JP2005290058A - 耐黄変性水性エマルジョンの製造方法 - Google Patents

耐黄変性水性エマルジョンの製造方法 Download PDF

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裕 柴田
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Abstract

【課題】 −NH−基を含有する化合物を用いることがなくとも、耐黄変性に優れた酢酸ビニル系重合体を含有する水性エマルジョンの製造方法を提供する。
【解決手段】 酢酸ビニル単独重合体、エチレン・酢酸ビニル系共重合体などの酢酸ビニル系重合体を含有する水性エマルジョン100重量部(固形分)と、陰イオン交換基を有するイオン交換樹脂10〜80重量部と、を接触させることを特徴とする耐黄変性水性エマルジョンの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐黄変性に優れた水性エマルジョンの製造方法に関する。さらに詳しくは、酢酸ビニル単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体などの酢酸ビニル系重合体を含有し、耐黄変性に優れた水性エマルジョンに関する。
酢酸ビニル単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体などの酢酸ビニル系重合体を含有する水性エマルジョン(以下、酢酸ビニル系重合体含有水性エマルジョンという場合がある。)は、紙用、木工用およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用および不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加工、壁紙などの分野で広く用いられている。これらの分野で水性エマルジョンを乾燥して得られる硬化物を長期間使用したり、高温雰囲気下で使用すると、該硬化物が黄色に着色され、美観を損うことが知られている。
硬化物の着色が低減される酢酸ビニル系重合体を含有する水性エマルジョンの製造方法としては、例えば、ヒドラジンなどの−NH−基を含有する化合物を水性エマルジョンに添加して、耐黄変性酢酸ビニル系重合体含有水性エマルジョンを製造する方法が特許文献1〜3に報告されている。
特開昭58−91752号公報(特許請求の範囲) 特開2003−183315号公報(請求項1) 特開2003−277411号公報(請求項1)
本発明の目的は、−NH−基を含有する化合物を用いることがなくとも、耐黄変性に優れた酢酸ビニル系重合体含有水性エマルジョンの製造方法を提供することである。
本発明は、酢酸ビニル系重合体を含有する水性エマルジョンと、陰イオン交換基を有するイオン交換樹脂と、を接触させることを特徴とする耐黄変性水性エマルジョンの製造方法である。
本発明の製造方法で得られた水性エマルジョンは、高温雰囲気下においても黄色に着色することが低減される、すなわち、耐黄変性に優れた水性エマルジョンが得られる。
さらに、最近、環境意識の高まりとともに、酢酸ビニル系重合体含有水性エマルジョンからホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類の発生が敬遠されているが、本製造方法で得られた水性エマルジョンは、高温雰囲気下であってもアルデヒド類の発生が抑制される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる水性エマルジョンに含有される酢酸ビニル系重合体は、酢酸ビニルに由来する構造単位を必須成分とする重合体であり、さらに、エチレン;プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;スチレンなどの芳香族ビニル;2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸エステル、クロトン酸エステル、イタコン酸エステル、官能基を有する共重合可能な単量体などに由来する構造単位を含有する。
ここで、官能基を有する共重合可能な単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、グリシジルメタアクリレート、スルホン酸アリル、スルホン酸ビニル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート及びこれらの塩などが挙げられる。
