JPH1160983A - モノマー、オリゴマー及び/またはポリマーインターカラントならびに表面修飾剤と層状物とのコインターカレーションによって形成したインターカレーション物及び当該インターカレーションで調製したナノ合成物 - Google Patents

モノマー、オリゴマー及び/またはポリマーインターカラントならびに表面修飾剤と層状物とのコインターカレーションによって形成したインターカレーション物及び当該インターカレーションで調製したナノ合成物

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JPH1160983A
JPH1160983A JP9329903A JP32990397A JPH1160983A JP H1160983 A JPH1160983 A JP H1160983A JP 9329903 A JP9329903 A JP 9329903A JP 32990397 A JP32990397 A JP 32990397A JP H1160983 A JPH1160983 A JP H1160983A
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Tie Lan
ラン ティエ
Gary W Beall
ダブリュ. ビール ギャリー
Semeon Tsipursky
ティプルスキー セメオン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層状物の隣接する層間空間にインターカラン
トの収着及び複合が成し遂げられて隣接する小板間の間
隔が増大し、容易に剥離することができるインターカレ
ーション物、ならびに機械的強度、耐熱性、化学薬品に
対する耐性が増強されたナノ合成物を提供する。 【解決手段】 層状物を、少なくとも6の炭素原子を有
するアルキル基を包含するインターカラント表面修飾
剤、及び重合可能なモノマー、重合可能なオリゴマー及
び/またはポリマーと接触させることによって形成され
るインターカレーション物、ならびに当該インターカレ
ーション物から調製されるナノ合成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィロシリケート
(phyllosilicate)、好ましくはスメクタイト粘土など
の膨潤可能な層状物の平板層の間に、重合可能なモノマ
ー、重合可能なオリゴマー及び/またはポリマーと、1
以上の長鎖(C6+)モノマー有機分子(表面修飾剤)と
をコインターカレーション(co-intercalation)するこ
とによって調製されるインターカレーションされた層状
物及びその剥離物(exfoliate)に関する。層状物の隣
接する層の間隔は、少なくとも約10Å、好ましくは少な
くとも約20Åに広げられている。本発明の長鎖(C6+
モノマー有機分子(表面修飾剤)は、インターカレーシ
ョンされるべき層状物の隣接する層または小板の間の層
間空間内にあるLi+、Na+、K+、Ca+2、Mg+2
たは他の無機陽イオンに対する少なくとも1つの結合部
位を有している。層状物無機陽イオンと表面修飾剤との
会合によって、親水性の粘土小板内側表面を、疎水性の
小板表面に変換することが可能となり、従って、エポキ
シ樹脂モノマー類及び/またはオリゴマー類などの、重
合可能なモノマーまたは重合可能なオリゴマー樹脂分子
を、粘土小板の間にインターカレーションすることがで
きるようになる。同様に、完全に重合されたポリマー
も、層状物の隣接する小板間にインターカレーション可
能である。
【0002】表面修飾剤と重合可能なモノマー、重合可
能なオリゴマー及び/またはポリマーとを同時にコイン
ターカレーションすることによって、表面修飾剤−層状
物のインターカレーション物のための別個のインターカ
レーション工程が排除され、親水性の粘土表面を疎水性
に変換するために必要な表面修飾剤の量が低減される。
一般に、表面を親水性から疎水性へと変換する変換する
ための、表面修飾剤と層間無機陽イオンとの最低のモル
比は、1:1である。しかしながら、かかるモル比では、
粘土のほとんどの内側空間が表面修飾剤によって占めら
れることになるであろう。本発明におけるインターカレ
ーション物は、好ましくは、表面修飾剤と重合可能なモ
ノマー/オリゴマー及び/またはポリマーを粘土の層間
間隔へと同時にコインターカレーションすることによっ
て調製される。表面修飾剤の無機陽イオンに対するモル
比は、従って、例えば、1:1〜約1:5の範囲といった実
質的に低いレベルに減じることができる。表面修飾剤の
量を低減することで、インターカレーションされるモノ
マー、オリゴマー及び/またはポリマーの使用量が高め
られる(例えば、インターカレーションされる表面修飾
剤ならびに重合可能なモノマー/オリゴマー及び/また
はポリマーの総重量に基づき、約30〜70重量%、好まし
くは40〜50重量%までのエポキシ樹脂量)。
【0003】インターカレーション物は、重合可能なモ
ノマー/オリゴマー及び/またはポリマーの性質に応じ
て、ならびにモノマー/オリゴマー/ポリマーと層状物
の比率に応じて、粉体とした固形、ロウ状の固形、また
はゲル状態などの形態が可能である。
【0004】本発明のインターカレーション物は、剥離
されたポリマー−粘土ナノ合成物を形成するために、種
々の所望のモノマー、オリゴマー、及び/もしくはポリ
マーマトリックスまたはホスト物へと均一に分散させる
ことができる。特に熱硬化性樹脂については、当該イン
ターカレーション物をモノマー中に分散させ、そして硬
化剤と共に硬化させることができる。また、硬化剤を、
インターカレーション物に直接混合して、in situにて
インターカラントモノマーの重合に伴って硬化させ、粘
土の層間洞穴内にインターカレーションさせることもで
きる。また、特に熱可塑性樹脂については、インターカ
ラントポリマーが粘土の洞穴にインターカレーションさ
れた場合には、そのインターカレーション物は元のマト
リックスポリマーと直接混成し、ナノ合成物を形成する
ことができる。モノマーまたはオリゴマーインターカラ
ントが粘土の洞穴にインターカレーションされた場合に
は、かかるインターカラントは所望のモノマー、オリゴ
マー及び/またはポリマーマトリックス物と共に重合す
ることができ、その混合物は、次いでナノ合成物を形成
すべく混成される。
【0005】
【従来の技術】従来より、例えばナトリウムモンモリロ
ナイト及びカルシウムモンモリロナイト等のスメクタイ
ト粘土のごときフィロシリケート類を、有機性アンモニ
ウムイオン等の有機分子で処理して、有機分子をポリマ
ーに結合させるため、そして層間にポリマーをインター
カレーションさせ、それにより隣接するシリケート層の
間の層間(積層間)間隔を実質的に増大させるために、
隣接する平らな小板シリケート層の間に有機分子をイン
ターカレーションすることがよく知られている。このよ
うに処理され、インターカレーションされたフィロシリ
ケートは、少なくとも約10〜20Å且つ約100Åを上限と
する層間間隔を有しており、次いで、例えばシリケート
層が分離されて(例えば機械的に、強力な剪断混合によ
って)、剥離することができる。個々のシリケート層
は、例えばポリアミド等のマトリックスポリマーの重合
前、重合後または重合中にマトリックスポリマーと混合
した場合(米国特許第4,739,007号、米国特許第4,810,7
34号及び米国特許第5,385,776号参照)、機械的強度及
び/または高温に対する特性などの、ポリマーの1以上
の特性を実質的に改良することが見出されている。
【0006】「ナノ合成物」とも称される、先行技術に
示される合成物の例は、Allied Signal Inc.の公開され
た国際特許第 WO 93/04118号及び米国特許第5,385,776
号に開示されており、これらは、インターカレーション
を施した層状シリケート物由来の個々の小板粒子をポリ
マーと混合して、剥離したインターカレーション物の添
加により1以上の特性が改善されたマトリックスポリマ
ーが形成されることを開示するものである。国際特許第
WO 93/04118号に開示されるように、シランカップリン
グ剤または、マトリックスポリマーに適合性をもつ反応
基を有する、第4級アンモニウム化合物などのオニウム
陽イオンの吸着により、インターカレーション物が形成
され、すなわち、隣接するシリケート小板の間の層間間
隔が増大する。このような第4級アンモニウム陽イオン
は、ナトリウムモンモリロナイトまたはカルシウムモン
モリロナイトなどの親水性の高い粘土を、有機分子を収
着することができる親油性粘土に変換することがよく知
られている。
【0007】有機的に修飾したシリケートにおける、ポ
リスチレン及びポリ(エチレンオキシド)の、溶媒を用
いない直接的なインターカレーションが、「Synthesis
andProperties of Two-Dimensional Nanostructures by
Direct Intercalation ofPolymer Melts in Layered S
ilicates、Richard A. Vaiaら、Chem. Meter.、5巻、16
94〜1696頁(1993)の出版物に開示されている。また、
Adv. Materials、7巻、2号(1985)、154〜156頁、New
Polymer Electrolyte Nanocomposites:Melt Intercala
tion of Poly(Ethylene Oxide) in Mica-Type Silicate
s、RichardA. Vaiaらに開示されるように、ポリ(エチ
レンオキシド)は、80℃にて2〜6時間加熱することによ
ってナトリウムモンモリロナイト及びリチウムモンモリ
ロナイトの中へ直接インターカレーションし、17.7Åの
d−間隔となすことができる。インターカレーションに
伴って、粘土小板の間に位置する水分子がポリマー分子
に置換される。しかしながら、インターカレーションさ
れた物は明らかに剥離されえず、ペレットの形態にて調
べられた。驚くべきことに、本発明によって剥離物を製
造することができたのである。
【0008】ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビ
ニルアルコール(PVA)及びポリ(エチレンオキシ
ド)(PEO)を、モンモリロナイト粘土の小板の間に
インターカレーションさせるこれまでの試みは、あまり
成功していない。Levyら、Interlayer Adsorption of P
olyvinylpyrrolidone on Montmorillonite、Journal of
Colloid and Interface Science、50巻、3号、1975年3
月、442〜450頁に記載の通り、絶対エタノールで連続的
に洗浄し、次いで、種々の水分量の1% PVP(平均分
子量40,000)/エタノール/水を接触させることによ
り、洗浄中に収着したエタノール溶媒分子を置換してP
VPを収着させ、単イオン性(monoionic)モンモリロ
ナイト粘土(Na、K、Ca及びMg)の小板間に、P
VPを収着させて小板間隔を約約17.7Åに広げる試みが
なされた。ナトリウムモンモリロナイトだけは、PVP
/エタノール/水溶液を接触させた後に、5+% H2Oに
て、20Åの基底間隔(basal spacing)を上回る(例え
ば26Å及び32Å)間隔を有していた。エタノールは、後
でPVPを収着させるため、初期に基底間隔を増大させ
るのに必要であり、そして、水はナトリウムモンモリロ
ナイト以外では、粘土小板間におけるPVPの収着に直
接影響を及ぼさないと結論付けられた。この収着は時間
を要する困難な作業であり、成功の確率は低かった。
【0009】さらに、Greenland、Adsorption of Polyv
inyl Alcohols by Montmorillonite、Journal of Collo
id Sciences、18巻、647〜664頁(1963)に記載のごと
く、12%のアセチル基を含むポリビニルアルコールは、
収着されたポリビニルアルコール(PVA)に起因して
約10Åだけ基底間隔を増大させるにとどまった。インタ
ーカラントポリマー含有溶液中のポリマーの濃度を0.25
から4%に増大させるにつれて、収着されるポリマーの
量は実質的に減少し、インターカラントポリマー含有組
成物中1重量%以下のオーダーのポリマー濃度でしか、
収着が行われ難いかもしれないことが示唆されている。
ポリマーを層状物の中にインターカレーションさせるた
めの前記のような希釈工程は、例えば水等のポリマー担
体からインターカレーション物を単離するためにインタ
ーカレーションされた層状物を乾燥させるに当たって格
別にコストがかかるものと思われ、従って、市場化に向
けてのさらなる働きは、明らかになされることがなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現状に
鑑みてなされたものであり、層状物の隣接する小板間に
充分なインターカラントモノマーを収着またはインター
カレーションさせ、隣接する小板間の間隔を広げて、個
々の小板に容易に剥離できるインターカレーション物を
製造することを目的とする。また、ポリマーマトリック
スに機械的強度、耐熱性や化学的耐性を付与するインタ
ーカレーション物及び/または剥離物を含むナノ合成物
を製造することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するために成し遂げられたものであり、その要旨は
以下の通りである。
【0012】(1)剥離することができるインターカレ
ーション物であって、層状物を、少なくとも6の炭素原
子を有するアルキル基を包含するインターカラント表面
修飾剤と接触させることによって形成され、当該インタ
ーカレーション物が、少なくとも約1:5のインターカラ
ント表面修飾剤と層間陽イオンとのモル比を有し、層状
物の隣接する層間空間にインターカラント表面修飾剤の
収着及び複合が成し遂げられ、当該層状物の主な隣接す
る小板間の間隔が、インターカラント表面修飾剤を収着
た後に測定すると、少なくとも約10Åに広げられている
インターカレーション物。
【0013】(2)フィロシリケートを剥離する方法で
あって、以下の工程、すなわち、少なくとも6の炭素原
子を有するアルキル基を含む少なくとも2重量%のイン
ターカラント表面修飾剤を含んでなるインターカレーシ
ョン組成物にてフィロシリケートをインターカラントに
接触させて前記インターカレーション物(1)を形成
し、隣接するフィロシリケート小板の間に、当該隣接す
るフィロシリケート小板を少なくとも約10Åの距離まで
離間させるに足る量で前記インターカラント表面修飾剤
をインターカレーションさせ、及び、インターカレーシ
ョンされたフィロシリケートの小板を分離する工程を含
む方法。
【0014】(3)組成物重量の約40重量%から約99.9
5重量%の量の有機性液体担体、ならびに、前記インタ
ーカレーション物(1)もしくはその剥離物または前記
方法(2)によって得られるインターカレーション物及
び/もしくは剥離物を約0.05重量%から約60重量%含む
組成物。
【0015】(4)前記インターカレーション物(1)
もしくはその剥離物、前記方法(2)によって得られる
インターカレーション物及び/もしくは剥離物、または
前記組成物(3)に含まれるインターカレーション物及
び/もしくは剥離物と、マトリックスポリマーとを含ん
でなる合成物であって、当該マトリックスポリマーが、
エポキシ、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカ
ーボネート、ポリビニルイミン、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ならびに、ジヒドロキシエチルテレフタレー
ト、ジヒドロキシブチルテレフタレート、ヒドロキシエ
チルメチルテレフタレート、ヒドロキシブチルメチルテ
レフタレート及びこれらの組合せよりなる群から選択さ
れるモノマーより重合されたポリマーならびにこれらの
組合せよりなる群から選択される合成物。
【0016】(5)熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマ
ー及びこれらの組合せよりなる群から選択される、約10
重量%から約99.95重量%のマトリックスポリマー、な
らびに約0.05重量%から約60重量%のフィロシリケート
物の剥離された小板を含有する前記合成物(4)の製造
方法であって、当該小板は、イオン結合、静電気的結
合、キレート形成、水素結合、イオン−双極子、双極子
/双極子、ファン・デル・ワールス力及びこれらの組合
せよりなる群から選択される結合様式を介して、少なく
とも6の炭素原子のアルキル基を含むインターカラント
表面修飾剤が、フィロシリケート小板の内側表面の間に
インターカレーションして結合している、インターカレ
ーションされたフィロシリケートに由来するものであ
り、以下の工程、すなわち、フィロシリケートを、水及
びインターカラント表面修飾剤と接触させ、該インター
カラント表面修飾剤は、少なくとも6の炭素原子を有す
るアルキル基を含むものであって、フィロシリケートの
隣接する小板間を少なくとも約10Åの距離に広げるに足
る量で該隣接するフィロシリケート小板の間にインター
カラント表面修飾剤のインターカレーションを成し遂
げ、前記マトリックスポリマーとインターカレーション
物を配合し、当該インターカレーション物の離間した小
板を、大部分が個々の小板となるまで剥離し、ならびに
当該剥離した小板を前記マトリックスポリマー全体に分
散させる工程を含む方法。
【0017】かくのごとく、本発明によって、例えばフ
ィロシリケートなどの層状物を、少なくとも6の炭素原
子を有するアルキル基を包含するインターカラント表面
修飾剤、及び重合可能なモノマー、重合可能なオリゴマ
ー及び/またはポリマーと接触させることによって形成
されるインターカレーション物が提供される。使用され
るインターカラント表面修飾剤によって、層状物の層間
領域が親水性から疎水性に変換され、従って、重合可能
なモノマー、重合可能なオリゴマー及び/またはポリマ
ーが、層間空間に容易にインターカレーションされうる
ようになる。従って、インターカラント表面修飾剤と、
重合可能なモノマー、重合可能なオリゴマー及び/また
はポリマーが一緒に存在することによって、層間空間に
インターカレーションされるべき重合可能なモノマー、
重合可能なオリゴマー及び/またはポリマーがより多く
存在する環境が提供され、インターカレーション物がナ
ノ合成物を形成すべく、ポリマーマトリックス内にて容
易に剥離されるようになる。インターカレーション物か
ら調製されるナノ合成物(例えば、エポキシ−粘土)
は、ポリマーマトリックスのみの場合に比して、機械的
強度、耐熱性、化学薬品に対する耐性が増強されてい
る。
【0018】
【発明の実施の形態】まず、本明細書における用語の意
味するところを、以下に説明する。
【0019】「層状物」とは、スメクタイト粘土鉱物な
どの無機物であって、隣接する複数の層が結合した形で
あり、それぞれの層につき、約3 Åから約50 Å、好ま
しくは約10 Åの厚さを有するものである。
【0020】「小板」とは、層状物の各々の層を意味す
る。
