JPH11293143A - 層状無機化合物分散体 - Google Patents

層状無機化合物分散体

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JPH11293143A
JPH11293143A JP9770098A JP9770098A JPH11293143A JP H11293143 A JPH11293143 A JP H11293143A JP 9770098 A JP9770098 A JP 9770098A JP 9770098 A JP9770098 A JP 9770098A JP H11293143 A JPH11293143 A JP H11293143A
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inorganic compound
layered inorganic
dispersion
polymer
carbon
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JP9770098A
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English (en)
Inventor
Kayoko Takino
佳洋子 瀧野
Haruo Asai
治夫 浅井
Nobuyuki Kinami
信之 木南
Tokuaki Koseki
徳昭 小関
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層状無機化合物の分散性をより向上させ、力
学物性・耐熱性の向上が期待される有機高分子用の原料
として有用な分散体の提供。 【解決手段】 25℃における粘度が15センチポイズ
以下の液体中、特定の有機化合物(たとえばマレイン酸
など)および/またはその重合体の存在下で、層状無機
化合物に超音波振動を与えることにより、層間が広げら
れた層状無機化合物を含有する分散体が得られる。 【効果】 層状無機化合物の層間が広げられるので、液
体中で層状無機化合物が均一に分散し、分散体自体の粘
度が高くなる。得られた分散液は、そのまま高分子材料
の強化材や結晶核剤として用いることができるので、産
業界に寄与すること大である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、層間が広げられた
層状無機化合物を含有する分散体に関するものである。
層間が広げられた層状無機化合物は、有機高分子の結晶
化の促進・補強効果により性能向上が期待される分野、
例えばポリエステル、アクリル系樹脂、フェノール系樹
脂、ポリウレタン、ナイロンなどの有機高分子材料の分
野における強化材や結晶核剤として利用されるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】上記の分野において、力学強度や耐熱性
を改良する目的で、炭酸カルシウム、粘土鉱物、雲母な
どの無機質材料を有機高分子中に混合・混練することが
行われている。しかしながら、これらの無機質材料は単
に混合・混練するだけでは無機質材料が微細粒子となり
難く分散しないので、満足すべき特性を有するものは得
られていない。そのためモンモリロナイトやフッ素雲母
系膨潤性粘土鉱物を化学処理して微粒子化を試み、有機
高分子中への均一分散を狙った発明について多くの特許
出願がなされている。
【0003】それらの例として、特開昭62−7495
7号公報、特開平2−173160号公報、特開平3−
7729号公報、特開平3−41149号公報、特開平
8−3310号公報、特開平8−59822号公報、特
開平8−120071号公報、特開平8−134205
号公報が挙げられる。しかしながら、これらの手法で対
処しても実際は充分満足すべき分散性が得られていない
のが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来報告さ
れている手法で得られる層状無機化合物の分散性をより
向上させ、力学物性・耐熱性の向上が期待される有機高
分子用の原料として有用な分散体を提供しようとするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成するため鋭意研究した結果、特定の化合物およ
び/またはその重合体が存在することにより、層状無機
化合物の層間が広げられ、有機高分子中へ均一に分散
し、有機高分子の力学強度・耐熱性を向上させることが
期待できることを見出し、遂に本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、25℃における粘度
が15センチポイズ以下の液体中、炭素炭素二重結合、
炭素炭素三重結合、エステル結合、アミド結合、エーテ
ル結合から選ばれた化学結合、水酸基、カルボキシル
基、アミノ基から選ばれた官能基、リン原子、窒素原子
