JP2906728B2 - 重合体粉末の製造方法 - Google Patents
重合体粉末の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機質微粒子を表面に
有する微粒子状の重合体粉末を製造する方法に関するも
のであり、本発明の製造方法により得られる重合体粉末
は、重合体を芯物質とし、無機質を壁剤とする無機質マ
イクロカプセルとも称し得るものであり、各種の樹脂或
いはセメントの改質剤として広く用いられるため、高分
子を製造している化学業界、各種の樹脂やセメントを利
用している電機、機械、自動車、土木、建築等の幅広い
業界で利用できるものである。
有する微粒子状の重合体粉末を製造する方法に関するも
のであり、本発明の製造方法により得られる重合体粉末
は、重合体を芯物質とし、無機質を壁剤とする無機質マ
イクロカプセルとも称し得るものであり、各種の樹脂或
いはセメントの改質剤として広く用いられるため、高分
子を製造している化学業界、各種の樹脂やセメントを利
用している電機、機械、自動車、土木、建築等の幅広い
業界で利用できるものである。
【0002】すなわち、本発明の製造方法は、重合体粉
末の表面に無機質を担持させ得る方法であり、製造時や
他の樹脂への配合・混練時に凝集し易い粘着性を有する
重合体に非粘着性を付与することを可能とするものであ
り、粘着性重合体の粉末化に特に有効なものであり、本
発明により得られる重合体粉末は粘着性を有せず、微粒
子状の形態を常に維持するため、種々の樹脂に配合され
た場合、該樹脂に内部応力緩和性、接着性、表面の耐久
性或いは艶消し性を付与し得るものであり、又、セメン
トに配合された場合、該セメントの硬化物に曲げ強度、
耐衝撃性或いは耐ヒビ割れ性を付与することが出来る。
従って本発明の製造方法で得られる重合体粉末は、接着
剤、塗料、半導体装置用封止剤、エンジニアリングプラ
スチック基材の製造等に、又はモルタル或いはコンクリ
ート基材等の改質剤として使用されるものであり、これ
らを使用する幅広い業界で賞用され得るものである。
末の表面に無機質を担持させ得る方法であり、製造時や
他の樹脂への配合・混練時に凝集し易い粘着性を有する
重合体に非粘着性を付与することを可能とするものであ
り、粘着性重合体の粉末化に特に有効なものであり、本
発明により得られる重合体粉末は粘着性を有せず、微粒
子状の形態を常に維持するため、種々の樹脂に配合され
た場合、該樹脂に内部応力緩和性、接着性、表面の耐久
性或いは艶消し性を付与し得るものであり、又、セメン
トに配合された場合、該セメントの硬化物に曲げ強度、
耐衝撃性或いは耐ヒビ割れ性を付与することが出来る。
従って本発明の製造方法で得られる重合体粉末は、接着
剤、塗料、半導体装置用封止剤、エンジニアリングプラ
スチック基材の製造等に、又はモルタル或いはコンクリ
ート基材等の改質剤として使用されるものであり、これ
らを使用する幅広い業界で賞用され得るものである。
【0003】
【従来の技術】重合体粒子表面に無機質微粒子を担持さ
せる、或いは重合体粒子表面を無機質微粒子で被覆する
方法として、粉床法、帯電粉砕法、複合エマルジョン法
等が提案されているが、工業的に満足し得る方法は未だ
見出されていない。
せる、或いは重合体粒子表面を無機質微粒子で被覆する
方法として、粉床法、帯電粉砕法、複合エマルジョン法
等が提案されているが、工業的に満足し得る方法は未だ
見出されていない。
【0004】また、これらの方法では、無機質の微粒子
を出発原料として使用すると、重合体表面に形成される
無機質層が不均一なものになることが多いという欠点を
有し、又複雑な工程を必要とする為にコスト的に不利に
なることが多い。
を出発原料として使用すると、重合体表面に形成される
無機質層が不均一なものになることが多いという欠点を
有し、又複雑な工程を必要とする為にコスト的に不利に
なることが多い。
【0005】本発明者は、無機質ゾルと重合体エマルジ
ョンの混合液を凝集して重合体のスラリーを得、これを
洗浄脱水し最後に乾燥するという、上記問題が解決され
た製造方法およびそれにより製造された重合体粉末を先
に提案した(特願平2−234049号)。
ョンの混合液を凝集して重合体のスラリーを得、これを
洗浄脱水し最後に乾燥するという、上記問題が解決され
た製造方法およびそれにより製造された重合体粉末を先
に提案した(特願平2−234049号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先に提
案した発明は、従来の問題を解決した優れたものではあ
るが、使用し得る無機質としては無機質ゾルに限られ、
ゾルの形態を有しない無機質微粒子を使用出来ないとい
う欠点を有するものであった。
案した発明は、従来の問題を解決した優れたものではあ
るが、使用し得る無機質としては無機質ゾルに限られ、
ゾルの形態を有しない無機質微粒子を使用出来ないとい
う欠点を有するものであった。
【0007】本発明者は、重合体粉末の表面に担持させ
る無機質として、無機質ゾル以外の無機質微粒子を用い
た場合にも微粒子状の重合体粉末を得ることが出来る製
造方法を見出すべく鋭意検討を行ったのである。
る無機質として、無機質ゾル以外の無機質微粒子を用い
た場合にも微粒子状の重合体粉末を得ることが出来る製
造方法を見出すべく鋭意検討を行ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決が、無機質微粒子を水中に分散させた水性分散液と
し、且つ重合体として、シラノール基を有する重合体を
