JP3851089B2 - Mxd6ナイロンインターカラントで形成されるインターカレーション物 - Google Patents

Mxd6ナイロンインターカラントで形成されるインターカレーション物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターカレーションされた層状物に関し、そして、例えばスメクタイト粘土などのフィロシリケートのような層状物をオニウムイオン離間/カップリング剤と接触させ、それによりインターカレーションすることによって調製されるその剥離物、ならびに当該層状物をMXD6ナイロンの溶融物(重合可能な反応物として、またはナイロンオリゴマーもしくはポリマーとして)とコインターカレーションさせて新しく且つ予期せざるガス(特に酸素)バリア特性を有するナノ複合体を形成することに関するものである。MXD6ナイロンは、ナイロン反応物(メタ−キシレンジアミン及びアジピン酸重合可能モノマー)の形態でインターカレーションされることができ、あるいは、例えば、混合または押し出し装置においてオニウムイオンがインターカレーションされた層状物とMXD6ナイロンとを配合することにより直接複合によって、MXD6ナイロンオリゴマーまたはポリマーとして想像し得ないほど容易にインターカレーションされ得、コインターカレーションされた層状物及びナノ複合体を製造することができる。
【0002】
層状物をオニウムイオン離間/カップリング剤と接触させ、続いてMXD6ナイロンでインターカレーションさせることによって、層状物の隣接層(小板)間の層間間隔は、少なくとも約3Å、好ましくは少なくとも約5Å、少なくとも約10Åの基礎的間隔、好ましくは少なくとも約15Å、そして通常は約18Åにまで広げられる。オニウムイオンは、第1級、第2級、第3級もしくは第4級であってよく、そして好ましくは、Li+、Na+、K-、Ca+2、Mg+2、または他の無機陽イオンとイオン交換する(層状物の隣接する層または小板の間の層間空間の中で起こる)ことができる、少なくとも1つの結合(イオン交換)部位を有する長鎖(C6+)オニウムイオンであるとよい。層状物の陽イオンの、オニウムイオン離間/カップリング剤とのイオン交換を介した会合によって、親水性内側粘土小板表面から疎水性小板表面への変換が可能となる。従って、重合可能なMXD6ナイロンオリゴマー、もしくはポリマー、または反応してMXD6ナイロンを形成することができるメタ−キシレンジアミン及びアジピン酸モノマーが、例えばスメクタイト粘土小板などの層状物の隣接する小板間に容易にインターカレーションされることができる。
【0003】
本発明の好ましい実施態様において、約100〜500万、好ましくは約1,000〜500,000の範囲の平均分子量を有する、充分に重合したMXD6ナイロンポリマーを、オニウムイオンで処理された層状物の隣接する小板間に、好ましくはMXD6ナイロンマトリックスポリマーへインターカレーション物を分散させるのと同時に、すなわち、オニウムイオンで処理された層状物をMXD6ナイロンポリマーと直接複合することによりインターカレーションされる。オニウムイオンと、MXD6ナイロン、またはそのモノマー反応物もしくはMXD6ナイロン重合可能オリゴマーとのコインターカレーションの結果、インターカレーションされた層状物及び/または剥離小板の完全に均一な分散が成し遂げられる。
【0004】
任意に、ナノ複合体物は剪断され、タクトイドあるいは小板塊の100%までを、個々の小板に剥離させ、好ましくは、層状物の80重量%以上、あるいは90重量%以上を、完全に単一小板層にまで剥離させることができる。MXD6ナイロンマトリックスポリマー中への、オニウムイオン/MXD6ナイロンがコインターカレーションされた層状物の、迅速、容易、且つ完全に均一な分散が成し遂げられて、その結果得られるナノ複合体は予期し得ない酸素透過性を有している。例えば、ベントナイトナトリウムなどのスメクタイト粘土のような層状物を含むMXD6ナイロンマトリックスポリマーのフィルムは、直接複合によって形成することができ、その結果、完全に予期し得ない、低いガス透過性を備えた、目視できるインターカレーション物のないMXD6ナイロンのシートが提供される。
【0005】
濃縮物として、MXD6ナイロンがインターカレーションされた粘土を形成するのに充分な、粘土のインターカレーション用のMXD6ナイロンで、オニウムイオンがインターカレーションされた粘土を直接複合させ、かかる濃縮物がその後、ナノ複合体を形成すべく、MXD6ナイロン及び/または他のポリマー物と共に混合され得、これにより、本発明のインターカレーション物は、MXD6ナイロン物へ均一に分散させて、MXD6ナイロンポリマー/粘土インターカレーション物複合体を形成することができるのである。あるいは、オニウムイオンがインターカレーションされた粘土は、MXD6ナイロンを形成するように重合され得るモノマー反応物(メタ−キシレンジアミン及びジカルボン酸、例えば、アジピン酸)でインターカレーションされることもでき、かくしてMXD6ナイロンコインターカレーション物が形成される。
【0006】
本発明の別の実施態様において、MXD6ナイロンコインターカレーション物は、1種以上のマトリックスモノマー中に分散され得、その後、層状物の小板の間の間のその位置でポリマーを形成するように、モノマー反応物の原位置(in-situ)重合をもって、当該マトリックスモノマー(1種以上)、例えば、メタ−キシレンジアミン及びアジピン酸の重合が起こり、そしてナノ複合体物を形成すべく、硬化剤を添加することなどにより、マトリックスポリマーが形成される。例えば、硬化剤は、オニウムイオンがインターカレーションされた粘土の小板間にインターカレーションされるモノマーMXD6ナイロン反応物へと直接的に取り込まれることができ、次いで、粘土の層間洞穴(gallery)へとインターカレーションされているMXD6ナイロン反応物インターカラントモノマーが重合するのである。本発明の重要な特徴によると、インターカラントMXD6ナイロンポリマーが、オニウムイオンがインターカレーションされた粘土の洞穴へとインターカレーションされれば、当該MXD6ナイロンインターカレーション物は元のマトリックスポリマー、好ましくはMXD6ナイロンマトリックスポリマーと直接複合することができ、容易にナノ複合体が形成され、この際に前例のないガス(酸素)透過性を有するナノ複合体物が得られることになる。メタ−キシレンジアミン及びアジピン酸重合可能インターカラントモノマー、または重合可能なMXD6ナイロンオリゴマーインターカラントが、粘土の洞穴へとインターカレーションされると、インターカラント(1以上)は、望ましいモノマー、オリゴマー、またはポリマーマトリックス物、好ましくはMXD6ナイロンと共に重合することができ、そしてこれらの配合物は次いで、複合されてナノ複合体物を形成することができる。
【0007】
【従来の技術】
例えばナトリウムモンモリロナイト及びカルシウムモンモリロナイト等のスメクタイト粘土のごときフィロシリケート(phyllosilicate)類を、有機性アンモニウムイオン等の有機分子で処理して、層間にポリマーをインターカレーションさせるためにポリマーを用いてその有機分子を結合させるべく、隣接する平らなシリケート層の間に前記有機オニウムイオン分子をインターカレーションさせて、それにより隣接するシリケート層の間の層間(薄層間)間隔を実質的に増大させられることがよく知られている。かくのごとく処理された、インターカレーションされたフィロシリケートは、少なくとも3Å、好ましくは少なくとも5Å、にまで増大された層間間隔を有し、約100Åを上限として少なくとも約10〜25Åの層間間隔とされ、次いで、例えばシリケート層が分離されて(例えば機械的に、強力な剪断混合によって)、剥離することができる。個々のシリケート層は、例えばポリアミドなどのマトリックスポリマーの重合前、重合後、または重合中にマトリックスポリマーと混合された場合に(米国特許第4,739,007号、4,810,734号、及び5,385,776号を参照されたい)、機械強度、及び/または耐高温特性などの、ポリマーの1以上の特性を実質的に向上させることが見出されている。
【0008】
「ナノ複合体」とも称される、先行技術に示される合成物の例は、Allied Signal Inc.の公開された国際特許第WO 93/04118号及び米国特許第5,385,776号に開示されており、これらは、インターカレーションを施された層状シリケート物由来の個々の小板粒子をポリマーと混合して、剥離したインターカレーション物を添加することにより当該マトリックスポリマーの1以上の特性よりも改善された特性を有するポリマーマトリックスが形成されることを開示するものである。国際特許第WO 93/04118号に開示されるように、シランカップリング剤または、マトリックスポリマーに適合性をもつ反応基を有する、第4級アンモニウム化合物などのオニウム陽イオンの吸着により、インターカレーション物が形成される(隣接するシリケート小板の間の層間間隔が増大する)。このような第4級アンモニウム陽イオンは、ナトリウムモンモリロナイトまたはカルシウムモンモリロナイトなどの親水性の高い粘土を、有機分子を収着することができる親油性粘土に変換することがよく知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明の一つの実施態様によれば、フィロシリケートをモノマー性オニウムイオン離間/カップリング剤化合物と接触させることによって、インターカレーション物が調製される。本発明の利点を最大限に成し遂げるためには、オニウムイオンは少なくとも1つの、脂肪族、直鎖もしくは分岐鎖またはアラルキルであってよい長鎖の基(C6+)を含むべきである。このような好適なC6+オニウムイオン分子の例には、第1級、第2級、第3級もしくは第4級アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、オキソニウムイオン、または元素の周期表のVもしくはVI群にある元素のいずれかのイオンが包含される。
【0010】
本発明の重要な特徴によれば、層状物の小板間へのオニウムイオン離間/カップリング剤化合物のより良好な収着を成し遂げるために、オニウムイオン、例えばC6+オニウムイオン離間/カップリング剤と、オニウムイオン化合物及び担体(例えば、水のみ、またはオニウムイオン化合物用の有機溶媒を含む水)の重量に基づき、少なくとも約2重量%、好ましくは少なくとも約5重量%、のオニウムイオン化合物、より好ましくは少なくとも約10重量%のオニウムイオン化合物、そして最も好ましくは約30重量%乃至約80重量%のオニウムイオン化合物の濃度にて、層状物と混合することによって、最良の結果が成し遂げられる。インターカレーション組成物中のオニウムイオン化合物の濃度に関係なく、MXD6ナイロンインターカラント:層状物の重量比は、層状物の隣接する小板間の隣接する内側表面間へのMXD6ナイロン(あるいはそのモノマー反応物)の充分なインターカレーションを成し遂げるために、少なくとも1:20、好ましくは少なくとも1:10、より好ましくは少なくとも1:5、そして最も好ましくは1:4であるべきである。イオン交換を介してシリケート小板間に執着されてシリケート小板へ結合される(あるいはそれと複合する)オニウムイオン離間/カップリング剤化合物は、MXD6ナイロンポリマー、またはMXD6ナイロン(メタ−キシレンジアミン及びアジピン酸)原位置重合のためのモノマー性反応物の、驚くべきほど容易なインターカレーションを惹起する。
【0011】
本発明の重要な特徴によれば、オニウムイオンがインターカレーションされたフィロシリケート(スメクタイト粘土など)は、MXD6ナイロンと容易にインターカレーションされて、特にMXD6ナイロンマトリックスポリマーなどのマトリックスポリマー中での優れたインターカレーション物分散性を有するオニウムイオン/MXD6ナイロンコインターカレーション物を形成することができ、そしてこれはMXD6ナイロンマトリックスポリマー中で予期し得ない低いガス(特に酸素ガス)透過性を有するものである。インターカレーション物はまた、引張強さ、熱歪み温度、ガス透過性、伸び等を含めた、マトリックスポリマーの数多くの性質を増強させることができる。
【0012】