【0021】「インターカレーション物」または「イン
ターカレーションされた物」とは、層状物の隣接する小
板の間に配された長鎖アルキル(C6+アルキル)モノマ
ー有機性表面修飾剤分子を包含し、隣接する小板の間の
層間間隔が少なくとも約10Å、好ましくは少なくとも約
20Åに増大された層状物を意味する。
【0022】「インターカレーション」とは、前記イン
ターカレーション物を形成するための工程を意味する。
【0023】「表面修飾剤」とは、長鎖アルキル
(C6+)基を含み、且つ、水の双極子モーメントよりも
大きな双極子モーメントを分子に提供する極性部分を介
して、Li+、Na+、K+、Ca+2、及びMg+2などの
無機陽イオンに静電気的に結合することができる少なく
とも1つの官能基を含む。好適な極性部分には、層状物
の小板間に収着されて、小板表面上のNa+陽イオンと
複合し、インターカレーション物を形成する、例えば、
ヒドロキシル、ポリヒドロキシル、カルボニル、カルボ
ン酸、アミン、アミド、エーテル、エステル、ラクタム
類、ラクトン類、無水物類、ニトリル類、n-アルキルハ
ロゲン化物類、ピリジン類、ならびにこれらの組合せよ
りなる群から選択される部分などが包含される。
【0024】「エポキシ樹脂」とは、硬化剤と反応して
網目状の熱硬化性エポキシポリマー類を生じることがで
きる、エポキシポリマー、またはモノマーもしくはプレ
ポリマー(オリゴマー)を意味する。ポリマー、モノマ
ーまたはプレポリマー(オリゴマー)は、少なくとも1
つの、一般にエポキシ基、1,2-エポキシドまたはオキシ
ランと称される、3員環エーテル基を有するとよい。
【0025】「コインターカレーション」とは、C6+
ノマー表面修飾剤分子及び、エポキシ樹脂などの、重合
可能なモノマーもしくはオリゴマー及び/またはポリマ
ーをインターカレーションさせることによりインターカ
レーション物を形成するためのプロセスを意味する。
【0026】「濃縮物」とは、層状無機物、表面修飾
剤、及びエポキシ樹脂などの、重合可能なモノマーもし
くはオリゴマー及び/またはポリマーを含有するインタ
ーカレーション物を意味する。
【0027】「インターカレーション担体」とは、層状
物のインターカレーションを成し遂げることができるイ
ンターカレーション組成物を形成するために表面修飾剤
及びインターカラントモノマー/オリゴマー及び/また
はポリマーと共に用いられる、有機溶媒を含有する水ま
たは有機溶媒不含の水を含んでなる担体を意味する。
【0028】「インターカレーション組成物」または
「インターカラント組成物」とは、表面修飾剤、インタ
ーカラントモノマー/オリゴマー及び/またはポリマ
ー、当該インターカラントモノマー/オリゴマー及び/
またはポリマー用のインターカレーション担体、及び層
状物を含む組成物を意味する。
【0029】「剥離物」または「剥離された物」とは、
水、ポリマー、アルコールもしくはグリコールまたは他
の種々の有機溶媒等の担体物全体にわたって、あるいは
マトリックスポリマー全体にわたって、個々に分散する
ことができるインターカレーションされた層状物の個々
の小板を意味する。
【0030】「剥離」とは、インターカレーション物か
ら剥離物を形成するための工程を意味する。
【0031】「マトリックスポリマー」とは、熱可塑性
または熱硬化性のポリマーであって、その中にインター
カレーション物及び/または剥離物が分散されて、当該
マトリックスポリマーの機械的強度または耐熱性が向上
するものである。
【0032】以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0033】前記インターカレーション物(1)におい
て、インターカラント表面修飾剤を含有する組成物中の
インターカラント表面修飾剤の濃度は、インターカレー
ション組成物中の、表面修飾剤用の水−有機溶媒、及び
インターカラント表面修飾剤の重量に基づいて少なくと
も約0.1重量%であること好ましい。
【0034】また、前記インターカレーション物(1)
において、重合可能なモノマー、重合可能なオリゴマ
ー、ポリマー、及びこれらの組合せよりなる群から選択
される第2のインターカラントをさらに含み、インター
カレーション組成物中の該第2のインターカラントの濃
度が、少なくとも約1重量%、好ましくは少なくとも約2
重量%、より好ましくは少なくとも約30重量%、さらに
好ましくは約10重量%から約60重量%の範囲、あるいは
約50重量%から約90重量%の範囲であるとよい。
【0035】前記インターカレーション組成物中の第2
のインターカラントの濃度は、接触される層状物の乾燥
重量に基づき、少なくとも約10重量%、好ましくは約16
重量%から約70重量%の範囲、より好ましくは約16重量
%から約35重量%未満の範囲、あるいは約35重量%から
約55重量%未満の範囲、あるいは約55重量%から約200
重量%未満の範囲にあるとよい。
【0036】前記の剥離方法(2)において、インター
カレーション組成物が、その総重量に基づき約5重量%
から約50重量%の水を含む水性担体を含んでなることが
好ましく、より好ましくは、約10重量%から約40重量%
の水を含んでなる。また、前記インターカレーション組
成物が、重合可能なモノマー、重合可能なオリゴマー、
ポリマー、及びこれらの組合せよりなる群から選択され
る第2のインターカラントをさらに含み、当該インター
カレーション組成物中の該第2のインターカラントの濃
度は、少なくとも約1重量%であるとよい。特に、前記
インターカレーション組成物に、該インターカレーショ
ン組成物の総重量に基づき約10重量%から約90重量%の
濃度で第2のインターカラントを含むことが好ましい。
【0037】次に前記組成物(3)において、インター
カレーション物が、大部分は個々の小板にまで剥離され
ていることが好ましい。さらに、当該組成物は、重合可
能なモノマー、重合可能なオリゴマー、ポリマー、及び
これらの組合せよりなる群から選択される第2のインタ
ーカラントを、インターカレーション組成物中、少なく
とも約1重量%の濃度にて含み、また、インターカレー
ション組成物中の当該第2のインターカラントの濃度
は、インターカレーション組成物中のフィロシリケート
の乾燥重量に基づき少なくとも約4重量%、好ましくは
少なくとも約15重量%、より好ましくは少なくとも約20
重量%、さらに好ましくは少なくとも約30重量%、最も
好ましくは約50重量%から約80重量%の範囲であるとよ
い。なお、前記インターカレーション組成物中の第2の
インターカラントの濃度が、インターカレーション組成
物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、約50重量
%から約200重量%の範囲にあり、当該第2のインター
カラントにオニウムイオンまたはシランカップリング剤
が含まれていないことが好ましい。
【0038】さらに、前記組成物(3)において、イン
ターカレーション組成物中の第2のインターカラントの
濃度が、少なくとも約16重量%、好ましくは約16重量%
から200重量%の範囲、より好ましくは約16重量%から
約35重量%の範囲、あるいは約35重量%から約55重量%
未満の範囲、あるいは約55重量%から約70重量%未満の
範囲にあるとよい。
【0039】前記合成物(4)において、マトリックス
ポリマーが、ヒドロキシエチルテレフタレートのポリマ
ーと、ジヒドロキシエチルテレフタレート及びジヒドロ
キシブチルテレフタレート、ならびにこれらの組合せよ
りなる群から選択されるモノマーより重合されたポリマ
ーとの混合物であることが好ましい。さらに、前記マト
リックスポリマーは、好ましくはポリエチレンテレフタ
レートである。
【0040】前記合成物の製造方法(5)において、前
記水、インターカラント表面修飾剤、該フィロシリケー
ト、ならびに、重合可能なモノマー、重合可能なオリゴ
マー、疎水性ポリマー、及びこれらの組合せよりなる群
から選択される第2のインターカラントを含有するイン
ターカレーション組成物中でフィロシリケートが水と接
触され、当該インターカレーション組成物中の該第2の
インターカラントの濃度が、少なくとも約1重量%であ
るとよい。さらに、インターカレーション組成物は、フ
ィロシリケートの乾燥重量に基づき、約10重量%から約
90重量%の前記第2のインターカラントを含むものであ
ることが好ましい。
【0041】また、本発明のインターカレーション物に
おいて、フィロシリケート物にインターカレーションさ
れるインターカラント表面修飾剤の量は、フィロシリケ
ート物の乾燥重量に基づき、約15重量%から約80重量%
であることが好ましく、さらに、インターカレーション
されるインターカラント表面修飾剤とフィロシリケート
の層間陽イオンのモル比は、約1:1〜1:5であるとよ
い。そして、第2のインターカラントとフィロシリケー
ト物との重量比は、約20グラムの第2のインターカラン
トに対し100グラムのフィロシリケート物から、約80グ
ラムの第2のインターカラントに対し100グラムのフィ
ロシリケート物までであることが好ましい。特に、イン
ターカレーション物において、インターカレーション組
成物中のインターカラント表面修飾剤とフィロシリケー
ト物の重量比が、1:1〜1:5であることが好ましい。
【0042】本発明の1実施態様によれば、インターカ
レーション物は、フィロシリケートを、長鎖アルキル基
(C6+アルキル)を有するモノマー有機化合物と接触さ
せることによって調製される。かかる好適なC6+有機分
子の例には、少なくとも6の炭素原子の鎖長のアルキル
基を有する有機分子が包含され、さらに、ヒドロキシ
ル、ポリヒドロキシル、カルボン酸及びその塩などのカ
ルボニル、ポリカルボン酸類及びその塩類、アルデヒド
類、ケトン類、アミン類、アミド類、エーテル類、エス
テル類、ラクタム類、ラクトン類、無水物類、ニトリル
類、n-アルキルハロゲン化物類、ピリジン類、ならびに
これらの組合せなどといった極性官能基が包含される分
子が挙げられる。
【0043】本発明の重要な特徴によれば、長鎖アルキ
ルモノマーインターカラント有機化合物及び担体(例え
ば、極性の、長鎖アルキルモノマー表面修飾剤化合物用
の有機溶媒を加えた水または水のみ)の重量に基づい
て、少なくとも約2重量%、好ましくは少なくとも約5重
量%の濃度の、表面修飾剤化合物、より好ましくは少な
くとも約10重量%の長鎖アルキルモノマー有機性インタ
ーカラント表面修飾剤化合物、そして最も好ましくは、
約30重量%から約80重量%の濃度で、上記のC6+アルキ
ル基を有する、極性の、モノマー有機性インターカラン
ト表面修飾剤化合物を、層状物を混合することによっ
て、最良の結果が達成され、モノマー有機性インターカ
ラント表面修飾剤化合物による層状物の小板間への収着
が良好に成し遂げられる。モノマー有機性インターカラ
ント表面修飾剤化合物の濃度に関わらず、インターカレ
ーション組成物は、モノマー有機性インターカラント表
面修飾剤化合物及び重合可能なモノマー/オリゴマー及
び/またはポリマーインターカラントによる層状物の隣
接する小板間への効率的なインターカレーションを成し
遂げるために、層状物の小板の内側表面にモノマー有機
性インターカラント表面修飾剤化合物の極性官能器によ
る静電気的結合をなすべく、長鎖モノマー有機性インタ
ーカラント表面修飾剤化合物:層状物の重量比が、少な
くとも1:20、好ましくは少なくとも1:10、より好まし
くは少なくとも1:5、そして最も好ましくは約1:4 と
するべきである。シリケート小板の間に収着され、結合
された(複合した)長鎖(C6+アルキル)モノマー有機
性インターカラント表面修飾剤化合物によって、重合可
能なモノマー/オリゴマー及び/またはポリマーインタ
ーカラント(例えば、エポキシ樹脂)が容易にインター
カレーションされるために、隣接するシリケート小板間
の分離及び間隔の拡張が惹起こされる。
【0044】本発明によれば、スメクタイト粘土などの
フィロシリケートは、C6+有機性表面修飾剤化合物の収
着によって、その後惹起こされる剥離のために充分にイ
ンターカレーションされえ、1または2のインターカラ
ント表面修飾剤分子の極性端部と、例えばフィロシリケ
ートなどの層状物の小板の内側表面のNa+陽イオンと
の間の結合が提供される。モノマーインターカラント表
面修飾剤分子の1または2の端部基と、フィロシリケー
トの層間Na+陽イオンとの間の収着ならびに金属陽イ
オン相互作用または結合は、イオン結合、静電気的結
合、キレート形成、水素結合、イオン−双極子、双極子
/双極子、ファン・デル・ワールス力及びこれらの組合
せよりなる群から選択される結合様式によって提供され
る。
【0045】フィロシリケートの隣接する各小板表面の
内側表面上において、C6+アルキルモノマーインターカ
ラント表面修飾剤分子の1または2つの極性端部の、1
または2つの原子と電子を共有する、フィロシリケート
の1以上の金属(Na+)陽イオンを介した前記のごと
き結合によって、驚くべきことにフィロシリケート小板
表面から堅固なモノマー分子が垂直に伸延する状態が提
供され、そして隣接するシリケート小板または他の層状
物の小板間の層間間隔が、少なくとも約10Å、好ましく
は少なくとも約20Å、より好ましくは少なくとも約30
Å、そして最も好ましくは約30Åから約45Åの範囲に増
大され、しかも、成し遂げられた基底間隔の増大に対し
て驚くべきほど少量のモノマーインターカラント表面修
飾剤しか消費されない。それにより、かなりの量の重合
可能なモノマー/オリゴマー分子、及び/またはポリマ
ー分子、例えば、エポキシ樹脂などのインターカレーシ
ョンのために、充分な層間間隔と充分な遊離小板金属陽
イオン(Na+)が見込まれる。
【0046】インターカレーション物及び/または剥離
物は、ポリマーまたは他の有機モノマー化合物もしくは
組成物と混合し、かかる有機化合物の粘土を増したり、
あるいは、例えばエポキシ樹脂などのマトリックスポリ
マーの1以上の特性を増強するためのポリマー/インタ
ーカレーション物及び/またはポリマー/剥離物組成物
を提供することができる。
【0047】層状シリケート−エポキシナノ化合物を調
製するための1つの方法が、米国特許第5,554,670号に
おいて、Giannelisによって開示されている。Giannelis
の当該米国特許において開示されている方法によれば、
スメクタイト型の粘土は、エポキシ樹脂分子に対して反
応性を有する官能基を有するアルキルアンモニウムイオ
ンを含む有機化合物に、最初に接触せしめられる。粘土
の層は、イオン交換によってポリマーの網状組織に直接
付着し、そしてマトリックス中で分子ごとに分散され
た。この特許に開示されたナノ合成物は、わずかに増加
したガラス転移温度を呈するものである。かかるナノ化
合物の動的記憶引張応力(dymamic storage modulus)
は、元のマトリックスにおける同様の引張応力と比較す
ると、ガラス性領域でかなり高く、そして弾性領域で随
分高かった。
【0048】本発明のインターカレーション物は、官能
基を有する高価なオニウムイオン(アルキルアンモニウ
ムイオン)またはシランカップリング剤を必要とせず、
さらに複雑なイオン交換のプロセスを排除したものであ
る。
【0049】本発明において、表面修飾剤によりインタ
ーカラントに対する強い親和性が提供されるので、C6+
表面修飾剤の援助によって粘土の洞穴へと、モノマー、
オリゴマー及び/またはポリマーを容易にコインターカ
レーションすることができる。原則的に、エポキシ樹脂
と表面修飾剤が層状物の洞穴内で一緒に機能して、エポ
キシマトリックスに対する適合性を有する無機層状物を
つくり、ナノ合成物が形成される。本発明の方法は、市
場で入手しうるあらゆる樹脂系に適用することができ、
特に、ビスフェノールAに由来する樹脂類、エポキシク
レゾールノボラック樹脂類、エポキシフェノールノボラ
ック樹脂類、ビスフェノールF樹脂類、多環式フェノー
ル−グリシジルエーテルに由来する樹脂類、脂環式エポ
キシ樹脂類、芳香環及びヘテロ環式グリシジルアミン樹
脂類、テトラグリシジルメチレンジアニリンに由来する
樹脂類などのエポキシ樹脂に適用できる。
【0050】本発明を要約すると、本発明は、重合可能
なモノマーもしくはオリゴマー及び/またはポリマー、
例えば、エポキシ樹脂と、長鎖(C6+)モノマー有機分
子(表面修飾剤)とを、好ましくはスメクタイト粘土で
あるフィロシリケート等の膨潤可能な層状物の平板層間
にコインターカレーションさせることによって調製され
る、インターカレーションされた層状物に関するもので
ある。
【0051】層状物の隣接する層の空間は、少なくとも
約10Å、好ましくは少なくとも約20Åに広げられる。本
発明における長鎖(C6+)モノマー有機分子(表面修飾
剤)は、天然の状態で膨潤可能な層状物の隣接する小板
または層の間の層間空間に配置されている、Li+、N
+、K+、Ca+2、Mg+2または他の無機陽イオンに対
する少なくとも1つの極性結合部位を有するものであ
る。表面修飾剤と、洞穴内無機陽イオンとの結合によ
り、無機陽イオンに会合している水分子の存在が排除さ
れる。従って、洞穴内無機陽イオンの長鎖(C6+)表面
修飾剤との静電気的会合によって、親水性の粘土内側表
面を疎水性に変換することが可能になり、従って、疎水
性の重合可能な樹脂モノマーまたはオリゴマー分子及び
疎水性ポリマー分子を粘土の洞穴内にインターカレーシ
ョンさせることができるのである。
【0052】好適な表面修飾剤分子は、長鎖(C6+)ア
ルキル基及び、ヒドロキシル、カルボニル、カルボン
酸、アミン、アミド、エーテル、エステル、ラクタム、
ラクトン、無水物、ニトリル、オキシラン、ハロゲン化
物、ピリジン、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレン
等の極性官能基の少なくとも1つを含んでいる。重合可
能なモノマー/オリゴマー及び/またはポリマーインタ
ーカラント分子は、水などのインターカレーション担体
に対して比較的不活性なものであるべきである。
【0053】本発明はまた、エポキシ樹脂などの重合可
能なモノマーもしくはオリゴマー及び/またはポリマー
ならびに/または、例えば、多価アルコールなどの1以
上のエポキシ樹脂モノマーと、長鎖(C6+)モノマー有
機分子(表面修飾剤)とを、好ましくはスメクタイト粘
土であるフィロシリケートなどの膨潤可能な層状物の平
板層間にコインターカレーションさせることによって調
製される、インターカレーションされた層状物の調製方
法に関する。インターカレーション担体の援助によっ
て、重合可能なモノマーもしくはオリゴマー及び/また
はポリマー分子ならびに表面修飾剤は、層状物の洞穴内
にコインターカレーションされ、容易に剥離することが
できるインターカレーション物またはインターカレーシ
ョン物濃縮組成物を形成するであろう。
【0054】本発明はさらに、前記インターカレーショ
ン物またはインターカレーション物濃縮組成物から調製
される剥離物にも関するものである。剥離物は、さらな
る重合可能モノマー/オリゴマー中で濃縮物を希釈し、
または、例えば、重合せしめられたエポキシ樹脂などと
いったポリマーを添加し、次いで硬化させることによっ
て、調製することができる。層状物の洞穴内に重合可能
なモノマーまたはオリゴマーが存在することで、インタ
ーカレーション物が、インターカレーションされた前記
