JPH09175816A - 官能基を有するモノマー有機化合物を用いて形成したインターカレーション物及び剥離物 - Google Patents

官能基を有するモノマー有機化合物を用いて形成したインターカレーション物及び剥離物

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JPH09175816A
JPH09175816A JP8213610A JP21361096A JPH09175816A JP H09175816 A JPH09175816 A JP H09175816A JP 8213610 A JP8213610 A JP 8213610A JP 21361096 A JP21361096 A JP 21361096A JP H09175816 A JPH09175816 A JP H09175816A
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ティプルスキー セメオン
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ソロキン アナトリー
Anatoliy Goldman
ゴールドマン アナトリー
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    • C01B33/44Products obtained from layered base-exchange silicates by ion-exchange with organic compounds such as ammonium, phosphonium or sulfonium compounds or by intercalation of organic compounds, e.g. organoclay material
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層状物の隣接する層間空間にインターカラン
トの収着及び複合が成し遂げられて隣接する小板間の間
隔が増大し、容易に剥離することができるインターカレ
ーション物を提供する。 【解決手段】 官能基を有するインターカラントモノマ
ーと層状物を接触させることによって、インターカレー
ション物を形成し、さらには、かかるインターカレーシ
ョン物及び/またはその剥離物と有機性液体またはマト
リックスポリマーとを組み合わせて、粘性の担体物また
はマトリックスポリマー物を調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィロシリケート
または他の層状物等の膨潤可能な層状物の平板層の間
に、1以上の官能基を有するモノマー有機化合物を収着
(吸着及び/または吸収)させることにより製造され、
隣接する層における層間間隔が少なくとも約5 Å、好ま
しくは少なくとも約10Åに広げられているインターカレ
ーション(intercalation)した層状物、及びその剥離
物(exfoliate)に関する。さらに詳細には、本発明
は、好ましくはスメクタイト粘土であるフィロシリケー
ト等の層状物の平らな小板の隣接する層間の内側表面の
上に、少なくとも2層のモノマー有機化合物が収着さ
れ、層間間隔が、約100 Åを上限として、少なくとも約
5 Å、好ましくは少なくとも約10 Å、さらに好ましく
は少なくとも約20 Å、最も好ましくは少なくとも約30
〜45 Åに広げられ、あるいは、規則性が消失したイン
ターカレーション物(intercalate)に関する。
【0002】インターカレーションされた層状物は、好
ましくは少なくとも2層の官能基を有するモノマー有機
化合物が、好ましくはスメクタイト粘土であるフィロシ
リケート等の層状物の平らな小板(platelet)の隣接す
る層間の内側表面の上に収着されている。このようにし
て得られるインターカレーション物は、全体として親油
性でも、もしくは全体として親水性でもなく、双方の性
質が組合わさっており、容易に剥離することができ、個
々の小板の状態でポリマーと合わせて合成物を形成する
か、極性有機溶媒と合わせて無数の用途を有する粘性の
組成物を形成することができる。
【0003】得られる極性有機溶媒担体/インターカレ
ーション物もしくは担体/剥離物、またはポリマー/イ
ンターカレーション物もしくはポリマー/剥離された小
板合成物は、例えば、塩化ポリビニルの可塑化のためな
どの熱可塑性または熱硬化性のポリマー類の粘性及び弾
性を高めるために、ガスの非透過性が向上した食品用包
装材用に、電気製品用構成部材用に、食品グレードの飲
料用容器用に、特に極性有機性液体の粘度を上昇させる
ため、ならびに、例えばガラス転移温度及び熱に対する
耐性といった、弾性及び温度特性等の、マトリックスポ
リマーの1以上の物理的性質を変更させるために、可塑
剤として有用である。
【0004】
【従来の技術】従来より、例えばナトリウムモンモリロ
ナイト及びカルシウムモンモリロナイト等のスメクタイ
ト粘土のごときフィロシリケート(phyllosilicate)類
を、有機性アンモニウムイオン等の有機分子で処理し
て、有機分子をポリマーに結合させるため、そして層間
にポリマーをインターカレーションさせ、それにより隣
接するシリケート層の間の層間(積層間)間隔を実質的
に増大させるために、隣接する平らな小板シリケート層
の間に有機分子をインターカレーションすることがよく
知られている。このように処理され、インターカレーシ
ョンされたフィロシリケートは、少なくとも約10〜20Å
且つ約100Åを上限とする層間間隔を有しており、次い
で、例えばシリケート層が分離されて(例えば機械的
に、強力な剪断混合によって)、剥離することができ
る。個々のシリケート層は、例えばポリアミド等のマト
リックスポリマーの重合前、重合後または重合中にマト
リックスポリマーと混合した場合(米国特許第4,739,00
7号、米国特許第4,810,734号及び米国特許第5,385,776
号参照)、機械的強度及び/または高温に対する特性な
どの、ポリマーの1以上の特性を実質的に改良すること
が見出されている。
【0005】「ナノ合成物」とも称される、先行技術に
示される合成物の例は、Allied Signal Inc.の公開され
た国際特許第 WO 93/04118号及び米国特許第5,385,776
号に開示されており、これらは、インターカレーション
を施した層状シリケート物由来の個々の小板粒子をポリ
マーと混合して、剥離したインターカレーション物の添
加により1以上の特性が改善されたマトリックスポリマ
ーが形成されることを開示するものである。国際特許第
WO 93/04118号に開示されるように、シランカップリン
グ剤または、マトリックスポリマーに適合性をもつ反応
基を有する、第4級アンモニウム化合物などのオニウム
陽イオンの吸着により、インターカレーション物が形成
され、すなわち、隣接するシリケート小板の間の層間間
隔が増大する。このような第4級アンモニウム陽イオン
は、ナトリウムモンモリロナイトまたはカルシウムモン
モリロナイトなどの親水性の高い粘土を、有機分子を収
着することができる親油性粘土に変換することがよく知
られている。
【0006】有機的に修飾したシリケートにおける、ポ
リスチレン及びポリ(エチレンオキシド)の、溶媒を用
いない直接的なインターカレーションが、「Synthesis
andProperties of Two-Dimensional Nanostructures by
Direct Intercalation ofPolymer Melts in Layered S
ilicates、Richard A. Vaiaら、Chem. Meter.、5巻、16
94〜1696頁(1993)の出版物に開示されている。また、
Adv. Materials、7巻、2号(1985)、154〜156頁、New
Polymer Electrolyte Nanocomposites:Melt Intercala
tion of Poly(Ethylene Oxide) in Mica-Type Silicate
s、RichardA. Vaiaらに開示されるように、ポリ(エチ
レンオキシド)は、80℃にて2〜6時間加熱することによ
ってナトリウムモンモリロナイト及びリチウムモンモリ
ロナイトの中へ直接インターカレーションし、17.7Åの
d−間隔となすことができる。インターカレーションに
伴って、粘土小板の間に位置する水分子がポリマー分子
に置換される。しかしながら、インターカレーションさ
れた物は明らかに剥離されえず、ペレットの形態にて調
べられた。驚くべきことに、本発明によって剥離物を製
造することができたのである。
【0007】ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビ
ニルアルコール(PVA)及びポリ(エチレンオキシ
ド)(PEO)を、モンモリロナイト粘土の小板の間に
インターカレーションさせるこれまでの試みは、あまり
成功していない。Levyら、Interlayer Adsorption of P
olyvinylpyrrolidone on Montmorillonite、Journal of
Colloid and Interface Science、50巻、3号、1975年3
月、442〜450頁に記載の通り、絶対エタノールで連続的
に洗浄し、次いで、種々の水分量の1% PVP(平均分
子量40,000)/エタノール/水を接触させることによ
り、洗浄中に収着したエタノール溶媒分子を置換してP
VPを収着させ、単イオン性(monoionic)モンモリロ
ナイト粘土(Na、K、Ca及びMg)の小板間に、P
VPを収着させて小板間隔を約約17.7Åに広げる試みが
なされた。ナトリウムモンモリロナイトだけは、PVP
/エタノール/水溶液を接触させた後に、5+% H2Oに
て、20Åの基底間隔(basal spacing)を上回る(例え
ば26Å及び32Å)間隔を有していた。エタノールは、後
でPVPを収着させるため、初期に基底間隔を増大させ
るのに必要であり、そして、水はナトリウムモンモリロ
ナイト以外では、粘土小板間におけるPVPの収着に直
接影響を及ぼさないと結論付けられた。この収着は時間
を要する困難な作業であり、成功の確率は低かった。
【0008】さらに、Greenland、Adsorption of Polyv
inyl Alcohols by Montmorillonite、Journal of Collo
id Sciences、18巻、647〜664頁(1963)に記載のごと
く、12%のアセチル基を含むポリビニルアルコールは、
収着されたポリビニルアルコール(PVA)に起因して
約10Åだけ基底間隔を増大させるにとどまった。インタ
ーカラントポリマー含有溶液中のポリマーの濃度を0.25
から4%に増大させるにつれて、収着されるポリマーの
量は実質的に減少し、インターカラントポリマー含有組
成物中1重量%以下のオーダーのポリマー濃度でしか、
収着が行われ難いかもしれないことが示唆されている。
ポリマーを層状物の中にインターカレーションさせるた
めの前記のような希釈工程は、例えば水等のポリマー担
体からインターカレーション物を単離するためにインタ
ーカレーションされた層状物を乾燥させるに当たって格
別にコストがかかるものと思われ、従って、市場化に向
けてのさらなる働きは、明らかになされることがなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現状に
鑑みてなされたものであり、層状物の隣接する小板間に
充分なインターカラントモノマーを収着またはインター
カレーションさせ、隣接する小板間の間隔を広げて、個
々の小板に容易に剥離できるインターカレーション物を
製造することを目的とする。インターカレーション物
は、担体物や活性化合物の移送(delivery)のための粘
性の担体物を得るべく、有機性溶液と組み合わせたり、
高強度で稠密なポリマーマトリックスを形成すべく、マ
トリックスポリマーと組み合わせることができるもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するために成し遂げられたものであり、その要旨は
以下の通りである。
【0011】(1)剥離することができるインターカレ
ーション物であって、少なくとも約4重量%の水分含量
を有する層状物を、芳香環、ヒドロキシル、ポリヒドロ
キシル、カルボニル、カルボン酸、ポリカルボン酸、ア
ルデヒド、ケトン、アミン、アミド、エーテル、エステ
ル、及びこれらの組合せよりなる群から選択される官能
基を有するインターカラントモノマーと接触させること
によって形成され、該インターカレーション物が、イン
ターカラントモノマーと層状物との重量比で少なくとも
約1:20を有し、層状物の隣接する層間空間にインター
カラントモノマーの収着及び複合が成し遂げられ、該層
状物の主な隣接する小板間の間隔が、インターカラント
モノマーを収着して多くとも5重量%の水分量にまで乾
燥した後に測定すると、少なくとも約5Åに広げられて
いるインターカレーション物。
【0012】(2)フィロシリケートを剥離する方法で
あって、以下の工程、すなわち、少なくとも約4重量%
の水分含量を有するフィロシリケートを、芳香環、ヒド
ロキシル、ポリヒドロキシル、カルボニル、カルボン
酸、ポリカルボン酸、アルデヒド、ケトン、アミン、ア
ミド、エーテル、エステル、及びこれらの組合せよりな
る群から選択される官能基を有する、少なくとも約2重
量%のインターカラントモノマーを含むインターカレー
ション組成物と接触させて、隣接するフィロシリケート
小板の間に、該隣接するフィロシリケート小板を少なく
とも約5Åの距離まで離間させるに足る量でインターカ
レーションさせ、及びインターカレーションされたフィ
ロシリケートの小板を分離する工程を含む方法。
【0013】(3)合成物重量の約40重量%から約99.9
5重量%の量の有機性液体担体及び約0.05重量%から約6
0重量%のインターカレーションされたフィロシリケー
ト物を含む合成物であって、該インターカレーションさ
れたフィロシリケート物は、インターカレーション組成
物を形成すべく、少なくとも約4重量%の水分含量を有
するフィロシリケートを、芳香環、ヒドロキシル、ポリ
ヒドロキシル、カルボニル、カルボン酸、ポリカルボン
酸、アルデヒド、ケトン、アミン、アミド、エーテル、
エステル、及びこれらの組合せよりなる群から選択され
る官能基を有するインターカラントモノマーと接触させ
ることによって形成され、該インターカレーション組成
物が、インターカラントモノマー:フィロシリケートの
重量比で少なくとも約1:20を有して、フィロシリケー
トの隣接する層間空間にインターカラントモノマーの収
着が成し遂げられ、フィロシリケートの主な隣接する小
板間の間隔が、インターカラントモノマーを収着した
後、フィロシリケートの乾燥重量に基づき多くとも約5
重量%の水分含量にて測定した場合に、少なくとも約5
Åに広げられている合成物。
【0014】(4)熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマ
ー及びこれらの組合せよりなる群から選択された、約10
重量%から約99.95重量%のマトリックスポリマー、な
らびに約0.05重量%から約60重量%のフィロシリケート
物の剥離された小板を含有する合成物の製造方法であっ
て、前記小板は、イオン結合、静電気的結合、キレート
形成、水素結合、双極子/双極子、ファン・デル・ワー
ルス力及びこれらの組合せよりなる群から選択される結
合様式を介して、インターカラントモノマーがフィロシ
リケート小板の内側表面の間にインターカレーションし
て結合している、インターカレーションされたフィロシ
リケートに由来するものであり、以下の工程、すなわ
ち、少なくとも約4重量%の水分含量を有するフィロシ
リケートを、水及びインターカラントモノマーと接触さ
せ、該インターカラントモノマーは、芳香環、ヒドロキ
シル基、ポリヒドロキシル基、カルボニル、カルボン
酸、ポリカルボン酸、アルデヒド、ケトン、アミン、ア
ミド、エーテル、エステル、及びこれらの組合せよりな
る群から選択される官能基を有するものであって、フィ
ロシリケートの隣接する小板間を少なくとも約5Åの距
離に広げるに足る量で、該隣接するフィロシリケート小
板の間にインターカラントモノマーの収着を成し遂げ、
前記マトリックスポリマーとインターカレーション物を
合わせ、該インターカレーション物の離間した小板を、
大部分が個々の小板となるまで剥離し、ならびに該剥離
した小板を前記マトリックスポリマー全体に分散させる
工程を含む方法。
【0015】(5)有機性液体及びフィロシリケートイ
ンターカレーション物を含む合成物の製造方法であっ
て、以下の工程、すなわち、フィロシリケート、インタ
ーカラントモノマー、及び水を含むインターカレーショ
ン組成物にフィロシリケートを接触させ、該インターカ
ラントモノマーとフィロシリケートとの重量比は少なく
とも約1:20であり、該インターカラントモノマーの濃
度はフィロシリケートの乾燥重量に基づき少なくとも約
5重量%から約900倍量を上限とし、フィロシリケートの
隣接する小板間を少なくとも約5Åの距離に離間させる
に足る量で、該隣接するフィロシリケート小板の間にイ
ンターカラントモノマーがインターカレーションされた
インターカレーション物を形成し、ならびに前記有機性
液体とインターカレーション物を合わせる工程を含む方
法。
【0016】かくのごとく、本発明によって、例えばフ
ィロシリケート等の層状物を、官能基を有するインター
カラントモノマーと接触させ、かかるインターカラント
モノマーを層状物の隣接する小板間に収着またはインタ
ーカレーションすることによって形成されるインターカ
レーション物が提供される。隣接する小板間に充分にイ
ンターカラントモノマーが収着されて、隣接する小板間
の間隔が、水分を除去(多くとも5重量%の含水量にま
で除去)した後に測定した場合に、100Åを上限とし
て、少なくとも約5Å、好ましくは約10〜45Åの範囲に
広げられており、従って、インターカレーション物が小
板へと容易に剥離されうる。インターカレーションされ
た複合体は、有機性液体と組み合わせて粘性の担体物を
調製することができ、これは、担体の移送、または有効
成分の移送のために有用であり、また、インターカレー
ションされた複合体は、マトリックスポリマーと組み合
わせて、高強度及び稠密なるポリマーマトリックスを得
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、本明細書における用語の意
味するところを、以下に説明する。
【0018】「層状物」とは、スメクタイト粘土鉱物な
どの無機物であって、隣接する複数の層が結合した形で
あり、それぞれの層につき、約3 Åから約50 Å、好ま
しくは約10 Åの厚さを有するものである。
【0019】「小板」とは、層状物の各々の層を意味す
る。
【0020】「インターカレーション物」または「イン
ターカレーションされた物」とは、層状物の隣接する小
板の間に配された官能基を有する有機モノマー分子を包
含し、隣接する小板の間の層間間隔が少なくとも約5
Å、好ましくは少なくとも約10Åに増大された層状物を
意味する。
【0021】「インターカレーション」とは、前記イン
ターカレーション物を形成するための工程を意味する。
【0022】「インターカラントモノマー」または「イ
ンターカラント」または「モノマーインターカラント」
とは、層状物の小板間に収着されて、インターカレーシ
ョン物を形成すべく小板表面に複合する、芳香環、ヒド
ロキシル、ポリヒドロキシル、カルボニル、カルボン
酸、ポリカルボン酸、アルデヒド、ケトン、アミン、ア
ミド、エーテル、エステル、及びこれらの組合せよりな
る群から選択される官能基を有するモノマー有機化合物
を意味する。
【0023】「インターカレーション担体」とは、層状
物のインターカレーションを成し遂げることができるイ
ンターカレーション組成物を形成するためにインターカ
ラントモノマーと共に用いられる、有機溶媒を含有する
水または有機溶媒不含の水を含んでなる担体を意味す
る。
【0024】「インターカレーション組成物」または
「インターカラント組成物」とは、インターカラントモ
ノマー、そのインターカラントモノマーのためのインタ
ーカレーション担体、及び層状物を含む組成物を意味す
る。
【0025】「剥離物」または「剥離された物」とは、
インターカレーションされた層状物の個々の小板であ
り、インターカレーションされた層状物の隣接する小板
が、水、ポリマー、アルコールもしくはグリコールまた
は他の種々の有機溶媒等の担体物全体にわたって、個々
に分散することができるものである。
【0026】「剥離」とは、インターカレーション物か
ら剥離物を形成するための工程を意味する。
【0027】「ナノ合成物」とは、インターカレーショ
ンされて剥離された層状物から得られた、個々の複数の
小板が分散されている、モノマー、ポリマー、オリゴマ
ー、またはコポリマーを包含する混合物を意味する。
【0028】「マトリックスモノマー」とは、インター
カレーション物または剥離物が混合または分散されたモ
ノマーを意味する。
【0029】「マトリックスポリマー」とは、熱可塑性
または熱硬化性のポリマーであって、その中にインター
カレーション物及び/または剥離物が混合または分散さ
れ、ナノ合成物を形成するものである。
【0030】以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0031】前記インターカレーション物(1)におい
て、前記インターカラントモノマーを含有する組成物中
のインターカラントモノマーの濃度が、インターカレー
ション組成物中の水及びインターカラントモノマーの重
量に基づいて少なくとも約0.1重量%であることが好ま
しい。
【0032】さらに、前記インターカレーション組成物
中のインターカラントモノマーの濃度は、好ましくは少
なくとも約1重量%、より好ましくは約2重量%、さらに
好ましくは少なくとも約30重量%であるとよい。
【0033】また、前記インターカレーション組成物中
のインターカラントモノマーの濃度は、好ましくは約10
〜約60重量%の範囲、特に好ましくは約50〜約90重量%
である。
【0034】あるいは、前記インターカレーション組成
物中のインターカラントモノマーの濃度は、好ましくは
接触される層状物の乾燥重量に基づき少なくとも約16重
量%、より好ましくは約16重量%から約70重量%の範
囲、特に好ましくは約16重量%から約35重量%未満の範
囲、もしくは約35重量%から約55重量%未満の範囲、も
しくは約55重量%から約70重量%未満の範囲にあるとよ
い。
【0035】前記インターカレーション物(1)におい
て、前記インターカラントモノマーが、炭素数6から24
を有するアルコールであることが好ましく、あるいは、
前記インターカラントモノマーは、アルコール及び多価
アルコールよりなる群から選択される極性溶媒であるこ
とが好ましい。
【0036】前記フィロシリケートを剥離する方法
(2)において、前記インターカレーション組成物が、
該インターカレーション組成物の総重量に基づき約5重
量%から約50重量%、好ましくは約10重量%から約40重
量%の水を含む水性担体を包含するとよい。
【0037】前記有機性液体担体及びインターカレーシ
ョンされたフィロシリケート物を含む合成物(3)にお
いて、インターカレーション物が、大部分は個々の小板
にまで剥離されていることが好ましい。
【0038】前記合成物(3)において、前記インター
カレーション組成物が、フィロシリケート、インターカ
ラントモノマー及び水を含み、該インターカレーション
組成物中のインターカラントモノマーの濃度が、インタ
ーカレーション組成物中のフィロシリケートの乾燥重量
に基づき、少なくとも約4重量%であることが好まし
い。
【0039】また、前記合成物(3)において、前記イ
