、第一粘着シート2が実用に供されるまでセパレータとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
 離型フィルムの構成材料としては、例えば、プラスチックフィルム、紙、布、不織布等の多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、及びこれらのラミネート体等の適宜な薄葉体等をあげることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
 プラスチックフィルムとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム等が挙げられる。
 離型フィルムの厚みは、通常5~200μm、好ましくは5~100μm程度である。離型フィルムには、例えば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等の離型処理が施されている。離型フィルムには、脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型及び防汚処理、塗布型、練り込み型、蒸着型等の帯電防止処理が施されていてもよい。
 基材には、粘着剤組成物(I)を含む溶液(粘着剤溶液)を塗布してもよい。粘着剤溶液の固形分濃度は、例えば5~50重量%であり、好ましくは10~40重量%である。なお、粘着剤溶液は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重合形態に応じて、重合溶剤と同じ溶媒又は異なる溶媒を粘着剤組成物(I)に適宜添加することによって調製できる。
 粘着剤組成物(I)を基材に塗布する方法としては、各種方法が用いられ、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等による押出しコート法等の方法が挙げられる。粘着剤組成物(I)の塗布量は、目的とする第一粘着シート2の厚さに応じて適宜調節できる。
 塗布膜を乾燥させることによって塗布膜が硬化し、第一粘着シート2が形成される。塗布膜の乾燥温度は、特に限定されず、例えば130℃以下であり、好ましくは125℃以下であり、より好ましくは120℃以下であり、さらに好ましくは110℃以下であり、特に好ましくは100℃以下である。塗布膜の乾燥温度は、60℃以上であってもよく、80℃以上であってもよい。乾燥温度が60℃以上である場合、例えば、イソシアネート系架橋剤の反応がスムーズに進行し、第一粘着シート2の凝集力を向上させることができ、画像表示装置の表示ムラを低減できる傾向がある。乾燥温度が130℃以下である場合、例えば、イソシアネート系架橋剤の反応速度を適切に調整でき、透明性を確保できる傾向がある。
 塗布膜の乾燥時間は、粘着剤組成物(I)の組成に応じて適宜調節でき、好ましくは30秒~300秒、さらに好ましくは40秒~240秒、特に好ましくは60秒~180秒である。
[光学フィルム]
 第一光学フィルム1は、互いに対向する主面1a及び1bを有する。主面1aは、例えば、光学積層体10Aの外部に露出している。主面1bは、第一粘着シート2に対向している。第一光学フィルム1の第一粘着シート2が積層された表面、すなわち第一光学フィルム1の主面1bには、表面改質処理が施されていてもよい。表面改質処理が施された主面1bによれば、第一光学フィルム1と第一粘着シート2との密着力をより向上させることができる。表面改質処理は、第一粘着シート2について上述した表面改質処理が適宜使用できる。主面1bには、表面改質処理として、コロナ処理が施されていてもよい。主面1bにコロナ処理が施される場合、放電量等の条件は、例えば、第一粘着シート2について上述した範囲で適宜調節できる。
 第二光学フィルム3は、互いに対向する主面3a及び3bを有する。主面3aは、第一粘着シート2に対向している。主面3aは、第二光学フィルム3の第一粘着シート2が積層された表面である。主面3bは、第二粘着シート4に対向している。主面3bは、第二光学フィルム3の第二粘着シート4が積層された表面である。主面3a及び3bには、表面改質処理が施されていてもよい。主面3aに表面改質処理が施されていることによって、上記の密着力Fをより向上させることができる。主面3bに表面改質処理が施されていることによって、第二光学フィルム3と第二粘着シート4との接着力をより向上させることができる。表面改質処理は、第二光学フィルム3の主面3a及び3bの少なくとも一部に施されていてもよい。表面改質処理は、第二光学フィルム3の主面3a及び3bの端部のみに施されていてもよく、主面3a及び3bの全体に施されていてもよい。表面改質処理は、第一粘着シート2について上述した表面改質処理が適宜使用できる。主面3a及び3bには、表面改質処理として、コロナ処理が施されていてもよい。主面3a及び3bにコロナ処理が施される場合、放電量等の条件は、例えば、第一粘着シート2について上述した範囲で適宜調節できる。
 第一光学フィルム1及び第二光学フィルム3は、例えば、偏光フィルム及び位相差フィルムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。第一光学フィルム1は、偏光フィルムを含んでいてもよい。第二光学フィルム3は、位相差フィルムを含んでいてもよい。第一光学フィルム1及び第二光学フィルム3は、偏光フィルム及び/又は位相差フィルムを含む積層フィルムであってもよい。第一光学フィルム1及び第二光学フィルム3は、ガラス製のフィルムを含んでいてもよい。
 偏光フィルムは、偏光子を含む。偏光フィルムは、典型的には、偏光子及び保護フィルム(透明保護フィルム)を含む。保護フィルムは、例えば、偏光子の主面に接して配置されている。偏光子は、2つの保護フィルムの間に配置されていてもよい。保護フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面に配置されていてもよい。
 偏光子としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素、二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの;ポリビニルアルコールの脱水処理物、ポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。偏光子は、典型的には、ポリビニルアルコール系フィルム(ポリビニルアルコール系フィルムには、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムが含まれる)、及び、ヨウ素等の二色性物質からなる。
