JPWO2018117245A1 - ポリビニルアルコール系樹脂、分散剤及び懸濁重合用分散剤 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、分子内にカルボニル基を有し、かつ2〜3価の金属の塩又は水酸化物を含有するポリビニルアルコール系樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、濃度0.1重量%水溶液の紫外吸収スペクトルによる280nmの吸光度(a)が0.1より大であり、同水溶液の紫外吸収スペクトルによる320nmの吸光度(b)が0.03以上であり、吸光度(b)/吸光度(a)が0.3未満であり、かつ残存酢酸基のブロックキャラクターが0.4以上であるPVA系重合体が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
近年の要求物性の高まりから、懸濁重合物(例えば、ポリ塩化ビニル)の着色を抑えるために、懸濁重合用分散剤として用いられるPVA系樹脂の着色を抑えることが求められている。
(1)0.1重量%水溶液としたときの紫外線吸収スペクトルにおける320nmの吸光度(X)が0.1以上であり、PVA系樹脂の1.0重量%水溶液100重量部に対して臭素の3.0重量%水溶液10重量部を混合した混合水溶液を24時間静置することにより臭素処理をした後の前記混合水溶液のイエローインデックス値が5以下であるPVA系樹脂。
(2)0.1重量%水溶液としたときの紫外線吸収スペクトルにおける280nmの吸光度(Y)に対する320nmの吸光度(X)の比(X/Y)が0.3以上である、前記(1)に記載のPVA系樹脂。
(3)ケン化度が60モル%以上である、前記(1)又は(2)に記載のPVA系樹脂。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のPVA系樹脂からなる分散剤。
(5)前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のPVA系樹脂からなる懸濁重合用分散剤。
(6)前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のPVA系樹脂の製造方法であって、ビニルエステル系単量体を重合して得られた重合体をケン化する工程と、ケン化された重合体を、過熱水蒸気による熱処理及び減圧下での熱処理のうちのいずれか一方の方法で熱処理する工程を含むPVA系樹脂の製造方法。
(7)前記熱処理が110〜230℃の温度範囲で行われる、前記(6)に記載のPVA系樹脂の製造方法。
本発明のPVA系樹脂は熱処理が施された熱処理タイプのPVA系樹脂であって、0.1重量%水溶液としたときの紫外線吸収スペクトルにおける320nmの吸光度(X)が0.1以上であり、PVA系樹脂の1.0重量%水溶液100重量部に対して臭素の3.0重量%水溶液10重量部を混合した混合水溶液を24時間静置することにより臭素処理をした後の前記混合水溶液のイエローインデックス値が5以下である。
本発明者らの研究により、PVA系樹脂を熱処理して脱水又は脱酢酸反応を起こす際に、主鎖中の二重結合を2つ連続した構造よりも3つ連続した構造を多く生じさせることで、前記臭素処理を行った際に臭素と反応しない二重結合を残り難くすることができ、それによりPVA系樹脂の着色が抑制されることが明らかとなった。
なお、平均重合度はJIS K 6726に準拠して測定することができる。
なお、YI値の測定は、例えば、コニカミノルタ株式会社製の測色計「CM−3600A」(商品名)を用いて測定することができる。
臭素処理は、本発明のPVA系樹脂を分散剤として用いた際に消費される(すなわち、有効に作用する)二重結合部分を臭素により反応させる処理である。かかる臭素処理により有効に作用する二重結合は消失し、YI値が低下する。臭素処理後のYI値は、懸濁重合後の懸濁重合物の着色に直接的に関与すると推測される。
臭素処理後のYI値が5以下であると、PVA系樹脂中には有効に作用する二重結合が多く存在し、不要な二重結合が生じていないことがわかる。臭素処理後のYI値は、4以下であることがより好ましく、特に好ましくは3以下である。下限値は通常0である。
なお、YI値の測定は、例えば、コニカミノルタ株式会社製の測色計「CM−3600A」(商品名)を用いて測定することができる。
PVA系樹脂を13C−NMRで測定し(内部標準物質として3−(トリメチルシリル)−2,2,3,3−d4−プロピオン酸ナトリウム塩(3−(trimethylsilyl)propionic−2,2,3,3−d4acid sodium saltを使用)、38〜49ppmの範囲に見られるメチレン炭素部分に基づき吸収〔(OH,OH)dyadの吸収=43.5〜46ppm、(OH,OR)dyadの吸収=41〜43.5ppm、(OR,OR)dyadの吸収=38〜40.5ppm、ただし、Rはアセチル基(CH3CO−)を表わす。〕の吸収強度比から求められるもので、より具体的には下記式より算出される値である。