中でも、酢酸ビニル及びエチレンに由来する構造単位を必須成分とする重合体(以下、エチレン・酢酸ビニル系共重合体という場合がある)が好適に用いられ、とりわけ、酢酸ビニル及びエチレンに由来する構造単位のみからなる重合体が好適である。
本発明の水性エマルジョンは前記モノマーを乳化剤存在下に乳化重合して得ることができる。
ここで、乳化剤としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの保護コロイド;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤;アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルなどのアニオン系界面活性剤などが挙げられる。
乳化剤としては、中でも保護コロイドを含有する乳化剤を用いることが好ましく、とりわけ、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールが好ましい。
乳化重合は、通常、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの酸化剤と、アルデヒド重亜硫酸ナトリウム(通称ロンガリット)、酒石酸及び/又はその塩、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類などの還元剤とを組み合わせたレドックス触媒が用いられる。レドックス触媒には、さらに、遷移金属の塩を添加する方法が推奨される。
ここで、遷移金属の塩としては、例えば鉄、銅、コバルト、チタン、ニッケル、クロム、亜鉛、マンガン、バナジュウム、モリブデン、セリウム等の塩化物、硫酸塩等が挙げられる。なかでも塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸銅等が好ましく使用される。
具体的な乳化重合の方法は、過酸化水素−アルデヒド重亜硫酸ナトリウムのレドックス触媒を用いた場合が、特開平2−289640号公報に記載され、過硫酸アンモニウム−アルデヒド重亜硫酸ナトリウムのレドックス触媒を用いた場合が、特公昭58−8409号公報に記載されている。過酸化水素−酒石酸及び/又はその塩のレドックス触媒と遷移金属に塩とを用いた場合が、特許文献2及び3に記載され、過酸化水素−アスコルビン酸類及び/又はエリソルビン酸類のレドックス触媒と遷移金属に塩とを用いた場合が、特開2001−163910号公報に記載されている。中でも、過酸化水素−アスコルビン酸類及び/又はエリソルビン酸類、過酸化水素−酒石酸及び/又はその塩のレドックス触媒を用いる方法が、得られる水性エマルジョンからホルマリンが発生しないことから好ましく、とりわけ、過酸化水素−アスコルビン酸類及び/又はエリソルビン酸類のレドックス触媒と遷移金属に塩とを用いる方法が、一層、着色が低減される傾向にあることから好ましい。
本発明で用いられる酢酸ビニル系重合体含有水性エマルジョンとして、例えば、エチレン・酢酸ビニル系共重合体を含有する水性エマルジョンに、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル、スチレンなどの芳香族ビニルを乳化重合させて得られるシード重合体を含有する水性エマルジョンを使用してもよい。
本発明で用いられる酢酸ビニル系重合体水性エマルジョンとしては、市販の水性エマルジョンを使用すればよく、酢酸ビニル単独重合体の水性エマルジョンとしては、例えば、シンコーボンド((株)オーシカ製)、ボンドCHシリーズ(登録商標、コニシ(株)製)、ポリゾール(登録商標、昭和高分子(株)製);エチレン−酢酸ビニル系共重合体含有水性エマルジョンとしては、例えば、スミカフレックス(登録商標、住友化学工業(株)製)、エアフレックスシリーズ(登録商標、エア アンド プロダクツ社製)、パンフレックス(登録商標、(株)クラレ製)、デンカEVAテックス(登録商標、電気化学工業(株)製)、ポリゾールEVA(登録商標、昭和高分子(株)製)などが例示される。
本発明に用いられるイオン交換樹脂は、陰イオン交換基を有するイオン交換樹脂であり、具体的には、陰イオン交換樹脂単独、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の混合物、両性イオン交換樹脂などが例示される。