オニウムイオン/MXD6ナイロンコインターカレーション物及び/またはその剥離物は、ポリマーもしくはその他の有機モノマー化合物または組成物と混合されて、その有機化合物の粘度を増強させ、あるいは、マトリックスポリマー/インターカレーション物及び/またはマトリックスポリマー/剥離物組成物を提供して特にMXD6ナイロンマトリックスポリマーなどのマトリックスポリマーの1以上の特性を増強させることができる。
【0013】
本発明のオニウムイオン/MXD6ナイロンコインターカレーションのプロセスによって、いかなるマトリックスポリマーのインターカレーション物、例えばすべての市販の樹脂系、特にビスフェノールAに由来する樹脂、エポキシクレゾールノボラック樹脂、エポキシフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールF樹脂、多環フェノール−グリシジルエーテル由来樹脂、脂環式エポキシ樹脂、芳香及び複素環グリシジルアミン樹脂、テトラグリシジルメチレンジアニリン由来樹脂、ナイロン−6及びナイロン66ならびに、そして特にMXD6ナイロンなどのナイロン類などのエポキシ樹脂をも、特に直接複合(マトリックスポリマー溶融物中へ直接インターカレーション物を混合する)により添加され得るインターカレーション物が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本明細書における用語の意味するところを、以下に説明する。
【0015】
「層状物」とは、スメクタイト粘土鉱物などの無機物であって、隣接する複数の層が結合した形であり、それぞれの層につき、約3Åから約50Å、好ましくは約10Åの厚さを有するものである。
【0016】
「小板」とは、層状物の各々の層を意味する。
【0017】
「インターカレーション物」または「インターカレーションされた物」とは、層状物の隣接する小板の間に配されたオニウムイオン離間/カップリング剤を包含して、隣接する小板間の層間間隔が少なくとも3Å、好ましくは少なくとも5Åの層間間隔に、例えば少なくとも約10Å、好ましくは少なくとも約15Å、例えば18Åに増大された層状物を意味し、そしてMXD6ナイロンのコインターカレーションの後に、少なくとも約20Å、好ましくは25Å乃至35Å、例えば28Åのd−間隔にまで増加されるものである。
【0018】
「インターカレーション」とは、インターカレーション物を形成するためのプロセスを意味する。
【0019】
「オニウムイオン離間/カップリング剤」または「オニウムイオン化合物」とは、窒素原子、リン原子、イオウ原子または酸素原子からなる群より選択される正に荷電した原子を含む有機化合物、好ましくは第4級アンモニウム化合物であって、水及び/または有機溶媒に溶解されると陰イオンが当該オニウムイオン離間/カップリング剤から脱離してシリケート小板の交換可能な陽イオン、例えば、Na+、Ca+2、Li+、Mg+2、またはK+などとイオン交換され得るオニウム陽イオンを残すものを意味する。
【0020】
「MXD6ナイロン」とは、ナイロンポリマー、あるいは硬化剤と反応及び/または重合してMXD6ナイロンポリマーを生じることができる、メタ−キシレンジアミン及びジカルボン酸、特にアジピン酸、モノマー反応物もしくはポリマー(オリゴマー)を意味する。ポリマー、モノマー反応物またはポリマー(オリゴマー)は、メタ−キシレンジアミン及びアジピン酸の反応産物であるアミドのポリマーであるとよい。
【0021】
「コインターカレーション」とは、オニウムイオン離間/カップリング剤のインターカレーションと、同時にまたは別々に、MXD6ナイロンポリマーのインターカレーション、もしくは反応及び重合してMXD6ナイロンポリマーを形成することができる重合可能モノマーのインターカレーション、もしくはMXD6ナイロンオリゴマーのインターカレーションとにより、インターカレーション物を形成するためのプロセスを意味する。
【0022】
「濃縮物」とは、10〜90%のMXD6ナイロンインターカラントポリマー及び10〜90%のインターカレーションされた層状シリケート物を含む濃縮物を形成するように、層状シリケート物へMXD6ナイロンをインターカレーションすることによって形成される、インターカレーション物または剥離物を意味する。
【0023】
「インターカレーション担体」とは、オニウムイオン離間/カップリング剤のインターカレーションと、同時にまたは別々に、層状物の小板の間にMXD6ナイロンポリマーまたはモノマー反応物のインターカレーションを成し遂げることができるインターカレーション組成物を形成するために、オニウムイオン離間/カップリング剤と、及び/またはMXD6ナイロンインターカラントモノマー/オリゴマーもしくはポリマーと共に用いられる、水及び/または有機溶媒を含んでなる担体を意味する。
【0024】
「インターカレーション組成物」または「インターカラント組成物」とは、インターカレーション担体を含むかまたは含まない、オニウムイオン離間/カップリング剤、及び/またはMXD6ナイロンインターカラント、ならびに層状物を含む組成物を意味する。
【0025】
「剥離物」または「剥離された物」とは、剥離されていない層状物よりも総厚みが小さい、インターカレーションされた層状物の個々の小板、あるいはタクトイドまたは個々の小板の集塊(例えば2〜10の小板、好ましくは2〜5の小板)であり、水、ポリマー、アルコールもしくはグリコールまたは他の種々の有機溶媒等の担体物全体にわたって、あるいはMXD6ナイロンなどのマトリックスポリマー全体にわたって、個々の小板またはタクトイドとして分散されるものを意味する。
【0026】
「剥離」とは、インターカレーション物から剥離物を形成するためのプロセスを意味する。
【0027】
「マトリックスポリマー」とは、熱可塑性または熱硬化性のポリマーであって、その中にインターカレーション物または剥離物が分散され、かかるマトリックスポリマー(特にMXD6ナイロン)の機械的強度、熱耐性、及び/またはガス(酸素ガス)不透過性を向上させるものを意味する。
【0028】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
先ず概略から説明すると、本発明は、フィロシリケートなど、好ましくはスメクタイト粘土等の膨潤可能な層状物の平板層の間に、オニウムイオン及びMXD6ナイロンのコインターカレーションを行うことによって調製されるインターカレーションされた層状物に関する。層状物の隣接する層の間隔は、オニウムイオン離間/カップリング剤で、少なくとも約3Å、好ましくは少なくとも約5Å、少なくとも約10Åにまで、好ましくは少なくとも約15Åまで、通常は約15乃至約30Å、例えば、18Åに広げられている。MXD6ナイロンポリマーのインターカレーションは次いで、隣接する層のd−間隔を少なくとも約20Å、好ましくは約25から約35Åに、一般的に約28Åに増大させる。
【0030】
実施例に示すように、本発明のインターカレーション物及び/または剥離物を含まないMXD6ナイロンフィルムは、大気圧下、378時間の試験期間にわたって約0.16から約0.17cc/100インチ2/日の酸素透過性を有している。本発明のインターカレーション物及び/または剥離物(ナノマー)をわずか2.5重量%取り込ませるだけで、酸素透過性は、約0.04から0.05cc/100インチ2/日(1/3の酸素透過性)に低下する。MXD6ナノ複合体に含まれるナノマーの量を5重量%のナノマーと倍加することによって、ナノ複合体の酸素透過性は、約0.01から約0.02cc/100インチ2/日に低下し、つまり酸素透過性が95%低減することとなる。
【0031】
酸素透過性の驚くべき低下は、ナノマーがその内部に分散されるマトリックスポリマー全体に及んで酸素の伝搬を妨げるようにナノマーが接触する酸素に結合する、酸素スカベンジャーとして作用する(単独で、またはMXD6マトリックスポリマーと配合されて)ナノマーによってもたらされるものと理論付けられる。
【0032】
本発明は、層状物の洞穴の中へオニウムイオン離間/カップリング剤及びMXD6ナイロンをコインターカレーションすることにより調製される、インターカレーションされた層状物の調製方法に関し、これにより、特にMXD6ナイロンなどのマトリックスポリマーとの直接複合によるなどしてかかるマトリックスポリマーに取り込ませた場合に予期せざるガス(特に酸素)不透過性を新しくもたらすインターカレーション物またはインターカレーション濃縮物が形成されるのである。
【0033】
本発明はまた、かかるインターカレーション組成物またはインターカレーション濃縮組成物から調製される、インターカレーション物または剥離物にも関する。剥離物は、前記濃縮物を重合可能モノマー/オリゴマーに添加し、またはポリマー(例えばMXD6ナイロン)を添加し、その後硬化させることによって調製することができる。層状物の洞穴中の重合可能モノマーまたはオリゴマーの存在によって、インターカレーションされるモノマーまたはオリゴマーと同じものである、さらなるマトリックスポリマーにインターカレーション物が添加される際に、親のマトリックスポリマー(例えばMXD6ナイロン)への適合性が層状物にもたらされることとなる。
【0034】
従って、例えばMXD6ナイロンと混合された場合に、層状物は、そのMXD6ナイロンマトリックスポリマー中で予期し得ないほど容易に分散または剥離されるのである。ポリマー硬化剤が添加されると、層状物は伸長、重合するMXD6ナイロンモノマーと、その結果生じるポリマー分子(成し遂げられる重合の程度に応じて小板の間に分散される)の力により剥離され得る。剥離される個々の小板及び層状物のタクトイドは、マトリックスポリマー中でポリマー強化剤及び分子(ガス)バリアとして働き、マトリックスポリマーの、機械的特性、及び例えばガス不透過性などのバリア特性を向上させる。剥離物はまた、モノマー/オリゴマー/またはポリマー/インターカレーション濃縮物に、直接硬化剤を添加することによっても調製され得る。硬化剤は、インターカレーション物の洞穴領域内へ浸透し、予め層間洞穴にインターカレーションされた重合可能モノマー、オリゴマーまたはポリマーと反応して、結果的に得られるナノ複合体において均一に分散された小板または多層のインターカレーション物を形成し、その複合体は高い固形分を有することとなる。
【0035】
本発明の他の実施態様において、インターカレーション物は極性有機化合物もしくは極性有機化合物含有組成物担体または溶媒中に添加されることができ、しかして当該担体もしくは溶媒の輸送のため、または当該担体もしくは溶媒中に溶解もしくは分散される活性化合物の適用のために予期し得ないほどの粘性を有する担体組成物を提供することができる。このような組成物、特に高粘度ゲルは、極めて高い粘性が得られるので、ヘアウェーブローション用の酸化剤、及び局所投与用の薬物などの有効成分の輸送のため;そして、例えば化粧品、石油採掘液、塗料、潤滑剤(特に食料品グレードの潤滑剤)のレオロジーの修飾における、また油及びグリースの生産などにおける、インターカレーション物、またはその剥離物と有機溶媒との混合用に特に有用である。かかるインターカレーション物及び/または剥離物はまた、ポリマー製の商品を形成するためのナノ複合体の製造において、マトリックス熱可塑性または熱硬化性ポリマーとの混合物にも、特にMXD6ナイロンマトリックスポリマーに添加してそれに混合する場合に、格別に有用である。
【0036】
インターカレーション物を含有する、及び/または剥離物を含有する組成物は、相分離されない安定な揺変性ゲルの形状とすることができ、化粧品、ヘアケア及び医薬産業などで様々な有効成分を配送するのに使用可能である。層状物は、オニウムイオン離間/カップリング剤との接触と、それと同時またはその後に、オニウムイオンで処理された層状物へMXD6ナイロンを添加することによってインターカレーションされるが、これは、隣接するフィロシリケート小板の間にオニウムイオン及びMXD6ナイロンコインターカレーションさせて、個々の小板にまで層状物を随意に分離(剥離)すべく押出機にて直接複合することなどによって行われる。
【0037】
ポリマー溶融物へのオニウムイオン/MXD6ナイロンインターカレーション物の添加により、強度または耐熱性、そして特にガス不透過性などの1以上の特性が増強され;あるいは、担体または溶媒物質とインターカレーション物を混合することによって、担体物質の粘度及び揺変性が維持及び/または増大される。インターカレーション物は、担体または溶媒またはマトリックスポリマーの全体にわたって、容易に、均質且つ均一に分散され、しかして化粧品成分または医薬品などの活性有機性化合物の添加後にさえも担体/小板組成物に新しく予想し得ない粘度をもたらし、その組成物からの活性有機性化合物の投与に利するのであり、また、特にMXD6ナイロンなどのマトリックスポリマーに、新しい、予期し得ないガスバリア特性をもたらす。
