JP2011080010A - 電着塗料およびその製造方法 - Google Patents

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正彦 石井
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稔 花谷
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Abstract

【課題】人体や環境にとって有害な鉛化合物やクロム化合物からなる防錆顔料を用いずに防錆性を向上させた電着塗料を提供する。
【解決手段】第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを体質顔料として含み、該層状シリケートを体質顔料の全体量に対して35〜95質量%含む電着塗料であり、層状シリケートがモンモリロナイトである電着塗料および樹脂と、第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを含む体質顔料とを混合する工程を含む、電着塗料の製造方法。該電着塗料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電着塗料およびその製造方法に関する。本発明は特に、層状シリケートを含むことにより防錆性を向上させた電着塗料およびその製造方法に関する。
電着塗料は、塗装作業性が優れることなどから自動車ボディなどの導電性金属製品の下塗り塗料として広く使用されている。
従来の電着塗料には、防錆性を向上させるために鉛化合物やクロム化合物からなる防錆顔料が配合されている。しかし、鉛化合物やクロム化合物は人体や環境にとって非常に有害な物質であるため、その使用には問題がある。そこで、有害物質を用いずに防錆性に優れた電着塗料を製造することが課題となっている。
この課題に対し、特許文献1では、ビスマス化合物でコーティングされた顔料を用いることが提案されている。また特許文献2および3では、アルミニウム、カルシウムまたは亜鉛のリンモリブデン酸塩と水溶性セリウム(III)塩とを塗料に加えること、および銅化合物とセリウム化合物とを塗料に加えることがそれぞれ提案されている。さらに特許文献4には、亜リン酸の2価あるいは3価の金属塩を防錆顔料として用い、それを所定の基剤樹脂および硬化剤と組み合わせることにより防錆性を向上させた電着塗料が得られることが開示されている。しかし、これらの電着塗料の防錆性は未だ満足できるものではなく、さらに防錆性を向上させた電着塗料が求められている。
一方、特許文献5には、塗料の安定性や塗装外観を維持しつつ、塗料に含まれる不純物により生じるクレーターの形成に対して耐性を示す電着塗料が記載されている。特許文献5に記載の電着塗料は、スメクタイト粘土鉱物などの層状シリケートをカチオン基含有重合体などを用いて剥離することにより得られる剥離シリケートを含むものである。特許文献5において、剥離シリケートは(i)乳酸などの酸による層状シリケートの処理、(ii)カチオン基含有重合体などを用いた剥離、(iii)さらなる酸を用いた処理といった多段階の工程により製造されている。なお、特許文献5には、得られた電着塗料の防錆性については言及されていない。
特開平5−32919号公報 特開平8−53637号公報 特開平8−53638号公報 特開平9−241546号公報 特表2002−537437号公報
被塗装物における錆の発生を防ぐには、塗膜により被塗装物を水や酸素から遮断する必要がある。特許文献5に記載されている層状シリケートのようなフレーク状の材料を電着塗料に混合することで、該フレーク状の材料が塗膜中で層を形成して水や酸素の侵入を防ぎ、防錆性が向上することが期待される。しかしながら、層状シリケートを無処理のまま電着塗料に添加すると、例えば層状シリケートとしてNa型モンモリロナイトを使用した場合には、層間に含まれるNaがアルカリ金属として作用してpHが上昇し、塗料に含まれる樹脂を凝集させてしまうという問題が生じる。特許文献5に記載されているような多段階の工程により層状シリケートを処理することで凝集の問題を解決することはできるが、そのような多段階の工程はコスト高に繋がるため好ましくない。従って、簡便な方法で製造可能な、フレーク状の材料を混合することにより防錆性を向上させた電着塗料が求められている。
本発明者らは、電着塗料を製造する際に用いる体質顔料の一部を第1級アルキルアミンで処理した層状シリケートで置換することにより、防錆性に優れた電着塗料が容易に得られることを見出した。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを体質顔料として含み、該層状シリケートを体質顔料の全体量に対して35〜95質量%含む電着塗料。
(2)層状シリケートがモンモリロナイトである、(1)に記載の電着塗料。
(3)少なくとも樹脂と、第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを含む体質顔料とを混合する工程を含む、電着塗料の製造方法。