ンターカレーション組成物中のインターカラントモノマ
ーの濃度は、インターカレーション組成物中のフィロシ
リケートの乾燥重量に基づき、少なくとも約15重量%、
好ましくは少なくとも約20重量%より好ましくは少なく
とも約30重量%、特に好ましくは約50重量%から約80重
量%の範囲にあるとよい。
【0040】さらに前記合成物(3)において、前記イ
ンターカレーション組成物中のインターカラントモノマ
ーの濃度が、インターカレーション組成物中のフィロシ
リケートの乾燥重量に基づき、約50重量%から約100重
量%の範囲にあり、モノマーにオニウムイオンまたはシ
ランカップリング剤が含まれていないことが好ましい。
【0041】また、前記合成物(3)において、前記イ
ンターカレーション組成物中のインターカラントモノマ
ーの濃度は、好ましくは少なくとも約16重量%、より好
ましくは約16重量%から約70重量%の範囲、さらに好ま
しくは約16重量%から約35重量%の範囲、特に好ましく
は約35重量%から約55重量%の範囲、あるいは、約55重
量%から約70重量%未満の範囲であるとよい。
【0042】前記合成物(3)において、さらに、ポリ
アミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポ
リビニルイミン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ならびに、ジヒドロキシエチル
テレフタレート、ジヒドロキシブチルテレフタレート、
ヒドロキシエチルメチルテレフタレート、ヒドロキシブ
チルメチルテレフタレート及びこれらの組合せよりなる
群から選択されたモノマーより重合されたポリマーなら
びにこれらの組合せよりなる群から選択されたマトリッ
クスポリマーを包含することが好ましい。
【0043】前記マトリックスポリマーは、ヒドロキシ
エチルテレフタレートのポリマーと、ジヒドロキシエチ
ルテレフタレート及びジヒドロキシブチルテレフタレー
ト、ならびにこれらの組合せよりなる群から選択された
モノマーより重合されたポリマーとの混合物であること
がより好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好
ましい。
【0044】前記マトリックスポリマー及びフィロシリ
ケート物の剥離された小板を含有する合成物の製造方法
(4)において、前記フィロシリケートが、前記水、前
記インターカラントモノマー、前記フィロシリケート、
及び液体極性有機炭化水素担体を包含するインターカレ
ーション組成物中の前記水と接触し、前記インターカレ
ーション組成物は、前記フィロシリケートの乾燥重量に
基づき約5重量%から約50重量%の水を含むものである
ことが好ましい。
【0045】また、前記製造方法(4)で、前記インタ
ーカレーション組成物が、フィロシリケートの乾燥重量
に基づき、約10重量%から約90重量%の前記液体極性有
機炭化水素担体を含むことが好ましい。
【0046】本発明の1実施態様によれば、インターカ
レーション物は、フィロシリケートを、ヒドロキシル、
ポリヒドロキシル、芳香環族官能基及びこれらの組合せ
よりなる群から選択された静電気性官能基を有するモノ
マー有機化合物と接触させることによって調製される。
【0047】本発明の他の実施態様によれば、インター
カレーション物は、フィロシリケートを、カルボン酸及
びその塩、ポリカルボン酸及びその塩、アルデヒド、ケ
トン、ならびにこれらの組合せよりなる群から選択され
た静電気性カルボニル官能基を有するモノマー有機化合
物と接触させることによって調製される。
【0048】本発明の他の実施態様によれば、インター
カレーション物は、フィロシリケートを、アミン、アミ
ド及びこれらの組合せよりなる群から選択された静電気
性官能基を有するモノマー有機化合物と接触させること
によって調製される。
【0049】本発明の他の実施態様によれば、インター
カレーション物は、フィロシリケートを、エーテル、エ
ステル及びこれらの組合せよりなる群から選択された静
電気性官能基を有するモノマー有機化合物と接触させる
ことによって調製される。
【0050】本発明の重要な特徴によれば、官能基を有
するモノマー有機化合物及び担体(例えば、官能基を有
するモノマー有機化合物用の他の溶媒を加えた水または
水のみ)の重量に基づいて、少なくとも約2重量%、好
ましくは少なくとも約5重量%の濃度の、官能基を有す
るモノマー有機化合物、より好ましくは少なくとも約10
重量%のモノマー有機化合物、そして最も好ましくは、
約30重量%から約80重量%の濃度で、上記の静電気性官
能基を少なくとも1つ有するモノマー有機化合物と、層
状物を混合することによって、最良の結果が達成され、
官能基を有するモノマー有機化合物による層状物の小板
間への収着が良好に成し遂げられる。水性液体中の官能
基を有するモノマー有機化合物の濃度に関わらず、イン
ターカレーション組成物は、官能基を有するモノマー有
機化合物による層状物の隣接する小板間への効率的なイ
ンターカレーションを成し遂げるために、層状物の小板
の内側表面に静電気性官能基を有するモノマー有機化合
物による静電気的結合をなすべく、官能基を有するモノ
マー有機化合物:層状物の比率は、少なくとも1:20、
好ましくは少なくとも1:10、より好ましくは少なくと
も1:5、そして最も好ましくは約1:4 とするべきであ
る。シリケート小板の間に収着され、結合された(複合
した)官能基を有するモノマー有機化合物によって、隣
接するシリケート小板間の分離及び間隔の拡張が惹起こ
される。
【0051】記載を簡略化するために、前記した官能基
を有するモノマー有機化合物を、以下、「インターカラ
ント」または「インターカラントモノマー」または「モ
ノマーインターカラント」と称する。特定の層状物(例
えばフィロシリケート)またはインターカラントモノマ
ーに限らず、市場に適用可能な方法で、より容易にそし
てより完全に剥離を行うために、モノマーインターカラ
ントが充分に収着され、約5Åから約100Åの範囲、好ま
しくは少なくとも約10Åにフィロシリケートの層間間隔
が増大される。
【0052】本発明によれば、スメクタイト粘土などの
フィロシリケートは、1または2のインターカラントモ
ノマー分子の2つの静電気性官能基と、例えばフィロシ
リケートなどの層状物の小板の内側表面の金属陽イオン
との間の結合を提供する、前記した静電気性官能基の1
以上を有する有機モノマー化合物の収着によって、その
後剥離するために充分にインターカレーションすること
ができる。収着と金属陽イオン相互作用、あるいはイン
ターカラントモノマー分子の2つの官能基とフィロシリ
ケートの層間陽イオンのとの間の結合、あるいは、スメ
クタイト小板層のヘキサ六方晶系または偽六方晶系の環
の中の層間陽イオンとインターカラントモノマーの芳香
環構造との間の結合は、イオン結合、静電気的結合、キ
レート形成、水素結合、双極子/双極子、ファン・デル
・ワールス力及びこれらの組合せよりなる群から選択さ
れる結合様式によって提供される。
【0053】フィロシリケートの隣接する小板の一方ま
たは双方の内側表面上において、1または2つのインタ
ーカラントモノマー分子の1または2つの負に荷電した
原子と電子を共有するフィロシリケートの1以上の金属
陽イオンを介した前記のごとき結合によって、官能基を
有するモノマー有機分子と層状物の小板内側表面との接
着が成し遂げられ、そして隣接するシリケートまたは他
の層状物の小板間の層間間隔が、少なくとも約5Å、好
ましくは少なくとも約10Å、より好ましくは少なくとも
約20Å、そして最も好ましくは約30Åから約45Åの範囲
に増大される。前記負に荷電した原子とは、例えば、酸
素、イオウ、チッ素、及びこれらの組合せが可能であ
る。
【0054】このようなインターカレーションされたフ
ィロシリケートは、例えば、メタノール、エタノール、
プロパノール及び/またはブタノール等の1以上の一価
アルコール、グリセロール及び例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリ
セリン等のグリコール及びこれらの組合せなどの多価ア
ルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミン、
及び他の有機溶媒などといった液体担体または溶媒と混
合する前または混合時に、個々のフィロシリケート小板
へと容易に剥離することができる。これは、揺変性組成
物中での溶媒の移送、または揺変性組成物中で担体もし
くは溶媒に、溶解もしくは分散された、局所活性医薬な
どの活性を有するあらゆる疎水性もしくは親水性有機化
合物の移送を意図するものである。あるいは、インター
カレーション物及び/またはその剥離物は、有機化合物
の粘度を増加させるために、またはマトリックスポリマ
ーの1以上の特性を増強すべくポリマー/インターカレ
ーション物及び/またはポリマー/剥離物の組成物を提
供するために、ポリマーまたは他の有機モノマー化合物
と混合することができる。
【0055】本発明は、ヒドロキシル官能基、カルボニ
ル官能基、カルボン酸官能基、アミン官能基、アミド官
能基、エーテル官能基、エステル官能基及び/または芳
香環官能基の少なくとも1つを有する有機モノマー(イ
ンターカラントモノマー)に層状のフィロシリケートを
接触させて、例えばフィロシリケート等の層状物の隣接
する小板の間にインターカラントモノマーまたはインタ
ーカラントモノマーの混合物を収着またはインターカレ
ーションさせることによって形成されるインターカレー
ション物及びその剥離物に関する。
【0056】隣接するフィロシリケート小板の間に充分
にインターカラントモノマーが収着されて、隣接する小
板間の間隔(層間間隔)が、少なくとも約5Å、好まし
くは少なくとも約10Åの距離(層状物の乾燥重量に基づ
き、多くとも5重量%の水分含量にまで水を除去した後
に測定した値として)、さらに好ましくは約30〜45Åの
範囲の距離に広げられ、かくしてインターカレーション
物が容易に剥離されうるものとなり、場合によっては剪
断の必要なく自然に剥離するものとなる。時により、イ
ンターカレーション物を剪断する必要があるが、これ
は、例えば、極性有機炭化水素等の極性有機溶媒担体、
及び/またはポリマー溶融物とインターカレーション物
とを混合して、容易に成し遂げることができ、小板含有
合成物あるいはナノ合成物が提供され、かかる小板は、
インターカレーションされた層状物(例えばフィロシリ
ケート)の剥離によって得られるものである。
【0057】インターカラントモノマーは、フィロシリ
ケートに対して親和性を有するべきであり、しかしてイ
ンターカラントモノマーが、層間空間においてシリケー
ト小板の間に収着されて小板に会合した状態を維持し、
剥離後にもその会合状態が維持されうる。本発明によれ
ば、インターカラントモノマーは、小板表面に充分に結
合するために、芳香環及び/またはヒドロキシル、ポリ
ヒドロキシル、カルボニル、カルボン酸、ポリカルボン
酸、アルデヒド、ケトン、アミン、アミド、エーテル、
エステル官能基、またはこれらの官能基の組合せを有す
るべきであり、前記結合は、イオン結合、静電気的結
合、キレート形成、水素結合、双極子/双極子、ファン
・デル・ワールス力及びこれらの組合せよりなる群から
選択される結合様式によるものと理論付けられる。
【0058】このような、モノマー有機化合物の1また
は2つの官能基または芳香環構造の負に荷電した原子と
電子を共有するフィロシリケートの金属陽イオンを介し
た、フィロシリケート小板の内側表面への結合によっ
て、インターカラントモノマー分子と層状物の小板内側
表面との接着が成し遂げられる。前記負に荷電した原子
とは、例えば、酸素、イオウ、チッ素、及びこれらの組
合せが可能である。小板の内側表面上の金属陽イオンに
結合するのに充分な電気陰性度を有する原子とは、ポー
リングのスケールで少なくとも2.0、好ましくは少なく
とも2.5の電気陰性度を有するものである。「極性部
分」または「極性基」とは、共有結合しており、ポーリ
ングのスケールで少なくとも0.5単位異なる電気陰性度
を有する、2つの隣接する原子を有する部分として定義
される。
【0059】このようなインターカラントモノマーは、
フィロシリケート小板に対して充分な親和性を有してお
り、前記した先行技術に開示されているオニウムイオン
またはシランカップリング剤等のカップリング剤または
スペーシング剤を必要とせずに、剥離のために充分な層
間間隔を維持することができる。ナトリウムモンモリロ
ナイト粘土の表面の電荷分布の概略図を、図1〜3に示
す。図1で、ナトリウムモンモリロナイト粘土平面及び
層間表面についてのイオン電荷分布を示すが、最も大き
い円でNa+イオンを表し、マグネシウム及びアルミニ
ウムイオンならびにSi及びO原子が、ナトリウムイオ
ンの下方に配置されている。図2及び3に示されるよう
に、O、Mg、Si及びAl原子の位置に対する表面N
+陽イオンの位置(図1及び2)に起因して、図3で
概略的に示した粘土表面の電荷分布を有するのである。
粘土表面全体にわたる正−負の電荷分布によって、粘土
小板の表面上で、官能基を有する有機モノマーの前記極
性官能基との、強い双極子/双極子引力が提供される。
【0060】インターカレーション物を含有する及び/
または剥離物を含有する組成物は、相分離されない安定
な揺変性ゲルの形態とすることができ、香粧品、ヘアケ
ア及び医薬産業等において、種々の有効成分を移送する
ために用いることができる。
【0061】インターカレーション組成物の混合及び/
または押出などにより、層状物をインターカラントモノ
マー及び水と接触させることによって、層状物はインタ
ーカレーションされ、さらに随意に剥離されて、すなわ
ち、隣接するフィロシリケート小板間にモノマーがイン
ターカレーションし、随意に個々の小板にまで層状物が
分離(剥離)する。
【0062】インターカラントモノマー及び水に接触さ
れる層状物に対して与えられる剪断力に応じて、水の量
は変えられる。1つの方法では、例えば粘土などの層状
物の乾燥重量に基づき約25重量%から約50重量%、好ま
しくは約35重量%から約40重量%の水分含量にて、イン
ターカレーション組成物の混和または押出が行われる。
別の方法においては、層状物の乾燥重量に基づき、少な
くとも約25重量%の水、好ましくは少なくとも約65重量
%の水を用い、例えば、層状物及び水の総重量に基づ
き、水中で約20重量%未満の粘土、より好ましくは水中
で約10重量%未満の層状物を用い、層状物の乾燥重量に
基づき約2重量%から約90重量%のインターカラントモ
ノマーが添加されて、粘土と水とでスラリーをつくる。
【0063】インターカラントモノマーの収着は、層状
物の隣接する小板の層間間隔が、乾燥時に測定した場
合、少なくとも約5Å、好ましくは少なくとも約10Å、
より好ましくは少なくとも約20Å、そして最も好ましく
は約30〜45Åの間隔にまでに広げられるに足る程度、充
分になされるべきである。本明細書中に開示したモノマ
ーインターカラントを用いて、容易に剥離することがで
きるインターカレーション物を得るためには、インター
カレーション組成物中のインターカラントモノマーと層
状物(好ましくは、ナトリウムベントナイトなどの水膨
潤性スメクタイト粘土)との重量比は、少なくとも約
1:20、好ましくは少なくとも約1:12から1:10、より
好ましくは少なくとも約1:5、そして最も好ましくは約
1:5から約1:3 にするとよい。
【0064】層状物のインターカレーションの際のイン
ターカレーション組成物中のインターカラントモノマー
の濃度は、インターカレーション組成物中のインターカ
ラントモノマーとインターカラント担体(水と種々の有
機性液体溶媒または水のみ)との総重量に基づき、少な
くとも約15重量%、より好ましくは少なくとも約20重量
%、例えば約20〜30重量%から約90重量%の範囲のイン
ターカラントモノマー濃度であることが望ましい。
【0065】剥離が充分に行われる層間間隔は、前記官
能基を有するインターカラントモノマーを直接的にイン
ターカレーションさせた場合には、オニウムまたはシラ
ンカップリング剤を前もって収着させない限りは、決し
て達成されていない。そしてかかる層間間隔によって、
極性有機化合物または極性有機化合物含有組成物担体ま
たは溶媒の中に小板を組み込む前または組み込む際に、
より容易で且つより完全な剥離が行われるものであり、
担体または溶媒の移送のため、または担体もしくは溶媒
に溶解もしくは分散された活性化合物の投与のための、
予測しえないほど粘性の高い担体組成物が提供される。
【0066】極めて高い粘度を得ることができるので、
このような組成物、特に粘性の高いゲルは、パーマ液用
の酸化剤、局所投与用の医薬などの活性化合物の移送の
ために特に有用である。また、このような組成物は、例
えば、香粧品、油田の採掘液、塗料、潤滑剤(油脂等の
製造における、特に食品グレードの潤滑剤)等の流動性
を修飾する際の極性溶媒と小板との混合として有用であ
る。これらインターカレーション物及び/または剥離物
は、極性有機性担体/ポリマー/インターカレーション
物及び/または小板合成物からの、ポリマー性物質の製
造において、マトリックス熱可塑性または熱硬化性ポリ
マーと混合するうえでも、特に有用である。
【0067】一旦剥離されれば、インターカレーション
物の小板は、ほぼ完全に個々の小板に分離され、元は隣
接していた小板は最早、平行して間隔を保った配置を維
持せず、ポリマー溶融物の全体にわたって、主に単独な
状態の、インターカラントモノマーが被覆(均一にまた
は不均一に)された小板として自由に動く。しかして、
強度、または温度に対する耐性などの1以上の特性を強
化したり、あるいは、担体物の粘度及び揺変性を維持す
べく担体または溶媒材料に混合して用いられる。
【0068】インターカラントモノマー分子が小板表面
に複合した、主に単独な状態のフィロシリケート小板
は、担体または溶媒の全体にわたって、ランダムに、均
質にそして均一に、ほぼ単独の小板として分散され、し
かして、組成物から活性有機化合物を投与するために、
香粧品成分または薬剤などの活性有機化合物を添加した
後においてさえも、担体/小板組成物に新たな予測され
えない粘度が与えられる。
【0069】認識されるように、剥離された個々の小板
の厚さ(約10Å)は、平坦な対向する小板面のサイズに
比べて、比較的小さい。小板は、約200から約2,000の縦
横比を有する。このような細かく分割された小板粒子を
ポリマー溶融物にまたは極性有機性液体担体に分散させ
ると、合成物中の特定の容量の小板粒子について、ポリ
マー溶融物または担体と小板粒子とが非常に広い面積で
接触することとなり、合成物中での小板の均質性の度合
いが高くなる。ミクロンを下回るサイズ(ナノスケー
ル)にて分散された、高い強度及び引張応力を有する小
板粒子は、旧来のミクロンサイズの補強フィラーを匹敵
する程度に負荷した場合よりも、ポリマーに対して強い
機械的補強力を与え、極性有機性液体担体に高い粘度を
付与し、また、旧来のフィラーを匹敵する程度に負荷し
た場合よりも、マトリックスポリマーの透過性を低減さ
せることができる。
【0070】本発明のインターカレーション物及び剥離
物を形成するためには、例えばフィロシリケートなどの
層状物が、膨潤、あるいは、インターカラントモノマー
の収着により、インターカレーションされなければなら
ない。かかるインターカラントモノマーは、芳香環、ヒ
ドロキシル、ポリヒドロキシル、カルボニル、カルボン
酸、ポリカルボン酸、アルデヒド、ケトン、アミン、ア
ミド、エーテル、エステル、及びこれらの組合せよりな
る群から選択される官能基を包含するものである。
【0071】本発明の好ましい実施態様によれば、剥離
のために充分にインターカレーションを成し遂げるた
め、インターカラントモノマーと接触させる前または接
触中に、フィロシリケートが、その乾燥重量に基づき、
少なくとも約4重量%から該フィロシリケートの乾燥重
量の50倍重量まで、好ましくは約7重量%から約100重量
%、より好ましくは約25重量%から約50重量%の水を含
むとよい。好ましくは、効率的なインターカレーション
を行うため、インターカレーション担体に接触せしめる
前に、フィロシリケートが少なくとも約4重量%の水を
含むようにすべきである。効率的に剥離を行うために、
インターカレーション組成物からフィロシリケートに接
触せしめられるインターカラントモノマーの量は、イン
ターカラントモノマー/フィロシリケート重量比として
(フィロシリケートの乾燥重量に基づき)少なくとも約
1:20、好ましくは少なくとも約3.2:20、そしてさらに
好ましくは約4〜14:20となるように供給されるべきで
あり、しかして、例えばフィロシリケート等の層状物の
小板の間へのインターカラントモノマーの収着及び複合
(インターカレーション)が効率よく行われる。
【0072】インターカラントモノマーの収着のため
に、インターカレーション組成物中、層状物の乾燥重量
に基づき、少なくとも約2重量%、好ましくは少なくと
も約5重量%のインターカラントモノマー、より好まし
くは少なくとも約50重量%から約100重量%のインター
カラントモノマー濃度を有する、固体または液体(原液
(原体)もしくは、前記の官能基のいずれかを有しない
有機溶媒(例えばヘプタンなどの脂肪族炭化水素)を含
有した水性溶液またはそのような有機溶媒を含有しない
水溶液)組成物の形態にて、モノマーインターカラント
は導入される。
【0073】かかるインターカラントモノマーは、層状
物の乾燥重量に基づき約20重量%の水、好ましくは少な
くとも約30重量%の水から層状物乾燥重量の50倍重量も
しくはそれ以上の水との層状物/インターカラントモノ
マー混合物に加えて、固形としても添加することができ
る。押出または混和を行う場合には、インターカレーシ
ョン組成物中に好ましくは約30重量%から約50重量%の
水、さらに好ましくは約30重量%から約40重量%の水を
含んで、インターカレーション物によって収着される水
を少なくするとよく、これによってインターカレーショ
ン後の乾燥に要するエネルギー消費を抑えることができ
る。
【0074】モノマーインターカラントは、少なくとも
層状物の主な層間、好ましくはほとんどすべての層間、
さらに好ましくはすべての層間に導入するとよく、しか
してインターカレーション後に剥離した小板粒子は、好
ましくは主に約5層以下、より好ましくは主に1から2
層、そして最も好ましくは主に単層の厚さのものとな
る。
【0075】本発明を実施するうえでは、インターカラ
ントモノマーを充分に収着して隣接するフィロシリケー
ト小板の層間間隔が、フィロシリケートを乾燥させて測
定した場合、少なくとも約5Å、好ましくは少なくとも
約10Åにまで増大される、膨潤性を有する層状物を種々
用いることができる。膨潤性を有する、有用な層状物と
しては、例えば、モンモリロナイト、特にナトリウムモ
ンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト及び/
またはカルシウムモンモリロナイト、ノンロナイト、バ
イデライト、ボルコンスコイト(volkonskoite)、ヘク
トライト、サポナイト、サウコナイト、ソボカイト(so
bockite)、スティブンサイト、スビンフォルダイト(s
vinfordite)、バーミキュライト等のスメクタイト粘土
鉱物などといった、フィロシリケート類が挙げられる。
他の有用な層状物には、イライト及び層状イライト/ス
メクタイト鉱物の混合物(レクトライト、タロソバイト
(tarosovite)、レディカイト(ledikite)及び前記粘
土鉱物とイライトの混合物など)などのマイカ石鉱物が
包含される。
【0076】層上にほとんどまたは全く電荷を有しな
い、他の層状物も、インターカラントモノマーでインタ
ーカレーションして、少なくとも約5Å、好ましくは少
なくとも約10Åにまで層間間隔を広げることができれ
ば、本発明において有用でありうる。膨潤性を有する好
ましい層状物は、構造単位(formula unit)当たり約0.