中でも、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の混合物、並びに両性イオン交換樹脂を用いると、得られる陰イオン交換基に由来するアミン臭が低減される傾向があることから好ましい。
陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の混合物を使用する場合、その比率としては、陰イオン交換基1に対し、陽イオン交換基0.8〜1.2程度の数である。
陰イオン交換基とは、1〜3級アミノ基、第4級アンモニウム基などであり、陰イオン交換基を有するイオン交換樹脂とは、通常、陰イオン交換基含有モノマーを重合して得られたものであり、陰イオン交換樹脂及び両性イオン交換樹脂などが挙げられる。
陰イオン交換基含有モノマーとしては、例えば、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−ビニル−2,4−ジメチルイミダゾール、N−ビニル−2−エチルイミダゾール、N−ビニル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール及び1−メチル−2−ビニルイミダゾール等のビニルイミダゾール類;4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類などの複素環系モノマー等が挙げられる。また、3級アミノ基含有重合体を、塩化メチル、沃化メチル、ジブロモヘキサン、硫酸ジメチルなどにより第4級アンモニウム塩に変換してもよい。
陰イオン交換樹脂としては、例えば、前記陰イオン交換基含有モノマーの重合体、前記陰イオン交換基含有モノマーと炭化水素系モノマーとの共重合体などが挙げられる。
ここで、炭化水素系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、アクリロニトリル、アクロレイン、メチルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル、無水マレイン酸、イタコン酸エステル、無水イタコン酸、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルナフタレン、クロロメチルスチレン等が挙げられる。
両性イオン交換樹脂としては、例えば、前記陰イオン交換基含有モノマーと陽イオン交換基含有モノマーの共重合体、前記陰イオン交換基含有モノマー、陽イオン交換基含有モノマー及び前記炭化水素系モノマーの共重合体、前記陰イオン交換基含有モノマーと前記炭化水素系モノマーとの共重合体に濃硫酸、発煙硫酸などでスルホン化して得られる重合体などが挙げられる。
ここで、陽イオン交換基含有モノマーとしては、例えば、スルホン基、カルボキシル基、フェノール性水酸基などの陽イオン交換基を含有するモノマーであり、具体的には、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルフェノールなどが挙げられる。
陰イオン交換樹脂に混合される陽イオン交換樹脂としては、前記陽イオン交換基含有モノマーの重合体、前記陽イオン交換基含有モノマーと前記炭化水素系モノマーとの共重合体、前記炭化水素系モノマーの重合体に濃硫酸、発煙硫酸などでスルホン化して得られる重合体などが挙げられる。
陰イオン交換基を有するイオン交換樹脂としては、市販の陰イオン交換樹脂、両性イオン交換樹脂などを使用すればよい。陰イオン交換樹脂としては、デュオライト A113シリーズ、同A109D、同A116シリーズ、同A161TRSO4、同A162LF、同A368S、同A378D、同A375LF、同A561、同A568K、同A7(以上、ローム アンド ハース社製)、ダイヤイオン SAシリーズ、同PAシリーズ、同HPAシリーズ(以上、三菱化学社製)などが挙げられる。
両性イオン交換樹脂としては、例えば、ダイヤイオン SR−1(三菱化学社製)などが挙げられる。
陰イオン交換樹脂と同時に用いられる陽イオン交換樹脂としては、例えば、デュオライト C20シリーズ、同C255LFH、同C26シリーズ、同433LF、同C476(以上、ローム アンド ハース社製)、ダイヤイオン SKシリーズ、PKシリーズ、WKシリーズ、UBKシリーズ(以上、三菱化学社製)などが挙げられる。
さらに、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂とが予め混合されている市販品、例えば、デュオライトMB5113、UP6000(以上、ローム アンド ハース社製)をそのまま用いてもよい。