使用することでなし得ることを見出し、本発明を完成し
た。
解決が、無機質微粒子を水中に分散させた水性分散液と
し、且つ重合体として、シラノール基を有する重合体を
使用することでなし得ることを見出し、本発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は、無機質微粒子の非ゾ
ル状水性分散液とシラノール基を有する重合体のエマル
ジョンとの混合液より析出させることを特徴とする重合
体粉末の製造方法に関するものである。
ル状水性分散液とシラノール基を有する重合体のエマル
ジョンとの混合液より析出させることを特徴とする重合
体粉末の製造方法に関するものである。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】○無機質微粒子 本発明の製造方法に使用される無機質微粒子としては、
具体的にはシリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化アンチモン或いは酸化錫等の金属酸化
物、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム等の無機酸の金属塩、水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム等の水酸化物、又はカーボンブラッ
ク、窒化ホウ素或いは二硫化モリブテン等の微粒子を挙
げることが出来、担持させ易いという点から、本発明に
おいてシリカ、酸化チタン或いは酸化アンチモンの微粒
子を使用することが好ましい。
具体的にはシリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化アンチモン或いは酸化錫等の金属酸化
物、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム等の無機酸の金属塩、水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム等の水酸化物、又はカーボンブラッ
ク、窒化ホウ素或いは二硫化モリブテン等の微粒子を挙
げることが出来、担持させ易いという点から、本発明に
おいてシリカ、酸化チタン或いは酸化アンチモンの微粒
子を使用することが好ましい。
【0012】これら無機質微粒子としては、その一次粒
子径が5〜200mμのものが好ましく、5mμに満た
ないものは、分散液とした場合、その粘度が高いため無
機質微粒子を重合体粒子表面に担持させ難くなり、又、
200mμを越えるものは、水中へ分散させにくくなる
上、担持させることも困難となるため避けたほうが良
い。
子径が5〜200mμのものが好ましく、5mμに満た
ないものは、分散液とした場合、その粘度が高いため無
機質微粒子を重合体粒子表面に担持させ難くなり、又、
200mμを越えるものは、水中へ分散させにくくなる
上、担持させることも困難となるため避けたほうが良
い。
【0013】又、本発明においては、数種類の無機質微
粒子を併用することも可能である。
粒子を併用することも可能である。
【0014】本発明の製造方法に使用される無機質微粒
子の非ゾル状水性分散液は、上記無機質微粒子を機械的
な撹拌等により水中で強制的に分散させることにより容
易に得られる。
子の非ゾル状水性分散液は、上記無機質微粒子を機械的
な撹拌等により水中で強制的に分散させることにより容
易に得られる。
【0015】○シラノ−ル基を有する重合体のエマルジ
ョン 本発明の製造方法に使用される重合体のエマルジョンと
しては、シラノール基を有する重合体のエマルジョンで
ある必要がある。シラノール基を有しないものでは、微
粒子状の重合体粉末を得ることが出来ない。
ョン 本発明の製造方法に使用される重合体のエマルジョンと
しては、シラノール基を有する重合体のエマルジョンで
ある必要がある。シラノール基を有しないものでは、微
粒子状の重合体粉末を得ることが出来ない。
【0016】シラノール基を有する重合体のエマルジョ
ンは、シラノール基を有する熱可塑性或いは熱硬化性重
合体がアニオン、カチオン或いはノニオンの界面活性剤
でエマルジョンとされた公知のものが適用される。熱可
塑性重合体としては、例えば、ポリオレフィン、ポリジ
エン、ポリハロゲン化ビニル、ポリスチレン、不飽和脂
肪酸或いはこのエステルの重合体、不飽和ニトリル重合
体又はこれらの単量体を共重合成分とする共重合体が挙
げられる。
ンは、シラノール基を有する熱可塑性或いは熱硬化性重
合体がアニオン、カチオン或いはノニオンの界面活性剤
でエマルジョンとされた公知のものが適用される。熱可
塑性重合体としては、例えば、ポリオレフィン、ポリジ
エン、ポリハロゲン化ビニル、ポリスチレン、不飽和脂
肪酸或いはこのエステルの重合体、不飽和ニトリル重合
体又はこれらの単量体を共重合成分とする共重合体が挙
げられる。
【0017】熱硬化性重合体としては、尿素樹脂、エポ
キシ樹脂、反応性ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリアリル樹脂、アルキド樹脂、又は上
記熱可塑性重合体を骨格に有し、加熱による架橋性を有
するグリシジル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基
或いはアリル基を有する重合体、又はこれらを構成単位
とする共重合体が挙げられる。
キシ樹脂、反応性ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリアリル樹脂、アルキド樹脂、又は上