15から約0.9電荷の範囲で層上に負電荷を有し、層間空
間内に、その負電荷に見合う数の交換可能な金属陽イオ
ンを有する、2:1タイプのフィロシリケートである。最
も好ましい層状物は、モンモリロナイト、ノンロナイ
ト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、
サポナイト、サウコナイト、ソボカイト、スティブンサ
イト及びスビンフォルダイトなどのスメクタイト粘土鉱
物である。
【0077】本明細書中で使用される「層間間隔」なる
語は、層状物においていかようにも離層(剥離)が起き
る前に集合している状態で、隣接する層の内側の面の間
の距離を言及する。層間間隔は、層状物が「風乾」(例
えば、層状物の乾燥重量に基づき、約3〜6重量%の水、
例えば5重量%の水を含有する状態まで乾燥)されて測
定される。
【0078】好ましい粘土材料は、通常、Na+、Ca
2+、K+、Mg2+、NH4 +等及びそれら組合せなどを包
含する層間陽イオンを含むものである。
【0079】インターカレーションされた層状物が容易
に個々の小板にまで剥離または離層されるよう、インタ
ーカレーションされた層状物小板表面にインターカラン
トモノマー分子が充分に複合するために、本発明におい
て有用な膨潤性を有する層状物内にインターカレーショ
ンされるインターカラントモノマーの量は、層状シリケ
ート物の乾燥重量に基づき、実質的に約2重量%から約9
0重量%の範囲、好ましくは少なくとも約10重量%から
約90重量%の範囲で変動させることができる。本発明の
好ましい実施態様において、使用されるモノマーインタ
ーカラントの量は、インターカレーションがなされる層
状物の乾燥重量に基づき、好ましくは、100グラムの層
状物(乾燥重量)当たり、約8グラムから約80〜90グラ
ムのインターカラントモノマー量の範囲、好ましくは、
100グラムの層状物当たり、少なくとも約10グラムから
約80〜90グラムのインターカラントモノマー量の範囲で
ある。さらに好ましい量は、100グラムの層状物(乾燥
重量)当たり、約20グラムから約60グラムのインターカ
ラントモノマー量である。
【0080】モノマーインターカラントは、2つの方法
のうち1つの方法で層状物の層間空間内へ導入される
(空間の中に収着される)。インターカレーションの好
ましい方法において、層状物は、インターカラントモノ
マー/水溶液中またはインターカラントモノマー、水及
び官能基を有するインターカラントモノマーのための有
機溶媒中で、層状物を含むインターカレーション組成物
を形成すべく、例えば押出または混和等によって完全に
混合される。
【0081】剥離のために充分にインターカレーション
を成し遂げるために、層状物/インターカラントモノマ
ーの混合物は、層状物の乾燥重量に基づき、少なくとも
約8重量%、好ましくは少なくとも約10重量%のインタ
ーカラントモノマーを含有する。
【0082】インターカラントモノマー担体(好ましく
は水または、有機溶媒を含んだ水)は、まず担体中にイ
ンターカラントモノマーを可溶化または分散させること
により添加することができる。もしくは、乾燥したイン
ターカラントモノマーと比較的乾燥したフィロシリケー
ト(好ましくは、少なくとも約4重量%の水を含有す
る)を混合して、その混合物にインターカレーション担
体を添加するか、または乾燥したインターカラントモノ
マーを添加する前にフィロシリケートにインターカレー
ション担体を加えてもよい。いずれの場合においても、
比較的少量のインターカレーション担体(特に水、例え
ば、フィロシリケートの乾燥重量に基づき、少なくとも
約4重量%の水)を付すことで、小板間のインターカラ
ントモノマーの、非常に優れた収着及び複合がなされる
ことが見出されている。
【0083】スラリーの形態にてフィロシリケートをイ
ンターカレーションする場合(例えば、約408 kg(900
ポンド)の水、約45.4 kg(100ポンド)のフィロシリケ
ート及び約11.3kg(25ポンド)のインターカラントモノ
マーを使用)、インターカレーション組成物中の水の量
は、少なくとも約30重量%という好ましい最少値から、
とくに限定しない上限値まで、適宜変更することができ
る。フィロシリケートのインターカレーション物は、イ
ンターカレーション組成物から容易に分離される。
【0084】また別の方法としては、インターカラント
モノマー(乾燥していても溶液状態でもよい)添加前
に、インターカレーション担体、例えば、水、または有
機溶媒を含んだ水を、直接フィロシリケートに添加する
ことができる。モノマーインターカラント分子の収着
は、層状物の乾燥重量に基づき、少なくとも約2重量
%、好ましくは少なくとも約5重量%のインターカラン
トモノマー、さらに好ましくは少なくとも約50重量%の
インターカラントモノマーを含有するインターカレーシ
ョン組成物中で、乾燥または液体のインターカラントモ
ノマーに層状物を曝すことにより行ってもよい。インタ
ーカレーション組成物を熱、圧力、超音波によるキャビ
テーション、または超短波に曝すことにより、収着を補
助してもよい。
【0085】層状物の小板間にインターカラントモノマ
ーをインターカレーションし、そのインターカレーショ
ン物を剥離する別の方法においては、少なくとも約4重
量%の水、好ましくは約10から約15重量%の水を含有す
る層状物が、層状物の乾燥重量に基づき少なくとも約8
重量%、好ましくは少なくとも約10重量%のインターカ
ラントモノマーを提供するに充分な割合で、インターカ
ラントモノマーの水溶液と混合される。次いで、その混
合物は、より迅速に層状物とインターカラントモノマー
とのインターカレーションを成し遂げるために、好まし
くは押出される。
【0086】インターカラントモノマーは、フィロシリ
ケートに対して親和性を有するべきであり、しかしてイ
ンターカラントモノマーが、層間空間においてシリケー
ト小板の間に収着されて小板に会合した状態を維持し、
剥離後にもその会合状態が維持されうる。本発明によれ
ば、インターカラントモノマーは、小板表面に充分に結
合するために、芳香環、ヒドロキシル、ポリヒドロキシ
ル、カルボニル、カルボン酸、ポリカルボン酸、アルデ
ヒド、ケトン、アミン、アミド、エーテル、エステルま
たはこれらの組合せよりなる群から選択される官能基を
有するべきであり、前記結合は、イオン結合、静電気的
結合、キレート形成、水素結合、双極子双極子、ファン
・デル・ワールス力及びこれらの組合せよりなる群から
選択される結合様式によるものと理論付けられる。
【0087】1または2つのインターカラントモノマー
分子の、1もしくは2つの官能性モノマー分子またはモ
ノマー芳香環分子の負に荷電した原子と電子を共有する
フィロシリケートの金属陽イオンを介した、このような
フィロシリケート小板の内側表面への結合によって、ヒ
ドロキシル及び/または芳香環分子と層状物の小板内側
表面との接着が成し遂げられる。このようなインターカ
ラントモノマーは、フィロシリケート小板に対して充分
な親和性を有するものであり、前記した先行技術に開示
されているオニウムイオンまたはシランカップリング剤
等のカップリング剤またはスペーシング剤を必要とせず
に、剥離のために充分な層間間隔を維持することができ
る。
【0088】図1〜3に示すように、O、Mg、Si及
びAl原子の配置に対する表面Na+イオンの配置、な
らびに、天然の粘土でのMg+2陽イオンからAl+3陽イ
オンへの置換(置換部位での実効負電荷は残存)は、図
3に示す粘土表面の電荷分布に起因するものである。粘
土小板表面全体にわたる、そして層間空間内の粘土小板
表面上の、この正と負の交互の表面電荷によって、極性
モノマー官能基及び/または芳香環官能性モノマー分子
の、強い双極子/双極子引力が提供され、粘土のインタ
ーカレーション及び剥離後の小板表面上でのかかる極性
分子の結合が成し遂げられる。
【0089】有機性液体担体の粘土を増大させるため
に、合成物中の小板粒子の使用量は、約10%を下回るこ
とが好ましい。合成物の約0.05重量%から約40重量%、
好ましくは約0.5重量%から約20重量%、さらに好まし
くは約1重量%から約10重量%の範囲内で小板粒子を負
荷することによって、粘土が有意に増強される。概し
て、液体担体(例えば、グリセロールなどのグリコール
といった、極性溶媒等)に導入される小板粒子の量は、
合成物の混合物重量の約90重量%未満、好ましくは約0.
01重量%から約80重量%、さらに好ましくは約0.05重量
%から約40重量%、そして最も好ましくは、約0.05重量
%から約20重量%、または約0.05重量%から約10重量%
である。
【0090】本発明の重要な特徴によれば、インターカ
レーションされたフィロシリケートが、例えば、10〜90
%、好ましくは20〜80%のインターカラントモノマー
(他の極性有機化合物担体と共に、またはかような化合
物を加えずに)及び、10〜90%、好ましくは20〜80%
の、極性有機性担体に分散して所望の小板粒子の使用量
にて担体に添加する前または添加後に剥離を行なうこと
ができる、インターカレーションされるフィロシリケー
トを含むような、濃縮状態で製造できる。
【0091】本発明におけるインターカラントモノマー
及び/または有機性液体担体(マトリックスモノマー)
としての使用に好適な、1以上のヒドロキシ官能基を有
する極性有機性化合物には、脂肪族アルコール、芳香族
アルコール、アリール基で置換した脂肪族アルコール、
アルキル基で置換した芳香族アルコール、及びフェノー
ルなどの多価アルコールを包含する、あらゆるアルコー
ルが包含される。
【0092】好適なアルコールの例には以下のものが包
含されるが、これらに限定されることはない。すなわ
ち、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノー
ル、1-ノナロール、1-デカノール、1-ウンデカノール、
1-ドデカノール、1-トリデカノール、1-テトラデカノー
ル、1-ペンタデカノール、1-ヘキサデカノール、1-ヘプ
タデカノール、1-オクタデカノール、1-ノナデカノー
ル、1-エイコサノール、1-ヘキサコサノール、1-ヘント
リアコンタノール、9-ヘキサデセン-1-オール、9-オク
タデセン-1-オール、10-エイコセン-1-オール、2-メチ
ル-1-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、2-エチル
-1-ヘキサノール、3,5-ジメチル-1-ヘキサノール、2,2,
4-トリメチル-1-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノー
ル、2-オクタノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、
及び2,6,8-トリメチル-4-ノナロールを包含する脂肪族
アルコールが挙げられる。
【0093】洗浄剤系列の脂肪族アルコールには、ココ
ナッツ、タロー及び/またはパーム油から製造されるC
8〜C18アルコール、C16、C18オレイルアルコール、
9〜C15混合アルコール、C6〜C22混合アルコール、
ならびにエチレン及び他のオレフィン類から製造される
13、C15アルコールなどの、C6〜C24のアルコール
が包含される。さらに、洗浄剤の系列のアルコールに
は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチ
ルアルコール、タローアルコール、ステアリルアルコー
ル、及びオレイルアルコールが包含される。主にテトラ
メチル-1-ノナノールからなる、トリデシルアルコール
(C1328O)などの分岐した洗浄剤系列のアルコール
も、インターカラントモノマー及び/または極性有機性
液体担体として好適である。
【0094】可塑剤系列のアルコールには、ヘキサノー
ル(C614O)、4-メチル-2-ペンタノール(C614
O)、オクタノール(C818O)、イソオクチルアル
コール(C818O)、2-エチルヘキサノール(C818
O)、イソノニルアルコール(C920O)、デカノー
ル(C1022O)、及びトリデシルアルコール(C13
28O)が包含される。
【0095】マトリックスモノマーとして1以上の洗浄
剤系列のアルコールを含有するナノ合成物(極性有機性
液体担体としての1以上の洗浄剤系列のアルコールの中
にフィロシリケート小板が分散されているもの)は、例
えば、以下の表1に示す産業において有用である。
【0096】
【表1】
【0097】可塑剤系列のアルコールは、主として、例
えば、塩化ポリビニル(PVC)などの可塑剤及び他の樹
脂に使用されるが、表2に示すごとき他の産業及び消費
製品においても幅広く使用される。
【0098】
【表2】
【0099】可塑剤系列のアルコールは、プラスチック
において、数多くの他の用途を有するものである。すな
わち、ヘキサノール及び2-エチルヘキサノールは、アク
リレート類、エチレン、及びプロピレンの重合における
触媒系の一部として使用され、2-エチルヘキサノールの
ペルオキシジカーボネートは、塩化ビニルのための重合
開始剤として利用され、様々なトリアルキル亜リン酸塩
類は、プラスチック用の熱及び光安定剤としての用途が
認められており、有機スズ誘導体は、PVCのための熱安
定剤として使用され、オクタノールは、様々なプラスチ
ックにおける炭酸カルシウムフィラーの適合性を改善す
るものであり、2-エチルヘキサノールは、発泡ポリスチ
レンビーズをつくるのに使用される。
【0100】数多くのアルコール、特に炭素数8のアル
コールは、潤滑剤耐磨耗剤の添加物としてジアルキルジ
チオホスフェート亜鉛を製造するために用いられる。潤
滑油に対する粘度指数を改良するためには、少量が使用
される。様々な、性能が向上した油回収工程で、地下の
貯蔵油を取り出すために、ヘキサノールまたはへプタノ
ールを含有する調製物が利用され、アルコール及びその
誘導体は、油製造において消泡剤としても使用される。
【0101】2-エチルヘキサノール及びイソオクチルア
ルコールなどの可塑剤系列のアルコール、ならびにこれ
らのアルコールからつくられた界面活性剤は、農業分野
の化学製品用の乳化剤及び湿潤剤として使用される。
【0102】洗浄剤系列の材料に対する、例えば、硫酸
化、エトキシ化、及びアミノ化などの工程と同様の工程
を用いて、数多くの界面活性剤が可塑剤系列のアルコー
ルからつくられる。これらの界面活性剤は、主として工
業及び商業分野において適用されるものである。アミン
及びトリアルキルアミンのいずれも、鉱石の泡沫浮遊選
鉱において使用され、アルコールは、鉱物濃縮物の脱水
またはエマルジョンの破壊に使用されることもある。
【0103】炭素数8までのアルコールは、鎖状または
分岐状ヘキサノールの誘導体と同様に、専門の溶媒とし
ての適用範囲を有する。2-エチルヘキサノールに対する
他の適用分野としては、インク、コーティング剤、及び
ポリエステル織物用の染料が挙げられる。鎖状アルコー
ルのトリアルキルアミンは、はんだの融剤において使用
され、そしてヘキサノールは、はんだ付融剤の溶媒とし
て用いられる。
【0104】本発明のインターカラントモノマーとし
て、及び/または極性有機溶媒(マトリックスモノマ
ー)として、多価アルコールも好適に使用される。この
ような多価アルコールの例として、以下のものが挙げら
れる。
【0105】(1)ペンタエリスリトール、テトラメチ
ロールメタン
【0106】
【化1】
【0107】(2)ジペンタエリスリトール
【0108】
【化2】
【0109】(3)トリペンタエリスリトール
【0110】
【化3】
【0111】(4)トリメチロールエタン
【0112】
【化4】
【0113】(5)トリメチロールプロパン
【0114】
【化5】
【0115】(6)ジトリメチロールプロパン
【0116】
【化6】
【0117】ペンタエリスリトールの最も重要な産業上
の用途は、様々な塗料、コーティング剤、及びワニスに
あり、ここで、前記多価アルコールが有する4つの水酸
基の架橋形成能が重大である。アルキド樹脂は、フタル
酸またはマレイン酸などの有機酸及び天然油脂種と、ペ
ンタエリスリトールを反応させることによって製造され
る。
【0118】ペンタエリスリトールを唯一のアルコール
基の供給源として用いて得られる樹脂は、高い粘度及び
速乾性を有するという特徴が認められる。これらの樹脂
は、水及びガソリンに対して優れた耐性も呈するもので
あり、さらにはフィルム硬度及び接着性が向上してい
る。アルキド樹脂の特性は、ペンタエリスリトールのす
べてまたは一部を、グリコール、グリセロール、トリメ
チロールエタン、またはトリメチロールプロパンに置換
することによって変化させることができ、これによって
機能性が減じられうる。同様に、有機酸をアジピン酸な
どの長鎖を有する酸に置換し、あるいは、油成分(亜麻
仁油、ダイズ油等)の含量を変更することで、最終的に
得られる産物の乾性、硬度、及び磨耗特性が変わる。触
媒及び実際の調製工程も、樹脂の特性全体に有意に影響
を及ぼすものである。
【0119】濃縮した硝酸を用いて四硝酸塩にまでペン
タエリスリトールをニトロ化することにより形成される
爆薬は、起爆薬導火線の充填剤として一般的に使用され
る。少量のジペンタエリスリトールを含有するペンタエ
リスリトールを使用することで結晶作用が生じ、この結
果、導火線の燃焼反応に重要な、優れた自由流動特性を
有する嵩密度が高い産物が得られる。
【0120】ペンタエリスリトールは、オレフィン、酢
酸ビニル及びアルコール、メチルメタクリレート及びウ
レタンを包含する様々なポリマーと共に、自己消失性、
非滴下性、炎焼遅延性組成物において使用される。これ
らの物質の調製物には、リン化合物が添加される。火に
曝されると、濃密な泡が産生され、火焔に耐性を有する
障壁が形成される。
【0121】ペンタエリスリトールを含有するポリマー
組成物は、二次的な耐熱、耐光及び耐候性の安定剤とし
ても、安定剤主成分としてのカルシウム、亜鉛、または
バリウム塩(通常、ステアリン酸塩)と共に使用され
る。ポリマーは、プラスチックまたは織物の形状などで
あってよい。ペンタエリスリトール及びトリメチロール
プロパンアクリルエステルは、無溶媒ラッカー調製物に
おける光照射による硬化において有用であり、主要なフ
ィルム成分(通常、ウレタンのアクリル酸エステルエポ
キシ、またはポリエステル)に架橋能を提供する。特定
の専用フィルムでは、ジペンタエリスリトール及びジト
リメチロールプロパンが利用される。
【0122】ペンタエリスリトール、トリメチロールプ
ロパン、またはトリメチロールエタンを用いてコーティ
ングされた二酸化チタン顔料は、塗料またはプラスチッ
ク調製物において使用される場合に、向上した分散性を
呈する。ポリオールは一般に、約0.1〜0.5%のレベルで
添加される。
【0123】グリコールもまた、本発明のインターカラ
ントモノマー及び/または極性有機溶媒(マトリックス
モノマー)の双方として好適である。グリセロールは、
安全性の高い食品添加物であるので、他のほとんどすべ
ての産業において別の態様に利用されているように、特
に有用な多価アルコールである。
【0124】グリセロールは、様々な野菜や動物性脂肪
に結合したかたちで存在しているが、食物として容易に
消化され、非毒性であって、その炭化水素と共に代謝が
起こる。香味及び着色剤においては、グリセロールは溶
媒として使用され、これらに密度を添えるものである。
グリセロールは、溶媒、湿潤剤、及び媒体としてシロッ
プの成分に使用される。キャンディー及びアイシングで
は、グリセロールによって砂糖の結晶化が遅延される。
グリセロールは、急速冷凍の際に食物に直接接触する場
合の伝熱媒体として、ならびに食物加工及び包装のため
に使用される機械の潤滑剤として使用される。特にショ
ートニング及びマーガリンでにおけるポリグリセロール
の使用が増加してきている。
【0125】薬物及び医薬品においては、グリセロール
は多くの着色剤及びエリキシルの成分であり、スターチ
のグリセロールはゼリー及び軟膏に使用される。また、
グリセロールは感冒薬及びグリセロール−フェノール溶
液などの麻酔剤で、また耳の治療用に、ならびに細菌学
的培養用の培地にも用いられる。香粧品では、皮膚を軟
化させて水分を保つべく、グリセロールは多くのクリー
ム及びローションに使用される。歯磨きでは、所望の滑
らかさ、粘度を維持し、ペーストに光沢を与えるため
に、広く使用される。
【0126】食肉包装材ならびに、グラシン紙及び油脂
耐性紙などの特別なタイプの紙には、柔軟性及び強度を
与えるために可塑剤を加える必要があり、グリセロール
はこれらに使用される基材に完全に適合性を有し、これ
らに吸収同化され、そして結晶化したりあるいは揮発す
ることがほとんどない。
【0127】グリセロールは、油が使えない場合に代わ
りに潤滑剤として使用することができる。鉱物油よりも
酸化に対する耐性を有するので、酸素コンプレッサーで
の使用が推奨される。さらに、油性の潤滑剤を溶解して
しまうような、ガソリンやベンゼンなどの流体に曝され
る、ポンプ及びベアリングの潤滑剤としても使用され
る。食物、医薬、及び香粧品の製造において潤滑剤と接
触する機会が生じる場合には、油に代わってグリセロー
ルを使用するとよい。
【0128】グリセロールは、密度が高くまた低温での
流動性保持能があり、修飾を施さなくても価値を有する
ので、潤滑剤として使用されることが多い。潤滑剤とし
ての能力を高めるために、剥離されたフィロシリケート
小板が、グリセロール中に分散される。ナノ合成物の粘
度は、水、アルコール、またはグリコールを添加するこ
とによって低下させることができるが、フィロシリケー
ト小板の負荷量を高めることで増大させうる。このよう
なナノ合成組成物のペーストは、パイプ接合部、ガス管
のパッキン、またはこれらと同様の適用範囲において使
用可能である。高圧のゲージ及びバルブで使用するため
には、グリセロールに石鹸を添加して、粘度が増加さ
れ、その潤滑剤としての能力が向上される。金属のダイ
圧縮においては、不乾性潤滑剤としてグリセリン及びグ
ルコースの混合物が用いられる。グリセロールは、繊維
産業において、紡績、編糸、及び織布などの作業で、い
わゆる繊維油剤と組み合わせて使用されることも多い。
【0129】粉砕したコルク及び糊料を用いてつくられ
たシート及びガスケットにも、柔軟性及び強度を添える
ため、湿潤作用を有する可塑剤を添加する必要がある。
グリセロールは、蒸気圧が低く、油及びグリースによっ
て抽出されず、容易にコルクに吸収されて糊料に適合す
るので、前記用途に使用される。グリセロールは、食物
と接触する王冠のシーラー及びコルクストッパーに用い
られる場合に、非毒性というさらなる要求を満たすもの
である。
【0130】グリセロールは、セメント合成物、コーキ
ング合成物、潤滑剤、及び圧力媒体に使用される。ま
た、マスキング剤及び遮蔽剤、はんだ剤にも使用され、
さらには、石鹸、洗剤などの洗浄用材料ならびに湿潤
剤、また、アスファルト、セラミック、写真製品、皮革
及び木材処理などの産業分野における乳化剤及び皮膚の
保護剤らびに接着剤等、多岐にわたる適用範囲を有す
る。
【0131】ポリグリセロールは、グリセロールの特性
の多くを有している。ジグリセロール(HOCH2CH
OHCH2OCH2CHOHCH2OH)は、グリセロー
