JP3602828B2 - カチオン電着浴組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛やクロムなどの有害な防錆化合物を含まない、低公害でかつ低コストのカチオン電着浴組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
カチオン電着塗料は防食性や塗面平滑性などに優れた塗膜を形成することができるため、従来から例えば自動車車体やその部品などの塗装に広く利用されている。
【0003】
カチオン電着塗料には、その防食性を一層向上させるために、しばしば、防錆顔料、例えば、クロム酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、クロム酸ストロンチウム等の鉛化合物やクロム化合物が配合されているが、これらの防錆顔料は非常に有害な物質であり、公害対策上その使用には問題がある。
【0004】
そこで、これらの有害な防錆性化合物に代わる低毒性ないし無毒性の防錆顔料として、ビスマス化合物の使用が検討されている。
【0005】
ビスマス化合物を含有するカチオン電着塗料は、従来、カチオン電着エマルションに、分散用樹脂、水酸化ビスマス、着色顔料もしくは体質顔料(酸化チタン、精製クレー、カーボンブラック等)、有機錫触媒、中和剤、脱イオン水等を分散混合して得られるエナメル化したペーストを配合することにより製造されている。
【0006】
しかしながら、ビスマス化合物の中でも水酸化ビスマスなどのビスマス化合物は比較的高価であり、それに伴いカチオン電着塗料のコストが上がるという問題があり、低コストのカチオン電着浴組成物の開発が求められている。
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、今回、カチオン電着浴に、ジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂の有機酸中和水分散物中に酸化ビスマスを分散してなる酸化ビスマスペーストを極く少量配合すると、形成される塗膜の防食性が格段に向上することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
かくして、本発明は、カチオン電着塗料に、ジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)の有機酸中和水分散物中に酸化ビスマス(B)を分散することにより得られる酸化ビスマスペーストを、カチオン電着浴組成物中の全固形分を基準にして、金属ビスマス換算で0.1〜0.3重量%の範囲内の量で含有せしめてなることを特徴とするカチオン電着浴組成物を提供するものである。
【0009】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
酸化ビスマスペースト
本発明に従いカチオン電着塗料に配合される酸化ビスマスペーストは、ジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)の有機酸中和水分散物中に、酸化ビスマス(B)を分散してなるものである。
【0011】
酸化ビスマスペーストの調製に使用されるジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)には、下記式(1)
【0012】
【化2】
【0013】
で示されるエポキシ基含有官能基を1分子中に少なくとも3個有するエポキシ樹脂(A1)と、ジエタノールアミンを含むアミン化合物(A2)及びフェノール性水酸基を1分子中に少なくとも1個有するフェノール化合物(A3)を反応させることにより得られる分散用樹脂が包含され、例えば、特開平2−265975号公報に記載されているものを用いることができる。
【0014】
エポキシ樹脂(A1)は、例えば、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミン類、チオール類、さらに、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル部分加水分解物、デンプン、セルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチルセルロース、アリルポリオール樹脂、スチレン−アリルアルコール共重合樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリカプロラクトンポリオール樹脂等の活性水素含有有機化合物を開始剤として用い、その存在下に、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドを単独で又は他のエポキシ基含有化合物と共に、エポキシ基による開環(共)重合反応を行なわせてポリエーテル樹脂を作製し、次いで樹脂中の側鎖に存在するビニル基をハイドロパーオキサイド類などの酸化剤でエポキシ化し、上記式(1)のエポキシ基含有官能基を形成することによって製造することができる。