記熱可塑性重合体を骨格に有し、加熱による架橋性を有
するグリシジル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基
或いはアリル基を有する重合体、又はこれらを構成単位
とする共重合体が挙げられる。
【0018】シラノール基は、アクリルオキシ基、メタ
アクリルオキシ基或いはビニル基を有するアルコキシシ
ラン又はハロゲンシランを、重合体を構成する単量体と
して使用し、共重合、グラフト重合することにより、更
にはシラン化合物と重合体とを反応させることにより付
与することが出来る。尚、シラノール基は、珪素上のア
ルコキシ基、ハロゲン基が加水分解されることにより付
与される。
アクリルオキシ基或いはビニル基を有するアルコキシシ
ラン又はハロゲンシランを、重合体を構成する単量体と
して使用し、共重合、グラフト重合することにより、更
にはシラン化合物と重合体とを反応させることにより付
与することが出来る。尚、シラノール基は、珪素上のア
ルコキシ基、ハロゲン基が加水分解されることにより付
与される。
【0019】アクリルオキシ基、メタアクリルオキシ基
或いはビニル基を有するアルコキシシラン又はハロゲン
シランの具体的化合物としては、γ−アクリルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリルオキシプ
ロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリス(メトキシエトキシ)シラン或いはビニルトリク
ロロシラン等を挙げることが出来る。
或いはビニル基を有するアルコキシシラン又はハロゲン
シランの具体的化合物としては、γ−アクリルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリルオキシプ
ロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリス(メトキシエトキシ)シラン或いはビニルトリク
ロロシラン等を挙げることが出来る。
【0020】本発明では、重合体として、シラノール基
を有するゴムを使用することが好ましく、具体的にはア
クリルゴム、アクリル−ブタジエンゴム、アクリロニト
リル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ス
チレン−イソプレンゴム、スチレン−プロピレン−ジエ
ン三元共重合ゴム或いはエチレン−酢ビゴム等のゴムに
シラノール基を付与したものが挙げられる。
を有するゴムを使用することが好ましく、具体的にはア
クリルゴム、アクリル−ブタジエンゴム、アクリロニト
リル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ス
チレン−イソプレンゴム、スチレン−プロピレン−ジエ
ン三元共重合ゴム或いはエチレン−酢ビゴム等のゴムに
シラノール基を付与したものが挙げられる。
【0021】さらに、本発明において、シラノール基を
有する重合体として、重合体エマルジョンの存在下、特
にはゴムエマルジョンの存在下、前記したアルコキシシ
ラン又はハロゲンシラン等を単独又は各種ビニル単量体
と共重合させることにより得られるものが好ましい。か
かる重合体は、芯を構成する重合体と、シラノール基を
有する重合体の外壁からなり、コアーシェル型の重合体
エマルジョンと称されるものである。外壁のシラノール
基を有する重合体としては、ガラス転移温度が50〜2
00℃のものが好ましい。
有する重合体として、重合体エマルジョンの存在下、特
にはゴムエマルジョンの存在下、前記したアルコキシシ
ラン又はハロゲンシラン等を単独又は各種ビニル単量体
と共重合させることにより得られるものが好ましい。か
かる重合体は、芯を構成する重合体と、シラノール基を
有する重合体の外壁からなり、コアーシェル型の重合体
エマルジョンと称されるものである。外壁のシラノール
基を有する重合体としては、ガラス転移温度が50〜2
00℃のものが好ましい。
【0022】本発明において、コアーシェル型の重合体
エマルジョンを使用する場合、コアーとなる重合体成分
が、重合体全量の30重量%以上であるものを用いるこ
とが好ましく、コアー成分が30重量%に満たない場合
は、最終的に得られた重合体粒子にコアーとなる重合体
成分の特性、特に弾性効果を付与し難くなる。さらに好
ましいコアー成分の含有割合は50〜90重量%であ
る。
エマルジョンを使用する場合、コアーとなる重合体成分
が、重合体全量の30重量%以上であるものを用いるこ
とが好ましく、コアー成分が30重量%に満たない場合
は、最終的に得られた重合体粒子にコアーとなる重合体
成分の特性、特に弾性効果を付与し難くなる。さらに好
ましいコアー成分の含有割合は50〜90重量%であ
る。
【0023】シェル部となるアルコキシシラン又はハロ
ゲンシランと共重合させる単量体としては、スチレン、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリル酸
エステル、メタアクリル酸エステル、N−ビニルピロリ
ドン或いはN−ビニルカプロラクタム、マレイン酸又は
フマル酸のモノエステル又はジエステル、α−アルキル
スチレン、ベンゼン核が置換されたスチレン、或いは、
さらにこれらの単量体から誘導される水酸基、アミノ
基、カルボキシル基、グリシジル基或いはアリル基等の
他官能基を有する公知のビニル単量体等を挙げることが
出来る。