ルの25倍程度の粘性を有する、高粘度の液体(65.6℃に
て287 mm2/s(=cSt))である。ポリグリセロールによっ
て、グリセロールより大きな可撓性及び機能性が賦与さ
れる。リアコンタグリセロール(riacontaglycerol、30
倍濃縮されたグリセロール分子)までのポリグリセロー
ルが市販されており、それ以上のものは、固形である。
これらは水、アルコール及び他の極性溶媒に可溶性であ
る。これらも湿潤剤として、グリセロールと同様に作用
するが、グリセロールより極めて高い分子量を有し、沸
点もかなり高い。ポリグリセロールマトリックスモノマ
ーベースの、フィロシリケート小板を含有する本発明の
産物は、表面活性剤、可塑剤、接着剤、潤滑剤、抗菌
剤、特殊医薬品及び、規定食品に有用である。
【0132】エチレングリコールモノマー及びプロピレ
ングリコールモノマー、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタ
ンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、及びヒ
ドロキシピバリルヒドロキシピバレートなどのグリコー
ルは、インターカラントモノマー及び/または本発明の
ナノ合成物を形成するうえでの極性有機性担体(マトリ
ックスモノマー)として有用である。他の好適なエチレ
ングリコールには、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、及びテトラエチレングリコールなどが包
含される。
【0133】トリエチレングリコールは、揮発性が低い
優れた吸湿剤であり、天然ガス用の液体乾燥剤として使
用される。樹脂の含浸剤及び他の添加剤、蒸着性印刷用
インク、芳香族炭化水素とパラフィン族炭化水素との分
離剤、洗浄剤、ならびにポリ(エチレンテレフタレー
ト)産物の洗浄装置における溶媒として、トリエチレン
グリコールは使用される。トリエチレングリコールの凝
固点降下特性は、伝熱流体での使用において基礎をなす
特性である。
【0134】トリエチレングリコールは、ビニル可塑剤
として所定の形態で使用される。トリエチレングリコー
ルの脂肪酸誘導体は、乳化剤、解乳化剤、及び潤滑剤と
して使用される。トリエチレングリコールより誘導され
るポリエステルは、グラスファイバー、アスベスト、
布、または紙のための低圧積層品に有用である。トリエ
チレングリコールは、積層剤として使用されるアルキド
樹脂の製造において、また接着剤においても有用であ
る。
【0135】テトラエチレングリコールは、水及び多く
の有機溶媒に混和しうる。テトラエチレングリコールよ
り低級なグリコール類に属するものよりも吸湿性は低い
ものの、天然ガスの脱水等で、限定的に利用される湿潤
剤である。他の用途としては、コルク、接着剤、及び他
の物質の湿潤化及び可塑化等に使用される。
【0136】テトラエチレングリコールは、可塑剤とし
て直接的に使用されたり、あるいは可塑剤を製造するた
めに脂肪酸を用いてエステル化することにより修飾して
使用されたりする。テトラエチレングリコールは、シリ
コンゴム、ポリ(ビニルアセテート)、及びセルロース
トリアセテートなどの分離膜を可塑化するために直接的
に使用される。セラミック材料にも可塑剤としてテトラ
エチレングリコールが利用され、耐火プラスチック及び
成型セラミックにおいても、テトラエチレングリコール
が使用される。さらには、テトラエチレングリコール
は、シアノアクリレート及びポリアクリロニトリル接着
剤の物理的特性を向上するためにも使用され、化学的に
修飾してポリイソシアネート、ポリメタクリレートを形
成し、接着剤として用いられるシリコン化合物に含有せ
しめられる。
【0137】プロピレングリコールは、食品、医薬、香
粧品及び、経皮的な摂取または吸収の可能性を孕んだ他
の適用範囲において、一般に用いられている。プロピレ
ングリコールの工業上用いられる等級は、通常他の用途
に対する条件として指定されているものである。一般に
は、他のほとんどのグリコールと同様に、プロピレング
リコールは無臭且つ無色であり、完全に水溶性であるの
みならず、有機物に対して広範なる可溶性を有してい
る。プロピレングリコールは、抗微生物剤としても知ら
れており、有効な食品保存剤である。
【0138】プロピレングリコールは、濃縮香味料産業
において、香料用に重要な溶媒であり、品質の高い濃縮
香味料を低価格で製造することを可能ならしめるもので
ある。また、プロピレングリコールは、天然ゴムのため
の優れた湿潤剤でもあり、これによって柑橘及び他の乳
化香味料を複合することが大いに簡易ならしめられる。
プロピレングリコールもまた、エリキシル及び何らかの
水溶性成分を含有する他の医薬調剤の溶媒としての用途
や、日焼け止めローション、シャンプー、シェービング
クリーム、及び他の類似産物における溶媒としての用途
も備えるものである。
【0139】プロピレングリコールの水溶液は、優れた
不凍性を呈し、従って、低温伝熱流体として価値を有す
る。これらの流体は一般に醸造及び酪農産業で使用さ
れ、また、食料雑貨小売店での冷蔵用陳列ケースにも使
用される。プロピレングリコールもまた、有効な湿潤
剤、保存剤、及び安定剤であり、半生(セミモイスト)
タイプのペットフード、パン菓子類製品、食物香味料、
サラダドレッシング、及びシェーブクリームなどの多様
な適用範囲において使用される。また、印刷インクの溶
媒及び可塑剤として、生け花の保存剤として、水硬性流
体における安定剤としても使用される。一般市場及び産
業用の、建築物暖房及び冷房システム、化学プラント、
定置機関、及び太陽熱回収において使用される伝熱流体
を、工業用の等級のプロピレングリコールを用いて調製
することができる。
【0140】ヒマシ油に対するジプロピレングリコール
の高い溶解性によって、水硬性のブレーキ液調製剤の成
分としての有用性が示唆され、他の特定の油に対する親
和性によって、同様に切削油、繊維の潤滑剤、及び工業
用石鹸における使用などが示される。芳香性または臭気
の少ない等級のジプロピレングリコールが、香料産業に
おける調製用溶媒として、及び消臭剤等の身体ケア用品
に対する確立された基本標準である。
【0141】トリプロピレングリコールは、他のグリコ
ールによって申し分のない成果が得られない場合に多く
の適用範囲を有する、優れた溶媒である。トリプロピレ
ングリコールが有する印刷インク樹脂の可溶化能のゆえ
に、手についたインクのシミを除去する目的で製造され
るクリームで使用することができる。水溶性及び多くの
有機化合物に対する良好な溶解力に加えて、揮発性が低
く沸点が高いという特性を併せ持っているので、トリプ
ロピレングリコールもまた、繊維用石鹸及び潤滑剤、切
削油濃縮液、ならびに多くの類似産物の、調製物による
用途が導かれるものである。
【0142】ポリウレタン産業で、水酸基末端を有する
ポリエステルポリオールの製造における中間体として
の、ネオペンチルグリコールについての他の用途が提供
される。基本的に同じ成分から出発して、柔から剛まで
の発泡物からエラストマー及び接着剤に及ぶ広範な特性
を有する産物を、ネオペンチルグリコールをもとにし
て、ポリオールから製造することができる。このグリコ
ールは熱、加水分解、及び紫外線に対する安定性を向上
させるためにも用いられる。
【0143】基材として貯溜したポリエステル中で、ネ
オペンチルグリコールを用いて、合成潤滑剤がつくられ
る。特別な、高性能航空機用潤滑剤に対して、ネオペン
チルグリコールからつくったポリエステル濃化剤を包含
させることで、優れた耐熱性及び粘度制御能が付与され
る。ネオペンチルグリコールは、ある種の屋外での適用
にとって必要な、熱、加水分解、及び紫外線に対する安
定性を向上させたポリマー可塑剤を製造するためにも使
用される。
【0144】トリメチルペンタンジオールは、カップリ
ング剤として硬表面洗浄剤において、また、一時的また
は半永久的な毛髪染料において使用される。トリメチル
ペンタンジオールまたはその誘導体が関わる他の適用
は、ウレタンコーティング剤の反応性希釈剤として、遮
音剤、ガラス積層の接着剤として、殺細菌−殺真菌剤と
して、そしてポリ(塩化ビニル)接着剤の架橋剤とし
て、ウレタンエラストマー、発泡物への含有が挙げられ
る。
【0145】1,4-シクロヘキサンジメタノールが市場に
おいて重要な位置を占める他の分野は、ポリウレタン発
泡物の製造である。2つの第一級水酸基によって、ジイ
ソシアネートとの速やかな反応速度が達成され、これに
より、かかるジオールの発泡物中での硬化剤として優れ
た用途が提供される。特に荷重支持特性などの、発泡物
の物理特性を改善するうえでの寛容度が、このジオール
によって提供される。一般的に、高い弾力性を有する発
泡物を製造するうえで使用される1,4-シクロヘキサンジ
メタノールの添加量に伴って、荷重運搬能は増大する。
1,4-シクロヘキサンジメタノールの他のポリウレタン誘
導体には、広範なる硬度及び弾性力を備えた合成ゴム産
物に有用なエラストマーが包含される。
【0146】ヒドロキシピバニルヒドロキシピバレート
すなわち3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル 3-ヒドロ
キシ-2,2-ジメチルプロピオネートは、室温では白色の
結晶固形物であり、以下の化学式で表される。
【0147】
【化7】
【0148】これは、良好な耐候性及び酸性雨に対する
耐性を有することが特に重要である、表面コーティング
剤に使用するためのポリエステル樹脂を製造するのに使
用される。
【0149】ヒドロキシピバニルヒドロキシピバレート
は、ほとんどのアルコール、エステル溶媒、ケトン、及
び芳香族炭化水素に可溶性である。また、水には部分的
に可溶性である。
【0150】1つの芳香環に結合した1以上の水酸基を
有する、アルキルフェノール、クロロフェノール、クレ
ゾール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロカテコー
ル、ポリヒドロキシベンゼン、及びモノマーフェノール
アルデヒド、フェノールエーテル、及びアミノフェノー
ルを包含するフェノールもまた、インターカラントモノ
マーとして及び/または極性有機性液体担体として好適
な、ヒドロキシ官能基を有する極性有機化合物として機
能する。好適なフェノールアルデヒド、フェノールエー
テル及びアミノフェノールの例は以下の通りである。
【0151】代表的な一価フェノールアルデヒド o-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-メトキシベンズアル
デヒド、2-ヒドロキシ-p-トルアルデヒド、4-ヒドロキ
シ-o-トルアルデヒド、6-ヒドロキシ-m-トルアルデヒ
ド、及び4-ヒドロキシ-m-トルアルデヒド。代表的な二価フェノールアルデヒド 3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-
メトキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアル
デヒドヘリオトロピン、3,4-メチレンジオキシベンズア
ルデヒドブルボナール、3-エトキシ-4-ヒドロキシベン
ズアルデヒド、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデ
ヒド、2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、2,5
-ジヒドロキシベンズアルデヒド、及び2,4-ジホルミル-
6-メトキシフェノール。
【0152】代表的な三価フェノールアルデヒド 4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒド。
【0153】代表的な多価フェノールアルデヒド 1-ホルミル-2-ナフトール、4-ホルミル-1-ナフトール、
2-ホルミル-1-ナフトール、3-ホルミル-1-ナフトール、
及び2-アントロール-1-アルデヒド。
【0154】代表的なフェノールエステル メトキシベンゼン、4-メトキシトルエン、エトキシベン
ゼン、1-メトキシ-4-プロペニルベンゼン、1-アリル-4-
メトキシベンゼン、フェニルエーテル、2-メトキシフェ
ノール、1,2-ジメトキシベンゼン、1-アリル-3,4-ジメ
トキシベンゼン、オイゲノール、1-ヒドロキシル-2-メ
トキシ-4-シス-プロペニルベンゼン、1-ヒドロキシル-2
-メトキシ-4-トランス-プロペニルベンゼン、サフロー
ル、イソサフロール、4-メトキシフェノール、4-ベンジ
ロキシフェノール、1,4-ジメトキシベンゼン、2-エトキ
シナフタレン、及び2-メトキシナフタレン。
【0155】前記アミノフェノールの塩も好適であり、
これら塩には、以下のものが挙げられる。すなわち、塩
酸塩、ヨウ化水素塩、シュウ酸塩、酢酸塩、クロル酢酸
塩、トリクロル酢酸塩、硫酸塩、及びヒドロ硫酸塩。2-
及び4-アミノフェノールは、強力な還元剤であり、塗料
の腐食防止剤として、ナノ合成物中で機能を果たすこと
ができる。2-アミノフェノール及び4-アミノフェノール
の双方とも、皮革、毛皮、及び毛髪の遮光剤(shading
agent)として有用であり、3-アミノフェノールは、塩
素化した熱可塑性ポリマー用の安定剤として有用であ
る。誘導体には、2-アミノ-4-ニトロフェノール、2-ア
ミノ-4,6-ジニトロフェノール、2-アミノ-4,6-ジクロロ
フェノール、3-(N,N-ジメチルアミノ)フェノール、3-(N
-メチルアミノ)フェノール、3-(N,N-ジエチルアミノ)フ
ェノール、3-(N-フェニルアミノ)フェノール、4-アミノ
-2-ヒドロキシ安息香酸、4-(N-メチルアミノ)フェノー
ル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェノール、4-ヒドロキシ
アセトアニリド、4-エトキシアセトアニリド、及びN-(4
-ヒドロキシフェニル)グリシン。
【0156】代表的なアミノフェノール及びその塩及び
誘導体 以下の式で表される2-アミノフェノール
【0157】
【化8】
【0158】以下の式で表される3-アミノフェノール
【0159】
【化9】
【0160】以下の式で表される4-アミノフェノール
【0161】
【化10】
【0162】代表的な直鎖状アルカン酸、C n 2n 2
構造名(慣用名) メタン酸(ギ酸)、エタン酸(酢酸)、プロパン酸(プ
ロピオン酸)、ブタン酸(酪酸)、ペンタン酸(吉草
酸)、ヘキサン酸([カプロン酸)、ヘプタン酸([エ
ナント酸])、オクタン酸([カプリル酸])、ノナン
酸([ペラルゴン酸])、デカン酸([カプリン
酸])、ウンデカン酸([ウンデシル酸])、ドデカン
酸([ラウリン酸])、トリデカン酸([トリデシル
酸])、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカ
ン酸([ペンタデシル酸])、ヘキサデカン酸(パルミ
チン酸)、へプタデカン酸(マルガリン酸)、オクタデ
カン酸(ステアリン酸)、ノナデカン酸([ノナデシル
酸])、エイコサン酸(アラキドン酸)、ドコサン酸
(ベヘン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、ヘ
キサコサン酸(セロチン酸)、オクタコサン酸(モンタ
ン酸)、トリアコンタン酸(メリシン酸)、トリトリア
コンタン酸(プシリン酸)、及びペンタトリアコンタン
酸(セロプラスチン酸)。
【0163】代表的な直鎖状アルケン酸、C n (2n-2)
2、構造名(慣用名) プロペン酸(アクリル酸)、トランス-2-ブテン酸(ク
ロトン酸)、シス-2-ブテン酸(イソクロトン酸)、3-
ブテン酸(ビニル酢酸)、2-ペンテン酸(β-エチルア
クリル酸)、3-ペンテン酸(β-ペンテン酸)、4-ペン
テン酸(アリル酢酸)、2-ヘキセン酸(イソヒドロアス
コルビン酸)、3-ヘキセン酸(ヒドロソルビン酸)、ト
ランス-2-ヘプテン酸、2-オクテン酸、2-ノネン酸、ト
ランス-4-デセン酸、シス-4-デセン酸、9-デセン酸(カ
プロオレイン酸)、10-ウンデセン酸(ウンデシレン
酸)、トランス-3-ドデセン酸(リンデリン酸)、トリ
デセン酸、シス-9-テトラデセン酸(ミリストオレイン
酸)、ペンタデセン酸、シス-9-ヘキサデセン酸(シス-
9-パルミトオレイン酸)、トランス-9-ヘキサデセン酸
(トランス-9-パルミトオレイン酸)、9-ヘプタデセン
酸、シス-6-オクタデセン酸(ペトロセリン酸)、トラ
ンス-6-オクタデセン酸(ペトロセライジン酸)、シス-
9-オクタデセン酸(オレイン酸)、トランス-9-オクタ
デセン酸(エライジン酸)、シス-11-オクタデセン酸、
トランス-11-オクタデセン酸(バクセン酸)、シス-5-
エイコセン酸、シス-9-エイコセン酸(ゴドレイン
酸)、シス-11-ドコセン酸(セトオレイン酸)、シス-1
3-ドコセン酸(エルカ酸)、トランス-13-ドコセン酸
(ブラシジン酸)、シス-15-テトラコセン酸(セラコオ
レイン酸)、シス-17-ヘキサコセン酸(キシメン酸)、
及びシス-21-トリアコンテン酸(ルメクェン酸)。
【0164】代表的なポリ不飽和脂肪酸、構造名(慣用
名) 代表的なジエン酸、C n 2n-4 2 2,4-ペンタジエン酸(β-ビニルアクリル酸)、2,4-ヘ
キサンジエン酸(ソルビン酸)、トランス-2,4-デカジ
エン酸、トランス-2,4-ドデカジエン酸、シス-9,シス-1
2-オクタデカジエン酸(リノール酸)、トランス-9,ト
ランス-12-オクタデカジエン酸(リノールエライジン
酸)、5,6-オクタデカジエン酸(ラバレン酸)、及び5,
13-ドコサジエン酸。
【0165】代表的なトリエン酸、C n 2n-6 2 6,10,14-ヘキサデカトリエン酸(ヒラゴン酸)、シス-
9,シス-12,シス-15-オクタデカトリエン酸(リノレン
酸)、シス-9,トランス-11,トランス-13-オクタデカト
リエン酸(α−エレオステアリン酸)、トランス-9,ト
ランス-11,トランス-13-オクタデカトリエン酸(β−エ
レオステアリン酸)、シス-9,シス-11,トランス-13-オ
クタデカトリエン酸(プニカ酸)、及びトランス-9,ト
ランス-12,トランス-15-オクタデカトリエン酸(リノー
ルエライジン酸)。
【0166】代表的なテトラエン酸、C n 2n-8 2 4,8,12,15-オクタデカテトラエン酸(モロクチ酸)、シ
ス-9,トランス-11,トランス-13,シス-15-オクタデカテ
トラエン酸(α−パリナリン酸)、トランス-9,トラン
ス-11,トランス-13,トランス-15-オクタデカテトラエン
酸(β−パリナリン酸)、及び5,8,11,14-エイコサテト
ラエン酸(アラキドン酸)。
【0167】代表的なペンタエン酸、C n 2n-10 2 4,8,12,15,19-ドコサペンタエン酸(イワシ酸)代表的な置換酸、構造名(慣用名) 2-メチルプロペン酸(メタクリル酸)、2-メチルプロパ
ン酸(イソ酪酸)、2-メチル-シス-2-ブテン酸(アンゲ
リカ酸)、2-メチル-トランス-2-ブテン酸(チグリン
酸)、3-メチル-2-ブテン酸(β,β−ジメチルアクリル
酸)、2-メチルブタン酸、3-メチルブタン酸(イソ吉草
酸)、2,2-ジメチルプロパン酸(ピバリン酸)、2-エチ
ルヘキサン酸、3,11-ジヒドロキシテトラデカン酸(イ
プロール酸)、2,15,16-トリヒドロキシヘキサデカン酸
(ウスチリン酸)、9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカ
ン酸(アリューリチ(aleuritic)酸)、16-ヒドロキシ-7
-ヘキサデセン酸(アンブレットール酸)、12-ヒドロキ
シ-シス-9-オクタデセン酸(リシノール酸)、12-ヒド
ロキシ-トランス-9-オクタデセン酸(リシノエライジン
酸)、4-オキソ-9,11,13-オクタデカトリエン酸(リカ
ン酸)、9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸、12-ヒドロ
キシオクタデカン酸、12-オキソオクタデカン酸、18-ヒ
ドロキシ-9,11,13-オクタデカトリエン酸(カムロレン
酸)、12,13-エポキシ-シス-9-オクタデセン酸(ベルノ
ール酸)、8-ヒドロキシ-トランス-11-オクタデセン-9-
イン(ynoic)酸(キシメニノール酸)、8-ヒドロキシ-17
-オクタデセン-9,11-ジイン酸(イサノール(isanolic)
酸)、及び14-ヒドロキシ-シス-11-エイコセン酸(レス
クエロール(lesquerolic)酸)。
【0168】脂環式化合物で置換された代表的な脂肪酸
(慣用名) 代表的なシクロペンチル化合物 アレプレノール酸、アレプレスチ酸、アレプリル酸、ア
レプリン酸、ヒドノカルピン酸、及びショールームーグ
リン酸。
【0169】代表的なシクロプロペニル化合物 マルバリン(malvalic)酸(ハルフェン(halphenic)
酸)、ステルクリン酸、及びラクトバチルス酸。
【0170】
【表3】
【0171】代表的な分岐鎖を有する酸(慣用名) 2-メチルプロパン酸(イソ酪酸)、2-メチルブタン酸
(イソペンタン酸)、3-メチルブタン酸(イソ吉草
酸)、2,2-ジメチルプロパン酸(ネオペンタン酸)、2-
エチルヘキサン酸、混合異性体(イソノナン酸)2,2-ジ
メチルオクタン酸(ネオデカン酸)、及び混合異性体
(イソステアリン酸)。
【0172】代表的なトリアルキル酢酸 トリアルキル酢酸は、以下の一般構造式で示される、
【0173】
【化11】
【0174】(式中、R、R’、及びR”は、Cx
2x+1を表し、xは1以上の数を表す。) これに属するもののうち最も低級のもの(R=R’=
R”=CH3)は、C5酸、トリメチル酢酸、あるいは2,
2-ジメチルプロパン酸(また、ネオペンタン酸、ピバリ
ン酸)と称される。また、属する高級トリアルキル酸に
ついて、製品は概して、異性体の混合物であり、これ
は、異性体が混合した供給原料を使用する結果、及び製
造工程における化学的転位の結果生じるものである。
【0175】トリアルキル酢酸は、ポリマー、医薬品、
農業用化学製品、香粧品、及び金属加工用流体などの分
野において、数多くの用途を有する。市場において重要
なこれらの酸の誘導体には、塩化物、ペルオキシエステ
ル、金属塩、ビニルエステル、及びグリシジルエステル
などが包含される。
【0176】ネオデカン酸またはVersatic 10と称され
るC10トリアルキル酢酸は、室温下では液体であり、概
して異性体混合物である。
【0177】ネオデカン酸の金属塩もまた、ポリマーの
調製における触媒として使用される。例えば、ネオデカ
ン酸のビスマス、カルシウム、バリウム、及びジルコニ
ウム塩は、ポリウレタンエラストマーの調製における触
媒として使用されている。ネオデカン酸マグネシウム塩
は、ポリオレフィン調製用の触媒系に用いられ、ネオデ
カン酸バナジウム、コバルト、銅、または鉄塩は、共役
ジエンブチルエラストマーのための硬化用触媒として使
用される。
【0178】ネオデカン酸金属塩は、塗料及びインクの
ための乾燥剤として、幅広い用途を有している。使用さ
れるネオデカン酸金属塩には、銀、コバルト及びジルコ
ニウム、さらには鉛、銅、マンガン、及び亜鉛等の塩が
包含される。