から選ばれた原子のうち少なくとも一種の化学結合およ
び/もしくは官能基および/もしくは原子を有する少な
くとも一種の有機化合物(以下、「特定の有機化合物」
ともいう。)ならびに/またはその重合体の存在下で超
音波振動を与えることにより層間が広げられた層状無機
化合物と、前記液体と、特定の有機化合物および/また
はその重合体とを含有することを特徴とする層状無機化
合物分散体である。
【0007】本発明の好適な態様は、上記の層状無機化
合物分散体において、超音波振動の振動数が20KHz
〜500KHzである態様、および層状無機化合物の層
間に、Na、Li、K、NH4 、Cs、Ca、Mg、S
r、Ba、Rbから選ばれる一種以上のイオンもしくは
その水和物が存在する態様である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の層状無機化合物分散体は、層状無機化合物を含
有する。層状無機化合物は、25℃における粘度が15
センチポイズ以下の液体中、特定の有機化合物および/
またはその重合体の存在下で超音波振動を与えることに
より層間が広げられた層状無機化合物である。
【0009】「25℃における粘度が15センチポイズ
以下の液体」としては特に限定されないが、超音波振動
を伝えることが可能な液体が好ましく、さらに好ましく
は25℃における粘度が10センチポイズ以下の液体で
ある。25℃における粘度が15センチポイズを越える
と、層状無機化合物が凝集したままの状態となり、超音
波が均一に伝えられないおそれがある。粘度は、東京計
器(株)製のB型粘度測定器を用いて測定され、25℃
(1atm)、60回転/分、ローターNo1の条件
で、3分間回転させた後に測定されるものである。
【0010】25℃における粘度が15センチポイズ以
下の液体には、水、アルカリ性水溶液、アルカリ性水分
散液、酸性水溶液、酸性水分散液が包含される。また、
ハロゲン基、水酸基、エーテル基、アルデヒド基、カル
ボニル基、カルボキシル基、エステル基、チオール基、
スルホン酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基などを単
独もしくは複数含む化合物の水溶液または水分散液が包
含される。さらに、気体(例えば酸素、窒素、二酸化炭
素など)を含んだ水溶液または水分散液が包含される。
具体的には、塩酸、水酸化ナトリウム、エチルエーテ
ル、酢酸ナトリウム、酢酸、硫酸、アミノ酸、メチルア
ルコールなど、さらにこれらを含む水溶液または水分散
液などが挙げられる。
【0011】本発明における層状無機化合物とは、原子
が共有結合によって強く結合して密に配列した面がファ
ンデルワールスなどの弱い結合によって平行に積み重な
った構造をもつ物であり、層状の構造体であれば特に限
定はされない。一般に無機充填剤として用いられるも
の、例えば粘土鉱物、雲母(白雲母、黒雲母、合成フッ
素雲母など)などが挙げられ、これらは天然品でも合成
品のどちらでも良い。
【0012】具体的には、天然または合成の、ヘクトラ
イト、サポナイト、スチブンサイト、ハイデライト、モ
ンモリロナイト、ノントライト、ベントナイトなどのス
メクタイト属粘土鉱物、Na型テトラシリシックフッ素
雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ
素テニオライト、Li型フッ素テニオライトなどの膨潤
性雲母属粘土鉱物およびバーミキュラライトまたはこれ
らの混合物が挙げられる。
【0013】市販品としては、ラポナイトXLG(英
国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物質)、ラポナ
イトRD(英国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物
質)、サーマビス(独国、ヘンケル社製合成ヘクトライ
ト類似物質)、スメクトンSA−1(クニミネ工業
(株)製サポナイト類似物質)、ベンゲル(豊順洋行
(株)販売の天然モンモリロナイト)、クニビアF(ク
ニミネ工業(株)販売の天然モンモリロナイト)、ビー
ガム(米国、バンダービルト社製の天然ヘクトライ
ト)、ダイモナイト(トピー工業(株)製の合成膨潤性
雲母)、ソマシフ(コープケミカル(株)製の合成膨潤
性雲母)、SWN(コープケミカル(株)製の合成スメ
クタイト)、SWF(コープケミカル(株)製の合成ス
メクタイト)などが挙げられる。
【0014】上記の層状無機化合物は層面の負電荷を補
償するために、層間にリチウム、ナトリウム、カルシウ
ム、銅、アルミニウムなどのイオンもしくはその水和物
(以下「イオン等」ともいう。)を含有しているが、有
機高分子への分散の容易性の点から、層状無機化合物の
層間に、Na、Li、K、NH4 、Cs、Ca、Mg、
Sr、Ba、Rbから選ばれる一種以上のイオンもしく
はその水和物が存在するものが好ましい。特に好ましく
