JPH05836A - シリコーン変性重合体粉末 - Google Patents

シリコーン変性重合体粉末

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JPH05836A
JPH05836A JP17714191A JP17714191A JPH05836A JP H05836 A JPH05836 A JP H05836A JP 17714191 A JP17714191 A JP 17714191A JP 17714191 A JP17714191 A JP 17714191A JP H05836 A JPH05836 A JP H05836A
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JP
Japan
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weight
copolymer latex
polymer powder
monomer
polysiloxane
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Withdrawn
Application number
JP17714191A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Ozaki
一郎 尾崎
Akio Hiraharu
晃男 平春
Yorinobu Ikeda
頼信 池田
Yoshiaki Yonekawa
芳明 米川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定の共重合体ラテックス100重量部(固
形分換算)に対して、ポリシロキサン0.05〜40重
量部を含有する共重合体ラテックスを乾燥することによ
り得られ、重合体粒子の粒子径が0.5〜150μmの
範囲に含まれるシリコーン変性重合体粉末。 【効果】 本発明のシリコーン変性重合体粉末は、セメ
ント混和剤をはじめとする各種材料の改良剤、あるいは
塗料,接着剤として用いると、曲げ強度,耐水性および
基体に対する接着性などの点で優れる。また、本発明の
シリコーン変性重合体粉末はポリシロキサンを含有する
ことから、重合体粉末の製造性に優れ、かつ粉体特性に
優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメント,石膏,アス
ファルト,樹脂などの改質剤、あるいは塗料、接着剤な
どに好適なシリコーン変性重合体粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】重合体粉末は、セメント,石膏,アスフ
ァルト,樹脂などの改質剤、塗料、接着剤などに使用す
る場合、従来一般に使用されている水系重合体ラテック
スに比べ、水成分を含まないために、現場調合が容易で
あること、正確な調合が可能であること、運搬および取
扱いが容易であること、濃度の高い調合液が得られるの
で乾燥性,作業性,品質に優れることなど、数々の優れ
た点を有することから、近年注目されている。
【0003】そして、上記の用途には、従来、酢酸ビニ
ル重合体、酢酸ビニル−バーサテック酸重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル系重合体などの重合体粉末が使用されて
いる。しかし、これらの重合体粉末は、例えば改質剤,
接着剤などに用いた場合、曲げ強度、耐水性および基体
に対する接着性が必ずしも充分でない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、重合体粉末の製造性
および粉末特性に優れ、改質剤,接着剤などに用いた場
合、曲げ強度、耐水性および基体に対する接着性に優れ
た重合体粉末を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)芳香族
ビニル系単量体および/またはアルキル基の炭素数が1
〜3のエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル単
量体30〜99重量%、(b)脂肪族共役ジエン系単量
体および/またはアルキル基の炭素数が4〜12のエチ
レン性不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体
1〜70重量%、(c)上記(a),(b)成分と共重
合可能なその他の単量体0〜60重量%、からなる共重
合体100重量部(固形分換算)に対し、ポリシロキサ
ン0.05〜40重量部を含有する共重合体ラテックス
を乾燥させることによって得られ、かつ粒子径が0.5
〜150μmであることを特徴とするシリコーン変性重
合体粉末を提供するものである。
【0006】なお、ここにおいて「シリコーン変性」と
は、前記共重合体とポリシロキサンとが共存する状態を
いい、具体的には両者が粒子状態で混合されている場
合、共重合体粒子中にポリシロキサンが複合化されてい
る場合、共重合体の骨格中にポリシロキサン鎖が導入さ
れている場合などを示す。
【0007】以下、本発明について、詳細に説明する。
【0008】(共重合体ラテックス)本発明の共重合体
を製造するための(a)成分である芳香族ビニル系単量
体としては、スチレン,α−メチルスチレン,p−メチ
ルスチレン,ビニルトルエン,クロルスチレン,スチレ
ンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられ、特にスチレン
が好ましい。
【0009】また、(a)成分を構成する他の単量体で
