JP4134322B2 - 水性エマルジョンを含有する接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン・ビニルエステル共重合体(A)を含有するシード重合用水性エマルジョンにさらに酢酸ビニルなどの単量体をシード重合して得られる水性エマルジョンを含有する接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
木工用、紙加工用、壁紙用、包装用、(二次)合板用、建築現場用、建築工場用、ラミネート用、繊維用、家庭用、土木用、製本用などの接着剤として、酢酸ビニルを乳化重合して製造される酢酸ビニル樹脂を含有する水性エマルジョンが広く使用されている。そして、該接着剤の造膜性を向上させるために、フタル酸ジブチル(DBP)などの可塑剤を添加することも周知である。
近年、環境意識の高まりとともに可塑剤の使用が敬遠され、可塑剤を含有しない接着剤が求められている。このような接着剤として、エチレン・酢酸ビニル共重合体を構成する全ての構造単位100重量部に対し、エチレンに由来する構造単位(以下、エチレン単位という)の含有量が15〜35重量部であるエチレン・酢酸ビニル共重合体を含有する水性エマルジョンに、さらに酢酸ビニルをシード重合して得られる水性エマルジョンが、可塑剤を含有しなくとも、接着強度、造膜性および作業性に優れた木工用接着剤として使用し得ることが報告されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−92734号公報([特許請求の範囲]および[0047])。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らが、エチレン単位として18重量部と30重量部を含む2種類のエチレン・酢酸ビニル共重合体を含有する水性エマルジョンのそれぞれに、さらに酢酸ビニルをシード重合して水性エマルジョンを製造し、得られた水性エマルジョンを含む2種類の接着剤について検討したところ、いずれも、接着強度、造膜性および作業性に優れるものの、−20〜5℃程度の低温時における接着性(以後、低温接着性という)が十分ではないことが明らかになった。
本発明の目的は、可塑剤を含むことがなくとも、接着強度、造膜性および作業性に優れ、かつ、低温接着性に優れる接着剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記シード重合用水性エマルジョンに、さらに、単量体として、酢酸ビニル及びエチレン、又は、酢酸ビニルをシード重合して得られる水性エマルジョン(B)のみを含有する接着剤、若しくは、
下記 下記シード重合用水性エマルジョンに、さらに、単量体として、酢酸ビニル及びエチレン、又は、酢酸ビニルをシード重合して得られる水性エマルジョン(B)と、熱硬化性樹脂、充填剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、発泡剤、増粘剤、粘度調整剤および難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の配合剤とのみからなる接着剤である。
シード重合用水性エマルジョン:エチレンおよびビニルエステルを重合して得られる重合体(A)を含有するシード重合用水性エマルジョンであって、重合体(A)におけるエチレンに由来する構造単位の含有量が、重合体(A)を構成する全ての構造単位100重量部に対し38〜70重量部であるシード重合用水性エマルジョン
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の重合体(A)は、エチレンとビニルエステルを重合して得られる共重合体である。
ここで、ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのアルキル酸ビニルエステルなどが挙げられる。ビニルエステルとして、2種類以上のビニルエステルを用いてもよい。ビニルエステルの中でも、酢酸ビニルが好適である。
【0007】
重合体(A)におけるエチレンに由来する構造単位(エチレン単位)の含有量としては、重合体(A)を構成する全ての構造単位100重量部に対し、38〜70重量部であり、好ましくは40〜60重量部程度である。
エチレン単位の含有量が38重量部以上であると、得られる接着剤の造膜性や低温接着性が向上する傾向にあり好ましく、70重量部以下であると、凝集力や接着強度が向上する傾向にあり、さらに、乳化重合が容易に実施できることから好ましい。
【0008】