は、Na、Li、K、Ca、Mgのイオンもしくはその
水和物が層状無機化合物の層間に存在するものが良い。
【0015】有機高分子への分散の容易性は、上記層状
無機化合物の層間結合力によって支配され、陽イオン交
換容量から推定される。本発明において、層状無機化合
物の陽イオン交換容量としては、15〜150ミリ当量
/100gの範囲のものが好ましく、50〜150ミリ
当量/100gのものが特に好ましい。
【0016】層状無機化合物の形状、粒径などは、特に
限定されるものではなく、有機高分子への分散の状態な
どの使用目的に応じて適宜設定すれば良い。所望の形状
や大きさの形成には、ミキサー、ビスコミル、ボールミ
ルなどの一般的に使用される粉砕方法を用いることがで
きる。
【0017】上記「25℃における粘度が15センチポ
イズ以下の液体」に対する層状無機化合物の配合量は、
上記液体に対して0.01〜50重量(w/w)%、好
ましくは0.1〜20重量(w/w)%、特に1〜10
重量(w/w)%が望ましい。
【0018】本発明において、25℃における粘度が1
5センチポイズ以下の液体中、超音波振動が与えられた
層状無機化合物は、負に帯電した層状化合物の層間に、
層面の負電荷を補償する正に帯電したイオン等と、特定
の有機化合物および/またはその重合体とが共存する構
造を有している。上記イオン等と共存する有機化合物お
よび/またはその重合体は一般的には電気的に中性であ
るが、本発明においては、正の電荷を帯びていても何ら
問題はない。特定の有機化合物および/またはその重合
体は、層状無機化合物の層間に存在するイオン等と何ら
かの相互作用があり、吸着により層間にインターカレー
ト(取り込み)されているものと考えられる。
【0019】特定の有機化合物とは、特定の化学結合、
官能基および原子からなる群より選ばれる少なくとも一
種を有する有機化合物である。特定の化学結合は、炭素
炭素二重結合、炭素炭素三重結合、エステル結合、アミ
ド結合およびエーテル結合からなる群より選ばれる少な
くとも一種の化学結合である。特定の官能基は、水酸
基、カルボキシル基およびアミノ基からからなる群より
選ばれる少なくとも一種の官能基である。特定の原子
は、リン原子および窒素原子からなる群より選ばれる少
なくとも一種の原子である。特定の有機化合物は、単独
でも二種以上を混合したものであってもよい。
【0020】特定の有機化合物として、好ましくは、ア
ルケン類、アルキン類、ジエン類、アクリレート類、メ
タクリレート類、ホスホニウム塩類、アンモニウム塩
類、ホスフィン類、ホスフィンオキシド類、ラクトン
類、ラクタム類、グリコール類、ポリエーテル類が挙げ
られる。
【0021】具体的なアルケン類の例としては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、2−メチルブテン、イソブチ
レン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ビニルシ
クロヘキサン、アリルアルコール、ビニルアルコール、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、
エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられる。層
状無機化合物の層間へのインターカレートの容易性か
ら、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
【0022】具体的なアルキン類としては、アセチレ
ン、プロピン、ペンチン、ヘキシンなどが挙げられ、具
体的なジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、
1,3−シクロヘキサジエンなどが挙げられる。
【0023】具体的なアクリレート類、メタクリレート
類の例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチル
グリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ア
クリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられ、層状
化合物の層間へのインターカレートの容易性から、ヒド
ロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、アクリルアミド、メタクリルアミドが好まし
い。
【0024】具体的なホスホニウム塩類の例としては、
テトラブチルホスホニウムブロミド、オクチルトリブチ
ルホスホニウムブロミド、ヘキサデシルトリブチルホス
ホニウムブロミド、ビニルベンジルトリエチルホスホニ
ウムクロリド、ビス(ヒドロキシプロピル)オクタデシ
ルイソブチルホスホニウムクロリドなどが挙げられ、特
にテトラブチルホスホニウムブロミドが好ましい。
【0025】具体的なアンモニウム塩類の例としては、