【0179】ネオデカン酸は、ポリ(塩化ビニル)熱安
定化剤中の金属の担体としても使用される。この適用分
野において使用される金属には、バリウム、カドミウ
ム、及び亜鉛が包含される。スズもネオデカン酸塩とし
て、無水マレイン酸のための熱安定化剤に挙げられてい
る。
【0180】接着促進剤 ネオデカン酸の用途として最近目覚ましいのは、ラジア
ルタイヤ用の接着促進剤における使用である。この適用
分野では、ネオデカン酸のコバルトまたはニッケル塩
が、スチールコードへのゴムの接着または結合を促進す
るために、タイヤ製造時に他の成分と共に使用される。
その結果、接着強度が高く、熱による老化への耐性が良
好になり、湿潤による老化への耐性が改善される。
【0181】ネオデカン酸及びそのエステルは、エモリ
エント剤、乳化剤、及び可溶化剤として香粧品に使用さ
れる。ネオ酸の亜鉛または銅塩は、木材用の保存剤とし
て使用される。
【0182】アルデヒド 本発明のインターカラントモノマー及び/または極性有
機性担体として好適な、代表的なアルデヒドには、以下
のものが包含される。すなわち、ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブタナール
(n-ブチルアルデヒド)、2-メチルプロパナール(イソ
ブチルアルデヒド)、ペンタナール(n-バレルアルデヒ
ド)、3-メチルブタナール(イソバレルアルデヒド)、
ヘキサナール(カプロアルデヒド)、ベンズアルデヒ
ド、ヘプタナール(ヘプタアルデヒド)、オクタナール
(カプリルアルデヒド)、フェニルアセトアルデヒド、
o-トルアルデヒド、m-トルアルデヒド、p-トルアルデヒ
ド、サリチルアルデヒド(o-ヒドロキシベンズアルデヒ
ド)、p-ヒドロキシベンズアルデヒド(4-ホルミルフェ
ノール)、及びp-アニスアルデヒド(p-メトキシベンズ
アルデヒド)。
【0183】用途 アルデヒドは、化学製品の中間体として最もその用途が
認められるものである。対応するアルコール及び酸の前
駆体として、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、及びブチルアルデヒドなどの製造がその例として挙
げられる。低分子量のアルデヒドは、可塑剤産業の分野
で重要な中間体である誘導体を形成するためのアルドー
ル反応で濃縮されることも知られている。前記の通り、
ブチルアルデヒドから製造される2-エチルヘキサノール
は、ジ(2-エチルヘキシル)フタレートの製造において
使用される。アルデヒドは、溶媒(アルコール及びエー
テル)、樹脂、及び染料の製造のための中間体としても
使用される。イソブチルアルデヒドは、主な溶媒及びゴ
ムの抗酸化剤の製造のための中間体として使用される。
炭素数8〜13を有する脂肪族アルデヒドは、ほとん
どすべてのタイプの香料及び芳香薬に使用される。アル
デヒドのポリマー及びコポリマーも存在し、市場におい
て重要なものである。
【0184】ケトン 好適なケトンは、2つの脂肪族、芳香族、または脂環族
置換体に結合した、1以上のカルボニル基を含む有機化
合物であり、以下の一般式によって表される
【0185】
【化12】
【0186】代表的なケトンには、脂肪族ケトン、ジケ
トン、環状ケトン、及び芳香族ケトンが包含される。こ
れらの例を以下に示す。
【0187】構造名(通称または慣用名) 2-プロパノン(アセトン)、2-ブタノン(メチルエチル
ケトン)、2-ペンタノン(メチルプロピルケトン)、3-
メチル-2-ブタノン(メチルイソプロピルケトン)、4-
メチル-2-ペンタノン(メチルイソブチルケトン)、2-
ヘキサノン(メチルn-ブチルケトン)、3-メチル-2-ペ
ンタノン(メチルsec-ブチル-ケトン)、3,3-ジメチル-
2-ブタノン(ピナコロン)、2-ヘプタノン(メチルアミ
ルケトン)、5-メチル-2-ヘキサノン(メチルイソアミ
ルケトン)、2-オクタノン(メチルヘキシルケトン)、
4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(ジアセトンアル
コール)、3-ペタノン(ジエチルケトン)、2,4-ジメチ
ル-3-ペンタノン(ジイソプロピルケトン)、2,6-ジメ
チル-4-ヘプタノン(ジイソブチルケトン)、3-ヘキサ
ノン(エチルプロピルケトン)、3-ヘプタノン(ブチル
エチルケトン)、3-オクタノン(エチルアミルケト
ン)、2,6,8-トリメチル-4-ノナノン(イソブチルヘプ
チルケトン)、3-ブテン-2-オン(メチルビニルケト
ン)、3-メチル-2-ブテン-2-オン(メチルイソプロペニ
ルケトン)、4-メチル-3-ペンテン-2-オン(メシチルオ
キシド)、4-メチル-4-ペンテン-2-オン(イソメシチル
オキシド)、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オ
ン(イソフォロン)、3,5,5-トリメチル-3-シクロヘキ
セン-1-オン(β-イソフォロン)、2,3-ブタンジオン
(ジアセチル)、2,3-ペンタンジオン、2,4-ペンタンジ
オン(アセチルアセトン)、2,5-ヘキサンジオン、シク
ロペンタノン(アジピックケトン)、シクロヘキサノン
(ピメリックケトン)、シクロヘプタノン、3,3,5-トリ
メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン(メチルフェ
ニルケトン)、ベンゾフェノン(ジフェニルケトン)、
1-フェニル-2-プロパノン(フェニルアセトン)、及び
プロピオフェノン(フェニルエチルケトン)。
【0188】代表的な1,2-ジケトン 2,3-ペンタンジオン、2,3-ヘキサンジオン、3,4-ヘキサ
ンジオン、4-メチル-2,3-ペンタンジオン、3,4-ヘプタ
ンジオン、5-メチル-2,3-ヘキサンジオン、2,3-オクタ
ンジオン、4,5-オクタンジオン、2,5-ジメチル-3,4-ヘ
プタンジオン、5-メチル-3,4-ヘプタンジオン、6-メチ
ル-3,4-ヘプタンジオン、1,2-シクロペンタンジオン、
1,2-シクロヘキサンジオン、ベンジル、1-フェニル-1,2
-プロパンジオン、及び1,2-ナフタレンジオン。
【0189】代表的な1,3-ジケトン 2,4-ヘキサンジオン、3,5-ヘプタンジオン、2,4-ヘプタ
ンジオン、3,5-オクタンジオン、5-メチル-2,4-ヘキサ
ンジオン、2,6-ジメチル-3,5-ヘプタンジオン、2,4-オ
クタンジオン、5,5-ジメチル-2,4-ヘキサンジオン、6-
メチル-2,4-ヘプタンジオン、1,3-シクロペンタンジオ
ン、1,3-シクロヘキサンジオン、5,5-ジメチル-1,3-シ
クロヘキサンジオン、1-フェニル-1,3-ブタンジオン、1
-フェニル-1,3-ペンタンジオン、1,3-ジフェニル-1,3-
プロパンジオン、及び1-フェニル-2,4-ペンタンジオ
ン。
【0190】代表的な環状ケトン、(CH 2 xC=O シクロプロパノン、シクロブタノン、シクロペンタノ
ン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオク
タノン、シクロノナノン、シクロデカノン、シクロウン
デカノン、シクロドデカノン、シクロトリデカノン、シ
クロテトラデカノン、シクロペンタデカノン、シクロヘ
キサデカノン、シクロヘプタデカノン、シクロオクタデ
カノン、シクロノナデカノン、及びシクロコサノン。
【0191】代表的な芳香族ケトン 産業上重要な芳香族ケトンには、アセトフェノン、プロ
ピオフェノン、及びベンゾフェノンが包含される。
【0192】本発明のインターカラントモノマーとして
及び/または有機性液体担体(マトリックスモノマー)
として使用するために好適な、1以上のアミンまたはア
ミド官能基を有する極性有機化合物には、アルキルアミ
ン、アミノシクロアルカン及びアミノシクロアルカン置
換体、環状脂肪族ジアミン、脂肪族アミン、ならびに脂
肪族アミドなどの、あらゆる有機アミン及び/またはア
ミドが包含される。
【0193】フィロシリケートをインターカレーション
するための、及び/または本発明のナノ合成物を製造す
るうえで剥離された層状物の個々の小板と混合するため
の、インターカラントモノマーとして及び/または有機
性液体担体(マトリックスモノマー)として、アミン及
びアミドは、単独でも、または混合物としても好適であ
る。アミン及びアミドは、低級脂肪族アミン、アルキル
アミン、環状脂肪族アミンまたはアミノシクロアルカン
及びアミノシクロアルカン置換体、環状脂肪族ジアミ
ン、脂肪族アミン、メチレンジアニリン及びフェニレン
ジアミンを包含する芳香族アミン、ジアミノトルエン、
ジアリールアミン、アルカノールアミン、アニリン及び
その誘導体を包含する、いかなる一級、二級、及び/ま
たは三級アミンまたはアミドでも可能である。
【0194】層状シリケート物をインターカレーション
及び剥離するために使用されるインターカラントモノマ
ーとして、及び/またはナノ合成物を形成するうえで個
々の小板と混合するための極性有機性担体として有用
な、好適なアミンの例は、以下の表4〜11に示すとお
りである。
【0195】
【表4】
【0196】
【表5】
【0197】
【表6】
【0198】
【表7】
【0199】
【表8】
【0200】
【表9】
【0201】
【表10】
【0202】
【表11】
【0203】ナノ合成物の用途 脂肪族アミン及びそれらアミン由来の化学製品は、多く
の産業分野で使用されている。チッ素誘導体に対する用
途は、織物柔軟剤、油田用化学製品、アスファルト乳化
剤、石油添加物、及び採鉱などである。
【0204】特に脂肪族アミンを酢酸で中和して調製さ
れる酢酸塩などのアミン塩は、浮遊選鉱剤(採集剤)、
腐食防止剤、及び潤滑剤として有用である。
【0205】エトキシル化及びプロポキシル化したアミ
ンは、織物及びプラスチック産業において、静電気防止
剤として重要な用途を有している。エトキシル化物は、
補助剤として農業分野においても使用される。アミン酸
化物に対する用途の例には、洗浄剤、ならびにフォーム
状製品の発泡補圧剤及び安定剤として身体ケア用製品の
分野において、またグラスファイバー用の分散剤とし
て、さらにはガス回収システムにおける発泡成分などが
包含される。
【0206】ジアミンに対する重要な用途には、腐食防
止剤、浮遊選鉱剤、顔料湿潤剤、除草剤、及びアスファ
ルト乳化剤などが挙げられる。
【0207】脂肪族アミン及びその誘導体は、油田にお
いて、腐食防止剤、界面活性剤、乳化/乳化破壊ならび
にゲル化剤として幅広く使用されている。採鉱の産業分
野では、アミン及びジアミンは、鉱物の回収及び精製、
浮遊選鉱、ならびに選鉱において使用される。脂肪族ジ
アミンは、アスファルトエマルジョンを調製するための
アスファルト乳化剤として、重要な用途を有している。
ジアミンは、エポキシ硬化剤、腐食防止剤、ガソリン及
び燃料油の添加剤、ならびに顔料の湿潤剤としても使用
されている。これらに加えて、アミンの誘導体、両性ア
ミン、及び長鎖アルキルアミンは身体ケア用産業分野に
おいて、陰イオン性及び陽イオン性界面活性剤として使
用されている。
【0208】芳香族アミン アニリン及びその誘導体 アニリン(ベンゼンアミン)は、最も簡単な第一級芳香
族アミンである。
【0209】
【表12】
【0210】
【表13】
【0211】
【表14】
【0212】
【表15】
【0213】
【表16】
【0214】
【表17】
【0215】ジアリールアミンは、ポリマー用の安定剤
及び抗酸化剤、爆薬用の安定剤、重合阻害剤として、及
び染料において産業上最も重要な価値を有するものであ
る。ジアリールアミンは、ゴムの劣化を惹き起こす過酸
化連鎖反応を阻止することによって、ゴムの抗酸化剤と
して機能する。市販されているほとんどすべての、ネオ
プレン、ブチル、スチレン−ブタジエンを含む合成ゴ
ム、及びアクリロニトリル−ブタジエンゴムを、約1〜2
%のアルキル化ジフェニルアミンを用いることによって
保護することができる。
【0216】ジフェニルアミン抗酸化剤は、屋根用アス
ファルト、潤滑剤グリース、シリコンエナメル、ポリア
ミド、アセタール樹脂、及び他の炭化水素を安定化させ
るためにも広範に使用される。また、グリコール熱交換
液(凍結防止剤)の腐敗防止剤として、及び鋼用の揮発
性腐食防止剤として使用されている。また、三酸化イオ
ウの安定化能も有する。
【0217】
【表18】
【0218】
【表19】
【0219】
【表20】
【0220】
【表21】
【0221】アルカノールアミン及びその誘導体は、多
岐にわたる家庭用品及び工業分野における実用範囲で使
用される。非イオン性界面活性剤(アルカノールアミ
ド)は、高温にて、アルカノールアミンを脂肪酸と反応
させることによって形成することができる。このアミド
としては、反応物を2:1の割合として製造した場合の液
体で、水溶性のもの、あるいは、反応物を1:1の割合と
して製造した場合の固体で、水に難溶性のもの、すなわ
ち、「スーパー」アミドなどを挙げることができる。こ
れらの産物は、泡沫安定剤として有用であり、洗濯用洗
浄剤、食器用洗剤液、シャンプー、及び香粧品の浄化作
用を補助するものである。また、静電気防止剤、ガラス
コーティング剤、燃料ゲル化剤、掘穿泥水安定剤、乳化
破壊剤、及び採鉱における浮遊選鉱にも使用される。室
温にてアルカノールアミドを脂肪酸と反応させると、中
性アルカノールアミン石鹸を製造することができる。ア
ルカノールアミン石鹸は、香粧品、光沢剤、金属加工
液、繊維産業での適用品、農業製品、家庭用クリーナ
ー、及び医薬品などに配合される。
【0222】アルキルアルカノールアミン アミノエチルエタノールアミン及びその誘導体は、繊
維、洗浄剤、織物柔軟剤、キレート剤、水処理、石油、
油田及びガス調整製品、農業及び医薬製品、乳化剤、採
鉱用化学薬品、腐食防止剤、ならびに香粧品用界面活性
剤において使用される。
【0223】ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタ
ノールアミン、及びこれらの誘導体は、農薬、腐食防止
剤、薬剤及び医薬品、乳化剤、塗料及びコーティング
剤、金属加工及び仕上げ剤、石油及び石油製品、ならび
にプラスチック樹脂において使用される。
【0224】一級、二級及び三級アミドを包含する、前
記したすべてのアミンのアミドが、インターカラントモ
ノマーとして、及び/または個々のフィロシリケート小
板が分散される極性有機性担体として、本発明において
有用である。代表的な一級脂肪族アミドは以下の表に示
す通りである。
【0225】
【表22】
【0226】
【表23】
【0227】本発明のインターカラントモノマーとし
て、及び/または有機性液体担体(マトリックスモノマ
ー)としての使用に好適な、1以上のエーテルまたはエ
ステル官能基を有する極性有機化合物には、飽和、不飽
和、環状、芳香、及びカルボキシルエーテル及びエステ
ルなどの、あらゆる有機エーテル及び/またはエステル
が包含される。
【0228】好ましいモノマーインターカラントは、カ
ルボン酸及びジカルボン酸のアルキル化誘導体であるエ
ステルであり、特に好ましいのは、ジ-2-エチルへキシ
ルフタレート(DOP)及びジ-2-エチルへキシルスクシネ
ート(DOS)などの可塑剤である。
【0229】他のアルキル化ジカルボン酸エステル誘導
体には、以下の表に示す構造を有するジカルボン酸に由
来するものが包含される。表中、R1及びR2は同じかま
たは相違しており、それぞれ炭素数1から24、好まし
くは炭素数6から18を有する、脂肪族直鎖または分岐
鎖のアルキル基を表す。
【0230】
【表24】
【0231】
【表25】
【0232】代表的なエステル 代表的な他の有用なエステルには、以下のものが包含さ
れる。
【0233】ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢
酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸 s
ec-ブチル、酢酸 t-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソア
ミル、酢酸 sec-ヘキシル、酢酸 2-エチルへキシル、エ
チレングリセロールジアセテート、酢酸 2-メトキシエ
チル、酢酸 2-エトキシエチル、酢酸 2-ブトキシエチ
ル、酢酸 2-(2-エトキシエトキシ)エチル、酢酸 2-(2-
ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、グリセリル
トリアセテート、エチル 3-エトキシプロピオネート、
グリセリルトリプロピオネート、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘ
キシルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルブ
チレート、エチルブチレート、ブチルブチレート、メチ
ルイソブチレート、エチルイソブチレート、イソブチル
イソブチレート、メチルステアレート、エチルステアレ
ート、ブチルステアレート、ドデシルステアレート、ヘ
キサデシルステアレート、ジメチルマレート、ジメチル
オキザレート、ジメチルアジペート、ジエチルアジペー
ト、ジ(2-エチルへキシル)アジペート、メチルベンゾエ
ート、エチルベンゾエート、メチルサリチレート、エチ
ルサリチレート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレ
ート、ジブチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタ
レート、ジメチルイソフタレート、ジメチルテレフタレ
ート、メチルアンスラニレート、ベンジルシンナメー
ト、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及
びこれらの混合物。
【0234】代表的なカルボン酸エステル 可塑剤 ジブチルフタレート(ジイソブチルフタレートを含
む)、ジイソノニルフタレート、ジメチルフタレート
(ジメチルイソフタレートを含む)及びジオクチルフタ
レートなどの、フタル酸無水エステル、トリメリト酸エ
ステル、ジ(2-エチルへキシル)アジペート、及びジイソ
デシルアジペートなどのアジピン酸エステル、エポキシ
化エステル、オレイン酸ブチル、ジブチルセバケートな
どのセバシン酸エステル、イソブチルステアレートなど
のステアリン酸エステル。
【0235】界面活性剤 アンヒドロソルビトールモノラウレート、アンヒドロソ
ルビトールモノオレアート、及びアンヒドロソルビトー
ルモノステアレートなどの、カルボン酸エステル。
【0236】ジエチレングリコールモノラウレートなど
のジエチレングリコールエステル。
【0237】エトキシル化アンヒドロソルビトールモノ
ラウレート、エトキシル化アンヒドロソルビトールモノ
オレアート、エトキシル化アンヒドロソルビトールモノ
ステアレート、エトキシル化アンヒドロソルビトールト
リステアレートなどの、エトキシル化アンヒドロソルビ
トールエステル、エチレングリコールジステアレート、
及びエチレングリコールモノステアレート。
【0238】グリセロールジラウレート、グリセロール
モノオレアート、及びグリセロールモノステアレートな
どのグリセロールエステル。
【0239】エトキシル化ヒマシ油、エトキシル化水素
化ヒマシ油、及びエトキシル化ラノリンなどの、エトキ
シル化天然脂肪及び油脂。
【0240】トール油酸のポリ(エチレングリコール)
ジエステル、ポリ(エチレングリコールジラウレー
ト)、ポリ(エチレングリコールジオレアート)、ポリ
(エチレングリコールジステアレート)、ポリ(エチレ
ングリコールモノラウレート)、ポリ(エチレングリコ
ールモノオレアート)、ポリ(エチレングリコールモノ
パルミテート)、ポリ(エチレングリコールモノステア
レート)、トール油酸のポリ(エチレングリコール)セ
スキエステルなどの、ポリ(エチレングリコール)エス
テル、ポリ(グリセロールモノステアレート)、及び1,
2-プロパンジオールモノステアレート。
【0241】香味料及び香料材料 香味料及び香料の材料である代表的なカルボン酸エステ
ルは以下に挙げる通りである。
【0242】ベンジルベンゾエート、フェネチルイソブ
チレート、2-フェネチルフェニルアセテート、セドリル
アセテート、シトロネリルアセテート、シトロネリルホ
ルメート、及び3,7-ジメチル-シス-2,6-オクタジエノー
ル、アセテート(ネリルアセテート)。
【0243】その他種々のエステル 酢酸 n-ブチル、ブチルアクリレート、ジラウリル-3,3'
-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3'-チオジプ
ロピオネート、酢酸エチル(100%ベース)、エチルア
クリレート、及び2-エチルヘキシルアクリレートなどの
一価アルコールのエステル。
【0244】可塑剤または界面活性剤に包含されない脂
肪酸エステルとしては、タローのメチルエステル、及び
ミリスチルミリステートが挙げられる。
【0245】酢酸イソプロピル、メチルメタクリレー
ト、モノマー、酢酸プロピル、酢酸ビニル、モノマー。
【0246】酢酸 2-(2-ブトキシエトキシ)エチル、酢
酸 2-ブトキシエチル、及び炭素数14から18、及び
/または炭素数16から18を有するモノグリセリド及
び/またはジグリセリドの混合物などのグリセリド、多
価アルコールエステル。
【0247】
【表26】
【0248】
【表27】
【0249】
【表28】
【0250】
【表29】
【0251】
【表30】
【0252】
【表31】
【0253】
【表32】
【0254】
【表33】
【0255】本発明のインターカラントモノマーとし
て、及び/または分散された個々のシリケート小板を含
有する極性有機性担体(マトリックスモノマー)として
好適なエーテルには、一般式:Ar−O−Ar’、Ar
−O−R、及びR−O−R’(式中、Arはアリール基
及びRはアルキル基を表す)で示される化合物が包含さ
れる。上式において、RまたはAr基が同一であれば、
この化合物は対称性エーテルである。対称性エーテルの
例として、(ジ)メチルエーテル(CH3OCH3)及び
(ジ)フェニルエーテル(C65OC65)が挙げら
れ、非対称性エーテルの例として、メチルエチルエーテ
ル(CH3OCH2CH3)、及びメチル tert-ブチルエ
ーテル(CH3OC(CH33)が挙げられる。
【0256】代表的なエーテル 代表的な飽和エーテル 対称性 対称性の、代表的な飽和エーテルは、以下の通りであ
る。
【0257】メチルエーテル、2-メトキシエチルエーテ
ル、エチルエーテル、1-クロロエチルエーテル、n-プロ
ピルエーテル、イソプロピルエーテル、n-ブチルエーテ
ル、sec-ブチルエーテル、イソブチルエーテル、tert-
ブチルエーテル、n-アミルエーテル、イソアミルエーテ
ル、sec-アミルエーテル、n-ヘキシルエーテル、n-ヘプ
チルエーテル、n-オクチルエーテル。
【0258】非対称性 非対称性の、代表的な飽和エーテルは、以下の通りであ
る。
【0259】メチル n-プロピルエーテル、メチルイソ
プロピルエーテル、メチル n-ブチルエーテル、メチル
イソブチルエーテル、メチル tert-ブチルエーテル、メ
チル tert-アミルエーテル、エチルイソプロピルエーテ