 偏光子の厚さは、特に限定されず、例えば80μm以下であり、50μm以下、30μm以下、25μm以下、さらには20μm以下であってもよい。偏光子の厚さの下限は、特に限定されず、例えば1μm以上であり、5μm以上、10μm以上、さらには15μm以上であってもよい。薄型の偏光子(例えば、厚さ20μm以下)は、寸法変化が抑制されており、光学積層体の耐久性、特に高温下の耐久性、の向上に寄与しうる。
 保護フィルムの材料としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及び、これらの混合物が挙げられる。保護フィルムの材料は、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂又は紫外線硬化型樹脂であってもよい。偏光フィルムが2つの保護フィルムを有する場合、2つの保護フィルムの材料は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、偏光子の一方の主面に対して、接着剤を介して、熱可塑性樹脂で構成された保護フィルムが貼り合わされ、偏光子の他方の主面に対して、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化型樹脂で構成された保護フィルムが貼り合わされていてもよい。保護フィルムは、任意の添加剤を1種類以上含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤等が挙げられる。
 なお、(メタ)アクリル樹脂を含むフィルムは、粘着シートとの接着強度が小さい傾向がある。しかし、本実施形態では、第二光学フィルム3の主面3aに表面改質処理を施す対応等を行うことによって、(メタ)アクリル樹脂を含む保護フィルムの表面が第二光学フィルム3の主面3aに相当する場合であっても、上記の密着力Fを十分に高い値に調整できる。
 保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には、強度及び取扱性等の作業性、薄膜性等の点より10~200μm程度である。
 偏光子と保護フィルムとは通常、水系接着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。上記の接着剤以外の他の接着剤としては、紫外線硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等が挙げられる。電子線硬化型偏光フィルム用接着剤は、各種の保護フィルムに対して、好適な接着性を示す。接着剤は、金属化合物フィラーを含んでいてもよい。
 偏光フィルムでは、保護フィルムに代えて、位相差フィルム等を偏光子上に形成することもできる。保護フィルム上には、さらに別の保護フィルムを設けること、位相差フィルム等を設けること等もできる。
 保護フィルムについて、偏光子と接着している表面と対向する表面には、ハードコート層が設けられていてもよく、反射防止、スティッキング防止、拡散、アンチグレア等を目的とした処理を施すこともできる。
 偏光フィルムは、円偏光フィルムであってもよい。
 位相差フィルムとしては、高分子フィルムを延伸させて得られるものや液晶材料を配向、固定化させたものを用いることができる。位相差フィルムは、例えば、面内及び/又は厚さ方向に複屈折を有する。
 位相差フィルムとしては、反射防止用位相差フィルム(特開2012-133303号公報〔0221〕、〔0222〕、〔0228〕参照)、視野角補償用相差フィルム(特開2012-133303号公報〔0225〕、〔0226〕参照)、視野角補償用の傾斜配向位相差フィルム(特開2012-133303号公報〔0227〕参照)等が挙げられる。
 位相差フィルムとしては、実質的に上記の機能を有するものであれば、例えば、位相差値、配置角度、3次元複屈折率、単層か多層かなどは特に限定されず、公知の位相差フィルムを使用することができる。
 位相差フィルムの厚みは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは1~9μmであり、特に好ましくは3~8μmである。
 位相差フィルムは、例えば、液晶材料が配向、固定化された1/4波長板、1/2波長板の2層から構成される。
 図2は、光学積層体の別の一例を示す模式的な断面図である。図2の光学積層体10Bは、第二粘着シート4、位相差フィルム3A、第一粘着シート2、偏光フィルム1A、及び保護フィルム5がこの順に積層された積層構造を有する。
 保護フィルム5は、光学積層体10Bの流通及び保管時、並びに光学積層体10Bを画像表示装置に組み込んだ状態において、最外層である偏光フィルム1Aを保護する機能を有する。また、保護フィルム5は、画像表示装置に組み込んだ状態において、外部空間へのウィンドウとして機能する保護フィルムであってもよい。保護フィルム5は、典型的には、樹脂フィルムである。保護フィルム5を構成する樹脂は、例えば、PET等のポリエステル、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル、シクロオレフィン、ポリイミド、並びにポリアミドであり、ポリエステルが好ましい。ただし、保護フィルム5は上記例に限定されない。保護フィルム5は、ガラス製のフィルム、又はガラス製のフィルムを含む積層フィルムであってもよい。保護フィルム5には、アンチグレア、反射防止、帯電防止等の表面処理が施されていてもよい。
 保護フィルム5は、任意の粘着剤によって偏光フィルム1Aに接合されていてもよい。第一粘着シート2又は第二粘着シート4による接合も可能である。
 光学積層体は、上記粘着シートの製造方法により形成した粘着シートを含む限り、任意の構成を有しうる。
 本実施形態の光学積層体は、典型的には、画像表示装置に用いられる。画像表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及び無機ELディスプレイ等のELディスプレイである。
[第二粘着シートの形状]
 第二粘着シート4の端部の少なくとも一部は、第二光学フィルム3の側面よりも内側に位置していてもよい。これにより、リワーク治具の刃の先端が、第二粘着シート4と被着体との間により入りやすくなる。その結果、リワーク性をより向上させることができる。