(4)層状シリケートがモンモリロナイトである、(3)に記載の方法。
(5)体質顔料が、第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを35〜95質量%含む、(3)または(4)に記載の方法。
なお、上記(3)に記載の本発明の電着塗料の製造方法は、好ましくは樹脂エマルションを調製する工程、顔料分散ペーストを調製する工程、樹脂エマルションと顔料分散ペーストを混合して電着塗料を調製する工程を含む電着塗料の製造方法であって、前記顔料分散ペーストを調製する工程において、少なくとも顔料分散樹脂と、第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを含む体質顔料とを混合することを含む。
本発明によれば、層状シリケートが均一に分散した、防錆性に優れた電着塗料を提供することができる。また本発明の方法によれば、そのような電着塗料を簡単な工程で製造することができる。
電着塗料の製造過程を表したフロー図である。 防錆性試験後の塗板(実施例1および比較例4)の状態を撮影した写真である。
図1に電着塗料の製造過程を表したフロー図を示す。電着塗料は、樹脂エマルションに顔料分散ペーストを添加し、必要に応じて有機溶剤、界面活性剤、表面調整剤、はじき防止剤などの添加物を配合し、脱イオン水などで希釈することにより調製される。顔料分散ペーストは、少なくとも顔料分散樹脂と顔料とを混合して調製される。顔料には、塗膜の増強などを目的とする体質顔料、塗膜の着色を目的とした着色顔料、および被塗装物の錆びを防ぐことを目的とした防錆顔料などが含まれる。本発明の電着塗料は、体質顔料の一部を第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートで置き換えたこと、すなわち体質顔料が第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを含むことを特徴とする。本発明の電着塗料はアニオン電着塗料およびカチオン電着塗料のいずれとしても用いることができるが、カチオン電着塗料として用いることが好ましい。
[第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケート]
層状シリケートとは、厚さ約1nm、長さ約100〜500nmのシリケート層が積層された構造を有し、更に、シリケート層間に、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどが存在している材料であって、水などの膨潤剤が上記カチオンと静電和(水和)することより、密に積層された状態から層間距離を広げて膨潤する性質を有するものである。層状シリケートの具体例としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロライト、ヘクトライト、サポナイトなどのスメクタイト、あるいはバーミキュライト、ハロサイト、マイカなどが挙げられる。これらは単独で用いても、あるいは混合して用いてもよい。本発明で用いる層状シリケートとしては、これらのうちモンモリロナイトが最も好ましい。
第1級アルキルアミンとは、式:R−NH(Rはアルキル基(鎖式飽和炭化水素基)を示す)で表される化合物である。本発明における第1級アルキルアミンは、上記式においてRが炭素数1〜30の直鎖または分岐鎖のアルキル基、特に炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基であることが好ましい。具体的な第1級アルキルアミンの例としては、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エイコシルアミンが挙げられる。特に好ましい第1級アルキルアミンはヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミンおよびエイコシルアミンである。これらの第1級アルキルアミンは、単独で用いても、あるいは複数を混合して用いてもよい。最も好ましい第1級アルキルアミンはオクタデシルアミンである。上記の第1級アルキルアミンにおいて、アルキル基は直鎖または分岐鎖のいずれであってもよい。
従って、本発明における第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートとしては、式:R−NHで表され、Rが炭素数1〜30の直鎖または分岐鎖のアルキル基、特に炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基である第1級アルキルアミンで処理されたモンモリロナイトが好ましく、特にオクタデシルアミンで処理されたモンモリロナイトが好ましい。なお、本明細書において層状シリケートを第1級アルキルアミンにより処理するとは、層状シリケートの層間の金属カチオン(例えばNa)を第1級アルキルアミンで置換することを意味する。