テトラエチルアンモニウム塩、トリメチルオクチルアン
モニウム塩、6−アミノ−n−カプロン酸のアンモニウ
ム塩、12−アミノドデカン酸のアンモニウム塩、塩化
コリンなどが挙げられる。
【0026】具体的なホスフィン類の例としては、トリ
メチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−
ブチルホスフィン、トリス−3−ヒドロキシプロピルホ
スフィン、トリフェニルホスフィンなどが挙げられ、特
にトリフェニルホスフィンが好ましい。
【0027】具体的なホスフィンオキシド類の例として
は、トリメチルホスフィンオキシド、トリエチルホスフ
ィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリフ
ェニルホスフィンオキシド、トリス−3−ヒドロキシプ
ロピルホスフィンオキシドなどが挙げられ、特にトリス
−3−ヒドロキシプロピルホスフィンオキシドが好まし
い。
【0028】具体的なラクトン類の例としては、β−プ
ロピルラクトン、γ−ブチロラクトン、σ−バレロラク
トン、ε−カプロラクトンなどが挙げられ、特にε−カ
プロラクトンが好ましい。
【0029】具体的なラクタム類の例としては、σ−バ
レロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−エナントラク
タム、ω−ラウリンラクタムなどが挙げられ、特にε−
カプロラクタムが好ましい。
【0030】具体的なグリコール類の例としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−へキサンジオール、1,10−デ
カンジオールなどが挙げられ、特にエチレングリコール
が好ましい。
【0031】具体的なポリエーテル類としては、種々の
分子量を有するポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙
げられる。
【0032】本発明における特定の有機化合物の重合体
とは、特定の有機化合物が重合したポリマー、あるいは
二量体、三量体を含むオリゴマーが挙げられる。
【0033】本発明における特定の有機化合物および/
またはその重合体の配合量は、層状無機化合物100重
量部に対して0.1〜500重量部、好ましくは1〜2
50重量部、特に25〜100重量部が望ましい。
【0034】本発明においては、上記液体中、特定の有
機化合物および/またはその重合体の存在下で超音波振
動を与えることにより、層状無機化合物の層間が広げら
れる。本発明における「超音波」とは、周波数が可聴周
波領域を越えるいわゆる弾性波であり、超音波振動の振
動数は特に限定されるものではない。但し、本発明にお
いては、層状無機化合物の層間に特定の有機化合物およ
び/またはその重合体を取り込ませ、層間を広げるため
に、超音波振動の振動数が20KHz〜500KHzで
あることが好ましい。さらに20KHz〜300KH
z、特に20KHz〜100KHzが望ましい。これら
の周波数を持つ超音波は単独波であっても複合波であっ
ても構わない。
【0035】また、超音波振動の処理時間は特に制限さ
れないが、処理時間は層状無機化合物の分散性を十分な
ものとし、分散体の粘度を高めるために、可及的に長い
方が好ましい。超音波処理をする際の液体の温度は通常
は室温であるが、室温以上であっても良く、また凝固し
ない限り液体を冷却しても構わない。
【0036】層状無機化合物の層間は、取り込んだ分子
の種類や数により変化する。層状無機化合物の層間に分
子が取り込まれるにしたがって、層状無機化合物の層間
が広げられ、その媒体中では層状無機化合物の沈殿が分
散し、粘度が上昇する。本発明において層状無機化合物
の層間が広げられた状態とは、層状無機化合物の沈殿が
均一に分散し溶液を含んでゲル状になるものをいい、液
体と層状無機化合物とが分離し難くなっている状態をい
う。
【0037】本発明の層状無機化合物分散体は、層間が
広げられた層状無機化合物と、前記液体と、前記有機化
合物および/またはその重合体とを含有する。本発明の
層状無機化合物分散体は、例えば次のようにして得られ
る。まず、25℃における粘度が15センチポイズ以下
の液体に、特定の有機化合物および/またはその重合体
を溶解し、層状無機化合物を添加する。次に、ブレンダ
ーなどの混合機を用いて混合し、超音波発生器を用いて
1〜150分間処理した後、0〜100℃の浴槽に静置
する。得られた層状無機化合物分散体は、そのままで、
あるいはそれらに高分子材料の原料の一部を混合して、
高分子材料を製造する工程中に残余の高分子材料に添加
することによって、高分子材料の強化材や結晶核剤とし
て利用することができる。
【0038】前記高分子材料としては、ポリエステル、
ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリ
エーテルエステル、ポリエーテルエステルエステルアミ