ゲンシランと共重合させる単量体としては、スチレン、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリル酸
エステル、メタアクリル酸エステル、N−ビニルピロリ
ドン或いはN−ビニルカプロラクタム、マレイン酸又は
フマル酸のモノエステル又はジエステル、α−アルキル
スチレン、ベンゼン核が置換されたスチレン、或いは、
さらにこれらの単量体から誘導される水酸基、アミノ
基、カルボキシル基、グリシジル基或いはアリル基等の
他官能基を有する公知のビニル単量体等を挙げることが
出来る。
【0024】これらの単量体の組合せとしては、ガラス
転移温度が好ましくは50〜200℃の重合体を形成さ
せる様に組み合わせることが好ましく、アクリロニトリ
ル或いはメタアクリロニトリル2〜80モル%、アルコ
キシシラン又はハロゲンシラン2〜40モル%と適量他
のビニル基を有する単量体からなる組み合わせを挙げる
ことが出来、また、コアーの重合体にゴムを使用する場
合には、スチレン、アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリル及びメチルメタアクリレートから選ばれた1種以
上の単量体40重量%以上とアルコキシシラン又はハロ
ゲンシラン0.1〜30重量%と残部がアクリル酸エス
テル、メタアクリル酸エステル、マレイン酸又はフマル
酸のモノエステル又はジエステル、α−アルキルスチレ
ン、ベンゼン核が置換されたスチレン、或いは、さらに
これらの単量体から誘導される水酸基、アミノ基、カル
ボキシル基、グリシジル基或いはアリル基等の他官能基
を有する公知のビニル単量体との組み合わせのものが好
ましいものとして挙げられる。
転移温度が好ましくは50〜200℃の重合体を形成さ
せる様に組み合わせることが好ましく、アクリロニトリ
ル或いはメタアクリロニトリル2〜80モル%、アルコ
キシシラン又はハロゲンシラン2〜40モル%と適量他
のビニル基を有する単量体からなる組み合わせを挙げる
ことが出来、また、コアーの重合体にゴムを使用する場
合には、スチレン、アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリル及びメチルメタアクリレートから選ばれた1種以
上の単量体40重量%以上とアルコキシシラン又はハロ
ゲンシラン0.1〜30重量%と残部がアクリル酸エス
テル、メタアクリル酸エステル、マレイン酸又はフマル
酸のモノエステル又はジエステル、α−アルキルスチレ
ン、ベンゼン核が置換されたスチレン、或いは、さらに
これらの単量体から誘導される水酸基、アミノ基、カル
ボキシル基、グリシジル基或いはアリル基等の他官能基
を有する公知のビニル単量体との組み合わせのものが好
ましいものとして挙げられる。
【0025】かかるシラノール基を有する重合体エマル
ジョンとしては、乳化分散されている重合体粒子の粒径
が好ましくは30μ以下、さらに好ましくは10μ以
下、特に好ましくは粒径0.1〜3μのものが、無機質
微粒子と混合し析出させて微粒子粉末のスラリーとする
際、無機質微粒子を重合体表面に担持させるのが一段と
容易であり、緻密に無機質を表面に担持した重合体粉末
を生成するために好ましい。
ジョンとしては、乳化分散されている重合体粒子の粒径
が好ましくは30μ以下、さらに好ましくは10μ以
下、特に好ましくは粒径0.1〜3μのものが、無機質
微粒子と混合し析出させて微粒子粉末のスラリーとする
際、無機質微粒子を重合体表面に担持させるのが一段と
容易であり、緻密に無機質を表面に担持した重合体粉末
を生成するために好ましい。
【0026】○製造方法 本発明において、無機質微粒子の非ゾル状水性分散液及
びシラノール基を有する重合体エマルジョンの混合液よ
り重合体粉末を析出し製造する方法の具体的手段として
は、一般的公知の手段で良く、例えば上記無機質微粒子
の非ゾル状水性分散液とシラノール基を有する重合体エ
マルジョンとを比較的低速の撹拌機を使用して均一に混
合して得た混合液を、塩析剤が溶解する水溶液中に比較
的高撹拌下で徐々に添加して析出させるということで良
く、該手段により無機質を表面に担持した重合体粉末が
混合液から析出し、スラリー状となる。この場合、塩析
剤の代わりに水溶性高分子を使用して析出させれば、電
気絶縁性を不良にする溶解性の無機化合物を減少させる
ことが出来、好ましい方法である。
びシラノール基を有する重合体エマルジョンの混合液よ
り重合体粉末を析出し製造する方法の具体的手段として
は、一般的公知の手段で良く、例えば上記無機質微粒子
の非ゾル状水性分散液とシラノール基を有する重合体エ
マルジョンとを比較的低速の撹拌機を使用して均一に混
合して得た混合液を、塩析剤が溶解する水溶液中に比較
的高撹拌下で徐々に添加して析出させるということで良
く、該手段により無機質を表面に担持した重合体粉末が
混合液から析出し、スラリー状となる。この場合、塩析
剤の代わりに水溶性高分子を使用して析出させれば、電
気絶縁性を不良にする溶解性の無機化合物を減少させる
ことが出来、好ましい方法である。
【0027】ここで、無機質微粒子の非ゾル状水性分散
液を使用せず、直接無機質微粒子と重合体エマルジョン
とを混合して製造した場合には、微粒子状の重合体粉末
を得ることが出来ない。
液を使用せず、直接無機質微粒子と重合体エマルジョン
とを混合して製造した場合には、微粒子状の重合体粉末
を得ることが出来ない。
【0028】さらに好ましい方法としては、無機質微粒
子の分散液とシラノール基を有する重合体エマルジョン