重合体(A)に用いられる単量体として、エチレン、ビニルエステルの他に、エチレンと共重合可能な単量体を用いてもよく、具体的には、塩化ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;ビニルホスホン酸、ビニルスルホン酸およびそれらの塩などのビニル化合物;スチレン、αーメチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族ビニル;メタクリル酸、アクリル酸などの(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、イタコン酸等のα,β-不飽和ジカルボン酸類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;N-メチロールアクリルアミド、N-ブトキシメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;スルホン酸アリル、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのアリル化合物等が例示される。
【0009】
シード重合用水性エマルジョンは、通常、前記の単量体を乳化重合することによって製造することができる。ここで、乳化重合に使用される乳化剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系などの界面活性剤;でんぷん、変性でんぷん、酸化でんぷん、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどの水溶性高分子化合物、部分又は完全ケン化されたポリビニルアルコール(以下、PVAという。)などの保護コロイドなどが挙げられる。中でも、部分又は完全ケン化されたポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
PVAは、通常、平均重合度が100〜3000程度、平均ケン化度80〜98モル%程度である。また、カルボン酸、スルホン酸等を含有する化合物で変性されたポリビニルアルコールであってもよい。
【0010】
シード重合用水性エマルジョンを製造する際に用いられるPVAの使用量としては、重合体(A)に含まれるビニルエステルに由来する構造単位100部(重量基準)あたり、PVAの不揮発分0.5〜20部程度、好ましくは1〜15部である。PVAの使用量が0.5〜20部の範囲であると、乳化重合が安定に進行する傾向にありことから好ましい。
【0011】
シード重合用水性エマルジョンを製造する際に、ビニルエステルの反応濃度として、通常、10重量%以下、好ましくは1〜5重量%程度に反応溶液が保持されるように調整される。通常、重合反応の初期から終了前までにビニルエステルを徐々に添加することによって、10重量%以下の濃度に調整される。
ビニルエステルの濃度が10重量%を超えると、重合体(A)中のエチレン単位の含有量が低下する傾向にあることから、好ましくない。
【0012】
乳化重合におけるエチレンの分圧は1〜10MPa、好ましくは3〜8MPaである。乳化重合におけるエチレン分圧が1MPa以上であると、重合体(A)中のエチレン単位の含有量が向上する傾向があり、エチレン単位を所望の含有量にするための反応時間が短縮される傾向にあることから、好ましい。一方、10MPa以下であると、低圧の反応容器を使用できることから、好ましい。
乳化重合の反応温度としては、通常、20〜80℃程度であり、好ましくは40〜70℃程度である。反応温度が20℃以上であると、反応時間が短縮される傾向にあり、80℃以下であると、反応溶液におけるエチレンの溶解量が向上し、重合体(A)中のエチレン単位の含有量が向上する傾向にあることから、好ましい。
【0013】
重合体(A)を含有するシード重合用水性エマルジョンの製造方法を具体的に例示すると、耐圧容器にイオン交換水、乳化分散剤、ビニルエステル、必要に応じて、エチレンと共重合可能な単量体単位を添加して乳化液を調製し、次に、窒素雰囲気とした後、昇温し、エチレンで加圧しながら、共重合の反応溶液におけるビニルエステルの濃度を調整しながらビニルエステル、過硫酸塩、過酸化水素水などの酸化剤、エリソルビン酸ナトリウムなどの還元剤、必要に応じてエチレンと共重合可能な単量体を添加して重合する方法などが挙げられる。
【0014】
本発明の水性エマルジョン(B)は、かくして得られたシード重合用水性エマルジョンに、さらに、単量体として酢酸ビニル及びエチレンを、又は、単量体として酢酸ビニルをシード重合して得られる水性エマルジョン(B)である
【0015】
シード重合する際に用いられる単量体として、エチレンを用いてもよい。