モノマーまたはオリゴマーと同じものである、さらなる
マトリックスポリマーに添加された場合に、層状物が、
母体となるマトリックスポリマーに適合可能なものとな
る。従って、例えば、さらなるエポキシと混合された場
合に、層状物は樹脂中に容易に分散または剥離されるの
である。ポリマー硬化剤が添加された場合、層状物は、
小板間に分散された伸延している重合可能モノマー及び
ポリマー分子の効によって剥離されよう。層状物の剥離
された個々の層は、樹脂中でポリマー補強剤及び分子
(ガス)障壁として機能し、機械的特性や、例えば、ガ
ス不透過性などといった障壁特性を向上させるであろ
う。
【0055】剥離物はまた、インターカレーションされ
た濃縮物に硬化剤を直接添加することによって調製する
ことができる。硬化剤は、インターカレーション物の洞
穴領域へと貫入し、予めかかる層間洞穴にインターカレ
ーションされていた重合可能なモノマー、オリゴマー及
び/またはポリマーと反応して、得られる、固形物含量
の高いナノ合成物中に均一に分散された小板を形成す
る。
【0056】長鎖(C6+)インターカラントモノマー表
面修飾剤分子は、フィロシリケート小板の内側表面上の
Na+陽イオンに対して親和性を有するべきであり、し
かして表面修飾剤が、層間空間においてシリケート小板
の間に収着されて小板に会合した状態を維持し、剥離後
にも小板表面に複合している。表面修飾剤分子は、フィ
ロシリケート小板表面に充分に結合し、ここで結合は、
イオン結合、静電気的結合、キレート形成、水素結合、
イオン−双極子、双極子/双極子、ファン・デル・ワー
ルス力及びこれらの組合せよりなる群から選択される結
合様式によるものと理論付けられる。長鎖、モノマー有
機性インターカラント表面修飾剤化合物の負に荷電した
原子と電子を共有する、フィロシリケートの内側小板表
面の、例えば、Na+イオンなどといった金属陽イオン
を介したかような結合によって、インターカラントモノ
マー表面修飾剤分子と、層状物の小板の内側表面とが接
着されるようになる。
【0057】このようなインターカラントモノマー表面
修飾剤は、フィロシリケート小板に対して充分な親和性
を有しており、前記した先行技術に開示されているオニ
ウムイオンまたはシランカップリング剤等のカップリン
グ剤またはスペーシング剤を必要とせずに、剥離のため
に充分な層間間隔を維持することができる。その結果、
本発明によれば、1以上の重合可能なモノマー/オリゴ
マー及び/またはポリマーのインターカレーションと共
に、フィロシリケート小板内側表面へインターカラント
モノマー表面修飾剤を複合させるために、最初にフィロ
シリケート小板内側表面を、オニウムイオンまたはシラ
ンカップリング剤と反応またはイオン交換させる必要が
ない。ナトリウムモンモリロナイト粘土の表面の電荷分
布の概略図を、図1〜3に示す。図1で、ナトリウムモ
ンモリロナイト粘土平面及び層間表面についてのイオン
電荷分布を示すが、最も大きい円でNa+イオンを表
し、マグネシウム及びアルミニウムイオンならびにSi
及び酸素(Ox)原子が、ナトリウムイオンの下方に配
置されている。図2及び3に示されるように、酸素(O
x)、Mg、Si及びAl原子の位置に対する表面Na
+陽イオンの位置(図1及び2)に起因して、図3で概
略的に示した粘土表面の正−負の電荷分布を有するので
ある。粘土表面全体にわたる正−負の電荷分布によっ
て、粘土小板の表面上で、前記の長鎖、有機モノマーイ
ンターカラント表面修飾剤との、強い双極子/双極子引
力が提供され、1以上の重合可能なモノマー/オリゴマ
ー及び/またはポリマーが容易にインターカレーション
されるために充分に、層間間隔が広げられる。
【0058】インターカレーション物を含有する及び/
または剥離物を含有する組成物は、相分離されない安定
な揺変性ゲルの形態とすることができ、香粧品、ヘアケ
ア及び医薬産業等において、種々の有効成分を移送する
ために用いることができる。
【0059】インターカレーション組成物の混合及び/
または押出などにより、層状物をインターカラントモノ
マー及び水と接触させることによって、層状物はインタ
ーカレーションされ、さらに随意に剥離されて、すなわ
ち、隣接するフィロシリケート小板間にモノマー表面修
飾剤がインターカレーションし、随意に個々の小板にま
で層状物が分離(剥離)する。
【0060】インターカラントモノマー及び水に接触さ
れる層状物に対して与えられる剪断力に応じて、水の量
は変えられる。1つの方法では、例えば粘土などの層状
物の乾燥重量に基づき約25重量%から約50重量%、好ま
しくは約35重量%から約40重量%の水分含量にて、イン
ターカレーション組成物の混和または押出が行われる。
別の方法においては、層状物の乾燥重量に基づき、少な
くとも約25重量%の水、好ましくは少なくとも約65重量
%の水を用い、例えば、層状物及び水の総重量に基づ
き、水中で約20重量%未満の粘土、より好ましくは水中
で約10重量%未満の層状物を用い、層状物の乾燥重量に
基づき約2重量%から約90重量%のインターカラントモ
ノマーが添加されて、粘土と水とでスラリーをつくる。
【0061】インターカラントモノマー表面修飾剤の収
着は、層状物の隣接する小板の層間間隔が(乾燥時に測
定した場合)、少なくとも約10Å、好ましくは少なくと
も約20Å、より好ましくは少なくとも約30Å、そして最
も好ましくは約30〜45Åの間隔にまでに広げられるに足
る程度、充分になされるべきである。本明細書中に開示
したモノマーインターカラント表面修飾剤を用いて、容
易に剥離することができるインターカレーション物を得
るためには、インターカレーション組成物中のインター
カラントモノマー表面修飾剤と層状物(好ましくは、ナ
トリウムベントナイトなどの水膨潤性スメクタイト粘
土)とのモル比は、少なくとも約1:5、好ましくは少な
くとも約1:1から1:5にするとよい。
【0062】表面修飾剤と、モノマー、オリゴマー及び
/またはポリマーインターカラント(第2のインターカ
ラント)の粘土層間空間へのコインターカレーション
は、表面修飾剤のインターカレーション後にインターカ
ラントをインターカレーションすることにより、あるい
は、室温またはそれよりも高温にて、エマルション様の
液体混合物から表面修飾剤とインターカラントを同時に
インターカレーションさせることにより実施することが
できる。図4に、かようなインターカレーションによっ
て得られる、エポキシ樹脂/表面修飾剤/層状物のイン
ターカレーション濃縮物の概観図を示す。層状物(図
4、a)は層上に負の電荷を有しており、かかる負電荷
は、層間洞穴領域でNa+陽イオンによって添充されて
おり、かかるNa+陽イオンには、通常その周囲に水が
配位している。表面修飾剤と、前記第2のインターカラ
ント(例えば、エポキシ樹脂)とをコインターカレーシ
ョンすることによって形成されたインターカレーション
物(図4、b)において、表面修飾剤が層状物に結合し
て、その洞穴の親水性を疎水性に変換させている。従っ
て、第2のインターカラントが、図示されるごとく洞穴
内に取り込まれるのである。インターカレーション濃縮
物で形成される洞穴高、すなわち、基底間隔は、表面修
飾剤及び第2のインターカラントの分子のサイズに依存
して増減するであろう。
【0063】オニウムイオンまたはシランカップリング
剤を前もって収着させることなく、剥離が充分に行われ
る層間間隔が、前記インターカラントモノマー表面修飾
剤を直接的にインターカレーションさせることによって
得られ、そして、極性有機化合物または極性有機化合物
含有組成物担体または溶媒の中に小板を組み込む前また
は組み込む際に、より容易で且つより完全な剥離が行わ
れるものであり、担体または溶媒の移送のため、または
担体もしくは溶媒に溶解もしくは分散された活性化合物
の投与のための、予測しえないほど粘性の高い担体組成
物が提供される。
【0064】極めて高い粘度を得ることができるので、
このような組成物、特に粘性の高いゲルは、パーマ液用
の酸化剤、局所投与用の医薬などの活性化合物の移送の
ために特に有用である。また、このような組成物は、例
えば、香粧品、油田の採掘液、塗料、潤滑剤(油脂等の
製造における、特に食品グレードの潤滑剤)等の流動性
を修飾する際の極性溶媒と小板との混合として有用であ
る。これらインターカレーション物及び/または剥離物
は、極性有機性担体/ポリマー/インターカレーション
物及び/または小板合成物からの、ポリマー性物質の製
造において、マトリックス熱可塑性または熱硬化性ポリ
マーと混合するうえでも、特に有用である。
【0065】一旦剥離されれば、インターカレーション
物の小板は、ほぼ完全に個々の小板に分離され、元は隣
接していた小板は最早、平行して間隔を保った配置を維
持せず、ポリマー溶融物の全体にわたって、主に単独な
状態の、インターカラントモノマーが被覆(均一にまた
は不均一に)された小板として自由に動く。しかして、
強度、または温度に対する耐性などの1以上の特性を強
化したり、あるいは、担体物の粘度及び揺変性を維持す
べく担体または溶媒材料に混合して用いられる。
【0066】インターカラントモノマー分子が小板表面
に複合した、主に単独な状態のフィロシリケート小板
は、担体または溶媒の全体にわたって、ランダムに、均
質にそして均一に、ほぼ単独の小板として分散され、し
かして、組成物から活性有機化合物を投与するために、
香粧品成分または薬剤などの活性有機化合物を添加した
後においてさえも、担体/小板組成物に新たな予測され
えない粘度が与えられる。
【0067】本発明のインターカレーション物及び剥離
物を形成するためには、例えばフィロシリケートなどの
層状物が、膨潤、あるいは、少なくとも6の炭素原子を
有するアルキル基を含むインターカラントモノマー表面
修飾剤の収着により、インターカレーションされなけれ
ばならない。
【0068】本発明の好ましい実施態様によれば、剥離
のために充分にインターカレーションを成し遂げるた
め、インターカラントモノマー表面修飾剤と接触させる
前または接触中に、フィロシリケートが、その乾燥重量
に基づき、少なくとも約4重量%から該フィロシリケー
トの乾燥重量の50倍重量まで、好ましくは約7重量%か
ら約100重量%、より好ましくは約25重量%から約50重
量%の水を含むとよい。好ましくは、効率的なインター
カレーションを行うため、インターカレーション担体に
接触せしめる前に、フィロシリケートが少なくとも約4
重量%の水を含むようにすべきである。効率的に剥離を
行うために、インターカレーション組成物からフィロシ
リケートに接触せしめられるインターカラントモノマー
表面修飾剤の量は、インターカラントモノマー表面修飾
剤/フィロシリケート重量比として(フィロシリケート
の乾燥重量に基づき)少なくとも約1:5、好ましくは約
1:1〜1:5となるように供給されるべきであり、しかし
て、例えばフィロシリケート等の層状物の小板の間への
インターカラントモノマー表面修飾剤及びインターカラ
ント重合可能モノマー/オリゴマー及び/またはポリマ
ーの収着及び複合(インターカレーション)が効率よく
行われる。
【0069】インターカラントモノマー表面修飾剤の収
着と例えばエポキシ樹脂などといった重合可能なモノマ
ー/オリゴマー及び/またはポリマーの収着のために、
インターカレーション組成物中、層状物の乾燥重量に基
づき、少なくとも約2重量%、好ましくは少なくとも約5
重量%のインターカラントモノマー表面修飾剤、より好
ましくは少なくとも約50重量%から約100重量%のイン
ターカラントモノマー表面修飾剤濃度を有する、固体ま
たは液体(原液(原体)もしくは、有機溶媒(例えばヘ
プタンなどの脂肪族炭化水素)を含有した水性溶液また
はかような有機溶媒を含有しない水溶液)組成物の形態
にて、インターカラントは導入される。
【0070】かかるインターカラントモノマー表面修飾
剤は、層状物の乾燥重量に基づき約20重量%の水、好ま
しくは少なくとも約30重量%の水から層状物乾燥重量の
50倍重量もしくはそれ以上の水との層状物/インターカ
ラントモノマー表面修飾剤混合物に加えて、固形として
も添加することができる。押出または混和を行う場合に
は、インターカレーション組成物中に好ましくは約30重
量%から約50重量%の水、さらに好ましくは約30重量%
から約40重量%の水を含んで、インターカレーション物
によって収着される水を少なくするとよく、これによっ
てインターカレーション後の乾燥に要するエネルギー消
費を抑えることができる。
【0071】重合可能なモノマー/オリゴマー及び/ま
たはポリマーインターカラント(1種またはそれ以上)
は、インターカラント表面修飾剤(C6+)と共に、少な
くとも層状物の主な層間、好ましくはほとんどすべての
層間、さらに好ましくはすべての層間に導入するとよ
く、しかしてインターカレーション後に剥離した小板粒
子は、好ましくは主に約5層以下、より好ましくは主に
1から2層、そして最も好ましくは主に単層の厚さのも
のとなる。
【0072】本発明を実施するうえでは、インターカラ
ントモノマーを充分に収着して隣接するフィロシリケー
ト小板の層間間隔が、フィロシリケートを乾燥させて測
定した場合、少なくとも約5Å、好ましくは少なくとも
約10Åにまで増大される、膨潤性を有する層状物を種々
用いることができる。膨潤性を有する、有用な層状物と
しては、例えば、モンモリロナイト、特にナトリウムモ
ンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト及び/
またはカルシウムモンモリロナイト、ノンロナイト、バ
イデライト、ボルコンスコイト(volkonskoite)、ヘク
トライト、サポナイト、サウコナイト、ソボカイト(so
bockite)、スティブンサイト、スビンフォルダイト(s
vinfordite)、バーミキュライト等のスメクタイト粘土
鉱物などといった、フィロシリケート類が挙げられる。
他の有用な層状物には、イライト及び層状イライト/ス
メクタイト鉱物の混合物(レクトライト、タロソバイト
(tarosovite)、レディカイト(ledikite)及び前記粘
土鉱物とイライトの混合物など)などのマイカ石鉱物が
包含される。
【0073】層上にほとんどまたは全く電荷を有しな
い、他の層状物も、インターカラントモノマー/オリゴ
マー表面修飾剤でインターカレーションして、少なくと
も約5Å、好ましくは少なくとも約10Åにまで層間間隔
を広げることができれば、本発明において有用でありう
る。膨潤性を有する好ましい層状物は、構造単位(form
ula unit)当たり約0.15から約0.9電荷の範囲で層上に
負電荷を有し、層間空間内に、その負電荷に見合う数の
交換可能な金属陽イオンを有する、2:1タイプのフィロ
シリケートである。最も好ましい層状物は、モンモリロ
ナイト、ノンロナイト、バイデライト、ボルコンスコイ
ト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、ソボカ
イト、スティブンサイト及びスビンフォルダイトなどの
スメクタイト粘土鉱物である。
【0074】本明細書中で使用される「層間間隔」なる
語は、層状物においていかようにも離層(剥離)が起き
る前に集合している状態で、隣接する層の内側の面の間
の距離を言及する。層間間隔は、層状物が「風乾」(例
えば、層状物の乾燥重量に基づき、約3〜6重量%の水、
例えば5重量%の水を含有する状態まで乾燥)されて測
定される。
【0075】好ましい粘土材料は、通常、Na+、Ca
2+、K+、Mg2+、NH4 +等及びそれらの組合せなどを
包含する層間陽イオンを含むものである。
【0076】疎水性である重合可能モノマー/オリゴマ
ー及び/またはポリマーが容易にインターカレーション
されるためにインターカレーションされた層状物が十分
に離間し、インターカレーションされた層状物小板表面
にインターカラントモノマー表面修飾剤分子が充分に複
合するために、そしてその結果、得られるインターカレ
ーション物が容易に個々の小板にまで剥離または離層さ
れるよう、本発明において有用な膨潤性を有する層状物
内にインターカレーションされるインターカラントモノ
マー表面修飾剤の量は、層状シリケート物の乾燥重量に
基づき、実質的に約2重量%から約90重量%の範囲、好
ましくは少なくとも約10重量%から約90重量%の範囲で
変動させることができる。本発明の好ましい実施態様に
おいて、使用されるモノマーインターカラント表面修飾
剤の量は、インターカレーションがなされる層状物の乾
燥重量に基づき、好ましくは、100グラムの層状物(乾
燥重量)当たり、約8グラムから約80〜90グラムのイン
ターカラントモノマー表面修飾剤量の範囲、好ましく
は、100グラムの層状物当たり、少なくとも約10グラム
から約80〜90グラムのインターカラントモノマー表面修
飾剤量の範囲にある。さらに好ましい量は、100グラム
の層状物(乾燥重量)当たり約20グラムのインターカラ
ントモノマー表面修飾剤量から、100グラムの層状物
(乾燥重量)当たり約60グラムのインターカラントモノ
マー表面修飾剤量である。
【0077】モノマーインターカラント表面修飾剤及び
重合可能なモノマー/オリゴマー及び/または疎水性ポ
リマーは、2つの方法のうち1つの方法で層状物の層間
空間内へ導入される(空間の中に収着される)。インタ
ーカレーションの好ましい方法において、層状物は、イ
ンターカラントモノマー表面修飾剤/水溶液中、また
は、インターカラントモノマー表面修飾剤、水、重合可
能モノマー/オリゴマーもしくはポリマーならびに重合
可能モノマー/オリゴマーもしくはポリマー用の有機性
担体中で、層状物を含むインターカレーション組成物を
形成すべく、例えば押出または混和等によって完全に混
合される。
【0078】剥離のために充分にインターカレーション
を成し遂げるために、層状物/インターカラントモノマ
ー表面修飾剤の混合物は、層状物の乾燥重量に基づき、
少なくとも約5重量%、好ましくは少なくとも約10重量
%のインターカラントモノマー表面修飾剤を含有し、し
かして、得られるインターカレーション物が、充分に疎
水性であり、且つ疎水性の重合可能モノマー/オリゴマ
ー及び/またはポリマーのインターカレーションのため
に充分に離間している、内部小板表面を有する。
【0079】インターカラントモノマー表面修飾剤用担
体(好ましくは水または、有機溶媒を含んだ水)は、ま
ず担体中にインターカラントモノマー表面修飾剤を可溶
化または分散させることにより添加することができる。
もしくは、乾燥したインターカラントモノマー表面修飾
剤と比較的乾燥したフィロシリケート(好ましくは、少
なくとも約4重量%の水を含有する)を混合して、その
混合物にインターカレーション担体を添加するか、また
は乾燥したインターカラントモノマー表面修飾剤を添加
する前にフィロシリケートにインターカレーション担体
を加えてもよい。いずれの場合においても、比較的少量
のインターカレーション担体(特に水、例えば、フィロ
シリケートの乾燥重量に基づき、少なくとも約4重量%
の水)の使用量で、表面修飾剤がインターカレーション
された小板間への重合可能モノマー/オリゴマー及び/
または疎水性ポリマーの、非常に優れた収着及び複合が
なされることが見出されている。
【0080】スラリーの形態にてフィロシリケートをイ
ンターカレーションする場合(例えば、約408 kg(900