とを混合する前に、シラノール基を有する重合体エマル
ジョンにあらかじめ適当量の無機質ゾルを加えて混合
し、該重合体の粒子表面に無機質ゾルを吸着させる工程
を加えることである。該方法により、真球体で嵩比重が
大きく、且つ種々の樹脂により分散し易い重合体粉末を
得ることが出来る。
子の分散液とシラノール基を有する重合体エマルジョン
とを混合する前に、シラノール基を有する重合体エマル
ジョンにあらかじめ適当量の無機質ゾルを加えて混合
し、該重合体の粒子表面に無機質ゾルを吸着させる工程
を加えることである。該方法により、真球体で嵩比重が
大きく、且つ種々の樹脂により分散し易い重合体粉末を
得ることが出来る。
【0029】無機質微粒子の非ゾル状水性分散液とシラ
ノール基を有する重合体エマルジョンの併用割合は、製
品としての重合体粉末に求められる特性に応じて調整し
得るものであるが、無機質微粒子の非ゾル状水性分散液
中の無機質及びシラノール基を有する重合体エマルジョ
ン中の重合体を合わせた量の2〜98重量%が重合体成
分であるのが好ましく、シラノール基を有する重合体成
分が2重量%未満であると最終目的の重合体粉末に、芯
の重合体の特性を付与することが困難になり、又98重
量%を越えて無機質分が少なくなると重合体を微粒子と
することが困難となるばかりでなく、他の樹脂セメント
等への分散性、界面における結合性が不充分となり、こ
れらの樹脂、セメント等に対する靭性或いは応力緩和性
等の付与が困難になる。
ノール基を有する重合体エマルジョンの併用割合は、製
品としての重合体粉末に求められる特性に応じて調整し
得るものであるが、無機質微粒子の非ゾル状水性分散液
中の無機質及びシラノール基を有する重合体エマルジョ
ン中の重合体を合わせた量の2〜98重量%が重合体成
分であるのが好ましく、シラノール基を有する重合体成
分が2重量%未満であると最終目的の重合体粉末に、芯
の重合体の特性を付与することが困難になり、又98重
量%を越えて無機質分が少なくなると重合体を微粒子と
することが困難となるばかりでなく、他の樹脂セメント
等への分散性、界面における結合性が不充分となり、こ
れらの樹脂、セメント等に対する靭性或いは応力緩和性
等の付与が困難になる。
【0030】重合体粉末として重合体の性能を充分に有
し、また微粒子状を維持する為には、重合体粉末中の重
合体成分が10〜95重量%であるのが好ましく、より
好ましくは20〜90重量%、特に好ましくは30〜9
0重量%である。
し、また微粒子状を維持する為には、重合体粉末中の重
合体成分が10〜95重量%であるのが好ましく、より
好ましくは20〜90重量%、特に好ましくは30〜9
0重量%である。
【0031】得られたスラリーは、乾燥した粉末を得る
前に純水を加えロ過する操作を繰り返す等の一般的な洗
浄方法で洗浄するのが好ましく、又該工程に入る前、ス
ラリーに若干量の無機酸類を加えてから同様な水洗処理
を施せば、電気絶縁性を不良にする溶解性の無機化合物
を除くことができ、より好ましい方法である。
前に純水を加えロ過する操作を繰り返す等の一般的な洗
浄方法で洗浄するのが好ましく、又該工程に入る前、ス
ラリーに若干量の無機酸類を加えてから同様な水洗処理
を施せば、電気絶縁性を不良にする溶解性の無機化合物
を除くことができ、より好ましい方法である。
【0032】こうして洗浄し、濃縮されたスラリーをノ
ズル式又は遠心式のスプレー乾燥機に通して霧状に分散
させながら乾燥することにより、無機質を表面に担持又
は無機質により被覆された、粒径100μ以下の微粉末
状の重合体粉末が得られる。こうして得られた重合体粉
末は取扱いが容易である為、広範囲の用途に使用出来
る。
ズル式又は遠心式のスプレー乾燥機に通して霧状に分散
させながら乾燥することにより、無機質を表面に担持又
は無機質により被覆された、粒径100μ以下の微粉末
状の重合体粉末が得られる。こうして得られた重合体粉
末は取扱いが容易である為、広範囲の用途に使用出来
る。
【0033】○利用方法 本発明の製造方法により得られた重合体粉末は、各種の
樹脂に添加されて、それらの樹脂の応力緩和性、接着
性、表面耐久性或いは艶消し性を改良し、又セメントに
添加された場合は、該セメントの硬化物の曲げ強度、耐
衝撃性或いは耐ヒビ割れ性を改良するものであるが、該
重合体粉末の添加方法としては、樹脂が液状であると
き、及びセメントに添加するときは、単に添加し、常用
の撹拌機で撹拌するだけでよく、樹脂が固形状の場合
は、溶融させるか溶剤を使用して液状となしたうえで、
同様に添加混合し得る。
樹脂に添加されて、それらの樹脂の応力緩和性、接着
性、表面耐久性或いは艶消し性を改良し、又セメントに
添加された場合は、該セメントの硬化物の曲げ強度、耐
衝撃性或いは耐ヒビ割れ性を改良するものであるが、該
重合体粉末の添加方法としては、樹脂が液状であると
き、及びセメントに添加するときは、単に添加し、常用
の撹拌機で撹拌するだけでよく、樹脂が固形状の場合
は、溶融させるか溶剤を使用して液状となしたうえで、
同様に添加混合し得る。
【0034】
【作用】本発明の製造方法により微粒子状の重合体粉末
を得ることが出来るのは、従来の製造方法で無機質の微
粒子を使用する場合とは異なり、無機質の微粒子を水中
で均一に分散させて使用するためであり、該分散液によ
り重合体粒子表面に無機質微粒子を担持させると無機質
微粒子により凝結が防止され、微粉末とすることが出来
る。
を得ることが出来るのは、従来の製造方法で無機質の微
粒子を使用する場合とは異なり、無機質の微粒子を水中
で均一に分散させて使用するためであり、該分散液によ