 図3は、基材付き光学積層体の一例を示す模式的な断面図である。図3に示すように、基材付き光学積層体11Aは、光学積層体10C及び基材8を備える。詳細には、基材付き光学積層体11Aは、第一光学フィルム1、第一粘着シート2、第二光学フィルム3、第二粘着シート4A、及び基材8がこの順に積層された構成を有する。基材8としては、例えば、剥離フィルムを用いることができる。基材8は、光学フィルムであってもよく、後述する画像形成層6であってもよい。基材8は、例えば、光学積層体10Cにおいて、第二粘着シート4が実用に供されるまでセパレータとして用いることができる。
 基材8に使用される剥離フィルムの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム、紙、布、不織布等の多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、及びこれらのラミネート体等の適宜な薄葉体等を挙げることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
 プラスチックフィルムとしては、第二粘着シート4Aを保護しうるフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム等が挙げられる。
 基材8に使用されうる剥離フィルムの厚さは、通常5~200μm、好ましくは5~100μm程度である。剥離フィルムには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型及び防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型等の帯電防止処理が施されてもよい。特に、剥離フィルムの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理を適宜行うことにより、第二粘着シート4Aからの剥離性をより高めることができる。
 なお、第二粘着シート4Aを作製するときに使用される剥離フィルムを基材8として用いてもよい。
 光学積層体10Cにおいて、第二粘着シート4Aは、第二光学フィルム3の一方の主面3bの一部に形成されている。第二粘着シート4Aの主面の面積は、第二光学フィルム3の主面3bの面積よりも小さくてもよい。すなわち、基材付き光学積層体11Aは、第二粘着シート4Aの端部と第二光学フィルム3の側面との間に所定の距離を有していてもよい。光学積層体10Cの積層方向に直交する方向において、第二粘着シート4Aの端部のすべてが内側に位置していてもよい。すなわち、光学積層体10Cの積層方向に直交する方向において、第二粘着シート4Aの側面4sのすべてが、基材付き光学積層体11Aの側面11aよりも内側に位置していてもよい。
 基材付き光学積層体11Aにおいて、第二粘着シート4Aの端部が基材付き光学積層体11Aの側面11aよりも内側に位置するように第二粘着シート4Aを設ける方法として、(i)塗布又は転写のときに、打ち抜いた光学フィルムの端部より所定量だけ内側部分に第二粘着シート4Aを形成するように設計する方法、及び(ii)第二粘着シート4Aを形成するための粘着剤組成物(I)を塗布して粘着シートを形成した後に、この粘着シートの一部を取り除く方法、が挙げられる。あるいは、(iii)第二光学フィルム3よりも主面の面積の小さい離型フィルム等の基材に粘着シートを形成して基材付き粘着シートを作製し、この基材付き粘着シートを第二光学フィルム3と貼り合わせる方法によって、基材付き光学積層体11Aが作製されてもよい。
 基材付き光学積層体11Aにおいて、第二粘着シート4Aの端部が基材付き光学積層体11Aの側面11aよりも内側に位置するように第二粘着シート4Aを設ける方法のさらに別の例は、(iv)端部処理による方法である。端部処理による方法では、まず、基材付き光学積層体を、その積層方向から加圧する。加圧には、例えば、クランプ等の治具を使用して基材付き光学積層体の両方の面から加圧する。あるいは、基材付き光学積層体の片方の面を固定して、他方の面から加圧することによって基材付き光学積層体を積層方向に加圧してもよい。基材付き光学積層体を加圧することによって、粘着シートの端部を、基材付き光学積層体の端辺、詳細には、第二光学フィルムの側面からはみ出させることができる。次に、このはみ出させた粘着シートの端部を切削又は切断する。その後、基材付き光学積層体に加えた圧力を開放することによって、第二粘着シート4Aの端部が第二光学フィルム3の側面よりも内側に位置するように第二粘着シート4を作製できる。なお、切削又は切断においては、はみ出させた粘着シートの端部のみを切削又は切断してもよく、光学積層体の端辺ごと切削又は切断してもよい。端部処理の方法では、例えば、切削量又は切断量を調整すること、基材付き光学積層体にかける圧力を調整すること、及び/又は粘着シートの弾性率(貯蔵弾性率)を調整すること、によって、第二粘着シートの端部の形状、及び第二粘着シートの端部と第二光学フィルムの側面との距離を調節できる。
 基材付き光学積層体11Aにおいて、基材付き光学積層体の片面又は両面から、粘着シートの厚み方向外側に基材付き光学積層体を引っ張ることによって、第二粘着シート4Aの端部が基材付き光学積層体11Aの側面11aよりも内側に位置するように第二粘着シート4Aを作製してもよい。
 基材付き光学積層体11Aにおいて、第二粘着シート4Aの端部の少なくとも一部が基材付き光学積層体11Aの側面11aよりも内側に位置していてもよい。基材付き光学積層体11Aの側面11aよりも内側に位置する第二粘着シート4の端部は、第二光学フィルム3の全周囲長さの1/2以上に形成されていてもよく、全周囲長さの3/4以上に形成されていてもよい。
 第二粘着シートの端部が有しうる形状の別の例を図4~6に示す。図4は、基材付き光学積層体の別の一例を示す模式的な断面図である。図4に示すように、基材付き光学積層体11Bは、光学積層体10D及び基材8を備える。基材付き光学積層体11Bは、光学積層体10Dの第二粘着シート4Bに基材8が積層された構成を有する。基材付き光学積層体11Bにおいて、光学積層体10Dの積層方向に直交する方向から観察したとき、第二粘着シート4Bの端部は、内側に凸となるように湾曲した曲面4tを有する。
 図5は、基材付き光学積層体の別の一例を示す模式的な断面図である。図5に示すように、基材付き光学積層体11Cは、光学積層体10E及び基材8を備える。基材付き光学積層体11Cは、光学積層体10Eの第二粘着シート4Cに基材8が積層された構成を有する。光学積層体10Eの積層方向に直交する方向における第二粘着シート4Cの長さは、第二光学フィルム3から基材8に向かうにつれて増加している。すなわち、光学積層体10Eの積層方向に直交する方向において、基材付き光学積層体11Cの側面11cと第二粘着シート4Cの側面4uとの距離は、第二光学フィルム3から基材8に向かうにつれて減少している。