本製造方法において、陰イオン交換基を含有するイオン交換樹脂の使用量としては、通常、酢酸ビニル系重合体含有水性エマルジョン100重量部(固形分)に対し、約10重量部以上である。
10重量部以上であると、耐黄変性が向上する傾向があることから好ましい。陰イオン交換基を含有するイオン交換樹脂が80重量部以上であってもよいが、耐黄変性の改良の程度は小さくなる傾向がある。
尚、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂との混合物が陰イオン交換基を含有するイオン交換樹脂である場合、陰イオン交換基を含有するイオン交換樹脂の使用量とは、陰イオン交換樹脂のみの使用量を意味する。
陰イオン交換基を含有するイオン交換樹脂と酢酸ビニル系共重合体含有水性エマルジョンの接触方法としては、例えば、(ア)陰イオン交換基を含有するイオン交換樹脂と酢酸ビニル系共重合体含有水性エマルジョンとを共存下に攪拌したのち、濾過などの固液分離によって陰イオン交換基を含有するイオン交換樹脂を分離して、耐黄変性に優れた酢酸ビニル系共重合体含有水性エマルジョンを得る方法;(イ)陰イオン交換基を含有するイオン交換樹脂が充填されたカラムに酢酸ビニル系重合体含有水性エマルジョンを通液する方法などが挙げられる。
(ア)の方法における攪拌時間及び(イ)の方法における滞留時間としては、通常、1〜4時間程度である。1時間以上であると耐黄変性に優れる傾向があることから好ましく、4時間以上攪拌しても、問題はないが、耐黄変性はほとんど変化しない。
また、(ア)及び(イ)の方法における実施温度としては、通常、5〜60℃程度である。5℃以上であると水性エマルジョンの粘度が低くなり、固液分離や通液が容易になる傾向があることから好ましく、60℃以下であると、酢酸ビニル系重合体含有水性エマルジョンから水の蒸発が低減される傾向があることから好ましい。
かくして得られた酢酸ビニル系重合体含有水性エマルジョンは、長期間保存しても耐黄変性に優れる。また、200℃程度の高温においても耐黄変性に優れる。
さらに、本発明によって得られる耐黄変性水性エマルジョンは、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドなどのアルデヒド含有量が著しく低減され、場合によっては、検出限界以下まで低減される。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
黄変度(YI)は、反射法による黄変度試験(JIS K7103)に準じ、COLOR TOUCH(TECHNDYNE社製)を使用して測定した。
尚、アセトアルデヒドの定量は、250mlポリ瓶に水性エマルジョンを5g採取し、吸引のためのゴム管を取り付けた蓋で密封して40℃のオーブンで3時間加温した後、ガス検知管(No.92、No.92M、No.92L、(株)ガステック製、吸引回数1、2、4回(1回吸引量100ml))で測定した。
ホルムアルデヒドは、JIS A6922に従って測定した。
(実施例1)
5Lのオートクレープに、あらかじめ水1650gに酢酸ビニル1900g、ポリビニルアルコール「ポバール217」(クラレ社製、けん化度88モル%、平均重合度1700)20g、「ポバール205」(クラレ社製、けん化度88モル%、平均重合度500)70g、硫酸第1鉄七水和物0.05gを溶解した溶液を仕込み、次いでオートクレープ内を窒素ガスで置換し、容器内を60℃まで昇温した後、エチレンで4.6MPaまで加圧した。次に0.5%過酸化水素水溶液を25ml毎時、10%酒石酸ナトリウム水溶液を13ml毎時 の固定速度で反応容器に添加し重合を開始させた。重合中反応容器内の温度はジャケットの温度を制御することにより60℃に保ち、重合開始後4時間経過した時点で酸化剤を8%過酸化水素水溶液に切り替えた。この水溶液を1時間かけて20ml添加し、残留酢酸ビニル単量体が1%未満になった時点で重合反応を終了した。次いで反応容器を冷却し、未反応のエチレンガスを除去した後、反応物を取り出した。
このようにして得られた水性エマルジョン(エチレン・酢酸ビニル系共重合体含有水性エマルジョン、固形分55%、アセトアルデヒド含有量147ppm)100部に、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂との混合物 デュオライトMB5113(ローム アンド ハース社製、陰イオン交換容量0.5eq/L、陽イオン交換容量0.5eq/L)25部を混合し、25℃程度で4時間攪拌した。次いで、100メッシュの金網で濾過してイオン交換樹脂を取り除き、水性エマルジョン(固形分57%)を得た。尚、該水性エマルジョンのアセトアルデヒド含有量は、検出限界(0.2ppm)以下であり、ホルムアルデヒド含有量は、検出限界(0.1ppm)以下であった。