り重合体粒子表面に無機質微粒子を担持させると無機質
微粒子により凝結が防止され、微粉末とすることが出来
る。
【0035】
【実施例】以下実施例に基づいて、本発明を更に詳細に
説明する。
説明する。
【0036】実施例1.○無機質微粒子の非ゾル状水性
分散液の製造 純水380ccが仕込まれた500ccビーカー中に、超微
粒子状無水シリカ「アエロジル300」(一次粒子径8
mμ、日本アエロジル(株)製)20grを、ホモディス
パー(特殊機化工業(株)製、L型)を使用して300
0rpm の撹拌下に少しづつ投入し30分間撹拌して無機
質微粒子の非ゾル状水性分散液を得た。
分散液の製造 純水380ccが仕込まれた500ccビーカー中に、超微
粒子状無水シリカ「アエロジル300」(一次粒子径8
mμ、日本アエロジル(株)製)20grを、ホモディス
パー(特殊機化工業(株)製、L型)を使用して300
0rpm の撹拌下に少しづつ投入し30分間撹拌して無機
質微粒子の非ゾル状水性分散液を得た。
【0037】○シラノール基を有する重合体エマルジョ
ンの合成 2Lステンレス製オートクレーブに純水1000cc、レ
ベノールWZ(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウムの26%水溶液;花王(株)製)
19.2gr、過硫酸カリウム2.5gr、第三級ドデシル
メルカプタン1.0gr、ブチルアクリレート250gr及
びブタジエン250grを仕込み、プロペラ型撹拌翼で撹
拌(350rpm )しながら、50℃で15時間乳化重合
を行った。
ンの合成 2Lステンレス製オートクレーブに純水1000cc、レ
ベノールWZ(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウムの26%水溶液;花王(株)製)
19.2gr、過硫酸カリウム2.5gr、第三級ドデシル
メルカプタン1.0gr、ブチルアクリレート250gr及
びブタジエン250grを仕込み、プロペラ型撹拌翼で撹
拌(350rpm )しながら、50℃で15時間乳化重合
を行った。
【0038】さらに、レベノールWZ19.2gr、過硫
酸カリウム0.5gr、スチレン60gr、アクリロニトリ
ル30gr及びNUCシランモノマーA−171(ビニル
トリメトキシシラン、日本ユニカー(株)製)10grを
仕込み、70℃で5時間乳化重合を続けたところ、ブチ
ルアクリレート/ブタジエン共重合体をコアとし、シェ
ル部分にシラノール基を結合するスチレン/アクリロニ
トリル共重合体とする、固形分36重量%の重合体エマ
ルジョンを得た。
酸カリウム0.5gr、スチレン60gr、アクリロニトリ
ル30gr及びNUCシランモノマーA−171(ビニル
トリメトキシシラン、日本ユニカー(株)製)10grを
仕込み、70℃で5時間乳化重合を続けたところ、ブチ
ルアクリレート/ブタジエン共重合体をコアとし、シェ
ル部分にシラノール基を結合するスチレン/アクリロニ
トリル共重合体とする、固形分36重量%の重合体エマ
ルジョンを得た。
【0039】○重合体粉末の製造 上記のシラノール基を有する重合体エマルジョン830
grを2Lビーカーに仕込み、プロペラ型撹拌翼で撹拌下
(300rpm )にて無機質微粒子の非ゾル状分散液30
0grを徐々に添加して1時間撹拌混合を続けた。
grを2Lビーカーに仕込み、プロペラ型撹拌翼で撹拌下
(300rpm )にて無機質微粒子の非ゾル状分散液30
0grを徐々に添加して1時間撹拌混合を続けた。
【0040】さらに、「メトローズ90SH4000」
(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、高粘度タイ
プ、信越化学工業(株)製)0.5重量%の水溶液37
00ccが仕込まれた12L混合槽中に、25℃にてプロ
ペラ型撹拌翼で撹拌下(600rpm )に上記重合体エマ
ルジョンを20分かけて連続的に添加してスラリーを得
た。
(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、高粘度タイ
プ、信越化学工業(株)製)0.5重量%の水溶液37
00ccが仕込まれた12L混合槽中に、25℃にてプロ
ペラ型撹拌翼で撹拌下(600rpm )に上記重合体エマ
ルジョンを20分かけて連続的に添加してスラリーを得
た。
【0041】得られたスラリーをロ過及び水洗を繰り返
して、固形分10重量%及びpH5.5としたものを、デ
ィスク型スプレー乾燥機に通して乾燥したところ、粒径
5〜50μで、表面にシリカ(5重量%)を担持したブ
チルアクリレート/ブタジエンを主成分とする共重合体
(95重量%)の粉末290grを得た。
して、固形分10重量%及びpH5.5としたものを、デ
ィスク型スプレー乾燥機に通して乾燥したところ、粒径
5〜50μで、表面にシリカ(5重量%)を担持したブ
チルアクリレート/ブタジエンを主成分とする共重合体
(95重量%)の粉末290grを得た。
【0042】○性能評価 得られた重合体粉末は次の様に評価した。
【0043】剪断接着強度の測定 得られた重合体粉末を、エピコート828(ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190、シェル化
学(株)製)100重量部、1−ベンジル−2−メチル
イミダゾール0.5重量部、4−メチルテトラヒドロ無
水フタル酸80重量部からなる組成物に表1のように配
合し、ラボミキサーで混合(5分間)した。厚さ1.6