 図6は、基材付き光学積層体の別の一例を示す模式的な断面図である。図6に示すように、基材付き光学積層体11Dは、光学積層体10F及び基材8を備える。基材付き光学積層体11Dは、光学積層体10Fの第二粘着シート4Dに基材8が積層された構成を有する。光学積層体10Fの積層方向に直交する方向における第二粘着シート4Dの長さは、第二光学フィルム3から基材8に向かうにつれて減少している。すなわち、光学積層体10Fの積層方向に直交する方向において、基材付き光学積層体11Dの側面11dと第二粘着シート4Dの側面4vとの距離は、第二光学フィルム3から基材8に向かうにつれて増加している。
 図4~6では、第二粘着シート4B~4Dの端部の少なくとも一部が、光学積層体10D~10Fの側面11b~11dよりも内側に位置している。基材付き光学積層体11B~11Dにおいて、第二粘着シート4B~4Dの端部の少なくとも一部は、光学積層体10D~10Fの側面11b~11dに接していてもよく、光学積層体の積層方向に直交する方向において光学積層体10D~10Fの側面11b~11dより外側に位置していてもよい。
 光学積層体の積層方向に直交する方向において、第一粘着シート2の端部のすべてが内側に位置していてもよい。第一粘着シート2の端部の少なくとも一部が、第二光学フィルム3の側面よりも内側に位置していてもよい。加えて、これらの基材付き光学積層体11A~11Dにおいて、第一粘着シートの端部の形状と、第二粘着シートの端部の形状とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
 図3~6において、第二粘着シートの端部が有する面と第二光学フィルムの側面と最大距離Lは、例えば、2μm以上であり、4μm以上、5μm以上、さらには7μm以上であってもよい。最大距離Lの上限値は、100μmであってもよく、50μmであってもよく、30μmであってもよく、20μmであってもよく、15μmであってもよい。最大距離Lは、光学積層体の積層方向に直交する方向において、第二粘着シートの側面と第二光学フィルムの側面との距離の最大値を意味する。最大距離Lを適切に調節することによって、リワーク性をより向上させることができる。なお、最大距離Lは、例えば、第二粘着シートの厚みT2、第二粘着シートの貯蔵弾性率、粘着剤組成物(I)に含まれるオリゴマーの有無、光学積層体を加圧する際の圧力等の条件を調節することにより調節可能である。
[画像表示装置]
 図7は、画像表示装置の一例を示す模式的な断面図である。図7の画像表示装置20Aは、基板7、画像形成層(例えば有機EL層又は液晶層)6、及び光学積層体10Aを備える。詳細には、画像表示装置20Aは、基板7、画像形成層6、第二粘着シート4、第二光学フィルム3、第一粘着シート2、及び第一光学フィルム1がこの順に積層された積層構造を有している。画像表示装置20Aは、光学積層体10Aに代えて、図2~図6に記載された光学積層体10B~10Fを有していてもよい。基板7及び画像形成層6は、公知の画像表示装置が備える基板及び画像形成層と、それぞれ同様の構成を有していてもよい。
 図7の画像表示装置20Aは、有機ELディスプレイであってもよく、液晶ディスプレイであってもよい。ただし、画像表示装置11はこの例に限定されない。画像表示装置11は、エレクトロルミネセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)等であってもよい。画像表示装置11は、家電用途、車載用途、パブリックインフォメーションディスプレイ(PID)用途等に用いてもよい。
 画像表示装置は、上記した粘着シート、及び/又は上記した光学積層体を備える限り、任意の構成を有しうる。
 画像表示装置は、狭額縁の画像表示装置であってもよい。このような画像表示装置の一例を図8に示す。図8は、画像表示装置の別の一例を模式的に示す断面図である。図8の画像表示装置20Bは、基板7、画像形成層6、及び光学積層体10Aがこの順に積層された積層構造を有している。詳細には、画像表示装置20Bは、基板7、画像形成層6、第二粘着シート4、第二光学フィルム3、第一粘着シート2、及び第一光学フィルム1がこの順に積層された積層構造を有している。図8に示すように、画像表示装置20Bは、画像形成層6の側面と光学積層体10Aの側面との間に距離Wを有することを除き、画像表示装置20Aと同様の構成を有する。画像表示装置20Bは、光学積層体10Aに代えて、図2~図6に記載された光学積層体10B~10Fを有していてもよい。
 画像表示装置20Bにおいて、画像形成層6の側面6sと光学積層体10Aの側面10sとの間の距離Wは、例えば、5.0mm以下であり、3.0mm以下、2.0mm以下、1.0mm以下、0.7mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、さらには0.1mm以下であってもよい。距離Wの下限値は、例えば、0mmである。本実施形態に係る画像表示装置によれば、画像表示装置20Bが光学積層体10Aを備えるので、狭額縁化した場合であっても、光学積層体10Aを画像形成層6から剥離させることが可能になる。
[光学積層体の剥離方法]
 次に、画像表示装置において、画像形成層から光学積層体を剥離する方法を説明する。
 上記したとおり、画像表示装置20Aは、例えば、画像形成層6に光学積層体10Aが積層された構造を有している。画像表示装置20Aにおいて、画像形成層6から光学積層体10Aの剥離は、例えば、(i)きっかけを作製することと、(ii)きっかけを手で引っ張ることにより光学積層体10Aを画像形成層6から剥離することと、を含む。
 (i)の工程において、きっかけは、例えば、光学積層体10Aにおいて、第一粘着シート2と第二光学フィルム3との間の光学積層体10Aの端部を剥離することによって作製される。きっかけは、例えば、第一粘着シート2と第二光学フィルム3との間にカッターナイフ及びスクレーパー等のリワーク治具の刃の先端を差し込むことにより作製される。
 このようにして作製されたきっかけを有する画像表示装置を図9に示す。図9は、きっかけが作製された画像表示装置の一例を示す模式的な断面図である。図9に示すように、画像表示装置20Cにおいて、第一粘着シート2の端部が第二光学フィルム3から剥離し、きっかけ30aが作製される。きっかけ30aは、例えば、第一光学フィルム1の端部及び第一粘着シート2の端部を含む。
