JPH0539313A - 脱イオン方法 - Google Patents

脱イオン方法

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JPH0539313A
JPH0539313A JP25850891A JP25850891A JPH0539313A JP H0539313 A JPH0539313 A JP H0539313A JP 25850891 A JP25850891 A JP 25850891A JP 25850891 A JP25850891 A JP 25850891A JP H0539313 A JPH0539313 A JP H0539313A
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JP
Japan
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polymer
emulsion
polymer emulsion
ion exchanger
inorganic
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JP25850891A
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English (en)
Inventor
Yasushi Isobe
安司 磯部
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】重合体エマルジョン中に無機質微粒子を分散さ
せた後、又は重合体エマルジョンと水溶性高分子を混合
した後、イオン交換体により該エマルジョン中の無機イ
オンを除去する、重合体エマルジョンの脱イオン方法。 【効果】本発明の脱イオン方法によれば、重合体エマル
ジョンとイオン交換体を混合しても重合体エマルジョン
が瞬時乃至短時間に凝集を起こしてイオン交換体の表面
が重合体により被覆されることがない為、重合体エマル
ジョン中の無機イオンを高度に除去することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合体エマルジョン中
に無機質微粒子を分散させた後、又は重合体エマルジョ
ンと水溶性高分子を混合した後にイオン交換体により該
エマルジョン中の無機イオンを除去する方法に関するも
のであり、無機イオンの少ない重合体エマルジョンを製
造する際に、又は重合体エマルジョンより粉末状重合
体、特に粉末ゴム或いは無機カプセルを製造する際に有
効に利用され得るものである。本発明を適用して製造さ
れる微粒子状の重合体粉末は、不純物の無機イオン含有
量が極めて少ないため、各種樹脂に配合した場合、電気
絶縁性等を害せずに内部応力緩和性、接着性、表面の耐
久性或いは艶消し性を該樹脂に付与し得るものであり、
又、セメントに配合した場合、該セメントの硬化物に曲
げ強度、耐衝撃性或いは耐ヒビ割れ性を付与し得ること
が出来るため、半導体装置用封止剤、エンジニアリング
プラスチック基材の製造等に、又はモルタル或いはコン
クリート基材等の改質剤として使用されるものであり、
これらを利用する幅広い業界で利用され得るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】重合体エマルジョン中の不純物の無機イ
オンを除去する方法として、酸洗浄法、透析法等がある
が、重合体エマルジョン中の無機イオンを高度に除去す
る方法はこれまで見出されていない。又、イオン交換体
を使用して重合体エマルジョン中の無機イオンを除去す
る方法も当然考えられるが、重合体エマルジョンとイオ
ン交換体とを混合すると、イオン交換体が界面活性剤の
イオンによるエマルジョンの平衡状態を破壊するためと
思われるが、重合体エマルジョンが短時間乃至瞬時に凝
集を起こすと共にイオン交換体の表面が重合体により被
覆されイオン交換能が低下してしまい、イオン交換体の
持つ本来の性能が充分に発揮出来ず、該エマルジョンか
ら無機イオンを充分に除去することが出来ない。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明者は、イオン
交換体を使用して重合体エマルジョン中の無機イオンを
除去する方法において、イオン交換体による重合体エマ
ルジョンの短時間乃至は瞬時の凝集を防止して、該エマ
ルジョン中の無機イオンを高度に除去出来る方法を見出