本発明の電着塗料は、第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを体質顔料に含むことにより、電着塗装後の塗面状態を損なうことなく優れた防錆性を実現する。第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートは、体質顔料の全体量に対して35〜95質量%、特に50〜85質量%、とりわけ60〜75質量%の量で含まれていることが好ましい。
[顔料]
本発明の電着塗料は、第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケート以外にも体質顔料を含む。本発明で用いる他の体質顔料としては、電着塗料に通常用いられる体質顔料を使用することができる。具体例としては、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム(バリタ)、炭酸カルシウムおよびシリカなどが挙げられる。これらの体質顔料は単独で第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートと混合しても、あるいは組み合わせて第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートと混合してもよい。本発明の電着塗料は、これらの電着塗料に通常用いられる体質顔料を含んでいることにより、電着塗装後の塗面状態を製品として許容できるものにすることができる。
本発明の電着塗料は、顔料として、体質顔料に加えて着色顔料および/または防錆顔料を含んでいてもよい。着色顔料や防錆顔料は、電着塗料に通常用いられるものを使用することができる。着色顔料の具体例としては、カーボンブラック、ペリレンブラック、酸化チタン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、オーカ、およびベンガラなどが挙げられる。防錆顔料の具体例としては、リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛(亜鉛華)といった亜鉛化合物などが挙げられる。
[樹脂エマルションおよび顔料分散ペースト]
本発明の電着塗料の製造方法は、樹脂エマルションを調製する工程、顔料分散ペーストを調製する工程、樹脂エマルションと顔料分散ペーストを脱イオン水などと共に混合して電着塗料を調製する工程を少なくとも含む。当業者であれば、樹脂エマルション、顔料分散ペースト、脱イオン水および他の成分の配合比を適宜決定することができる。通常、電着塗料は固形分濃度が5〜25質量%の範囲内となるよう調製するのが好ましい。
(顔料分散ペースト)
顔料分散ペーストを調製する工程においては、少なくとも顔料分散樹脂と顔料とをボールミルなどの分散混合機中で分散処理する。本発明において、顔料は少なくとも体質顔料を含む。また、本発明において体質顔料は、第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートとその他の体質顔料とを含む。従って、本発明の電着塗料の製造方法は、少なくとも樹脂(顔料分散樹脂)と第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを含む体質顔料とを混合することを含む。なお、第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートは、体質顔料の全体量に対して35〜95質量%、特に50〜85質量%、とりわけ60〜75質量%の量で含まれていることが好ましい。このような範囲であれば、電着塗装後の塗面状態を損なうことなく、塗料による防錆性を高めることができる。
顔料分散ペーストを調製する際には、これらに加えて着色顔料、防錆顔料あるいはその他の添加剤を加えてもよい。その他の添加剤の例としては、塗膜の架橋反応を促進するための硬化触媒(ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、錫オクトエート、ジブチル錫ジラウレートおよびジブチル錫ジベンゾエートといった有機スズ化合物など)が挙げられる。顔料分散樹脂と顔料との質量比は、仕上り性や塗料安定性の観点から顔料分散樹脂/顔料=1/0.05〜1/50の範囲、特に1/0.5〜1/30の範囲内であることが好ましい。
顔料分散樹脂としては、電着塗料用の一般的なものを使用することができる。例えば水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂や界面活性剤などが使用でき、さらに、3級アミン型、4級アンモニウム塩型、3級スルホニウム塩型などの樹脂が分散用樹脂として使用できる。具体例としては、エポキシ系スルホニウム塩型樹脂、エポキシ系4級アンモニウム塩型樹脂、エポキシ系3級アミン型樹脂、アクリル系4級アンモニウム塩型樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いても、あるいは組み合わせて用いてもよい。
(樹脂エマルション)