 きっかけの作製は、室温で実施してもよく、画像表示装置20Cを加熱した状態で実施してもよい。画像表示装置20Cの加熱温度は、特定の温度に限定されず、例えば、70℃~100℃である。画像表示装置20Cの加熱時間は、特定の時間に限定されず、例えば、1秒~30秒である。画像表示装置20Cの加熱は、例えば、画像表示装置20Cをホットプレートに配置することによりなされる。
 (ii)の工程では、画像形成層6から光学積層体10Aを剥離する。画像形成層6から光学積層体10Aの剥離は、例えば、加温状態で実施する。すなわち、画像表示装置20Cをホットプレートに配置した状態で、画像形成層6から光学積層体10Aを剥離する。きっかけ30aを手で持った状態で、例えば、画像形成層6に対して180°の角度できっかけ30aを引っ張ることによって、光学積層体10Aを画像形成層6から剥離できる。(ii)の工程において、画像表示装置20Cの加熱温度は、特定の温度に限定されず、例えば、70℃~100℃である。
 なお、図9では、画像表示装置20Cにおいて、画像形成層6に光学積層体10Aが積層された画像表示装置20Cについて、画像形成層から光学積層体を剥離する方法を述べたが、同様の方法を、光学積層体10B~10Fが積層された画像表示装置にも適用できる。
 以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
 以下の説明に示す略称又は名称と化合物との対応は、次のとおりである。
 BA:n-ブチルアクリレート
 BzA:ベンジルアクリレート
 PEA:フェノキシエチルアクリレート
 AA:アクリル酸
 HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート
 ACMO:N-アクリロイルモルホリン
 AIBN:2,2’-アゾビスイソブチロニトリル
 C/L:トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(イソシアネート系架橋剤、東ソー社製、コロネートL)
 過酸化物:ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製、ナイパーBMT)
 KBM-403:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、信越化学工業社製)
 SAT-10:反応性シリル基を有するポリエーテル化合物(カネカ社製、サイリルSAT10)
[位相差フィルムR1]
 位相差フィルムR1は、ポリカーボネート樹脂フィルム(樹脂フィルムの延伸フィルム、帝人社製、ピュアエースRM)を使用した。なお、位相差フィルムR1の両面には、予めコロナ処理が実施されていた。
[位相差フィルムR2]
 位相差フィルムR2は以下のとおり作製した。
(第1の位相差フィルムの作製)
 イソソルビド(ISB)26.2重量部、9,9-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BHEPF)100.5重量部、1,4-シクロヘキサンジメタノール(1,4-CHDM)10.7重量部、ジフェニルカーボネート(DPC)105.1重量部、及び触媒として炭酸セシウム(0.2重量%水溶液)0.591重量部を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて溶解させた(約15分)。このとき、反応容器の熱媒温度は150℃とし、必要に応じて撹拌を実施した。次に、反応容器内の圧力を13.3kPaに減圧すると共に、熱媒温度を190℃まで1時間で上昇させた。熱媒温度の上昇に伴って発生するフェノールは、反応容器外へ抜き出した(以下、同じ)。次に、反応容器内の温度を190℃で15分保持した後、反応容器内の圧力を6.67kPaに変更すると共に、熱媒温度を230℃まで15分で上昇させた。反応容器が備える撹拌機の撹拌トルクが上昇してきた時点で、熱媒温度を250℃まで8分で上昇させ、更に、反応容器内の圧力を0.200kPa以下とした。所定の撹拌トルクに到達後、反応を終了させ、生成した反応物を水中に押し出してペレット化した。このようにして、BHEPF/ISB/1,4-CHDM=47.4モル%/37.1モル%/15.5モル%の組成を有するポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は136.6℃であり、還元粘度は0.395dL/gであった。
 作製したポリカーボネート樹脂のペレットを80℃で5時間真空乾燥した後、単軸押出機(いすず化工機社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度220℃)、Tダイ(幅200mm、設定温度220℃)、チルロール(設定温度120~130℃)及び巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚さ120μmの長尺状の樹脂フィルムを得た。次に、得られた樹脂フィルムを、テンター延伸機により、延伸温度137~139℃、延伸倍率2.5倍で幅方向に延伸して、第1の位相差フィルムを得た。
(第2の位相差フィルムの作製)
 下記化学式(I)(式中、65及び35は、各構成単位のモル%)により示される側鎖型液晶ポリマー(重量平均分子量5000)20重量部、ネマチック液晶相を示す重合性液晶(BASF社製、商品名「PaliocolorLC242」)80重量部、及び光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名「イルガキュア907」)5重量部をシクロペンタノン200重量部に溶解して、液晶塗布液を調製した。次に、基材フィルムであるノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオネックス」)の表面に、調製した液晶塗布液をバーコーターにより塗布した後、80℃で4分間、加熱及び乾燥させて、塗布膜に含まれる液晶を配向させた。次に、紫外線の照射により塗布膜を硬化させて、第2の位相差フィルムである液晶固化層(厚さ0.58μm)を基材フィルム上に形成した。波長550nmの光に対する液晶固化層の面内位相差Reは0nm、厚さ方向の位相差Rthは-71nmであり(nx=1.5326、ny=1.5326、nz=1.6550)、液晶固化層は、nz>nx=nyの屈折率特性を示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