ド、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン
などが挙げられ、これらのうちの少なくとも一種からな
るものが利用される。中でもポリエステルおよびポリア
ミドが汎用に利用できる。
【0039】ポリエステルとしては、芳香族ポリエステ
ル、不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂が挙げられ、
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリヘキサメ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど
が挙げられる。
【0040】また、ポリアミドとしては、脂肪族ポリア
ミド樹脂および芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。脂
肪族ポリアミド樹脂としては、ポリテトラメチレンアジ
パミド(ナイロン46)、ポリカプロラクタム(ナイロ
ン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリウンデカノラクタム(ナイロン11)、ポリ
ドデカノラクタム(ナイロン12)などが挙げられる。
芳香族ポリアミド樹脂としては、テレフタル酸および/
またはイソフタル酸とアジピン酸とヘキサメチレンジア
ミンとから得られるポリアミド、テレフタル酸および/
またはイソフタル酸とアジピン酸とメタキシリレンジア
ミンとから得られるポリアミド、共重合成分として1,
3−フェニレンジオキシジ酢酸を含む共重合ポリアミド
などが挙げられる。これらは複数種混合して用いても構
わない。
【0041】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例により詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例により得られた分散液に
ついて粘度測定および目視判定を行った。
【0042】分散液の粘度測定は、層状無機化合物を分
散させる液体の粘度測定と同様にして行った。すなわ
ち、東京計器(株)製のB型粘度測定器を用いて、25
℃(1atm)、60回転/分、ローターNo1の条件
で、3分後における分散液の粘度を測定した。目視判定
は、層状無機化合物の層間の開き具合を判定するための
ものであり、分散液の粘度を測定する直前に行った。明
らかに下部もしくは底部に層状無機化合物がすべて沈殿
しているものを「×」、一部分散した状態を保持してい
るものを「△」、均一に分散しているものを「○」、均
一に分散し溶液を含んでゲル状になるものを「◎」とし
て、表1に記載した。上記の「◎」の状態が本発明にお
ける層間が広げられた状態である。
【0043】<実施例1>層状無機化合物としてコープ
ケミカル(株)製の合成雲母ソマシフ(等級:ME10
0、陽イオン交換容量:70〜80ミリ当量/100
g、層間にNaを有する。)を用いた。25℃における
粘度が3〜4センチポイズのイオン交換水にマレイン酸
を溶解し(1mol/L)、ソマシフを5重量(w/
w)%になるように添加し、ブレンダーを用いて混合し
た。超音波発生器(振動数45KHz、iuchi 製vs−
100)を用いて所定時間(30,60,90分間)処
理し、分散液を得た。各処理時間の分散液を25℃の恒
温槽に静置し、2時間後の分散状態を目視判定し、続い
てB型粘度を測定した。その結果を表1に示す。
【0044】<実施例2>実施例1において、マレイン
酸をフマル酸に替えた以外は全て同様にして分散液を得
た。つまり、フマル酸を25℃における粘度が3〜4セ
ンチポイズのイオン交換水に溶解し(1mol/L)、
ソマシフを5重量(w/w)%になるように添加し、ブ
レンダーを用いて混合した。超音波発生器(振動数45
KHz、iuchi 製vs−100)を用いて所定時間(3
0,60,90分間)処理し、分散液を得た。各処理時
間の分散液を25℃の恒温槽に静置し、2時間後の分散
状態を目視判定し、続いてB型粘度を測定した。その結
果を表1に示す。
【0045】<比較例1>実施例1において、超音波処
理を行わなかった以外は全て同様にして分散液を得た。
つまり、マレイン酸を25℃における粘度が3〜4セン
チポイズのイオン交換水に溶解し(1mol/L)、ソ
マシフを5重量(w/w)%になるように添加し、ブレ
ンダーを用いて混合した。この分散液を25℃の恒温槽
に静置し、2時間後の分散状態を目視判定し、続いてB
型粘度を測定した。その結果を表1に示す。
【0046】<比較例2>比較例1において、イオン交
換水を25℃における粘度が17センチポイズのエチレ
ングリコールに替えた以外は全て同様にして分散液を得
た。つまり、前記エチレングリコールにマレイン酸を溶
解し(1mol/L)、ソマシフを5重量(w/w)%
になるように添加し、ブレンダーを用いて混合した。こ