ル、エチル n-ブチルエーテル、エチル tert-ブチルエ
ーテル、エチル n-アミルエーテル、エチル tert-アミ
ルエーテル、イソプロピル tert-ブチルエーテル、2-エ
トキシエタノール、2-(2-エトキシ)エトキシエタノー
ル、ビニルエーテル、ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニル n-ブチルエーテル、アリルエー
テル、ビス(2-メタリル)エーテル、アリルエチルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、エチニルエチルエーテ
ル、エチニルブチルエーテル。
【0260】代表的な環状エーテル 代表的な環状エーテルとしては、エチレンオキシド、1,
2-プロピレンオキシド、1,3-プロピレンオキシド、テト
ラヒドロフラン、フラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジ
オキサンが挙げられる。
【0261】代表的な芳香族エーテル 代表的な芳香族エーテルには、メチルフェニルエーテ
ル、4-メトキシトルエン、エチルフェニルエーテル、1-
メトキシ-4-トランス-プロペニルベンゼン、1-メトキシ
-4-アリルベンゼンフェニル、2-メトキシフェノール、
1,2-ジメトキシベンゼン、1,4-ジメトキシベンゼン、2-
メトキシ-4-アリルフェノール、1,2-ジメトキシ-4-アリ
ルベンゼン、1-アリル-3,4-メチレンジオキシベンゼ
ン、1-プロペニル-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2-
メトキシ-4-シス-プロペニルフェノール、2-メトキシ-4
-トランス-プロペニルフェノール、1-ベンジロキシ-2-
メトキシ-4-トランス-プロペニルフェノール、1-ベンジ
ロキシ-2-メトキシ-4-トランス-プロペニルベンゼン、
ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2-tert-ブチル
-4-メトキシフェノールと3-tert-ブチル-4-メトキシフ
ェノールとの混合物。
【0262】本発明の別の実施態様において、インター
カレーション物は剥離され、そして1以上の溶融処理可
能な熱可塑性及び/または熱硬化性の、マトリックスオ
リゴマーもしくはポリマーまたはこれらの混合物の中に
分散することができる。本発明の方法におけるこの実施
態様で使用されるマトリックスポリマーとしては、唯一
の必要要件として溶融処理が可能である限りにおいて、
広範囲に種々のものが可能である。
【0263】本発明のかかる実施態様で、ポリマーは、
少なくとも10、好ましくは少なくとも30の反復するモノ
マー単位を包含するものである。使用条件下において、
マトリックスポリマーが流動しうる混合物を形成するよ
うなメルトインデックスのものであれば、前記反復する
モノマー単位の上限の数は決定的なものではない。最も
好ましくは、マトリックスポリマーには、少なくとも約
10から少なくとも約100の反復するモノマー単位が包含
される。本発明の最も好ましい実施態様において、反復
する単位の数は、処理温度にて、マトリックスポリマー
が10分当たり約0.01から約12 グラムのメルトインデッ
クスを有するような数である。
【0264】本発明の実施において、マトリックスポリ
マーとして用いるための熱可塑性樹脂及びゴムは、極め
て広範囲なものから選択できる。単独で、または混合物
として使用しうる、有用な熱可塑性樹脂の例は、ポリ
(ピバロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)等のごと
きポリラクトン類;1,5-ナフタレンジイソシアネート、
p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシ
アネート、2,4-トルエンジイソシアネート、4,4'-ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-
ビフェニルジイソシアネート、4,4'-ジフェニルイソプ
ロピリデンジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ジ
フェニルジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、3,3'-ジメトキシ-4,4'
-ビフェニルジイソシアネート、ジアニシジンジイソシ
アネート、トルイジンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、4,4'-ジイソシアナートジフェニ
ルメタン等のごときジイソシアネート類と、水酸基末端
を有する直線状長鎖ポリエステル類との反応由来のポリ
ウレタン類;ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ
(エチレンアジペート)、ポリ(1,4-ブチレンアジペー
ト)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(2,3-ブチ
チレンスクシネート)、ポリエーテルジオール類等のご
とき、ジオール類ベースのポリエーテル類;ポリ[メタ
ンビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1-エー
テルビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ[ジフェ
ニルメタンビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ
[1,1-シクロヘキサンビス(4-フェニル)カーボネー
ト]等のごときポリカーボネート類;ポリスルフォン
類;ポリエーテル類;ポリケトン類;ポリ(4-アミノ酪
酸)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(6-ア
ミノヘキサン酸)、ポリ(m-キシレンアジパミド)、ポ
リ(p-キシレンセバカミド)、ポリ(2,2,2-トリメチル
ヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(メタフェニレ
ンイソフタラミド)(NOMEX)、ポリ(p-フェニレンテ
レフタラミド)(KEVLAR)等のごときポリアミド類;ポ
リ(エチレンアゼラート)、ポリ(エチレン-1,5-ナフ
タレート)、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)
(A-TELL)、ポリ(パラ−ヒドロキシベンゾエート)
(EKONOL)、ポリ(1,4-シクロヘキシリデンジメチレン
テレフタレート)(KODEL)(シス)、ポリ(1,4-シク
ロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(Kodel)
(トランス)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブリ
レンテレフタレート等のごときポリエステル類;ポリ
(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキシド)、ポリ(2,6
-ジフェニル-1,4-フェニレンオキシド)等のごときポリ
(アリーレンオキシド)類;ポリ(フェニレンスルフィ
ド)等のごときポリ(アリーレンスルフィド)類;ポリ
エーテルイミド類;ポリビニルアセテート、ポリビニル
アルコール、ポリビニルクロリドのごときビニルポリマ
ー類及びビニルポリマー類のコポリマー類;ポリビニル
ブチラール、ポリビニリデンクロリド、エチレン−ビニ
ルアセテートコポリマー類等;ポリエチルアクリレー
ト、ポリ(n-ブチルアクリレート)、ポリメチルメタク
リレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ(n-ブチル
メタクリレート)、ポリ(n-プロピルメタクリレー
ト)、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポ
リアクリル酸、エチレン−アクリル酸コポリマー類、エ
チレン−ビニルアルコール、アクリロニトリルコポリマ
ー類、メチルメタクリレート−スチレンコポリマー類、
エチレン−エチルアクリレートコポリマー類、メタクリ
ル化ブダジエン−スチレンコポリマー類等のポリアクリ
ル類、ポリアクリレート及びそのコポリマー類;低密度
ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、塩素化低密度
ポリ(エチレン)、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポ
リ(エチレン)、ポリ(スチレン)等のポリオレフィン
類;イオノマー類;ポリ(エピクロロヒドリン類);グ
リセロール等のジオール類、トリメチロールプロパン、
1,2,6-ヘキサントリオール、ソルビトール、ペンタエリ
スリトール、ポリエーテルポリオール類、ポリエステル
ポリオール類、などと、2,4-トリレンジイソシアネー
ト、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニル
メタンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシ
アネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート等のポリイソシアネートとの重合産物のごときポリ
(ウレタン);及び2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)
プロパンのナトリウム塩と4,4'-ジクロロジフェニルス
ルフォンとの反応物のごときポリスルフォン類;ポリ
(フラン)等のフラン樹脂類;セルロースアセテート、
セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオ
ネート等のセルロースエーテルプラスチック類;ポリ
(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサンコ
フェニルメチルシロキサン)等のシリコン類;タンパク
質プラスチック類;ならびにこれらの2以上のものの混
合物である。
【0265】本発明の実施態様を行ううえでマトリック
スポリマーとして有用な、加硫可能且つ熱可塑性ゴムも
また、広範囲のものを利用できる。かかるゴムの例とし
ては、臭化ブチルゴム、塩化ブチルゴム、ポリウレタン
エラストマー類、フルオロエラストマー類、ポリエステ
ルエラストマー類、ブタジエン/アクリロニトリルエラ
ストマー類、シリコンエラストマー類、ポリ(ブタジエ
ン)、ポリ(イソブタジエン)、エチレン−プロピレン
コポリマー類、エチレン−プロピレン−ジエンターポリ
マー類、スルフォン化エチレン−プロピレン−ジエンタ
ーポリマー類、ポリ(クロロプレン)、ポリ(2,3-ジメ
チルブタジエン)、ポリ(ブタジエン−ペンタジエ
ン)、クロロスルフォン化ポリ(エチレン)類、ポリ
(スルフィド)エラストマー類、ポリ(スチレン)、ポ
リ(ビニル−トルエン)、ポリ(t-ブチルスチレン)、
ポリエステル類等のガラス質のまたは結晶性のブロック
製のブロックコポリマー類ならびにポリ(ブタジエ
ン)、ポリ(イソプレン)、エチレン−プロピレンコポ
リマー類、プロピレンコポリマー類、エチレン−ブチレ
ンコポリマー類、ポリエーテル等のごときエラストマー
ブロック類、例えば、KRATON(商標名)でShell Chemic
al Companyにより製造されている、ポリ(スチレン)−
ポリ(ブタジエン)−ポリ(スチレン)ブロックコポリ
マーが挙げられる。
【0266】マトリックスポリマーとして有用な熱硬化
性樹脂には、例えばポリアミド類;ポリアルキルアミド
類;ポリエステル類;ポリウレタン類;ポリカーボネー
ト類;ポリエポキシド類;及びそれらの混合物が挙げら
れる。
【0267】マトリックスポリマーとして使用するのに
最も好ましい熱可塑性ポリマー類は、ポリアミド類、ポ
リエステル類、ならびにα,β不飽和モノマー類及びコ
ポリマー類のポリマー類などの熱可塑性ポリマー類であ
る。本発明の方法において使用しうるポリアミド類は、
少なくとも2つの炭素原子によって互いに隔てられるポ
リマー鎖の完全部分として、反復するカーボンアミド基
が存在することにより特徴が示される合成直鎖状ポリカ
ーボンアミド類である。このタイプのポリアミド類に
は、当該技術分野において一般にナイロンとして知られ
るポリマー類が含まれ、これは、一般式
【0268】
【化13】
【0269】(式中、R13は、少なくとも2、好ましく
は約2から約11の炭素原子を有するアルキレン基、ま
たは、少なくとも約6、好ましくは約6から約17の炭
素原子を有するアリーレンであり、R14は、R13及びア
リール基より選択される基を表す)で示される反復単位
を有し、ジアミン及び二塩基酸より得られる。また、例
えばテレフタル酸及びアジピン酸よりなる二塩基酸の混
合物とヘキサメチレンジアミンとの濃縮によるごとき、
既知の方法で得られるコポリアミド類及びターポリアミ
ド類もまた、好ましいポリアミド類に包含される。前記
のポリアミド類は、当該技術分野においてよく知られて
おり、例えば、30%のヘキサメチレンジアンモニウムイ
ソフタレート及び70%のヘキサメチレンジアンモニウム
アジペートのコポリアミド、ポリ(ヘキサメチレンアジ
パミド)(ナイロン6,6)、ポリ(ヘキサメチレンセバ
カミド)(ナイロン6,10)、ポリ(ヘキサメチレンイソ
フタラミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタラミ
ド)、ポリ(ヘプタメチレンピメラミド)(ナイロン7,
7)、ポリ(オクタメチレンスベラミド)(ナイロン8,
8)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(ナイロン9,
9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン10,
9)、ポリ(デカメチレンセバカミド)(ナイロン10,1
0)、ポリ[ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン-1,1
0-デカンカルボキサミド)]、ポリ(m-アジパミド)、
ポリ(p-キシレンセバカミド)、ポリ(2,2,2,-トリメ
チルヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(ピペラジ
ンセバカミド)、ポリ(p-フェニレンテレフタラミド)
及びポリ(メタフェニレンイソフタラミド)等などであ
る。
【0270】マトリックスポリマーとして使用するのに
他のポリアミド類は、アミノ酸及びその誘導体、例えば
ラクタム類の重合によって形成されるものである。これ
らの有用なポリアミド類の例は、ポリ(4-アミノ酪酸)
(ナイロン4)、ポリ(6-アミノヘキサン酸)(ナイロ
ン6)、ポリ(7-アミノヘプタン酸)(ナイロン7)、ポ
リ(8-アミノオクタン酸)(ナイロン8)、ポリ(9-ア
ミノノナン酸)(ナイロン9)、ポリ(10-アミノデカン
酸)(ナイロン10)、ポリ(11-アミノウンデカン酸)
(ナイロン11)及びポリ(12-アミノドデカン酸)(ナ
イロン12)等である。
【0271】マトリックスポリマーとして使用するのに
好ましいポリアミド類は、ポリ(カプロラクタム)、ポ
リ(12-アミノドデカン酸)及びポリ(ヘキサメチレン
アジパミド)である。
【0272】ナノ合成物を形成するために剥離物との混
合物において使用されうる他のマトリックスまたはホス
トポリマーは、直鎖状ポリエステル類である。ポリエス
テルのタイプは、本発明を左右するものではなく、特定
の状況において使用するために選択される特定のポリエ
ステル類は、最終的な形態に所望される物理的特性及び
性質、すなわち、引張強さ、引張応力等に本質的に依存
する。かくのごとく、物理的特性において広い多様性を
有する直線状の熱可塑性ポリエステル類が多数存在する
ことは、本発明のナノ合成物を製造するうえで、剥離さ
れた層状物小板との混合物での使用のために好適であ
る。
【0273】本発明においてマトリックスポリマーとし
て使用するために特に選択されるポリエステルは、所望
に応じて、ホモポリエステル、コポリエステル、または
その混合物でありうる。ポリエステルは、通常は、有機
ジカルボン酸と有機性ジオールとの濃縮によって調製さ
れ、そして、インターカレーション物の剥離前または剥
離後に層状物と接触する間にポリエステルのin situ重
合を行うために、その反応物をインターカレーション
物、または剥離されたインターカレーション物に添加す
ることができる。
【0274】本発明のかかる実施態様でマトリックスポ
リマーとして使用するのに好適なポリエステル類は、芳
香族、環状脂肪族及び脂肪族ジオール類と、脂肪族、芳
香族及び環状脂肪族ジカルボン酸類との濃縮により得ら
れるもので、環状脂肪族、脂肪族または芳香族ポリエス
テル類でありうる。
【0275】本発明のかかる実施態様を実施するうえで
マトリックスポリマーとして利用できる、有用な環状脂
肪族、脂肪族及び芳香族ポリエステル類の例としては、
ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキシ
レンジメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンドデ
ケート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ[エ
チレン(2,7-ナフタレート)]、ポリ(メタフェニレン
イソフタレート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(エチ
レンスクシネート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポ
リ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンアゼレ
ート)、ポリ(デカメチレンアジペート)、ポリ(デカ
メチレンセバケート)、ポリ(ジメチルプロピオラクト
ン)、ポリ(パラ−ヒドロキシベンゾエート)(EKONO
L)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)(A-tel
l)、ポリ(エチレンイソフタレート)、ポリ(テトラ
メチレンテレフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンテレ
フタレート)、ポリ(デカメチレンテレフタレート)、
ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)
(トランス)、ポリ(エチレン-1,5-ナフタレート)、
ポリ(エチレン-2,6-ナフタレート)、ポリ(1,4-シク
ロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)
(シス)、及びポリ(1,4-シクロヘキシリデンジメチレ
ンテレフタレート)(KODEL)(トランス)などが挙げ
られる。
【0276】ジオールと芳香族ジカルボン酸の濃縮によ
り調製されるポリエステル化合物は、本発明の前記実施
態様においてマトリックスポリマーとして特に好適であ
る。かかる有用性をもつ芳香族カルボン酸の例として
は、テレフタル酸、イソフタル酸及びo-フタル酸、1,3-
ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン
酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4'-ジフェニルジカルボン酸、4,4'-ジフェ
ニルスルフォンジカルボン酸、1,1,3-トリメチル-5-カ
ルボキシ-3-(p-カルボキシフェニル)-イダン、ジフェ
ニルエーテル4,4'-ジカルボン酸及びビス-p-(カルボキ
シフェニル)メタン等が挙げられる。前記の芳香族ジカ
ルボン酸のうち、ベンゼン環を有するもの(テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸など)が、本発明を
実施するうえでの使用に好ましいものである。これらの
好ましい酸前物質(acid precursor)のうち、テレフタ
ル酸が特に好ましい酸前物質である。
【0277】本発明の最も好ましい実施態様では、ポリ
(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタ
レート)、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフ
タレート)、ポリビニルアミン、及びそれらの混合物か
らなる群より選択されるポリマーにインターカレーショ
ン物が組入れられる。選択可能なこれらのポリエステル
のうち、ポリ(エチレンテレフタレート)及びポリ(ブ
チレンテレフタレート)が最も好ましい。
【0278】本発明の剥離物を用いたナノ合成物を形成
するための、さらに別の有用な熱可塑性ホモポリマー類
及びコポリマーマトリックスポリマー類には、α,β不
飽和モノマー類、あるいは以下の式
【0279】
【化14】
【0280】(式中、R15及びR16は、同じかまたは互
いに異なっており、シアノ、フェニル、カルボキシ、ア
ルキルエステル、ハロ、アルキルまたは1以上の塩素も
しくはフッ素で置換されたアルキル、または水素原子を
表す)で示されるモノマーの重合により形成されるポリ
マー類が挙げられる。このような好ましいホモポリマー
類及びコポリマー類の例は、エチレン、プロピレン、ビ
ニルアルコール、アクリロニトリル、ビニリデンクロリ
ド、アクリル酸のエステル類、メタクリル酸のエステル
類、クロロトリフルオロエチレン及びビニルクロリド等
のホモポリマー類及びコポリマー類である。好ましいも
のは、ポリ(プロピレン)、プロピレンコポリマー類、
ポリ(エチレン)、及びエチレンコポリマー類である。
より好ましいものは、ポリ(エチレン)及びポリ(プロ
ピレン)である。
【0281】本発明の混合物には、種々の任意に配合可
能な成分、極性有機性液体に一般的に使用される添加物
を含有させることができる。このような任意成分には、
凝集剤(nucleating agent)、フィラー、可塑剤、衝撃
修飾剤、鎖伸張剤、可塑剤、着色剤、鋳型脱離潤滑剤、
静電気防止剤、色素、火炎抑制剤などが包含される。こ
れらの任意成分、及びその適切な添加量は、当該技術分
野においてよく知られている。
【0282】担体または、医薬品などの担体に溶解され
たもしくは担体に分散された有効成分を移送するのに好
適な粘性組成物を形成するための、液体担体または溶媒
組成物中に含まれる、インターカレーションされ、且つ
/または剥離された層状物の量は、組成物の意図される
用途及び所望の粘度に依存して、広範囲に変えることが
できる。例えば、5,000〜5,000,000 cpsの極めて高い粘
度を有する溶媒ゲルを形成する場合には、組成物の総重
量の約10から約30重量%といった比較的多量のインター
カレーション物が使用される。しかしながら、例えば0.