(位相差フィルムR2の作製)
 上記作製した第1の位相差フィルムの一方の面と、第2の位相差フィルムの液晶固化層とを接着剤を介して貼り合わせて、位相差フィルムR2を作製した。なお、実施例5A及び5Bでは、第一粘着シート、位相差フィルムR2、及び第二粘着シートがこの順に積層されていた。すなわち、実施例5A及び5Bでは、第一粘着シート、第1の位相差フィルム、粘着剤、第2の位相差フィルム、第二粘着シートがこの順に積層されていた。第1の位相差フィルムの第一粘着シートが積層された面には、予めコロナ処理が実施されていた。第2の位相差フィルムの第二粘着シートが積層された面には、コロナ処理が実施されていなかった。
 実施例及び比較例において作製した(メタ)アクリル系ポリマー、第一粘着シート、第二粘着シート、及び光学積層体の評価方法を示す。
[重量平均分子量(Mw)]
 (メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、GPCにより、以下の条件にて評価した。
 ・分析装置:Waters製、Acquity APC
 ・カラム:東ソー社製、G7000HXL+GMHXL+GMHXL
 ・カラム温度:40℃
 ・溶離液:テトラヒドロフラン(酸添加)
 ・流速:0.8mL/分
 ・注入量:100μL
 ・検出器:示差屈折計(RI)
 ・標準試料:Agilent社製、ポリスチレン(PS)
[貯蔵弾性率GA’(23℃)]
 第一粘着シートの23℃における貯蔵弾性率GA’(23℃)は、以下の方法により評価した。まず、測定用サンプルを準備した。測定用サンプルは、複数の第一粘着シートが積層された積層体を円盤状に打ち抜いたものを使用した。測定用サンプルの底面の直径は8mmであり、測定用サンプルの厚さは1mmであった。次に、測定用サンプルについて、動的粘弾性測定を実施した。動的粘弾性測定には、TA Instruments製、ARES-G2を用いた。動的粘弾性測定の結果から、第一粘着シートの23℃における貯蔵弾性率GA’を求めた。なお、動的粘弾性測定の条件は、以下のとおりであった。
・測定条件
 周波数:1Hz
 変形モード:ねじり
 測定温度:-70℃~150℃
 昇温速度:5℃/分
[貯蔵弾性率GB’(23℃)]
 第二粘着シートの23℃における貯蔵弾性率GB’は、以下の方法により評価した。まず、測定用サンプルを準備した。測定用サンプルは、複数の第二粘着シートが積層された積層体を円盤状に打ち抜いたものを使用した。測定用サンプルの底面の直径は8mmであり、測定用サンプルの厚さは1mmであった。この測定用サンプルを使用したことを除き、上記[貯蔵弾性率GA’(23℃)]と同じ方法により、第二粘着シートの23℃における貯蔵弾性率GB’(23℃)を求めた。
[密着力Fの測定]
・F1(23℃)及びF0(23℃)
 実施例及び比較例に係る剥離フィルム付き光学積層体を、幅25mm及び長さ100mmのサイズに切り出し、剥離フィルムを剥がし、両面テープ(日東電工社製、No.500)を介して、ソーダガラス板(松浪硝子社製、S200423)に固定してガラス付き光学積層体Aを作製した。
 次に、ガラス付き光学積層体Aにおいて、第一粘着シートと第二光学フィルム(位相差フィルム)との間にカッターの刃を挿入してきっかけを作製した。きっかけを作製後、直ちに90°引きはがし粘着力を測定した。90°引きはがし粘着力の測定は、引張試験機(装置名:精密万能試験機、オートグラフAG-IS、島津製作所社製)を使用して、剥離角度90度、引張速度300mm/分の条件で実施した。
・F1(80℃)
 ガラス付き光学積層体Aのガラス側がホットプレートに接するように、ガラス付き光学積層体Aを、80℃に設定したホットプレート上に15秒間静置させた。その後直ちに第一粘着シートと第二光学フィルム(位相差フィルム)との間にカッターの刃を挿入してきっかけを作製した。きっかけを作製後、直ちに90°引きはがし粘着力を測定した。90°引きはがし粘着力の測定条件は、上記のとおりとした。
[接着力Gの測定]
・G0(23℃)
 実施例及び比較例に係る剥離フィルム付き光学積層体を、幅25mm及び長さ100mmのサイズに切り出し、剥離フィルムを剥がし、無アルカリガラス板(コーニング社製、EagleXG)に固定してガラス付き光学積層体Bを作製した。ガラス付き光学積層体Bを、50℃及び5気圧(絶対圧)のオートクレーブ内に15分間収容して第二粘着シートと無アルカリガラス板との接合を均質化させた。ガラス付き光学積層体Bをオートクレーブから取り出して、23℃の条件下に20分間静置させた。その後、直ちに第二粘着シートと無アルカリガラス板との間にカッターの刃を挿入してきっかけを作製した。きっかけを作製後、直ちに90°引きはがし粘着力を測定した。90°引きはがし粘着力の測定条件は、上記のとおりとした。
・G2(23℃)
 ガラス付き光学積層体Bをオートクレーブから取り出して、23℃及び55%RHの条件下に2週間静置させたことを除き、上記G0(23℃)の測定方法と同じ方法で、G2(23℃)を測定した。
・G0(80℃)
 ガラス付き光学積層体Bを、50℃及び5気圧(絶対圧)のオートクレーブ内に15分間収容して第二粘着シートと無アルカリガラス板との接合を均質化させた。ガラス付き光学積層体Bをオートクレーブから取り出して、23℃の条件下に20分間静置させた。その後、直ちに、ガラス付き光学積層体Bのガラス側がホットプレートに接するように、ガラス付き光学積層体Bを、80℃に設定したホットプレート上に15秒間静置させた。その後、直ちに第二粘着シートと無アルカリガラス板との間にカッターの刃を挿入してきっかけを作製した。きっかけを作製後、直ちに90°引きはがし粘着力を測定した。90°引きはがし粘着力の測定条件は、上記のとおりとした。
[膜厚]
 第一粘着シートの厚み及び第二粘着シートの厚みは、ダイヤルゲージ(ミツトヨ社製)を用いて測定した。
[層間剥離後のリワークの成功率]
