JPH04261433A - 重合体粉末粒子及びその製造方法 - Google Patents

重合体粉末粒子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH04261433A
JPH04261433A JP4218191A JP4218191A JPH04261433A JP H04261433 A JPH04261433 A JP H04261433A JP 4218191 A JP4218191 A JP 4218191A JP 4218191 A JP4218191 A JP 4218191A JP H04261433 A JPH04261433 A JP H04261433A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
emulsion
transition temperature
inorganic
polymer powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4218191A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Isobe
磯部 安司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP4218191A priority Critical patent/JPH04261433A/ja
Publication of JPH04261433A publication Critical patent/JPH04261433A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス転移温度が20
℃以上の重合体と無機質からなる皮膜を有する重合体粉
末粒子及びその製造方法に関するものであり、該粒子は
、重合体を芯物質とし、ガラス転移温度が20℃以上の
重合体及び無機質を壁剤とするマイクロカプセルとも称
し得るものであり、各種の樹脂或いはセメントの改質剤
として広く用いられるものである。
【0002】本発明の重合体粉末粒子は、ガラス転移温
度が20℃以上の重合体と無機質からなる皮膜を有する
ために粒子に粘着性がなく、微粒子状の形態を維持する
ことが出来、又、種々の樹脂と容易に界面に於いて相溶
する性質を有するため、他の樹脂に添加された場合、該
樹脂に内部応力緩和性、接着性、表面の耐久性或いは艶
消し性を付与し得るものであり、又、セメントに配合さ
れた場合、該セメント硬化物に曲げ強度、耐衝撃性或い
は耐ヒビ割れ性を付与することが出来るため、接着剤、
塗料、半導体装置用封止剤、エンジニアリングプラスチ
ック基材の製造等に、又はモルタル或いはコンクリート
基材等の改質剤として使用されるものであり、これらを
使用する幅広い業界で利用され得るものである。
【0003】
【従来の技術】エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メタアク
リル樹脂、2−シアノアクリレ−ト樹脂、ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂或
いは液晶ポリマー等は、それらの特性、すなわち優れた
接着性、絶縁性、耐熱性或いは耐湿性に応じて成形用原
料、接着剤用原料或いは電子材料のパッケージとして幅
広く用いられている。
【0004】しかしながら、これらの樹脂は靱性におい
ては完全に満足できるものではなく、特に温度変化があ
ったときに、構成体の熱膨張に起因する内部応力が生じ
、樹脂自体に亀裂を生じたり、被着材との界面に於いて
剥離が生じ易いものである。
【0005】この改良のために、微粒子状のシリコーン
ゴムを始めとする各種のゴム或いは流動性のシリコーン
オイル等の可塑剤を添加することが度々行われている。 これらにより、樹脂の靱性はある程度改善されるが、こ
れらの添加剤は樹脂中において分散が困難、耐クラック
性の向上には不充分、又ゴムを添加する場合は、樹脂自
体の弾性、耐熱性或いは耐湿性の低下、シリコーンオイ
ル等の可塑剤の添加の場合は、構成体の界面に該可塑剤
がブリードし易く、パッケージと基板間の剥離或いは表
面の汚れ又は印刷性の不良等の問題点が存在しているの
が現状である。
【0006】上記樹脂の改質のためにゴムを添加する場
合は、弾性或いは耐熱性を低下させない為に、ゴムを微
細に分散させていわゆる海島構造にするのが好ましいの
であるが、ゴムは粘着性を有するため、樹脂中で微細粒
子として均一に分散させることは困難である。このため
粘着防止剤としてシリカ、タルク、塩化ビニル或いはア