ポンド)の水、約45.4 kg(100ポンド)のフィロシリケ
ート及び約11.3kg(25ポンド)のインターカラントモノ
マー表面修飾剤を使用)、インターカレーション組成物
中の水の量は、少なくとも約30重量%という好ましい最
少値から、とくに限定しない上限値まで、適宜変更する
ことができる。フィロシリケートのインターカレーショ
ン物は、インターカレーション組成物から容易に分離さ
れる。
【0081】また別の方法としては、インターカラント
モノマー表面修飾剤(乾燥していても溶液状態でもよ
い)添加前に、インターカレーション担体、例えば、
水、または有機溶媒を含んだ水を、直接フィロシリケー
トに添加することができる。モノマーインターカラント
表面修飾剤分子の収着は、層状物の乾燥重量に基づき、
少なくとも約2重量%、好ましくは少なくとも約5重量%
のインターカラントモノマー表面修飾剤、さらに好まし
くは少なくとも約10重量%のインターカラントモノマー
表面修飾剤を含有するインターカレーション組成物中
で、乾燥または液体のインターカラントモノマーに層状
物を曝すことにより行ってもよい。インターカレーショ
ン組成物を熱、圧力、超音波によるキャビテーション、
または超短波に曝すことにより、収着を補助してもよ
い。
【0082】層状物の小板間にインターカラントモノマ
ー表面修飾剤及び重合可能モノマー/オリゴマー及び/
または疎水性ポリマーをインターカレーションし、その
インターカレーション物を剥離する別の方法において
は、少なくとも約4重量%の水、好ましくは約10から約1
5重量%の水を含有する層状物が、層状物の乾燥重量に
基づき少なくとも約5重量%、好ましくは少なくとも約1
0重量%のインターカラントモノマー表面修飾剤を提供
するに充分な割合で、インターカラントモノマー表面修
飾剤の水及び/または有機溶媒溶液と混合される。重合
可能モノマー/オリゴマーもしくは疎水性ポリマー、ま
たはそれらの混合物は、好ましくは、インターカラント
モノマー表面修飾剤と同時にインターカレーション組成
物中に配合されるが、あるいは、続いて行うインターカ
レーションのためのインターカラントモノマー表面修飾
剤のインターカレーションの後に、表面修飾剤がインタ
ーカレーションされた層状物が乾燥する前に、重合可能
モノマー/オリゴマー及び/またはポリマーを添加して
もよい。次いで、その表面修飾剤が接触せしめられて重
合可能モノマー/オリゴマー及び/またはポリマーが接
触せしめられた混合物は、より迅速に層状物とインター
カラントとのインターカレーションを成し遂げるため
に、好ましくは押出に付される。
【0083】インターカラントモノマー表面修飾剤分子
は、図6及び7に示すとおりに、フィロシリケートに対
して親和性を有し、しかしてインターカラントモノマー
が、層間空間においてシリケート小板の間に収着されて
小板の内側表面上の陽イオンと会合した状態を維持し、
剥離後にも小板表面に複合し続ける。本発明によれば、
インターカラントモノマー表面修飾剤は、小板表面に充
分に結合するために、層状物の隣接する小板間の層間洞
穴または層間空間におけるNa+イオンに隣接する極性
端部を有するべきであり(図6及び7参照)、かかるイ
ンターカラントモノマー表面修飾剤と小板表面との前記
結合は、イオン結合、静電気的結合、キレート形成、水
素結合、イオン−双極子、双極子双極子、ファン・デル
・ワールス力及びこれらの組合せよりなる群から選択さ
れる結合様式によるものと理論付けられる。
【0084】1または2つのインターカラントモノマー
表面修飾剤分子の1以上のインターカラント表面修飾剤
分子端部の負に荷電した原子と電子を共有するフィロシ
リケートの金属陽イオン(例えば、Na+)を介した、
このようなフィロシリケート小板の内側表面への結合に
よって、極性インターカラントモノマー表面修飾剤分子
端部と層状物の小板内側表面との接着が成し遂げられ
る。このようなインターカラントモノマー表面修飾剤
は、フィロシリケート小板に対して充分な親和性を有す
るものであり、前記した先行技術に開示されているオニ
ウムイオンまたはシランカップリング剤等のカップリン
グ剤またはスペーシング剤を必要とせずに、疎水性ポリ
マーまたは重合可能モノマー及び/もしくはオリゴマー
が容易にインターカレーションされるために、あるいは
剥離が起こるために、充分な層間間隔を維持することが
できる。
【0085】図1〜3に示すように、酸素(Ox)、M
g、Si及びAl原子の配置に対する表面Na+イオン
の配置、ならびに、天然の粘土でのMg+2陽イオンから
Al+ 3陽イオンへの置換(置換部位での実効負電荷は残
存)は、図3に示す粘土表面の電荷分布に起因するもの
である。粘土小板表面全体にわたる、そして層間空間内
の粘土小板表面上の、この正と負の交互の表面電荷によ
って、極性インターカラントモノマー表面修飾剤分子
の、強い双極子/双極子引力が提供され、図6及び7に
概略的に示すように、粘土の隣接する小板間への疎水性
重合可能モノマー/オリゴマー及びポリマーのインター
カレーション、ならびに、剥離後の小板表面上でのかか
る表面修飾剤分子及び疎水性ポリマー分子の結合または
複合が成し遂げられる。図6には、モンモリロナイト粘
土の層間空間への、ドデシルピロリドン表面修飾剤及び
ビスフェノールA型エポキシ樹脂のコインターカレーシ
ョン物の概観が示され、図7には、かかるコインターカ
レーション物において、表面修飾剤であるドデシルピロ
リドンが占める領域と、表面修飾剤の機能として、粘土
の層間間隔を広げ、層間に重合可能モノマー/オリゴマ
ーまたはポリマー(第2のインターカラント)を首尾よ
くインターカレーションさせることが表されている。
【0086】有機性液体担体の粘土を増大させるため
に、合成物中の小板粒子の使用量は、約10%を下回るこ
とが好ましい。合成物の約0.05重量%から約40重量%、
好ましくは約0.5重量%から約20重量%、さらに好まし
くは約1重量%から約10重量%の範囲内で小板粒子を負
荷することによって、粘土が有意に増強される。概し
て、液体担体(例えば、グリセロールなどのグリコール
といった、極性溶媒等)に導入される小板粒子の量は、
合成物の混合物重量の約90重量%未満、好ましくは約0.
01重量%から約80重量%、さらに好ましくは約0.05重量
%から約40重量%、そして最も好ましくは、約0.05重量
%から約20重量%、または約0.05重量%から約10重量%
である。
【0087】本発明の重要な特徴によれば、コインター
カレーションされたフィロシリケートが、例えば、10〜
90%、好ましくは20〜80%のインターカラント重合可能
モノマー/オリゴマー及び/またはポリマー(他の極性
有機化合物担体と共に、またはかような化合物を加えず
に)及び、10〜90%、好ましくは20〜80%のインターカ
レーションされたフィロシリケートを含むような、濃縮
状態で製造できる。
【0088】C6+アルキル基を有し、1以上のヒドロキ
シ官能基を含む極性有機性化合物が、当該有機化合物が
長鎖(C6+)アルキル基を有する限りにおいて、インタ
ーカラントモノマーとして使用するために好適である。
例として、長鎖(C6+)アルコールに包含されるのは、
脂肪族アルコール、芳香族アルコール、アリール基が置
換した脂肪族アルコール、アルキル基が置換した芳香族
アルコール、及びフェノール類などの多価アルコールで
あって長鎖(C6+)アルキル基を含むものである。
【0089】少なくとも6、好ましくは少なくとも10
の炭素原子を含むアルキル基を有する洗浄剤系列の脂肪
族アルコールには、ヘキシルアルコール、ヘプチルアル
コール、オクチルアルコール、ノニルアルコールなどの
6〜C24アルコール、ココナッツ、タロー及び/また
はパーム油から製造される、C6〜C18アルコール、C
16、C18オレイルアルコール;C10〜C15混合アルコー
ル、C10〜C22混合アルコール;ならびにエチレン及び
他のオレフィン類から製造されるC13、C15アルコール
などが包含される。さらに、洗浄剤の系列のアルコール
には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セ
チルアルコール、タローアルコール、ステアリルアルコ
ール、及びオレイルアルコールが包含される。主にテト
ラメチル-1-ノナノールからなる、トリデシルアルコー
ル(C1328O)などの分岐した洗浄剤系列のアルコー
ルも、インターカラントモノマー及び/または極性有機
性液体担体として好適である。
【0090】可塑剤系列のアルコールには、デカノール
(C1022O)、及びトリデシルアルコール(C1328
O)が包含される。
【0091】代表的な直鎖状アルカン酸、C n 2n 2
構造名(慣用名) ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカ
ン酸([カプリン酸])、ウンデカン酸([ウンデシル
酸])、ドデカン酸([ラウリン酸])、トリデカン酸
([トリデシル酸])、テトラデカン酸(ミリスチン
酸)、ペンタデカン酸([ペンタデシル酸])、ヘキサ
デカン酸(パルミチン酸)、へプタデカン酸(マルガリ
ン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、ノナデカン
酸([ノナデシル酸])、エイコサン酸(アラキドン
酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、テトラコサン酸(リグ
ノセリン酸)、ヘキサコサン酸(セロチン酸)、オクタ
コサン酸(モンタン酸)、トリアコンタン酸(メリシン
酸)、トリトリアコンタン酸(プシリン酸)、及びペン
タトリアコンタン酸(セロプラスチン酸)。
【0092】代表的な直鎖状アルケン酸、C n (2n-2)
2、構造名(慣用名) トランス-4-デセン酸、シス-4-デセン酸、9-デセン酸
(カプロオレイン酸)、10-ウンデセン酸(ウンデシレ
ン酸)、トランス-3-ドデセン酸(リンデリン酸)、ト
リデセン酸、シス-9-テトラデセン酸(ミリストオレイ
ン酸)、ペンタデセン酸、シス-9-ヘキサデセン酸(シ
ス-9-パルミトオレイン酸)、トランス-9-ヘキサデセン
酸(トランス-9-パルミトオレイン酸)、9-ヘプタデセ
ン酸、シス-6-オクタデセン酸(ペトロセリン酸)、ト
ランス-6-オクタデセン酸(ペトロセライジン酸)、シ
ス-9-オクタデセン酸(オレイン酸)、トランス-9-オク
タデセン酸(エライジン酸)、シス-11-オクタデセン
酸、トランス-11-オクタデセン酸(バクセン酸)、シス
-5-エイコセン酸、シス-9-エイコセン酸(ゴドレイン
酸)、シス-11-ドコセン酸(セトオレイン酸)、シス-1
3-ドコセン酸(エルカ酸)、トランス-13-ドコセン酸
(ブラシジン酸)、シス-15-テトラコセン酸(セラコオ
レイン酸)、シス-17-ヘキサコセン酸(キシメン酸)、
及びシス-21-トリアコンテン酸(ルメクェン酸)。
【0093】代表的なポリ不飽和脂肪酸、構造名(慣用
名) 代表的なジエン酸、C n 2n-4 2 トランス-2,4-デカジエン酸、トランス-2,4-ドデカジエ
ン酸、シス-9,シス-12-オクタデカジエン酸(リノール
酸)、トランス-9,トランス-12-オクタデカジエン酸
(リノールエライジン酸)、5,6-オクタデカジエン酸
(ラバレン酸)、及び5,13-ドコサジエン酸。
【0094】代表的なトリエン酸、C n 2n-6 2 6,10,14-ヘキサデカトリエン酸(ヒラゴン酸)、シス-
9,シス-12,シス-15-オクタデカトリエン酸(リノレン
酸)、シス-9,トランス-11,トランス-13-オクタデカト
リエン酸(α−エレオステアリン酸)、トランス-9,ト
ランス-11,トランス-13-オクタデカトリエン酸(β−エ
レオステアリン酸)、シス-9,シス-11,トランス-13-オ
クタデカトリエン酸(プニカ酸)、及びトランス-9,ト
ランス-12,トランス-15-オクタデカトリエン酸(リノー
ルエライジン酸)。
【0095】代表的なテトラエン酸、C n 2n-8 2 4,8,12,15-オクタデカテトラエン酸(モロクチ酸)、シ
ス-9,トランス-11,トランス-13,シス-15-オクタデカテ
トラエン酸(α−パリナリン酸)、トランス-9,トラン
ス-11,トランス-13,トランス-15-オクタデカテトラエン
酸(β−パリナリン酸)、及び5,8,11,14-エイコサテト
ラエン酸(アラキドン酸)。
【0096】代表的なペンタエン酸、C n 2n-10 2 4,8,12,15,19-ドコサペンタエン酸(イワシ酸)代表的な置換酸、構造名(慣用名) 2,15,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸(ウスチリン
酸)、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸(アリュ
ーリチ(aleuritic)酸)、16-ヒドロキシ-7-ヘキサデセ
ン酸(アンブレットール酸)、12-ヒドロキシ-シス-9-
オクタデセン酸(リシノール酸)、12-ヒドロキシ-トラ
ンス-9-オクタデセン酸(リシノエライジン酸)、4-オ
キソ-9,11,13-オクタデカトリエン酸(リカン酸)、9,1
0-ジヒドロキシオクタデカン酸、12-ヒドロキシオクタ
デカン酸、12-オキソオクタデカン酸、18-ヒドロキシ-
9,11,13-オクタデカトリエン酸(カムロレン酸)、12,1
3-エポキシ-シス-9-オクタデセン酸(ベルノール酸)、
8-ヒドロキシ-トランス-11-オクタデセン-9-イン(ynoi
c)酸(キシメニノール酸)、8-ヒドロキシ-17-オクタデ
セン-9,11-ジイン酸(イサノール(isanolic)酸)、及び
14-ヒドロキシ-シス-11-エイコセン酸(レスクエロール
(lesquerolic)酸)。
【0097】
【表1】
【0098】トリアルキル酢酸 トリアルキル酢酸は、以下の一般構造式で示される、
【0099】
【化1】
【0100】(式中、R、R’、及びR”は、Cx
2x+1を表し、xは1以上の数を表し、そしてR、R’、
及びR”のうちの少なくとも1つは少なくとも6の炭素
原子を有する。)属するトリアルキル酢酸について、製
品は概して、異性体の混合物であり、これは、異性体が
混合した供給原料を使用する結果、及び製造工程におけ
る化学的転位の結果生じるものである。
【0101】トリアルキル酢酸は、ポリマー、医薬品、
農業用化学製品、香粧品、及び金属加工用流体などの分
野において、数多くの用途を有する。市場において重要
なこれらの酸の誘導体には、塩化物、ペルオキシエステ
ル、金属塩、ビニルエステル、及びグリシジルエステル
などが包含される。
【0102】ネオデカン酸またはVersatic 6と称される
12トリアルキル酢酸は、室温下では液体であり、概し
て異性体混合物である。
【0103】アルデヒド 本発明のインターカラントモノマー及び/または極性有
機性担体として好適な、代表的なアルデヒドには、以下
のものが包含される。すなわち、ヘキシルアルデヒド、
ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアル
デヒド、デシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、オク
タデシルアルデヒド、エイコサンアルデヒド、フェニル
アセトアルデヒド等。
【0104】用途 脂肪族アルデヒドは、ほとんどすべてのタイプの香料及
び芳香薬に使用される。アルデヒドのポリマー及びコポ
リマーも存在し、市場において重要なものである。
【0105】ケトン 好適なケトンは、2つの脂肪族、芳香族、または脂環族
置換体に結合した、1以上のカルボニル基を含む有機化
合物であり、以下の一般式によって表される。
【0106】
【化2】
【0107】(式中、R及び/またはR’は少なくとも
6の炭素原子を有するアルキル基である。)アミン及びアミド 本発明のインターカラントモノマーとして及び/または
有機性液体担体(マトリックスモノマー)として使用す
るために好適な、1以上のアミンまたはアミド官能基を
有する極性有機化合物には、水の双極子モーメントより
も大きな双極子モーメントを有する長鎖(C6+)アルキ
ル基を有する、アルキルアミン、アミノシクロアルカン
及びアミノシクロアルカン置換体、環状脂肪族ジアミ
ン、脂肪族アミン、ならびに脂肪族アミドなどの、あら
ゆる有機アミン及び/またはアミドが包含される。
【0108】フィロシリケートをインターカレーション
するための、及び/または本発明のナノ合成物を製造す
るうえで剥離された層状物の個々の小板と混合するため
の、インターカラントモノマーとして及び/または有機
性液体担体(マトリックスモノマー)として、アミン及
びアミドは、単独でも、または混合物としても好適であ
る。アミン及びアミドは、長鎖アルキル(C6+)脂肪族
アミン、C6+アルキルアミン、脂肪族アミン、C6+アル
キル芳香族アミン、C6+アルキルジアリールアミン、C
6+アルキルで置換されたアルカノールアミン等を包含す
る、いかなる一級、二級、及び/または三級アミンまた
はアミドでも可能である。
【0109】層状シリケート物をインターカレーション
及び剥離するために使用されるインターカラントモノマ
ーとして、及び/またはナノ合成物を形成するうえで個
々の小板と混合するための極性有機性担体として有用
な、好適なアミンの例は、以下の表2〜4に示すとおり
である。
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】
【0113】ナノ合成物の用途 脂肪族アミン及びそれらアミン由来の化学製品は、多く
の産業分野で使用されている。チッ素誘導体に対する用
途は、織物柔軟剤、油田用化学製品、アスファルト乳化
剤、石油添加物、及び採鉱などである。
【0114】特に脂肪族アミンを酢酸で中和して調製さ
れる酢酸塩などのアミン塩は、浮遊選鉱剤(採集剤)、
腐食防止剤、及び潤滑剤として有用である。
【0115】脂肪族アミン及びその誘導体は、油田にお
いて、腐食防止剤、界面活性剤、乳化/乳化破壊ならび
にゲル化剤として幅広く使用されている。採鉱の産業分
野では、アミン及びジアミンは、例えば、浮遊選鉱など
による鉱物の回収及び精製において使用される。脂肪族
ジアミンは、アスファルトエマルジョンを調製するため
のアスファルト乳化剤として、重要な用途を有してい
る。ジアミンは、エポキシ硬化剤、腐食防止剤、ガソリ
ン及び燃料油の添加剤、ならびに顔料の湿潤剤としても
使用されている。これらに加えて、アミンの誘導体、両
性アミン、及び長鎖アルキルアミンは身体ケア用産業分
野において、陰イオン性及び陽イオン性界面活性剤とし
て使用されている。
【0116】一級、二級及び三級アミドを包含するアミ
ド類が、インターカラントモノマーとして、及び/また
は個々のフィロシリケート小板が分散される極性有機性
担体として、本発明において有用である。代表的な一級
脂肪族アミドは以下の表に示す通りである。
【0117】
【表5】
【0118】本発明のインターカラントモノマーとし
て、及び/または有機性液体担体(マトリックスモノマ
ー)としての使用に好適な、長鎖(C6+)アルキル基を
有し1以上のエーテルまたはエステル官能基を含む極性
有機化合物には、飽和、不飽和、環状、芳香、及びカル
ボキシルエーテル及びエステルなどの、C6+アルキル基
を含み、水の双極子モーメントよりも大きな双極子モー