【0038】
以上説明した、そしてさらに別の本発明の特徴及び利点は、図面と共に、以下の詳細な説明からさらに明らかに理解されるはずである。
【0039】
本発明のインターカレーション物及び剥離物を形成するために、層状物(例えばフィロシリケート)は、オニウムイオン離間/カップリング剤の収着と、それと同時またはその後引き続いてのMXD6ナイロンでのインターカレーションにより膨潤され、またはインターカレーションされるべきである。
【0040】
本明細書中に記載される本発明を、好ましい実施態様をもって開示するが、これは例えばフィロシリケートなどの層状シリケート物の隣接する小板間の層間間隔が、先ず、MXD6ナイロンインターカラントをインターカレーションする前に、またはそれと同時にシリケート小板の間にオニウムイオンをインターカレーションすることによって広げられるものであるが、MXD6ナイロンインターカラントは、
本明細書での本発明の開示は、層状物シリケート物(例えばフィロシリケート)の間に先ずオニウムイオンをインターカレーションし、その後またはそれと同時にMXD6ナイロンインターカラントをインターカレーションすることによって層状シリケート物の隣接する小板間の層間間隔の拡開を行う本発明の好ましい実施態様を示すことによって行う。しかし、MXD6ナイロンインターカラントは、本出願人による米国特許第5,880,197号及び5,877,428号(これらの内容は、引用することによって本明細書に組み入れることとする)に開示されている双極子/双極子(MXD6オリゴマーまたはポリマーの直接インターカレーション)法;ならびにシランカップリング剤をインターカレーションすることによる方法、あるいはDeguchiの米国特許第5,102,948号及びPinnavaiaらの米国特許第5,853,886号(これらの内容は、引用することによって本明細書に組み入れることとする)に開示されるごとき、水素置換による酸性化技術(酸またはイオン交換樹脂を使用することによる、水素での層間陽イオンのイオン交換)などの他の既知の機構によって内部小板表面間にインターカレーションして複合させることができることは理解されるべきである。
【0041】
オニウムイオン離間/カップリング剤の収着は、層状物の隣接する小板の層間間隔を、乾燥状態で測定した場合に少なくとも約3Åに、好ましくは少なくとも約5Åの拡開を成し遂げるよう、充分に行われるべきであり、オニウムイオン離間/カップリング剤とMXD6ナイロンの双方のインターカレーションは、少なくとも約20Å、好ましくは少なくとも約25Åのd−間隔を成し遂げるようにするべきである。
【0042】
オニウムイオン離間/カップリング剤は、約5重量%から約10重量%の粘土の濃度(90〜95%の水)となるのに充分なように、オニウムイオン離間/カップリング剤を有する、固体または液体の形状の組成物(原体、または必要とあればオニウムイオン化合物の溶解を補助するために有機溶媒(例えばヘプタンなどの脂肪族炭化水素)を含むか、もしくは含まない水性液体)にて層状物の洞穴内へと導入され、そしてそのオニウムイオン化合物は粘土スラリー水中に、オニウムイオン対層間の交換可能な陽イオンのモル比で好ましくは少なくとも約0.5:1、さらに好ましくは少なくとも約1:1のモル比にて溶解される。オニウムイオンがインターカレーションされた粘土は次いで、粘土が今や疎水性となっているので容易に水から分離され、そしてMXD6ナイロンのインターカレーション及び複合のためにMXD6ナイロンと複合されるよりも前に、5%未満の水分となるよう、好ましくは完全乾燥となるまでオーブンで乾燥される。オニウムイオン離間/カップリング剤化合物は、層状物の乾燥重量に基づき好ましくは少なくとも約20%の水、さらに好ましくは少なくとも約30%以上の水が存在する、層状物オニウムイオン化合物ブレンドに添加することをもって、固体として添加することができる。層状物の乾燥重量に基づき、好ましくは約30%乃至約50%の水、より好ましくは約30%乃至約40%の水が、オニウムイオン・インターカレーション組成物の中に配合され、しかしてインターカレーションにより少量の水しか収着されず、それによりオニウムイオンのインターカレーション後に必要な乾燥のためのエネルギーが低減される。
【0043】
隣接する層状物小板間の層間間隔へ、イオン交換を介してインターカレーションされるオニウムイオン離間/カップリング剤陽イオンは、以下の好ましい構造
【0044】
【化10】
Figure 0003851089
【0045】
[式中、X=N、P、OまたはS原子であり、そして
1、R2、R3及びR4は、水素原子または、1乃至24の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル、アリールもしくはアラルキル部分などの有機性部分である]
を有する、第1級、第2級、第3級もしくは第4級オニウムイオンである。
【0046】
より好ましいC6+オニウムイオンは、好ましくは以下に示す化学式
【0047】
【化11】
Figure 0003851089
【0048】
[式中、R1は、長鎖部分すなわち、C6、C8、C10、C12、C14、C16、C18、C20、C22及びC24の組合せを含め、C6乃至C24の直鎖もしくは分岐鎖、またはそれらの組合せであり、R2、R3及びR4は、同じでもまたは異なっていてもよく、水素原子、アルキル、ベンジル、置換された(例えば、直鎖状または分岐鎖状アルキルで置換された、及びハロゲンで置換された)ベンジル;エトキシル化もしくはプロポキシル化されたアルキル;エトキシル化またはプロポキシル化されたベンジル(例えば、1〜10モルのエトキシル化または1〜10モルのプロポキシル化)よりなる群から選択される部分である]
の構造を有する第4級アンモニウムイオンである。
【0049】
さらなる有用な多荷電離間/カップリング剤には、例えば、脂肪族、芳香族またはアリール脂肪族アミン、ホスフィン、エステル、アルコール及びスルフィドのテトラ−アンモニウム、トリ−アンモニウム、及びジ−アンモニウム(第1級、第2級、第3級、及び第4級)、−ホスホニウム、−オキソニウム、または−スルホニウム誘導体などのテトラ−、トリ−、ジ−オニウム種が含まれる。かかる物質の例には、以下の式を有する化合物が含まれる。
【0050】
【化12】
Figure 0003851089
【0051】
[式中、X+及びY+は同じでも異なっていてもよく、−+NH3、−+NH2、−+N(CH33、−+N(CH32−、−+N(CH32(CH2CH3)、−+N(CH3)(CH2CH3)−、−+S(CH33、−+S(CH32、−+P(CH33、−+P(CH32、−+NH4、−+NH3−等などのアンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、またはオキソニウム基であり;Rは、好ましくは2〜24、より好ましくは3〜10炭素原子を有する有機性離間骨格基であって、直鎖でも分岐鎖であってもよく、骨格において有機性離間分子が、荷電したN+、P+、S+及び/またはO+陽イオンにその端部で共有結合されるものであり、そしてR1は水素原子、または1〜22、好ましくは少なくとも6の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基である]。Rの例には、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アジド、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキル、アリールオキシ、アリールアルキルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリール、アルキルスルホニル、アリールオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、もしくはアルキルシランで置換された、または非置換のアルキレン、シクロアルケニレン、シクロアルキレン、アリーレン、アルキルアリーレンが含まれる。R1は存在しなくてもよく、その例としては、水素原子;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アジド、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキル、アリールオキシ、アリールアルキルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリール、アルキルスルホニル、アリールオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、もしくはアルキルシランで置換された、または非置換の、1〜22の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールが含まれる。有用なR基の例としては、メチレン、エチレン、オクチレン、ノニレン、tert−ブチレン、ネオペンチレン、イソプロピレン、sec−ブチレン、ドデシレン等のアルキレン;1−プロペニレン、1−ブテニレン、1−ペンテニレン、1−ヘキセニレン、1−ヘプテニレン、1−オクテニレン等のアルケニレン;シクロヘキセニレン、シクロペンテニレン等のシクロアルケニレン;ブタノイルオクタデシレン、ペンタンノイルノナデシレン、オクタノイルペンタデシレン、エタノイルウンデシレン、プロパノイルヘキサデシレン等のアルカノイルアルキレン;メチルアミノオクタデシレン、エチルアミノペンタデシレン、ブチルアミノノナデシレン等のアルキルアミノアルキレン;ジメチルアミノオクタデシレン、メチルエチルアミノノナデシレン等のジアルキルアミノアルキレン;フェニルアミノオクタデシレン、p−メチルフェニルアミノノナデシレン等のアリールアミノアルキレン;ジフェニルアミノペンタデシレン、p−ニトロフェニル−p’−メチルフェニルアミノオクタデシレン等のジアリールアミノアルキレン;2−フェニル−4−メチルアミノペンタデシレン等のアルキルアリールアミノアルキレン;ブチルチオオクタデシレン、ネオペンチルチオペンタデシレン、メチルスルフィニルノナデシレン、ベンジルスルフィニルペンタデシレン、フェニルスルフィニルオクタデシレン、プロピルチオオクタデシレン、オクチルチオペンタデシレン、ノニルスルホニルノナデシレン、オクチルスルホニルヘキサデシレン、メチルチオノナデシレン、イソプロピルチオオクタデシレン、フェニルスルホニルペンタデシレン、メチルスルホニルノナデシレン、ノニルチオペンタデシレン、フェニルチオオクタデシレン、エチルチオノナデシレン、ベンジルチオウンデシレン、フェネチルチオペンタデシレン、sec−ブチルチオオクタデシレン、ナフチルチオウンデシレン等のアルキルスルフィニレン、アルキルスルホニレン、アルキルチオ、アリールチオ、アリールスルフィニレン、及びアリールスルホニレン;メトキシカルボニレン、エトキシカルボニレン、ブトキシカルボニレン等のアルコキシカルボニルアルキレン;シクロヘキシレン、シクロペンチレン、シクロオクチレン、シクロヘプチレン等のシクロアルキレン;メトキシメチレン、エトキシメチレン、ブトキシメチレン、プロポキシエチレン、ペントキシブチレン等のアルコキシアルキレン;フェノキシフェニレン、フェノキシメチレン等のアリールオキシアルキレン及びアリールオキシアリーレン;フェノキシデシレン、フェノキシオクチレン等のアリーロキシアルキレン;ベンジレン、フェンチレン、8−フェニルオクチレン、10−フェニルデシレン等のアリールアルキレン;3−デシルフェニレン、4−オクチルフェニレン、4−ノニルフェニレン等のアルキルアリーレン;ならびにエチレン、プロピレン、ブチレン、フェニレン、ベンジレン、トリレン、p−スチリレン、p−フェニルメチレン、オクチレン、ドデシレン、オクタデシレン、メトキシエチレン、そして−C36COO−、−C510COO−、−C710COO−、−C714COO−、−C918COO−、−C1122COO−、−C1326COO−、−C1530COO−、及び−C1734COO−、ならびに−C=C(CH3)COOCH2CH2−等の式で示される部分などによる、ポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコール置換体が挙げられる。かようなテトラ−、トリ−、及びジ−アンモニウム、−スルホニウム、−ホスホニウム、−オキソニウム;アンモニウム/スルホニウム;アンモニウム/ホスホニウム;アンモニウム/オキソニウム;ホスホニウム/オキソニウム;スルホニウム/オキソニウム;及びスルホニウム/ホスホニウム基は、当該技術分野においてよく知られており、そして対応するアミン、ホスフィン、アルコールまたはエーテル、及びスルフィドに由来するものであってよい。