1〜5重量%程度の比較的低濃度のインターカレーション
物及び/またはその剥離物を用いても、組成物のpHを約
0〜6もしくは約10〜14の範囲に調整し、且つ/または、
例えば約25℃から約200℃、好ましくは約75℃から約100
℃の範囲の、室温よりも高い温度に組成物を加熱するこ
とによって、極めて高い粘度を有するものとすることも
できる。
【0283】小板の負荷量は、組成物の約10%を下回る
ことが好ましい。組成物総重量の約0.01重量%から約40
重量%、好ましくは約0.05重量%から約20重量%、さら
に好ましくは約0.5重量%から約10重量%の範囲内で、
インターカレーション物または小板粒子を負荷すること
によって、組成物の粘度が有意に増大する。概して、担
体/溶媒へ導入されるインターカレーション物及び/ま
たは小板粒子の量は、組成物の総重量に基づき、約20重
量%未満、好ましくは約0.05重量%から約20重量%、さ
らに好ましくは約0.01重量%から約10重量%、そして最
も好ましくは、約0.01重量%から約5重量%である。
【0284】本発明の重要な特徴によれば、本発明のイ
ンターカレーション物及び/または小板/担体組成物
は、例えば、約10〜90%、好ましくは約20〜80%のイン
ターカレーション物及び/または層状物の剥離小板、そ
して、約10〜90%、好ましくは約20〜80%の担体/溶媒
といった、例えばマスターゲルのごとき濃縮状態で製造
できる。このマスターゲルは、後になってから、追加の
担体または溶媒を用いて希釈混合し、組成物の粘度を所
望のレベルにまで減じることができる。
【0285】インターカレーション物及び/またはその
剥離物を、担体または溶媒に混合して、その担体または
溶媒の粘性組成物が製造されるが、担体または溶媒に溶
解または分散された1以上の有効成分、例えば制汗剤な
どを、随意に含有せしめることができる。
【0286】本発明の重要な特徴によれば、多岐にわた
る局所活性化合物を、本発明の安定な組成物に導入でき
る。このような局所活性を有する組成物には、皮膚また
は髪に接触して作用する香粧用、工業用、医薬用の合成
物で、皮膚もしくは頭髪に接触して作用するもの、また
は工業用グリース等の流動性を調整するために用いられ
るものなどが包含される。本発明の他の重要な特徴によ
れば、局所活性化合物を本発明の組成物中に可溶化する
こと、または不溶性の微粒子物として組成物全体に均質
に分散させることができる。いずれの場合でも、本発明
の局所的に有効な組成物は、組成物の分離に対して耐性
を有し、皮膚または頭髪などへの局所活性化合物におい
て効果的に適用することができる。安定性を高めるため
に必要であれば、Laughlinらの米国特許第3,929,678号
(かかる特許の開示は本明細書に含まれるものとする)
に開示されたような界面活性剤を、組成物中に含有させ
ることができる。通常、本発明の局所的に有効な組成物
は、局所活性化合物が組成物中に可溶化されている場合
には、実質的に相分離しないことが示されている。さら
には、組成物中で局所活性化合物が不溶性である場合、
組成物は本質的に相分離しないこともを示されている。
【0287】局所活性化合物とは、香粧品として活性な
化合物、医薬品として活性な化合物、または皮膚もしく
は髪への適用に有用な種々の他の化合物でありうる。こ
のような局所活性化合物には、例えば制汗剤、ふけ防止
剤、抗細菌性化合物、抗菌化合物、抗炎症化合物、局所
麻酔剤、日焼け止め剤及び他の香粧品用、医薬品用の局
所的に有効な化合物が包含される。
【0288】従って、本発明の重要な特徴によれば、安
定で局所的に有効な組成物は、一般に知られている、微
細化した固形収斂剤の塩、例えばアルミニウムクロロヒ
ドレート、アルミニウムクロロヒドロキシ、ジルコニウ
ムクロロヒドレート、及びアルミニウムクロロヒドレー
トとジルコニルクロリドまたはジルコニルヒドロキシク
ロリドとの複合体などの制汗剤化合物のいかなるものも
包含することができる。一般的に、アルミニウムジルコ
ニウムテトラクロロヒドレックスグリシンなどの制汗剤
化合物の組成物中の量は、組成物の総重量に基づき、約
0.01%から約50%、好ましくは約0.1%から約30%であ
る。
【0289】他の局所活性化合物は、その化合物により
意図される機能を成就するに足る量で、本発明の組成物
中に含有させることができる。例えば、組成物の用途と
して日焼け止め剤が意図される場合、酸化亜鉛、二酸化
チタンまたは類似の化合物を含有させることができる。
同じように、抗菌化合物、抗細菌性化合物、抗炎症性化
合物、局所麻酔剤、発疹、皮膚疾患または皮膚炎等の治
療剤、ならびに抗掻痒または刺激低減用の化合物などの
局所活性医薬を、本発明の組成物に含有させることがで
きる。例えば、ベンゾカイン、塩酸ジクロニン及びアロ
エベラ等の表面麻酔剤;ブタンベンピクレート、塩酸リ
ドカイン及びジロカイン(zylocaine)等の麻酔剤;ポ
ビドンイオダイン、ポリミキシンb、硫酸バシトラシ
ン、ネオマイシン亜鉛、ヒドロコーチゾン硫酸、クロラ
ムフェニコール、メチルベンゼトニウムクロリド、及び
エリスロマシン等の防腐剤;リンデン等の駆虫剤;クロ
ロフィリン銅複合体、アルミニウムクロリド、アルミミ
ウムクロリドヘキサヒドレート及びメチルベンゼトニウ
ムクロリド等の防臭剤;ベンゾイルパーオキシド、エリ
スロマイシン−ベンゾイルパーオキシド、クリンダマイ
シンホスフェートまたは5,7-ジクロロ-8-ヒドロキシキ
ノリン等の痙瘡緩解薬などの本質的にすべての皮膚病
剤、アルクロメタゾンジプロピオネート及びベタメサゾ
ンバレラート等の抗炎症性剤、o-アミノ-p-トルエンス
ルフォンアミドモノアセテート等の火傷緩解用軟膏、モ
ノベンゾン等の脱色素剤、活性ステロイド類アムシノニ
ド、ジフロラゾンジアセテート及びヒドロコーチゾン等
の皮膚炎緩解剤、メチルベンゼトニウムクロリド等のお
むつかぶれ緩解剤、鉱油、PEG−4ジラウレート、ラ
ノリン油、石油及び鉱物ロウ等の皮膚緩和薬(エモリエ
ント)及び湿潤剤(モイスチャライザー)、ブトクアゾ
ールニトレート、ハロプロジン及びクロトリマゾール等
の殺菌剤、9-[(2-ヒドロキシエトキシ)メチル]グアニン
等のヘルペス治療剤、アルクロメタゾンジプロピオネー
ト、ベタメサゾンバレラート、イソプロピルミリステー
ト及びMSD等の掻痒症治療剤、アントラリン、メトキ
サレン及びコールタール等の乾癬、脂漏症治療剤及び疥
癬撲滅剤、オクチルp-(ジメチルアミノ)ベンゾエー
ト、オクチルメトキシシンナメート及びオキシベンゾン
等の日焼け止め剤、2-(アセチロキシ)-9-フルオロ-1',
2',3',4'-テトラヒドロ-11-ヒドロキシプレグナ-1,4-ジ
エノ[16,17-b]ナフタレン-3,20-ジオン及び21-クロロ-9
-フルオロ-1',2',3',4'-テトラヒドロ-11b-ヒドロキシ
プレグナ-1,4-ジエノ[16z,17-b]ナフタレン-3,20-ジオ
ン等のステロイド類が挙げられる。
【0290】局所投与が可能な他のいかなる医薬も、そ
の意図される機能を果たすに充分な量で、本発明の組成
物に含有せしめることができる。
【0291】モノマーが複合した小板粒子が実質的に均
質に分散した、担体または溶媒を含んでなる、より粘性
の強い組成物を提供するためには、最終的に生じる、イ
ンターカレーションされた層状物の剥離によって、イン
ターカレーション物の少なくとも約90重量%が離層され
るべきである。このように比較的充分な剥離を行うため
に、インターカレーション物によっては、1秒当たり約1
0を上回る剪断速度を必要とする。他のインターカレー
ション物は、自然にもしくは加熱することにより、また
は、加熱もしくは非加熱下で例えば0.5から60気圧の圧
力をかけることによって剥離する。剪断速度の上限は、
特に問題ではない。本発明の特に好ましい実施態様にお
いて、剥離のために剪断が使用される場合、剪断速度
は、1秒当たり約10から約20,000であり、より好ましい
実施態様においては、剪断速度は、1秒当たり約100から
約10,000である。
【0292】剥離のために剪断が採用される場合、イン
ターカラント/担体組成物に対して剪断を付すために用
いられうるいかなる方法でも使用可能である。剪断作用
は、例えば機械的手段、温度ショック、圧力の変化また
は超音波など、当該技術分野において知られる適切な種
々の方法によって供給することができる。特に有用な方
法において、組成物は機械的方法によって剪断される。
かかる機械的方法で、スタラー、Banbury(商標)タイ
プのミキサー、Brabender(商標)タイプのミキサー、
長時間用のミキサー、及び押出機などの機械的手段を用
いることにより、インターカレーション物が、担体また
は溶媒の存在下または非存在下にて剪断される。他の方
法では、組成物の温度を交互に上昇または降下させて温
度による膨張を惹起こし、剪断を生じさせる内的応力を
かけることによって剪断を成し遂げる、温度ショックが
用いられる。さらに別の方法では、圧力変更法で急激に
圧力を変えることにより剪断がなされたり、または、組
成物の一部分を振動させ、もしくは異なる相において加
振させる、キャビテーションまたは共鳴振動における超
音波技術により、剪断が成し遂げられる。これらの剪断
方法は、単に有用な方法の代表例を示したに過ぎず、イ
ンターカレーション物を剪断するための当該技術分野に
おいて知られたいかなる方法であっても採用することが
できる。
【0293】機械的剪断方法は、前記のように押出、射
出成形機、Banbury(商標)タイプのミキサー、Brabend
er(商標)タイプのミキサー等を使用する方法も可能で
ある。押出機(単軸または二軸)の一方の端に層状物及
びインターカラントモノマーを導入し、もう一方の端で
剪断されたものを受けることによってでも、剪断を成し
遂げることができる。層状物/インターカラントモノマ
ー組成物の温度、押出機の長さ、押出機内での組成物の
滞留時間及び押出機のデザイン(単軸、二軸、単位長当
たりのフライト数、チャンネルの深さ、フライトクリア
ランス、混合領域等)などが、剥離させるために付され
る剪断力の強さを制御する変動可能な因子である。
【0294】剥離は全体にわたって、層状物の少なくと
も約80重量%、好ましくは少なくとも約85重量%、さら
に好ましくは少なくとも約90重量%、そして最も好まし
くは、少なくとも約95重量%が離層され、実質的に均質
に担体または溶媒中に分散することができる、3つの小
板を含む単層タクトイド、またはより好ましくは独立し
た個々の小板粒子を形成するように、充分になされるべ
きである。この方法によって形成されると、担体または
溶媒中に分散される小板粒子または小板複層タクトイド
が有する厚さは、独立した個々の層の厚さに加えて複合
したモノマーの単層の1から5層分の厚さ、または、約
10層を下回る低倍数分の層、好ましくは約5層を下回
る、より好ましくは約3層を下回る、そしてさらに好ま
しくは1または2層分の厚さである。
【0295】本発明の好ましい実施態様においてすべて
の層間空間のインターカレーション及び離層が完遂さ
れ、しかして、すべての、または実質的にすべての個々
の層が互いに離層し、担体または溶媒との混合物用の、
分離した小板粒子が形成される。初めに組成物は、輸送
及び供給(pumping)のために比較的低い粘度を提供す
べく、容易に剥離することを介して粘度を高めることが
所望されるまで、必ずしも完全に剥離していない、すべ
てのインターカレーション物として層状物を包含するこ
とができる。ある層の間でインターカレーションが不充
分にしかなされない場合、担体または溶媒中でそれらの
層は離層せず、共平面凝集物の形態にて層を含む小板粒
子を形成するであろう。
【0296】本発明において形成されるインターカレー
ション物に由来する、ナノスケールの微粒子として分散
される小板粒子を極性有機性液体担体に添加することに
よって得られる効果として典型的なものは、粘度の増大
である。
【0297】本発明により製造されたインターカレーシ
ョン物の剥離物から得られた小板を所望の負荷量含有す
る、熱可塑性または熱硬化性ポリマーを含んでなる成形
用の組成物は、多様な特性を備えたシート及びパネルの
製造において、顕著に好適である。このようなシート及
びパネルは、有用な物品を形成する真空処理または加熱
圧縮などによる旧来の方法によって形成されうる。本発
明に基づいて作製されるシート及びパネルは、例えば
木、ガラス、セラミック、金属またはプラスチック等を
含む他の材料のためのコーティング剤としても好適であ
り、また、例えばビニル樹脂ベース等の従来の接着促進
剤を用いて、顕著な強度を提供することが可能である。
前記シート及びパネルは、他のプラスチックフィルムと
共に積層することもでき、これは好ましくは共押出によ
り、シートを融解した状態で結合させて行われる。これ
らシート及びパネルは、エンボス加工を施したものも含
めて、例えばラッカー処理または保護フィルムの適用
等、旧来の方法により表面を改善または仕上げることが
できる。
【0298】マトリックスポリマー/小板合成物は、押
出フィルム及びラミネートフィルム、例えば、食品包装
用に使用されるフィルム等の製造のために特に有用であ
る。このようなフィルムは、従来のフィルム押出技術を
用いて製造することができる。フィルムの厚さは、好ま
しくは約10〜約100 μm、さらに好ましくは約20〜約100
μm、最も好ましくは約25〜約75 μmである。
【0299】本発明の1実施態様であるナノ合成物を形
成する、本発明において剥離され、均質に分布した小板
粒子、及びマトリックスポリマーは、好適なフィルム形
成法によって、フィルムに形成される。典型的には、組
成物は溶融されて、フィルム形成ダイに押込まれる。ナ
ノ合成物のフィルムは、小板にさらに方向性を生じさせ
る工程に付して、小板全体の主平面が、フィルム全体の
主平面に実質的に平行となるようにしてもよい。これ
は、二軸方向にフィルムを引伸ばす方法により行われ
る。例えば、フィルムがダイから押出される際に、フィ
ルムを牽引するテンションローラによって軸方向または
機械方向にフィルムが引伸ばされる。同時に、フィルム
の両端を掴んで引き離す方向に牽引することによって、
フィルムが横方向に引伸ばされる。別の方法では、チュ
ーブラフィルムダイを用いてフィルムを横方向に引伸ば
し、且つ、チューブラフィルムダイから通過して出る際
にフィルムがブローイングされる。本発明に基づいて得
られるフィルムは引張応力の増大、湿潤強さの増大、寸
法安定性の増大、水分の吸着性の低下、酸素等のガスな
らびに水、アルコール及び他の溶媒等の液体の透過性の
減少などといった利点の少なくとも1つを呈しうるもの
である。
【0300】以下、実施例によりさらに本発明を詳細に
説明するが、本発明はもとよりこれら実施例に限定され
るものではない。
【0301】
【実施例】
(実施例1)粘土−エチレングリコールモノマーの機械
的混合物及び複合体(インターカレーション物)の調製 エチレングリコール(EG)モノマーインターカラント
と、ナトリウムベントナイト粘土(クリストバライトの
不純物を含有する)との混合物を調製した。そのX線回
折パターンを図4のグラフに示す。約10〜12重量%の水
を含有する粉体ナトリウムベントナイト粘土と粉体のモ
ノマーインターカラントとの種々のモノマーインターカ
ラント負荷量における機械的混合物について剥離してい
ない(層状の)ナトリウムベントナイト粘土のd(001)ピ
ークは、約12.5Åに認められる。
【0302】次いで、この機械的混合物を、インターカ
ラントモノマーの溶融温度まで、好ましくは迅速な反応
のためにインターカラントモノマーの溶融温度の少なく
とも約40〜50℃高い温度にまで加熱した。このX線回折
パターンを図6に示す。溶融混合物は最早、約12.5Åの
d(001)ピークを示さず(混合物中に、最早層状粘土は存
在しない)、剥離された個々の小板を表しているd(020)
ピークが、約4.50〜4.45Åに示される。従って、剪断を
行わずとも剥離が生じる、すなわち、層状ベントナイト
の小板間にインターカラントモノマーが充分にインター
カレーションした後、層状粘土が自然に剥離することが
示唆される。このようにモノマー溶融物がベントナイト
粘土の小板の間にインターカレーションされ、そして発
熱反応が起こるので、これはインターカレーションされ
た粘土の剥離のために充分な程度まで、粘土小板の内側
表面に対してインターカラントモノマーが結合している
ことに起因するものであると理論付けられる。
【0303】また、粘土の乾燥重量に基づいて、少なく
とも約5重量%、好ましくは少なくとも約10%から約15
重量%の量の水がベントナイト粘土に含有されなけれ
ば、剥離が起こらなかったことに、注意すべきである。
水は、供給状態で粘土中に含まれていることもあるが、
インターカラントモノマー溶融または溶媒との接触の前
またはその操作中に添加してもよい。
【0304】前記のごとく、剪断を行わずとも剥離が生
じる、すなわち、層状ベントナイトの小板間にインター
カラントモノマーが充分にインターカレーションした
後、層状粘土が自然に剥離することにも注意されるべき
である。
【0305】(実施例2)粘土−ブチレングリコールモ
ノマーの機械的混合物及び複合体(インターカレーショ
ン物)の調製 実施例1と同様に、ブチレングリコール(BY)モノマー
インターカラントと、ナトリウムベントナイト粘土(ク
リストバライトの不純物を含有する)との混合物を調製
した。そのX線回折パターンを図5のグラフに示す。約
10〜12重量%の水を含有する粉体ナトリウムベントナイ
ト粘土と粉体のモノマーインターカラントとの種々のモ
ノマーインターカラント負荷量における機械的混合物に
ついて剥離していない(層状の)ナトリウムベントナイ
ト粘土のd(001)ピークは、約12.5Åに認められる。
【0306】次いで、この機械的混合物を、インターカ
ラントモノマーの溶融温度まで、好ましくは迅速な反応
のためにインターカラントモノマーの溶融温度の少なく
とも約40〜50℃高い温度にまで加熱した。このX線回折
パターンを図7に示す。溶融混合物は最早、約12.5Åの
d(001)ピークを示さず(混合物中に、最早層状粘土は存
在しない)、剥離された個々の小板を表しているd(020)
ピークが、約4.50〜4.45Åに示される。従って、剪断を
行わずとも剥離が生じる、すなわち、層状ベントナイト
の小板間にインターカラントモノマーが充分にインター
カレーションした後、層状粘土が自然に剥離することが
示唆される。
【0307】やはり、粘土の乾燥重量に基づいて、少な
くとも約5重量%、好ましくは少なくとも約10%から約1
5重量%の量の水がベントナイト粘土に含有されなけれ
ば、剥離が起こらなかったことに、注意すべきである。
【0308】(実施例3)粘土−カルボニル官能基を有
するモノマー化合物の複合体(インターカレーション
物)の調製 上記複合体を調製するための材料に、粘土としてナトリ
ウムモンモリロナイト、カルボニル官能基を有するモノ
マー化合物として、ブチルアルデヒドを準備した。粘土
(ナトリウムモンモリロナイト)−ブチルアルデヒド複
合体(インターカレーション物)の調製には、モノマー
化合物のインターカレーションのために3つの異なる方
法を採用した。
【0309】1.2%のブチルアルデヒド水溶液と2%の
粘土/水分散液を、粘土の乾燥重量に基づき少なくとも
約8%の濃度のブチルアルデヒドを供給するに足る割合
で混合した。
【0310】2.乾燥した粘土粉体(約8重量%の水分
含量)を、粘土の乾燥重量に基づき少なくとも約8%の
濃度のブチルアルデヒドを供給するに足る割合で、2%
のブチルアルデヒド水溶液に徐々に添加した。
【0311】3.乾燥ブチルアルデヒドを乾燥粘土と混
合し、粘土の乾燥重量に基づき35〜38%の水を用いて水
和し、次いで押出した。
【0312】上記1及び2の混合液は、室温にて4時間
撹拌した。
【0313】これらの実験により、本発明のインターカ
レーション及び剥離方法で、粘土−ブチルアルデヒド複
合体(インターカレーション物)が得られることが示さ
れ、インターカレーションの結果は、調製法(前記1、
2もしくは3)に依存するものでないが、粘土小板間に
収着されるカルボニル官能基を有するモノマーの量に依
存していることが示された。
【0314】(実施例4)粘土−カルボン酸官能基を有
するモノマーの複合体(インターカレーション物)の調
上記複合体を調製するための材料に、粘土としてナトリ
ウムモンモリロナイト、カルボン酸官能基を有するモノ
マー化合物として、アクリル酸/アクリル酸ナトリウム
混合物を準備した。粘土(ナトリウムモンモリロナイ
ト)−アクリル酸/アクリル酸ナトリウム複合体(イン
ターカレーション物)の調製には、カルボン酸を有する
モノマーのインターカレーションのための3つの異なる
方法を採用した。
【0315】1.2%のカルボン酸官能基を有するモノ
マー化合物水溶液と2%の粘土/水分散液を、粘土の乾
燥重量に基づき少なくとも約8%の濃度のカルボン酸官
能基を有するモノマー化合物を供給するに足る割合で混
合した。
【0316】2.乾燥した粘土粉体を、ナトリウムモン
モリロナイト粘土の乾燥重量に基づき少なくとも約8%
の濃度のカルボン酸官能基を有するモノマー化合物を供
給するに足る割合で、2%のカルボン酸官能基を有する
モノマー化合物水溶液に徐々に添加した。
【0317】3.乾燥ナトリウムモンモリロナイト粘土
を、水分含量20〜80%にまでカルボン酸官能基を有する
モノマー化合物水溶液で湿潤化し、次いで押出した。
【0318】上記1及び2の混合液は、室温にて4時間
撹拌した。
【0319】水中で、アクリル酸(AAc)30重量%とア
クリル酸ナトリウム(NaAAc)70重量%との混合物を調
製した。AAc及びNaAAcの総濃度は45%で、pHは6とし
た。50 mlのビーカーに、上記AAc/NaAAc混合物30グラ
ムを加え、この混合物を強く混合しながら、1.5グラム
のナトリウムモンモリロナイト(POLARGEL NF、AMCOL I
nternational Corporation製)を添加した。粘土と(AA
c/NaAAc)混合物との重量比は、1.9であった。混合物
を、85℃にて1時間、加熱しながら強く混合しした。
【0320】加熱した混合物を室温まで冷まし、X線回
折に付した。このX線回折パターンを図8に示す。約1
2.4Åにd(001)のスメクタイト由来のピークが認められ
ず、一方約22Å及び32Åに、粘土小板間にインターカレ
ーションされたアクリル酸を表すピークが認められるの
で、AAc/NaAAcと粘土とは複合体形成していることが図
8に示される。ここで、11.29Åのピークは、アクリル
酸を表すものである。
【0321】(実施例5)粘土−モノマーアミンの複合
体(インターカレーション物)の調製 上記複合体を調製するための材料に、粘土としてナトリ
ウムモンモリロナイト、モノマーアミンとして、ヘキサ
メチレンジアミン(HMDA)を準備した。粘土(ナトリウ
ムモンモリロナイト)−HMDA複合体(インターカレーシ
ョン物)の調製には、モノマーアミンのインターカレー
ションのために3つの異なる方法を採用した。
【0322】1.2%のHMDA水溶液と2%の粘土/水分散
液を、粘土の乾燥重量に基づき少なくとも約8%の濃度
のHMDAを供給するに足る割合で混合した。
【0323】2.乾燥した粘土粉体(約8重量%の水分
含量)を、粘土の乾燥重量に基づき少なくとも約8%の
濃度のHMDAを供給するに足る割合で、2%のHMDA水溶液
に徐々に添加した。
【0324】3.乾燥HMDAを乾燥粘土と混合し、粘土の
乾燥重量に基づき35〜38%の水を用いて水和し、次いで
押出した。
【0325】上記1及び2の混合液は、室温にて4時間
撹拌した。
【0326】これらの実験により、本発明のインターカ
レーション及び剥離方法で、粘土−HMDA複合体(インタ
ーカレーション物)が得られることが示され、インター
カレーションの結果は、調製法(前記1、2もしくは
3)に依存するものでないが、粘土小板間に収着される
モノマーアミンの量に依存していることが示された。
【0327】(実施例6)粘土−モノマーアミドの複合
体(インターカレーション物)の調製 上記複合体を調製するための材料に、粘土としてナトリ
ウムモンモリロナイトを準備した。粘土(ナトリウムモ
ンモリロナイト)−モノマーアミド複合体(インターカ
レーション物)の調製には、モノマーアミドのインター
カレーションのために3つの異なる方法を採用した。
【0328】1.2%のアミド水溶液と2%の粘土/水分
散液を、粘土の乾燥重量に基づき少なくとも約8%の濃
度のアミドを供給するに足る割合で混合した。
【0329】2.乾燥した粘土粉体を、粘土の乾燥重量
に基づき少なくとも約8%の濃度のアミドを供給するに
足る割合で、2%のアミド水溶液に徐々に添加した。
【0330】3.乾燥した粘土を、アミド水溶液を用い
て20〜80重量%の含水量にまで湿潤化し、次いで押出し
た。
【0331】上記1及び2の混合液は、室温にて4時間
撹拌した。
【0332】(実施例7)粘土−モノマーエステルの複
合体(インターカレーション物)の調製 粘土としてナトリウムモンモリロナイト(POLARGEL)、
モノマーエステルとして、ジオクチルステアレートエス