ある、アルキル基の炭素数が1〜3のエチレン性不飽和
カルボン酸アルキルエステル単量体とは、アルキル基の
炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
であり、その具体例としては、メチル(メタ)アクリレ
ート,エチル(メタ)アクリレート,イソブチル(メ
タ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0010】これら(a)成分は、1種単独で使用する
ことも、また2種以上を併用することもできる。
【0011】そして、(a)成分の使用割合は、単量体
(a)〜(c)成分全体に対して30〜99重量%、好
ましくは35〜95重量%、さらに好ましくは40〜9
0重量%である。(a)成分の使用量が30重量%未満
では、得られた粉末に融着、ブロッキングなどが発生し
粉体特性が劣ることから、良好な状態での粉末が得られ
ず、さらに曲げ強度が充分でない。(a)成分が99重
量%を越えると、接着性が充分でない。
【0012】(b)成分の脂肪族共役ジエン系単量体と
しては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル
−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
【0013】また、(b)成分を構成する他の単量体で
あるアルキル基の炭素数が4〜12のエチレン性不飽和
カルボン酸アルキルエステル単量体とは、アルキル基の
炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルであり、その具体例としては、n−ブチル(メタ)ア
クリレート,イソブチル(メタ)アクリレート,アミル
(メタ)アクリレート,イソアミル(メタ)アクリレー
ト,ヘキシル(メタ)アクリレート,n−オクチル(メ
タ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート,イソノニル(メタ)アクリレート,ラウリル
(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0014】これらの(b)成分は、1種単独で使用す
ることも、または2種以上を併用することもできる。
【0015】そして、(b)成分の使用割合は、(a)
〜(c)成分全体に対して1〜70重量%、好ましくは
2〜65重量%、さらに好ましくは5〜60重量%であ
る。(b)成分の使用量が70重量%を越えると、得ら
れた粉末に融着、ブロッキングなどが発生し、良好な状
態での粉末が得られず、さらに曲げ強度、流動性が劣
る。一方、(b)成分が1重量%未満では接着性が劣
る。
【0016】次に、(c)成分である、前記(a),
(b)成分と共重合可能な単量体としては、アクリロニ
トリル,メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合
物、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、ビニ
ルピリジン,メタクリルアミドプロピルトリメチルアン
モニウムクロライドなどのアミノ基を含むエチレン性不
飽和単量体、ヒドロキシエチルアクリレート,ヒドロキ
シエチルメタクリレートなどのエチレン性不飽和カルボ
ン酸のヒドロキシアルキルエステル単量体、N−ブトキ
シメチル(メタ)アクリルアミド,N−ブトキシエチル
(メタ)アクリルアミド,N−メトキシメチル(メタ)
アクリルアミド,N−ノルマルプロピオキシメチル(メ
タ)アクリルアミド,アクリルアミド,メタクリルアミ
ド,メチルメタクリルアミド,N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド,N,N−ジエチル(メタ)アクリ
ルアミド,N−エチル(メタ)アクリルアミドなどのエ
チレン性不飽和カルボン酸アミド系単量体、グリシジル
(メタ)アクリレートなどのグリシジル系単量体、塩化
ビニル,塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル系単
量体、さらにはイタコン酸,アクリル酸,メタクリル
酸,フマル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸単量体
などを挙げることができる。
【0017】これらの(c)成分は、1種単独でも、あ
るいは2種以上を併用することもできる。
【0018】この(c)成分の使用割合は、単量体
(a)〜(c)成分全体に対して0〜60重量%、好ま
しくは0〜50重量%である。(c)成分の使用割合が
60重量%を越えると混和安定性が悪くなり、組成物と
したときの使用可能時間が短くなって好ましくなく、さ
らに接着性、耐水性が劣る。
【0019】なお、(c)成分として不飽和カルボン酸
単量体を用いる場合の使用量は、組成物としたときの安
定性,耐クラック性,耐水性,中性化の点で2重量%以
下が好ましい。
【0020】本発明の共重合体ラテックスは、水性媒体
(通常水)に前記単量体(a)〜(c)、重合開始剤、
乳化剤、連鎖移動剤などを加えて乳化重合を行うことに
よって得られる。
【0021】重合開始剤については特に制限はなく、例
えばクメンハイドロパーオキサイド,ジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド,パラメンタンハイドロ
パーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、ベン
ゾイルパーオキサイド,ラウロイルパーオキサイドなど
のパーオキサイド類、アゾビスイソブチロニトリルなど
のアゾ化合物類などの有機系重合開始剤、過硫酸カリウ
ム,過硫酸ナトリウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫
酸塩などの無機系重合開始剤を使用することができる。
重合開始剤の使用量は、単量体に対し、通常、0.03
〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%である。
【0022】なお、乳化重合を促進させるために、例え
ばピロ重亜硫酸ナトリウム,亜硫酸ナトリウム,亜硫酸
水素ナトリウム,硫酸第一鉄,グルコース,ホルムアル
デヒドナトリウムスルホキシレート,L−アスコルビン
酸およびその塩などの還元剤、グリシン,アラニン,エ
チレンジアミン四酢酸ナトリウムなどのキレート剤を併
用することもできる。
【0023】乳化剤については特に制限はなく、アニオ
ン型,ノニオン型および両性型界面活性剤のいずれも使
用することができる。これらは、単独であるいは2種以
上を混合して使用することができる。
【0024】このうち、アニオン型界面活性剤として
は、例えばラウリル硫酸ナトリウムなどの高級アルコー
ルの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウムなどの脂肪族カルボン酸エ
ステルのスルホン酸塩などを、またノニオン型界面活性
剤としては、例えばポリエチレングリコールのアルキル
エステル型,アルキルフェニルエーテル型,アルキルエ
ーテル型などを挙げることができる。
【0025】また、両性型界面活性剤としては、アニオ
ン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン
酸塩、リン酸エステル、リン酸エステル塩を、カチオン
部分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つもの
を挙げることができる。具体的には、アルキルベタイン
の塩としてラウリルベタイン,ステアリルベタイン,コ
コアミドプロピルベタイン,2−ウンデシルヒドロキシ
エチルイミダゾリウムベタインの塩が、またアミノ酸タ
イプのものとしては、ラウリル−β−アラニン,ステア
リル−β−アラニン,ラウリルジ(アミノエチル)グリ
シン,オクチルジ(アミノエチル)グリシン,ジオクチ
ルジ(アミノエチル)グリシンなどの塩を挙げることが
できる。
【0026】乳化剤の使用量は、単量体に対し、0.5
〜10重量%、好ましくは1〜8重量%であ。乳化剤の
使用量が0.5重量%未満では凝固物が発生するなど重
合安定性が悪くなり、共重合体ラテックスの製造に支障
があるので好ましくなく、一方10重量%を越えると接
着性が低下するので好ましくない。
【0027】連鎖移動剤についても特に制限はなく、α
−メチルスチレンダイマー,好ましくは2−4−ジフェ
ニル−4−メチル−1−ペンテン成分を60重量%以上
含むα−メチルスチレンダイマー,ターピノーレン,α
−テルピネン,γ−テルピネン,ジペンテン,四塩化炭
素,オクチルメルカプタン,n−ドデシルメルカプタ
ン,t−ドデシルメルカプタン,n−ヘキサデシルメル
カプタン,ジエチルキサントゲンジスルフィド,ジメチ
ルキサントゲンジスルフィド,ジメチルキサントゲンジ
スルフィド,ジイソプロピルキサントゲンジスルフィ
ド,テトラメチルチウラムモノスルフィド,テトラエチ
ルチウラムジスルフィド,テトラブチルチウラムジスル
フィド,ジペンタメチレンチウラムジスルフィドなどを
用いることができ、これらは単独であるいは2種以上を
組み合わせて使用することができる。
【0028】これらの連鎖移動剤は、単量体に対し、通
常、0〜15重量%使用される。
【0029】乳化重合方法およびその条件についても特
に制限はなく、従来公知の方法および条件下において実
施することができる。例えば、乳化重合に際しては、前
記重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤のほか、必要に応じ
てキレート剤、pH調整剤、電解質などを併用し、全単
量体100重量部に対して、通常、100〜300重量
部使用される水と、前記重合開始剤、乳化剤、連鎖移動
剤などを前記の範囲内の量で使用して、重合温度10〜
90℃、好ましくは40〜80℃、重合時間1〜40時
間の重合条件で乳化重合される。
【0030】単量体の添加方法については、一括添加方
式、分割添加方式、連続添加方式、単量体をあらかじめ
乳化して添加する方式、あるいはこれらの組み合わせの
いずれでもよい。これらの方式のうち、凝固物の生成の
減少、反応熱の除去などの点から、分割添加方式、連続
添加方式または乳化した単量体の連続添加方式が好まし
い。
【0031】なお、共重合体ラテックスの最終的な重合
転化率は、90〜100%、特に95〜100%である
ことが好ましい。
【0032】また、このようにして乳化重合された共重
合体のトルエン不溶解分は、好ましくは40〜99重量
%、さらに好ましくは55〜95重量%である。
【0033】ここで、トルエン不溶解分とは、pH7以
上に調整された共重合体ラテックスをガラス板上で水分
0.2重量%以下に乾燥して厚さ0.3mmのフィルム
とし、その0.3gをトルエン100mlに入れて、2
4時間室温で放置したのち、120メッシュの金網でろ
過し、金網上に残ったものを乾燥して秤量した値をラテ
ックス全固形分で除した重量%である。このトルエン不
溶解分が40重量%未満では、接着性,耐水性が劣り、
一方99重量%を越える場合も基材に対する接着性が劣
り、さらに混和安定性が悪くなって使用可能時間が短く
なり好ましくない。
【0034】なお、このトルエン不溶解分の調整は、分
子量調整剤である連鎖移動剤の種類、量を選ぶことによ
って容易に実施することができる。例えば、連鎖移動剤
としてハロゲン系化合物である四塩化炭素,臭化メチ
ル、またはα−メチルスチレンダイマーを使用する場合
には、その使用量は0〜8重量%、メルカプタン類とし
てたとええばt−ドデシルメルカプタン,n−ドデシル
メルカプタンを使用する場合には、その使用量は0〜2
重量%である。そのほか、トルエン不溶解分を調整する
方法としては、重合時の重合開始剤量、重合開始温度な
どの選定があり、これらを組み合わせて目的とする共重
合体ラテックスを得ることができる。
【0035】また、得られる共重合体ラテックスの平均
粒子径は、好ましくは500〜4,500、さらに好ま
しくは700〜4,300オングストロームである。こ
こで、この平均粒子径とは、ラテックスをオスミウム酸
で処理し、これを例えば3万倍で電子顕微鏡写真にと
り、粒子100個以上について粒子径を測定し、数平均
より算出した値である。
【0036】さらに、この共重合体ラテックスの粘度
は、好ましくは1〜30,000cpsであり、その固
形分は好ましくは10〜65重量%、さらに好ましくは
20〜50重量%である。この固形分が10重量%より
も小さいものも製造できるが、次の水分除去工程を考え
ると、固形分は10重量%以上であることが好ましい。
【0037】(ポリシロキサン)本発明の重合体粉末
は、前記共重合体ラテックスにポリオルガノシロキサン
を含有させ、それから水分を除去することによって得ら
れる。
【0038】ポリシロキサンを共重合体ラテックスに含
有させる方法については、特に限定されるものでない
が、例えば、共重合体ラテックスの重合前あるいは重合
後に、液状あるいはラテックス状のポリシロキサンを直
接添加する方法、一般式Rn Si(OR´)4n ,Rn
iO(4-n) /2などのオルガノシロキサンを共重合体ラテ
ックスの重合前あるいは重合後に添加し、縮合反応を進
行させてポリシロキサンを含有させる方法が挙げられ
る。最終的に得られる重合体粒子の均一性などを考慮す
ると、共重合体ラテックスにオルガノシロキサンを添加
し、縮合反応を進行させる後者の方法が好ましい。
【0039】この後者の方法において、共重合体ラテッ
クス中の重合体粒子にオルガノシロキサンを吸収させる
ことは、共重合体ラテックス中にオルガノシロキサンを
添加し、系を良く攪拌することにより容易に達成され
る。
【0040】上記共重合体ラテックスの重合体粒子にオ
ルガノシロキサンを効率よく吸収させるために、必要に
応じて、水に対する溶解度が10-3重量%以下の溶媒を
予め重合体粒子に吸収させておくことも可能である。ま
た、系をpH4〜10、好ましくはpH5〜9、さらに
好ましくはpH6〜8に調整し、温度90℃以下、好ま
しくは70℃以下、さらに好ましくは50℃以下、特に
好ましくは30℃以下の条件下で、オルガノシロキサン
を添加,吸収させることが望ましい。
【0041】オルガノシロキサンの縮合反応は、反応温
度および水素イオン濃度を調整することにより容易に制
御され、ポリシロキサンの重合度をコントロールでき
る。
【0042】オルガノシロキサンの縮合反応は、通常温
度30℃以上、好ましくは50℃以上、さらに好ましく
は80℃以上で行うことができ、例えば乳化剤の存在下
において行うことができる。この乳化剤は界面活性剤の
役目を果たすと同時にオルガノシロキサンの縮合反応の
触媒として機能するものであり、かかる乳化剤としては
脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましい。
【0043】オルガノシロキサンは重合体粒子に吸収さ
れた状態で縮合反応しても、あるいは重合体粒子に吸収
されずに例えば吸着した状態で縮合反応してもよいが、
より相溶性に優れた複合粒子を得るためには、オルガノ
シロキサンが重合体粒子に吸収されて縮合反応すること
が好ましい。その際、重合体粒子に吸収され縮合反応さ
れるオルガノシロキサンは、使用される全オルガノシロ
キサンの好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは1
0重量%以上、特に好ましくは30重量%以上である。
【0044】このようにして得られたシリコーン変性重
合体粒子は、重合体粒子を構成する有機系重合体と、オ
ルガノシロキサンの縮合によって形成されるポリシロキ
サンとの複合粒子である。そして、この複合粒子の代表
的な形態としては、重合体粒子を構成する有機系高分子
の連続相中にポリシロキサンが島状あるいは相互進入網
目(IPN)化した状態、有機系高分子の周囲を全体あ
るいは部分的にポリシロキサンが被覆するカプセル化状
態などで共存する構造がある。
【0045】前記一般式Rn Si(OR´)4nで表され
るアルコキシシラン化合物において、Rは炭素数1〜8
の有機基であり、例えばメチル基,エチル基,n−プロ
ピル基,i−プロピル基などのアルキル基、その他のγ
−クロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフロ
ロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタ
クリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、
フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
基、γ−アミノプロピル基などである。
【0046】また、式中、R´は炭素数1〜5のアルキ
ル基または炭素数1〜4のアシル基であり、例えばメチ
ル基,エチル基,n−プルピル基,n−ブチル基,se
c−ブチル基,tert−ブチル基,アセチル基などで
ある。さらに、nは0〜3である。
【0047】式中のRまたはR´の炭素数が大きすぎる
と、水溶性が低くなり、共重合体ラテックスの共重合体
粒子への吸収性が悪くなる。
【0048】これらのアルコキシシラン化合物の具体例
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルト
リエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、
i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキ
シシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルエチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメト
キシシランなどを挙げることができる。好ましくは、テ
トラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,メチルト
リメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,ジメチ
ルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシランなどで
ある。
【0049】これらのアルコキシシラン化合物は、1種
単独または2種以上を併用することができ、他の例えば
チタン,アルミニウムなどの金属アルコキシドと併用す
ることもできる。また、これらのアルコキシシラン化合
物は必要に応じて有機溶媒に溶解させて使用することも
できる。
【0050】前記一般式Rn SiO(4-n)/2 で表される
オルガノシロキサンは、直鎖状,分岐状または環状構造
を有するが、好ましくは環状構造を有するオルガノシロ
キサンである。
【0051】式中、Rは置換または非置換の1価の炭化
水素基であり、例えば、メチル基,エチル基,プロピル
基,ビニル基,フェニル基およびそれらをハロゲン原子
またはシアノ基で置換した置換炭化水素基などを挙げる
ことができる。また、前記式中、nの値は0〜3の整数
である。
【0052】前記オルガノシロキサンの具体例として
は、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン,オクタフェ
ニルシクロテトラシロキサン,テトラビニルテトラメチ
ルシクロテトラシロキサン,ヘキサメチルシクロトリシ
ロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,ペン
タメチルシクロテトラシロキサン,ヘキサメチルシクロ
テトラシロキサン,テトラメチルシクロテトラシロキサ
ン,デカメチルシクロペンタシロキサン,ドデカメチル
シクロヘキサシロキサン,トリメチルトリフェニルシク
ロトリシロキサンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あ
るいは分岐状のオルガノシロキサンを挙げることができ
る。
【0053】これらのオルガノシロキサンは、1種単独
または2種以上を併用することができ、他の例えばチタ
ン、アルミニウムなどの金属アルコキシドと併用するこ
ともできる。また、これらのオルガノシロキサンは必要
に応じて有機溶媒に溶解させて使用することもできる。
【0054】ポリシロキサンの含有量は、共重合体ラテ
ックスの固形分100重量部に対して、0.05〜40
重量部、好ましくは0.1〜15重量部である。ポリシ
ロキサンの含有量が0.05重量部未満であると、シリ
コーン変性重合体粉末の製造性および粉体特性が劣り、
さらに、基体に対する接着性が劣る。一方、ポリシロキ
サンの含有量が40重量部を越えると、コストアップに
なるだけでなく、コストに見合う物性の改良効果が得ら
れない。
【0055】なお、本発明における共重合体ラテックス
に含有されるポリシロキサンの量は、例えば日立製作所
(株)製原子吸光分析装置Z−9000で定量できる。
【0056】(重合体粉末)本発明において、ポリシロ
キサンを含有する共重合体ラテックスから水分を除去し
て乾燥粉末化する手段としては、噴霧乾燥法、媒体流動
乾燥法、凍結真空乾燥法などの方法があるが、製造効率
およびコストの点で、噴霧乾燥法が最も好ましい。な
お、本発明において、重合体粉末とは、水分量が通常8
重量%以下、好ましくは2重量%以下のものをいう。
【0057】噴霧乾燥処理は、通常、50〜170℃、
好ましくは70〜120℃の温度雰囲気下で、例えば2
流体ノズル型アトマイザー、圧力ノズル型アトマイザ
ー、回転円盤型アトマイザーなどの装置を使用して行わ
れる。さらに、共重合体ラテックスの種類,組成,ガラ
ス転移温度,全固形分の割合などに応じて、噴霧乾燥装
置の入口温度,出口温度,風量,流量などの条件が適宜
選択される。
【0058】噴霧乾燥の条件としては、例えば入口温度
80〜250℃、出口温度50〜150℃、風量0.5
〜0.6m3 /分、圧力0.8〜1.2kg/cm、流
量15〜25g/分程度である。
【0059】なお、本発明の重合体粉末を効率よく製造
するためには、共重合体ラテックスを構成する共重合体
のガラス転移温度が、(イ)−40〜+40℃の共重合
体ラテックスを30〜99.5重量%(固形分)と、
(ロ)+40℃を越える共重合体ラテックス70〜0.
5重量%(固形分)とを混合したものを用いることが好
ましい。
【0060】ここで、上記(イ)の共重合体ラテックス
を構成する共重合体のガラス転移温度が−40℃未満で
は、(イ)成分を構成する重合体粉末の融着が著しいた
め、上記(ロ)の共重合体ラテックスあるいは他の滑剤
を添加しても(イ)成分の融着を有効に防止することは
できず、一方+40℃を越えると(イ)成分の接着性お
よび柔軟性が不充分となるので好ましくない。
【0061】一方、(ロ)の共重合体ラテックスを構成
する共重合体のガラス転移温度は、+40℃を越え、好
ましくは+50℃を越え、さらに好ましくは+70〜+
120℃である。(ロ)成分のガラス転移温度が+40
℃以下では、(イ)成分の融着を防止する機能を充分に
果たすことができない。
【0062】なお、ガラス転移温度(Tg)は、理学電
気(株)の示差走査熱量分析計(DSC)を用い、次の
条件で測定した値である。
【0063】製品の約5gをガラス板に薄く引き伸ば
し、25℃で7日間乾燥させ、ポリマーフィルムを得
る。
【0064】得られた乾燥フィルムのTgを下記条件
で測定する。
【0065】条件;昇温速度 20℃/分 雰囲気 チッ素ガス サンプル量 20mg 共重合体ラテックス(イ)と(ロ)との混合割合は、固
形分重量比で好ましくは(イ):(ロ)=99.5:
0.5〜30:70、より好ましくは99.0:1.0
〜50:50である。(ロ)の共重合体ラテックスの割
合が0.5重量%未満では、その融着防止効果が不充分
であり、乾燥粉末化後において重合体粉末に融着が生
じ、耐ブロッキング性が悪化する。一方、(ロ)の共重
合体ラテックスの割合が70重量%を越えると、耐ブロ
ッキング性が良好で再分散性の優れた重合体粉末が得ら
れるものの、曲げ強度、下地への接着性が弱くなり、改
質剤としての機能が充分確保されない場合がある。
【0066】また、本発明の重合体粉末の製造時に、特
に共重合体ラテックスを構成する共重合体のガラス転移
温度が+40℃未満の場合には、必要に応じ、乾燥処理
前に融着防止性能を有する各種の滑剤を共重合体ラテッ
クスに添加することができる。
【0067】このような滑剤としては、例えばメチルセ
ルロース,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシメ
チルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル類、生
デンプン,酸化デンプン,エステル化デンプンなどの各
種デンプン類、ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸
アンモニウムなどの有機塩、トリメトキシシラン,ビニ
ルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物、
デキストリン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール、β−ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物
の金属塩、トリポリリン酸ナトリウム,ピロリン酸ナト
リウムなどの多価リン酸塩などが挙げられ、好ましくは
デンプン,デキストリン,セルロースエーテルである。
【0068】これらの滑剤の添加量は、共重合体ラテッ
クス100重量部(固形分換算)に対して、0.05〜
50重量部、好ましくは0.1〜35重量部である。滑
剤を0.05〜50重量部含有することにより、より耐
ブロッキング性に優れた重合体粉末が得られる。ただ
し、滑剤が50重量部を越えると、重合体粉末の吸湿性
が高くなる場合があり、貯蔵安定性が悪くなる。
【0069】このようにして得られる重合体粉末は、粒
子径が0.5〜150μm、好ましくは2〜130μ
m、さらに好ましくは5〜100μmである。この粒子
径の重合体粒子が、粉末全体の好ましくは60重量%以
上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは
80重量%以上含有されている。重合体粉末の粒子径が
0.5μm未満であると、取扱いが困難となり、作業性
が劣るものとなり、一方150μmを越えると分散性、
接着性が劣る。
【0070】本発明の重合体粉末には、必要に応じて、
タルク,水酸化アルミニウム,炭酸カルシウム,シリカ
などの無機充填剤、酸化チタン,クレーなどの顔料、珪
藻土を添加することができる。
【0071】本発明の重合体粉末は、セメント,石膏,
アスファルト,樹脂などの改質剤、あるいは塗料、接着
剤などに用いるのに好適であり、特にセメント混和剤と
して有用である。
【0072】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中の「部」および「%」は、
特に断らないかぎり重量部および重量%である。
【0073】(実施例1〜3,比較例1〜6) 共重合体ラテックスA〜C,a〜dの製造 内容積100リットルのステンレス製オートクレーブを
用い、チッ素ガス雰囲気下において、表1に示す単量体
(単位;部)、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプ
タン0.3部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム
2.8部、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.6
部、電解質として硫酸ナトリウム0.25部、炭酸ナト
リウム0.25部、キレート剤としてエチレンジアミン
四酢酸ナトリウム0.05部および水160部を仕込
み、重合温度45〜80℃で攪拌しながら乳化重合し、
7種の共重合体ラテックスA〜C,a〜dを製造した。
共重合体ラテックスA〜Cは本発明に属し、共重合体ラ
テックスa〜dは本発明の範囲に属さないものである。
【0074】このときの重合転化率は、すべて99%以
上であった。
【0075】得られた共重合体ラテックスを水酸化ナト
リウムを用いてpH7〜10に調整したのち、水蒸気を
吹き込み未反応単量体を除去し、さらに加熱減圧蒸留に
よってラテックス固形分を50%とした。
【0076】
【表1】 ポリシロキサン含有共重合体ラテックスの製造 上記で得られた各共重合体ラテックス100部(固形
分)を蒸留水によって希釈して300部とし、これを攪
拌機を備えたステンレス容器に入れた。そして25℃を
保った状態で系のpHを7に調整し、表2に示すアルコ
キシシラン化合物を添加し、約30分間にわたって強く
攪拌して共重合体ラテックスの粒子にアルコキシシラン
化合物を吸収させた。その後、反応容器を60℃に昇温
させて3時間にわたってアルコキシシラン化合物を反応
させ、ポリシロキサンを含有する共重合体ラテックスを
得た。
【0077】なお、比較例5はポリシロキサンを含有し
ていない共重合体ラテックスの例である。
【0078】
【表2】 重合体粉末の製造 得られたそれぞれのポリシロキサン含有共重合体ラテッ
クスについて、噴霧乾燥処理を行い、実施例につき3
種、比較例につき5種の重合体粉末を得た。
【0079】噴霧乾燥は、EYELA社製、SD−1卓
上スプレードライの2流体ノズルを用い、入口温度80
〜120℃、排風温度45〜80℃の条件で行った。
【0080】ただし、比較例6については、従来の凝固
法による回収方法によって重合体粉末を得た。
【0081】すなわち、ポリシロキサン含有共重合体ラ
テックス100部(固形分)に、塩化カルシウムの10
%水溶液30部を添加し、85℃で充分に攪拌すること
で該ラテックス中の共重合体成分を凝固させ、この凝固
物を水洗・乾燥することにより、粒子径が本発明の範囲
を越えた200〜500μmの重合体粉末を得た。
【0082】重合体粉末の評価 前記で得られた重合体粉末について、粒子径の測定、
耐ブロッキング性および後述するセメントモルタルの混
和剤として用いたときの物性を調べた。
【0083】重合体粉末の粒子径の測定;走査型電子顕
微鏡を用い、粒子径を測定したところ、重合体粉末の9
8%以上が表2に示す粒子径を有していた。
【0084】耐ブロッキング性(重合体粉末の融着度合
い);100gの重合体粉末に5kgの荷重を7日間か
け、重合体粉末の融着度合いを目視で判定した。
【0085】◎・・・融着なし ○・・・一部融着 ×・・・固化 セメントモルタルへの適用および物性; −1 セメントモルタルの配合 ポルトランドセメント 100部 珪砂6号 150部 珪砂7号 150部 重合体粉末 15部 シリコン系消泡剤 0.2部 水 適量 上記組成によってセメントモルタルを調整した。調整に
際しては、セメントと珪砂をあらかじめ混練りし、その
中に重合体粉末、水および消泡剤を添加し、フロー値が
170±10になるように万能攪拌機で攪拌した。その
後、セメントモルタルを4cm×16cm×4cm(縦
×横×厚み)の型枠に流し込み、曲げ強度、圧縮強度試
験用のサンプルを作製した。
【0086】−2 曲げ強度の測定 下記に示すJIS A6203のセメントモルタルの試
験方法に準じ、測定した。
【0087】養生時間;4週間(成形後、20℃×60
%RH下2日、水中5日、20℃×60%RH下21
日) 測定;3個の平均値をとって、曲げ強度とした。
【0088】試験機;インストロン万能材料試験機 曲げ強度=1mm/分 −3 接着性試験 JIS A6916のセメント系下地調整塗材の試験方
法に準じ、測定した。
【0089】先の−1に示したセメントモルタルの配
合方法で、セメントモルタルを作製し、下地(コンクリ
ート歩道板)に4cm×4cm×0.4cm(縦×横×
厚み)のセメントモルタルを打ち継ぎ、14日間の養生
を実施したのち、引張試験を行い、コンクリート歩道板
とセメントモルタルとの接着性を測定した。
【0090】−4 耐水性 上記接着性試験において作製した供試体を常温水に38
時間浸したのち常温で24時間乾燥させ、これを7サイ
クル繰り返し、その後の垂直剥離強度を測定した。
【0091】−5 耐候性 スレート板に上記で得られたポリシロキサン含有共重
合体ラテックスを厚み0.2mmになるようにコーティ
ングし、乾燥後フェードメータ(63℃×200時間)
による試験を行い、黄変度を目視で判定した。
【0092】○・・・全く変化なし △・・・少し黄変 ×・・・黄変 以上の測定結果を表2に示す。
【0093】評価結果 表2から明らかなように、本願発明の範囲に属するポリ
シロキサン含有共重合体ラテックスの重合体粉末を用い
た実施例1〜3は、耐ブロッキング性、接着性,耐水
性,曲げ強度などのセメント物性および耐候性のいずれ
においても良好であることがわかる。
【0094】これに対して、比較例1,2は、いずれも
単量体の(a)成分が本発明の範囲より過小であり、か
つ(b)成分が過大である共重合体ラテックスより得ら
れるシリコーン変性重合体粉末を用いた例である。これ
らは粉末粒子同士の融着が著しく、経時変化によるブロ
ッキングが起こる。また、セメント物性も全体的に劣っ
ている。
【0095】比較例3は、本発明の必須成分である単量
体の(b)成分を全く含まない共重合体ラテックスより
得られたシリコーン変性重合体粉末の例である。この重
合体粉末はブロッキングを起こさず、粉末の状態は良好
であるが、セメント物性の接着性,耐水性,曲げ強度が
劣る。
【0096】比較例4は、単量体の(a)成分が本発明
の範囲より過少であり、かつ(c)成分が本発明の範囲
を越える共重合体ラテックスより得られるシリコーン変
性重合体粉末の例である。この重合体粉末は粉末の状態
は良好なもののセメント物性は全般に劣っている。
【0097】比較例5は、ポリシロキサンを全く含有さ
せないで得られた重合体粉末の例である。この重合体粉
末は、粉末の状態は良好なもののセメント物性は全般に
劣っている。
【0098】比較例6は、重合体粉末の粒子径が本発明
の範囲を越えるものである。この重合体粉末は、ブロッ
キングを起こさず粉末の状態は良好であるが、セメント
物性は全般に劣っている。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、特定の共重合体とポリ
シロキサンとが共存するポリシロキサン含有共重合体ラ
テックスを乾燥粉末化することにより、製造効率が高
く、粉末特性ならびに曲げ強度,接着性,耐水性等に優
れたシリコーン変性重合体粉末を提供することができ
る。
【0100】本発明のシリコーン変性重合体粉末は、セ
メント混和剤を始めとする各種改質剤および接着剤など
に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/00 LFQ 9166−4J 33/08 LJA 7242−4J 83/04 LRY 8319−4J //(C08L 25/00 83:00) (72)発明者 米川 芳明 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (a)芳香族ビニル系単量体および/ま
    たはアルキル基の炭素数が1〜3のエチレン性不飽和カ
    ルボン酸アルキルエステル単量体30〜99重量%、
    (b)脂肪族共役ジエン系単量体および/またはアルキ
    ル基の炭素数が4〜12のエチレン性不飽和カルボン酸
    アルキルエステル単量体 1〜70重量%、(c)
    上記(a),(b)成分と共重合可能なその他の単量体
    0〜60重量%、からなる共重合体100重量部(固形
    分換算)に対し、ポリシロキサン0.05〜40重量部
    を含有する共重合体ラテックスを乾燥させることによっ
    て得られ、かつ粒子径が0.5〜150μmであること
    を特徴とするシリコーン変性重合体粉末。
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