【0015】
上記の他のエポキシ基含有化合物としては、エポキシ基を有する化合物であれば特に制限はないが、製造上、1分子中に1個のエポキシ基を有する化合物が好ましく、具体的には、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのα−オレフィンエポキサイド;スチレンオキサイドなどの不飽和化合物の酸化物;アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等の水酸基を有する化合物のグリシジルエーテル;脂肪族カルボン酸のような有機酸のグリシジルエステルなどを挙げることができる。
【0016】
エポキシ基の開環(共)重合反応は、触媒の存在下で行うことが好ましく、触媒としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ピペラジン等のアミン類:ピリジン類、イミダゾール類等の有機塩基類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類;硫酸、塩酸等の無機酸類;ナトリウムメチラート等のアルカリ金属アルコラート類;KOH、NaOH等のアルカリ類;BF3、ZnCl2、AlCl3、SnCl4等のルイス酸又はその錯体類;トリエチルアルミニウム、ジエチル亜鉛などの有機金属化合物などを挙げることができる。これらの触媒は、反応物に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲内で使用することができる。
【0017】
上記のエポキシ基の開環(共)重合反応は、一般に、約−70〜約200℃、好ましくは約−30〜約100℃の温度で溶媒を用いて行うことができ、溶媒としては活性水素をもたない通常の有機溶媒を使用することが好ましい。
【0018】
このようにして得られる開環(共)重合体(ポリエーテル樹脂)は、次いで、その側鎖に含まれるビニル基をエポキシ化することによって、前記式(1)のエポキシ基含有官能基をもつエポキシ樹脂(A1)が得られる。
【0019】
このようなエポキシ樹脂(A1)としては、市販品を使用することも可能であり、例えば、EHPE−3150(ダイセル化学工業株式会社製、商品名、エポキシ当量180)が挙げられる。これは4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合体中のビニル基をエポキシ化したものであり、その重合度は平均15〜25である。
【0020】
エポキシ樹脂(A1)は、式(1)のエポキシ基含有官能基を1分子中に3個以上有していればよいが、一般的には、エポキシ当量で140〜1000、特に150〜600、さらに特に170〜300の範囲内の量で式(1)のエポキシ基含有官能基を有していることが好ましい。
【0021】
また、アミン化合物(A2)としては、ジエタノールアミンを単独で使用することもできるが、ジエタノールアミンを、以下に例示する化合物と併用してもよい。
【0022】
(1)モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールアミン等の第1級アルカノールアミン。
【0023】
(2)N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジ−nもしくはiso−プロパノールアミン、ジブタノールアミン等の第2級アルカノールアミン。
【0024】
(3)上記第1級アルカノールアミンとα,β−不飽和カルボニル化合物との付加物(第2級アルカノールアミン)、例えば、モノエタノールアミンとN、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドとの付加物、モノエタノールアミンとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物、モノエタノールアミンとヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとの付加物、モノエタノールアミンとヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとの付加物など。
【0025】
(4)ヒドロキシエチルアミノエチルアミンのような第1、2級アルカノールアミンとモノカルボン酸との反応物、例えば、下記式(2)で示されるアミン化合物など。
【0026】
【化3】
【0027】
[式中、nは1〜6、特に2〜3の整数であり、R1は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を表わし、R2は水酸基及び/又は重合性不飽和基を含有してもよい炭素数4〜36の炭化水素基、例えばオレイル基、ステアリル基などを表す]