樹脂エマルションを調製する工程においては、基体樹脂と硬化剤を混合し、これをギ酸、酢酸、乳酸などの水溶性有機酸で中和して水溶化または水分散化することによって樹脂エマルションを得る。基体樹脂および硬化剤の使用量は、通常、両者の合固形分を基準として、基体樹脂は50〜95質量%、好ましくは65〜85質量%範囲内、そして硬化剤は5〜50質量%、好ましくは15〜35%範囲内である。
基体樹脂としては、電着塗料の基体樹脂として通常使用されているものを用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂にアミノ基含有化合物を付加反応させて得られるアミン付加エポキシ樹脂が、防食性と合金化溶融メッキ鋼板上の電着塗装適性との両立の観点から好適である。上記アミン付加エポキシ樹脂としては、例えば、(1)エポキシ樹脂に、第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリアミンを付加させたもの(例えば、米国特許第3,984,299号明細書参照)、(2)エポキシ樹脂に、ケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級モノ−及びポリアミンを付加させたもの(例えば、米国特許第4,017,438号明細書参照)、(3)エポキシ樹脂とケチミン化された第1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば、特開昭59−43013号公報参照)などを挙げることができる。
硬化剤としては、ブロック化ポリイソシアネート化合物やアミノ樹脂などの公知の硬化剤を使用することができる。特にブロック化ポリイソシアネート化合物が好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、従来から知られているものを使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(通常「MDI」と呼ばれる)、クルードMDI、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族または脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイシアネート化合物の環化重合体、イソシアネートビゥレット体;これらのポリイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物などを挙げることができる。これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。ブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−tert−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量を基準としている。
(1)基体樹脂の製造
温度計、還流冷却器および攪拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、jER828EL(エポキシ樹脂,ジャパンエポキシレジン社,エポキシ当量190,数平均分子量380)1010部、ビスフェノールA390部およびジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が800になるまで反応させた。次に、ジエタノールアミン160部及びジエチレントリアミンのケチミン化物65部を加え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル355部を加え、樹脂固形分80質量%の基体樹脂溶液を得た。
(2)硬化剤の製造
反応容器中に、コスモネートM−200(クルードMDI,三井化学社)270部およびメチルイソブチルケトン130部を加え70℃に昇温した。この中にエチレングリコールモノブチルエーテル240部を1時間かけて滴下して加えた。その後、100℃に昇温し、この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナート基の吸収がなくなったことを確認し、固形分が80質量%の硬化剤を得た。
(3)樹脂エマルションの製造
上記(1)で得た樹脂固形分80質量%の基体樹脂溶液87.5部(固形分70部)、上記(2)で得た硬化剤33.3部(固形分30部)および10%酢酸水溶液13部を配合し、均一に攪拌した後、強く攪拌しながら脱イオン水160.2部を約15分かけて滴下し、固形分34質量%のカチオン電着塗料用樹脂エマルションを得た。
(4)顔料分散樹脂の製造
jER828EL1010部、ビスフェノールA390部、プラクセル212(ポリカプロラクトンジオール,ダイセル化学工業社,重量平均分子量約1,250)240部およびジメチルベンジルアミン0.2部を混合し、130℃でエポキシ当量が約1,090になるまで反応させた。次いで、ジメチルエタノールアミン134部および90%乳酸水溶液150部を加え、120℃で4時間反応させた。次いで、メチルイソブチルケトンを加えて固形分を調整し、固形分60質量%のアンモニウム塩型樹脂系顔料分散樹脂を得た。得られた顔料分散樹脂のアンモニウム塩濃度は0.78mmol/gであった。