クリロニトリル重合体、ステアリン酸カルシウム等を用
いることが提案されているが、それらの使用では、ゴム
を数百μ程度にするのが限度であり、加圧下でゴム同志
が再凝結したり、樹脂中で均一に分散され得なかった。
【0007】本発明者は、先にこれらの問題を解決する
為に、樹脂、セメント等に配合された場合、重合体粉末
粒子同志の凝結がなく、これらの内部応力緩和性、接着
性、表面の耐久性或いは艶消し性を等を改良する、無機
質ゾル由来の無機質を担持した重合体粉末粒子について
提案を行ってきた(特願平2−234049号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記提案では、表面が
無機質で担持された重合体粉末粒子は、他の樹脂に配合
された場合、物理的結合性は有しているものの、化学的
結合力に不充分な面があり、改質する樹脂との親和性が
部分的に阻害されることがある為、他の樹脂との親和性
、相溶性を向上させるために、無機質を担持した表面を
シランカップリング剤により改質した重合体粉末粒子も
提案した。
【0009】本発明者は、種々の樹脂との親和性、相溶
性を改善する、上記提案と異なる重合体粉末粒子及びそ
の製造方法を見出すために鋭意検討を行ったのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決には、ガラス転移温度が20℃以上の重合体及び無
機質からなる皮膜を有する重合体粉末粒子でなし得るこ
とを見出し本発明に到った。
【0011】すなわち、本発明は、ガラス転移温度が2
0℃以上の重合体と無機質ゾル由来の無機質からなる皮
膜を有することを特徴とする重合体粉末粒子に関するも
のであり、また、無機質ゾル、シラノール基を有せずガ
ラス転移温度が20℃以上の重合体のエマルジョン及び
シラノール基を有する重合体のエマルジョンを混合した
後凝集させることにより粒子を形成させることを特徴と
する重合体粉末粒子の製造方法に関するものである。
【0012】本発明の重合体粉末粒子は、無機質と重合
体の両者の特質を有し、且つ界面に於いては他の種々の
樹脂と相溶性の高い複合体からなる微粒子であり、さら
に該粉末は無機質の皮膜に起因する耐溶剤性、耐熱性或
いは耐候性に優れると共に、特に他の樹脂に配合された
場合、異質の重合体の微粒子に基づく内部応力緩和性等
を発揮するものである。
【0013】○無機質ゾル 本発明において、重合体粒子表面の皮膜の形成のために
使用される無機質ゾルは、無機質の超微粒子を水中に分
散せしめたコロイド溶液であり、無機質としてはシリカ
、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化鉄、酸化ア
ンチモン或いは酸化錫等を挙げることが出来る。
【0014】これらの無機質ゾルの好ましい粒子径は、
1〜400mμであり、重合体粉末粒子を製造を容易に
する点で5〜50mμのものがより好ましく、特に好ま
しいものは5〜20mμのものである。
【0015】特に好ましい無機質ゾルは、太さが5〜2
0mμ、長さが40〜400mμで細長い形状を有する
水系シリカゾルである。かかるシリカゾルは、増粘ゲル
化性が大きく、且つ皮膜を形成し易いので本発明に好適
である。
【0016】又、本発明においては、数種類の無機質ゾ
ルを併用することも可能である。
【0017】○ガラス転位温度が20℃以上の重合体本
発明において、重合体粒子表面の皮膜の形成のための重
合体としては、ガラス転移温度が20℃以上の重合体で
ある必要があり、好ましくは50℃以上のものである。 ガラス転位温度が20℃に満たない重合体であるときは
、それ自身微粒子の形態を維持することが困難であり、
さらに生成する重合体粉末が粘着性を帯びる為、微粒子
として得ることが困難であり不適当である。また、該重
合体としては、シラノール基を有さないものを選択する
ことが好ましく、ガラス転位温度が20℃以上であって
もシラノール基を有する場合は、最終的に得られる重合
体粉末が、無機質の皮膜を有する、ガラス転位温度が2
0℃以上の重合体粉末とシラノール基を有する重合体粉
末の混合物となってしまい、目的の皮膜を生成させるこ
とが困難となる。
【0018】ガラス転移温度が20℃以上の重合体とし
ては、熱可塑性或いは熱硬化性重合体がアニオン、カチ
オン或いはノニオンの界面活性剤でエマルジョンとされ
たものである。熱可塑性重合体としては、例えば、ポリ
オレフィン、ポリジエン、ポリハロゲン化ビニル、ポリ
スチレン、不飽和脂肪酸或いはこのエステルの重合体、
不飽和ニトリル重合体又はこれらの単量体を共重合成分
とする共重合体が挙げられる。
【0019】熱硬化性重合体としては、尿素樹脂、エポ
キシ樹脂、反応性ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリアリル樹脂、アルキド樹脂、又は上
記熱可塑性重合体を骨格に有し、加熱による架橋性を有
するグリシジル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基
或いはアリル基を有する重合体、又はこれらを構成単位
とする共重合体が挙げられる。
【0020】特にこれらの重合体のうち、アクリル酸エ
ステル、メタアクリル酸エステルを主成分とする重合体
、共重合体を使用することが、微粒子状のエマルジョン
が得られ易い為好ましい。
【0021】該重合体エマルジョンの粒径は、1μ以下
が好ましく、さらに0.3μ以下が好ましい。粒径が1
μを越えるものは、重合体粒子表面に担持した場合、無
機質との密着性が減少し、又、成膜性も悪くなる。
【0022】○シラノール基を有する重合体本発明のガ
ラス転位温度が20℃以上の重合体及び無機質からなる
皮膜を有する重合体としては、シラノール基を有する重
合体であることが好ましく、シラノール基を有しないも
のは、無機質及びガラス転位温度が20℃以上の重合体
からなる皮膜を生成させることが困難となる。
【0023】シラノール基を有する重合体は、例えば重
合体エマルジョンの存在下、アクリルオキシ基、メタア
クリルオキシ基或いはビニル基を有するアルコキシシラ
ン又はハロゲンシランを重合させことにより得ることが
出来る。尚、シラノール基は、珪素上のアルコキシ基、
ハロゲン基が加水分解されることにより付与される。こ
の場合、アルコキシシラン又はハロゲンシランは、単独
で重合させるとゲル化が起こり易い為、スチレン、アク
リロニトリル、メタアクリロニトリル、メタアクリル酸
エステル、N−ビニルピロリドン或いはN−ビニルカプ
ロラクタム等と共重合させることが好ましい。かかる重
合体は、芯を構成する重合体と、外壁に好ましくはガラ
ス転位温度50〜200℃の重合体を有するコアーシェ
ル型の重合体エマルジョンと称されるものである。
【0024】尚、アクリルオキシ基、メタアクリルオキ
シ基或いはビニル基を有するアルコキシシラン又はハロ
ゲンシランの具体的化合物としては、γ−アクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリルオキ
シプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(メトキシエトキシ)シラン或いはビニルト
リクロロシラン等を挙げることが出来る。
【0025】コアーの重合体は、熱可塑性或いは熱硬化
性重合体がアニオン、カチオン或いはノニオンの界面活
性剤でエマルジョンとされたものであり、上記のガラス
転位点が20℃以上の重合体エマルジョンの他に、ゴム
状或いは室温下で粘着性の大きい重合体エマルジョンも
含むことができる。
【0026】本発明では、コアーの重合体エマルジョン
として、ゴムエマルジョンを使用することが好ましく、
具体的にはアクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプ
レンゴム、スチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴ
ム或いはスチレン−酢ビゴム等のゴムエマルジョンが挙
げられる。
【0027】この場合、コアーとなる重合体成分は、重
合体全量の30重量%以上であることが好ましく、重合
体成分が30重量%に満たない場合は、最終的に得られ
た重合体粒子にコアーとなる重合体成分の弾性効果を付
与し難くなる。さらに好ましい重合体の含有割合は50
〜90重量%である。
【0028】シェル部の重合体、即ちシラノール基を有
しガラス転位温度が50〜200℃の重合体を形成させ
る単量体の組合せとしては、例えばアクリロニトリル或
いはメタアクリロニトリル2〜80モル%、アルコキシ
シラン又はハロゲンシラン2〜40モル%と適宜他のビ
ニル基を有する単量体を挙げることが出来、また、コア
ーの重合体にゴムを使用する場合には、スチレン、アク
リロニトリル、メタアクリロニトリル及びメチルメタア
クリレートから選ばれた1種以上の単量体40重量%以
上とアルコキシシラン又はハロゲンシラン0.1〜30
重量%と残部がアクリル酸エステル、メタアクリル酸エ
ステル、マレイン酸又はフマル酸のモノエステル又はジ
エステル、α−アルキルスチレン、ベンゼン核が置換さ
れたスチレン、或いは、さらにこれらの単量体から誘導
される水酸基、アミノ基、カルボキシル基、グリシジル
基或いはアリル基等の他官能基を有する公知のビニル単
量体であるものが好ましいものとして挙げられる。
【0029】かかる重合体エマルジョンは、粒径が好ま
しくは30μ以下、さらに好ましくは10μ以下、特に
好ましくは粒径0.1〜3μのものが、無機質ゾル及び
ガラス転位温度が20℃以上の重合体とを混合してスラ
リー化する際、一段とそれらを表面に担持するのが容易
であり、緻密に無機質及びガラス転位温度が20℃以上
の重合体とで被覆された重合体粉末が生成するため好ま
しい。
【0030】○凝集方法 本発明の重合体粉末粒子は、無機質ゾル、シラノール基
を有せずガラス転移温度20℃以上の重合体エマルジョ
ン及びシラノール基を有する重合体エマルジョンを混合
した後、凝集により粒子を取得するという方法で容易に
製造することが出来、該方法により、シラノール基を有
する重合体粒子表面上に無機質及びガラス転移温度20
℃以上の重合体からなる皮膜を生成させることが出来る
【0031】本発明の重合体粉末粒子の製造方法として
は、芯となる重合体と皮膜となる重合体との粘着性の差
異、凝集速度差を利用する方法等で製造することも可能
である。
【0032】凝集方法としては、一般的な公知の方法で
良く、例えば無機質ゾルとガラス転位点が20℃以上の
重合体エマルジョン及び芯となる重合体のエマルジョン
とを比較的低速の撹拌機を使用して均一に混合した混合
液を、塩析剤が溶解する水溶液中に比較的高撹拌下で徐
々に添加する方法であり、該方法により重合体がスラリ
ー化すると同時に、無機質及びガラス転移温度が20℃
以上の重合体からなる皮膜を有した重合体粉末が生成す
る。この場合、塩析剤の代わりに水溶性高分子を使用し
て担持すれば、電気絶縁性を不良にする溶解性の無機化
合物を減少させることが出来、好ましい方法である。
【0033】無機質ゾル、ガラス転位点が20℃以上の
重合体エマルジョンと芯となる重合体エマルジョンの併
用割合は、製品としての重合体粉末粒子に求められる特
性に応じて調整し得るものであるが、無機質ゾル中の無
機質成分、ガラス転移温度が20℃以上の重合体エマル
ジョン及び芯となる重合体エマルジョン中の重合体を合
わせた量の2〜98重量%が芯となる重合体成分である
のが好ましく、芯となる重合体成分が2重量%未満であ
ると最終目的の重合体粉末粒子に芯の重合体の特性を付
与することが困難になり、又98重量%を越えて無機質
分が少なくなると重合体を微粒子とすることが困難とな
るばかりでなく、他の樹脂、セメント等への分散性、界
面における結合性が不充分となり、これらの樹脂、セメ
ント等に対する靭性或いは応力緩和性等の付与が困難に
なる。
【0034】重合体粉末粒子として芯となる重合体の性
能を充分に有し、また微粒子状を維持する為には、重合
体粉末中の芯となる重合体成分が10〜95重量%であ
るのが好ましく、より好ましくは20〜90重量%、特
に好ましくは30〜90重量%である。
【0035】又、ガラス転移温度が20℃以上の重合体
の併用割合は、無機質ゾル及びガラス転移温度が20℃
以上の重合体を合わせた量のうち、2〜98重量%がガ
ラス転移温度が20℃以上の重合体であることが好まし
く、特に好ましくは30〜90重量%である。
【0036】○スラリーの洗浄方法及び乾燥方法上記凝
集方法により得られた重合体スラリーの洗浄方法は、純
水を加えロ過する操作を繰り返す一般的な方法でよく、
又該工程に入る前、スラリーに若干量の無機酸類を加え
てから同様な水洗処理を施せば、電気絶縁性を不良にす
る溶解性の無機化合物を除くことができより好ましい方
法である。
【0037】こうして洗浄し、濃縮されたスラリーをノ
ズル式又は遠心式のスプレー乾燥機に通して霧状に分散
させながら乾燥することにより、無機質とガラス転位温
度が20℃以上の重合体からなる皮膜で被覆された、粒
径30μ以下、さらには10μ以下の微粉末状の重合体
粒子が得られる。これらの重合体粉末粒子は取扱いが容
易である為、広範囲の用途に使用出来る。
【0038】○利用方法 本発明の重合体粉末粒子は、各種の樹脂に添加されて、
それらの樹脂の応力緩和性、接着性、表面耐久性或いは
艶消し性を改良し、又セメントに添加される場合は、該
セメント硬化物の曲げ強度、耐衝撃性或いは耐ヒビ割れ
性を改良するものであるが、該重合体粉末粒子の添加方
法としては、樹脂が液状であるとき、及びセメントに添
加するときは、単に添加し、常用の撹拌機で撹拌するだ
けでよく、樹脂が固形状の場合は、溶融させるか溶剤を
使用して液状となしたうえで、同様に添加混合し得る。
【0039】
【作用】本発明の重合体粉末粒子が他の樹脂に配合され
た場合、樹脂との親和性、相溶性が改善されるのは、重
合体粒子の表面に無機質のみならず重合体をも含有した
皮膜である為、樹脂との化学的親和性が改善される為で
あり、又この皮膜となる重合体が、ガラス転移温度が2
0℃以上重合体であり粘着性が小さい為、他の樹脂に配
合された場合、重合体粉末粒子同士が凝結することがな
いからである。
【0040】
【実施例】以下実施例に基づいて、本発明を更に詳細に
説明する。
【0041】実施例1. ○ガラス転移温度が20℃以上の重合体エマルジョン〔
A1〕の合成 2L4つ口フラスコに純水1000cc、レベノールW
Z(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
ナトリウムの26重量%水溶液、花王(株)製)38g
r、過硫酸カリウム1.4gr、メタアクリル酸メチル
700gr及びグリシジルメタアクリレート7grを仕
込み、プロペラ型撹拌翼で撹拌(350rpm )しな
がら、フラスコの空間部に窒素を流し(0.1L/mi
n)、70℃で3時間乳化重合を行った。
【0042】その結果、粒子径0.05〜0.1μ、固
形分40重量%、ガラス転移温度105℃のポリメチル
メタアクリレートを主成分とする共重合体のエマルジョ
ン〔A1〕を得た。
【0043】○シラノール基を有する重合体エマルジョ
ン〔B1〕の合成 2L4つ口フラスコに純水310cc、スチレン−ブタ
ジエンゴムエマルジョン「トマックスーパー」(固形分
45.0重量%、日本ラテックス加工(株)製)122
0gr、スチレン98gr、アクリロニトリル42gr
、γ−メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン
8gr及び過硫酸アンモン0.8grを仕込み、重合体
エマルジョン〔A1〕の場合と同様の方法で乳化重合を
行った。
【0044】その結果、粒子径0.1〜0.2μ、固形
分40.5重量%のスチレン−ブタジエンゴムをコアと
し、スチレン−アクリロニトリル−γ−メタアクリルオ
キシプロピルトリメトキシシランの共重合体をシェルと
する重合体エマルジョン〔B1〕を得た。
【0045】○シリカゾル、〔A1〕及び〔B1〕の凝
集 シリカゾル「スノーテックスUP」(固形分20重量%
、太さ5〜20mμ、長さ40〜300mμの棒状のシ
リカゾル、日産化学工業(株)製)80gr、重合体エ
マルジョン〔A1〕40gr及び重合体エマルジョン〔
B1〕720grを充分混合して、「メトローズ90S
H4000」(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
高粘度タイプ、信越化学工業(株)製)0.5重量%の
水溶液3700ccが仕込まれた12L混合槽中に、2
5℃にてプロペラ型撹拌翼で撹拌下(600rpm )
に20分かけて添加してスラリーを得た。
【0046】○スラリーの洗浄及び乾燥上記スラリーを
ロ過及び水洗を繰り返して、固形分10重量%及びpH
5.5としたものを、ディスク型スプレー乾燥機に通し
て乾燥したところ、粒径1〜10μのブタジエン共重合
体90重量%を芯材とし、シリカ5重量%及びポリメチ
ルメタアクリレートを主成分とする共重合体5重量%か
らなる皮膜を有する重合体粉末粒子300grを得た。
【0047】○性能評価 得られた重合体粉末粒子は次の様に評価した。
【0048】■剪断接着強度の測定 得られた重合体粉末粒子をエピコート828(ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190、シェル
化学(株)製)100重量部、バーサミド125(ポリ
アミド−アミン型エポキシ樹脂用硬化剤、アミン価35
0;ヘンケル白水(株)製)40重量部からなる組成物
に、表1のように配合して、ラボミキサーで混合(5分
間)した。厚さ1.6mmのSS鋼板に配合物を厚さ0
.2mmで塗膜し、これに他方の同様な鋼板を重ね、1
30℃で2時間硬化させた後、23℃迄冷却して、10
mm/minの変位速度で測定した。
【0049】■剥離強度の測定 厚さ0.6mmのアルミ板に配合物を厚さ0.2mmで
塗膜し、これに他方の同様なアルミ板を重ね、130℃
で2時間硬化させた後、23℃迄冷却して、T字向き2
0mm/minの変位速度で測定した。
【0050】■耐クラック性の測定 JIS  C  2150(1979)の電気絶縁用無
溶剤液状レジンの試験方法に従って、テーパが内面につ
いた内径60mm、深さ18mmのステンレス製の皿の
中央にJIS  B  1251が規定するバネ座金2
号12Sを置いて、この中に該配合物を満たした。これ
を120℃で2時間硬化した後、JIS  C  21
50(1979)に規定する冷熱サイクル試験に於いて
、クラックを生じたサイクル段階を記録した。
【0051】評価結果は表−1の通りであった。
【0052】
【0053】比較例1. 実施例1の凝集工程に於いて、シリカゾルを使用する代
わりに超微粒子状無水シリカ「アエロジル200」(一
次粒子径2mμ、日本アエロジル(株)製)16grを
用いて、同様に重合体エマルジョン〔A1〕及び重合体
エマルジョン〔B1〕を充分混合して、さらに同様にス
ラリー化及びスプレー乾燥機により乾燥したところ、粒
径0.5〜1.0mmのブタジエン共重合体90重量%
を芯材とし、シリカ5重量%及びポリメチルメタアクリ
レート5重量%からなる皮膜を有する250grの粘着
性の粗粒子であった。
【0054】該粉末に対して、実施例1と同様に評価し
た結果は表−2の通りであった。
【0055】
【0056】実施例2 ○ガラス転移温度が20℃以上の重合体エマルジョン〔
A2〕の合成 実施例1においてメタアクリル酸メチル及びグリシジル
メタアクリレートを仕込む代わりに、スチレン350g
r、メチルアクリレート350gr及びメタアクリル酸
7grを仕込み、他の条件は実施例1と同様に行った。 その結果、粒子径0.05〜0.1μ、固形分39.5
重量%、ガラス転移温度50℃のスチレン−メチルアク
リレートを主成分とする共重合体〔A2〕を得た。
【0057】○シラノール基を有する重合体エマルジョ
ン〔B2〕の合成 実施例1において、スチレン−ブタジエンゴムエマルジ
ョン「トマックスーパー」を仕込む代わりに、ブチルア
クリレート70重量部、2−エトキシエチルアクリレー
ト29.8重量部及びアリルメタアクリレート0.2重
量部よりなるアクリルゴムのエマルジョン(固形分45
.0重量%)1220grを仕込み、他の条件は実施例
1と同様に行った。
【0058】その結果、粒子径0.1〜0.2μ及び固
形分40重量%のアクリルゴムをコアとし、スチレン−
アクリロニトリル−γ−メタアクリルオキシプロピルト
リメトキシシランの共重合体をシェルとする重合体エマ
ルジョン〔B2〕を得た。
【0059】○凝集、スラリー洗浄及び乾燥実施例1に
おいて、シリカゾルの代わりにジルコニアゾル「NZS
−30B」(固形分30重量%、粒子径70mμの球状
粒子、日産化学工業(株)製)27gr、重合体エマル
ジョン〔A1〕、〔B1〕の代わりに重合体エマルジョ
ン〔A2〕60gr及び重合体エマルジョン〔B2〕7
20grを使用して、他の条件は実施例1と同様に行っ
たところ、粒径1〜10μのアクリルゴム共重合体90
重量%を芯材とし、ジルコニア2重量%及びスチレン−
メチルアクリレートを主成分とする共重合体8重量%か
らなる皮膜を有する重合体粉末粒子290grを得た。
【0060】該重合体粉末粒子に対して実施例1と同様
に評価した結果は表−3の通りであった。
【0061】
【0062】
【発明の効果】本発明の重合体粉末粒子は、表面が無機
質及びガラス転移温度が20℃以上の重合からなる皮膜
を有しているため、広範囲に渡る各種の樹脂に配合され
た場合、界面において容易に相溶し、該樹脂に内部応力
緩和性、接着性、表面の耐久性或いは艶消し性を付与す
ることが出来、又セメントに配合された場合、該セメン
ト硬化物に曲げ強度、耐衝撃性或いは耐ヒビ割れ性を付
与することが出来るものであって、特に半導体装置用封
止剤、構造接着剤或いは耐久性塗料基材の改質剤として
有効なものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス転移温度が20℃以上の重合体と無
    機質ゾル由来の無機質からなる皮膜を有することを特徴
    とする重合体粉末粒子。
  2. 【請求項2】無機質ゾル、シラノール基を有せずガラス
    転移温度が20℃以上の重合体のエマルジョン及びシラ
    ノール基を有する重合体のエマルジョンを混合した後凝
    集させることにより粒子を形成させることを特徴とする
    重合体粉末粒子の製造方法。
JP4218191A 1991-02-15 1991-02-15 重合体粉末粒子及びその製造方法 Pending JPH04261433A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4218191A JPH04261433A (ja) 1991-02-15 1991-02-15 重合体粉末粒子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4218191A JPH04261433A (ja) 1991-02-15 1991-02-15 重合体粉末粒子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04261433A true JPH04261433A (ja) 1992-09-17

Family

ID=12628824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4218191A Pending JPH04261433A (ja) 1991-02-15 1991-02-15 重合体粉末粒子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04261433A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001323070A (ja) * 2000-03-08 2001-11-20 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 球状複合粒子及びこれを配合した化粧料
JP2012236878A (ja) * 2011-05-10 2012-12-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd 複合体及びその製造方法、ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2016166269A (ja) * 2015-03-09 2016-09-15 富士フイルム株式会社 樹脂組成物の製造方法、樹脂組成物、積層材料の製造方法および積層材料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001323070A (ja) * 2000-03-08 2001-11-20 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 球状複合粒子及びこれを配合した化粧料
JP2012236878A (ja) * 2011-05-10 2012-12-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd 複合体及びその製造方法、ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2016166269A (ja) * 2015-03-09 2016-09-15 富士フイルム株式会社 樹脂組成物の製造方法、樹脂組成物、積層材料の製造方法および積層材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3621885B2 (ja) アクリル系重合体微粒子及びそれを用いたプラスチゾル
JP2844886B2 (ja) 重合体粉末
JP5030780B2 (ja) 制振材用エマルション
JPH0448832B2 (ja)
JP2014203006A (ja) 光学塗膜、光学塗膜の製造方法、及び反射防止膜
JP2637955B2 (ja) 水性被覆用組成物
JP2006193700A (ja) 有機無機ハイブリッド粒子
WO1999041315A1 (fr) Emulsions aqueuses contenant des particules de caoutchouc de silicone
JP3513985B2 (ja) 硬化性重合体水性分散液の製造方法及び硬化性重合体水性分散液
JP3621918B2 (ja) アクリル系重合体微粒子の製造方法
CN109836876A (zh) 一种路用水性双层硅膜嫁接改性发光涂料及其制备方法和应用
CN105524551B (zh) 光学涂膜、光学涂膜的制造方法以及防反射膜
JPS6363756A (ja) 分散型塗料樹脂組成物
JPH04261433A (ja) 重合体粉末粒子及びその製造方法
JPH06254380A (ja) 複合マイクロバルーン
JP4951239B2 (ja) 2液系プラスチゾル組成物およびその使用方法
CN113502139B (zh) 一种耐低温缓粘结预应力筋
JP5770432B2 (ja) 加熱乾燥用エマルション組成物、その製造方法及び制振材組成物
JP2906728B2 (ja) 重合体粉末の製造方法
JPH05836A (ja) シリコーン変性重合体粉末
JP5685002B2 (ja) 制振材用エマルション及び制振材組成物
JP3946215B2 (ja) アクリル系重合体微粒子
JP3019302B2 (ja) 重合体粉末の製造方法
JP2005179661A (ja) 有機無機ハイブリッド粒子及びそれから得られる無機粒子及び有機無機ハイブリッド粒子の製造方法
JPH04225829A (ja) 重合体粉末