エポキシ樹脂(A1)とアミン化合物(A2)との反応において、上記アミン化合物(A2)以外のカチオン化剤を必要に応じて併用することもでき、例えば、ジメチルアミノエタノール/乳酸、チオグリコール/酢酸、N−ヒドロキシエチルイミダゾリン化合物などを併用することができる。
【0028】
さらに、フェノール性水酸基を少なくとも1個有するフェノール化合物(A3)としては、例えば、ノニルフェノール、オクチルフェノール、p−t−ブチルフェノールなどのアルキルフェノール類、さらに、ビスフェノールA[ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン]、ビスフェノールF[ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−メタン]などのビスフェノール類又はそれらとジグリシジルエーテルとの重付加物等を用いることが好ましい。
【0029】
これらのフェノール化合物のうち、数平均分子量が少なくとも200、好適には約800〜約3000、さらに好適には約1000〜約1500の範囲内にあり、しかも1分子あたり平均して2個以下、好ましくは1個のフェノール性水酸基を含有するものが適している。
【0030】
以上に述べたエポキシ樹脂(A1)、アミン化合物(A2)及びフェノール化合物(A3)の反応は、約50〜約300℃、好ましくは約70〜約200℃の温度で行うことができる。
【0031】
その際のエポキシ樹脂(A1)、アミン化合物(A2)及びフェノール化合物(A3)の反応順序は特に制限されず、3者を一緒にして同時に反応させてもよく、或いはエポキシ樹脂(A1)とフェノール化合物(A3)とを反応させ、次いで得られる反応生成物にアミン化合物(A2)を反応させてもよく、それによって目的とするジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)を得ることができる。
【0032】
エポキシ樹脂(A1)に対するアミン化合物(A2)及びフェノール化合物(A3)の使用割合は厳密に制限されるものではないが、一般には、エポキシ樹脂(A1)中のエポキシ基含有官能基1モルあたり、アミン化合物(A2)は0.6〜0.98当量、特に0.7〜0.9当量の範囲内で、また、フェノール化合物(A3)は0.02〜0.4当量、特に0.1〜0.3当量の範囲内で使用するのが好適である。
【0033】
得られるジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)は、有機酸で中和することにより水分散化することができる。この中和に使用しうる有機酸としては、例えば、酢酸、ギ酸、乳酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、メトキシ酢酸、アミドスルフォン酸、スルファミン酸などの水溶性有機酸、好ましくは、酢酸、ギ酸及び乳酸から選ばれる少なくとも1種のカルボン酸が好適である。
【0034】
また、中和当量としては、上記エポキシ樹脂(A)中のアミノ基に対し一般に0.5〜2.0当量、好ましくは0.8〜1.2当量の範囲内が適当である。
【0035】
他方、酸化ビスマス(B)としては、例えば、酸化ビスマス(I):BiO、酸化ビスマス(III):Bi2O3、酸化ビスマス(V):Bi2O5などが挙げられるが、本発明では、安定性やコストの面から、酸化ビスマス(III):Bi2O3を用いることが好ましい。
【0036】
酸化ビスマス(B)は、一般に、単独では、カチオン電着浴及び塗膜中に均一かつ微細に分散させることが困難であるが、本発明に従い上記ジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)と組み合わせることよりカチオン電着浴組成物中及び形成される塗膜中に均一かつ微細に分散させることができる。その結果、塗膜に侵入してくる腐食性物質(H2O、O2、Cl−など)に対する接触頻度が高くなり、少量でも防食性向上に大きく寄与するようになる。
【0037】
酸化ビスマスペーストは、上記のジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)の有機酸中和水分散物中に酸化ビスマス(B)を分散させることにより調製することができる。
【0038】
ジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)に対する酸化ビスマス(B)の配合割合は厳密に制限されるものではないが、一般には、ジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)100重量部(固形分として)あたり10〜200重量部、特に20〜100重量部の範囲内が好適である。
【0039】