(5)顔料分散ペーストの製造
上記(4)で得た固形分60質量%の顔料分散樹脂9.2部(固形分5.5部)、酸化チタン15.0部、有機スズ3.0部、カーボンブラック0.3部および脱イオン水27.7部、ならびに精製クレーおよび有機化モンモリロナイトを混合し、ボールミルにて40時間分散した後に取出し、固形分55質量%の顔料分散ペーストNo.1〜4を得た。また有機化モンモリロナイトを加えない以外は上記と同様にして、固形分55質量%の顔料分散ペーストNo.5を得た。顔料分散ペーストNo.1〜5における精製クレーと有機化モンモリロナイトの混合量は以下の表1のとおりである。
Figure 2011080010
(6)顔料分散ペーストの特性試験
上記(5)で得た顔料分散ペーストNo.1〜5の特性を下記の方法に従って試験した。試験の結果は表2のとおりであった。
(a)ペースト状態(外観目視)
各々の顔料分散ペースト500gを蓋付きガラス瓶に入れて、40℃にて40日間貯蔵した。貯蔵後の状態を観察し、下記基準に基づいて評価した。
〇:顔料が沈降してケーキ層がみられ、1時間未満攪拌すれば貯蔵前の状態に戻る
△:顔料が沈降してケーキ層がみられ、1〜5時間以上攪拌すれば貯蔵前の状態に戻る
×:顔料が沈降してケーキ層がみられ、5時間を越えて攪拌しても顔料の凝集物が顔料分散ペースト中に残る
(b)平均粒子径
UPA−EX250(粒度分布測定装置,動的光散乱法・レーザードップラー法(UPA法),日機装社)を用いて測定した体積基準粒度分布のメジアン径(d50,単位μm)を示す。
(c)粘度
RE−80U型粘度計(B型粘度計,東機産業社)を用い、20℃、回転数60rpmでの粘度(mPa・s)を測定した。
Figure 2011080010
(7)カチオン電着塗料の製造
上記(3)で得た固形分34質量%の樹脂エマルションを294部(固形分100部)、上記(5)で得た固形分55質量%の顔料分散ペーストNo.1〜5のいずれかを61.5部(固形分33.8部)、脱イオン水313.5部を加え、固形分20質量%のカチオン電着塗料No.1〜5をそれぞれ得た。各塗料の配合は表3に記載したとおりである。
Figure 2011080010
(8)カチオン電着塗料の性能試験
上記(7)で得たNo.1〜5のカチオン電着塗料の性能を下記の方法に従って試験した。試験の結果は表4のとおりであった。
(d)希釈安定性(ろ過残渣量)
各々のカチオン電着塗料を400メッシュのろ過網を用いてろ過した時の残渣量(mg/L)を測定し、下記基準に基づいて評価した。
○:残渣量が1mg/L未満
△:残渣量が1〜5mg/L
×:残渣量が5mg/Lを越える
(e)塗面状態(外観目視)
パルボンド#3020(リン酸亜鉛処理剤,日本パーカライジング社)を用いて化成処理を施した冷延鋼板を被塗物として乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装した。170℃で20分間加熱乾燥して得られた塗板の塗面状態を観察し、下記基準に基づいて評価した。
○:問題なく良好
△:塗膜のハジキ性、ラウンド感、光沢の低下がみられる
×:塗膜のハジキ性、ラウンド感、光沢の低下が著しい
(f)防錆性
パルボンド#3020(リン酸亜鉛処理剤,日本パーカライジング社)を用いて化成処理を施した冷延鋼板を被塗物として乾燥膜厚15μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間加熱乾燥して塗板を得た。該塗板を50℃で0.5%食塩水に1000時間浸漬し、塗膜外観を目視で観察した。1mm以上の電着塗装フクレ個数及び、フクレの最大幅で防錆性能を評価した。試験後の塗板の状態を図2に示した。
Figure 2011080010
試験の結果、実施例1の電着塗料は、有機化モンモリロナイトを用いずに製造した比較例4の電着塗料よりも優れた防錆性を示した。また、実施例1の電着塗料の希釈安定性および塗面状態は、有機化モンモリロナイトを用いずに製造した比較例4の電着塗料と同等であった。

Claims (5)

  1. 第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを体質顔料として含み、該層状シリケートを体質顔料の全体量に対して35〜95質量%含む電着塗料。
  2. 層状シリケートがモンモリロナイトである、請求項1に記載の電着塗料。
  3. 少なくとも樹脂と、第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを含む体質顔料とを混合する工程を含む、電着塗料の製造方法。
  4. 層状シリケートがモンモリロナイトである、請求項3に記載の方法。
  5. 体質顔料が、第1級アルキルアミンにより処理された層状シリケートを35〜95質量%含む、請求項3または4に記載の方法。
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