【0052】
好ましい多荷電離間/カップリング剤化合物は、少なくとも2つの第1級、第2級、第3級または第4級アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、及び/またはオキソニウムイオンを含むマルチ−オニウムイオン化合物であり、以下の式で示される。
【0053】
【化13】
Figure 0003851089
【0054】
[式中、Rはアルキレン、アラルキレンまたは置換されたアルキレン荷電原子離間部分であって、好ましくはC3からC24の範囲、そして比較的高い電荷密度(150ミリグラム当量/100グラムC.E.Cから70ミリグラム当量/100グラムC.E.C)の層状物のためにはより好ましくはC3からC6の範囲であり;また中程度から低い電荷密度(70ミリグラム当量/100グラムC.E.Cから30ミリグラム当量/100グラムC.E.C)の層状物のためには、好ましくはC6からC12の範囲である。Rは直鎖状でも分岐鎖状でもよく、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23及びC24の部分が単独または組み合わされていても(それらの混合でも)よく;またR1、R2、R3及びR4は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル、アラルキル、ベンジル、置換された(例えば、直鎖もしくは分岐鎖アルキルで置換された、またはハロゲンで置換された)ベンジル;エトキシル化またはプロポキシル化ベンジル(例えば1〜10モルのエトキシル化または1〜10モルのプロポキシル化)よりなる群から選択された部分である。Z1及びZ2は同じでも異なっていてもよく、また存在しなくてもよく、あるいはR1、R2及びR3及びR4について定義したと同様の部分のいずれかであってよい。また、Z1及びZ2の一方または双方は、1以上の正に荷電した原子またはオニウムイオンを含んでもよい。]
隣接するフィロシリケート小板間の層間間隔を少なくとも約3Å、好ましくは少なくとも約5Å増大させるように、オニウムイオン離間/カップリング剤を充分に収着する膨潤可能な層状物ならばいずれであっても、本発明の実施のために使用することができる。有用な膨潤可能層状物としては、例えばモンモリロナイト(特にナトリウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト及び/またはカルシウムモンモリロナイト)、ノンロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト(volkonskoite)、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、ソボカイト(sobockite)、スティブンサイト、スビンフォルダイト(svinfordite)、バーミキュライト等のスメクタイト粘土鉱物などといった、フィロシリケート類が挙げられる。他の有用な層状物には、イライト及び層状イライト/スメクタイト鉱物の混合物(レクトライト、タロソバイト(tarosovite)、レディカイト(ledikite)及び前記粘土鉱物とイライトの混合物など)などのマイカ石鉱物が包含される。
【0055】
好ましい膨潤可能な層状物は、構造単位当たり約0.15から約0.9電荷の範囲で層上に負電荷を有し、層間空間内に、その負電荷に見合う数の交換可能な金属陽イオンを有する、2:1タイプのフィロシリケートである。最も好ましい層状物は、モンモリロナイト、ノンロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、ソボカイト、スティブンサイト及びスビンフォルダイトなどのスメクタイト粘土鉱物である。
【0056】
本明細書中で使用される「層間間隔」なる語は、層状物においていかようにも離層(剥離)が起きる前に集合している状態での、隣接する層の内側の面の間の距離を言及することとする。好ましい粘土材料は、通常、Na+、Ca2+、K+、Mg+2、Al+3、NH4 +等及びそれらの組合せなどを包含する層間陽イオンを含むものである。
【0057】
MXD6ナイロンまたはそのモノマー/オリゴマー反応物のインターカレーションを容易にすべく層状物が充分に離間するよう、インターカレーションされた層状物小板表面がオニウムイオン離間/カップリング剤分子とイオン交換を介して充分に複合または結合されるようにするために、膨潤可能な層状物へとインターカレーションされるオニウムイオン離間/カップリング剤の量は、層状物の乾燥重量に基づき実質的に約2重量%から、好ましくは少なくとも約10重量%、そして上限は200重量%の範囲で変化してよい。本発明の好ましい実施態様において、インターカレーションされる層状物の乾燥重量に対し、使用されるオニウムイオンの量は、約8グラムのオニウムイオン離間/カップリング剤化合物:100グラムの層状物(乾燥重量基準)から、好ましくは少なくとも約10グラムのオニウムイオン離間/カップリング剤化合物:100グラムの層状物、そして80〜90グラムのオニウムイオン離間/カップリング剤化合物:100グラムの層状物までの範囲にあるとよい。さらに好ましい量は、約20グラムのオニウムイオン離間/カップリング剤化合物:100グラムの層状物から、約60グラムのオニウムイオン離間/カップリング剤化合物:100グラムの層状物(乾燥重量基準)までである。
【0058】
オニウムイオン及びMXD6ナイロンインターカラントは、数多くの方法で層状物の層間空間内へ導入され得る(空間の中に収着され得る)。層状物の隣接する小板間に、オニウムイオンをインターカレーションする好ましい方法において、層状物は、例えば5〜20重量%の層状物と80〜95重量%の水との割合にて、水中でスラリーにされ、そしてオニウムイオン化合物が、前記層状物がスラリー形成された水の中に溶解される。必要とあれば、オニウムイオン化合物を最初に有機溶媒(例えばプロパノール)中に溶解してもよい。次いで層状物は、スラリー水から分離され、MXD6ナイロンをインターカレーションするためのMXD6ナイロンとの複合に先駆けて乾燥され、そしてMXD6ナイロンマトリックスポリマー中においてナノ複合体物が形成される。MXD6ナイロンをインターカレーションする好ましい方法において、オニウムイオンで処理された層状物は、例えば押出またはパグミルなどによって、MXD6ナイロンと均質混合され、オニウムイオンがインターカレーションされた層状物及びMXD6ナイロンポリマーを含むインターカレーション組成物が形成される。
【0059】
層状物の隣接する小板間にオニウムイオンの充分なインターカレーションを成し遂げるためには、層状物オニウムイオンインターカレーション組成物は、層状物の乾燥重量に基づき少なくとも約5重量%、好ましくは少なくとも約10重量%のオニウムイオン化合物を含有しており、かくして、この結果得られる、オニウムイオンがインターカレーションされた層状物は、充分に疎水性を有し、且つ、MXD6ナイロンのインターカレーションのために充分に離間した、内側小板表面を有している。オニウムイオンの担体(好ましくは水、または有機溶媒を含んだ水)は、先ず担体中にオニウムイオン化合物を可溶化または分散させることによって、添加することができ、あるいは、乾燥したオニウムイオン化合物と比較的乾燥したフィロシリケート(好ましくは、少なくとも約4重量%の水を含有する)を混合して、その混合物にインターカレーション担体を添加するか、または乾燥したオニウムイオンを添加する前にフィロシリケートに加えてもよい。スラリーの形態において、フィロシリケートをオニウムイオンでインターカレーションする場合(例えば、約408kg(900ポンド)の水、約45.4kg(100ポンド)のフィロシリケート及び約45.4kg(100ポンド)のオニウムイオン化合物を使用)、水の量は、例えば約4重量%から、少なくとも約30重量%という好ましい最少値より、特に限定しない上限値の、インターカレーション組成中の水分量にまで、実質的に変更することができる(オニウムイオンでの処置後には、フィロシリケートインターカレーション物はその疎水性によりインターカレーション組成物から容易に分離される)。
【0060】
また別の方法としては、オニウムイオン化合物(乾燥していても溶液状態でもよい)添加前に、オニウムイオンインターカレーション担体、例えば、水、または有機溶媒を含んだ水を、フィロシリケートに直接添加することができる。オニウムイオン化合物分子の収着は、層状物の乾燥重量に基づき、少なくとも約2重量%、好ましくは少なくとも約5重量%のオニウムイオン化合物、より好ましくは少なくとも約10%のオニウムイオン化合物を含有するオニウムイオンインターカレーション組成物中で、層状物を、乾燥した、または液状のオニウムイオン化合物に曝すことによって実施してもよい。
【0061】
層状物の小板の間にオニウムイオン及びMXD6ナイロンをインターカレーションする本発明の他の方法によれば、好ましくは、少なくとも約4重量%の水、より好ましくは約10から約15重量%までの水を含有する層状物が、オニウムイオン離間/カップリング剤化合物の水及び/または有機溶媒溶液と、層状物の乾燥重量に基づき少なくとも約5重量%、好ましくは少なくとも約10重量%のオニウムイオン化合物を提供するのに充分な割合で混合される。MXD6ナイロンのインターカレーションと同時に、オニウムイオン化合物を層状物にインターカレーションさせることができ、あるいはオニウムイオン離間/カップリング剤のインターカレーション後にMXD6ナイロンがインターカレーションされてもよい。次いで、オニウムイオンがインターカレーションされた層状物へMXD6ナイロンをインターカレーションしつつ直接複合させるために、オニウムイオンがインターカレーションされた乾燥粘土は、MXD6ナイロンと共に押し出される。
【0062】
オニウムイオン離間/カップリング剤は、フィロシリケートに対する親和性を有しており、しかして、層間空間において、シリケート小板の間に収着され、シリケート小板の内側表面上の陽イオンと交換される。
【0063】
有機性液状担体の粘度を増大させる目的では、約10%未満のMXD6ナイロンインターカレーション物負荷量とすることが好ましい。インターカレーション物負荷量を、約0.05重量%から約40重量%、好ましくは約0.5重量%から約20重量%、さらに好ましくは約1重量%から約10重量%とすることによって、粘度が有意に増強される。概して、液状担体(例えば、グリセロールなどのグリコールといった、極性溶媒等)に組み込まれるインターカレーション物及び/またはその剥離粒子の量は、混合物の約90重量%未満、そして好ましくは複合体混合物の約0.01重量%から約80重量%、さらに好ましくは混合物の約0.05重量%から約40重量%、そして最も好ましくは、約0.05重量%から約20重量%、または約0.05重量%から約10重量%である。
【0064】
本発明の好ましい実施態様において、オニウムイオンがインターカレーションされた層状物は、直接複合によりMXD6ナイロンでインターカレーションされ、次いで溶融加工可能な1以上の熱可塑性及び/または熱硬化性オリゴマーもしくはポリマー、またはこれらの混合物中に分散することができる。本発明の方法におけるこの実施態様で使用されるマトリックスポリマーとしては、唯一の必要要件として溶融加工が可能である限りにおいて、広範囲に種々のものが可能である。本発明のかかる実施態様において、ポリマー、例えば、MXD6ナイロンは、少なくとも10、好ましくは少なくとも30の反復するモノマー単位を包含するものである。使用条件下でのメルトインデックスが、マトリックスポリマーが流動しうる混合物を形成するものであれば、前記反復するモノマー単位の上限の数は決定的なものではない。最も好ましくは、マトリックスポリマーは、MXD6ナイロンマトリックス中へ均一に、MXD6ナイロン−インターカレーションされた粘土を分散させると同時に、オニウムイオンがインターカレーションされた層状物へとインターカレーションされる、MXD6ナイロンである。MXD6ナイロンマトリックスポリマーには、好ましくは少なくとも約10から少なくとも約100の反復するモノマー単位が包含される。本発明の最も好ましい実施態様において、反復する単位の数は、加工温度にてマトリックスポリマーが、10分当たり約0.01から約12グラムのメルトインデックスを有するような数である。