の分散液を25℃の恒温槽に静置し、2時間後の分散状
態を目視判定し、続いてB型粘度を測定した。その結果
を表1に示す。
【0047】<比較例3>実施例1において、イオン交
換水を25℃における粘度が17センチポイズのエチレ
ングリコールに替えた以外は全て同様にして分散液を得
た。つまり、前記エチレングリコールにマレイン酸を溶
解し(1mol/L)、ソマシフを5重量(w/w)%
になるように添加し、ブレンダーを用いて混合した。超
音波発生器を用いて所定時間(30,60,90分間)
処理し、分散液を得た。各処理時間の分散液を25℃の
恒温槽に静置し、2時間後の分散状態を目視判定し、続
いてB型粘度を測定した。その結果を表1に示す。
【0048】<比較例4>実施例1において、マレイン
酸をイオン交換水に添加しなかったこと以外は全て同様
にして分散液を得た。つまり、25℃における粘度が3
〜4センチポイズのイオン交換水にソマシフを5重量
(w/w)%になるように添加し、ブレンダーを用いて
混合した。超音波発生器を用いて所定時間(30,6
0,90分間)処理し、分散液を得た。各処理時間の分
散液を25℃の恒温槽に静置し、2時間後の分散状態を
目視判定し、続いてB型粘度を測定した。その結果を表
1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表中、上段は粘度(cps)を、下段は目
視判定結果を示す。表中の「測定不可」は、分散液がゲ
ル状になったために粘度測定ができなかったことを示
す。
【0051】上記の実施例および比較例によれば、マレ
イン酸またはフマル酸の水溶液中で超音波振動を与える
ことにより、液体中で層状無機化合物が均一に分散し、
分散体自体の粘度がかなり高くなっていることが判る。
また、さらに均一に分散されることにより、層状無機化
合物が溶液を含んでゲル状となることが判る。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、層状無機化合物の層間
が広げられるので、液体中で層状無機化合物が均一に分
散し、分散体自体の粘度が高くなる。つまり本発明は簡
単な方法で層状無機化合物の層間を広げることができ、
得られた分散体は、そのまま高分子材料の強化材や結晶
核剤として用いることができるので、産業界に寄与する
こと大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小関 徳昭 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃における粘度が15センチポイズ
    以下の液体中、炭素炭素二重結合、炭素炭素三重結合、
    エステル結合、アミド結合、エーテル結合から選ばれた
    化学結合、水酸基、カルボキシル基、アミノ基から選ば
    れた官能基、リン原子、窒素原子から選ばれた原子のう
    ち少なくとも一種の化学結合および/もしくは官能基お
    よび/もしくは原子を有する少なくとも一種の有機化合
    物ならびに/またはその重合体の存在下で超音波振動を
    与えることにより層間が広げられた層状無機化合物と、
    前記液体と、前記有機化合物および/またはその重合体
    とを含有することを特徴とする層状無機化合物分散体。
  2. 【請求項2】 超音波振動の振動数が20KHz〜50
    0KHzである請求項1に記載の層状無機化合物分散
    体。
  3. 【請求項3】 層状無機化合物の層間に、Na、Li、
    K、NH4 、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Rbから
    選ばれる一種以上のイオンもしくはその水和物が存在す
    る請求項1に記載の層状無機化合物分散体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002363522A (ja) * 2001-06-06 2002-12-18 Nitto Denko Corp 透明性粘着剤組成物とその粘着シート
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JP2003129020A (ja) * 2001-10-26 2003-05-08 Nitto Denko Corp 透明性粘着剤組成物とその粘着シート
JP2003183457A (ja) * 2001-12-18 2003-07-03 Nitto Denko Corp 外部衝撃緩和性にすぐれた透明粘着剤組成物
JP2012176398A (ja) * 2011-01-31 2012-09-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 分散液の製造方法および無機層状化合物のイオン交換方法

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