テル(DOS)を準備し、複合体(インターカレーション
物)を調製した。図9に、ジオクチルステアレートエス
テル(DOS):ナトリウムモンモリロナイト粘土(重量
比は55:45)の140℃における複合体についてのX線回
折パターンを示す。
【0333】(実施例8)粘土−モノマーエステルの複
合体(インターカレーション物)の調製 上記複合体を調製するための材料に、粘土としてナトリ
ウムモンモリロナイト、モノマーエステルとして、ジブ
チルフタレート(DBP)を準備した。粘土(ナトリウム
モンモリロナイト、POLARGEL NF)−DBP複合体(インタ
ーカレーション物)の調製には、モノマーインターカレ
ーションのために3つの異なる方法を採用した。
【0334】1.2%のDBP水溶液と2%の粘土/水分散
液を、粘土の乾燥重量に基づき少なくとも約8%の濃度
のDBPを供給するに足る割合で混合した。
【0335】2.乾燥した粘土粉体(約8重量%の水分
含量)を、粘土の乾燥重量に基づき少なくとも約8%の
濃度のDBPを供給するに足る割合で、2%のDBP水溶液に
徐々に添加した。
【0336】3.乾燥DBPを乾燥粘土と混合し、粘土の
乾燥重量に基づき35〜38%の水を用いて水和し、次いで
押出した。
【0337】上記1及び2の混合液は、室温にて4時間
撹拌した。
【0338】図10に、ジブチルフタレート(DBP):
ナトリウムモンモリロナイト粘土(重量比は60:40)の
140℃における複合体についてのX線回折パターンを示
す。
【0339】(実施例9)粘土−モノマーエステルの複
合体(インターカレーション物)の調製 粘土としてナトリウムモンモリロナイト(POLARGEL)、
モノマーエステルとして、ジオクチルフタレート(DO
P)を準備し、複合体(インターカレーション物)を調
製した。図11に、ジオクチルフタレート(DOP):ナ
トリウムモンモリロナイト粘土(重量比は60:40)の13
0℃における複合体についてのX線回折パターンを示
す。
【0340】(実施例10) 粘土−モノマーエステル
の複合体(インターカレーション物)の調製 粘土としてナトリウムモンモリロナイト(POLARGEL)、
モノマーエステルとして、ヒドロキシエチルテレフタレ
ート(HETPh)を準備し、複合体(インターカレーショ
ン物)を調製した。図12に、ヒドロキシエチルテレフ
タレート(HETPh):ナトリウムモンモリロナイト粘土
(重量比は60:40)の複合体についてのX線回折パター
ンを示す。 対照として、100%ナトリウムモンモリロ
ナイト粘土のパターンを示しているが、12.40Åにd(00
1)ピークが認められる。
【0341】(実施例11)粘土−モノマーエステルの
複合体(インターカレーション物)の調製 粘土としてナトリウムモンモリロナイト、モノマーエス
テルとして、ジブチルステアレートエステル(DBS)を
準備し、複合体(インターカレーション物)を調製し
た。図13に、ジブチルステアレートエステル(DB
S):ナトリウムモンモリロナイト粘土(重量比は70:3
0)の複合体についてのX線回折パターンを示す。
【0342】(実施例12)粘土−モノマーエーテルの
複合体(インターカレーション物)の調製 上記複合体を調製するための材料に、粘土としてナトリ
ウムモンモリロナイト、モノマーエーテルとして、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール(ポリマー中のモノマー単位の数は、2
〜10)、エチレングリコールビニルエーテル、エチレ
ングリコールジビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、1,4-ブタンジオールビニルエーテル、1,4-ブタンジ
オールジビニルエーテル、及びこれらの混合物を準備し
た。粘土(ナトリウムモンモリロナイト)−モノマーエ
ーテル複合体(インターカレーション物)の調製には、
エーテルインターカレーションのために3つの異なる方
法を採用した。
【0343】1.2%のエーテル水溶液と2%の粘土/水
分散液を、粘土の乾燥重量に基づき少なくとも約8%の
濃度のエーテルを供給するに足る割合で混合した。
【0344】2.乾燥した粘土粉体を、粘土の乾燥重量
に基づき少なくとも約8%の濃度のエーテルを供給する
に足る割合で、2%のエーテル水溶液に徐々に添加し
た。
【0345】3.乾燥した粘土を、エーテル水溶液を用
いて20〜80重量%の含水量にまで湿潤化し、次いで押出
した。
【0346】上記1及び2の混合液は、室温にて4時間
撹拌した。
【0347】インターカレーションを目的として用いら
れる本発明のすべての方法で、粘土−モノマー複合体
(インターカレーション物)が得られることが示され、
インターカレーションの結果は、調製法(前記1、2も
しくは3)に依存するものでないが、粘土小板間に収着
される、官能基を有するモノマーの量に依存しているこ
とが示された。
【0348】以上の記載に鑑みて、本発明に種々変更を
施したり、代替となる態様を想起することは、当業者で
あれば容易になしうると考えられる。従って、これらの
記載は、単なる例示にすぎないと解釈されるべきであ
り、本発明を実施するうえでの最も好ましい態様を教示
する目的でなされたものである。本発明の詳細は、本発
明の特徴を逸脱しない限りにおいて実質的に変更可能で
あり、本発明の特許請求の範囲にあるすべての変更の本
発明の範疇にあることを意図するものである。
【0349】
【発明の効果】本発明によって、例えばフィロシリケー
ト等の層状物を、芳香環、ヒドロキシル、ポリヒドロキ
シル、カルボニル、カルボン酸、ポリカルボン酸、アル
デヒド、ケトン、アミン、アミド、エーテル、エステ
ル、及びこれらの組合せよりなる群から選択される官能
基を有するインターカラントモノマーと接触させて、か
かるインターカラントモノマーを、層状物の隣接する小
板間に収着またはインターカレーションすることによっ
て形成されるインターカレーション物が提供される。
【0350】隣接する小板間に充分にインターカラント
モノマーが収着されて、隣接する小板間の間隔が、水分
を除去(多くとも5重量%の含水量にまで除去)した後
に測定した場合に、100Åを上限として、少なくとも約5
Å、好ましくは約10〜45Åの範囲に広げられており、従
って、インターカレーション物が小板へと容易に剥離さ
れうる。
【0351】インターカレーションされた複合体は、有
機性液体と組み合わせて粘性の担体物を調製することが
でき、これは、担体の移送、または有効成分の移送のた
めに有用であり、また、インターカレーションされた複
合体は、マトリックスポリマーと組み合わせて、高強度
及び稠密なるポリマーマトリックスを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ナトリウムモンモリロナイト粘土平面及び層間
表面についてのイオン電荷分布を概略的に示す平面図で
ある。
【図2】図1に示すナトリウムモンモリロナイト粘土の
側面図(bc方向の投影図)である。
【図3】ナトリウムモンモリロナイト粘土小板の表面上
の電荷分布の概観図である。
【図4】エチレングリコールとナトリウムモンモリロナ
イトの混合物についてのX線回折パターンを示すグラフ
である。
【図5】ブチレングリコールとナトリウムモンモリロナ
イトの混合物についてのX線回折パターンを示すグラフ
である。
【図6】図4に示す混合物の剥離後のX線回折パターン
を示すグラフである。
【図7】図5に示す混合物の剥離後のX線回折パターン
を示すグラフである。
【図8】アクリル酸及びアクリル酸ナトリウムとナトリ
ウムモンモリロナイトの混合物の複合体(粘土とアクリ
ル酸+ナトリウム塩の重量比は1.9)についてのX線回
折パターンを示すグラフである。
【図9】ジオクチルステアレートエステル(DOS):ナ
トリウムモンモリロナイト粘土(重量比は55:45)の14
0℃における複合体についてのX線回折パターンを示す
グラフである。
【図10】ジブチルフタレート(DBP):ナトリウムモ
ンモリロナイト粘土(重量比は60:40)の140℃における
複合体についてのX線回折パターンを示すグラフであ
る。
【図11】ジオクチルフタレート(DOP):ナトリウム
モンモリロナイト粘土(重量比は60:40)の130℃にお
ける複合体についてのX線回折パターンを示すグラフで
ある。
【図12】ヒドロキシエチルテレフタレート(HETP
h):ナトリウムモンモリロナイト粘土(重量比は60:4
0)の複合体についてのX線回折パターンを示すグラフ
である。対照として、100%ナトリウムモンモリロナイ
ト粘土のパターンを示す。
【図13】ジブチルステアレートエステル(DBS):ナ
トリウムモンモリロナイト粘土(重量比は70:30)の複
合体についてのX線回折パターンを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 08/654,648 (32)優先日 1996年5月29日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 セメオン ティプルスキー アメリカ合衆国 60646 イリノイ リン カーンウッド エヌ. カストナー アベ ニュー 6720 (72)発明者 アナトリー ソロキン アメリカ合衆国 60090 イリノイ ホイ ーリング ナンバー4エル ハーバー ド ライブ 1500 (72)発明者 アナトリー ゴールドマン アメリカ合衆国 60067 イリノイ パラ ティン ベイサイド ドライブ 3000

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離することができるインターカレーシ
    ョン物であって、少なくとも約4重量%の水分含量を有
    する層状物を、芳香環、ヒドロキシル、ポリヒドロキシ
    ル、カルボニル、カルボン酸、ポリカルボン酸、アルデ
    ヒド、ケトン、アミン、アミド、エーテル、エステル、
    及びこれらの組合せよりなる群から選択される官能基を
    有するインターカラントモノマーと接触させることによ
    って形成され、 該インターカレーション物が、インターカラントモノマ
    ーと層状物との重量比で少なくとも約1:20を有し、層
    状物の隣接する層間空間にインターカラントモノマーの
    収着及び複合が成し遂げられ、該層状物の主な隣接する
    小板間の間隔が、インターカラントモノマーを収着して
    多くとも5重量%の水分量にまで乾燥した後に測定する
    と、少なくとも約5Åに広げられているインターカレー
    ション物。
  2. 【請求項2】 前記インターカラントモノマーを含有す
    る組成物中のインターカラントモノマーの濃度が、イン
    ターカレーション組成物中の水及びインターカラントモ
    ノマーの重量に基づいて少なくとも約0.1重量%であ
    る、請求項1記載のインターカレーション物。
  3. 【請求項3】 前記インターカレーション組成物中のイ
    ンターカラントモノマーの濃度が、少なくとも約1重量
    %である請求項2記載のインターカレーション物。
  4. 【請求項4】 前記インターカレーション組成物中のイ
    ンターカラントモノマーの濃度が、少なくとも約2重量
    %である請求項3記載のインターカレーション物。
  5. 【請求項5】 前記インターカレーション組成物中のイ
    ンターカラントモノマーの濃度が、少なくとも約30重量
    %である請求項4記載のインターカレーション物。
  6. 【請求項6】 前記インターカレーション組成物中のイ
    ンターカラントモノマーの濃度が、約10〜約60重量%の
    範囲にある請求項4記載のインターカレーション物。
  7. 【請求項7】 前記インターカレーション組成物中のイ
    ンターカラントモノマーの濃度が、約50〜約90重量%で
    ある請求項5記載のインターカレーション物。
  8. 【請求項8】 インターカレーション組成物中のインタ
    ーカラントモノマーの濃度が、接触される層状物の乾燥
    重量に基づき、少なくとも約16重量%である請求項1記
    載のインターカレーション物。
  9. 【請求項9】 前記インターカレーション組成物中のイ
    ンターカラントモノマーの濃度が、接触される層状物の
    乾燥重量に基づき、約16重量%から約70重量%の範囲に
    ある請求項8記載のインターカレーション物。
  10. 【請求項10】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、接触される層状物
    の乾燥重量に基づき、約16重量%から約35重量%未満の
    範囲にある請求項9記載のインターカレーション物。
  11. 【請求項11】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、接触される層状物
    の乾燥重量に基づき、約35重量%から約55重量%未満の
    範囲にある請求項9記載のインターカレーション物。
  12. 【請求項12】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、接触される層状物
    の乾燥重量に基づき、約55重量%から約70重量%未満の
    範囲にある請求項9記載のインターカレーション物。
  13. 【請求項13】 前記インターカラントモノマーが、炭
    素数6から24を有するアルコールである請求項1記載の
    インターカレーション物。
  14. 【請求項14】 前記インターカラントモノマーが、ア
    ルコール及び多価アルコールよりなる群から選択される
    極性溶媒である請求項1記載のインターカレーション
    物。
  15. 【請求項15】 フィロシリケートを剥離する方法であ
    って、以下の工程、すなわち、 少なくとも約4重量%の水分含量を有するフィロシリケ
    ートを、芳香環、ヒドロキシル、ポリヒドロキシル、カ
    ルボニル、カルボン酸、ポリカルボン酸、アルデヒド、
    ケトン、アミン、アミド、エーテル、エステル、及びこ
    れらの組合せよりなる群から選択される官能基を有す
    る、少なくとも約2重量%のインターカラントモノマー
    を含むインターカレーション組成物と接触させて、隣接
    するフィロシリケート小板の間に、該隣接するフィロシ
    リケート小板を少なくとも約5Åの距離まで離間させる
    に足る量でインターカレーションさせ、及びインターカ
    レーションされたフィロシリケートの小板を分離する工
    程を含む方法。
  16. 【請求項16】 前記インターカレーション組成物が、
    該インターカレーション組成物の総重量に基づき約5重
    量%から約50重量%の水を含む水性担体を包含する請求
    項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記インターカレーション組成物が、
    約10重量%から約40重量%の水を含む請求項16記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 合成物重量の約40重量%から約99.95
    重量%の量の有機性液体担体及び約0.05重量%から約60
    重量%のインターカレーションされたフィロシリケート
    物を含む合成物であって、 該インターカレーションされたフィロシリケート物は、
    インターカレーション組成物を形成すべく、少なくとも
    約4重量%の水分含量を有するフィロシリケートを、芳
    香環、ヒドロキシル、ポリヒドロキシル、カルボニル、
    カルボン酸、ポリカルボン酸、アルデヒド、ケトン、ア
    ミン、アミド、エーテル、エステル、及びこれらの組合
    せよりなる群から選択される官能基を有するインターカ
    ラントモノマーと接触させることによって形成され、 該インターカレーション組成物が、インターカラントモ
    ノマー:フィロシリケートの重量比で少なくとも約1:2
    0を有して、フィロシリケートの隣接する層間空間にイ
    ンターカラントモノマーの収着が成し遂げられ、フィロ
    シリケートの主な隣接する小板間の間隔が、インターカ
    ラントモノマーを収着した後、フィロシリケートの乾燥
    重量に基づき多くとも約5重量%の水分含量にて測定し
    た場合に、少なくとも約5Åに広げられている合成物。
  19. 【請求項19】 インターカレーション物が、大部分は
    個々の小板にまで剥離されている請求項18記載の合成
    物。
  20. 【請求項20】 前記インターカレーション組成物が、
    フィロシリケート、インターカラントモノマー及び水を
    含み、該インターカレーション組成物中のインターカラ
    ントモノマーの濃度が、インターカレーション組成物中
    のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、少なくとも約
    4重量%である請求項18記載の合成物。
  21. 【請求項21】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、インターカレーシ
    ョン組成物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、
    少なくとも約15重量%である請求項20記載の合成物。
  22. 【請求項22】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、インターカレーシ
    ョン組成物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、
    少なくとも約20重量%である請求項21記載の合成物。
  23. 【請求項23】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、インターカレーシ
    ョン組成物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、
    少なくとも約30重量%である請求項22記載の合成物。
  24. 【請求項24】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、インターカレーシ
    ョン組成物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、
    約50重量%から約80重量%の範囲にある請求項23記載
    の合成物。
  25. 【請求項25】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、インターカレーシ
    ョン組成物中のフィロシリケートの乾燥重量に基づき、
    約50重量%から約100重量%の範囲にあり、モノマーに
    オニウムイオンまたはシランカップリング剤が含まれて
    いない請求項23記載の合成物。
  26. 【請求項26】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、少なくとも約16重
    量%である請求項18記載の合成物。
  27. 【請求項27】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、約16重量%から約
    70重量%の範囲である請求項26記載の合成物。
  28. 【請求項28】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、約16重量%から約
    35重量%の範囲である請求項27記載の合成物。
  29. 【請求項29】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、約35重量%から約
    55重量%の範囲である請求項27記載の合成物。
  30. 【請求項30】 前記インターカレーション組成物中の
    インターカラントモノマーの濃度が、約55重量%から約
    70重量%未満の範囲である請求項27記載の合成物。
  31. 【請求項31】 ポリアミド、ポリビニルアルコール、
    ポリカーボネート、ポリビニルイミン、ポリエチレンテ
    レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ならび
    に、ジヒドロキシエチルテレフタレート、ジヒドロキシ
    ブチルテレフタレート、ヒドロキシエチルメチルテレフ
    タレート、ヒドロキシブチルメチルテレフタレート及び
    これらの組合せよりなる群から選択されたモノマーより
    重合されたポリマーならびにこれらの組合せよりなる群
    から選択されたマトリックスポリマーをさらに包含す
    る、請求項18記載の合成物。
  32. 【請求項32】 前記マトリックスポリマーが、ヒドロ
    キシエチルテレフタレートのポリマーと、ジヒドロキシ
    エチルテレフタレート及びジヒドロキシブチルテレフタ
    レート、ならびにこれらの組合せよりなる群から選択さ
    れたモノマーより重合されたポリマーとの混合物である
    請求項31記載の合成物。
  33. 【請求項33】 前記マトリックスポリマーが、ポリエ
    チレンテレフタレートである請求項31記載の合成物。
  34. 【請求項34】 熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー
    及びこれらの組合せよりなる群から選択された、約10重
    量%から約99.95重量%のマトリックスポリマー、なら
    びに約0.05重量%から約60重量%のフィロシリケート物
    の剥離された小板を含有する合成物の製造方法であっ
    て、 前記小板は、イオン結合、静電気的結合、キレート形
    成、水素結合、双極子/双極子、ファン・デル・ワール
    ス力及びこれらの組合せよりなる群から選択される結合
    様式を介して、インターカラントモノマーがフィロシリ
    ケート小板の内側表面の間にインターカレーションして
    結合している、インターカレーションされたフィロシリ
    ケートに由来するものであり、以下の工程、すなわち、 少なくとも約4重量%の水分含量を有するフィロシリケ
    ートを、水及びインターカラントモノマーと接触させ、
    該インターカラントモノマーは、芳香環、ヒドロキシル
    基、ポリヒドロキシル基、カルボニル、カルボン酸、ポ
    リカルボン酸、アルデヒド、ケトン、アミン、アミド、
    エーテル、エステル、及びこれらの組合せよりなる群か
    ら選択される官能基を有するものであって、フィロシリ
    ケートの隣接する小板間を少なくとも約5Åの距離に広
    げるに足る量で、該隣接するフィロシリケート小板の間
    にインターカラントモノマーの収着を成し遂げ、 前記マトリックスポリマーとインターカレーション物を
    合わせ、 該インターカレーション物の離間した小板を、大部分が
    個々の小板となるまで剥離し、ならびに該剥離した小板
    を前記マトリックスポリマー全体に分散させる工程を含
    む方法。
  35. 【請求項35】 前記フィロシリケートが、前記水、前
    記インターカラントモノマー、前記フィロシリケート、
    及び液体極性有機炭化水素担体を包含するインターカレ
    ーション組成物中の前記水と接触し、前記インターカレ
    ーション組成物は、前記フィロシリケートの乾燥重量に
    基づき約5重量%から約50重量%の水を含むものであ
    る、請求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記インターカレーション組成物が、
    フィロシリケートの乾燥重量に基づき、約10重量%から
    約90重量%の前記液体極性有機炭化水素担体を含む請求
    項34記載の方法。
  37. 【請求項37】 有機性液体及びフィロシリケートイン
    ターカレーション物を含む合成物の製造方法であって、
    以下の工程、すなわち、 フィロシリケート、インターカラントモノマー、及び水
    を含むインターカレーション組成物にフィロシリケート
    を接触させ、該インターカラントモノマーとフィロシリ
    ケートとの重量比は少なくとも約1:20であり、該イン
    ターカラントモノマーの濃度はフィロシリケートの乾燥
    重量に基づき少なくとも約5重量%から約900倍量を上限
    とし、フィロシリケートの隣接する小板間を少なくとも
    約5Åの距離に離間させるに足る量で、該隣接するフィ
    ロシリケート小板の間にインターカラントモノマーがイ
    ンターカレーションされたインターカレーション物を形
    成し、ならびに前記有機性液体とインターカレーション
    物を合わせる工程を含む方法。
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