その調製法としては、例えば、ジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)と酸化ビスマス(B)とを混合し、それに前述の如き有機酸を前記の中和当量で添加して、エポキシ樹脂(A)を中和し、必要に応じて水を加えた後、分散機で分散処理する方法が挙げられる。分散機としては、例えば、ボールミル、ペブルミル、サンドミル、シェイカー等の従来から用いられている分散機を用いることができるが、ボールミルが作業性面から好適である。ボールミルによる分散時間は、通常、1〜96時間、好ましくは10〜48時間程度が顔料の粒度や製造工数などの面から好ましい。
【0040】
酸化ビスマスペーストの固形分濃度は厳密に制限されるものではないが、通常20〜60重量%、好ましくは25〜50重量%の範囲内とすることができる。酸化ビスマスペーストの固形分濃度が20重量%未満であると酸化ビスマスが沈降し易く、また、60重量%を越えると酸化ビスマスペーストの粘度が高くなり過ぎる傾向がある。
【0041】
かくして調製される酸化ビスマスペーストは、そのまま直接にカチオン電着塗料に配合することができ、或いはさらに後述する合成ハイドロタルサイト類(C)及び/又は他の顔料などと共に分散することにより調製される顔料分散ペーストの形態で配合することもできる。
【0042】
この顔料分散ペーストの調製に際して使用される他の顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラなどの着色顔料;クレー、マイカ、バリタ、タルク、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム等の防錆顔料などが挙げられる。さらに、顔料分散ペーストには、場合により、ジブチル錫オキサイド(DBTO)、ジオクチル錫オキサイド(DOTO)等の有機錫化合物や、第4級アンモニウム型エポキシ分散用樹脂などを含ませることもできる。
【0043】
以上に述べた各成分に、さらに必要に応じて、界面活性剤、中和剤、水などを加えてボールミルなどで分散することにより、顔料分散ペーストを製造することができる。
【0044】
合成ハイドロタルサイト類
本発明のカチオン電着浴組成物には、上記した酸化ビスマスペーストに加えて、さらに、合成ハイドロタルサイト類(C)を配合することができる。
【0045】
本発明において使用しうる合成ハイドロタルサイト類(C)としては、下記式(3)
[(Mg2+)y(Q2+)(1−y)]1−xM3+ x(OH)2An− x/n・mH2O (3)
[式中、
Q2+はZn2+、Ca2+及びSr2+よりなる群から選ばれる2価金属イオンの少なくとも1種を示し、特にZn2+好適であり、
M3+はAl3+、Fe3+などの3価金属イオンを示し、中でもAl3+が好ましく、
An−はn価のアニオン、例えば、I−、OH−、HCO3−、CO2− 3、サリチル酸イオン、(OOC−COO)2−、[Fe(CN)6]4−、ClO4 −などを示し、
x、y及びmは下記の不等式を満たす数である:
0<x≦0.5、好ましくは0.2<x≦0.5、より好ましくは0.2<x≦0.4、
0<y<1、
0≦m<2]
で表される構造をもつハイドロタルサイトが挙げられる。
【0046】
上記式(3)の合成ハイドロタルサイト類は、アルカリ性のOHを有しており、金属の腐食抑制効果を有しており、塗膜の防食性向上に寄与し、また、塗膜の下地金属との密着を向上させて空気や水のような腐食生成物質が、金属と塗膜との界面に侵入するのを防ぐ効果を有する。
【0047】
式(3)の合成ハイドロタルサイト類(C)は、Mg2+とQ2+成分を使用する以外は、それ自体既知の方法で製造することができ、例えば、米国特許第3,539,306号明細書、ドイツ特許第1,185,920号明細書、フランス第1,532,167号明細書、米国特許第3,796,792号明細書、ドイツ特許第2,061,156号明細書、フランス第2,081,349号明細書、特公昭48−29477号公報、特公昭51−29129号公報などに記載された方法によって製造することができる。
【0048】
カチオン電着塗料
本発明に従って酸化ビスマスペースト及び場合によりさらに合成ハイドロタルサイト類(C)が配合されるカチオン電着塗料としては、特に制限されるものではなく、基体樹脂及び場合によりさらに硬化剤を基本成分として含有する任意のカチオン電着塗料を使用することができる。
【0049】
上記の基体樹脂としては、例えば、エポキシ系、アクリル系、ポリウレタン系のいずれの樹脂でも使用することができるが、なかでも、アミン付加エポキシ樹脂に代表されるポリアミン樹脂が好ましい。
【0050】
上記アミン付加エポキシ樹脂としては、例えば、(1)ポリエポキシド化合物と1級モノ−及びポリアミン、2級モノ−及びポリアミン又は1,2級混合ポリアミンとの付加物(例えば米国特許第3,984,299号明細書参照);(2)ポリエポキシド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノ−及びポリアミンとの付加物(例えば米国特許第4,017,438号明細書参照);(3)ポリエポキシド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば特開昭59−43013号公報参照)等が挙げられる。