メントを有する分子を提供する極性基を有する有機エー
テル及び/またはエステルが包含される。
【0119】代表的なアルキルニトリル 少なくとも6の炭素原子のアルキル基、及び水の双極子
モーメントよりも大きな双極子モーメントを有する、好
適なニトリルには、ヘキサノニトリル(CH3(CH2)5C
N)、ヘプタノニトリル(CH3(CH2)6CN)、オクタノニト
リル(CH3(CH2)7CN)、ノナノニトリル(CH3(CH2)7C
N)、ウンデカノニトリル(CH3(CH2)9CN)、ドデカノニ
トリル(またはラウロニトリル)(CH3(CH2)11CN)、ミ
リストニトリル(CH3(CH2)12CN)、ペンタデカノニトリ
ル(CH3(CH2)13CN)、n-ヘプタデカノニトリル(CH3(CH
2)15CN)、n-ノナデカノニトリル(CH3(CH2)17CN)、及
びこれらの組合せが包含される。
【0120】代表的なN-アルキルラクタム(N-アルキル
ピロリドン及びカプロラクタムを含む) 以下の式:
【0121】
【化3】
【0122】(式中、nは少なくとも6、好ましくは1
0〜20の整数を表す。)で示されるn-アルキルラクタ
ム類。
【0123】代表的なピリジン 好適なピリジンには、塩化ヘキシルピリジン(C5H5NC6H
13Cl)、塩化ヘプチルピリジン(C5H5NC7H15Cl)、塩化
オクチルピリジン(C5H5NC8H17Cl)、塩化ノニルピリジ
ン(C5H5NC8H17Cl)、塩化ドデシルピリジン(C5H5NC12
H25Cl)、臭化ドデシルピリジン(C5H5NC12H25Br)、塩
化ヘキサデシルピリジン(C5H5NC16H33Cl)、臭化ヘキ
サデシルピリジン(C5H5NC16H33Br)、及びこれらの組
合せが包含される。
【0124】代表的なN-アルキルフッ化物 以下の式:
【0125】
【化4】
【0126】(式中、nは少なくとも6、好ましくは1
0〜20の整数を表し、Mはハロゲン原子(Cl、F、
Br、I、At)を表す。)で示されるアルキルフッ化
物。
【0127】代表的なアルキル置換ラクトン 以下の4つの式:
【0128】
【化5】
【0129】
【化6】
【0130】
【化7】
【0131】
【化8】
【0132】(式中、nは少なくとも6、好ましくは1
0〜20の整数を表す。)で示されるアルキル置換ラク
トン。
【0133】代表的なエステル 代表的な他の有用なエステルには、以下のものが包含さ
れる。
【0134】メチルステアレート、エチルステアレー
ト、ブチルステアレート、ドデシルステアレート、ヘキ
サデシルステアレート、ジメチルマレート、ジメチルオ
キザレート、ジメチルアジペート、ジエチルアジペー
ト、ジ(2-エチルへキシル)アジペート、メチルサリチレ
ート、エチルサリチレート、メチルアンスラニレート、
ベンジルシンナメート、及びこれらの組合せ。
【0135】代表的なカルボン酸エステル 可塑剤 ヘキシルアジペート、ヘプチルアジペート、オクチルア
ジペート、イソデシルアジペート、エポキシ化エステ
ル、エポキシ化エステル、ジブチルセバケートなどのセ
バシン酸エステル、イソブチルステアレートなどのステ
アリン酸エステル。
【0136】界面活性剤 アンヒドロソルビトールモノラウレート、アンヒドロソ
ルビトールモノオレアート、及びアンヒドロソルビトー
ルモノステアレートなどの、カルボン酸エステル。
【0137】エチレングリコールモノラウレートなどの
エチレングリコールエステル。
【0138】エトキシル化アンヒドロソルビトールモノ
ラウレート、エトキシル化アンヒドロソルビトールモノ
オレアート、エトキシル化アンヒドロソルビトールモノ
ステアレート、エトキシル化アンヒドロソルビトールト
リステアレートなどの、エトキシル化アンヒドロソルビ
トールエステル、エチレングリコールジステアレート、
及びエチレングリコールモノステアレート。
【0139】グリセロールジラウレート、グリセロール
モノオレアート、及びグリセロールモノステアレートな
どのグリセロールエステル。
【0140】エトキシル化ヒマシ油、エトキシル化水素
化ヒマシ油、及びエトキシル化ラノリンなどの、エトキ
シル化天然脂肪及び油脂。
【0141】トール油酸のポリ(エチレングリコール)
ジエステル、ポリ(エチレングリコールジラウレー
ト)、ポリ(エチレングリコールジステアレート)、ポ
リ(エチレングリコールモノラウレート)、ポリ(エチ
レングリコールモノパルミテート)、ポリ(エチレング
リコールモノステアレート)、トール油酸のポリ(エチ
レングリコール)セスキエステル、ポリ(グリセロール
モノオレアート)ポリ(グリセロールモノステアレー
ト)、及び1,2-プロパンジオールモノステアレート。
【0142】その他種々のエステル 可塑剤または界面活性剤に包含されない脂肪酸エステル
としては、タローのメチルエステル、及びミリスチルミ
リステートが挙げられる。
【0143】酢酸 2-(2-ブトキシエトキシ)エチル、酢
酸 2-ブトキシエチル、及び炭素数14から18、及び
/または炭素数16から18を有するモノグリセリド及
び/またはジグリセリドの混合物などのグリセリド、多
価アルコールエステル。
【0144】代表的なエーテル 本発明のインターカラントモノマーとして、及び/また
は分散された個々のシリケート小板を含有する極性有機
性担体(マトリックスモノマー)として好適なエーテル
には、一般式: Ar−O−R、及びR−O−R’ (式中、Arはアリール基及びRは少なくとも6の炭素
原子を有するアルキル基を表す)で示される化合物が包
含される。
【0145】本発明の別の実施態様において、インター
カレーション物は剥離され、そして1以上の溶融処理可
能な熱可塑性及び/または熱硬化性の、マトリックスオ
リゴマーもしくはポリマーまたはこれらの混合物の中に
分散することができる。本発明の方法におけるこの実施
態様で使用されるマトリックスポリマーとしては、唯一
の必要要件として溶融処理が可能である限りにおいて、
広範囲に種々のものが可能である。
【0146】本発明のかかる実施態様で、ポリマーは、
少なくとも10、好ましくは少なくとも30の反復するモノ
マー単位を包含するものである。使用条件下において、
マトリックスポリマーが流動しうる混合物を形成するよ
うなメルトインデックスのものであれば、前記反復する
モノマー単位の上限の数は決定的なものではない。最も
好ましくは、マトリックスポリマーには、少なくとも約
10から少なくとも約100の反復するモノマー単位が包含
される。本発明の最も好ましい実施態様において、反復
する単位の数は、処理温度にて、マトリックスポリマー
が10分当たり約0.01から約12 グラムのメルトインデッ
クスを有するような数である。
【0147】本発明の実施において、マトリックスモノ
マー、オリゴマー及び/またはポリマーとして用いるた
めの熱可塑性樹脂及びゴムは、極めて広範囲なものから
選択できる。単独で、または混合物として使用しうる、
有用な熱可塑性樹脂の例は、ポリ(ピバロラクトン)、
ポリ(カプロラクトン)等のごときポリラクトン類;1,
5-ナフタレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシ
アネート、m-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルエ
ンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシ
アネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニルジイソシア
ネート、4,4'-ジフェニルイソプロピリデンジイソシア
ネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ジフェニルジイソシアネ
ート、3,3'-ジメチル-4,4'-ジフェニルメタンジイソシ
アネート、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ビフェニルジイソシ
アネート、ジアニシジンジイソシアネート、トルイジン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
4,4’−ジイソシアナートジフェニルメタン等のごと
きジイソシアネート類と、水酸基末端を有する直線状長
鎖ポリエステル類との反応由来のポリウレタン類;ポリ
(テトラメチレンアジペート)、ポリ(エチレンアジペ
ート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ
(エチレンスクシネート)、ポリ(2,3-ブチチレンスク
シネート)、ポリエーテルジオール類等のごとき、ジオ
ール類ベースのポリエーテル類;ポリ[メタンビス(4-
フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1-エーテルビス
(4-フェニル)カーボネート]、ポリ[ジフェニルメタ
ンビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1-シク
ロヘキサンビス(4-フェニル)カーボネート]等のごと
きポリカーボネート類;ポリスルフォン類;ポリエーテ
ル類;ポリケトン類;ポリ(4-アミノ酪酸)、ポリ(ヘ
キサメチレンアジパミド)、ポリ(6-アミノヘキサン
酸)、ポリ(m-キシレンアジパミド)、ポリ(p-キシレ
ンセバカミド)、ポリ(2,2,2-トリメチルヘキサメチレ
ンテレフタラミド)、ポリ(メタフェニレンイソフタラ
ミド)(NOMEX)、ポリ(p-フェニレンテレフタラミ
ド)(KEVLAR)等のごときポリアミド類;ポリ(エチレ
ンアゼラート)、ポリ(エチレン-1,5-ナフタレー
ト)、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ート)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)(A-TEL
L)、ポリ(パラ−ヒドロキシベンゾエート)(EKONO
L)、ポリ(1,4-シクロヘキシリデンジメチレンテレフ
タレート)(KODEL)(シス)、ポリ(1,4-シクロヘキ
シリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)(トラ
ンス)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブリレンテ
レフタレート等のごときポリエステル類;ポリ(2,6-ジ
メチル-1,4-フェニレンオキシド)、ポリ(2,6-ジフェ
ニル-1,4-フェニレンオキシド)等のごときポリ(アリ
ーレンオキシド)類;ポリ(フェニレンスルフィド)等
のごときポリ(アリーレンスルフィド)類;ポリエーテ
ルイミド類;ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルクロリドのごときビニルポリマー類及
びビニルポリマー類のコポリマー類;ポリビニルブチラ
ール、ポリビニリデンクロリド、エチレン−ビニルアセ
テートコポリマー類等;ポリエチルアクリレート、ポリ
(n-ブチルアクリレート)、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチルメタクリレート、ポリ(n-ブチルメタク
リレート)、ポリ(n-プロピルメタクリレート)、ポリ
アクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル
酸、エチレン−アクリル酸コポリマー類、エチレン−ビ
ニルアルコール、アクリロニトリルコポリマー類、メチ
ルメタクリレート−スチレンコポリマー類、エチレン−
エチルアクリレートコポリマー類、メタクリル化ブダジ
エン−スチレンコポリマー類等のポリアクリル類、ポリ
アクリレート及びそのコポリマー類;低密度ポリ(エチ
レン)、ポリ(プロピレン)、塩素化低密度ポリ(エチ
レン)、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリ(エチレ
ン)、ポリ(スチレン)等のポリオレフィン類;イオノ
マー類;ポリ(エピクロロヒドリン類);グリセロール
等のジオール類、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキ
サントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトー
ル、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオー
ル類、などと、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-ト
リレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、
4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等のポ
リイソシアネートとの重合産物のごときポリ(ウレタ
ン);及び2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
のナトリウム塩と4,4'-ジクロロジフェニルスルフォン
との反応物のごときポリスルフォン類;ポリ(フラン)
等のフラン樹脂類;セルロースアセテート、セルロース
アセテートブチレート、セルロースプロピオネート等の
セルロースエーテルプラスチック類;ポリ(ジメチルシ
ロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサンコフェニルメチ
ルシロキサン)等のシリコン類;タンパク質プラスチッ
ク類;ならびにこれらの2以上のものの混合物である。
【0148】本発明の実施態様を行ううえでマトリック
スポリマーとして有用な、加硫可能且つ熱可塑性ゴムも
また、広範囲のものを利用できる。かかるゴムの例とし
ては、臭化ブチルゴム、塩化ブチルゴム、ポリウレタン
エラストマー類、フルオロエラストマー類、ポリエステ
ルエラストマー類、ブタジエン/アクリロニトリルエラ
ストマー類、シリコンエラストマー類、ポリ(ブタジエ
ン)、ポリ(イソブタジエン)、エチレン−プロピレン
コポリマー類、エチレン−プロピレン−ジエンターポリ
マー類、スルフォン化エチレン−プロピレン−ジエンタ
ーポリマー類、ポリ(クロロプレン)、ポリ(2,3-ジメ
チルブタジエン)、ポリ(ブタジエン−ペンタジエ
ン)、クロロスルフォン化ポリ(エチレン)類、ポリ
(スルフィド)エラストマー類、ポリ(スチレン)、ポ
リ(ビニル−トルエン)、ポリ(t-ブチルスチレン)、
ポリエステル類等のガラス質のまたは結晶性のブロック
製のブロックコポリマー類ならびにポリ(ブタジエ
ン)、ポリ(イソプレン)、エチレン−プロピレンコポ
リマー類、プロピレンコポリマー類、エチレン−ブチレ
ンコポリマー類、ポリエーテル等のごときエラストマー
ブロック類、例えば、KRATON(商標名)でShell Chemic
al Companyにより製造されている、ポリ(スチレン)−
ポリ(ブタジエン)−ポリ(スチレン)ブロックコポリ
マーが挙げられる。
【0149】マトリックスポリマーとして有用な熱硬化
性樹脂には、例えばポリアミド類;ポリアルキルアミド
類;ポリエステル類;ポリウレタン類;ポリカーボネー
ト類;ポリエポキシド類;及びそれらの混合物が挙げら
れる。
【0150】マトリックスポリマーとして使用するのに
最も好ましい熱可塑性ポリマー類は、ポリアミド類、ポ
リエステル類、ならびにα,β不飽和モノマー類及びコ
ポリマー類のポリマー類などの熱可塑性ポリマー類であ
る。本発明の方法において使用しうるポリアミド類は、
少なくとも2つの炭素原子によって互いに隔てられるポ
リマー鎖の完全部分として、反復するカーボンアミド基
が存在することにより特徴が示される合成直鎖状ポリカ
ーボンアミド類である。このタイプのポリアミド類に
は、当該技術分野において一般にナイロンとして知られ
るポリマー類が含まれ、これは、一般式
【0151】
【化9】
【0152】(式中、R13は、少なくとも2、好ましく
は約2から約11の炭素原子を有するアルキレン基、ま
たは、少なくとも約6、好ましくは約6から約17の炭
素原子を有するアリーレンであり、R14は、R13及びア
リール基より選択される基を表す)で示される反復単位
を有し、ジアミン及び二塩基酸より得られる。また、例
えばテレフタル酸及びアジピン酸よりなる二塩基酸の混
合物とヘキサメチレンジアミンとの濃縮によるごとき、
既知の方法で得られるコポリアミド類及びターポリアミ
ド類もまた、好ましいポリアミド類に包含される。前記
のポリアミド類は、当該技術分野においてよく知られて
おり、例えば、30%のヘキサメチレンジアンモニウムイ
ソフタレート及び70%のヘキサメチレンジアンモニウム
アジペートのコポリアミド、ポリ(ヘキサメチレンアジ
パミド)(ナイロン6,6)、ポリ(ヘキサメチレンセバ
カミド)(ナイロン6,10)、ポリ(ヘキサメチレンイソ
フタラミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタラミ
ド)、ポリ(ヘプタメチレンピメラミド)(ナイロン7,
7)、ポリ(オクタメチレンスベラミド)(ナイロン8,
8)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(ナイロン9,
9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン10,
9)、ポリ(デカメチレンセバカミド)(ナイロン10,1
0)、ポリ[ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン-1,1
0-デカンカルボキサミド)]、ポリ(m-アジパミド)、
ポリ(p-キシレンセバカミド)、ポリ(2,2,2,-トリメ
チルヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(ピペラジ
ンセバカミド)、ポリ(p-フェニレンテレフタラミド)
及びポリ(メタフェニレンイソフタラミド)等などであ
る。
【0153】マトリックスポリマーとして使用するのに
他のポリアミド類は、アミノ酸及びその誘導体、例えば
ラクタム類の重合によって形成されるものである。これ
らの有用なポリアミド類の例は、ポリ(4-アミノ酪酸)
(ナイロン4)、ポリ(6-アミノヘキサン酸)(ナイロ
ン6)、ポリ(7-アミノヘプタン酸)(ナイロン7)、ポ
リ(8-アミノオクタン酸)(ナイロン8)、ポリ(9-ア
ミノノナン酸)(ナイロン9)、ポリ(10-アミノデカン
酸)(ナイロン10)、ポリ(11-アミノウンデカン酸)
(ナイロン11)及びポリ(12-アミノドデカン酸)(ナ
イロン12)等である。
【0154】マトリックスポリマーとして使用するのに
好ましいポリアミド類は、ポリ(カプロラクタム)、ポ
リ(12-アミノドデカン酸)及びポリ(ヘキサメチレン
アジパミド)である。
【0155】ナノ合成物を形成するために剥離物との混
合物において使用されうる他のマトリックスまたはホス
トポリマーは、直鎖状ポリエステル類である。ポリエス
テルのタイプは、本発明を左右するものではなく、特定
の状況において使用するために選択される特定のポリエ
ステル類は、最終的な形態に所望される物理的特性及び
性質、すなわち、引張強さ、引張応力等に本質的に依存