 ガラス付き光学積層体のリワーク性(層間剥離後のリワークの成功率)は、以下の方法により評価した。まず、各実施例及び比較例に係るガラス付き光学積層体の、第一粘着シートと位相差フィルムとの間にリワーク治具の刃を挿入して、第一粘着シートと位相差フィルムとの間の光学積層体の端部で層間剥離を生じさせることによってきっかけを作製した。きっかけは、第一粘着シート及び第一光学フィルム(偏光フィルム)を含んでいた。次に、ガラス付き光学積層体のガラス側がホットプレートに接するように、80℃に設定したホットプレート上に、ガラス付き光学積層体を15秒間静置させた。その後直ちに、80℃に設定したホットプレート上で、きっかけを手で持った状態で、ガラスに対して180°の角度できっかけを引っ張ることによって光学積層体をガラスから剥離した。このとき、光学積層体の一部がガラスに残存せずに光学積層体をガラスから剥離できた場合を「成功」として評価した。各実施例及び比較例について上記評価を10回実施して、以下のように、リワーク性を評価した。
 A:層間剥離後のリワークの成功率が100%
 B:層間剥離後のリワークの成功率が80%以上90%以下
 C:層間剥離後のリワークの成功率が50%以上70%以下
 D:層間剥離後のリワークの成功率が40%以下
[端部処理]
 実施例及び比較例に係る剥離フィルム付き光学積層体を100枚積層させて端部処理用積層体を作製した。端部処理用積層体の積層方向の上下から万力状の治具にて端部処理用積層体を固定した。端部処理用積層体の端辺から第二粘着シートがはみ出るように加圧した状態で、端部処理用積層体の積層方向に直交する方向において端部処理用積層体の端辺から1.0mm内側を、回転刃を用いて端部処理用積層体とともに第二粘着シートごと切削した。このようにして、端部を処理した、剥離フィルム付き光学積層体(以下、「端部処理された光学積層体」と称する)を作製した。表3及び4において、「Y」は端部処理を実施したことを示し、「N」は、端部処理を実施していないことを示す。
[(メタ)アクリル系ポリマーA1の作製]
 攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート(BA)79.9重量部、ベンジルアクリレート(BzA)15重量部、アクリル酸(AA)5重量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)0.1重量部を含有する単量体混合物を仕込んだ。さらに、単量体混合物100重量部に対して、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1重量部を酢酸エチルと共に仕込み反応溶液を調製した。この反応溶液を緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って7時間重合反応を行った。重合反応後の溶液に酢酸エチルを加えて、固形分濃度30%に調整して、(メタ)アクリル系ポリマーA1の溶液を得た。
[(メタ)アクリル系ポリマーA2及びA3]
 使用する単量体を表1のように変更したことを除き、(メタ)アクリル系ポリマーA1と同じ方法で、(メタ)アクリル系ポリマーA2及びA3の溶液を調製した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 [粘着剤組成物B1~B6の調製]
 以下の表2に示す組成となるように、(メタ)アクリル系ポリマー、架橋剤、及び添加剤を混合して、溶剤型の粘着剤組成物B1~B6を得た。表2において、配合量の単位は、質量部である。また、乾燥温度は、粘着剤組成物から粘着シートを形成するときの乾燥温度を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
[偏光フィルムP1の作製]
 偏光フィルムP1の作製において、まず偏光子を以下のとおり作製した。長尺状のポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルム(クラレ社製、製品名「PE3000」、厚さ30μm)を、ロール延伸機を用いて長手方向に一軸延伸(総延伸倍率5.9倍)すると同時に、上記樹脂フィルムに対して膨潤、染色、架橋、洗浄及び乾燥の各処理を順に施して、厚さ12μmの偏光子を作製した。膨潤処理では、上記樹脂フィルムを20℃の純水で処理しながら2.2倍延伸した。染色処理では、ヨウ素及びヨウ化カリウムを重量比1:7で含有する30℃の水溶液で処理しながら、上記樹脂フィルムを1.4倍延伸した。水溶液中のヨウ素濃度は、作製する偏光子の単体透過率が45.0%となるように調整された。架橋処理には、2段階処理を採用した。1段階目の架橋処理では、ホウ酸及びヨウ化カリウムを溶解させた40℃の水溶液で処理しながら、上記樹脂フィルムを1.2倍延伸した。1段階目の架橋処理に用いた水溶液におけるホウ酸の含有率は5.0重量%、ヨウ化カリウムの含有率は3.0重量%とした。2段階目の架橋処理では、ホウ酸及びヨウ化カリウムを溶解させた65℃の水溶液で処理しながら、上記樹脂フィルムを1.6倍延伸した。2段階目の架橋処理に用いた水溶液におけるホウ酸の含有率は4.3重量%、ヨウ化カリウムの含有率は5.0重量%とした。洗浄処理には、20℃のヨウ化カリウム水溶液を用いた。洗浄処理に用いた水溶液におけるヨウ化カリウムの含有率は2.6重量%とした。乾燥処理は、70℃及び5分間の乾燥条件で実施した。
 上記作製した偏光子の各主面に、それぞれ、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタ社製、製品名「KC2UA」、厚さ25μm)をポリビニルアルコール系接着剤により貼り合わせた。ただし、一方の主面に貼り合わせたTACフィルムには、偏光子側とは反対側の主面にハードコート(厚さ7μm)が形成されていた。このようにして、ハードコート付き保護層/偏光子/保護層(ハードコートなし)の構成を有する偏光フィルムP1を得た。
[光学積層体の作製]
(実施例1)
 上記で作製した粘着剤組成物B1を、剥離面にシリコーン処理が施された剥離フィルムである、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、MRF38)の剥離面に対して、乾燥後の層の厚さが12μmとなるように塗布し、155℃で1分間乾燥処理して、剥離フィルムの表面に第一粘着シートを形成した。
 次に、剥離フィルムの表面に形成した第一粘着シートを偏光フィルムP1に転写して、剥離フィルム、第一粘着シート、及び偏光フィルムがこの順に積層された、第一粘着シート付き偏光フィルムaを作製した。第一粘着シート付き偏光フィルムaから剥離フィルムを剥離して第一粘着シートを露出させた。その後、第一粘着シートの偏光フィルムが形成されていない面に、コロナ処理を実施して第一粘着シート付き偏光フィルムbを作製した。コロナ出力は、10kJ/m2であった。