続いて、ポリエチレンテレフタレートフィルムに、塗布厚0.5mmのアプリケーターを用いて水性エマルジョンを塗布した後、25℃で24時間乾燥させてフィルムを得た。得られたフィルムについて、黄変度(Y.I.)を測定したところ、3であった。
続いて、該フィルムを200℃の通風オーブンにて5分間静置したところ、得られたフィルムのY.I.は4であった。
(比較例1)
実施例1で得られた水性エマルジョンを、イオン交換樹脂で処理せずにそのまま、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、塗布厚0.5mmのアプリケーターを用いて水性エマルジョンを塗布した後、25℃で24時間乾燥させてフィルムを得た。得られたフィルムについて、黄変度(Y.I.)を測定したところ、3であった。
続いて、該フィルムを200℃の通風オーブンにて5分間静置したところ、得られたフィルムのY.I.は10となり、実施例1と比較して著しく黄変した。
(実施例2)
5Lのオートクレープに、あらかじめ水1100gに酢酸ビニル400g、2−エチルヘキシルアクリレート36g、ヒドロキシエチルセルロース2.4g、ポリオキシエチレンウンデシルエーテルを主成分とする「ラテムル1135S−70」(アルキル基の炭素数11以下であるポリエチレンアルキルエーテルの含有量90重量%以上、ポリオキシエチレン基の平均付加数n=35、花王(株)製)12g、ポリオキシエチレンウンデシルエーテルを主成分とする「ラテムル1108」(アルキル基の炭素数11以下であるポリエチレンアルキルエーテルの含有量90重量%以上、ポリオキシエチレン基の平均付加数n=8、花王(株)製)12g、硫酸第1鉄七水和物0.05gを溶解した溶液を仕込み、次いでオートクレープ内を窒素ガスで置換し、容器内を50℃まで昇温した後、エチレンで5.0MPaまで加圧した。次に2.5%過硫酸アンモニウム水溶液を25ml毎時、10%エリソルビン酸ナトリウム水溶液を15ml毎時 の固定速度で反応容器に添加し重合を開始させた。続いて、酢酸ビニル800g、2−エチルヘキシルアクリレート74g、N−メチロールアクリルアミド24gを5時間かけて添加し、容器内の液温を50℃に維持しながら、重合開始後7時間経過した時点で酸化剤を3%過硫酸ナトリウム及び2%tert−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液に切り替え、20ml/hの速度で耐圧容器に添加し、残留酢酸ビニル単量体が1%重量未満になった時点で重合反応を終了した。次いで反応容器を冷却し、未反応のエチレンガスを除去した後、反応物を取り出した。
このようにして得られた水性エマルジョン(エチレン・酢酸ビニル系共重合体含有水性エマルジョン、固形分60%、アセトアルデヒド含有量230ppm)100部に、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂との混合物 デュオライトMB5113(ローム アンド ハース社製、陰イオン交換容量0.5eq/L、陽イオン交換容量0.5eq/L)25部を混合し、25℃程度で4時間攪拌した。次いで、100メッシュの金網で濾過してイオン交換樹脂を取り除き、水性エマルジョン(固形分63%)を得た。尚、該水性エマルジョンのアセトアルデヒド含有量は、25ppmであり、ホルムアルデヒド含有量は検出限界(0.1ppm)以下であった。
続いて、ポリエチレンテレフタレートフィルムに、塗布厚0.5mmのアプリケーターを用いて水性エマルジョンを塗布した後、25℃で24時間乾燥させてフィルムを得た。得られたフィルムについて、黄変度(Y.I.)を測定したところ、6であった。
続いて、該フィルムを200℃の通風オーブンにて5分間静置したところ、得られたフィルムのY.I.は19であった。
(比較例2)
実施例2で得られた水性エマルジョンを、イオン交換樹脂で処理せずにそのまま、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、塗布厚0.5mmのアプリケーターを用いて水性エマルジョンを塗布した後、25℃で24時間乾燥させてフィルムを得た。得られたフィルムについて、黄変度(Y.I.)を測定したところ、7であった。