【0051】
上記アミン付加エポキシ樹脂の製造に使用されるポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中に少なくとも2個有する化合物であり、一般に、少なくとも200、好ましくは400〜4000、更に好ましくは800〜2000の範囲内の数平均分子量及び少なくとも100、好ましくは200〜2000、更に好ましくは400〜1000の範囲内のエポキシ当量を有するものが適しており、特にポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。
【0052】
該ポリエポキシド化合物の形成のために用いられるポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
【0053】
該エポキシド化合物はポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート化合物などと一部反応させたものであってもよく、更にまた、ε−カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグラフト重合させたものであってもよい。
【0054】
上記基体樹脂は、外部架橋型及び内部(又は自己)架橋型のいずれのタイプのものであってもよく、外部架橋型の樹脂の場合に併用される硬化剤としては、例えば、ブロック化イソシアネート化合物やアミノ樹脂等の、従来から既知の架橋剤を用いることができ、特に、ブロック化イソシアネート化合物が好ましい。また、内部架橋型の樹脂としてはブロック化イソシアネート基を基体樹脂に導入したものが好適である。
【0055】
上記外部架橋型の樹脂と併用されるブロック化イソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とブロック化剤との付加反応生成物であり、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族のポリイソシアネート化合物、及びこれらポリイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ポリカプロラクトンジオールなどの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物が挙げられる。
【0056】
一方、前記ブロック化剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロック化イソシアネート化合物は常温において安定で且つ塗膜の焼き付け温度、例えば約100〜約200℃、好ましくは約140〜約180℃の温度に加熱した際、ブロック化剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生するものであることが望ましい。
【0057】
このような要件を満たすブロック化剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;エタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物などが挙げられる。これらのうち、オキシム系及びラクタム系のブロック剤は、比較的低温で解離するブロック化剤等であるため、カチオン電着塗料の低温硬化性などの点から特に好適である。
【0058】
ブロック化イソシアネート基を基体樹脂分子中に有して自己架橋するタイプの基体樹脂中へのブロック化イソシアネート基の導入は、それ自体既知の方法で行うことができ、例えば、部分ブロック化したイソシアネート化合物中の遊離のイソシアネート基と、基体樹脂中の活性水素含有部位とを反応させることによって導入することができる。
【0059】
上記の基体樹脂及び硬化剤からのカチオン電着塗料の調製は、それ自体既知の方法で、例えば、基体樹脂に、必要に応じて硬化剤を加え、ギ酸、酢酸、乳酸などの有機酸を用いて中和処理して、該基体樹脂を水溶化ないし水分散化することにより行うことができる。その際、必要に応じて、有機溶剤、表面調整剤、有機錫化合物、例えば、ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ベンゾエートオキシ、ジブチル錫ベンゾエートオキシ、ジオクチル錫ジベンゾエート、ジブチル錫ジベンゾエートなどの有機溶剤溶液などを添加することもできる。
【0060】
カチオン電着浴組成物
本発明のカチオン電着浴組成物は、上記のカチオン電着塗料に、前述の酸化ビスマスペーストを、場合により合成ハイドロタルサイト類(C)などと共に配合することにより調製される。
【0061】