〔η〕=(OH,OR)/2(OH)(OR)
(ただし、(OH,OR)、(OH)、(OR)は、いずれもモル分率で計算するものとする。また、(OH)は13C−NMRの積分比により算出されるケン化度(モル分率)で、(OR)はその時のアセトキシ基のモル分率を示す。)
これら金属の塩又は水酸化物の具体例としては、例えば、酢酸マグネシウム4水和物、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、酪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸亜鉛、水酸化アルミニウム等が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、水及び/又はメタノール等に溶解して工業的に取り扱い易いという点で酢酸マグネシウム4水和物や酢酸カルシウムが好ましい。
本発明のPVA系樹脂は、上記したように、0.1重量%水溶液としたときの紫外線吸収スペクトルにおける320nmの吸光度(X)が0.1以上である。320nmにおける吸光度(X)を0.1以上にするためには、例えば、分子内にカルボニル基を有したPVA系樹脂に共役二重結合を導入した樹脂を用い、更にそれを熱処理し、脱水または脱酢酸反応を起こす方法が挙げられる。
(i)ビニルエステル系単量体を重合し、得られた重合体をケン化し、得られたPVA系樹脂を過酸化水素等の酸化剤で酸化処理する方法
(ii)ビニルエステル系単量体の重合の際に、アルデヒド類やケトン類等のカルボニル基を含有する連鎖移動剤の共存下で重合を行い、得られた重合体をケン化する方法
(iii)1−メトキシ−ビニルアセテート等の共存下でビニルエステル系単量体を重合し、得られた重合体をケン化する方法
(iv)ビニルエステル系単量体の重合時にエアを吹き込んで重合し、得られた重合体をケン化する方法
中でも、工業的には、溶剤回収が容易であるという観点から上記(ii)の方法が好ましい。
かかる溶液重合においてビニルエステル系単量体の仕込み方法は、分割仕込み、一括仕込み等任意の手段を用いてよい。重合反応は、アゾビスイソブチロニトリル、アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシバレロニトリル等の公知のラジカル重合触媒を用いて行われる。また、重合反応温度は40℃〜沸点程度の範囲から選択される。
中でも重合後の構造が最終生成物と類似する点で、アルデヒド類を用いることが好ましく、特にはアセトアルデヒドが好ましい。
また、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン、グリセリンモノアリルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、2−アセトキシ−1−アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパン、3−アセトキシ−1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、グリセリンモノビニルエーテル、グリセリンモノイソプロペニルエーテル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン等のジオールを有する化合物等が挙げられる。これらの単量体は、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
ケン化は公知の方法で行うことができ、通常、ビニルエステル系重合体をアルコールに溶解させ、アルカリ触媒又は酸触媒の存在下で行われる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等の炭素数1〜6のアルコールが挙げられる。
熱処理の方法としては、分散剤として用いた際に消費される二重結合以外の不要な二重結合を増大させないために、例えば、(i)過熱水蒸気による熱処理、(ii)減圧下での熱処理、(iii)窒素雰囲気下での熱処理等が挙げられる。中でも、酸素による酸化劣化による不溶解の発生を防ぐ理由で、(i)過熱水蒸気による熱処理及び(ii)減圧下での熱処理のうちのいずれか一方の方法で熱処理を行うことが好ましい。
過熱水蒸気とは、100℃で蒸発した飽和水蒸気を常圧のまま更に高温度に加熱した無色透明のH2Oガスのことであり、本発明においては、かかる過熱水蒸気を用いて熱処理する。