mmのSS鋼板に配合物を厚さ0.2mmで塗布し、これに
他方の同様な鋼板を重ね、150℃で3時間硬化させた
後、23℃迄冷却して、10mm/minの変位速度で測定し
た。
ールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190、シェル化
学(株)製)100重量部、1−ベンジル−2−メチル
イミダゾール0.5重量部、4−メチルテトラヒドロ無
水フタル酸80重量部からなる組成物に表1のように配
合し、ラボミキサーで混合(5分間)した。厚さ1.6
mmのSS鋼板に配合物を厚さ0.2mmで塗布し、これに
他方の同様な鋼板を重ね、150℃で3時間硬化させた
後、23℃迄冷却して、10mm/minの変位速度で測定し
た。
【0044】剥離強度の測定 厚さ0.6mmのアルミ板に配合物を厚さ0.2mmで塗布
し、これに他方の同様なアルミ板を重ね、150℃で2
時間硬化させた後、23℃迄冷却して、T字向き20mm
/minの変位速度で測定した。
し、これに他方の同様なアルミ板を重ね、150℃で2
時間硬化させた後、23℃迄冷却して、T字向き20mm
/minの変位速度で測定した。
【0045】耐クラック性の測定 JIS C 2150(1979)の電気絶縁用無溶剤
液状レジンの試験方法に従って、テーパが内面についた
内径60mm、深さ18mmのステンレス製の皿の中央に配
合物35grを入れて80℃で1時間静置して脱気後、J
IS B 1251が規定するバネ座金2号12Sを該
皿の中央に少しづつ沈めておいた後、150℃で3時間
硬化させた。JIS C 2150(1979)に規定
する冷熱サイクル試験に於いて、クラックを生じたサイ
クル段階を記録した。
液状レジンの試験方法に従って、テーパが内面についた
内径60mm、深さ18mmのステンレス製の皿の中央に配
合物35grを入れて80℃で1時間静置して脱気後、J
IS B 1251が規定するバネ座金2号12Sを該
皿の中央に少しづつ沈めておいた後、150℃で3時間
硬化させた。JIS C 2150(1979)に規定
する冷熱サイクル試験に於いて、クラックを生じたサイ
クル段階を記録した。
【0046】評価結果は表1の通りであった。
【0047】
【表1】
【0048】比較例1.実施例1において、「アエロジ
ル300」の非ゾル状水性分散液を使用せず、シラノー
ル基を有する重合体エマルジョンに「アエロジル30
0」そのものを加える以外は実施例1と全く同様にして
重合体粉末の製造を行ったが、粒径1〜3mmの粗粒子状
凝固物を生成し、微粉末状重合体は全く得られなかっ
た。
ル300」の非ゾル状水性分散液を使用せず、シラノー
ル基を有する重合体エマルジョンに「アエロジル30
0」そのものを加える以外は実施例1と全く同様にして
重合体粉末の製造を行ったが、粒径1〜3mmの粗粒子状
凝固物を生成し、微粉末状重合体は全く得られなかっ
た。
【0049】比較例2.実施例1に於いて、表面にシラ
ノール基を有する重合体の合成でNUCシランモノマー
A−171を使用しない他は、全く同様にして乳化重合
を行ったところ、ブチルアクリレート/ブタジエン共重
合体をコアとし、シェル部分をスチレン/アクリロニト
リル共重合とする、固形分35重量%の重合体エマルジ
ョンを得た。
ノール基を有する重合体の合成でNUCシランモノマー
A−171を使用しない他は、全く同様にして乳化重合
を行ったところ、ブチルアクリレート/ブタジエン共重
合体をコアとし、シェル部分をスチレン/アクリロニト
リル共重合とする、固形分35重量%の重合体エマルジ
ョンを得た。
【0050】実施例1のシリカ微粒子の担持工程に於い
て、シラノール基を有する重合体エマルジョンの代りに
上記のコアーシェル型エマルジョン850grを使用して
他の条件は同一に行ったところ、重合体粉末は得られ
ず、粘着性の大きい粒径200〜500μの粗粒子とな
り、微粉末化は困難であった。
て、シラノール基を有する重合体エマルジョンの代りに
上記のコアーシェル型エマルジョン850grを使用して
他の条件は同一に行ったところ、重合体粉末は得られ
ず、粘着性の大きい粒径200〜500μの粗粒子とな
り、微粉末化は困難であった。
【0051】実施例2 ○シラノール基を有する重合体エマルジョンの合成 2Lステンレス製オートクレーブに純水1000cc、ゴ
ーセノールGM−14(ケン化度86モル%、平均重合
度1400の部分ケン化PVA、日本合成化学工業
(株)製)10gr、過硫酸カリウム10gr、アクリル酸
10gr、酢酸ビニル190gr及びエチレン300grを仕
込み、プロペラ型撹拌翼で撹拌(400rpm)しながら
50℃で20時間乳化重合を行った。残存するエチレン
ガスをパージした後、さらにレベノールWZ19.2g
r、過硫酸カリウム0.5gr、スチレン66gr、アクリ
ロニトリル30gr及びNUCシランモノマーA−174
(γ−メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、日本ユニカー(株)製)4grを仕込み、70℃で5
時間乳化重合を続けたところ、アクリル酸/酢酸ビニル
/エチレン共重合体をコアーとし、シェル部分をシラノ
ール基を有するスチレン/アクリロニトリル共重合体と
する、固形分34重量%の重合体エマルジョンを得た。
ーセノールGM−14(ケン化度86モル%、平均重合
度1400の部分ケン化PVA、日本合成化学工業
(株)製)10gr、過硫酸カリウム10gr、アクリル酸
10gr、酢酸ビニル190gr及びエチレン300grを仕