すため鋭意検討を行ったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決は、重合体エマルジョン中に無機質微粒子を分散さ
せた後、又は重合体エマルジョンと水溶性高分子とを混
合した後であるならば、該エマルジョン中の無機イオン
をイオン交換体により充分に除去することが可能である
ことを見出し本発明に達った。
【0005】すなわち、本発明は、重合体エマルジョン
中の無機イオンを、重合体エマルジョン中に無機質微粒
子を分散させた後イオン交換体により除去することを特
徴とする重合体エマルジョンの脱イオン方法、及び重合
体エマルジョン中の無機イオンを、重合体エマルジョン
と水溶性高分子を混合した後イオン交換体により除去す
ることを特徴とする重合体エマルジョンの脱イオン方法
に関するものである。以下、本発明を更に詳細に説明す
る。
【0006】○重合体エマルジョン 本発明の脱イオン方法は、種々の重合体エマルジョンに
適用することが出来、、具体的には熱可塑性重合体或い
は熱硬化性重合体が、アニオン、カチオン或いはノニオ
ンの界面活性剤でエマルジョンとされたものに適用する
ことが出来る。熱可塑性重合体としては、例えば、ポリ
オレフィン、ポリジエン、ポリハロゲン化ビニル、ポリ
スチレン、不飽和脂肪酸或いはこれらのエステルの重合
体、脂肪酸ビニル重合体、不飽和ニトリル重合体、飽和
ポリエステル、ナイロン或いはポリカーボネート又はこ
れらを構成単位とする共重合体等が挙げられる。又、熱
硬化性重合体としては、尿素樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン
樹脂、グリプタル樹脂、アルキド樹脂、ポリアリル樹
脂、反応性ポリエステル樹脂、又は上記熱可塑重合体を
骨格に有し、加熱による架橋性を有するグリシジル基、
水酸基、カルボキシル基、アミノ基或いはアリル基を結
合する重合体、又はこれらを構成単位とする共重合体等
が挙げられる。
【0007】本発明は、重合体エマルジョンの内、特に
ゴムエマルジョン中の無機イオンの除去に適した方法で
あり、ゴムエマルジョンとしては具体的にはアクリルゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−
プロピレン−ジエン三元共重合ゴム或いはエチレン−酢
ビゴム等のゴムエマルジョン、或いはこれらのゴムを主
成分とするエマルジョンが挙げられる。
【0008】さらに本発明方法は、上記重合体エマルジ
ョン、特にゴムエマルジョンの存在下に、アクリロニト
リル或いはメタアクリロニトリル等とアクリルオキシ
基、メタアクリルオキシ基或いはビニル基を有するアル
コキシシラン又はハロゲンシランとを含有する単量体と
を共重合させて得られる、重合体成分を芯に持ち、外壁
にシラノール基を有しガラス転移温度50〜200℃の
重合体を有するコアーシェル型の重合体エマルジョン中
の無機イオンの除去により適した方法である。その理由
は、後記無機質微粒子をこれらの重合体エマルジョンに
分散させた際、重合体粒子表面に無機質微粒子が結合或
いは吸着されて、本発明の効果が特に有効に発揮される
ためである。尚、アクリルオキシ基、メタアクリルオキ
シ基或いはビニル基を有するアルコキシシラン又はハロ
ゲンシランの具体的化合物としては、γ−アクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリルオキ
シプロピルトリス(トリメトキシ)シラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リス(メトキシエトキシ)シラン或いはビニルトリクロ
ロシラン等を挙げることができる。
【0009】本発明は、種々の粒径の重合体エマルジョ
ンに適用出来るが、本発明方法が適用された重合体エマ
ルジョンを用いて重合体粉末の製造を考える場合は、粒
径が好ましくは30μ以下、さらに好ましくは10μ以
下、特に好ましくは0.05〜2μの重合体のエマルジ
ョンが好ましい。
【0010】○無機質微粒子 本発明で重合体エマルジョン中に分散させる無機質微粒
子は、イオン交換体が重合体エマルジョンに混合された
際、瞬時乃至は短時間に重合体エマルジョンが凝集し、
イオン交換体が重合体により被覆されることを抑制する
ために用いられるものであり、重合体エマルジョン中で
安定に分散出来るものであれば特に限定されず、無機イ
オン交換体等の様な、重合体エマルジョン中に分散させ