常圧過熱水蒸気を得る方法としては、一般公知の加熱方法が利用できるが、例えば、水をヒーターや電磁誘導加熱やボイラーなどで加熱することで飽和蒸気を発生させ、該蒸気をさらに電磁誘導加熱やヒーター加熱することにより得られ、過熱水蒸気発生装置等を用いて処理することができる。過熱水蒸気発生装置として、具体的には、Super−Hi(第一高周波工業株式会社製)等が使用できる。
減圧環境とは、ゲージ圧表記で大気圧(常圧環境)を0MPaとした時に負の数値となる状態を示し、−0.101MPaを絶対真空とした際の数値を示す。
減圧下で熱処理する方法としては、一般公知の方法が利用できるが、例えば、加熱装置内の雰囲気を減圧にする方法が挙げられる。減圧下で加熱する加熱装置としては、例えば、減圧熱処理装置、減圧乾燥機、真空低温乾燥器、振動乾燥機、ナウターミキサー等が挙げられる。
上記のようにして得られた本発明のPVA系樹脂は、着色が抑えられているので色相に優れ、様々な用途に好適に使用することができる。本発明のPVA系樹脂の用途としては、例えば、以下が挙げられる。
(1)成形物関係:繊維、フィルム、シート、パイプ、チューブ、防漏膜、暫定皮膜、ケミカルレース用、水溶性繊維等。
(2)接着剤関係:木材、紙、アルミ箔、プラスチック等の接着剤、粘着剤、再湿剤、不織布用バインダー、石膏ボードや繊維板等の各種建材用バインダー、各種粉体造粒用バインダー、セメントやモルタル用添加剤、ホットメルト型接着剤、感圧接着剤、アニオン性塗料の固着剤等。
(3)被覆剤関係:紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料コーティング剤、紙の内添サイズ剤、繊維製品用サイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上げ剤、塗料、防曇剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光沢剤、帯電防止剤、導電剤、暫定塗料等。
(4)疎水性樹脂用ブレンド剤関係:疎水性樹脂の帯電防止剤、および親水性付与剤、複合繊維、フィルムその他成形物用添加剤等。
(5)分散剤関係:感熱発色層用塗工液の顕色剤用分散剤、塗料、墨汁、水性カラー、接着剤等の顔料分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤等。
(6)乳化分散安定剤関係:各種アクリルモノマー、エチレン性不飽和化合物、ブタジエン性化合物の乳化重合用乳化剤、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂等疎水性樹脂、エポキシ樹脂、パラフィン、ビチューメン等の後乳化剤等。
(7)増粘剤関係:各種水溶液やエマルジョンや石油掘削流体の増粘剤等。
(8)凝集剤関係:水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パルプ、スラリーの濾水性等。
(9)交換樹脂等関係:イオン交換樹脂、キレート交換樹脂、イオン交換膜等。
(10)その他:土壌改良剤、感光剤、感光性レジスト樹脂等。
上記の中でも特に、本発明のPVA系樹脂は、酢酸ビニル、塩化ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤に有用であり、特に塩化ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤として有用である。
本発明のPVA系樹脂を分散剤として使用する場合、被分散体としては、例えば、重合性モノマー、粉体などが挙げられるが、特に重合性モノマーを分散し、懸濁重合用の分散剤として用いることが好ましい。
懸濁重合の対象となる重合性モノマーとしては、例えば、塩化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又はその無水物やエチレン、プロピレン、スチレン等が挙げられる。中でも、塩化ビニル単独重合又は塩化ビニルと共重合可能なモノマーとの共重合に好適に用いられる。
本発明のPVA系樹脂を懸濁重合用分散剤として使用する場合について以下に詳述する。
本発明のPVA系樹脂の使用量は懸濁重合させる単量体に応じて適宜調整すればよいが、例えば、塩化ビニル系単量体の懸濁重合に使用する場合は、通常、塩化ビニル系単量体100重量部に対して5重量部以下で用いることが好ましく、0.01〜1重量部がより好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.2重量部である。かかる使用量が多すぎると分散剤として作用しないPVA系樹脂が増加する傾向がある。
添加のタイミングとしては、重合の初期に一括添加しても、又重合の途中で分割して添加してもよい。
<熱処理PVA系樹脂の製造(過熱水蒸気による加熱)>