【0065】
MXD6ナイロン(三菱ガス化学社、東京、日本)は、以下の化学式を有するポリマーである。
【0066】
【化14】
Figure 0003851089
【0067】
[式中、モノマーの場合n=1であり、オリゴマーの場合n=2〜10であり、そしてポリマーの場合n=11〜20,000、好ましくは11〜1,000,より好ましくは11〜500である]
本発明の実施において、マトリックスモノマー、オリゴマーまたはポリマーとして用いるための他の熱可塑性樹脂及びゴムは、極めて広範囲なものから選択できる。単独で、または混合物として使用しうる、有用な熱可塑性樹脂の例は、ポリ(ピバロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)等のごときポリラクトン類;1,5−ナフタレンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、m−フェニレンジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアナート、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジイソシアナート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアナート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアナート、ジアニシジンジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン等のジイソシアナート類と、直線状長鎖ジオール類との反応由来のポリウレタン類、例えば、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(2,3−ブチチレンスクシネート)、ポリエーテルジオール類等;ポリ[メタンビス(4−フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1−エーテルビス(4−フェニル)カーボネート]、ポリ[ジフェニルメタンビス(4−フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1−シクロヘキサンビス(4−フェニル)カーボネート]等のごときポリカーボネート類;ポリスルフォン類;ポリエーテル類;ポリケトン類;ポリ(4−アミノ酪酸)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)、ポリ(m−キシレンアジパミド)、あるいはMXD6ナイロン、ポリ(p−キシレンセバカミド)、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(メタフェニレンイソフタラミド)(NOMEX)、ポリ(p−フェニレンテレフタラミド)(KEVLAR)等のごときポリアミド類;ポリ(エチレンアゼラート)、ポリ(エチレン−1,5−ナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)(A−TELL)、ポリ(パラ−ヒドロキシベンゾエート)(EKONOL)、ポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)(シス)、ポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)(トランス)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブリレンテレフタレート等のごときポリエステル類;ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンオキシド)等のごときポリ(アリーレンオキシド)類;ポリ(フェニレンスルフィド)等のごときポリ(アリーレンスルフィド)類;ポリエーテルイミド類;ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロリドのごときビニルポリマー類及び当該ビニルポリマー類のコポリマー類;ポリビニルブチラール、ポリビニリデンクロリド、エチレン−ビニルアセテートコポリマー類等;ポリエチルアクリレート、ポリ(n−ブチルアクリレート)、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(n−プロピルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、エチレン−アクリル酸コポリマー類、エチレン−ビニルアルコールコポリマー類、アクリロニトリルコポリマー類、メチルメタクリレート−スチレンコポリマー類、エチレン−エチルアクリレートコポリマー類、メタクリル化ブダジエン−スチレンコポリマー類等のポリアクリル類、ポリアクリレート及びそのコポリマー類;低密度ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、塩素化低密度ポリ(エチレン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(エチレン)、ポリ(スチレン)等のポリオレフィン類;イオノマー類;ポリ(エピクロロヒドリン類);グリセロール等のジオール類、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、などと、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート等のポリイソシアナートとの重合産物のごときポリ(ウレタン);ならびに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのナトリウム塩と4,4’−ジクロロジフェニルスルフォンとの反応産物のごときポリスルフォン類;ポリ(フラン)等のフラン樹脂類;セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート等のセルロースエーテルプラスチック類;ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサンコフェニルメチルシロキサン)等のシリコーン類;タンパク質プラスチック類;ならびにこれらの2以上のものの混合物である。
【0068】
本発明の実施態様を行ううえでマトリックスポリマーとして有用な、加硫可能且つ熱可塑性ゴムもまた、広範囲のものを利用できる。かかるゴムの例としては、臭化ブチルゴム、塩化ブチルゴム、ポリウレタンエラストマー類、フルオロエラストマー類、ポリエステルエラストマー類、塩化ポリビニル、ブタジエン/アクリロニトリルエラストマー類、シリコーンエラストマー類、ポリ(ブタジエン)、ポリ(イソブタジエン)、エチレン−プロピレンコポリマー類、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー類、スルホン化エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー類、ポリ(クロロプレン)、ポリ(2,3−ジメチルブタジエン)、ポリ(ブタジエン−ペンタジエン)、クロロスルフォン化ポリ(エチレン)類、ポリ(スルフィド)エラストマー類、ポリ(スチレン)、ポリ(ビニル−トルエン)、ポリ(t-ブチルスチレン)、ポリエステル類等のガラス質または結晶性のブロックと、ポリ(ブタジエン)、ポリ(イソプレン)、エチレン−プロピレンコポリマー類、エチレン−ブチレンコポリマー類、ポリエーテル等のエラストマーブロックのセグメントで作製されたブロックコポリマー類、例えば、KRATON(商標名)でShell Chemical Companyにより製造されている、ポリ(スチレン)−ポリ(ブタジエン)−ポリ(スチレン)ブロックコポリマーにおけるコポリマー類が挙げられる。
【0069】
マトリックスポリマーとして有用な熱硬化性樹脂には、例えばポリアミド類;ポリアルキルアミド類;ポリエステル類;ポリウレタン類;ポリカーボネート類;ポリエポキシド類;及びそれらの混合物が挙げられる。
【0070】
マトリックスポリマーとして使用するのに最も好ましい熱可塑性ポリマー類は、ポリアミド類、特にナイロン、中でも特にMXD6ナイロンである。本発明の方法においてマトリックスポリマーとして使用しうるポリアミド類は、少なくとも2つの炭素原子によって互いに隔てられるポリマー鎖の完全部分として、反復するカルボンアミド基が存在することにより特徴が示される合成直鎖状ポリカルボンアミド類である。このタイプのポリアミド類には、当該技術分野において一般にナイロンとして知られるポリマー類が含まれ、これは、一般式
【0071】
【化15】
Figure 0003851089
【0072】
[式中、R13は、少なくとも2、好ましくは約2から約11の炭素原子を有するアルキレン基、または、少なくとも約6の炭素原子、好ましくは約6から約17の炭素原子を有するアリーレンであり;R14は、R13及びアリール基より選択される基を表す]で示される反復単位を有し、ジアミン及び二塩基酸より得られる。また、例えばテレフタル酸及びアジピン酸よりなる二塩基酸の混合物とヘキサメチレンジアミンまたはメタ−キシレンジアミンとの縮合によるごとき、既知の方法で得られるコポリアミド類及びターポリアミド類もまた、好ましいポリアミド類に包含される。前記のポリアミド類は、当該技術分野においてよく知られており、例えば、30%のヘキサメチレンジアンモニウムイソフタレート及び70%のヘキサメチレンジアンモニウムアジペートのコポリアミド、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(ナイロン6,10)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタラミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(ヘプタメチレンピメラミド)(ナイロン7,7)、ポリ(オクタメチレンセバカミド)(ナイロン8,8)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(ナイロン9,9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン10,9)、ポリ(デカメチレンセバカミド)(ナイロン10,10)、ポリ[ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン−1,10−デカンカルボキサミド)]、ポリ(m−キシレンアジパミド)、ポリ(p−キシレンセバカミド)、ポリ(2,2,2,−トリメチルヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(ピペラジンセバカミド)、ポリ(p−フェニレンテレフタラミド)及びポリ(メタフェニレンイソフタラミド)等が挙げられる。
【0073】
マトリックスポリマーとして使用するのに他のポリアミド類は、アミノ酸及びその誘導体の重合によって形成されるもの、例えばラクタム類である。これらの有用なポリアミド類の例としては、ポリ(4−アミノ酪酸)(ナイロン4)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)(ナイロン6)、ポリ(7−アミノヘプタン酸)(ナイロン7)、ポリ(8−アミノオクタン酸)(ナイロン8)、ポリ(9−アミノノナン酸)(ナイロン9)、ポリ(10−アミノデカン酸)(ナイロン10)、ポリ(11−アミノウンデカン酸)(ナイロン11)及びポリ(12−アミノドデカン酸)(ナイロン12)等が挙げられる。
【0074】
ナノ複合体を形成するために本発明のオニウムイオンとMXD6ナイロンインターカレーション物との混和剤にて使用されうる他のマトリックスまたはホストポリマーは、直鎖状ポリエステル類である。ポリエステルのタイプは、本発明を左右するものではなく、何らかの特定の状況において使用するために選択される特定のポリエステル類は、最終的な形態に所望される物理的特性及び性質、すなわち、引張強さ、引張応力等に本質的に依存する。かくのごとく、物理的特性において広い多様性を有する非常に多数の直線状熱可塑性ポリエステル類が、本発明のナノ複合体を製造するうえで、剥離された層状物小板との混和剤での使用のために好適である。
【0075】
マトリックスポリマーとして使用するために特に選択されるポリエステルは、所望に応じて、ホモポリエステル、コポリエステル、またはその混合物でありうる。ポリエステル類は、通常は、有機ジカルボン酸と有機性ジオールとの縮合によって調製され、そして、インターカレーション物の剥離前または剥離後に層状物と接触する際にポリエステルのin situ重合を行うために、その反応物をインターカレーション物、または剥離されたインターカレーション物に添加することができる。
【0076】
本発明のこの実施態様でマトリックスポリマーとして使用するのに好適なポリエステル類は、芳香族、環状脂肪族、及び脂肪族ジオール類と、脂肪族、芳香族及び環状脂肪族ジカルボン酸類との縮合に由来するもので、環状脂肪族、脂肪族または芳香族ポリエステル類でありうる。
【0077】
本発明のこの実施態様を実施するうえでマトリックスポリマーとして利用できる、有用な環状脂肪族、脂肪族及び芳香族ポリエステル類の例としては、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンドデケート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ[エチレン(2,7−ナフタレート)]、ポリ(メタフェニレンイソフタレート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンアゼレート)、ポリ(デカメチレンアジペート)、ポリ(デカメチレンセバケート)、ポリ(ジメチルプロピオラクトン)、ポリ(パラ−ヒドロキシベンゾエート)(EKONOL)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)(A−tell)、ポリ(エチレンイソフタレート)、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)、ポリ(デカメチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(トランス)、ポリ(エチレン−1,5−ナフタレート)、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)(シス)、及びポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)(トランス)などが挙げられる。
【0078】
ジオールと芳香族ジカルボン酸の縮合により調製されるポリエステル化合物は、本発明の前記実施態様においてマトリックスポリマーとして特に好適である。かかる有用性をもつ芳香族カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸及びo−フタル酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−5−カルボキシ−3−(p−カルボキシフェニル)−イダン、ジフェニルエーテル4,4’−ジカルボン酸及びビス−p(カルボキシフェニル)メタン等が挙げられる。前記の芳香族ジカルボン酸のうち、ベンゼン環を有するもの(テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸など)が、本発明を実施する際の使用のために好ましいものである。これらの好ましい酸前駆物質(acid precursor)のうち、テレフタル酸が特に好ましい酸前駆物質である。
【0079】
本発明の、オニウムイオン/MXD6ナイロンがインターカレーションされた層状物を用いたナノ複合体を形成するための、さらに別の有用な熱可塑性ホモポリマー類及びコポリマーマトリックスポリマー類には、α,β不飽和モノマー類、あるいは以下の式
【0080】
【化16】
Figure 0003851089
【0081】
[式中、R15及びR16は、同じかまたは異なっていてよく、シアノ、フェニル、カルボキシ、アルキルエステル、ハロ、アルキル、1以上の塩素もしくはフッ素で置換されたアルキル、または水素原子を表す]で示されるモノマーの重合により形成されるポリマー類が挙げられる。このような好ましいホモポリマー類及びコポリマー類の例は、エチレン、プロピレン、ビニルアルコール、アクリロニトリル、ビニリデンクロリド、アクリル酸のエステル類、メタクリル酸のエステル類、クロロトリフルオロエチレン及び塩化ビニル等のホモポリマー類及びコポリマー類である。好ましいものは、ポリ(プロピレン)、プロピレンコポリマー類、ポリ(エチレン)及びエチレンコポリマー類である。より好ましいものは、ポリ(エチレン)及びポリ(プロピレン)である。
【0082】
本発明の混合物には、種々の任意に配合可能な成分、極性有機性液体に一般的に使用される添加物を含有させることができる。このような任意成分には、核剤、充填剤、可塑剤、強化剤、連鎖延長剤、可塑剤、着色剤、離型潤滑剤、静電気防止剤、色素、難燃剤などが包含される。これらの任意成分、及びその適切な添加量は、当該技術分野においてよく知られている。
【0083】
担体または、医薬品など、担体に溶解されたもしくは担体に分散された有効成分を移送するのに好適な粘性組成物を形成するための、液体担体または溶媒組成物中に含められる、オニウムイオン/MXD6ナイロンでインターカレーションされた層状物の量は、組成物の意図される用途及び所望の粘度に依存して、広範囲に変えることができる。例えば、5,000〜5,000,000センチポイズの極めて高い粘度を有する溶媒ゲルを形成する場合には、比較的多量の、すなわち組成物の総重量の約10重量%から約30重量%のインターカレーション物が使用される。しかしながら、例えば0.1重量%〜5重量%の、比較的低濃度のインターカレーション物及び/またはその剥離物を用いても、組成物のpHを約0〜6もしくは約10〜14の範囲に調整し、且つ/または、例えば約25℃から約200℃、好ましくは約75℃から約100℃の範囲の、室温よりも高い温度に組成物を加熱することによっても、極めて高い粘度を有するものとすることもできる。インターカレーション物または小板の負荷量は、組成物の約10%を下回ることが好ましい。組成物総重量の約0.01重量%から約40重量%、好ましくは約0.05重量%から約20重量%、さらに好ましくは約0.5重量%から約10重量%の範囲内の、インターカレーション物または小板粒子の負荷量とすることによって、組成物の粘度が有意に増大する。概して、担体/溶媒へ取り込まれるインターカレーション物及び/または小板粒子の量は、組成物の総重量に基づき、約20重量%未満、好ましくは組成物の約0.05重量%から約20重量%、さらに好ましくは組成物の約0.01重量%から約10重量%、そして最も好ましくは、組成物の総重量に基づき約0.01重量%から約5重量%である。
【0084】
本発明の重要な特徴によれば、本発明のインターカレーション物及び/または小板/担体組成物は、例えば、約10〜90%、好ましくは約20〜80%のインターカレーション物及び/または層状物の剥離小板、ならびに、約10〜90%、好ましくは約20〜80%のマトリックスポリマー、特にMXD6ナイロンを有するような、例えば濃縮物として、濃縮状態にて製造することができる。この濃縮物は、所望のインターカレーション物及び/または小板負荷量となるよう、ポリマー溶融物への添加前または添加後に、マトリックスポリマー中に分散して随意に剥離することができる。
【0085】
一実施態様において、オニウムイオン/MXD6ナイロンインターカレーション物及び/またはその剥離物を、担体または溶媒に混合して、その担体または溶媒の粘性組成物が製造されるが、担体または溶媒に溶解または分散される1以上の有効成分、例えば制汗剤化合物などを、随意に含有せしめることができる。
【0086】
剥離のために剪断が採用される場合、インターカレーション物/マトリックスポリマーナノ複合体組成物に対して剪断を付すために用いられ得る、いかなる方法でも使用可能である。剪断作用は、例えば機械的手段、温度ショック、圧力の変化または超音波など、当該技術分野において知られるあらゆる適切な種々の方法によって供給することができる。特に有用な方法において、組成物は機械的方法によって剪断され、かかる機械的方法で、スタラー、Banbury(商標)タイプのミキサー、Brabender(商標)タイプのミキサー、長時間用のミキサー、及び押出機などの機械的手段を用いることにより、インターカレーション物が、担体または溶媒の存在下または非存在下に剪断される。他の方法では、組成物の温度を交互に上昇または降下させて温度による膨張を惹起し、剪断を生じさせる内的応力をかけることによって剪断を成し遂げる、温度ショックが用いられる。さらに別の方法では、圧力変更法で急激に圧力を変えることにより剪断がなされたり、または、組成物の一部分を振動させ、もしくは異なる相において加振させる、キャビテーションまたは共鳴振動における超音波技術により、剪断に付される。これらの剪断方法は、有用な方法の代表例を示したに過ぎず、インターカレーション物を剪断するための当該技術分野において知られたいかなる方法であっても採用することができる。
【0087】
機械的剪断方法は、前記のように押出、射出成形機、Banbury(商標)タイプのミキサー、Brabender(商標)タイプのミキサー等を使用する方法であってもよい。押出機(一軸または二軸)の一方の端に層状物及びインターカラントモノマーを導入し、そしてその押出機のもう一方の端で剪断されたものを受けることによって、剪断を成し遂げることもできる。層状物/インターカラントモノマー組成物の温度、押出機の長さ、押出機内での組成物の滞留時間及び押出機のデザイン(一軸、二軸、単位長当たりのフライト数、ネジ溝の深さ、フライトクリアランス、混合領域等)などが、剥離のために付される剪断力の強さを制御する様々な変量値である。
【0088】
本発明の重要な特徴によれば、オニウムイオンがインターカレーションされた粘土は、直接複合によって(すなわち、押出機にてMXD6ナイロンと共に直接、オニウムイオンがインターカレーションされた層状物(例えばスメクタイト粘土)を混合することによって)、MXD6ナイロンポリマーでインターカレーションされ得、粘土小板を著しく剥離させることなくオニウムイオン/MXD6ナイロンがインターカレーションされた粘土が作られることが見出されている。インターカレーション物が充填されたMXD6ナイロンマトリックスポリマーを、インターカレーション物が良好に分散した、均一な透明フィルムへと押し出し、格別に優れたガス(酸素)不透過性がもたらされる。MXD6ナイロン内に分散されたインターカレーション物は、MXD6ナイロンマトリックスポリマーに分散された剥離小板と多層のタクトイドとの組み合わせである。タクトイドは、少なくとも2つの個々の小板層の厚みと、インターカレーションされたMXD6ナイロンポリマーの1〜5の単層の厚みとを有しており、且つ共面凝集にて、小板の小集合体または凝集体が包含され、小板表面に結合または複合またはイオン交換されているオニウムイオンを有している。
【0089】
本発明のオニウムイオン/MXD6ナイロンインターカレーション物、及び/または本発明により製造されたインターカレーション物の剥離によって得られる個々の小板を所望の負荷量含有する、MXD6ナイロンマトリックスポリマーを含んでなる成形用組成物は、多様な特性を備えたシート、フィルム及びパネルの製造のために、極めて好適である。このようなシート、フィルム及びパネルは、有用な物品を形成する真空処理または加熱圧縮などによる旧来の方法によって形成されうる。本発明に従って作製されるシート及びパネルは、例えば木、ガラス、セラミック、金属またはプラスチック等を含む他の材料に対するコーティング剤としても好適であり、また、例えばビニル樹脂ベースのもの等の従来の接着促進剤を用いて、顕著な強度をもたらすことが可能である。前記シート、フィルム及びパネルは、他のプラスチックフィルム、シートまたはパネルに積層することができ、これは好ましくは共押出により、シートを溶融した状態で結合させて行われる。これらシート、フィルム及びパネルは、エンボス加工を施したものも含めて、例えばラッカー処理または保護フィルムの適用等、旧来の方法により表面を改良または仕上げることができる。