るとイオンにより或いはその他の理由によりエマルジョ
ンの界面活性剤による平衡状態を破壊し、エマルジョン
を瞬時乃至は短時間に凝集させてしまうもの以外であれ
ば使用可能である。
【0011】無機質微粒子の形状としては、ゾル状、非
ゾル状等があり、それらの何れの形態のものも使用する
ことが出来る。ゾル状の無機質微粒子とは、無機質の超
微粒子を水中に分散せしめコロイド溶液としたもので、
無機質としてはシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化
鉄、酸化アンチモン、酸化錫或いはジルコニア等を挙げ
ることができる。非ゾル状の無機質微粒子としてはシリ
カ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化鉄、酸化
アンチモン或いは酸化錫等の金属酸化物、チタン酸カリ
ウム、チタン酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無
機酸の金属塩、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム等の水酸化物、又はカーボンブラック、窒化ホウ素或
いは二硫化モリブテン等の微粒子を挙げることが出来
る。特に本発明においては、無機質微粒子としてシリ
カ、酸化チタン或いは酸化アンチモンの微粒子を使用す
ることが好ましい。
【0012】無機質微粒子の粒径としては、重合体エマ
ルジョン中で分散出来るものであれば一次粒子径が1m
μ〜50μの種々の粒径のものを使用することが出来
る。無機質微粒子として無機質ゾルを使用する場合に
は、粒径が1〜400mμのものを使用することが好ま
しく、5〜50mμのものがより好ましく、特に好まし
いものは5〜20mμのものである。特に本発明を適用
して得られる重合体エマルジョンを用いて表面に無機質
微粒子を担持する重合体粉末の製造を行う場合には、無
機質ゾルとして、太さが5〜20mμ、長さが40〜4
00mμで細長い形状を有する水系シリカゾルを使用す
ることが、皮膜を形成し易いため好ましい。
【0013】又、無機質微粒子として、数種類の無機質
微粒子を併用して使用することも可能である。
【0014】○水溶性高分子 本発明に使用する水溶性高分子は、重合体エマルジョン
に或いは重合体エマルジョンと無機質微粒子の分散液に
混合された場合、該エマルジョンをスラリー化して、イ
オン交換体を使用して重合体エマルジョン中の脱イオン
を行う時、イオン交換体を重合体が被覆してイオン交換
体の本来の性能を損なうことを防止するために用いられ
るものである。水溶性高分子の具体例としては、種々の
高分子を挙げることが出来るが、特にイオンを遊離しな
い極性基、例えば水酸基、アミノ基或いはエーテル基を
有する水溶性高分子が好ましい。
【0015】それらの具体例としては、ジメチルアミノ
基を有する水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール或い
は部分ケン化ポリビニルアルコール、メチル或いはエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリエチレンイミ
ン、或いはポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0016】水溶性高分子は水溶液として使用すること
が好ましく、その際の濃度としては、0.1〜5重量%
が好ましい。0.1重量%に満たない場合は、重合体エ
マルジョンをスラリー化させることが困難となり、他方
5重量%を越える場合は、粗粒子を多く含む不安定なス
ラリーを生成し各々好ましくない。
【0017】○イオン交換体 本発明に使用されるイオン交換体としては、有機又は無
機のイオン交換体の何れでもよく、公知の市販品が使用
出来る。
【0018】有機イオン交換体としては、カチオン交換
性のスルホン酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル
基を有するポリスチレンスルホン酸、フェノールスルホ
ン酸樹脂、ポリメタアクリル酸等、アニオン交換性のア
ミノ基、置換アミノ基、第4級アンモニウム塩基を有す
るスチレン系重合体等、或いはキレート樹脂、又はこれ
らの混合物等を挙げることが出来る。
【0019】無機イオン交換体としては、カオリナイ
ト、モンモリオナイト等の粘土鉱物、ゼオライト類、含
水酸化チタン、含水酸化アンチモン、含水酸化ビスマ