込み、プロペラ型撹拌翼で撹拌(400rpm)しながら
50℃で20時間乳化重合を行った。残存するエチレン
ガスをパージした後、さらにレベノールWZ19.2g
r、過硫酸カリウム0.5gr、スチレン66gr、アクリ
ロニトリル30gr及びNUCシランモノマーA−174
(γ−メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、日本ユニカー(株)製)4grを仕込み、70℃で5
時間乳化重合を続けたところ、アクリル酸/酢酸ビニル
/エチレン共重合体をコアーとし、シェル部分をシラノ
ール基を有するスチレン/アクリロニトリル共重合体と
する、固形分34重量%の重合体エマルジョンを得た。
【0052】○重合体粉末の製造 実施例1において、シラノール基を有する重合体エマル
ジョンに、上記の重合体エマルジョン880grを使用し
た以外の条件は同様にして、シリカ微粒子の担持を行っ
たところ、粒径10〜70μで、表面にシリカ(5重量
%)を担持した酢酸ビニル/エチレンを主成分とする共
重合体(95重量%)の粉末280grを得た。
ジョンに、上記の重合体エマルジョン880grを使用し
た以外の条件は同様にして、シリカ微粒子の担持を行っ
たところ、粒径10〜70μで、表面にシリカ(5重量
%)を担持した酢酸ビニル/エチレンを主成分とする共
重合体(95重量%)の粉末280grを得た。
【0053】得られた重合体粉末に対して実施例1と同
様に評価した結果は表2の通りであった。
様に評価した結果は表2の通りであった。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の重合体粉末製造方法によれば、
無機質層の原料としてゾル以外の無機質微粒子を使用し
た場合においても微粒子状の重合体粉末を製造すること
が出来る。また、本発明の重合体粉末製造方法により製
造される重合体粉末は、表面が無機質で担持されている
為、広範囲の樹脂に配合された場合、界面において容易
に相溶し、該樹脂に内部応力緩和性、接着性、表面の耐
久性或いは艶消し性を付与することが出来、又セメント
に配合された場合、該セメントの硬化物に曲げ強度、耐
衝撃性或いは耐ヒビ割れ性を付与することが出来て、特
に半導体装置用封止剤、構造接着剤或いは耐久性塗料基
材の改質剤として有用である。
無機質層の原料としてゾル以外の無機質微粒子を使用し
た場合においても微粒子状の重合体粉末を製造すること
が出来る。また、本発明の重合体粉末製造方法により製
造される重合体粉末は、表面が無機質で担持されている
為、広範囲の樹脂に配合された場合、界面において容易
に相溶し、該樹脂に内部応力緩和性、接着性、表面の耐
久性或いは艶消し性を付与することが出来、又セメント
に配合された場合、該セメントの硬化物に曲げ強度、耐
衝撃性或いは耐ヒビ割れ性を付与することが出来て、特
に半導体装置用封止剤、構造接着剤或いは耐久性塗料基
材の改質剤として有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】無機質微粒子の非ゾル状水性分散液とシラ
ノール基を有する重合体のエマルジョンとの混合液より
析出させることを特徴とする重合体粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9966291A JP2906728B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 重合体粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9966291A JP2906728B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 重合体粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04309528A JPH04309528A (ja) | 1992-11-02 |
JP2906728B2 true JP2906728B2 (ja) | 1999-06-21 |
Family
ID=14253255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9966291A Expired - Fee Related JP2906728B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 重合体粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2906728B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9314604D0 (en) * | 1993-07-14 | 1993-08-25 | Dow Deutschland Inc | Light diffuser composition |
JP4649699B2 (ja) * | 2000-02-17 | 2011-03-16 | Jsr株式会社 | ゴム状重合体組成物 |
-
1991
- 1991-04-04 JP JP9966291A patent/JP2906728B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04309528A (ja) | 1992-11-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |