JP4281493B2 - 水性エマルジョンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エチレン−ビニルエステル類共重合体を含む水性エマルジョン(A)に酢酸ビニルなどのオレフィン性二重結合を含有する単量体をシード重合させて水性エマルジョン(B)を製造する方法に関する。
エチレン−酢酸ビニル系共重合体などのエチレン−ビニルエステル類共重合体の水性エマルジョン(A)をシードとし、さらに、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、スチレンなどのオレフィン性二重結合を含有する単量体を重合させて水性エマルジョン(B)を製造する方法は広く知られており、例えば、特許文献1には、市販の水性エマルジョン(A)に過硫酸アンモニウムを重合開始剤として酢酸ビニルをシード重合させて水性エマルジョン(B)を製造する方法が開示され、特許文献2には、市販の水性エマルジョン(A)に、レドックス系重合開始剤の還元剤として酒石酸類を用いて酢酸ビニルをシード重合させて水性エマルジョン(B)を製造する方法が開示されている。
最近、本発明者は、ホルマリンを含まないエチレン−酢酸ビニル系共重合体を含む水性エマルジョン(A)の新しい製造方法として、遷移金属塩共存下に、レドックス系重合開始剤の還元剤としてエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を用い、レドックス系重合開始剤の酸化剤として過酸化水素を用いて乳化重合する方法を提案した(特許文献3)。
特開2003−171408号公報([0031]製造例2及び[0037]実施例2) 特開昭61−252280号公報(第1表) 特開2001−163910号公報(特許請求の範囲)
本発明者が、特許文献3に記載された方法で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体の水性エマルジョン(A)をシードとし、特許文献2に記載された方法に準じて酢酸ビニルを乳化重合(シード重合)させたところ、シード重合時に酢酸ビニルが発泡して、シード重合を継続させることが難しい場合や、シード重合が急速に進行し結果として水性エマルジョン(B)が増粘してしまう場合があることが明らかになった。
本発明の目的は、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのエチレン−ビニルエステル類共重合体を含む水性エマルジョン(A)に、さらに、酢酸ビニルなどのオレフィン性二重結合を含有する単量体をシード重合させて水性エマルジョン(B)を製造する方法において、シード重合する際に、発泡、重合の停止、及び水性エマルジョン(B)の増粘などを抑制し、簡便に製造することのできる水性エマルジョン(B)の製造方法を提供することである。
本発明は、エチレン−ビニルエステル類共重合体を含む水性エマルジョン(A)にオレフィン性二重結合を含有する単量体をシード重合させて水性エマルジョン(B)を製造する方法において、シード重合の際に遷移金属塩共存下にてレドックス系重合開始剤を使用し、該レドックス系重合開始剤の還元剤としてエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を使用することを特徴とする水性エマルジョン(B)の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、シードとして用いるエチレン−ビニルエステル類共重合体の水性エマルジョン(A)が、たとえ、特許文献3に記載の方法で得られた水性エマルジョン(A)を用いても、酢酸ビニルなどのオレフィン性二重結合を含有する単量体をシード重合する際に、発泡したり、重合が停止したり、重合が急速に進行して結果として水性エマルジョン(B)が増粘したりすることがなく、簡便に製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
水性エマルジョン(A)に含有されるエチレン−ビニルエステル類共重合体としては、該共重合体100重量部に対し、通常、エチレンに由来する構造単位を5〜70重量部程度、好ましくは、10〜60重量部含有し、ビニルエステル類に由来する構造単位を30〜95重量部程度、好ましくは40〜90重量部程度含有する共重合体である。
なお、エチレン−酢酸ビニル系共重合体100重量部に対し、エチレンに由来する構造単位が35重量部以上である水性エマルジョン(A)は、特開2002−322216号公報に記載の方法で得ることができる。
ここで、ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどが挙げられる。中でも酢酸ビニル、バーサチック酸ビニルが好ましく、とりわけ、酢酸ビニルが好適である。
該共重合体は、さらに、ビニルエステル類とは異なるオレフィン性二重結合を含有する単量体を約50重量部以下含有していてもよい。
ビニルエステル類とは異なるオレフィン性二重結合を含有する単量体とは、例えば、エステル基を含有しないビニル化合物、α,β−不飽和カルボン酸類、アクリルアミド類、アリル基含有化合物、ジエン系化合物などが挙げられる。
具体的なエステル基を含有しないビニル化合物としては、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、スチレン、スルホン酸ビニルなどが挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸類としては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸;α,β−不飽和カルボン酸の塩;マレイン酸エステル、クロトン酸エステル、イタコン酸エステルなどが挙げられる。
アクリルアミド類としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレートなどが挙げられ、アリル基含有化合物としては、例えば、スルホン酸アリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレートなどが挙げられる。
ジエン系化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。
ビニルエステル類とは異なるオレフィン性二重結合を含有する単量体としては、中でも、α,β−不飽和カルボン酸類、エステル基を含有しないビニル化合物が好ましく、とりわけ、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレンが好適である。
本発明に用いられるエチレン−ビニルエステル類共重合体の水性エマルジョン(A)は、公知の方法で製造すればよく、例えば、(ア)遷移金属塩共存下にレドックス系重合開始剤の還元剤としてエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を用いて乳化重合する方法、(イ)レドックス系重合開始剤の還元剤として酒石酸及び/又はその塩を用いて乳化重合する方法、(ウ)レドックス系重合開始剤の還元剤としてホルムアルデヒド重亜硫酸の金属塩(通称、ロンガリット)を用いて乳化重合する方法、(エ)過硫酸アンモニウムを重合開始剤として用いて乳化重合する方法などが挙げられる。
前記レドックス重合開始剤を用いて得られる水性エマルジョン(A)は、40〜60℃程度の比較的低温において乳化重合が可能なため、安全性において優れており、また低温において製造するためエチレン−ビニルエステル類共重合体の分子量が高くなり、接着性能においても優れた効果を発揮することから好ましく、とりわけ、前記(ア)の製造方法はホルムアルデヒドを生成しないことから好適である。
また、本発明における水性エマルジョン(A)としては、例えば、スミカフレックス シリーズ(登録商標、住友化学工業(株)製)、デンカエバテックス シリーズ(商品名、電気化学工業(株)製)、ポリゾール シリーズ(登録商標、昭和高分子(株)製)、パンフレックス シリーズ(登録商標、(株)クラレ製)、エアフレックス シリーズ(登録商標、エアプロダクト社製)などの市販されているエチレン−酢酸ビニル系共重合体の水性エマルジョンを、その目的に応じて、適宜選択して、水性エマルジョン(A)としてそのまま用いればよい。
次に、水性エマルジョン(A)からシード重合により水性エマルジョン(B)を製造する方法について説明する。
シード重合の実施態様を例示すれば、反応容器に、水性エマルジョン(A)、乳化剤、遷移金属塩等を入れ約40〜100℃程度まで昇温した後、オレフィン性二重結合を含有する単量体、酸化剤、並びに、還元剤成分であるエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を加えた水溶液を順次混合させ、乳化重合する方法などが挙げられる。
また、本発明においては未反応のオレフィン性二重結合を含有する単量体が数%といった低濃度となる場合、重合反応の後期に有機過酸化物を少量加えてもよく、この操作により未反応単量体を比較的短時間で数千ppm、あるいはそれ以下まで低減することができる。有機過酸化物としては、例えば、ターシャルブチルパーベンゾエート、ジラウリルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、ターシャルブチルハイドロパーオキサイド等を挙げることができる。有機過酸化物を使用する場合には、ビニルエステル類及び/又はオレフィン性二重結合を含有する単量体の合計に対して、通常0.0001〜0.005重量倍程度使用される。
シード重合における反応マスの不揮発分、すなわち、オレフィン性二重結合を含有する単量体、水性エマルジョン(A)、並びに、乳化剤などからなる混合物の不揮発分の合計としては、通常、25〜65重量%、好ましくは40〜60重量%である。シード重合における反応マスの不揮発分が25〜65重量%であると、シード重合に好適な粘度となる。そのような割合になるよう水性エマルジョン(A)、重合するオレフィン性二重結合を含有する単量体、および水の量を調製すればよい。
シード重合に用いられるオレフィン性二重結合を含有する単量体は前記のビニルエステル類、及び、ビニルエステル類とは異なるオレフィン性二重結合を含有する単量体の総称である。シード重合に用いられるオレフィン性二重結合を含有する単量体としては、中でも、ビニルエステル類、α,β−不飽和カルボン酸類、スチレンが好ましく、とりわけ、酢酸ビニルが好適に用いられる。
前記のシード重合法の説明では、オレフィン性二重結合を含有する単量体を、反応系中に順次混合させる方法が例示されたが、オレフィン性二重結合を含有する単量体は、一部または全部を重合開始前に水および水性エマルジョン(A)と一緒に反応容器に添加してもよいし、またはその一部或いは全量を重合中、断続的に添加してもよい。
オレフィン性二重結合を含有する単量体の使用量は、前記水性エマルジョン(A)の不揮発分100重量部に対し、通常、10〜100重量部、好ましくは20〜70重量部とすればよい。この割合でオレフィン性二重結合を含有する単量体を使用すると、低温接着性能に優れ、かつ、増粘を引き起こすこともなく、好適な粘度の水性エマルジョン(B)を製造することができる。
乳化剤として、前記の部分ケン化ポリビニルアルコール、準完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの保護コロイド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルなどのアニオン系界面活性剤を用いることができる。
乳化剤として異なる2種以上の乳化剤を用いてもよい。
乳化剤としては、中でも、部分ケン化ポリビニルアルコール、準完全ケン化ポリビニルアルコールが好ましく、とりわけ、70モル%以上、中でもとりわけ85モル%以上がケン化された、準完全ケン化ポリビニルアルコールが水性エマルジョン(A)を安定化させる傾向があることから好ましい。ここで、部分ケン化ポリビニルアルコール及び準完全ケン化ポリビニルアルコールの粘度平均重合度は、通常、100〜8000程度であり、好ましくは、300〜3000程度である。
乳化剤の使用量を準完全ケン化ポリビニルアルコールについて述べると、水性エマルジョン(A)の不揮発分100重量部に対して、通常、2〜15重量部程度、好ましくは、3〜10重量部程度である。乳化剤の使用量が2〜15重量部の範囲であると、低温での造膜性が向上する傾向にあることから好ましい。
本発明に用いられる酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。
過硫酸塩はエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類の1モルに対し、0.5〜10モル倍程度、好ましくは、1〜5モル倍、より好ましくは1〜3モル倍使用される。0.5モル倍以上であるとエマルジョンの保存安定性を向上させることから好ましく、10モル倍以下であると、例えば、水性エマルジョン(B)を塗工、乾燥させて得られるフィルムとした場合の強度、耐水性、耐熱着色性等が向上する傾向にあることから好ましい。
ここで、エリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類の1モルに対し、0.5モルとは、エリソルビン酸類のみが1モルに対して0.5モル、アスコルビン酸類のみが1モルに対して0.5モル、エリソルビン酸類及びアスコルビン酸類の合計1モルに対し0.5モルのいずれかの意味を表す。以下、上記表現は同様なことを意味する。
過酸化水素は、エリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類の1モルに対し、1.8〜10モル倍程度使用される。好ましくは、2〜6モル倍、より好ましくは2〜5モル倍である。ここで、1.8モル倍以上であると得られるエマルジョンの着色が抑制される傾向にあることから好ましく、10モル倍以下であると、例えば、水性エマルジョン(B)を塗工、乾燥させて得られるフィルムとした場合の強度、耐水性が向上する傾向にあることから好ましい。
酸化剤としては、過酸化水素を用いることが、得られる水性エマルジョン(B)の着色を低減する傾向にあることから好ましく、とりわけ、過酸化水素と過硫酸アンモニウムを併用することが、エマルジョンの保存安定性を向上する傾向にあることから好ましい。
本発明は、レドックス系重合開始剤における還元剤として、エリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を用いることを特徴とするものであるが、還元剤としては、例えばエリソルビン酸、アスコルビン酸の他に、これらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。なかでもナトリウム塩が好ましく、とりわけエリソルビン酸ナトリウムが好ましく使用される。
エリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類は、オレフィン性二重結合を含有する単量体(シード重合に用いられる単量体のみ)100重量部に対し、通常、0.02〜1重量部使用される。0.02重量部以上であると、シード重合が促進される傾向にあることから好ましく、また、1重量部以下であると生成した水性エマルジョン(B)の着色が低減する傾向や、例えば、得られた水性エマルジョン(B)を塗工、乾燥させて得られるフィルムとした場合の強度、耐水性が向上する傾向にあることから好ましい。
遷移金属塩としては、例えば鉄、銅、コバルト、チタン、ニッケル、クロム、亜鉛、マンガン、バナジュウム、モリブデン、セリウム等の塩化物、硫酸塩等が挙げられる。なかでも塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸銅等が好ましく使用される。遷移金属塩は、還元剤成分であるエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類1重量部に対して、通常0.001〜0.05重量部程度使用される。0.001重量部以上であると、シード重合が促進される傾向にあることから好ましく、また0.05重量部以下であると生成した水性エマルジョン(B)の着色が低減する傾向にあることから好ましい。
なお、前記例示では遷移金属塩をシード重合する際に混合させているが、例えば、水性エマルジョン(A)が前記方法(ア)で製造されたように、水性エマルジョン(A)に既に遷移金属塩が必要量、共存している場合、シード重合時に遷移金属塩を新たに添加することを省略してもよい。
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中の部および%は、特に断らないかぎり重量基準を意味する。
重合安定性は重合状態の応じて以下のように表示した。
○:重合時、未反応の滞留酢酸ビニルモノマーによる発泡がなく、逐次酢酸ビニルモノマーが反応し、エマルジョンの増粘もみられない状態。
△:重合時、未反応の滞留酢酸ビニルモノマーによる発泡がないが、酢酸ビニルモノマーの反応が不十分であったり、エマルジョンの増粘がみられる状態。
×:重合時、未反応の滞留酢酸ビニルモノマーによる発泡がみられる状態。
不揮発分は、予め乾燥させたアルミボードに水性エマルジョン約1gを正確に採取し、精秤した後、105℃の恒温乾燥器に入れて2時間乾燥し、採取された水性エマルジョンに対する得られた乾燥物の重量比率(%)で求めた。
粘度はBL粘度計を用いて25℃、分速60回転にて測定した値を示した。
ホルマリン量はガラス板(150×150mm)の片面にエマルジョンを塗布、10分間放置後デシケーター(240mm)の底部にある300mlの蒸留水に20〜25℃の温度で24時間ホルマリンを吸収させ(JIS A 6922「壁紙施工用でん粉系接着剤 5.5ホルムアルデヒドの放出量」準拠)、アセチルアセトン吸光光度法により測定を行い、エマルジョン中の濃度を示した。
(水性エマルジョン(A)の製造例1)
耐圧容器に、あらかじめ水170部に酢酸ビニル190部、ポリビニルアルコール「ポバール217」(クラレ社製、ケン化度88モル%、平均重合度1700)2部、「ポバール205」(クラレ社製、ケン化度88モル%、平均重合度500)7部、硫酸第一鉄七水和物0.005部及び酢酸0.4部を溶解した溶液を導入した。次いでオートクレープ内を窒素ガスで置換し、容器内を60℃まで昇温した後、エチレンで4.6MPaまで加圧した。次に過酸化水素水溶液0.2部と、エリソルビン酸ナトリウム0.5部のそれぞれを水で希釈して、滴下した。重合中反応容器内の温度はジャケットの温度を制御することにより60℃に保ち、さらに過酸化水素の水溶液を添加し、反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌したのち、未反応のエチレンガスを除去し、反応物を取り出し、不揮発分55%、粘度1200mPa・sのエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する水性エマルジョン(A)を得た。該共重合体100部に対し、エチレンに由来する構造単位は18部、酢酸ビニルに由来する構造単位は82部であった。
(水性エマルジョン(A)の製造例2)
製造例1で酢酸0.4部を使用せず、エリソルビン酸ナトリウム0.5部を酒石酸ナトリウム0.6部に変更した以外は製造例1と同様に行い、不揮発分55%、粘度1150mPa・sのエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する水性エマルジョン(A)を得た。該共重合体100部に対し、エチレンに由来する構造単位は18部、酢酸ビニルに由来する構造単位は82部であった。
(水性エマルジョン(A)の製造例3)
製造例1でエリソルビン酸ナトリウム0.5部をロンガリット(ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム)0.6部に変更した以外は製造例1と同様に行い、不揮発分55%、粘度1300mPa・sのエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する水性エマルジョン(A)を得た。該共重合体100部に対し、エチレンに由来する構造単位は18部、酢酸ビニルに由来する構造単位は82部であった。
<水性エマルジョン(B)の製造例>
(実施例1)
製造例1で得られた水性エマルジョン(A)40部、水100部、「ポバール217」5.5部とともに反応容器に添加し、80℃で1時間加熱した後、酢酸ビニル100部及び、過酸化水素0.25部とエリソルビン酸ナトリウム0.6部のそれぞれを水で希釈して、4時間かけて滴下し、約70℃で保温した。さらに反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1重量%以下になるまで攪拌し、不揮発分 48.8%、粘度 320mPa・s の水性エマルジョン(B)を得た。表1に水性エマルジョン(B)の製造時の重合安定性、および不揮発分、粘度、ホルマリン量を示した。
(実施例2)
実施例1で過酸化水素0.25部を過硫酸ナトリウム0.8部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1で保温温度を70℃から50℃に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1でエリソルビン酸ナトリウム0.6部をアスコルビン酸ナトリウム0.6部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
(実施例5)
製造例2で得られた水性エマルジョン(A)を用いて、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
参考例6)
製造例3で得られた水性エマルジョン(A)を用いて、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1でエリソルビン酸ナトリウム0.6部を酒石酸0.6部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1でエリソルビン酸ナトリウム0.6部を酒石酸ナトリウム0.6部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1でエリソルビン酸ナトリウム0.6部をロンガリット(ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム)0.6部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
(比較例4)
実施例1で過酸化水素0.25部とエリソルビン酸ナトリウム0.6部を過硫酸ナトリウム0.6部のみに、保温温度を70℃から80℃に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
Figure 0004281493
本発明で得られた水性エマルジョン(B)は、接着性に優れることから、紙用、木工用、プラスチック用、紙管用、包装用、(二次)合板用、建築現場・建築工場用、ラミネート用、家庭用、製本・製袋用などの各種接着剤;紙塗工用、繊維用などのバインダー;セメントモルタル用混和剤、セメントモルタル用打継ぎ材などのセメント改質材;塗料などのコーティング材料などに用いられる。
また、水性エマルジョン(B)にさらに充填材を加えて、これらの分野の材料や発泡壁紙材料などに供することができる。
また、水性エマルジョン(B)を噴霧乾燥し粉末化することが可能であり、水を加え充分攪拌し、再分散することにより、上記分野に使用することが出来る。
さらに、本発明の水性エマルジョン(B)に、例えば、ポリウレタンを含有する水性エマルジョン、アクリル樹脂を含有する水性エマルジョン、エチレン−ビニルエステル類共重合体を含有する水性エマルジョンなどの他の水性エマルジョンと混合させて得られた混合物は、上記分野に使用することができる。

Claims (1)

  1. エチレン−ビニルエステル類共重合体を含む水性エマルジョン(A)にオレフィン性二重結合を含有する単量体をシード重合させて水性エマルジョン(B)を製造する方法において、
    水性エマルジョン(A)に含まれるエチレン−ビニルエステル類共重合体が、該共重合体100重量部に対して、エチレンに由来する構造単位が5〜70重量部であり、ビニルエステル類に由来する構造単位が、30〜95重量部である共重合体であり、
    オレフィン性二重結合を含有する単量体が、ビニルエステル類、α,β−不飽和カルボン酸類、スチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体であり、
    水性エマルジョン(A)が、遷移金属塩共存下に、レドックス系重合開始剤の還元剤として、エリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を使用して得られたエチレン−ビニルエステル類共重合体を含む水性エマルジョンであり、
    シード重合の際に遷移金属塩共存下にてレドックス系重合開始剤を使用し、該レドックス系重合開始剤の還元剤としてエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を使用し、該レドックス系重合開始剤の酸化剤として過酸化水素を使用することを特徴とする水性エマルジョン(B)の製造方法。
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