ス、含水酸化ジルコニウム等の不溶解性酸化物又は含水
酸化物、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、リン酸錫
等の不溶性酸性塩等、又はこれらの混合物等を挙げるこ
とが出来る。
【0020】本発明においては、イオン交換体として、
カチオン、アニオン両イオンを同時に除去できる、両イ
オン交換性のイオン交換体を使用することが好ましい。
又、本発明においては、上記イオン交換体の2種以上を
併用して使用することも可能である。
【0021】これらイオン交換体は、粒径0.1〜20
μの微粒子から0.05〜2.0mmのビーズ状粒子等
の種々の大きさ、種々の形状のものが使用できる。
【0022】○イオン交換体による無機イオンの除去方
法 本発明において、重合体エマルジョンに無機質微粒子を
分散させた後、イオン交換体により無機イオンを除去す
る際の操作方法としては、一般的公知の方法を採用する
ことが出来、例えば、重合体エマルジョン中に無機質ゾ
ルの分散液を比較的低速に撹拌しながら添加混合し分散
させ、この中に撹拌下イオン交換体を投入し撹拌を続け
る方法等を挙げることが出来る。この場合、該イオン交
換体を含む混合液を加温することがより効率的に無機イ
オンを除去することが出来るため好ましく、温度として
は、20〜80℃が好ましい。撹拌時間は、使用する無
機イオン交換体の種類、最終製品に要求される無機イオ
ン残存量に応じて変化させればよいが、1〜5時間程度
の撹拌で無機イオンを充分に低減することが出来る。
【0023】無機質微粒子の使用量としては、重合体エ
マルジョンの固形分100重量部に対して、2〜200
重量部使用することが好ましい。無機質微粒子の使用量
が2重量部に満たない場合には、重合体エマルジョンが
凝集し易く、他方200重量部を越える場合には、イオ
ン交換体の回収が困難になる。
【0024】本発明において、重合体エマルジョンに水
溶性高分子を混合した後、イオン交換体により無機イオ
ンを除去する際の操作方法としても公知の方法を採用出
来、例えば、重合体エマルジョンを水溶性高分子水溶液
に比較的高撹拌下で徐々に添加混合してスラリー化させ
たものに、前記と同様の方法でイオン交換体を添加し無
機イオンを除去する方法がある。該方法は、重合体エマ
ルジョンと無機質微粒子の分散液に対しても同様に使用
することが出来、この場合重合体表面に無機質微粒子が
担持したスラリーとなるため、無機質を表面に担持した
重合体粉末を製造するのに好ましいスラリーとなるもの
である。又、水溶性高分子の使用量としては、重合体エ
マルジョン100重量部に対して1〜20重量部使用す
ることが好ましい。
【0025】イオン交換体の使用量としては、重合体エ
マルジョンの固形分100重量部に対して、0.2〜2
00重量部使用することが好ましい。特にイオン交換体
を重合体エマルジョンと無機質微粒子の分散液に添加す
る場合は、重合体エマルジョンの固形分100重量部に
対して、2〜200重量部使用することがより好まし
く、また、重合体エマルジョン又は重合体エマルジョン
と無機質微粒子の分散液を水溶性高分子水溶液に添加し
スラリー状にした混合液に添加する場合は、重合体エマ
ルジョンの固形分100重量部に対して、0.2〜10
重量部使用することが好ましい。イオン交換体の使用量
が0.2重量部に満たない場合は、無機イオンを充分に
除去し難くなり、他方200重量部を越える場合は、無
機イオンの除去後のイオン交換体の分離回収が容易でな
くなる。
【0026】無機イオン除去の後、イオン交換体は、ロ
過や重力沈降等の操作により分離回収することが出来
る。具体的には、例えば、比較的粒径の大きいビーズ状
の有機イオン交換体を使用する場合には、無機イオン除
去の後、40〜100メッシュのロ布で有機イオン交換
体を含む混合液をロ過する方法が挙げられ、又、無機イ
オン交換体を使用する場合には、無機イオン交換体は一
般に眞比重が大きいため、無機イオン交換体含む混合液
を静置させて重力分離し、これを分離槽を使用して下相
より分離する方法が挙げられる。回収されたイオン交換
体は、純水で洗浄した後、酸或いはアルカリ洗浄するこ
とにより再生することが出来、これらは再使用すること
も可能である。
【0027】○利用方法 本発明の脱イオン方法は、無機イオンの少ない重合体エ
マルジョンの製造方法であり、又該エマルジョンは一般
的なエマルジョンと同様に利用される他、特に重合体粉
末等の製造に有用なものである。即ち、重合体エマルジ
ョンに無機質微粒子を分散させた後、イオン交換体で該
エマルジョンの脱イオンを行う方法を、重合体エマルジ
ョンと無機質微粒子の混合物の製造に使用する場合は、
イオン交換体を分離したものをそのまま製品とすること
が出来、又、本発明を重合体エマルジョンの製造に使用
する場合には、ロ過や重力沈降等の操作によりイオン交
換体を分離する際に無機質微粒子を同時に分離すること
により最終製品の重合体エマルジョンを得ることが出来
る。又、無機質微粒子を表面に担持する重合体粉末の製
造に使用する場合には、重合体のエマルジョンとしてシ
ラノール基を有する重合体エマルジョンを使用すれば、
イオン交換体と混合すると無機質微粒子が表面に担持さ
れた状態でスラリー化出来るため、イオン交換体を分離
した混合液をノズル式又は遠心式のスプレー乾燥機に通
して霧状に分散させながら乾燥する等の操作により、最
終製品の無機質微粒子を表面に担持する重合体粉末を得
ることが出来る。
【0028】さらに、重合体エマルジョンと水溶性高分
子を混合した後、イオン交換体で該エマルジョンの脱イ
オンを行う場合も、イオン交換体を分離すればそのまま
製品とすることが出来、無機質微粒子を表面に担持する
重合体粉末の製造に使用する場合には、重合体エマルジ
ョンと無機質微粒子の分散液に対して本法を適用した後
イオン交換体を分離したスラリー化混合液を、ノズル式
又は遠心式のスプレー乾燥機に通して霧状に分散させな
がら乾燥することにより最終製品の無機質微粒子を表面
に担持する重合体粉末を得ることが出来る。
【0029】
【作用】本発明方法により、簡便且つ効率的に重合体エ
マルジョン中の無機イオンを高度に除去することが出来
るのは、従来法の様に重合体エマルジョンとイオン交換
体とを直接混合するのではなく、重合体エマルジョンに
無機質微粒子を分散させた分散液、或いは重合体エマル
ジョンと水溶性高分子とを混合してスラリー化したもの
に対してイオン交換体を混合して無機イオンの除去を図
るためであり、重合体エマルジョンが短時間乃至瞬時に
凝集を起こしてイオン交換体の表面が重合体により被覆
されてしまうことがなく、使用するイオン交換体のイオ
ン交換能が低下することなく本来の性能を充分に発揮出
来るからである。
【0030】
【実施例】以下実施例に基づいて、本発明を更に詳細に
説明する。
【0031】実施例1 2リットル4つ口フラスコに純水310cc、スチレン−
ブタジエンゴムエマルジョン「トマックスーパー」(固
形分45.0重量%、日本ラテックス加工(株))12
20gr、スチレン98gr、アクリロニトリル42gr、γ
−メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン8gr
及び過硫酸アンモン0.8grを仕込み、窒素を空間部に
流しながら70℃にてプロペラ型撹拌翼で撹拌下(35
0rpm )4時間乳化重合を行った。得られたエマルジョ
ン(固形分40.5重量%)720grにシリカゾル「ス
ノーテックスUP」(固形分20重量%、太さ5〜20
mμの針状のシリカゾル、日産化学工業(株)製)29
2grを加え、40℃、350rpm の条件で1時間混合し
た。この混合液に、アンバーライトIRN−150(ス
ルホン酸及び第4級アンモニウム塩基を結合するカチオ
ン及びアニオンの混合型交換樹脂、粒子径0.40〜
1.19mm、オルガノ(株)製)117grを投入し、
50℃で1時間撹拌(350rpm )した。この混合液
を、100メッシュのロ布に通してイオン交換樹脂を除
去し、ロ液をそのままディスク型スプレー乾燥機に通し
て乾燥したところ、粒径1〜10μのブタジエン共重合
体83重量%を芯材とし、シリカの皮膜17重量%を有
する重合体粉末340grを得た。
【0032】○重合体粉末の熱水による溶出試験 得られた重合体粉末1.0grと純水40ccをテフロン製
耐圧型湿式分解ルツボ「ユニシール」(実容積110m
l、耐圧350kg/cm2、(株)アコム製)に仕込みシー
ルし、120℃×200時間加熱を続けた。加熱後、2
5℃迄冷却後ロ過して溶出液の電離性を測定したとこ
ろ、pHは7.3であり、電導率は30μs/cmであった。
【0033】比較例1 実施例1で得られた重合体エマルジョン720grと、超
微粒子状無水シリカ「アエロジル200」(一次粒子径
2mμ、日本アエロジル(株)製)32grとを混合して
得られた混合液を、実施例1と同様のスプレー乾燥機を
通し乾燥したところ、得られた粉末250grは粒径0.