する。かくのごとく、物理的特性において広い多様性を
有する直線状の熱可塑性ポリエステル類が多数存在する
ことは、本発明のナノ合成物を製造するうえで、剥離さ
れた層状物小板との混合物での使用のために好適であ
る。
【0156】本発明においてマトリックスポリマーとし
て使用するために特に選択されるポリエステルは、所望
に応じて、ホモポリエステル、コポリエステル、または
その混合物でありうる。ポリエステルは、通常は、有機
ジカルボン酸と有機性ジオールとの濃縮によって調製さ
れ、そして、インターカレーション物の剥離前または剥
離後に層状物と接触する間にポリエステルのin situ重
合を行うために、その反応物をインターカレーション
物、または剥離されたインターカレーション物に添加す
ることができる。
【0157】本発明のかかる実施態様でマトリックスポ
リマーとして使用するのに好適なポリエステル類は、芳
香族、環状脂肪族及び脂肪族ジオール類と、脂肪族、芳
香族及び環状脂肪族ジカルボン酸類との濃縮により得ら
れるもので、環状脂肪族、脂肪族または芳香族ポリエス
テル類でありうる。
【0158】本発明のかかる実施態様を実施するうえで
マトリックスポリマーとして利用できる、有用な環状脂
肪族、脂肪族及び芳香族ポリエステル類の例としては、
ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキシ
レンジメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンドデ
ケート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ[エ
チレン(2,7-ナフタレート)]、ポリ(メタフェニレン
イソフタレート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(エチ
レンスクシネート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポ
リ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンアゼレ
ート)、ポリ(デカメチレンアジペート)、ポリ(デカ
メチレンセバケート)、ポリ(ジメチルプロピオラクト
ン)、ポリ(パラ−ヒドロキシベンゾエート)(EKONO
L)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)(A-tel
l)、ポリ(エチレンイソフタレート)、ポリ(テトラ
メチレンテレフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンテレ
フタレート)、ポリ(デカメチレンテレフタレート)、
ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)
(トランス)、ポリ(エチレン-1,5-ナフタレート)、
ポリ(エチレン-2,6-ナフタレート)、ポリ(1,4-シク
ロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)
(シス)、及びポリ(1,4-シクロヘキシリデンジメチレ
ンテレフタレート)(KODEL)(トランス)などが挙げ
られる。
【0159】ジオールと芳香族ジカルボン酸の濃縮によ
り調製されるポリエステル化合物は、本発明の前記実施
態様においてマトリックスポリマーとして特に好適であ
る。かかる有用性をもつ芳香族カルボン酸の例として
は、テレフタル酸、イソフタル酸及びo-フタル酸、1,3-
ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン
酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4'-ジフェニルジカルボン酸、4,4'-ジフェ
ニルスルフォンジカルボン酸、1,1,3-トリメチル-5-カ
ルボキシ-3-(p-カルボキシフェニル)-イダン、ジフェ
ニルエーテル4,4'-ジカルボン酸及びビス-p-(カルボキ
シフェニル)メタン等が挙げられる。前記の芳香族ジカ
ルボン酸のうち、ベンゼン環を有するもの(テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸など)が、本発明を
実施するうえでの使用に好ましいものである。これらの
好ましい酸前物質(acid precursor)のうち、テレフタ
ル酸が特に好ましい酸前物質である。
【0160】本発明の最も好ましい実施態様では、ポリ
(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタ
レート)、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフ
タレート)、ポリビニルアミン、及びそれらの混合物か
らなる群より選択されるポリマーにインターカレーショ
ン物が組入れられる。選択可能なこれらのポリエステル
のうち、ポリ(エチレンテレフタレート)及びポリ(ブ
チレンテレフタレート)が最も好ましい。
【0161】本発明の剥離物を用いたナノ合成物を形成
するための、さらに別の有用な熱可塑性ホモポリマー類
及びコポリマーマトリックスポリマー類には、α,β不
飽和モノマー類、あるいは以下の式
【0162】
【化10】
【0163】(式中、R15及びR16は、同じかまたは互
いに異なっており、シアノ、フェニル、カルボキシ、ア
ルキルエステル、ハロ、アルキルまたは1以上の塩素も
しくはフッ素で置換されたアルキル、または水素原子を
表す)で示されるモノマーの重合により形成されるポリ
マー類が挙げられる。このような好ましいホモポリマー
類及びコポリマー類の例は、エチレン、プロピレン、ビ
ニルアルコール、アクリロニトリル、ビニリデンクロリ
ド、アクリル酸のエステル類、メタクリル酸のエステル
類、クロロトリフルオロエチレン及びビニルクロリド等
のホモポリマー類及びコポリマー類である。好ましいも
のは、ポリ(プロピレン)、プロピレンコポリマー類、
ポリ(エチレン)、及びエチレンコポリマー類である。
より好ましいものは、ポリ(エチレン)及びポリ(プロ
ピレン)である。
【0164】本発明の混合物には、種々の任意に配合可
能な成分、極性有機性液体に一般的に使用される添加物
を含有させることができる。このような任意成分には、
凝集剤(nucleating agent)、フィラー、可塑剤、衝撃
修飾剤、鎖伸張剤、可塑剤、着色剤、鋳型脱離潤滑剤、
静電気防止剤、色素、火炎抑制剤などが包含される。こ
れらの任意成分、及びその適切な添加量は、当該技術分
野においてよく知られている。
【0165】担体または、医薬品などの担体に溶解され
たもしくは担体に分散された有効成分を移送するのに好
適な粘性組成物を形成するための、液体担体または溶媒
組成物中に含まれる、インターカレーションされ、且つ
/または剥離された層状物の量は、組成物の意図される
用途及び所望の粘度に依存して、広範囲に変えることが
できる。例えば、5,000〜5,000,000 cpsの極めて高い粘
度を有する溶媒ゲルを形成する場合には、組成物の総重
量の約10から約30重量%といった比較的多量のインター
カレーション物が使用される。しかしながら、例えば0.
1〜5重量%程度の比較的低濃度のインターカレーション
物及び/またはその剥離物を用いても、組成物のpHを約
0〜6もしくは約10〜14の範囲に調整し、且つ/または、
例えば約25℃から約200℃、好ましくは約75℃から約100
℃の範囲の、室温よりも高い温度に組成物を加熱するこ
とによって、極めて高い粘度を有するものとすることも
できる。
【0166】小板の負荷量は、組成物の約10%を下回る
ことが好ましい。組成物総重量の約0.01重量%から約40
重量%、好ましくは約0.05重量%から約20重量%、さら
に好ましくは約0.5重量%から約10重量%の範囲内で、
インターカレーション物または小板粒子を負荷すること
によって、組成物の粘度が有意に増大する。概して、担
体/溶媒へ導入されるインターカレーション物及び/ま
たは小板粒子の量は、組成物の総重量に基づき、約20重
量%未満、好ましくは約0.05重量%から約20重量%、さ
らに好ましくは約0.01重量%から約10重量%、そして最
も好ましくは、約0.01重量%から約5重量%である。
【0167】本発明の重要な特徴によれば、本発明のイ
ンターカレーション物及び/または小板/担体組成物
は、例えば、約10〜90%、好ましくは約20〜80%のイン
ターカレーション物及び/または層状物の剥離小板、そ
して、約10〜90%、好ましくは約20〜80%の担体/溶媒
といった、例えばマスターゲルのごとき濃縮状態で製造
できる。このマスターゲルは、後になってから、追加の
担体または溶媒を用いて希釈混合し、組成物の粘度を所
望のレベルにまで減じることができる。
【0168】インターカレーション物及び/またはその
剥離物を、担体または溶媒に混合して、その担体または
溶媒の粘性組成物が製造されるが、担体または溶媒に溶
解または分散された1以上の有効成分、例えば制汗剤な
どを、随意に含有せしめることができる。
【0169】本発明の重要な特徴によれば、多岐にわた
る局所活性化合物を、本発明の安定な組成物に導入で
き、この場合、当該局所活性化合物は、表面修飾剤と共
に粘土の層間空間にコインターカレーションされる。こ
のような局所活性を有する組成物には、皮膚または髪に
接触して作用する香粧用、工業用、医薬用の合成物で、
皮膚もしくは頭髪に接触して作用するもの、または工業
用グリース等の流動性を調整するために用いられるもの
などが包含される。本発明の他の重要な特徴によれば、
局所活性化合物を本発明の組成物中に可溶化すること、
または不溶性の微粒子物として組成物全体に均質に分散
させることができる。いずれの場合でも、本発明の局所
的に有効な組成物は、組成物の分離に対して耐性を有
し、皮膚または頭髪などへの局所活性化合物において効
果的に適用することができる。安定性を高めるために必
要であれば、Laughlinらの米国特許第3,929,678号(か
かる特許の開示は本明細書に含まれるものとする)に開
示されたような界面活性剤を、組成物中に含有させるこ
とができる。通常、本発明の局所的に有効な組成物は、
局所活性化合物が組成物中に可溶化されている場合に
は、実質的に相分離しないことが示されている。さらに
は、組成物中で局所活性化合物が不溶性である場合、組
成物は本質的に相分離しないこともを示されている。
【0170】局所活性化合物とは、香粧品として活性な
化合物、医薬品として活性な化合物、または皮膚もしく
は髪への適用に有用な種々の他の化合物でありうる。こ
のような局所活性化合物には、例えば制汗剤、ふけ防止
剤、抗細菌性化合物、抗菌化合物、抗炎症化合物、局所
麻酔剤、日焼け止め剤及び他の香粧品用、医薬品用の局
所的に有効な化合物が包含される。
【0171】従って、本発明の重要な特徴によれば、安
定で局所的に有効な組成物は、一般に知られている、微
細化した固形収斂剤の塩、例えばアルミニウムクロロヒ
ドレート、アルミニウムクロロヒドロキシ、ジルコニウ
ムクロロヒドレート、及びアルミニウムクロロヒドレー
トとジルコニルクロリドまたはジルコニルヒドロキシク
ロリドとの複合体などの制汗剤化合物のいかなるものも
包含することができる。一般的に、アルミニウムジルコ
ニウムテトラクロロヒドレックスグリシンなどの制汗剤
化合物の組成物中の量は、組成物の総重量に基づき、約
0.01%から約50%、好ましくは約0.1%から約30%であ
る。
【0172】他の局所活性化合物は、その化合物により
意図される機能を成就するに足る量で、本発明の組成物
中に含有させることができる。例えば、組成物の用途と
して日焼け止め剤が意図される場合、酸化亜鉛、二酸化
チタンまたは類似の化合物を含有させることができる。
同じように、抗菌化合物、抗細菌性化合物、抗炎症性化
合物、局所麻酔剤、発疹、皮膚疾患または皮膚炎等の治
療剤、ならびに抗掻痒または刺激低減用の化合物などの
局所活性医薬を、本発明の組成物に含有させることがで
きる。例えば、ベンゾカイン、塩酸ジクロニン及びアロ
エベラ等の表面麻酔剤;ブタンベンピクレート、塩酸リ
ドカイン及びジロカイン(zylocaine)等の麻酔剤;ポ
ビドンイオダイン、ポリミキシンb、硫酸バシトラシ
ン、ネオマイシン亜鉛、ヒドロコーチゾン硫酸、クロラ
ムフェニコール、メチルベンゼトニウムクロリド、及び
エリスロマシン等の防腐剤;リンデン等の駆虫剤;クロ
ロフィリン銅複合体、アルミニウムクロリド、アルミミ
ウムクロリドヘキサヒドレート及びメチルベンゼトニウ
ムクロリド等の防臭剤;ベンゾイルパーオキシド、エリ
スロマイシン−ベンゾイルパーオキシド、クリンダマイ
シンホスフェートまたは5,7-ジクロロ-8-ヒドロキシキ
ノリン等の痙瘡緩解薬などの本質的にすべての皮膚病
剤、アルクロメタゾンジプロピオネート及びベタメサゾ
ンバレラート等の抗炎症性剤、o-アミノ-p-トルエンス
ルフォンアミドモノアセテート等の火傷緩解用軟膏、モ
ノベンゾン等の脱色素剤、活性ステロイド類アムシノニ
ド、ジフロラゾンジアセテート及びヒドロコーチゾン等
の皮膚炎緩解剤、メチルベンゼトニウムクロリド等のお
むつかぶれ緩解剤、鉱油、PEG−4ジラウレート、ラ
ノリン油、石油及び鉱物ロウ等の皮膚緩和薬(エモリエ
ント)及び湿潤剤(モイスチャライザー)、ブトクアゾ
ールニトレート、ハロプロジン及びクロトリマゾール等
の殺菌剤、9-[(2-ヒドロキシエトキシ)メチル]グアニン
等のヘルペス治療剤、アルクロメタゾンジプロピオネー
ト、ベタメサゾンバレラート、イソプロピルミリステー
ト及びMSD等の掻痒症治療剤、アントラリン、メトキ
サレン及びコールタール等の乾癬、脂漏症治療剤及び疥
癬撲滅剤、オクチルp-(ジメチルアミノ)ベンゾエー
ト、オクチルメトキシシンナメート及びオキシベンゾン
等の日焼け止め剤、2-(アセチロキシ)-9-フルオロ-1',
2',3',4'-テトラヒドロ-11-ヒドロキシプレグナ-1,4-ジ
エノ[16,17-b]ナフタレン-3,20-ジオン及び21-クロロ-9
-フルオロ-1',2',3',4'-テトラヒドロ-11b-ヒドロキシ
プレグナ-1,4-ジエノ[16z,17-b]ナフタレン-3,20-ジオ
ン等のステロイド類が挙げられる。
【0173】局所投与が可能な他のいかなる医薬も、そ
の意図される機能を果たすに充分な量で、本発明の組成
物に含有せしめることができる。
【0174】モノマーが複合した小板粒子が実質的に均
質に分散した、担体または溶媒を含んでなる、より粘性
の強い組成物を提供するためには、最終的に生じる、イ
ンターカレーションされた層状物の剥離によって、イン
ターカレーション物の少なくとも約90重量%が離層され
るべきである。このように比較的充分な剥離を行うため
に、インターカレーション物によっては、1秒当たり約1
0を上回る剪断速度を必要とする。他のインターカレー
ション物は、自然にもしくは加熱することにより、また
は、加熱もしくは非加熱下で例えば0.5から60気圧の圧
力をかけることによって剥離する。剪断速度の上限は、
特に問題ではない。本発明の特に好ましい実施態様にお
いて、剥離のために剪断が使用される場合、剪断速度
は、1秒当たり約10から約20,000であり、より好ましい
実施態様においては、剪断速度は、1秒当たり約100から
約10,000である。
【0175】剥離のために剪断が採用される場合、イン
ターカラント/担体組成物に対して剪断を付すために用
いられうるいかなる方法でも使用可能である。剪断作用
は、例えば機械的手段、温度ショック、圧力の変化また
は超音波など、当該技術分野において知られる適切な種
々の方法によって供給することができる。特に有用な方
法において、組成物は機械的方法によって剪断される。
かかる機械的方法で、スタラー、Banbury(商標)タイ
プのミキサー、Brabender(商標)タイプのミキサー、
長時間用のミキサー、及び押出機などの機械的手段を用
いることにより、インターカレーション物が、担体また
は溶媒の存在下または非存在下にて剪断される。他の方
法では、組成物の温度を交互に上昇または降下させて温
度による膨張を惹起こし、剪断を生じさせる内的応力を
かけることによって剪断を成し遂げる、温度ショックが
用いられる。さらに別の方法では、圧力変更法で急激に
圧力を変えることにより剪断がなされたり、または、組
成物の一部分を振動させ、もしくは異なる相において加
振させる、キャビテーションまたは共鳴振動における超
音波技術により、剪断が成し遂げられる。これらの剪断
方法は、単に有用な方法の代表例を示したに過ぎず、イ
ンターカレーション物を剪断するための当該技術分野に
おいて知られたいかなる方法であっても採用することが
できる。
【0176】機械的剪断方法は、前記のように押出、射
出成形機、Banbury(商標)タイプのミキサー、Brabend
er(商標)タイプのミキサー等を使用する方法も可能で
ある。押出機(単軸または二軸)の一方の端に層状物及
びインターカラントモノマーを導入し、もう一方の端で
剪断されたものを受けることによってでも、剪断を成し
遂げることができる。層状物/インターカラントモノマ
ー組成物の温度、押出機の長さ、押出機内での組成物の
滞留時間及び押出機のデザイン(単軸、二軸、単位長当
たりのフライト数、チャンネルの深さ、フライトクリア
ランス、混合領域等)などが、剥離させるために付され
る剪断力の強さを制御する変動可能な因子である。
【0177】剥離は全体にわたって、層状物の少なくと
も約80重量%、好ましくは少なくとも約85重量%、さら
に好ましくは少なくとも約90重量%、そして最も好まし
くは、少なくとも約95重量%が離層され、実質的に均質
に担体または溶媒中に分散することができる、3つの小
板を含む単層タクトイド、またはより好ましくは独立し
た個々の小板粒子を形成するように、充分になされるべ
きである。この方法によって形成されると、担体または
溶媒中に分散される小板粒子または小板複層タクトイド
が有する厚さは、独立した個々の層の厚さに加えて複合
したモノマーの単層の1から5層分の厚さ、または、約
10層を下回る低倍数分の層、好ましくは約5層を下回
る、より好ましくは約3層を下回る、そしてさらに好ま
しくは1または2層分の厚さである。
【0178】本発明の好ましい実施態様においてすべて
の層間空間のインターカレーション及び離層が完遂さ
れ、しかして、すべての、または実質的にすべての個々
の層が互いに離層し、担体または溶媒との混合物用の、
分離した小板粒子が形成される。初めに組成物は、輸送
及び供給(pumping)のために比較的低い粘度を提供す
べく、容易に剥離することを介して粘度を高めることが
所望されるまで、必ずしも完全に剥離していない、すべ
てのインターカレーション物として層状物を包含するこ
とができる。ある層の間でインターカレーションが不充
分にしかなされない場合、担体または溶媒中でそれらの
層は離層せず、共平面凝集物の形態にて層を含む小板粒
子を形成するであろう。
【0179】本発明において形成されるインターカレー
ション物に由来する、ナノスケールの微粒子として分散
される小板粒子を極性有機性液体担体に添加することに
よって得られる効果として典型的なものは、粘度の増大
である。
【0180】本発明により製造されたインターカレーシ
