JPH06172661A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH06172661A
JPH06172661A JP35305992A JP35305992A JPH06172661A JP H06172661 A JPH06172661 A JP H06172661A JP 35305992 A JP35305992 A JP 35305992A JP 35305992 A JP35305992 A JP 35305992A JP H06172661 A JPH06172661 A JP H06172661A
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JP
Japan
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group
copolymer
thermosetting resin
weight
component
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JP35305992A
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English (en)
Inventor
Hozumi Sato
穂積 佐藤
Masao Sakamoto
雅夫 坂本
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工性が良好で、かつ優れた耐衝撃性、機械
的強度、接着強度、電気特性を有することから、半導体
封止材料、プリント基板用接着剤、注型材、各種塗料、
接着剤、ライニング材、シーリング材、カーボンファイ
バーバインダー材、プリント基板用プリプレグおよび各
種成形材料として有用な熱硬化性樹脂組成物を提供する
ことにある。 【構成】 本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹
脂100重量部と、特定ポリオルガノシロキサン粒子の
存在下に、少なくとも1分子あたり2個以上の不飽和結
合を有する架橋性単量体とラジカル重合可能な他の有機
単量体とをラジカル重合することにより得られる、ゲル
含量が50重量%以上である共重合体1〜100重量部
と、を混合することにより得られる。前記共重合体の熱
硬化性樹脂への分散粒子径は0.1〜1μmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成物に
関し、さらに詳しくは熱硬化性樹脂中にエラストマー成
分を微粒子状態で均一に分散させてなり、例えば半導体
封止材料用に適した熱硬化性樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂,エポキシ樹脂,メラミ
ン樹脂,ユリア樹脂,ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹
脂は、優れた機械的強度を有する反面、比較的脆いとい
う難点を有する。そのため、この脆さを補い耐衝撃性が
高く適度な可撓性を有する成形品を得ることは熱硬化性
樹脂工業界の強い要望であった。
【0003】このような状況において、ゴムを混合して
熱硬化性樹脂に可撓性を付与することが提案されてお
り、例えばゴムと熱硬化性樹脂との混合物として、ブタ
ジエン・アクリロニトリル共重合体とフェノール樹脂と
の混合物が知られている。また、特公昭57-30133号公報
などでは、エポキシ樹脂との反応性付与を目的とした官
能基含有ゴムの利用が広く検討されている。これらの系
はいずれも熱硬化性樹脂とゴムとの極性が近く、一般に
相溶し易いとされている系である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、相溶し
易いゴムを熱硬化性樹脂に混合するとほぼ満足すべき機
械的強度が得られるものの流動性が低下し、熱硬化性樹
脂本来の成形性が低下するという問題がある。また、混
合条件に十分留意をしないと分散不良を起し易いという
問題がある。
【0005】この分散性の改良を目的として、我々は特
開昭60-228562 号公報において、ゴムとして多官能性単
量体により架橋されたものを用いる方法を提案したが、
熱硬化性樹脂組成物の流動性の十分な改良には至らなか
った。
【0006】また、特開昭62-22850号公報においては、
ゴム粒子の周囲をガラス転移温度が室温以上の樹脂によ
り被覆してなる微粒子をエポキシ樹脂中に分散させる方
法が示されている。しかしながら、この方法では、熱硬
化性樹脂の耐衝撃性改良効果の乏しい樹脂成分をも組成
物中に混合することとなり、機械的強度,剛性の面で問
題があった。
【0007】これに対し、特開昭62-53370号公報におい
ては、ガラス転移温度が室温以下の単量体をエポキシ樹
脂中で重合することにより、ゴム状微粒子をエポキシ樹
脂中に分散させる方法が提案されている。しかし、この
場合、組成物中のゴム粒子の粒子径が重合時の撹拌条件
や温度等により大きく変動し、再現性よくゴム粒子の分
散粒子径をコントロールすることが困難であるという問
題がある。
【0008】さらに、特開昭58-91755号公報には、エポ
キシ樹脂に非相溶の液状ゴムを微粒子状に分散させ、こ
れを加硫剤を用いて加硫して粒子径0.5 〜30μmの加
硫ゴム分散エポキシ樹脂を製造する方法が提案されてい
る。しかしながら、この場合、ゴム状微粒子の粒子径コ
ントロールは再現性の面で極めて困難であり、かつ粒子
径の分布範囲も極めて広いものである。
【0009】一方、ジエン系ポリマーは耐熱性に劣るこ
とより、特開昭62-104888 号公報には、ジエン系ポリマ
ーのかわりに(メタ)アクリル酸系ポリマー粒子を熱硬
化性樹脂に分散させた組成物が開示されている。しかし
ながら(メタ)アクリル酸系ポリマーは耐湿性に劣り、
特に電気電子部品用途に不適当である。
【0010】電気電子部品用途では耐熱性,耐湿性が重
視されることから、シリコーン系ポリマーの利用が検討
され、実用化されている。しかしながらシリコーン系ポ
リマーはエポキシ樹脂との相溶性がなく、高分子量体を
用いると熱硬化性樹脂との相分離が起こり、機械的強度
が大幅に低下する。このため、一般に低分子量のシロキ
サンオリゴマーにエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と反
応できる各種官能基(例えばアミノ基,エポキシ基,カ
ルボキシル基等)を導入したものが利用されている。し
かしながら、これら液状シロキサンオリゴマーは、液状
ということで取り扱いにくく、かつ熱硬化性樹脂との混
合に多大な時間を要するという欠点を有し、さらにはシ
ロキサンの分子量が低いことにより、得られた熱硬化性
樹脂組成物の機械的強度が劣る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)熱硬化
性樹脂100重量部と、(B)Ra SiO4-a/2 (式
中、Rは置換または非置換の1価の有機基を示し、a は
1.80〜2.02の数を示し、Rで示される有機基は
エチレン性不飽和基を0.02〜10モル%を含む基で
ある。)であらわされる構造単位を有するポリオルガノ
シロキサン粒子の存在下に、少なくとも1分子あたり2
個以上の不飽和結合を有する架橋性単量体とラジカル重
合可能な他の有機単量体とをラジカル重合することによ
り得られる共重合体であり、該共重合体のゲル含量は5
0重量%以上である共重合体1〜100重量部と、を含
み、前記共重合体の熱硬化性樹脂への分散粒子径が0.
1〜1μmであることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物
を提供するものである。
【0012】そして、本発明において特徴的なことのひ
とつは、(B)成分の共重合体を(A)成分である熱硬
化性樹脂に適当な剪断力を加えながら配合すると、得ら
れた樹脂組成物は、熱硬化性樹脂中に共重合体成分が重
合終了時のラテックスにおける粒子径の粒子単位で分散
された構造となっている点にある。 [発明の構成]以下、本発明について詳細に説明する。(A)熱硬化性樹脂 本発明の(A)成分としては、種々の熱硬化性樹脂を使
用することができ、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂などを使用することができる。
【0013】フェノール樹脂としては、例えばノボラッ
ク樹脂、レゾール樹脂あるいはこれらの変性物などを挙
げることができ、さらに、フェノール変性メラミン樹脂
などの他種材料との複合物も使用することができる。
【0014】エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノ
ール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂
等の各種エポキシ樹脂のほか、ゴム変性エポキシ樹脂、
ウレタン変性エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂などの
変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0015】ユリア樹脂としては、カチオン性、ノニオ
ン性あるいはアニオン性の各種ユリア樹脂を挙げること
ができる。
【0016】メラミン樹脂としては、メラミン樹脂単独
のほかに、ユリア樹脂変性物であるユリア・メラミン樹
脂などを挙げることができる。
【0017】ポリイミド樹脂としては、テトラカルボン
酸またはその無水物とジアミンとの反応によって得られ
るポリイミド樹脂のほかに、マレイミド変性エポキシ樹
脂などを挙げることができる。
【0018】不飽和ポリエステル樹脂としては、ジアリ
ルフタレート、ジアリルマレート、ジビニルフタレート
などの不飽和結合を1分子あたり2個以上有するポリエ
ステル樹脂を挙げることができる。
【0019】これら熱硬化性樹脂は、単独で、あるいは
2種以上混合して使用することができる。
【0020】これらのうち、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂および不飽和ポリエステル樹脂は、ゴムと他材料と
の混練に一般に用いられる密閉型混練機、押出機、ロー
ルなどでの加工が容易であり、(B)成分としての共重
合体の微分散が容易であることから好ましく使用され
る。
【0021】熱硬化性樹脂としては、さらに好ましくは
エポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂を用いた本願組成物
は、機械的強度、耐熱性、耐湿性さらには電気絶縁性に
優れる。(B)共重合体 次に本発明における(B)成分となる共重合体について
説明する。
【0022】本発明の(B)成分となる共重合体は、
(a)成分であるポリオルガノシロキサン粒子の存在下
に、少なくとも1分子あたり2個以上の不飽和結合を有
する架橋性単量体(b)と、ラジカル重合可能な他の有
機単量体(c)を、ラジカル重合することにより得ら
れ、その構造は好ましくはポリオルガノシロキサン粒子
(a)より成るコア成分と、架橋性単量体(b)と有機
単量体(c)より生成されたシェル成分より成るコア・
シェル構造である。 (ポリオルガノシロキサン)ポリオルガノシロキサン
(a)としては、 一般式:Ra SiO4-a/2 (式中、Rは置換または非置換の1価の有機基を、a は
1.80〜2.02の数を示す。)で表される構造単位
を有するポリオルガノシロキサンが用いられる。
【0023】Rで示される置換または非置換の1価の有
機基は、その総量に対して、0.02〜10モル%、好
ましくは0.1〜3モル%の割合でエチレン性不飽和基
を含む基となるように選択される。
【0024】エチレン性不飽和基を含む基の導入がポリ
オルガノシロキサン(a)の有機基Rの総量に対して
0.02モル%未満では、得られるポリオルガノシロキ
サン(a)とこれを被覆する(b)および(c)成分と
のグラフトにおいて高いグラフト率が得られず、その結
果、ポリオルガノシロキサン(a)とグラフト重合され
た被覆層との接着力が不十分であり、熱硬化性樹脂との
混合時に(a)成分と被覆層との分離が生じ、得られた
熱硬化性樹脂組成物に良好な機械的強度が得られない。
【0025】一方、エチレン性不飽和基を含む基の導入
が有機基Rの総量に対して10モル%を超えると、得ら
れた熱硬化性樹脂組成物の耐衝撃性、接着力が劣る。
【0026】上記のようなポリオルガノシロキサンとし
ては、例えば次の[化1]〜[化3]を挙げることがで
きる。
【化1】
【化2】
【化3】 上記[化1]〜[化3]中、l、m、nは同一もしくは
異なる整数を表す。
【0027】上記のようなポリオルガノシロキサンとし
ては、特に、オルガノシロキサンと、エチレン性不飽和
基を含む基およびアルコキシシリル基を合せ持つグラフ
ト交叉剤とを、触媒の存在下に重縮合させることによっ
て得られるポリオルガノシロキサンが好ましい。
【0028】前記ポリオルガノシロキサンの一方の出発
原料となるオルガノシロキサンは、直鎖状、分岐状また
は環状構造のいずれも使用可能であり、特に環状構造を
有するオルガノシロキサンが好ましい。
【0029】このオルガノシロキサンの有する置換また
は非置換の1価の有機基Rとしては、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基およびこ
れらをハロゲン原子またはシアノ基で置換した置換炭化
水素基などを挙げることができる。
【0030】このようなオルガノシロキサンとしては、
ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシク
ロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサ
ン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチル
トリフェニルシクロトリシロキサン、トリ−3,3,3
−トリフルオロプロピルトリメチルシクロトリシロキサ
ン等の環状化合物の他に、直鎖状あるいは分岐状のオル
ガノシロキサンが例示される。
【0031】なお、このオルガノシロキサンは、予め縮
合された、例えばポリスチレン換算の重量平均分子量が
500〜10,000程度のポリオルガノシロキサンで
あってもよい。
【0032】このようにオルガノシロキサンがポリオル
ガノシロキサンである場合には、その分子鎖末端が、例
えば水酸基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメ
チルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、
メチルジフェニルシリル基などで封鎖されているもので
もよい。
【0033】また、前記ポリオルガノシロキサンの出発
原料となるグラフト交叉剤は、エチレン性不飽和基を含
む基とアルコキシシリル基とを合せ持つ化合物である。
【0034】ここで、エチレン性不飽和基としては、例
えば次の[化4]〜[化6]を挙げることができる。
【化4】 上記[化4]式中、R1 は水素原子または炭素数1〜6
のアルキル基、好ましくは水素原子または炭素数1〜2
のアルキル基、さらに好ましくは水素原子またはメチル
基である。
【0035】この[化4]式で表されるエチレン性不飽
和基を含む基としては、ビニルフェニル基、1−(ビニ
ルフェニル)エチル基、2−(ビニルフェニル)エチル
基、(ビニルフェニル)メチル基、イソプロピニルフェ
ニル基、2−(ビニルフェノキシ)エチル基、3−(ビ
ニルベンゾイルオキシ)プロピル基、3−(イソプロペ
ニルベンゾイルアミノ)プロピル基などが例示され、好
ましくはビニルフェニル基、2−(ビニルフェニル)エ
チル基、1−(ビニルフェニル)エチル基等である。
【化5】 上記[化5]式中、R2 は水素原子またはメチル基であ
る。
【0036】この[化5]式で表されるエチレン性不飽
和基を含む基としては、γ−アクリロキシプロピル基、
γ−メタクリロキシプロピル基、 N−メタクリロイル−
N −メチル−γ−アミノプロピル基、 N−アクリロイル
−N −メチル−γ−アミノプロピル基、N,N −ビス(メ
タクリロイル)γ−アミノプロピル基、N,N −ビス(ア
クリロイル)γ−アミノプロピル基等が例示され、好ま
しくは N−メタクリロイル−N −メチル−γ−アミノプ
ロピル基、 N−アクリロイル−N −メチル−γ−アミノ
プロピル基等である。
【化6】 上記[化6]式中、R3 は水素原子または炭素数1〜6
のアルキル基またはフェニル基である。
【0037】この[化6]式で表されるエチレン性不飽
和基を含む基としては、ビニル基、イソプロペニル基、
イソブテニル基、ステリル基等を挙げることができる。
【0038】これらエチレン性不飽和基を含む基とアル
コキシシリル基とを合せ持つグラフト交叉剤としては、
具体的にはp−ビニルフェニルメチルジメトキシシラ
ン、1−(m−ビニルフェニル)メチルジメチルイソプ
ロポキシシラン、2−(p−ビニルフェニル)エチルメ
チルジメトキシシラン、3−(p−ビニルフェノキシ)
プロピルメチルジエトキシシラン、3−(p−ビニルベ
ンゾイロキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、1−
(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラ
ン、1−(o−ビニルフェニル)−1,1,2−トリメ
チル−2,2−ジメトキシジシラン、1−(p−ビニル
フェニル)−1,1−ジフェニル−3−エチル−3,3
−ジエトキシジシロキサン、m−ビニルフェニル−[3
−(トリエトキシシリル)プロピル]ジフェニルシラ
ン、[3−(p−イソプロペニルベンゾイルアミノ)プ
ロピル]フェニルジプロポキシシラン、γ−アクリロキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、 N−メタクリロイル−
N −メチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、 N−アクリロイル−N −メチル−γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N,N −ビス(メタクリロイ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N
−ビス(アクリロイル)γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、 N−メタクリロイル−N −メチル−γ−
アミノプロピルフェニルジエトキシシラン、1−メタク
リロキシプロピル−1,1,3−トリメチル−3,3−
ジメトキシジシロキサン、ビニルメチルジメトキシシラ
ン、イソプロペニルメチルジメトキシシラン、α−フェ
ニルビニルメチルジメトキシシラン、スチリルエチルト
リメトキシシランなどが例示され、これらを単独である
いは2種以上の混合物として用いる。
【0039】また、ポリオルガノシロキサンの合成にお
いて、オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基を有す
るグラフト交叉剤の他、ポリオルガノシロキサンを重合
時に架橋構造とする架橋剤成分を利用することもでき
る。
【0040】ポリオルガノシロキサンの合成において必
要時に用いることのできる架橋剤としては、例えばメチ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシランなどの3官能性架橋剤、テト
ラエトキシシランなどの4官能性架橋剤を挙げることが
できる。この架橋剤の添加量は、オルガノシロキサンお
よびグラフト交叉剤の合計量に対して、10重量%以下
程度、好ましくは5重量%以下である。
【0041】さらには必要に応じて水酸基、エポキシ
基、カルボキシル基およびアミノ基等の各種官能基を有
するオルガノシロキサンも利用できる。この官能性オル
ガノシロキサンの添加量は得られるポリオルガノシロキ
サン全量の5重量%以下である。 このポリオルガノシ
ロキサンは、上記したオルガノシロキサンとグラフト交
叉剤、さらには必要に応じて架橋剤、あるいは官能基を
有するオルガノシロキサンとを、例えばアルキルベンゼ
ンスルホン酸、アルキル硫酸などの触媒の存在下にホモ
ミキサーなどを用いて、せん断混合し、重縮合させるこ
とによって得ることができる。
【0042】この触媒は、オルガノシロキサンの重合触
媒として作用するほか、縮合開始剤となる。この触媒の
使用量は、オルガノシロキサンおよびグラフト交叉剤の
合計量に対して、0.1〜5重量%程度、好ましくは
0.3〜3重量%である。
【0043】なお、この際の水の使用量は、オルガノシ
ロキサンおよびグラフト交叉剤の合計量100重量部に
対して、通常、100〜500重量部、好ましくは20
0〜400重量部である。また、縮合温度は通常、5〜
100℃である。
【0044】このようにして得られたポリオルガノシロ
キサン(a)の分子量は、好ましくは2,000〜1
0,000,000、より好ましくは5,000〜1,
000,000である。分子量が2,000未満では得
られた熱硬化性樹脂の機械的強度に劣り、分子量が1
0,000,000を越えると熱硬化性樹脂との分散が
困難で加工性が劣る。 (単量体)本発明の(B)成分となる共重合体はこのよ
うなポリオルガノシロキサン(a)の存在下に、少なく
とも1分子あたり2個以上の不飽和結合を有する架橋性
単量体(b)とラジカル重合可能な他の有機単量体
(c)とを用いて、重合を行うことにより得ることがで
きる。
【0045】上記(b)の少なくとも1分子あたり2個
の不飽和結合を有する架橋性単量体としては、ジビニル
ベンゼン,ジビニルエーテル,ジアリルフタレート,エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート,トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの分子内に
重合性二重結合を複数個有する化合物を挙げることがで
きる。
【0046】これら(b)成分の量はグラフト成分全量
(b)+(c)の0.1〜10重量部であり、好ましく
は0.5〜5重量部である。(b)成分が0.1重量部
未満では、熱硬化性樹脂への得られた共重合体の分散が
困難となり、本発明の熱硬化性樹脂組成物の機械的特性
が劣る。一方、(b)成分が10重量部を越えると、共
重合体の弾性が乏しく、得られた熱硬化性樹脂組成物の
耐衝撃性が劣る。
【0047】グラフト成分であるラジカル重合可能な有
機単量体(c)としては、例えば、ブタジエン,ジメチ
ルブタジエン,イソプレン,クロロプレンおよびこれら
の誘導体などを挙げることができる。
【0048】さらには、(c)成分としては、(メタ)
アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メ
タ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,
(メタ)アクリル酸ヘキシル,(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル,(メタ)アクリル酸ラウリル,ポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート,ポリプロピレング
リコール(メタ)アクリレート,ビスフェノ−ルAのジ
グリシジルエーテル,グリコールのジグリシジルエーテ
ルなどと(メタ)アクリル酸,ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートなどとの反応によって得られるエポキ
シ(メタ)アクリレート,ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートとポリイソシアナートとの反応によって得
られるウレタン(メタ)アクリレート,メトキシエチル
(メタ)アクリレート,エトキシエチル(メタ)アクリ
レートなどのアルコキシ(メタ)アクリレートなどの
(メタ)アクリル酸エステル類、さらにはアクリロニト
リル,メタクリロニトリルなどのシアノ基含有化合物な
どを挙げることができる。
【0049】前記以外の(c)成分たる不飽和炭化水素
としては、エチレン,プロピレン,1−ブテン,2−ブ
テン,イソブテン,1−ペンテンなどのオレフィン,ス
チレン,メチルスチレンなどの芳香族ビニルなどを挙げ
ることができる。
【0050】また、(c)成分としては、各種官能基を
有する単量体も用いることができる。例えば、官能基が
カルボキシル基の場合は、(メタ)アクリル酸,イタコ
ン酸,マレイン酸,フマル酸,コハク酸β−(メタ)ア
クリロキシエチル,マレイン酸β−(メタ)アクリロキ
シエチル,フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチル,
ヘキサヒドロフタル酸,β−(メタ)アクリロキシエチ
ルなどの不飽和酸などを挙げられ、官能基が酸無水物基
の場合は、無水マレイン酸,無水コハク酸などの不飽和
酸無水物が挙げられ、官能基がエポキシ基の場合は、グ
リシジル(メタ)アクリレート,アリルグリシジルエー
テルなどが挙げられ、官能基がアミノ基の場合は、ジメ
チルアミノ(メタ)アクリレート,ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、官能基がアミ
ド基の場合は、(メタ)アクリルアミド,ジメチル(メ
タ)アクリルアミドなどが挙げられ、官能基がヒドロキ
シル基の場合は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト,ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙
げられ、官能基がイソシアネート基の場合は、ビニルイ
ソシアネート,イソシアネートエチル(メタ)アクリレ
ート,p−スチリルイソシアネートなどが挙げられ、官
能基がリン酸基の場合は、(メタ)アクリロキシエチル
ホスフェートなどを、挙げることができる。
【0051】なお、(B)成分となる共重合体のグラフ
ト相を形成する(b)+(c)の共重合体のガラス転移
温度は25℃以下、とりわけ0℃以下が好ましい。グラ
フト相成分のガラス転移温度が25℃を越えると常温で
の熱硬化性樹脂の靭性付与効果が低くなる。
【0052】本発明の(B)成分としての共重合体の構
成において、(a)成分が好ましくは30〜90重量
%、より好ましくは40〜90重量%、さらに好ましく
は50〜80重量%である。
【0053】(a)成分のポリオルガノシロキサンが3
0重量%未満では、得られた熱硬化性樹脂組成物の耐熱
性、耐湿性に劣り、90重量%を超えると熱硬化性樹脂
との混合時の分散が悪く機械的強度が劣る。
【0054】また、(B)成分の共重合体は複層構造を
有し、(a)成分であるポリオルガノシロキサンの
(b)および(c)成分のグラフト率は、通常全(b)
および(c)成分量の通常20重量%以上、好ましくは
50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上であ
る。
【0055】グラフト率が低いと、熱硬化性樹脂との混
合時に、共重合体(B)のコア層とシェル層が剥離ない
しは分離し、コア層のみあるいはシェル層のみの重合体
が部分的に含有される熱硬化性樹脂組成物となるため、
組成物の成形加工性および機械的強度が劣る傾向があ
る。
【0056】さらに(B)成分は架橋性単量体を用いる
ことにより橋かけ構造となり、また(B)成分のゲル含
量は50重量%以上である。(B)成分のゲル含量が5
0重量%未満では、熱硬化性樹脂への(B)成分の分散
が悪く、得られる熱硬化性樹脂組成物の成形性、機械的
強度が劣る。 (重合)また、(B)成分の重合において用いられるラ
ジカル重合開始剤としては、例えばクメンハイドロパー
オキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどの有
機ハイドロパーオキサイド類からなる酸化剤と、含糖ピ
ロリン酸鉄類処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリ
ン酸鉄処方/スルホキシレート処方の混合処方などの還
元剤との組み合わせによるレドックス系の開始剤;過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;アゾ
ビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2´−アゾビ
スイソブチレート、2−カルバモイルアザイソブチロニ
トリルなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物などが例
示される。
【0057】ここで、ラジカル重合開始剤の種類によっ
ては、前述した、(a)成分であるポリオルガノシロキ
サンを得る際に触媒として用いたアルキルベンゼンスル
ホン酸などにより酸性となっているポリオルガノシロキ
サンのエマルジョンを、アルカリで中和する必要があ
る。このアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、トリエタノールアミン、トリエチルアミンなどが用
いられる。
【0058】ラジカル重合は乳化重合あるいは懸濁重合
で代表される非均質分散重合系で実施されねばならな
い。すなわち本願組成物の特徴は熱硬化性樹脂(A)中
に共重合体(B)が微粒子状に分散することにより発現
されるものであり、分散時の微粒子そのものが、分散重
合系で重合された共重合体の分散系での粒子であること
にある。すなわち重合時の共重合体の粒子径をコントロ
ールすることにより、本願発明の熱硬化性樹脂組成物中
の共重合体の粒子径を制御することができる。分散粒子
径は0.1〜1μmで、好ましくは0.2〜0.5μm
である。
【0059】分散粒子径が0.1μm以下では、得られ
る熱硬化性樹脂組成物の加工性(流動性)に劣り、1μ
m以上では強度が低下する。
【0060】乳化重合に際しては、公知の乳化剤、上記
ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤などが使用される。
【0061】ここで、乳化剤としては、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジ
フェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジ
アルカリエステルスルホン酸ナトリウムなどのアニオン
系乳化剤、あるいはポリオキシエチレンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルなどの
ノニオン系乳化剤の1種または2種以上を挙げることが
できる。
【0062】また懸濁重合に際しては、公知の各種分散
剤を利用することができる。
【0063】本発明において、(B)成分の重合方法
は、バッチ式、連続式のいずれでもよい。ただし、最も
好ましい方法である、第1段目のシードラテックスを乳
化重合で得た後、第2段目の重合に必要な単量体を反応
器に加え、目的とするラテックスを得る方法において
は、バッチ式が好ましい。
【0064】得られたラテックスから(B)成分の共重
合体を凝固する方法としては特に制限はなく、通常の合
成ゴムの製造法で用いられているように、未反応単量体
を除去したラテックスに所定量の老化防止剤を加え、さ
らに塩化ナトリウム,硫酸アルミニウム,塩化カルシウ
ムなどの凝固剤を用いて凝固することができる。
【0065】また、特開平2-160859号公報に記載されて
いるようなノニオン系乳化剤をラテックスに添加し、ノ
ニオン系乳化剤の曇点以上に加温して重合体を凝固する
こともできる。この場合、先の金属塩を用いた凝固に比
し、得られた共重合体に含有される金属が少なく、電気
絶縁性に優れ、かつ金属腐蝕性も少ないという特徴を有
している。よって、前記方法により調整された(B)成
分を用いた本願の熱硬化性樹脂組成物は半導体封止材
料、注型材、積層板といった電気・電子部品用途に特に
好適である。 (組成物の調製)(A)成分に対する(B)成分の混合
割合は、(A)成分100重量部に対し、(B)成分1
〜100重量部、好ましくは1〜50重量部である。
(B)成分が1重量部未満では、組成物における可撓性
および耐衝撃性の改良効果がなく、100重量部を超え
ると、(B)成分が相対的に過多となり、熱硬化性樹脂
本来の特性である電気特性、機械的特性などが十分に発
揮されない。
【0066】(A)成分と(B)成分との混合方法とし
ては、通常行われる密閉型混合機、押出機、ロールなど
を用いた混練りのほか、例えば(B)成分のラテックス
に(A)成分、あるいは予め(A)成分を界面活性剤を
用いて乳化したラテックスを添加し、剪断力下に強制撹
拌し、その後(B)成分を凝固するのと同様の手順で固
形分を水から分離し、乾燥する方法を用いることができ
る。
【0067】なお、本発明の熱硬化性樹脂組成物の調製
の際には、必要に応じて、樹脂硬化剤、リターダー、シ
リカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、石英粉、タル
ク、カオリン、マイカ、チタン化合物、アンチモン化合
物などの充填剤、顔料、老化防止剤、紫外線吸収剤、ワ
ックスなどの各種添加剤を配合することができる。
【0068】充填材としては、強度、分散性に優れるこ
とによりシリカが好ましい。シリカは電気特性も良好な
ことから半導体封止材料、注型材といった電気・電子部
品用途に特に好ましく、その配合量は熱硬化性樹脂10
0重量部に対し通常50〜1000重量部であり、好ま
しくは100〜600重量部である。充填材が50重量
部未満では得られた熱硬化性樹脂組成物の機械的強度が
劣り、1000重量部を超えると熱硬化性樹脂組成物の
混練り作業性が劣り、耐衝撃性も劣る。
【0069】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以
下の実施例に限定されるものではない。実施例と比較例
において「部」,「%」とあるのは、「重量%」,「重
量部」を意味する。 (ポリシロキサンエマルジョンの調製) オクタメチルシクロテトラシロキサン 200g γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン 8g を、予めドデシルベンゼンスルホン酸4gを溶解した純
水400gに投入し、ホモミキサーで撹拌することによ
り安定したエマルジョンを調製した。
【0070】得られたエマルジョンをフラスコに移し、
窒素気流下で80℃にて10時間撹拌し、その後冷却
し、室温にて24時間時々軽くかきまぜながら放置し
た。その後、希釈した水酸化ナトリウム水溶液を用い、
エマルジョンをpH7.0に中和した。さらに、窒素バ
ブリングにより残留モノマーを留去することにより、メ
タクリロイル基を有するポリシロキサンエマルジョン
(S−1)を得た。また、このエマルジョンの平均粒子
径は0.22μmであった。
【0071】上記S−1の合成において、シロキサン単
量体として、オクタメチルシクロテトラシロキサン20
0g,γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン8g,γ−グリシジロイルプロピルメチルジメトキ
シシラン12gを用いた以外はS−1と同様の方法で合
成を実施し、エポキシ基とメタクリロイル基を有するポ
リシロキサンエマルジョン(S−2)を得た。このエマ
ルジョンの平均粒子径は0.24μmであった。
【0072】上記S−1の合成におけるγ−メタクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシランの代わりにスチリ
ルエチルトリメトキシシラン10gを用いた以外は上記
S−1の合成と同様にして、ビニルフェニル基を有する
ポリシロキサンエマルジョン(S−3)を得た。S−3
のエマルジョンの平均粒子径は0.21μmであった。
上記S−1の合成において、γ−メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシランを全く用いず、オクタメチ
ルシクロテトラシロキサンのみを用いた以外はS−1と