5〜1.0mmの粗粒子であった。該粉末に対して、実施
例1と同様に熱水による溶出試験を実施したところ、溶
出液のpHは3.5であり、電導率は720μs/cmであっ
た。
【0034】比較例2 実施例1に於いて得られた重合体エマルジョン720gr
に、40℃で撹拌下(350rpm )アンバーライトIR
N−150、117grを投入し、さらに50℃で1時間
撹拌(350rpm )した。数分撹拌したところで凝固物
が発生した。得られた混合液を、100メッシュのロ布
に通してイオン交換樹脂及び凝固物を除去し、実施例1
と同様にスプレー乾燥したところ、得られた粉末150
grは粒径0.5〜1.0mmの粗粒子であった。該粉末に
対して、実施例1と同様に熱水による溶出試験を実施し
たところ、溶出液のpHは3.5であり、電導率は650
μs/cmであった。
【0035】実施例2 実施例1において「トマックスーパー」を使用する代わ
りに、ブチルアクリレート70重量%、2−エトキシエ
チルアクリレート29.8重量%及びアリルメタアクリ
レート0.2重量%よりなるアクリルゴムのエマルジョ
ン(固形分45.0重量%)1220grを使用し、他の
条件は実施例1と同様にして得られた重合体エマルジョ
ン720gr(固形分40.0重量%)に「グラスグレイ
ンSG−A」(粒径0.5〜20μの溶融シリカ粉末、
東芝セラミックス(株)製)の40重量%分散液720
grを加え、40℃で1時間撹拌(350rpm )した。該
混合液中にIXE−600(アンチモン、ビスマス系無
機イオン交換体、両イオン交換タイプ、粒子径0.2〜
2μ、東亞合成化学工業(株)製)29grを投入して、
50℃で1時間撹拌(600rpm )した。得られた混合
液を、2リットルの分液ロートに入れ、30分間静置し
沈降物を除去した物をそのままディスク型スプレー乾燥
機に通し乾燥したところ、粒径2〜15μのアクリル共
重合体55重量%を芯材とし、シリカ45重量%の皮膜
を有する重合体粉末550grを得た。該粉末に対して実
施例1と同様に熱水による溶出試験を実施したところ、
溶出液のpHは6.5であり、電導率は15μs/cmであっ
た。
【0036】実施例3 実施例1で得られたエマルジョン720grとシリカゾル
「スノーテックスUP」160grを混合し、この混合液
を「メトローズ90SH4000」(ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、高粘度タイプ、信越化学工業
(株)製)0.5重量%の水溶液3700ccが仕込まれ
た12リットル混合槽中に、25℃にてプロペラ型撹拌
翼で撹拌下(600rpm )に20分かけて添加した。得
られた混合液に、アンバーライトIRN−150、2
9.1grを投入し、50℃で3時間撹拌(600rpm )
した。該混合液を、100メッシュのロ布に通してイオ
ン交換樹脂を除去し、ロ液をそのままディスク型スプレ
ー乾燥機に通して乾燥したところ、粒径1〜10μのブ
タジエン共重合体90重量%を芯材とし、シリカの皮膜
10重量%を有する重合体粉末310grを得た。該粉末
に対して実施例1と同様に熱水による溶出試験を実施し
たところ、pHは7.1であり、電導率は25μs/cmであ
った。
【0037】実施例4 実施例2で得られた重合体エマルジョン720grと「ス
ノーテックスUP」160grとを混合し、該混合液を水
溶性ナイロン「AQ−A−70」(ジメチルアミノ化ポ
リアミド、高粘度グレード、東レ(株)製)1.0重量
%の水溶液3700cc中に実施例3と同様に添加し、こ
の中にIXE−600を8.7gr投入して、50℃で3
時間撹拌(600rpm )した。得られた混合液を分液槽
に入れ静置し、下部より無機イオン交換体を除去した物
をそのままスプレー乾燥機に通し乾燥したところ、粒径
2〜15μmのアクリル共重合体90重量%を芯材と
し、シリカ10重量%の皮膜を有する微粉末315grを
得た。該粉末に対して実施例1と同様に熱水による溶出
試験を実施したところ、溶出液のpHは6.8であり、電
導率は15μs/cmであった。
【0038】
【発明の効果】本発明は、重合体エマルジョン中に無機
質微粒子を分散させた後、又は重合体エマルジョンと水
溶性高分子を混合した後イオン交換体により該エマルジ
ョン中の無機イオンを除去する脱イオン方法であり、種
々の重合体エマルジョン中の無機イオンを簡便且つ高度
に除去することが出来る。又、本発明を適用して得られ
るスラリーは洗浄を省略乃至洗浄回数を減らすことが出
来、さらに、本発明を適用して得られる重合体エマルジ
ョンより製造される重合体粉末は、該粉末中に存在する
無機イオンが著しく少ない為、樹脂又はセメントに配合
するとき、電気絶縁性或いは耐湿熱性を害することな
く、これらに内部応力緩和性、接着性、表面の耐久性或
いは艶消し性を付与することが出来て、半導体装置用の
封止剤或いはコンクリート基剤の改質剤として有用であ
り、特に半導体装置用の封止剤に配合した場合、腐食等
を引き起こすことがない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体エマルジョン中の無機イオンを、重
    合体エマルジョン中に無機質微粒子を分散させた後イオ
    ン交換体により除去することを特徴とする重合体エマル
    ジョンの脱イオン方法。
  2. 【請求項2】重合体エマルジョン中の無機イオンを、重
    合体エマルジョンと水溶性高分子を混合した後イオン交
    換体により除去することを特徴とする重合体エマルジョ
    ンの脱イオン方法。
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