ョン物の剥離物から得られた小板を所望の負荷量含有す
る、熱可塑性または熱硬化性ポリマーを含んでなる成形
用の組成物は、多様な特性を備えたシート及びパネルの
製造において、顕著に好適である。このようなシート及
びパネルは、有用な物品を形成する真空処理または加熱
圧縮などによる旧来の方法によって形成されうる。本発
明に基づいて作製されるシート及びパネルは、例えば
木、ガラス、セラミック、金属またはプラスチック等を
含む他の材料のためのコーティング剤としても好適であ
り、また、例えばビニル樹脂ベース等の従来の接着促進
剤を用いて、顕著な強度を提供することが可能である。
前記シート及びパネルは、他のプラスチックフィルムと
共に積層することもでき、これは好ましくは共押出によ
り、シートを融解した状態で結合させて行われる。これ
らシート及びパネルは、エンボス加工を施したものも含
めて、例えばラッカー処理または保護フィルムの適用
等、旧来の方法により表面を改善または仕上げることが
できる。
【0181】マトリックスポリマー/小板合成物は、押
出フィルム及びラミネートフィルム、例えば、食品包装
用に使用されるフィルム等の製造のために特に有用であ
る。このようなフィルムは、従来のフィルム押出技術を
用いて製造することができる。フィルムの厚さは、好ま
しくは約10〜約100 μm、さらに好ましくは約20〜約100
μm、最も好ましくは約25〜約75 μmである。
【0182】本発明の1実施態様であるナノ合成物を形
成する、本発明において剥離され、均質に分布した小板
粒子、及びマトリックスポリマーは、好適なフィルム形
成法によって、フィルムに形成される。典型的には、組
成物は溶融されて、フィルム形成ダイに押込まれる。ナ
ノ合成物のフィルムは、小板にさらに方向性を生じさせ
る工程に付して、小板全体の主平面が、フィルム全体の
主平面に実質的に平行となるようにしてもよい。これ
は、二軸方向にフィルムを引伸ばす方法により行われ
る。例えば、フィルムがダイから押出される際に、フィ
ルムを牽引するテンションローラによって軸方向または
機械方向にフィルムが引伸ばされる。同時に、フィルム
の両端を掴んで引き離す方向に牽引することによって、
フィルムが横方向に引伸ばされる。別の方法では、チュ
ーブラフィルムダイを用いてフィルムを横方向に引伸ば
し、且つ、チューブラフィルムダイから通過して出る際
にフィルムがブローイングされる。本発明に基づいて得
られるフィルムは引張応力の増大、湿潤強さの増大、寸
法安定性の増大、水分の吸着性の低下、酸素等のガスな
らびに水、アルコール及び他の溶媒等の液体の透過性の
減少などといった利点の少なくとも1つを呈しうるもの
である。
【0183】以下、実施例によりさらに本発明を詳細に
説明するが、本発明はもとよりこれら実施例に限定され
るものではない。
【0184】
【実施例】実施例1には、ドデシルピロリドン(DD
P)/エポキシ/粘土のコインターカレーション濃縮物
の調製を示し、比較例1には、表面修飾剤(DDP)を
含まないNa−粘土へのエポキシ樹脂のインターカレー
ションを示す。次いで実施例2には、別の表面修飾剤ネ
オドール(Neodol)を用いた、表面修飾剤/エポキシ樹
脂/粘土由来のコインターカレーション濃縮物の調製を
示す。実施例3には、さらに長鎖の1-オクタデシル-2-
ピロリドンを用いた、表面修飾剤/エポキシ樹脂/粘土
由来のコインターカレーション濃縮物の調製を示す。実
施例4には、表面修飾剤(DDP)とポリマーインター
カラント(ポリジメチルシロキサン)と粘土より形成し
たコインターカレーション濃縮物の調製を示す。実施例
5には、表面修飾剤(DDP)/エポキシ/粘土のコイ
ンターカレーション濃縮物を用いた、剥離物を含むナノ
合成物の調製、ならびに得られたナノ合成物の様々な特
性を示す。
【0185】(実施例1)DDP/エポキシ/粘土のコ
インターカレーション濃縮物の調製 ドデシルピロリドン(DDP)/エポキシ/粘土のコイ
ンターカレーション濃縮物を調製した。コインターカレ
ーション物は、乾燥粘土や粘土スラリーより、以下の2
つの方法のいずれによっても形成された。
【0186】200グラムの乾燥ナトリウムモンモリロ
ナイト粘土(約8重量%の水を含み、陽イオン交換能
(CEC)は、100グラム当たり120ミリグラム当量であ
る)と、150グラムのダウ(Dow)液体エポキシ樹脂DER
331とを室温にて混合した。200グラムのナトリウムモン
モリロナイト粘土中のNa+陽イオンに対して1:1のモ
ル比となるように、62グラムのDDP(1-ドデシル-2
ピロリドン)を、前記エポキシ−粘土混合物に添加し
た。この混合物は、単なる物理的混合物であり、ペース
ト状態にあった。次いで、150グラムの水を、かかる混
合物に徐々に添加した。DDP/エポキシ/粘土の混合
物の表面に水が到達すると、混合液は、濃化された固形
状の物質を形成した。添加された水分子によって、粘土
のタクトイドの周囲で物理的に混合されたエポキシ及び
DDP分子のインターカレーションが促進される。コイ
ンターカレーションが一旦行われれば、DDP及びエポ
キシの自由な液相は消失し、混合物は固形状の形態に変
わった。水が添加された混合物は、単軸の押出機を使用
することにより押出を行い、90〜95℃にて乾燥した。乾
燥後、均一な粉体が得られた。乾燥したものを粉砕し、
その粉末のX線回折(XRD)分析を行った。
【0187】参照のため、開始物であるナトリウムモン
モリロナイトの粉末のXRDのパターンを、図8に示
す。図8で、ナトリウムモンモリロナイトは、12.3Åの
基底間隔を有し、さらに、層間間隔は、2.7Åであるこ
とが示され、この層間間隔は、Naイオン及び配位結合
している水分子によって占められるものである。実施例
1にて得られた、乾燥したDDP/エポキシ/粘土物の
XRDを、図9に示す。この物質の基底間隔は34Åであ
り、ナトリウムモンモリロナイトの層間空間にエポキシ
及びDDPがインターカレーションされ、コインターカ
レーション物が形成されたことが示唆されるものであ
る。
【0188】コインターカレーション物は図6及び7に
示すごとき類似の構造を有し、DDP分子は層間Naイ
オンに結合しており、そしてエポキシ分子は、層間空間
内存在している。コインターカレーション物は、37重量
%のエポキシ樹脂含量を有していた。このコインターカ
レーション物を、1:1:0.75−DDP/DER 331/粘土
コインターカレーション濃縮物と命名した(最初の1:1
の対は、DDPすなわち表面修飾剤と層間陽イオンとの
モル比を示し、第2の1:0.75の対は、粘土とエポキシ
樹脂との重量比を示す)。表面修飾剤と層間陽イオンと
のモル比は、1:5程度の低値にまで低減することができ
る。
【0189】次いで、1:3:2.25−DDP/DER 331/
粘土コインターカレーション濃縮物を調製した。エポキ
シ含量は、42重量%であった。このコインターカレーシ
ョン物のXRDパターンを図10に示す。
【0190】前記と同様のDDP/エポキシ/粘土
コインターカレーション濃縮物を、粘土スラリーの中に
所望の量のDDP及びエポキシ樹脂を添加して混合し、
その混合物を乾燥することによって調製した。
【0191】前記と同様のDDP/エポキシ/粘土
コインターカレーション濃縮物を、二軸押出機を使用す
ることによって調製した。
【0192】前記と同様のDDP/エポキシ/粘土
コインターカレーション濃縮物を調製するために、予め
混合しておいたDDP/エポキシ/水の懸濁液を粘土に
添加し、押出を行って麺のような形状のものを形成し、
乾燥させた。
【0193】以上の種々の手順で調製したコインターカ
レーション濃縮物は化学的組成が同じ場合、本質的に同
様のXRDパターンを示した(図9参照)。
【0194】(比較例1)表面修飾剤(DDP)を含ま
ない場合のエポキシ−粘土複合物の調製 実施例1に記載したコインターカレーション濃縮物の形
成における表面修飾剤の重要性を立証すべく、以下の実
験を行った。
【0195】200グラムの乾燥ナトリウムモンモリロナ
イト粘土(約8重量%の水を含み、陽イオン交換能(C
EC)は、100グラム当たり120ミリグラム当量である)
と、150グラムのダウエポキシ樹脂DER 331とを混合し
た。次いで、150グラムの水を、かかる混合物に添加
し、単軸の押出機を使用することにより押出を行った。
押出後の物質を90〜95℃にて乾燥し、濃厚なペースト状
の物資を得た。かかるペースト状の物質のXRDによれ
ば、19Åの層間間隔が示され、粘土の層間空間にエポキ
シ分子がわずかにインターカレーションされたことが示
唆されるものであった。得られた物質のペースト状の形
態から、ほとんどのエポキシ分子が、粘土の層間領域の
外に存在していることも示唆される。従って、本発明の
インターカレーション濃縮物形成のために、表面修飾剤
の存在が重大であることが明らかである。
【0196】(実施例2)直鎖一級アルコールエトキシ
レートを用いたコインターカレーション濃縮物の調製 実施例1とは異なる表面修飾剤ネオドールを使用して、
表面修飾剤/エポキシ樹脂/粘土由来のコインターカレ
ーション濃縮物を調製した。
【0197】発明の実施の形態にて前記した通り、表面
修飾剤は、長鎖(C6+)アルキル基及び粘土の層間陽イ
オンに結合することができる官能基を有する種々の分子
を使用できる。ネオドールのシリーズ1-3、1-5、1-7、
及び1-9は、直鎖一級アルキルエトキシレートであり、
本発明にて使用される表面修飾剤の完璧な候補物質とし
て挙げることができるものである。すべてのネオドール
一級アルキルエトキシレートは、C11アルキル鎖を有
し、そして異なる比率で酸化エチレン単位を含んでい
る。かかる酸化エチレン単位は、粘土の層間空間内のN
+イオンに結合する、強い親和性を有している。
【0198】コインターカレーション濃縮物の調製は、
以下の手順で実施した。
【0199】100グラムのナトリウムモンモリロナイト
粘土と、100グラムのDER 354(ビスフェノール−F型エ
ポキシ樹脂(ダウケミカル社製))及び36グラムのネオ
ドール1-3とを混合した。次いで、100グラムの水を、か
かるエポキシ/ネオドール/粘土混合物に添加した。こ
の結果、粘土の層間空間にネオドール及びエポキシがコ
インターカレーションされた。乾燥後のネオドール/DE
R 354/粘土は、33.1Åの基底間隔を有していた。
【0200】(実施例3)1-オクタデシル-2-ピロリド
ンを用いたコインターカレーション濃縮物の調製 さらに長鎖のピロリドン型表面修飾剤、すなわち、1-オ
クタデシル-2-ピロリドンを使用して、コインターカレ
ーション濃縮物を調製した。
【0201】1-オクタデシル-2-ピロリドンは、室温下
では固形である。41グラムの1-オクタデシル-2-ピロリ
ドン、150グラムのDER 331及び150グラムの水を混合
し、均一な懸濁液を得るべく75℃まで加熱した。得られ
た懸濁液に200グラムのナトリウムモンモリロナイトを
添加し、混合して押出を行った。その後乾燥して得られ
たコインターカレーション物(1:3:2.25−ODP/DE
R 331/粘土)のXRDパターンを図11に示す。この
コインターカレーション物は、39.7Åの基底間隔を有し
ており、これは本実施例で用いた表面修飾剤よりも短鎖
の1-ドデシル-2-ピロリドンから調製したコインターカ
レーション物より広い基底間隔であった。従って、表面
修飾剤のサイズによって、インターカラントのインター
カレーションの度合いを制御できることが示唆されるも
のである (実施例4)DDP/ポリジメチルシロキサン(PDM
S)/粘土のコインターカレーション濃縮物の調製 200グラムのPDMS(Gelest DMS-S35、分子量:49,00
0)と、200グラムのナトリウムモンモリロナイトを混合
した。その混合物に31グラムのDDPを加え、その後20
0グラムの水を添加した。得られた混合物を完全に混合
し、単軸の押出機を使用して押出を行い、次いで90〜95
℃にて乾燥した。乾燥後にXRDを行い、36Åの基底間
隔を有することが明らかになった(図12参照)。従っ
て、粘土の層間空間にDDP及びPDMSが首尾よくコ
インターカレーションされたことが示された。
【0202】(実施例5)DDP/エポキシ/粘土のコ
インターカレーション濃縮物を用いたナノ合成物 約40重量%のエポキシ含量を有するDDP/エポキシ/
粘土コインターカレーション濃縮物を実施例1と同様に
調製した。その層間空間は、エポキシモノマーで充たさ
れていた。従って、このコインターカレーション濃縮物
を剥離するために、未架橋液体樹脂中に当該コインター
カレーション濃縮物を分散させた。10グラムのDDP/
エポキシ/粘土コインターカレーション濃縮物(1:3:
2.25−DDP/DER 331/粘土)を、マトリックスまた
はホスト材料としてのDER 331、90グラムと混合した。
分散されたエポキシ−濃縮物のXRDパターンを、図1
3に示す。分散前のXRDパターン(図10)に認めら
れた、32Åの鋭い回折ピークの強度が低下し、広くなっ
ていることに注目されたい。このことから、未架橋樹脂
と混合することによって、コインターカレーション物の
部分的な剥離が起こることが示唆される。
【0203】次いで、50グラムのジェファミン(Jeffam
ine)D400硬化剤(Huntsman Chemical)を、得られたエ
ポキシ−DDP/エポキシ/濃縮物分散物に添加し、75
℃にて3時間、次にさらに125℃にて3時間かけて硬化
させた。こうして得られた硬化後のエポキシ−粘土合成
物のXRDパターンを図14(a)DDP/エポキシ/
粘土コインターカレーション濃縮物に示す。このXRD
パターンから、硬化後の合成物における層間の秩序性
(ordering)は全く示唆されず、一方、4.5Åのd011間
隔によって明示される通り二次元の粘土構造は維持され
ていることが示される。比較のために、硬化処理前のDE
R 331-D400マトリックスのXRDパターンを、図14
(b)に示す。
【0204】異なる硬化剤を使用したエポキシ合成物を
調製すべく、前記1:3:2.25−DDP/DER 331/粘土
コインターカレーション濃縮物を用いた。得られた合成
物について、動的機械的分析(DMA)を行い、得られ
たDMA曲線(温度に対する屈曲引張応力で示す)を図
15、16及び17に示す。DMAは、パーキンエルマ
ー社製の熱分析器を用い、1分当たり2.00℃の昇温速度
で-50℃から50℃までについて実施した。図15に示す
エポキシ−粘土ナノ合成物は、エポキシマトリックスと
してエポン(Epon)828を用い、硬化剤としてエピ−キ
ュア(Epi-Cure)3055(Shell Chamical社製)を用いて
製造したものであり、室温では可撓性を有する。図16
は、エポキシマトリックスとしてDER 331を用い、硬化
剤としてジェファミンD400(Huntsman Chemical)を用
いた、エポキシ合成物(室温では剛性である)に関する
グラフである。図17は、エポキシマトリックスとして
DER 331を、硬化剤としてジェファミンD230を用いたも
のについて示す。各図において、コインターカレーショ
ン物を含まない樹脂マトリックスについてのDMA曲線
を比較のために示している。図に示される結果から、本
発明のナノ合成物は、引張応力が増大しており、さらに
ガラス転移温度も上昇していることが明らかに証明され
る。ナノ合成物のこれらの特性が増強されたことによっ
て、元の樹脂マトリックスよりもさらに好適な適用範囲
が許容されることになるであろう。
【0205】DDP/DER 331/粘土コインターカレー
ション濃縮物を用いた、濃縮されたDER 331−D230マト
リックスより調製したナノ合成物の、有機溶媒耐性及び
化学的耐性についての評価を行うために、以下の実験を
行った。
【0206】DDP/DER 331/粘土(1:2:2または
1:3:3)コインターカレーション濃縮物を用いたDER 3
31−D230マトリックス試料を、トルエン(図18)また
は6 N(36%)塩酸(図19)に接触させて、経時的な
重量の増加率を調べた。接触時間に応じて重量が増加す
ることで、溶媒の取込み、すなわち、低耐性が示唆され
るものであり、本発明のナノ合成物で、有機溶媒及び塩
酸に対する耐性が向上していることが示唆された。
【0207】以上の記載に鑑みて、本発明に種々変更を
施したり、代替となる態様を想起することは、当業者で
あれば容易になしうると考えられる。従って、これらの
記載は、単なる例示にすぎないと解釈されるべきであ
り、本発明を実施するうえでの最も好ましい態様を教示
する目的でなされたものである。本発明の詳細は、本発
明の特徴を逸脱しない限りにおいて実質的に変更可能で
あり、本発明の特許請求の範囲にあるすべての変更の本
発明の範疇にあることを意図するものである。
【0208】
【発明の効果】本発明のインターカレーション物は、使
用されるインターカラント表面修飾剤によって、層状物
の層間領域が親水性から疎水性に変換され、従って、重
合可能なモノマー、重合可能なオリゴマー及び/または
ポリマーが、層間空間に容易にインターカレーションさ
れうるようになる。従って、インターカラント表面修飾
剤と、重合可能なモノマー、重合可能なオリゴマー及び
/またはポリマーが一緒に存在することによって、層間
空間にインターカレーションされるべき重合可能なモノ
マー、重合可能なオリゴマー及び/またはポリマーがよ
り多く存在する環境が提供され、インターカレーション
物がナノ合成物を形成すべく、ポリマーマトリックス内
にて容易に剥離されるようになる。
【0209】かかるインターカレーション物から調製さ
れるナノ合成物(例えば、エポキシ−粘土)は、ポリマ
ーマトリックスのみの場合に比して、機械的強度、耐熱
性、化学薬品に対する耐性が増強されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】ナトリウムモンモリロナイト粘土平面及び層間
表面についてのイオン電荷分布を概略的に示す平面図で
ある。
【図2】図1に示すナトリウムモンモリロナイト粘土の
側面図(bc方向の投影図)である。
【図3】ナトリウムモンモリロナイト粘土小板の表面上
の電荷分布の概観図である。
【図4】層状物(a)及びエポキシ樹脂/表面修飾剤/
層状物のインターカレーション濃縮物(b)の概観図で
ある。
【図5】10重量%のドデシルピロリドンと90重量%のナ
トリウムモンモリロナイトの複合物についてのX線回折
パターンを示すグラフである。
【図6】モンモリロナイト粘土の層間空間への、ドデシ
ルピロリドン表面修飾剤及びビスフェノールA型エポキ
シ樹脂のコインターカレーション物の概観図である。
【図7】図6に示すコインターカレーション物におい
て、表面修飾剤であるドデシルピロリドンが占める領域
及び表面修飾剤の機能を表す概観図である。
【図8】約8重量%の水を含む、ナトリウムモンモリロ
ナイト粘土のX線回折パターンを示すグラフである。
【図9】ドデシルピロリドンとNa+イオンのモル比を
1:1とし、粘土とエポキシ樹脂の重量比を1:0.75とし
て得られた、1:1:0.75−DDP/DER 331/粘土コイ
ンターカレーション濃縮物のX線回折パターンを示すグ
ラフである。
【図10】ドデシルピロリドンとNa+イオンのモル比
を1:3とし、粘土と樹脂の重量比を1:0.75として得ら
れた、1:3:2.25−DDP/DER 331/粘土コインター