同様に重合し、ポリシロキサンエマルジョン(S−4)
を得た。このエマルジョンの平均粒子径は0.22μm
であった。 (共重合体の調製)下記の処方により、6リットルのガ
ラス製オートクレーブを用い、60℃にて乳化重合を実
施した。
【0073】 ポリシロキサンエマルジョン(S−1) 600g (固形分200g) ブタジエン 175g アクリロニトリル 90g メタクリル酸 30g ジビニルベンゼン 5g 過硫酸カリウム 1g 重合転化率が95%に達した後、単量体100部当り
0.2部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加し、重合を
停止させた。続いて減圧下で約70℃にて水蒸気蒸溜に
より残留単量体を回収した。得られたラテックスについ
て、日科機(株)製コールターサブミクロ粒子アナライ
ザー(モデルN−4)を用いてラテックス粒子の平均粒
子径を測定したところ、0.28μmであった。
【0074】次に、得られたラテックスにポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル(花王石鹸(株)製,
「エマルゲン920」)を共重合体100部当り8部添
加し、さらに老化防止剤としてアルキル化フェノールを
1部添加した。次いで、耐圧管にこのラテックスを入
れ、110℃に加温してラテックスを凝固させた。凝固
された共重合体は微粒子状であり、これを濾別によって
集めた後、常法に従った脱水,乾燥を行い、ゴム状重合
体を得た。これを「共重合体I」とする。
【0075】得られた共重合体Iのゲル含量を以下の方
法で測定した。ゲル含量 重合体サンプル10gを厚さ1mmにプレスシート化
し、中央部の平滑部1gを精秤し、テトラヒドロフラン
100ミリリットルに浸漬し、24時間静置後における
100メッシュの金網不通過分の割合として求めた。
【0076】以上、同様の手順により、シロキサンエマ
ルジョンS−1あるいはS−2、S−3をシ−ドラテッ
クスとして、表1に示した配合処方で他の乳化重合可能
な単量体を重合することでコア/シェル構造を有する7
種の共重合体II〜VIIIを得て、それぞれの平均粒子径お
よびゲル含量を測定した。
【表1】 (実施例−1)先の方法で得られた共重合体Iを用い
て、次の配合によりエポキシ樹脂組成物を得た。
【0077】 エポキシ樹脂 (*1) 100部 ノボラック樹脂(*2) 50部 共重合体I 10部 α−メチルイミダゾール 0.75部 *1 商品名「スミーエポキシ ESCN 220L」 住友化学工業(株)製 *2 商品名「タマノール 758」 荒川化学工業(株)製 これらを密閉型ミキサーを用いて80℃にて混練し、さ
らに160℃にてプレス成形を行い、得られた成形板に
フライス盤加工を施すことにより、耐衝撃性試験片,曲
げ強度試験片を作製した。
【0078】これらの試験片について以下の物性試験を
行った。曲げ強度試験 前記の試験片を用いて、JIS K 7203に準じて行った。耐衝撃性試験 アイゾット衝撃試験機を用い、室温でノッチなしの試験
片により測定を行った。混練物の流動性 得られた混練物の加工性の代用指標として、混練物の流
動性を、島津製作所製フローテスターにより、1mmφ
×2mmのダイを用い、160℃にて測定を行った。分散粒子の観察 上記熱硬化性樹脂組成物のアイゾット衝撃試験片につい
て、ウルトラミクロトームを用いて超薄切片を切出し、
これを1%の四酸化オスミウム水溶液にて染色した後、
透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製 TEM-100型)を用
いて観察し、分散粒子の平均粒子径を測定した。体積固有抵抗の測定 熱硬化製樹脂組成物を用い、膜厚が0.5mmの硬化成
形シートを作成し、YHP製LCRメーター4284A
を用いて、23℃、AC1Vrmsの条件下で測定を行
った。
【0079】以上の結果を表2に示した。
【表2】 なお、図1は、共重合体IIを用いたエポキシ樹脂組成物
の分散粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。 (実施例2〜5)実施例1と同様にして、表1に示す単
量体組成を重合させることにより得られた4種の共重合
体(共重合体II〜V を用い、実施例1と同様にエポキシ
樹脂組成物を調製し、さらに同様の評価を行った。結果
を表2に示した。
【0080】表2より、本願発明の熱硬化性樹脂組成物
は、機械的強度,耐衝撃強度に優れ、かつ優れた成形性
をも併せて有する組成物であることが分る。 (比較例1〜5)実施例1と同様にして、表1に示す単
量体組成を重合させることにより得られた3種の共重合
体(共重合体VI〜VIII)およびシロキサンエマルジョン
(S−1)を用い実施例1と同様にエポキシ樹脂組成物
を調製し、さらに同様の評価を行った。結果を表3に示
した。
【表3】 比較例1においては、共重合体を含まず、熱硬化性樹脂
のみの組成物であるため、曲げ強度、耐衝撃性が劣るこ
とが分る。
【0081】比較例2においては、ポリシロキサンを含
まない共重合体を用いた組成物であるため、粒子径が小
さく、流動性に劣ることが分る。
【0082】比較例3においては、シリコーンコア層に
グラフト点を有しない共重合体を用いた組成物であり、
曲げ強度、耐衝撃性に劣ることがわかる。
【0083】比較例4においては、架橋性単量体を含ま
ない共重合体を用いた組成物であるため、曲げ強度、耐
衝撃性、流動性に劣り、組成物中の共重合体粒子の分散
も悪いことが分る。
【0084】比較例5においては、架橋性単量体および
有機単量体を含まず、シロキサンエマルジョンのみを用
いた組成物であるため、曲げ強度、耐衝撃性に劣り、組
成物中の共重合体粒子の分散も悪いことが分る。 (エポキシ接着剤としての評価) (実施例6)前記実施例1で示された配合処方により得