 これとは別に、上記で作製した粘着剤組成物B2を、剥離面にシリコーン処理が施された剥離フィルムである、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、MRF38)の剥離面に対して、乾燥後の層の厚さが15μmとなるように塗布し、155℃で1分間乾燥処理して、剥離フィルムの表面に第二粘着シートを形成した。
 次に、剥離フィルムの表面に形成した第二粘着シートを位相差フィルムR1に転写して、剥離フィルム、第二粘着シート、及び位相差フィルムR1がこの順に積層された、第二粘着シート付き位相差フィルムaを作製した。位相差フィルムR1に第二粘着シートを転写させる前に、位相差フィルムR1の第二粘着シートが形成される面に、コロナ処理を実施した。
 第二粘着シート付き位相差フィルムaにおいて、位相差フィルムR1の第二粘着シートが形成されていない面(背面)に、コロナ処理を実施して、第二粘着シート付き位相差フィルムbを作製した。コロナ出力は、7kJ/m2であった。
 そして、第一粘着シート付き偏光フィルムbと第二粘着シート付き位相差フィルムbとを、偏光フィルム、第一粘着シート、位相差フィルムR1、第二粘着シート、及び剥離フィルムがこの順に積層するように組み合わせて、剥離フィルム付き光学積層体を作製した。その後、剥離フィルム付き光学積層体から剥離フィルムを剥離して、第二粘着シートを露出させた、実施例1に係る光学積層体を得た。そして、第二粘着シートの位相差フィルムR1が積層されていない面にガラス(無アルカリガラス板、コーニング社製、EAGLE XG)を積層させた。第二粘着シートとガラスとは、2kgのローラを1往復させることによって貼り合わせた。次に、ガラスが貼り合わされた光学積層体を、50℃及び5気圧(絶対圧)のオートクレーブ内に15分間収容して第二粘着シート4と無アルカリガラスとの接合を均質化させた。このようにして、実施例1に係るガラス付き光学積層体を作製した。なお、実施例1に係るガラス付き光学積層体において、ガラスの側面と位相差フィルムの側面との距離は、0.5mm以内であった。
(実施例2~8、及び比較例1~11)
 以下の表3及び4に記載された、第一粘着シート、位相差フィルム、及び第二粘着シートを使用して、実施例1と同じ方法で、各実施例及び比較例に係る、ガラス付き光学積層体を作製した。ただし、比較例1~11では、第一粘着シートの偏光フィルムが形成されていない面にコロナ処理を実施しなかった。比較例1~8で作製した光学積層体は、それぞれ、第一粘着シートの位相差フィルムが形成されていない面にコロナ処理を実施しなかったことを除き、実施例1~8で作製した光学積層体と同じ構成を有する。
 表7に記載された、F1(23℃)/F0(23℃)の算出において、実施例1では、F1(23℃)は、実施例1の値を使用し、F0(23℃)は、比較例1の値を使用した。実施例2以降も同様である。
 表7及び8において、「リワーク」は、上記[層間剥離後のリワークの成功率]の評価結果を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 表7及び8に示すように、各実施例では、比較例に比べてリワーク性が向上した光学積層体を得ることができた。加えて、各実施例では、光学積層体をガラスから剥離した後に、位相差フィルム及び偏光フィルムが破断していなかった。一方、各比較例では、光学積層体をガラスから剥離した後に、位相差フィルム及び偏光フィルムが破断した。
 本発明の光学積層体は、例えば、画像表示装置に用いることができる。
 

Claims (9)

  1.  第一光学フィルム、第一粘着シート、第二光学フィルム、及び第二粘着シートがこの順に積層された光学積層体であって、
     前記第一粘着シートの前記第二光学フィルムが積層された表面に表面改質処理がなされており、
     前記第一粘着シートと前記第二光学フィルムとの80℃における密着力をF1(80℃)と定義し、
     前記第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせた際の、前記第二粘着シートと前記無アルカリガラスとの80℃における初期接着力をG0(80℃)と定義したとき、以下の式(1)を満たす、光学積層体。
    1(80℃)/G0(80℃)≧2   (1)
  2.  前記第一粘着シートと前記第二光学フィルムとの23℃における密着力をF1(23℃)と定義し、
     第一粘着シートの第二光学フィルムが積層された表面に表面改質処理がなされていない場合の、前記第一粘着シートと前記第二光学フィルムとの23℃における密着力をF0(23℃)と定義したとき、
     以下の式(2)を満たす、請求項1に記載の光学積層体。
    1(23℃)/F0(23℃)>1.30   (2)
  3.  前記表面改質処理がコロナ処理である、請求項1に記載の光学積層体。
  4.  前記第一粘着シートと前記第二光学フィルムとの23℃における密着力をF1(23℃)と定義し、
     前記第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせた際の、前記第二粘着シートと前記無アルカリガラスとの23℃における初期接着力をG0(23℃)と定義したとき、以下の式(3)を満たす、請求項1に記載の光学積層体。
    1(23℃)/G0(23℃)≧1.2   (3)
  5.  前記第二粘着シートの厚みT2が、8μm以上である、請求項1に記載の光学積層体。
  6.  前記第二粘着シートの厚みT2と、前記第一粘着シートの厚みT1とが、T2/T1≧1.1を満たす、請求項1に記載の光学積層体。
  7.  前記第一粘着シートの23℃における貯蔵弾性率GA’(23℃)と、前記第二粘着シートの23℃における貯蔵弾性率GB’(23℃)とが、GA’(23℃)/GB’(23℃)≧1.1を満たす、請求項1に記載の光学積層体。
  8.  前記第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせた際の、前記第二粘着シートと前記無アルカリガラスとの23℃における初期接着力をG0(23℃)と定義し、
     前記第二粘着シートを無アルカリガラスに貼り合わせて、23℃で2週間経過したときの、前記第二粘着シートと前記無アルカリガラスとの23℃における接着力をG2(23℃)と定義したとき、G2(23℃)/G0(23℃)≦1.5を満たす、請求項1に記載の光学積層体。
  9.  請求項1~8のいずれか1項に記載の光学積層体と、画像形成層と、を備える、画像表示装置。
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