【0090】
MXD6ナイロンマトリックスポリマー/インターカレーション複合体物は、押出フィルム及びラミネートフィルム、例えば、食品包装用に使用される、100インチ2試験面積当たり、1日当たり、ミル厚み当たり0.1cc未満の、そして100インチ2当たり、1日当たり、ミル厚み当たり0.001ccぐらい低い透過性を有するフィルムの製造のために特に有用である。このようなフィルムは、好ましくは約10〜約100ミクロン、さらに好ましくは約20〜約100ミクロン、そして最も好ましくは約25〜約75ミクロンの厚みである。
【0091】
本発明に従って、オニウムイオン及びMXD6ナイロンがインターカレーションされている、均質に分散されたインターカレーション物、及び/またはその剥離した小板、ならびに本発明のナノ複合体組成物の好ましい実施態様を形成するMXD6ナイロンマトリックスポリマーは、好適なフィルム形成法によって、フィルムに形成され得る。典型的には、MXD6ナイロンのインターカレーション及び複合後に、組成物が溶融されてフィルム形成ダイに押込まれる。ナノ複合体のフィルムは、インターカレーション物及び/またはその剥離小板へさらに方向性を生じさせる工程に引き続き付して、インターカレーション物及び/またはその小板の主平面全体がフィルム全体の主平面に実質的に平行となるようにしてもよい。これを成し遂げるための一つの方法として、二軸方向にフィルムを引伸ばす方法がある。例えば、フィルムがダイから押出される際に、フィルムを牽引するテンションローラによって軸方向または機械方向にフィルムが引伸ばされる。フィルムは、同時にフィルムの両端を締付けて引き離す方向に牽引することによって横方向に引伸ばされる。別の方法では、チューブラフィルムダイを使用し、且つ、チューブラフィルムダイから通過して出る際にフィルムがブローイングされることにより、フィルムを横方向に引伸ばす。本発明に基づいて得られるフィルムは、特に酸素ガスなどの気体の透過性の低減に加えて、弾性率の増大、湿潤強度の増大、耐変形性の増大、及び水分の吸着性の低下などといった利点の1つ以上を呈しうるものである。
【0092】
以下、実施例によりさらに本発明を詳細に説明するが、本発明はもとよりこれら実施例に限定されるものではない。
【0093】
[実施例1]
ベントナイトナトリウム粘土(PGW)を水中で約10重量%の粘土/約90重量%の水にてスラリーを作り、そして2種の異なるオニウムイオン離間/カップリング剤を、粘土の重量に基づき100重量%の量でスラリー水にオニウムイオン含有剤を添加することにより、異なるPGW粘土にインターカレーションさせた。オニウムイオンでのインターカレーションは、約18Åに増大した小板間隔によって証明された。一方のオニウムイオン化合物(オクタデシルアミンすなわち、ODA)は、スラリー水に塩化オクタデシルアンモニウムを溶解することによって得られた。第2のオニウムイオン化合物(Stepan)は、Stepan Chemicalより入手し、これは粘土スラリー水中に塩化n−アルキルジメチルベンジルアンモニウム(BTC 50 USP)を溶解することによって得られる、n−アルキルジメチルベンジルアミンであり、ここでアルキルは、C8、C12、C14、C16アルキルが混合されたC8+であった。オニウムイオンがインターカレーションされた粘土を、オーブン中で終夜、水分含量が1重量%以下になるまで乾燥し、次いで、押出機において、97.5重量%及び95重量%のMXD6ナイロン中で、それぞれ2.5重量%のオニウムイオン−MXD6ナイロンがコインターカレーションされた粘土及び5.0重量%のオニウムイオン−MXD6ナイロンがコインターカレーションされた粘土の量にて、MXD6ナイロンとの直接複合を行った。押出機の中で、MXD6ナイロンは、オニウムイオンがインターカレーションされた粘土へとインターカレーションされたが、これは約18Åから約28Åにまで、d−間隔が増大したことによって証明された。比較の目的で、同じオクタデシルアミンがインターカレーションされた粘土を、3.5重量%のナイロン6と複合及びコインターカレーションした。コインターカレーションされた粘土(オニウムイオン及びMXD6ナイロン、またはオニウムイオン及びナイロン6)を、次いで酸素透過性について調べ、表1に示す結果が得られた。
【0094】
【表1】
Figure 0003851089
【0095】
[実施例2]
ベントナイトナトリウム粘土(PGW)を1900グラムの水中で約5重量%の粘土/約95重量%の水にてスラリーを作り、そしてオクタデシルアミン(ODA)オニウムイオン離間/カップリング剤を、粘土の重量に基づき100重量%の量でスラリー水にオニウムイオン含有剤を添加することにより、PGW粘土にインターカレーションさせた。オニウムイオンでのインターカレーションは、約9Å乃至約12Åに増大した小板層間間隔によって証明された。一方のオニウムイオン化合物(オクタデシルアミンすなわち、ODA)は、スラリー水に塩化オクタデシルアンモニウムを溶解することによって得られた。ODAがインターカレーションされた粘土を、オーブン中で終夜、水分含量が1重量%以下になるまで乾燥し、次いで、押出機において、97.5重量%及び95重量%のMXD6ナイロン中で、それぞれ2.5重量%のオニウムイオンがインターカレーションされた粘土及び5.0重量%のオニウムイオンがインターカレーションされた粘土の量にて、MXD6ナイロンとの直接複合を行った。押出機の中で、MXD6ナイロンは、オニウムイオンがインターカレーションされた粘土へとインターカレーションされたが、これは約12Åから約26Å以上にまで、小板の間隔が増大したことによって証明された。比較の目的で、オクタデシルアミンがインターカレーションされた粘土を含まない、MXD6ナイロンのフィルムも、フィルム成型した。3種のフィルムを形成して、酸素透過性について調べた。第1のフィルム(図1)は、MXD6ナイロンのみから、2.7ミルの厚みに調製されたものである。第2のフィルム(図2)は、2.5重量%のODA/MXD6−インターカレーション物を含んでおり、2.7ミルの厚みに形成されたものである。第3のフィルム(図3)は、5.0重量%のODA/MXD6−コインターカレーション物を含んでおり、4.1ミルの厚みに形成されたものである。表6〜8及び図1〜3に示すデータは、cc/100インチ2/日での総酸素透過量であり、1ミルの厚み当たりの酸素透過性の数値を得るには、厚み(ミル単位)で掛けるべきであろう。コインターカレーションされた粘土(ODAオニウムイオン及びMXDナイロン)を含有するMXD6フィルムと、MXD6の純品のナイロンフィルムを次いで、酸素透過性について調べ、以下の表2〜4及び図1〜3に示す結果が得られた。
【0096】
図2及び3に示されるように、MXD6インターカレーション物を含まないMXD6フィルムと比較して、MXD6ナイロンマトリックスポリマー中にMXD6インターカレーション物を含むものについて、ガスバリア特性が予期し得ないほど優れていた。
【0097】
【表2−1】
Figure 0003851089
【0098】
【表2−2】
Figure 0003851089
【0099】
【表2−3】
Figure 0003851089
【0100】
【表2−4】
Figure 0003851089
【0101】
【表3−1】
Figure 0003851089
【0102】
【表3−2】
Figure 0003851089
【0103】
【表3−3】
Figure 0003851089
【0104】
【表3−4】
Figure 0003851089
【0105】
【表4−1】
Figure 0003851089
【0106】
【表4−2】
Figure 0003851089
【0107】
【表4−3】
Figure 0003851089
【0108】
【表4−4】
Figure 0003851089

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、65%相対湿度における、378時間にわたる、MXD6ナイロン(インターカレーション物または剥離物不含)の、時間に伴う酸素透過性(cc/100インチ2/日)の推移を示すグラフである。データは表2に列挙している。
【図2】 図2は、実施例2のインターカレーション物2.5%を有するMXD6ナイロンの、時間に伴う酸素透過性(cc/100インチ2/日)の推移を示すグラフである。データは表3に列挙している。
【図3】 図3は、実施例2のインターカレーション物5.0%を有するMXD6ナイロンの、時間に伴う酸素透過性(cc/100インチ2/日)の推移を示すグラフである。データは表4に列挙している。

Claims (47)

  1. 60重量%乃至99.95重量%のマトリックスポリマーおよび当該マトリックスポリマーの溶融物に均一に溶融混合された0.05重量%乃至40重量%の層状シリケートを含むナノ複合体組成物であって、当該マトリックスポリマーが、メタ-キシレンジアミンとジカルボン酸との反応産物を含み、かつ当該層状シリケートが、以下の化学式;
    Figure 0003851089
    式中、R1が1個乃至24個の炭素原子を有するアルキルであり、また、R2、R3およびR4が水素である化学式で表される第1級オニウムイオン離間剤でインターカレーションされている、ことを特徴とするナノ複合体組成物。
  2. 前記マトリックスポリマーが、前記層状シリケートにコインターカレーションされている請求項1に記載のナノ複合体組成物。
  3. 前記溶融混合の際に、前記マトリックスポリマーが、前記層状シリケートにコインターカレーションされる請求項2に記載のナノ複合体組成物。
  4. 前記溶融混合の前に、前記マトリックスポリマーが、前記層状シリケートにコインターカレーションされる請求項2に記載のナノ複合体組成物。
  5. 前記ジカルボン酸が、アジピン酸である請求項1に記載のナノ複合体組成物。
  6. 前記第1級オニウムイオンが、少なくとも6個の炭素原子を有する請求項1に記載のナノ複合体組成物。
  7. 40重量%乃至99.95重量%のマトリックスポリマーおよび当該マトリックスポリマーの溶融物に均一に溶融混合された0.05重量%乃至60重量%のフィロシリケートを含むナノ複合体組成物であって、当該フィロシリケートが、以下の化学式;
    Figure 0003851089
    式中、R1が1個乃至24個の炭素原子を有するアルキルであり、また、R2、R3およびR4が水素である化学式で表される第1級オニウムイオン離間剤との接触によって、当該フィロシリケートの層間に第1級オニウムイオンが収着されて形成された、隣接するフィロシリケートの層間を少なくとも3Å拡張するに十分で、かつ少なくとも0.25:1の第1級オニウムイオン:フィロシリケート層間での交換可能な陽イオンのモル比を有するインターカレーション組成物、および隣接する当該フィロシリケートの層間に配置され、かつメタ-キシレンジアミンとジカルボン酸との反応産物を重合して得られるナイロンポリマーから形成される第2インターカラントを含む、ことを特徴とするナノ複合体組成物。
  8. 前記ジカルボン酸が、アジピン酸である請求項7に記載のナノ複合体組成物。
  9. 前記フィロシリケートにインターカレーションされる前記第2インターカラントの濃度が、前記インターカレーション組成物の乾燥重量の少なくとも5重量%である請求項7に記載のナノ複合体組成物。
  10. 前記第2インターカラントの濃度が、前記インターカレーション組成物内のフィロシリケートの乾燥重量の少なくとも20重量%である請求項7に記載のナノ複合体組成物。
  11. 前記第2インターカラントの濃度が、前記インターカレーション組成物内のフィロシリケートの乾燥重量の少なくとも30重量%である請求項7に記載のナノ複合体組成物。
  12. 前記第2インターカラントの濃度が、前記インターカレーション組成物内のフィロシリケートの乾燥重量の50重量%から80重量%である請求項7に記載のナノ複合体組成物。
  13. 前記第2インターカラントの濃度が、前記インターカレーション組成物内のフィロシリケートの乾燥重量の50重量%から200重量%である請求項7に記載のナノ複合体組成物。
  14. 前記モル比が、少なくとも0.5:1である請求項7に記載のナノ複合体組成物。
  15. 前記モル比が、少なくとも1:1である請求項7に記載のナノ複合体組成物。