られた共重合体I のラテックスを表4に示された割合と
なるように、エポキシ樹脂「エピコート828」(油化
シェルエポキシ(株)製)に投入し、常温下、特殊機化
工業(株)製の剪断撹拌混合機「ホモディスパー」にて
20分間混合し、トリフェニルホスフィン0.1部を添
加後90〜95℃以下で予備反応を行なった。その後同
温度にて減圧下で水分を除去して、共重合体が均一に分
散されたエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂
組成物100部にトリエチレンテトラミン10部を添
加、混合し、140℃にて60分間で硬化させ、さら
に、実施例1と同様に硬化物の超薄切片を作製し、四酸
化オスミウムで染色後、透過型電子顕微鏡により観察
し、共重合体I の分散粒子の平均粒子径を測定した。
【0085】上記エポキシ樹脂組成物を用い、表4に示
した配合に従い、硬化剤および充填剤を混合し、エポキ
シ樹脂組成物を得た。この組成物を接着剤として用い、
以下の接着性に関する特性試験を行った。なお、この試
験において用いた被着材は、厚さ1.6mmの冷間圧延
鋼板を#240サンドペーパーで研磨し、トリクロルエ
チレンで洗浄脱脂したものであり、また接着剤の硬化
は、140℃で1時間にわたる加熱により行った。
【表4】 (イ)接着剤の粘度 硬化前の接着剤組成物についてBH型回転式粘度計を用
いて25℃での粘度を測定した。(ロ)引張剪断強度 JIS K 6850の方法に準ずる。なお、この試験における引
張強度は5mm/分である。 (ハ)T型剥離強度 JIS K 5854の方法に準ずる。なお、この試験における引
張速度は50mm/分である。
【0086】なお、(ロ)および(ハ)の強度の測定は
23℃で行った。 (ニ)衝撃試験 被着材として、前記冷間圧延鋼板と同様の処理を行った
縦100mm×横25mm×3.2 mmの冷間圧延鋼板を
用い、25mm×25mmの接着面積で接着し140℃
にて60分間で硬化させた。得られた接着試験片はデュ
ポン式衝撃試験機を用い、23℃にて500g重りを5
0cmの高さから落下させ接着部が破壊に至るまでの回
数を測定した。
【0087】以上の測定結果を表4に示す。 (実施例7,8)実施例6と同様に、実施例7および8
につき表4に示す組成でエポキシ樹脂を調製し、さらに
接着性に関する特性試験を行った。その結果を表4に示
した。
【0088】表4より、本願発明の組成物は、接着剤と
しての粘度が低く接着剤の塗布作業性が良好であり、か
つ接着強度、特に通常エポキシ樹脂接着剤の欠点とされ
る剥離強度で優れた特性を示し、さらに、接着層は耐衝
撃性に優れたものであることが明らかである。 (比較例7〜11)実施例6と同様に、比較例7〜11
につき表4に示す組成でエポキシ樹脂組成物を調製し、
さらに接着性に関する特性試験を行った。その結果を表
4に示した。 比較例7においては、共重合体を含ま
ず、熱硬化性樹脂のみの組成物であるため、接着剤とし
て剥離強度および耐衝撃性に劣ることが分る。
【0089】比較例8においては、ポリシロキサンを含
まない共重合体を用いた組成物であるため、共重合体の
粒子径が小さく、接着剤として粘度が高いことが分る。
【0090】比較例9においては、シリコーンコア層に
グラフト点を有しない共重合体を用いた組成物であり接
着剤として剪断強度、剥離強度、耐衝撃性に劣ることが
分かる。
【0091】比較例10においては、架橋性単量体を含
まない共重合体を用いた組成物であるため、共重合体粒
子の分散が悪く、接着剤として粘度が高く、引張強度、
剥離強度、耐衝撃性に劣ることが分る。
【0092】比較例11においては、熱硬化性樹脂とポ
リシロキサンのみの組成物であるため、共重合体粒子の
分散が悪く、接着剤として引張強度、剥離強度、耐衝撃
性に劣ることが分る。
【0093】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、加工性
が良好であり、かつ優れた耐衝撃性,機械的強度,接着
強度,電気特性を有することから、半導体封止材料、プ
リント基板用接着剤、注型材、各種塗料、接着剤、ライ
ニング材、シーリング材、カーボンファイバーバインダ
ー材、プリント基板用プリプレグおよび各種成形材料と
して有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、熱硬化性樹脂中に分散された共重合体
の粒子状態を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱硬化性樹脂100重量部と、 (B)Ra SiO4-a/2 (式中、Rは置換または非置換の1価の有機基を示し、
    a は1.80〜2.02の数を示し、Rで示される有機
    基はエチレン性不飽和基を0.02〜10モル%含む基
    である。)であらわされる構造単位を有するポリオルガ
    ノシロキサン粒子の存在下に、少なくとも1分子あたり
    2個以上の不飽和結合を有する架橋性単量体とラジカル
    重合可能な他の有機単量体とをラジカル重合することに
    より得られる共重合体であり、該共重合体のゲル含量は
    50重量%以上である共重合体1〜100重量部と、 を含み、前記共重合体の熱硬化性樹脂への分散粒子径が
    0.1〜1μmであることを特徴とする熱硬化性樹脂組
    成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006098514A1 (ja) * 2005-03-17 2006-09-21 Nec Corporation 封止樹脂組成物
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