続いて、該フィルムを200℃の通風オーブンにて5分間静置したところ、得られたフィルムのY.I.は29となり、実施例2と比較して著しく黄変した。
(実施例3)
5Lのオートクレープに、あらかじめ水1750gに酢酸ビニル1800g、ポリビニルアルコール「ポバール217」(クラレ社製、けん化度88モル%、平均重合度1700)20g、「ポバール205」(クラレ社製、けん化度88モル%、平均重合度500)80g、硫酸第1鉄七水和物0.05gを溶解した溶液を仕込み、次いでオートクレープ内を窒素ガスで置換し、容器内を60℃まで昇温した後、エチレンで5.2MPaまで加圧した。次に0.5%過酸化水素水溶液を25ml毎時、10%エリソルビン酸ナトリウム水溶液を15ml毎時 の固定速度で反応容器に添加し重合を開始させた。続いて、トリアリルイソシアヌレート3.7gを1時間かけて添加し、容器内の液温を50℃に維持しながら、重合中反応容器内の温度はジャケットの温度を制御することにより60℃に保ち、重合開始後4時間経過した時点で酸化剤を8%過酸化水素水溶液に切り替えた。この水溶液を1時間かけて20ml添加し、残留酢酸ビニル単量体が1%未満になった時点で重合反応を終了した。次いで反応容器を冷却し、未反応のエチレンガスを除去した後、反応物を取り出した。
このようにして得られた水性エマルジョン(エチレン・酢酸ビニル系共重合体含有水性エマルジョン、固形分55%、アセトアルデヒド含有量200ppm)100部に、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂との混合物 デュオライトMB5113(ローム アンド ハース社製、陰イオン交換容量0.5eq/L、陽イオン交換容量0.5eq/L)25部を混合し、25℃程度で4時間攪拌した。次いで、100メッシュの金網で濾過してイオン交換樹脂を取り除き、水性エマルジョン(固形分57%)を得た。尚、該水性エマルジョンのアセトアルデヒド含有量は、5ppm以下、ホルムアルデヒド含有量は、検出限界(0.1ppm)以下であった。
続いて、ポリエチレンテレフタレートフィルムに、塗布厚0.5mmのアプリケーターを用いて水性エマルジョンを塗布した後、25℃で24時間乾燥させてフィルムを得た。得られたフィルムについて、黄変度(Y.I.)を測定したところ、4であった。
続いて、該フィルムを200℃の通風オーブンにて5分間静置したところ、得られたフィルムのY.I.は9であった。
(比較例3)
実施例3で得られた水性エマルジョンを、イオン交換樹脂で処理せずにそのまま、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、塗布厚0.5mmのアプリケーターを用いて水性エマルジョンを塗布した後、25℃で24時間乾燥させてフィルムを得た。得られたフィルムについて、黄変度(Y.I.)を測定したところ、4であった。
続いて、該フィルムを200℃の通風オーブンにて5分間静置したところ、得られたフィルムのY.I.は15となり、実施例3と比較して著しく黄変した。
本発明の方法で得られる水性エマルジョンは、紙用、木工用およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用および不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加工、壁紙などに使用し得る。

Claims (4)

  1. 酢酸ビニル系重合体を含有する水性エマルジョンと、陰イオン交換基を有するイオン交換樹脂と、を接触させることを特徴とする耐黄変性水性エマルジョンの製造方法。
  2. 酢酸ビニル系重合体が、エチレンに由来する構造単位及び酢酸ビニルに由来する構造単位からなる重合体である請求項1に記載の製造方法。
  3. 陰イオン交換基を有するイオン交換樹脂が、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂との混合物、及び/又は、両性イオン交換樹脂である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 酢酸ビニル系重合体を含有する水性エマルジョン100重量部(固形分)に対し、陰イオン交換基を含有するイオン交換樹脂を10〜80重量部接触させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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