シード重合によって水性エマルジョン(B)に重合されたエチレンに由来する構造単位の含有量(すなわち、水性エマルジョン(B)の不揮発分に含有される全てのエチレン単位から重合体(A)のエチレン単位を差し引いた量)としてはシード重合によって水性エマルジョン(B)に重合された単量体に由来する構造単位100重量部に対し、通常、0〜15重量部程度であり、好ましくは0〜10重量部である。シード重合によって水性エマルジョン(B)に重合されたエチレンに由来する構造単位の含有量が20重量部以下であると、水性エマルジョン(B)を乾燥して得られる皮膜の強度などが向上する傾向にあることから好ましい。
尚、シード重合によって水性エマルジョン(B)に重合されたエチレンに由来する構造単位の含有量は、水性エマルジョン(B)のガラス転移温度(Tg)によって求めることができる。すなわち、水性エマルジョン(B)の不揮発分をDSCによってTgを求めると、重合体(A)に由来するTgと、シード重合によって水性エマルジョン(B)に重合された部分に由来するTgが得られ、後者のTgからFoxの式によって、シード重合によって水性エマルジョン(B)に重合された単量体に由来する構造単位の含有量を測定することができるので、シード重合によって水性エマルジョン(B)に重合されたエチレンに由来する構造単位の含有量を求めることができる。
【0016】
シード重合する際に、水性エマルジョン(B)の安定性を保つため、乳化剤、界面活性剤、或いはPVAを添加することが好ましく、とりわけPVAが好適である。
添加されるPVAの量は生成する水性エマルジョン(B)の不揮発分100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましい。この場合、重合体(A)に既にPVAが含まれていればそれと合計した量となる。
【0017】
水性エマルジョン(B)の製造方法として、エチレンと酢酸ビニルをシード重合する方法を具体例として説明すると、例えば、耐圧容器に重合体(A)を含有するシード重合用水性エマルジョン、イオン交換水、乳化分散剤、酢酸ビニル、必要に応じてエチレンと共重合可能な単量体を添加して乳化液を調製し、次に、窒素雰囲気とした後、昇温し、エチレンで加圧しながら、酢酸ビニルなどのビニルエステル、過硫酸塩、過酸化水素水などの酸化剤、エリソルビン酸ナトリウムなどの還元剤、必要に応じて共重合可能な単量体を添加して重合する方法などが挙げられる。
【0018】
シード重合する際に用いられるシード重合用水性エマルジョンの不揮発分と、シード重合する際に用いられる単量体との重量比率は、通常、([シード重合用水性エマルジョンの不揮発分]/[シード重合する際に用いられる単量体]=)1/5〜1/0.5であり、好ましくは1/4〜1/0.5である。
上記の比率が1/5よりも[シード重合用水性エマルジョンの不揮発分]が多い場合、水性エマルジョン(B)を乾燥して得られる皮膜の造膜性が向上する傾向にあることから好ましく、1/0.5よりも[シード重合用水性エマルジョンの不揮発分]が少ない場合、接着強度が向上する傾向にあることから、好ましい。
【0019】
このようにして得られた水性エマルジョン(B)は、そのまま、あるいは水分調整したり、後述の配合剤を添加して、例えば、木工用、紙加工用、壁紙用、包装用、(二次)合板用、建築現場用、建築工場用、ラミネート用、繊維用、家庭用、土木用、製本用などの接着剤、塗料などに使用し得る。中でも、接着剤として用いることが好ましく、とりわけ、木工用接着剤、紙加工用接着剤、プラスチック用接着剤として好適である。
【0020】
接着剤に配合し得る配合剤としては、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウムなどの充填剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、発泡剤、増粘剤、粘度調整剤、難燃剤、酸化チタンなどの顔料、可塑剤などの配合剤が挙げられる。
充填剤は、難燃性、接着時の塗工性を改良するために使用することが推奨され、その使用量としては、水性エマルジョン(B)の不揮発分100重量部に対して、通常、10〜500重量部程度、好ましくは、50〜300重量部程度である。
【0021】
本発明の接着剤は、0℃においても造膜することから、フタル酸ジブチルなどの可塑剤を添加することがなくとも、接着強度、造膜性および作業性に優れ、かつ、低温接着性に著しく優れる。
接着剤における可塑剤の含有量としては、水性エマルジョン(B)の不揮発分100重量部に対して、通常、1重量部以下であり、好ましくは、0.01重量部以下、とりわけ好ましくは、実質的に含有していないことが好ましい。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、可塑剤を含むことがなくとも、接着強度、造膜性および作業性に優れ、かつ、低温接着性に著しく優れる接着剤、該接着剤を与える水性エマルジョン、および、該水性エマルジョンを与えるシード重合用水性エマルジョンを提供することができる。
本発明の接着剤は、木工用、紙加工用、壁紙用、包装用、(二次)合板用、建築現場用、建築工場用、ラミネート用、繊維用、家庭用、土木用、製本用などのなどの接着剤として好適に使用することができる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中の部および%は、特に断らないかぎり重量基準を意味する。
また、不揮発分は、予め乾燥させたアルミボードに水性エマルジョン約1gを正確に採取し、精秤した後、105℃の恒温乾燥器に入れて2時間乾燥し、採取された水性エマルジョンに対する得られた乾燥物の重量比率(%)で求めた。
粘度はBL粘度計を用いて25℃、60回転にて測定した値を示した。
ガラス転移温度はDSCにより測定した値を示した。
【0024】
<シード重合用水性エマルジョンの製造例1>
耐圧容器に、水、酢酸ビニル8部、「ポバール205」(株式会社クラレ製、けん化度88モル%、平均重合度500)6部、硫酸第1鉄七水和物0.005部を導入した。初期の反応溶液中における酢酸ビニル濃度は5.4%であった。次いで耐圧容器を窒素ガスで置換し、容器内を50℃まで昇温した後、エチレンで6.7MPaまで加圧し、続いて、過酸化水素0.3部とエリソルビン酸ナトリウム1.3部のそれぞれを水で希釈して、滴下した。同時に酢酸ビニル92部を10時間かけて添加し、圧力はエチレンで6.7MPaに維持し、約50℃で保温した。この間反応溶液の酢酸ビニル濃度は最大で3.7%であった。さらに過酸化水素の水溶液を添加し、反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌したのち、未反応のエチレンガスを除去し、反応物を取り出した。エチレン単位の含有量が50%、ガラス転移温度-38℃のエチレン・酢酸ビニル系共重合体(A)を含有する不揮発分が54.5%、粘度 400 mPa・s のシード重合用水性エマルジョンを得た。
【0025】
<シード重合用水性エマルジョンの製造例2>
過酸化水素0.2部とエリソルビン酸ナトリウム1.0部を滴下し、酢酸ビニル92部を7時間かけて添加し、圧力を6.0MPaに維持した以外は、前記シード重合用水性エマルジョンの製造例1と同様に反応させた。エチレン単位の含有量が40%、ガラス転移温度-33℃のエチレン・酢酸ビニル系共重合体(A)を含有する不揮発分が54.9%、粘度 920 mPa・s のシード重合用水性エマルジョンを得た。
【0026】
<シード重合用水性エマルジョンの製造例3>
耐圧容器に、水、酢酸ビニル100部、「ポバール205」(株式会社クラレ製、けん化度88モル%、平均重合度500)2部、「ポバール217」(株式会社クラレ製、けん化度88モル%、平均重合度1700)3部、硫酸第一鉄七水和物0.002部、酢酸ナトリウム0.06部及び酢酸0.1部を溶解した溶液を導入した。次に、耐圧容器内を窒素ガスで置換し、容器内を60℃まで昇温した後、エチレンで7.0MPaまで加圧し、続いて、過酸化水素0.15部とエリソルビン酸ナトリウム0.8部のそれぞれを水で希釈して、滴下し、約50℃で保温した。さらに過酸化水素の水溶液を添加し、反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌したのち、未反応のエチレンガスを除去し、反応物を取り出した。エチレン単位の含有量が30%、ガラス転移温度-18℃のエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)を含有する不揮発分が55.0%、粘度 1000 mPa・s のシード重合用水性エマルジョンを得た。
【0027】
<シード重合用水性エマルジョンの製造例4>
過酸化水素0.05部とエリソルビン酸ナトリウム0.3部を滴下し、エチレンで5MPaまで加圧した以外はシード重合用水性エマルジョンの製造例3と同様に反応させた。エチレン単位の含有量が18%、ガラス転移温度0℃のエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)を含有する不揮発分が55.0%、粘度 1200 mPa・s のシード重合用水性エマルジョンを得た。
【0028】
(実施例1)
製造例1で得られた重合体(A)を含有するシード重合用水性エマルジョン200部、水320部、「ポバール205」50部とともに反応容器に添加し、80℃で1時間加熱した。続いて、酢酸ビニル340部及び、過硫酸アンモニウム(APS)1.1部とエリソルビン酸ナトリウム1.1部のそれぞれを水で希釈して、3時間かけて滴下し、約60℃で保温した。さらに反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌し、不揮発分 49.5%、粘度 55000 mPa・s の水性エマルジョン(B)を得た。
【0029】
水性エマルジョン(B)の性能評価を以下の方法で実施し、結果を表1にまとめた。
<最低造膜温度>
JIS K 6804 7.6に準拠し測定した値を示した。
<紙/PET接着性>
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)に3mil(=約75μm)のアプリケーターを用いて水性エマルジョン(B)を塗布し、直ちに上質紙を貼り合わせてハンドローラーで4回脱気・圧締した。その後2日間乾燥し、25mm幅にカットして試験片を作成した。
この試験片を5℃の恒温機に24時間放置した後、恒温槽の温度を5℃に調整したストログラフT(株式会社東洋精機製作所製)を使用して、速度100mm/minで5℃のT字剥離強度を測定した。
同様に、試験片を−20℃の恒温機で24時間放置した後、恒温槽の温度を−20℃に調整したストログラフTを使用して、速度100mm/minで−20℃のT字剥離強度を測定した。
<PVC合板>
ベニヤ合板(JAS1類普通合板、3ply、厚さ2.5mm)に水性エマルジョン(B)を塗布量 130g/mにて塗布し、直ちにPVCシート(半硬質ダブリングシート)を貼り合わせてハンドローラーで脱気して、5kPaの荷重で24時間圧締した。解圧後、3日間養生し、25mm幅にカットしたものを試験片とした。
この試験片を5℃の恒温機に24時間放置した後、恒温槽の温度を5℃に調整したストログラフT(株式会社東洋精機製作所製)を使用して、速度100mm/minで5℃の180°剥離強度を測定した。
【0030】
(実施例2〜4、比較例1〜3)
表1に記載のシード重合用水性エマルジョンを用い、さらに、表1に記載の単量体を用いて、実施例1に準じて水性エマルジョン(B)を製造した。
得られた水性エマルジョンから、実施例1と同様に評価測定を行い、結果を表1に記載した。
なお、比較例3は特開平6−17021号公報の実施例([0017])に準じてポリ酢酸ビニル含有水性エマルジョンを製造し、これに可塑剤としてフタル酸ジブチルを添加した接着剤の結果を示した。
【0031】
【表1】
Figure 0004134322

Claims (3)

  1. 下記シード重合用水性エマルジョンに、さらに、単量体として、 i 酢酸ビニル及びエチレン、又は( ii 酢酸ビニル、をシード重合して得られる水性エマルジョン(B)のみを含有する接着剤。
    シード重合用水性エマルジョン:エチレンおよびビニルエステルを重合して得られる重合体(A)からなるシード重合用水性エマルジョンであって、重合体(A)におけるエチレンに由来する構造単位の含有量が、重合体(A)を構成する全ての構造単位100重量部に対し40〜50重量部であるシード重合用水性エマルジョン。
  2. 下記シード重合用水性エマルジョンに、さらに、単量体として、 i 酢酸ビニル及びエチレン、又は( ii 酢酸ビニル、をシード重合して得られる水性エマルジョン(B)と、充填剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、発泡剤、増粘剤、粘度調整剤および難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の配合剤とからなる接着剤。
    シード重合用水性エマルジョン:エチレンおよびビニルエステルを重合して得られる重合体(A)からなるシード重合用水性エマルジョンであって、重合体(A)におけるエチレンに由来する構造単位の含有量が、重合体(A)を構成する全ての構造単位100重量部に対し40〜50重量部であるシード重合用水性エマルジョン。
  3. シード重合用水性エマルジョンの不揮発分とシード重合する際に用いられる単量体との重量比率が、([シード重合用水性エマルジョンの不揮発分]/[シード重合する際に用いられる単量体])=1/5〜1/0.5であることを特徴とする請求項1又は2記載の接着剤。
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