酢酸ビニル100部、アセトアルデヒド1.2部、メタノール4.7部及び酢酸ビニルに対して0.0092%のアセチルパーオキサイド(APO)を重合缶に仕込み、窒素で置換した。その後、加熱して沸点下で重合を開始させ、反応時間約5.7時間後に重合率91.8%に達した時点で重合を停止した。次いで未重合の酢酸ビニルを除去し、得られた重合体を水酸化ナトリウムで常法によりケン化して樹脂分12%のPVA系樹脂(重合度770、ケン化度72モル%、カルボニル基量0.16モル%)のケン化スラリー(酢酸メチル/メタノール=8/2(重量比)の溶媒)を調製した。
次に上記で調製したPVA系樹脂に金属化合物として酢酸マグネシウム4水和物の10%メタノール溶液をPVA系樹脂1kgに対して350gの割合で添加し、25℃で1時間撹拌した。その後、ヌッチェで振り切りを行って、酢酸マグネシウム177μmol/gを含有した金属塩含有PVA系樹脂を得た。
上記で得られた金属塩含有PVA系樹脂を、過熱水蒸気発生装置「Super−Hi」(商品名、第一高周波工業株式会社)にて発生させた165℃の過熱水蒸気により、圧力常圧、酸素濃度1容量%未満の酸素雰囲気下で、1.5時間熱処理して熱処理されたPVA系樹脂を作製した。
<熱処理PVA系樹脂の製造(減圧環境下での加熱)>
実施例1で作製した金属塩含有PVA系樹脂を用い、該樹脂を真空定温乾燥器(バキュームドライオーブン)「VOS−301SD」(商品名、東京理化器械株式会社製)にて、165℃、真空度−0.095MPa、酸素濃度1容量%未満の酸素雰囲気下で、1.5時間熱処理して熱処理されたPVA系樹脂を作製した。
<熱処理PVA系樹脂の製造(従来法での加熱)>
実施例1で作製した金属塩含有PVA系樹脂を用い、該樹脂を110℃において2時間乾燥させた後、窒素:空気=1:1(容積比)のガスを100l/hrの速度で熱処理缶内に流し込んで、酸素濃度10容量%に保ちつつ145℃で3時間熱処理を行って熱処理されたPVA系樹脂を得た。
得られたPVA系樹脂の特性は以下の通りであった。
重合度;730(JIS K 6726に準拠して測定)、ケン化度;72モル%、酢酸マグネシウム含有量;177μmol/g(含有マグネシウム量より算出)
PVA系樹脂の1.0重量%水溶液を作製した。紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社製「V−560」)を用いて、波長280nm、320nmにおける、PVA系樹脂の0.1重量%水溶液の吸光度を測定した。なお、厚さ1cmの試料容器(セル)を用いた。
また、280nmの吸光度(Y)に対する320nmの吸光度(X)の比(X/Y)を算出した。
結果を表1に示す。
PVA系樹脂の1.0重量%水溶液を作製した。かかる水溶液のYI値をコニカミノルタ株式会社製測色計「CM−3600A」(商品名)を用いて測定した。
結果を表1に示す。
PVA系樹脂の1.0重量%水溶液と臭素の3.0重量%水溶液を作製した。かかるPVA系樹脂水溶液100部に対して、臭素水溶液10部を添加して混合水溶液を作製し、24時間室温で静置した。その後、混合水溶液のYI値をコニカミノルタ株式会社製測色計「CM−3600A」(商品名)を用いて測定した。
結果を表1に示す。
Claims (7)
- 0.1重量%水溶液としたときの紫外線吸収スペクトルにおける320nmの吸光度(X)が0.1以上であり、ポリビニルアルコール系樹脂の1.0重量%水溶液100重量部に対して臭素の3.0重量%水溶液10重量部を混合した混合水溶液を24時間静置することにより臭素処理をした後の前記混合水溶液のイエローインデックス値が5以下であるポリビニルアルコール系樹脂。
- 0.1重量%水溶液としたときの紫外線吸収スペクトルにおける280nmの吸光度(Y)に対する320nmの吸光度(X)の比(X/Y)が0.3以上である、請求項1記載のポリビニルアルコール系樹脂。
- ケン化度が60モル%以上である、請求項1又は2記載のポリビニルアルコール系樹脂。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系樹脂からなる分散剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系樹脂からなる懸濁重合用分散剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系樹脂の製造方法であって、
ビニルエステル系単量体を重合して得られた重合体をケン化する工程と、
ケン化された重合体を、過熱水蒸気による熱処理及び減圧下での熱処理のうちのいずれか一方の方法で熱処理する工程
を含むポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。 - 前記熱処理が110〜230℃の温度範囲で行われる、請求項6記載のポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
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