酸化ビスマスペーストの配合量は、カチオン電着浴組成物の全固形分を基準にして、金属ビスマス換算で0.1〜0.3重量%、特に0.2〜0.3重量%の範囲内とすることができる。カチオン電着浴組成物中の金属ビスマス量が0.1重量%未満であると防食性の効果が少なく、また0.3重量%を越えるとコストが高くなり好ましくない。
【0062】
また、合成ハイドロタルサイト類(C)の配合量は、カチオン電着浴組成物の全固形分を基準にして、通常0〜2重量%、特に0.8〜1.7重量%、さらに特に1.0〜1.6重量%の範囲内とすることができる。合成ハイドロタルサイト類(C)の配合量が2重量%を越えるとカチオン電着塗膜の仕上がり性が低下する可能性がある。
【0063】
本発明により提供されるカチオン電着浴組成物を用いる被塗物、例えば、自動車車体又はその部品の電着塗装は、それ自体既知の方法で行うことができる。例えば、本発明のカチオン電着浴組成物をその固形分濃度が5〜40重量%、好ましくは15〜25重量%の範囲内となるように脱イオン水などで希釈し、さらにpHを5.5〜9.0の範囲内に調整し、浴温15〜35℃で、被塗物をカソードとして印加電圧100〜400Vの条件で行うことができる。
【0064】
カチオン電着塗膜の膜厚は特に制限されないが、一般には、硬化膜厚に基づいて5〜50μm、好ましくは10〜40μmの範囲内が適している。また、塗膜の焼き付け硬化温度は、通常約100〜約200℃、好ましくは約140〜約180℃の範囲内が適しており、焼き付け時間は通常5分〜60分間、好ましくは10分〜30分間が適している。
【0065】
以上に述べたとおり、本発明に従えば、カチオン電着浴組成物中に、ジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)の有機酸中和水分散物中に酸化ビスマス(B)を分散してなる酸化ビスマスペーストを配合することにより、鉛やクロムなどの有害金属を含まない低毒性型のカチオン電着塗料を低コストで提供することができる。
【0066】
また、さらに合成ハイドロタルサイト類(C)をカチオン電着浴組成物中に配合することによって防食性のさらなる向上を期待することができる。
【0067】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに制限されるものではない。なお、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
【0068】
ジエタノールアミン付加型脂環族エポキシ樹脂の製造例
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けたフラスコに、エチレングリコールモノブチルエーテル398部、EHPE−3150(ダイセル化学株式会社製、商品名、エポキシ当量180の脂環型エポキシ樹脂)900部、ジエタノールアミン315部、アミン化合物(注1)371部及びフェノール化合物(注2)1651部を仕込み、混合撹拌しながら徐々に加熱し、150℃で反応させ、エポキシ当量が0になったことを確認して、アミン価96.5のジエタノールアミン付加型脂環族エポキシ樹脂を得た。
【0069】
(注1)アミン化合物:温度計、攪拌機、還流冷却器及び水分離器を取り付けた反応容器に、ステアリン酸285部とヒドロキシルエチルアミノエチルアミン104部及びトルエン80部を仕込み、混合撹拌しながら徐々に加熱し必要に応じてトルエンを除去し温度を上げながら反応水18部を分離除去した後、残存するトルエンを減圧除去することにより得られる、アミン価150、凝固点76℃のアミノ化合物。
【0070】
(注2)フェノール化合物:撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取付けたフラスコに、ジエタノールアミン105部、エポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエーテル760部、ビスフェノールA 456部およびエチレングリコールモノブチルエーテル330部を添加し、150℃でエポキシ基残量が0になるまで反応させることにより得られる、固形分80%のフェノール化合物。
酸化ビスマスペーストAの製造例
上記ジエタノールアミン付加型脂環族エポキシ樹脂1.82部(固形分1.0部)に、酸化ビスマス(III)0.45部、中和剤0.06部及び脱イオン水1.3部を加え、ボールミルにて20時間分散した後、排出し、表1に示す固形分40%の酸化ビスマスペーストAを得た。
酸化ビスマスペーストBの製造例
酸化ビスマスペーストAの場合と同様にして表1に示す固形分40%の酸化ビスマスペーストBを得た。
【0071】
【表1】
【0072】
顔料分散ペースト NO.1〜NO.4の製造例
顔料分散ペーストNO.1及びNO.2は、上記配合にて得られた酸化ビスマスペーストAまたは酸化ビスマスペーストBを他の成分と共に下記表2にしめす割合で配合し、また、顔料分散ペーストNO.3及びNO.4は、酸化ビスマス又はZHT−7Aに、分散樹脂及びその他の顔料を加え、ボールミルにて分散し顔料分散ペーストNO.1〜NO.4を得た。