  16. 前記オニウムイオンが、第1級、第2級、第3級または第4級アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンおよびオキソニウムイオンからなるグループから選択された少なくとも2つのイオンを含むマルチ-オニウムイオンである請求項7に記載のナノ複合体組成物。
  17. 前記マトリックスポリマーが、MXD6ナイロンである請求項7に記載のナノ複合体組成物。
  18. 10重量%乃至90重量%のマトリックスポリマーおよび当該マトリックスポリマーの溶融物に均一に溶融混合された10重量%乃至90重量%の層状シリケートを含むナノ複合体濃縮組成物であって、当該マトリックスポリマーが、メタ-キシレンジアミンとジカルボン酸との反応産物を含み、かつ当該層状シリケートが、以下の化学式;
    Figure 0003851089
    式中、R1が1個乃至24個の炭素原子を有するアルキルであり、また、R2、R3およびR4が水素である化学式で表される第1級オニウムイオン離間剤でインターカレーションされ、次いで、メタ-キシレンジアミンとジカルボン酸とを反応せしめて得られたポリマーまたはオリゴマーでインターカレーションされている、ことを特徴とするナノ複合体濃縮組成物。
  19. 前記マトリックスポリマーが、前記層状シリケートにコインターカレーションされている請求項18に記載のナノ複合体濃縮組成物。
  20. 前記溶融混合の際に、前記マトリックスポリマーが、前記層状シリケートにコインターカレーションされる請求項19に記載のナノ複合体濃縮組成物。
  21. 前記溶融混合の前に、前記マトリックスポリマーが、前記層状シリケートにコインターカレーションされる請求項19に記載のナノ複合体濃縮組成物。
  22. メタ-キシレンジアミンとジカルボン酸とを反応せしめて得られたポリマーおよびオリゴマーの双方が、前記層状シリケートへインターカレーションされる請求項18に記載のナノ複合体濃縮組成物。
  23. マトリックスポリマーから形成されたフィルムまたはシートの酸素透過性を低下させる方法であって、当該方法が、インターカレーション物を当該マトリックスポリマーの溶融物に均一に溶融混合する工程を含み、当該インターカレーション物が、フィルム材料またはシート材料とインターカレーション物との合計重量の0.05重量%から30重量%の以下の化学式;
    Figure 0003851089
    式中、R1が1個乃至24個の炭素原子を有するアルキルであり、また、R2、R3およびR4が水素である化学式で表される第1級オニウムイオン離間剤を層状シリケートの層間にインターカレーションさせて形成され、かつ当該マトリックスポリマーが、メタ-キシレンジアミンとジカルボン酸との反応産物から形成されて、層状シリケートの層間に当該マトリックスポリマーの一部がコインターカレーションするポリマーまたはオリゴマーである、ことを特徴とするフィルムまたはシートの酸素透過性を低下させる方法。
  24. 前記インターカレーション物が、酸素スカベンジャーである請求項23に記載の方法。
  25. 前記溶融混合の際に、前記マトリックスポリマーが、前記層状シリケートにコインターカレーションされる請求項23に記載の方法。
  26. 前記溶融混合の前に、前記マトリックスポリマーが、前記層状シリケートにコインターカレーションされる請求項23に記載の方法。
  27. 前記反応産物が、ポリマーまたはオリゴマーである請求項23に記載の方法。
  28. 前記第1級オニウムイオンが、少なくとも6個の炭素原子を有する請求項23に記載の方法。
  29. 10重量%乃至99.95重量%のマトリックスポリマーおよび当該マトリックスポリマーの溶融物に均一に溶融混合された0.05重量%乃至60重量%の層状シリケートを含む複合物の製造方法であって、当該方法が;
    フィロシリケートを、以下の化学式;
    Figure 0003851089
    式中、R1が1個乃至24個の炭素原子を有するアルキルであり、また、R2、R3およびR4が水素である化学式で表される第1級オニウムイオン離間剤と接触させて、隣接するフィロシリケートの層間を少なくとも3Åに離間させるのに充分な量で、隣接するフィロシリケートの層間へ当該離間剤をインターカレーションしてインターカレーション物を取得し、および、
    当該インターカレーション物を当該マトリックスポリマー全体に溶融混合して、当該フィロシリケートの層間にマトリックスポリマーの一部をインターカレーションする、
    工程を含み、かつ、当該マトリックスポリマーが、メタ-キシレンジアミンとジカルボン酸とを反応せしめて得られたポリマーまたはオリゴマーを含む、ことを特徴とする複合物の製造方法。
  30. 前記オニウムイオン離間剤、前記フィロシリケート、およびメタ-キシレンジアミンとジカルボン酸との反応産物から形成されたナイロンオリゴマーまたはポリマーインターカラントと前記フィロシリケートとを接触せしめ、かつ前記オニウムイオン離間剤の濃度が、少なくとも0.25:1のオニウムイオン:フィロシリケート層間の交換可能な陽イオンのモル比で表される請求項29に記載の方法。
  31. 前記オニウムイオン離間剤、前記フィロシリケート、およびメタ-キシレンジアミンとジカルボン酸との反応産物から形成されたナイロンオリゴマーまたはポリマーインターカラントと前記フィロシリケートとを接触せしめ、かつ前記オニウムイオン離間剤の濃度が、少なくとも0.5:1のオニウムイオン:フィロシリケート層間の交換可能な陽イオンのモル比で表される請求項29に記載の方法。
  32. 前記オニウムイオン離間剤、前記フィロシリケート、およびメタ-キシレンジアミンとジカルボン酸との反応産物から形成されたナイロンオリゴマーまたはポリマーインターカラントと前記フィロシリケートとを接触せしめ、かつ前記オニウムイオン離間剤の濃度が、少なくとも1:1のオニウムイオン:フィロシリケート層間の交換可能な陽イオンのモル比で表される請求項29に記載の方法。
  33. 40重量%乃至99.95重量%の熱可塑性または熱硬化性マトリックスポリマーおよび当該マトリックスポリマーの溶融物に均一に溶融混合された0.05重量%乃至60重量%の層状シリケートを含む複合物の製造方法であって、当該方法が;
    フィロシリケートを、以下の化学式;
    Figure 0003851089
    式中、R1が1個乃至24個の炭素原子を有するアルキルであり、また、R2、R3およびR4が水素である化学式で表される第1級オニウムイオン離間剤とカップリング剤との複合体と、少なくとも0.25:1のオニウムイオン:フィロシリケート層間の交換可能な陽イオンのモル比の条件下で接触させて、隣接するフィロシリケートの層間を少なくとも3Åに離間させるのに充分な量で、隣接するフィロシリケートの層間へ当該複合体およびメタ-キシレンジアミンとジカルボン酸とを反応せしめて得られたナイロンオリゴマーおよび/またはポリマーからなるナイロンインターカラントをインターカレーションしてインターカレーション物を取得し、
    当該インターカレーション物を当該マトリックスポリマーと混合し、
    当該マトリックスポリマーを加熱して流動性を付与し、および、
    当該インターカレーション物を当該マトリックスポリマー全体に混合させる、
    工程を含む、ことを特徴とする複合物の製造方法。
  34. 前記インターカレーション組成物が、接触時に使用するフィロシリケートの乾燥重量の10重量%から200重量%のナイロンインターカラントを含む請求項33に記載の方法。
  35. 前記フィロシリケートにインターカレーションされる前記複合体の濃度が、フィロシリケートの層間空間での少なくとも0.5:1のオニウムイオン:交換可能陽イオンのモル比で表される請求項33に記載の方法。
  36. 前記フィロシリケートへインターカレーションされる前記複合体の濃度が、フィロシリケートの層間空間での少なくとも1:1のオニウムイオン:交換可能陽イオンのモル比で表される請求項33に記載の方法。
  37. 前記フィロシリケートへインターカレーションされる前記複合体の濃度が、フィロシリケートの層間空間での1:1〜1:5のオニウムイオン:交換可能陽イオンのモル比で表される請求項33に記載の方法。
  38. 乾燥重量で100グラムのフィロシリケートに対して、20グラムから200グラムのナイロンインターカラントを使用する請求項33に記載の方法。
  39. フィルム状またはシート状の酸素遮断材を酸素供給源と保護物質との間に設置する工程を含む酸素と保護物質との接触を妨げる方法であって、当該遮断材が、マトリックスポリマーおよび当該マトリックスポリマーの溶融物に均一に溶融混合されたフィロシリケートを含み、かつ当該フィロシリケートが、以下の化学式;
    Figure 0003851089
    式中、R 1 が1個乃至24個の炭素原子を有するアルキルであり、また、R 2 、R 3 およびR 4 が水素である化学式で表される第1級オニウムイオン離間剤とMXD6インターカラントの双方でインターカレーションされている、ことを特徴とする酸素と保護物質との接触を妨げる方法。
  40. 前記MXD6インターカラントの量が、前記酸素遮断材の総重量の2重量%から10重量%である請求項39に記載の方法。
  41. 前記MXD6インターカラントの量が、前記酸素遮断材の総重量の3重量%から6重量%である請求項39に記載の方法。
  42. 前記MXD6インターカラントが、メタ-キシレンジアミンとアジピン酸との反応産物から形成されるオリゴマーである請求項39に記載の方法。
  43. 前記MXD6インターカラントの量が、前記酸素遮断材の少なくとも4重量%である請求項42に記載の方法。
  44. 前記MXD6インターカラントの量が、前記酸素遮断材の少なくとも5重量%である請求項42に記載の方法。
  45. 層状シリケートとオニウムイオン離間/カップリング剤インターカラントとを接触することによって形成され、かつマトリックスポリマーの溶融物に均一に溶融混合されるインターカレーション物、すなわち、当該層状シリケートとオニウムイオン離間/カップリング剤インターカラントとを接触することで、当該層状シリケートの層間に、以下の化学式;
    Figure 0003851089
    式中、R1が1個乃至24個の炭素原子を有するアルキルであり、また、R2、R3およびR4が水素である化学式で表される第1級オニウムイオンを収着せしめて、第1級オニウムイオン離間/カップリング剤でのイオン交換後に測定した際に、隣接する層状シリケートの層間を少なくとも3Å拡張するに十分な、少なくとも0.25:1の第1級オニウムイオン:層状シリケート間での交換可能な陽イオンのモル比を有するインターカレーション組成物、および、隣接する層状シリケートの層間をさらに少なくとも3Å拡張するに十分な、当該層状シリケートの隣接する離間層の層間に配置され、かつメタ-キシレンジアミンとジカルボン酸との反応産物を含むナイロンオリゴマーまたはポリマーを含む第2インターカラントを含む、ことを特徴とするインターカレーション物。
  46. 前記層状シリケートが、その乾燥重量の少なくとも2重量%の濃度の前記オニウムイオン離間/カップリング剤と接触され、かつ前記オニウムイオン離間/カップリング剤が、前記層状シリケート、前記オニウムイオン離間/カップリング剤のための担体を含むインターカラント組成物に含まれている請求項45に記載のインターカレーション物。
  47. 以下の化学式;
    Figure 0003851089
    式中、R 1 が1個乃至24個の炭素原子を有するアルキルであり、また、R 2 、R 3 およびR 4 が水素である化学式で表される第1級オニウムイオン離間剤とMXD6ナイロンポリマーの双方でフィロシリケートをインターカレーションする方法であって、以下の工程、すなわち;
    フィロシリケートに水を加えて泥状化して、フィロシリケート/水スラリーを形成し、
    当該スラリーに対して当該第1級オニウムイオン離間剤を添加し;
    当該オニウムイオン離間剤を添加して処理されたフィロシリケートを水から分離し;
    分離したフィロシリケートを乾燥し、および
    乾燥したフィロシリケートを当該MXD6ナイロンと混合して、隣接するフィロシリケートの層間にMXD6ナイロンをインターカレーションする、
    工程を含む、ことを特徴とするフィロシリケートをインターカレーションする方法。
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