カレーション濃縮物のX線回折パターンを示すグラフで
ある。
【図11】1-オクタデシル-2-ピロリドン(C18)とN
+イオンのモル比を1:3とし、粘土と樹脂の重量比を
1:0.75として得られた、1:3:2.25−ODP/DER 331
/粘土コインターカレーション濃縮物のX線回折パター
ンを示すグラフである。
【図12】ドデシルピロリドンとNa+イオンのモル比
を1:2とし、ポリジメチルシロキサンと粘土の重量比を
1:1として得られた、DDP/PDMS/粘土コインタ
ーカレーション濃縮物のX線回折パターンを示すグラフ
である。
【図13】1:3:2.25−DDP/DER 331/粘土コイン
ターカレーション濃縮物を10重量%、及び90重量%のエ
ポキシ樹脂(DER 331)のエポキシ−粘土懸濁物のX線
回折パターンを示すグラフである。
【図14】図13に示すエポキシ−粘土懸濁物とジェフ
ァミンD400硬化剤から調製したエポキシ−粘土ナノ合成
物(a)、ならびに硬化処理前のDER 331-D400マトリッ
クス(b)のX線回折パターンを示すグラフである。
【図15】エポキシマトリックスとしてエポン828を、
硬化剤としてエピ−キュア3055を用いて調製したエポキ
シ−粘土ナノ合成物の動的機械的分析の結果を示すグラ
フである。
【図16】エポキシマトリックスとしてDER 331を、硬
化剤としてジェファミンD400を用いて調製したエポキシ
−粘土ナノ合成物の動的機械的分析の結果を示すグラフ
である。
【図17】エポキシマトリックスとしてDER 331を、硬
化剤としてジェファミンD230を用いて調製したエポキシ
−粘土ナノ合成物の動的機械的分析の結果を示すグラフ
である。
【図18】DDP/DER 331/粘土(1:2:2または1:
3:3)コインターカレーション濃縮物を用いたDER 331
−D230マトリックス試料のトルエンに対する耐性を示す
グラフである。
【図19】DDP/DER 331/粘土(1:2:2または1:
3:3)コインターカレーション濃縮物を用いたDER 331
−D230マトリックス試料の塩酸に対する耐性を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギャリー ダブリュ. ビール アメリカ合衆国 60050 イリノイ マク ヘンリー レイクビュー サークル 27856 (72)発明者 セメオン ティプルスキー アメリカ合衆国 60646 イリノイ リン カーンウッド エヌ. カストナー アベ ニュー 6720 (54)【発明の名称】 モノマー、オリゴマー及び/またはポリマーインターカラントならびに表面修飾剤と層状物との コインターカレーションによって形成したインターカレーション物及び当該インターカレーショ ンで調製したナノ合成物

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離することができるインターカレーシ
    ョン物であって、層状物を、少なくとも6の炭素原子を
    有するアルキル基を包含するインターカラント表面修飾
    剤と接触させることによって形成され、 該インターカレーション物が、少なくとも約1:5のイン
    ターカラント表面修飾剤と層間陽イオンとのモル比を有
    し、層状物の隣接する層間空間にインターカラント表面
    修飾剤の収着及び複合が成し遂げられ、該層状物の主な
    隣接する小板間の間隔が、インターカラント表面修飾剤
    を収着した後に測定すると、少なくとも約10Åに広げら
    れているインターカレーション物。
  2. 【請求項2】 前記インターカラント表面修飾剤を含有
    する組成物中のインターカラント表面修飾剤の濃度が、
    インターカレーション組成物中の、表面修飾剤用の水−
    有機溶媒、及びインターカラント表面修飾剤の重量に基
    づいて少なくとも約0.1重量%である請求項1記載のイ
    ンターカレーション物。
  3. 【請求項3】 重合可能なモノマー、重合可能なオリゴ
    マー、ポリマー、及びこれらの組合せよりなる群から選
    択される第2のインターカラントをさらに含み、インタ
    ーカレーション組成物中の該第2のインターカラントの
    濃度が、少なくとも約1重量%である請求項2記載のイ
    ンターカレーション物。
  4. 【請求項4】 前記インターカレーション組成物中の第
    2のインターカラントの濃度が、少なくとも約2重量%
    である請求項3記載のインターカレーション物。
  5. 【請求項5】 前記インターカレーション組成物中の第
    2のインターカラントの濃度が、少なくとも約30重量%
    である請求項4記載のインターカレーション物。
  6. 【請求項6】 前記インターカレーション組成物中の第
    2のインターカラントの濃度が、約10重量%から約60重
    量%の範囲にある請求項4記載のインターカレーション
    物。
  7. 【請求項7】 前記インターカレーション組成物中の第
    2のインターカラントの濃度が、約50重量%から約90重
    量%の範囲にある請求項5記載のインターカレーション
    物。
  8. 【請求項8】 前記インターカレーション組成物中の第
    2のインターカラントの濃度が、接触される層状物の乾
    燥重量に基づき、少なくとも約10重量%である請求項3
    記載のインターカレーション物。
  9. 【請求項9】 前記インターカレーション組成物中の第
    2のインターカラントの濃度が、接触される層状物の乾
    燥重量に基づき、約16重量%から約70重量%の範囲にあ
    る請求項8記載のインターカレーション物。
  10. 【請求項10】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、接触される層状物の
    乾燥重量に基づき、約16重量%から約35重量%未満の範
    囲にある請求項9記載のインターカレーション物。
  11. 【請求項11】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、接触される層状物の
    乾燥重量に基づき、約35重量%から約55重量%未満の範
    囲にある請求項9記載のインターカレーション物。
  12. 【請求項12】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、接触される層状物の
    乾燥重量に基づき、約55重量%から約200重量%未満の
    範囲にある請求項8記載のインターカレーション物。
  13. 【請求項13】 フィロシリケートを剥離する方法であ
    って、以下の工程、すなわち、 少なくとも6の炭素原子を有するアルキル基を含む少な
    くとも2重量%のインターカラント表面修飾剤を含んで
    なるインターカレーション組成物にてフィロシリケート
    をインターカラントに接触させて請求項1乃至12のい
    ずれかに記載のインターカレーション物を形成し、隣接
    するフィロシリケート小板の間に、該隣接するフィロシ
    リケート小板を少なくとも約10Åの距離まで離間させる
    に足る量で前記インターカラント表面修飾剤をインター
    カレーションさせ、及びインターカレーションされたフ
    ィロシリケートの小板を分離する工程を含む方法。
  14. 【請求項14】 前記インターカレーション組成物が、
    該インターカレーション組成物の総重量に基づき約5重
    量%から約50重量%の水を含む水性担体を含んでなる請
    求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記インターカレーション組成物が、
    約10重量%から約40重量%の水を含んでなる請求項14
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記インターカレーション組成物が、
    重合可能なモノマー、重合可能なオリゴマー、ポリマ
    ー、及びこれらの組合せよりなる群から選択される第2
    のインターカラントをさらに含み、該インターカレーシ
    ョン組成物中の該第2のインターカラントの濃度が、少
    なくとも約1重量%である請求項13乃至15のいずれ
    かに記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記インターカレーション組成物に、
    該インターカレーション組成物の総重量に基づき約10重
    量%から約90重量%の濃度で第2のインターカラントを
    含む請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 組成物重量の約40重量%から約99.95
    重量%の量の有機性液体担体、ならびに、請求項1乃至
    12のいずれかに記載のインターカレーション物もしく
    はその剥離物または請求項13乃至17のいずれかに記
    載の方法によって得られるインターカレーション物及び
    /もしくは剥離物を約0.05重量%から約60重量%含む組
    成物。
  19. 【請求項19】 前記インターカレーション物が、大部
    分は個々の小板にまで剥離されている請求項18記載の
    組成物。
  20. 【請求項20】 前記インターカレーション組成物がさ
    らに、重合可能なモノマー、重合可能なオリゴマー、ポ
    リマー、及びこれらの組合せよりなる群から選択される
    第2のインターカラントを、インターカレーション組成
    物中、少なくとも約1重量%の濃度にて含み、また、イ
    ンターカレーション組成物中の該第2のインターカラン
    トの濃度が、インターカレーション組成物中のフィロシ
    リケートの乾燥重量に基づき少なくとも約4重量%であ
    る請求項18または19に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、該インターカレーシ
    ョン組成物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、
    少なくとも約15重量%である請求項20記載の組成物。
  22. 【請求項22】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、インターカレーショ
    ン組成物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、少
    なくとも約20重量%である請求項21記載の組成物。
  23. 【請求項23】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、インターカレーショ
    ン組成物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、少
    なくとも約30重量%である請求項22記載の組成物。
  24. 【請求項24】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、インターカレーショ
    ン組成物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、約
    50重量%から約80重量%の範囲にある請求項23記載の
    組成物。
  25. 【請求項25】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、インターカレーショ
    ン組成物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、約
    50重量%から約200重量%の範囲にあり、該第2のイン
    ターカラントにオニウムイオンまたはシランカップリン
    グ剤が含まれていない請求項23記載の組成物。
  26. 【請求項26】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、少なくとも約16重量
    %である請求項21記載の組成物。
  27. 【請求項27】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、約16重量%から200
    重量%の範囲にある請求項26記載の組成物。
  28. 【請求項28】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、約16重量%から約35
    重量%の範囲にある請求項26記載の組成物。
  29. 【請求項29】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、約35重量%から約55
    重量%未満の範囲にある請求項26記載の組成物。
  30. 【請求項30】 前記インターカレーション組成物中の
    第2のインターカラントの濃度が、約55重量%から約70
    重量%未満の範囲にある請求項26記載の組成物。
  31. 【請求項31】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
    インターカレーション物もしくはその剥離物、請求項1
    3乃至17のいずれかに記載の方法によって得られるイ
    ンターカレーション物及び/もしくは剥離物、または請
    求項18乃至30のいずれかに記載の組成物に含まれる
    インターカレーション物及び/もしくは剥離物と、マト
    リックスポリマーとを含んでなる合成物であって、 該マトリックスポリマーが、エポキシ、ポリアミド、ポ
    リビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルイ
    ミン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンテレフタレ
    ート、ポリブチレンテレフタレート、ならびに、ジヒド
    ロキシエチルテレフタレート、ジヒドロキシブチルテレ
    フタレート、ヒドロキシエチルメチルテレフタレート、
    ヒドロキシブチルメチルテレフタレート及びこれらの組
    合せよりなる群から選択されるモノマーより重合された
    ポリマーならびにこれらの組合せよりなる群から選択さ
    れる合成物。
  32. 【請求項32】 前記マトリックスポリマーが、ヒドロ
    キシエチルテレフタレートのポリマーと、ジヒドロキシ
    エチルテレフタレート及びジヒドロキシブチルテレフタ
    レート、ならびにこれらの組合せよりなる群から選択さ
    れるモノマーより重合されたポリマーとの混合物である
    請求項31記載の合成物。
  33. 【請求項33】 前記マトリックスポリマーが、ポリエ
    チレンテレフタレートである請求項31記載の合成物。
  34. 【請求項34】 熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー
    及びこれらの組合せよりなる群から選択される、約10重
    量%から約99.95重量%のマトリックスポリマー、なら
    びに約0.05重量%から約60重量%のフィロシリケート物
    の剥離された小板を含有する請求項31乃至33のいず
    れかに記載の合成物の製造方法であって、 該小板は、イオン結合、静電気的結合、キレート形成、
    水素結合、イオン−双極子、双極子/双極子、ファン・
    デル・ワールス力及びこれらの組合せよりなる群から選
    択される結合様式を介して、少なくとも6の炭素原子の
    アルキル基を含むインターカラント表面修飾剤が、フィ
    ロシリケート小板の内側表面の間にインターカレーショ
    ンして結合している、インターカレーションされたフィ
    ロシリケートに由来するものであり、以下の工程、すな
    わち、 フィロシリケートを、水及びインターカラント表面修飾
    剤と接触させ、該インターカラント表面修飾剤は、少な
    くとも6の炭素原子を有するアルキル基を含むものであ
    って、フィロシリケートの隣接する小板間を少なくとも
    約10Åの距離に広げるに足る量で該隣接するフィロシリ
    ケート小板の間にインターカラント表面修飾剤のインタ
    ーカレーションを成し遂げ、 前記マトリックスポリマーとインターカレーション物を
    配合し、 該インターカレーション物の離間した小板を、大部分が
    個々の小板となるまで剥離し、ならびに該剥離した小板
    を前記マトリックスポリマー全体に分散させる工程を含
    む方法。
  35. 【請求項35】 前記水、インターカラント表面修飾
    剤、該フィロシリケート、ならびに、重合可能なモノマ
    ー、重合可能なオリゴマー、疎水性ポリマー、及びこれ
    らの組合せよりなる群から選択される第2のインターカ
    ラントを含有するインターカレーション組成物中でフィ
    ロシリケートが水と接触され、 該インターカレーション組成物中の該第2のインターカ
    ラントの濃度が、少なくとも約1重量%である請求項3
    4記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記インターカレーション組成物が、
    フィロシリケートの乾燥重量に基づき、約10重量%から
    約90重量%の前記第2のインターカラントを含むもので
    ある請求項34記載の方法。
  37. 【請求項37】 フィロシリケート物にインターカレー
    ションされるインターカラント表面修飾剤の量が、フィ
    ロシリケート物の乾燥重量に基づき、約15重量%から約
    80重量%である請求項1または3記載のインターカレー
    ション物。
  38. 【請求項38】 インターカレーションされるインター
    カラント表面修飾剤とフィロシリケートの層間陽イオン
    のモル比が、約1:1〜1:5である請求項37記載のイン
    ターカレーション物。
  39. 【請求項39】 第2のインターカラントとフィロシリ
    ケート物との重量比が、約20グラムの第2のインターカ
    ラントに対し100グラムのフィロシリケート物から、約8
    0グラムの第2のインターカラントに対し100グラムのフ
    ィロシリケート物までである請求項38記載のインター
    カレーション物。
  40. 【請求項40】 インターカレーション組成物中のイン
    ターカラント表面修飾剤とフィロシリケート物の重量比
    が、1:1〜1:5である請求項1記載のインターカレーシ
    ョン物。
JP9329903A 1997-08-11 1997-12-01 モノマー、オリゴマー及び/またはポリマーインターカラントならびに表面修飾剤と層状物とのコインターカレーションによって形成したインターカレーション物及び当該インターカレーションで調製したナノ合成物 Pending JPH1160983A (ja)

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