【0073】
【表2】
【0074】
(注3)ZHT−7A(協和化学工業株式会社製、商品名、合成ハイドロタルサイト)
カチオン電着用基体樹脂の製造例
エピコート828EL(油化シェルエポキシ社製、商品名、エポキシ樹脂)1010部に、ビスフェノールA390部及びジメチルベンジルアミノ0.2部を加え、130℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。次にε−カプロラクトン260部およびテトラブトキシチタン0.03部を加え、170℃に昇温し、この温度を保ちながら経時でサンプリングを行い、赤外吸収スペクトル測定において未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で120℃に温度を下げた。次にジエタノールアミン160部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルジケチミン化物65部を加え、120℃で4時間反応させ、ブチルセルソルブ420部を加え、アミン価58、樹脂固形分80%のアミン付加型エポキシ樹脂を得た。
カチオン電着用エマルションの製造例
上記製造例で得られたアミン付加型エポキシ樹脂87.5部(樹脂固形分で70部)、硬化剤として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)のセロソルブブロック化物33.3部(樹脂固形分で30部)、液状有機錫化合物2.5部(固形分で1部)及び10%酢酸15部を配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水156部を強く攪拌しながら約15分かけて滴下し、固形分34.0%のカチオン電着用クリアーエマルションを得た。
【0075】
実施例1
カチオン電着用クリアーエマルション328.4部(固形分111.65部)に、顔料ペーストNO.1を51.5部(固形分28.4部)、脱イオン水を320.1部加え、固形分20%のカチオン電着浴組成物NO.1を得た。カチオン電着浴組成物NO.1における金属ビスマス含有量は0.29%である。
【0076】
実施例2及び比較例1、2
実施例1と同様にして、下記表3に示す配合にて固形分20%のカチオン電着浴組成物NO.2〜NO.4を得た。
【0077】
【表3】
【0078】
試験板の作成
上記実施例及び比較例で得た各カチオン電着浴組成物中に、パルボンド#3020(日本パーカライジング社製、商品名、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した冷延鋼板(0.8×150×70mm)を浸漬し、これをカソードとして電着塗装を行った。
【0079】
塗膜の焼き付け温度−時間は175℃−20分間として、電気熱風乾燥機を用いて行った。得られた塗装板の性能試験結果を下記表4に示す。性能試験は下記(注)に記載の方法に従って実施した。
【0080】
【表4】
【0081】
(注4)耐ソルトスプレー性: 上記試験板の電着塗膜の素地に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて960時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの傷、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
【0082】
◎:錆、フクレの最大幅がカット部より1.5mm未満(片側)、及び両側3mm以外の部分に錆、ふくれ、はがれ等の発生がない
○:錆、フクレの最大幅がカット部より1.5mm以上、2mm未満(片側)、及び両側4mm幅以外の部分に錆、ふくれ、はがれ等の発生がない
△:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm以上、3mm未満(片側)で、かつ両側4mm幅以外の平面にブリスターがかなり目立つ
×:錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上で、かつ塗面全面にブリスターの発生がみられる。
(注5)CCT:上記試験板の電着塗膜の素地に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、これを以下の条件を1サイクルとして、50サイクル行った後の試験板を以下の基準で評価した。
(サイクル条件 : 熱風乾燥(50℃) 3時間 − 塩水噴霧 6時間 − 冷気送風(R.T)1時間 − 湿潤(50℃ RH95%) 14時間)
◎:錆、フクレの最大幅がカット部より2.5mm未満(片側)、及び片側2.5mm幅以外の部分に錆、ふくれ、はがれ等の発生がない
○:錆、フクレの最大幅がカット部より2.5mm以上、3.5mm未満(片側)、及び片側3.5mm幅以外の部分に錆、ふくれ、はがれ等の発生がない
△:錆、フクレの最大幅がカット部より3.5mm以上(片側)、4.5mm未満(片側)で、かつ片側4.5mm幅以外の平面にブリスターがかなり目立つ×:錆、フクレの最大幅がカット部より4.5mm以上で、かつ塗面全面にブリスターの発生がみられる。
(注6)耐塩温水性:実施例及び比較例で得られた試験板に、ナイフでクロスカット傷を入れ55℃、5%食塩水に10日間浸漬したときの結果を下記の基準で評価した。
【0083】
◎:錆、フクレの最大幅がカット部より片側1.5mm未満
○:錆、フクレの最大幅がカット部より片側1.5mm以上、片側2.5mm未満
△:錆、フクレの最大幅がカット部より片側2.5mm以上、3.5mm未満
×:錆、フクレの最大幅がカット部より片側3.5mm以上
Claims (17)
- ジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)の有機酸中和水分散物中に酸化ビスマス(B)を分散することにより予め調製された酸化ビスマスペーストを、合成ハイドロタルサイト類(C)及び場合によりさらに他の顔料と共に分散することにより得られる顔料分散ペーストを、カチオン電着塗料に含有せしめてなるカチオン電着浴組成物であって、酸化ビスマスペーストを、カチオン電着浴組成物中の全固形分を基準にして、金属ビスマス換算で0.1〜0.3重量%の範囲内の量で含有し、且つ合成ハイドロタルサイト類(C)を、カチオン電着浴組成物中の全固形分を基準にして、0.8〜1.7重量%の範囲内の量で含有することを特徴とするカチオン電着浴組成物。
- エポキシ樹脂(A1)が式(1)のエポキシ基含有官能基をエポキシ当量で140〜1000の範囲内の量で含有するものである請求項2に記載のカチオン電着浴組成物。
- アミン化合物(A2)がジエタノールアミンのみからなる請求項2に記載のカチオン電着浴組成物。
- アミン化合物(A2)がジエタノールアミンと第1級アルカノールアミン、第2級アルカノールアミン、第1級アルカノールアミンとα,β−不飽和カルボニル化合物との付加物又は第1、2級アルカノールアミンとモノカルボン酸との反応物との組み合わせからなる請求項2に記載のカチオン電着浴組成物。
- フェノール化合物(A3)がアルキルフェノール類、ビスフェノール類及びビスフェノール類とジグリシジルエーテルとの重付加物よりなる群から選ばれる請求項2に記載のカチオン電着浴組成物。
- フェノール化合物(A3)が800〜3000の範囲内の数平均分子量を有し且つ1分子あたり平均して1個のフェノール性水酸基を含有するものである請求項2に記載のカチオン電着浴組成物。
- 酸化ビスマス(B)が酸化ビスマス(I)、酸化ビスマス(III)及び酸化ビスマス(V)よりなる群から選ばれる請求項1〜7のいずれかに記載のカチオン電着浴組成物。
- 酸化ビスマス(B)が酸化ビスマス(III)である請求項1〜8のいずれかに記載のカチオン電着浴組成物。
- 酸化ビスマスペーストが、酸化ビスマス(B)をジエタノールアミン付加脂環族エポキシ樹脂(A)100重量部(固形分として)あたり10〜200重量部含有するものである請求項1〜9のいずれかに記載のカチオン電着浴組成物。
- 酸化ビスマスペーストが20〜60重量%の固形分濃度を有するものである請求項1〜10のいずれかに記載のカチオン電着浴組成物。
- 合成ハイドロタルサイト類(C)を、カチオン電着浴組成物中の全固形分を基準にして、1.0〜1.6重量%の範囲内の量で含有する請求項1〜11にいずれかに記載のカチオン電着浴組成物。
- 合成ハイドロタルサイト類(C)が式(3)
[(Mg2+)y(Q2+)(1−y)]1−xM3+ x(OH)2An− x/n・mH2O (3)
[式中、
Q2+はZn2+、Ca2+及びSr2+よりなる群から選ばれる2価金属イオンの少なくとも1種を示し、
M3+はAl3+、Fe3+などの3価金属イオンを示し、
An−はn価のアニオンを示し、
x、y及びmは下記の不等式を満たす数である:
0<x≦0.5、
0<y<1、
0≦m<2]
で表される構造をもつものである請求項12に記載のカチオン電着浴組成物。 - 酸化ビスマスペーストをカチオン電着浴組成物の全固形分を基準にして、金属ビスマス換算で0.2〜0.3重量%の範囲内で含有する請求項1〜13のいずれかに記載のカチオン電着浴組成物。
- 合成ハイドロタルサイト類(C)をカチオン電着浴組成物の全固形分を基準にして、1.0〜1.6重量%の範囲内で含有する請求項12又は13に記載のカチオン電着浴組成物。
- 請求項1〜15のいずれかに記載のカチオン電着浴組成物を用いることを特徴とするカチオン電着塗装方法。
- 請求項1〜15のいずれかに記載のカチオン電着浴組成物で塗装された物品。
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